JP5075646B2 - 半導体欠陥検査装置ならびにその方法 - Google Patents
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Description
前記欠陥の分類においては,乖離ベクトルセットを判断基準として,前記項目(2)中の(b)想定外欠陥発生要因に分類された欠陥をさらに詳細クラスに分類することができる。前記詳細クラスには,ユーザが全く想定できなかった欠陥の他に,想定はできるが形状変形ルールとして組み込めない欠陥も含む(例えばランダム発生欠陥や,シミュレーションにより高い精度で推定できなかった光近接効果による形状変形等)
(4)前記項目(1)(2)における前記形状変形は,設計データに対しパターン幅の太りや細り、パターン形状全体に対する等方的あるいは特定方向の拡大や縮小,またはコーナー部における丸みの付加等により行う。
本発明によれば,露光条件の変動による回路形状の変形をより忠実に再現することができ,欠陥検査の精度向上につながる。
(1)複数の要因が複合した欠陥であっても,欠陥の検出あるいは発生要因別の分類が可能となり、不良対策の迅速化を図ることができる。
(2)想定外の要因による欠陥が混入しても,精度よく抽出された欠陥部位における形状乖離を解析することでより詳細な分類が実施できる。
(3)回路パターン画像と回路設計データを用いて大量のSEM画像を欠陥発生原因別に自動的に分類することが可能となり、不良対策の迅速化を図ることができる。
図1は、本発明の一実施例による半導体ウェーハ上の欠陥を検出、分類するSEMを用いた欠陥検査装置の概略構成図である。
計算機113に含まれる欠陥検査処理部119は、計算機109にて作成された高倍率のSEM画像により形成された検査対象回路パターン画像115と、記憶装置112に格納された高倍率のSEM画像による撮像部位に対応する回路設計データ116とを入力とし、欠陥の検出および分類を行い、欠陥検出結果または欠陥分類結果または両方からなる欠陥検出・欠陥分類結果117を記憶装置112に格納する。欠陥検査処理部の処理に関わるデータはLAN118を介して計算機および記憶装置間で転送される。
検査対象回路パターン抽出部1191は、図2に示すように、検査対象回路パターン画像115から検査対象回路パターンの形状201(以降、検査対象回路パターン201と呼ぶ)を抽出する。エッジ抽出は、例えば、特開平7−170395号公報や特開平10−13854号公報に記載されているような検査対象回路パターン画像にエッジ抽出フィルタ等の画像フィルタを適用して輪郭を強調し、二値化処理や細線化処理を施すことにより行う。
比較形状作成部1192は、設計データを複数の形状変形ルールにより変形させて比較形状セットを作成する。正常な回路パターンはある程度の許容範囲があり,一つの比較形状との比較により欠陥判定をすることは難しい。更に形状変形の要因は一般的に一つではなく,複数の欠陥発生要因の組み合わせとなるため,単一のルールから形状変動を予想することは困難である。このような問題に対し,比較形状作成部1192では,想定内欠陥発生要因を考慮した正常形状範囲を作成し,後述する欠陥検出および分類の手法により,複数の要因が複合して生じた欠陥であっても精度良く検出および分類することを可能とするものである。
露光条件の変動を考慮して比較形状を得るには,露光シミュレーション等を利用して比較形状の作成を行うことが考えられるが,一般に処理コストを要する。そのため,前述のコーナー部を丸めるといった簡易な画像処理により実際に形成されうるパターン形状を模すことが有用である。
形成される回路パターンを忠実に再現し,欠陥検査の精度を高めることを重視する場合には,比較形状セット作成時,露光シミュレーションによって算出される光学的強度分布を用いても良い。この方法について図5を用いて説明する。まず、回路設計データ116をもとに、比較形状作成部1192において光学シミュレーション11921により、露光時の光強度分布501を取得する。光強度分布画像5010は、光強度分布501を画像化したものである。次に、光強度分布501を複数の光強度でスライス処理S11921を行うことで、複数の比較形状(比較形状セット302’)を取得することができる。このとき、露光条件変動形状変形ルール301’として、スライスする光強度(図5における値th1、th2、…thN)を記録しておく。このとき、デバイスとして正常と判定される形状を与える光強度の範囲(上限値および下限値)を追加しておくことで、後述する欠陥検出・分類処理において、検査対象回路パターンが異常露光条件欠陥を含んでいるか否かを判定することができる。
上記した(1−2)にて述べた方法において,比較形状セット作成処理を簡便かつ高速に行うため、図18に示すように、回路設計データに基づいて作成した回路パターン形状116に抜き残し情報を付加したマスクデータ1801を画像化し、光学シミュレーションを模擬した画像処理(平滑化処理等)を施して作成した多値画像1802を上記光強度分布画像5010の代わりに使用することもできる。さらに、比較形状をよりSEM画像に近づけるため、スライス処理11922により得た形状を電子線シミュレーションにより変形させたものを比較形状セット302’として用いても良い。
形状比較部1193は、前記比較形状セットの各形状と検査対象回路パターンとを順次比較し,前記比較形状セットから最も検査対象回路パターンと類似するものを欠陥検査用比較形状として選択する処理を行う。具体的には,検査対象回路パターンと比較形状とで,特異な形状乖離を起こしている部位以外において両形状ができるだけ一致するよう、適切な比較形状を選択することを特徴とする。例えば、図7において、比較形状セット302の一つの比較形状3021は回路太さが異なり、欠陥部位のみを抽出することができないので、この形状を欠陥検出・分類に用いることはできない。また、比較形状セット302の一つの比較形状3022は、欠陥以外の部位が一致するよう、合わせ位置の調整が必要である。これらに対して、比較形状302の比較形状の一つ3023は、回路太さ・欠陥以外の部位における形状がそれぞれ一致しているため、このときの形状乖離をもって、欠陥部位の解析を行うのが望ましい。
(1)特異な大きさを持つベクトルを除外し、その上での乖離ベクトルセットの大きさ総和をもって形状一致度とする方法、
(2)図9に示すように、比較形状3020のうち、乖離ベクトルの大きさが所定のしきい値未満となるエッジ部位を形状一致エッジ901として抽出し、形状一致エッジ901が比較形状3020に占める割合の大きさをもって形状一致度とする方法、および
(3)図10に示すように、乖離ベクトルの大きさのヒストグラム1001を作成し、支配的な分布1002に含まれる乖離ベクトルの絶対値平均の逆数をもって形状一致度とする方法
が挙げられる。
図1に示した欠陥検出・分類部1194は、形状比較部1193からの出力情報600を受けて検査対象回路パターンと前記欠陥検査用比較形状との形状乖離量を算出し,前記変形量情報と前記形状乖離量の一方または両方を用いて欠陥の検出を行う。欠陥の検出は所定の欠陥検出ルールに従って行われ,前記欠陥検出ルールに,欠陥検査用比較形状が前記正常形状範囲に含まれているかを判定基準とするルールが含まれる。
先ず、欠陥分類対象パターン201に対して、第一の判定S11941を実施する。第一の判定S11941は、欠陥検査用比較形状作成時に適用された変形量情報を用いて,欠陥検査用比較形状が、正常形状範囲内にあるか否かを判定するもので,欠陥検査用比較形状が正常形状範囲外と判断された場合(S11941のNoの分岐)には、モードBを有し、範囲内と判断された場合にはモードBを有さない欠陥種に分類される。ここで,前記正常形状範囲は,形状変形ルール毎の形状変形がデバイス特性に与える影響などを考慮し,予め定めておく。
図13(a)に示すように、パターンの輪郭方向に乖離ベクトルを並べ、欠陥部位に相当する乖離ベクトル列1301周辺および内部におけるベクトル長の微分値1302を計算する。モードCに属する欠陥は、欠陥部位における形状乖離が滑らかに変化し、微分値の絶対値が小さい範囲に収まる(図13(b))。一方、モードDに属する欠陥は、欠陥部位における乖離ベクトルの大きさの変化が急激な部分があり、微分値の絶対値にしきい値を設けることで急激な変化を検出することができる(図13(c))。このことから、欠陥部位に相当する乖離ベクトル列1301周辺および内部において絶対値があるしきい値以上となる微分値が存在しない場合には、当該の欠陥に欠陥モードCを、そうでない場合にはモードDを適用する。
図14に示すように、パターンの輪郭方向に乖離ベクトルを並べ、隣接する乖離ベクトルの始点同士を結ぶベクトル1401(以下、始点間ベクトル)、および終点同士を結ぶベクトル1402(以下、終点間ベクトル)を計算する。次に、終点間ベクトル1402の始点間ベクトル1401と平行な成分1403を算出する。モードCは、マスクに対する不適切なOPC(光近接効果補正)によって起こる欠陥を想定した分類であり、これらの欠陥においては、図11のモードCの例に示すように、欠陥部位における輪郭が欠陥のない理想形状とほぼ同じ方向成分を持つ。それに対してモードDにおいては、欠陥部位における輪郭が理想形状とは無関係な方向成分を持つ。このことから、欠陥部位周辺において、平行成分1403と終点間ベクトル1402のスカラー比が常にある値以上となっている場合には、当該の欠陥に欠陥モードCを、そうでない場合にはモードDを適用する。
本実施例によれば,想定される欠陥発生要因に対して要因別の形状変形の度合いを把握することができ,対策プロセスの優先度を決定することができる。
欠陥検出ルール1707の例を次の(1)〜(3)に示す。
前記変形量セット1713を用いて,欠陥検査用比較形状1705が比較形状セット1703に対して予め定めた正常形状範囲に含まれるか否かによって欠陥の有無を判定する。ここで,正常形状範囲は形状変形ルール毎の形状変形がデバイス特性に与える影響などを考慮し,予め定めておく。
前記形状乖離量1706として乖離ベクトルセットを算出し,所定の大きさを超える乖離ベクトルを検出することで欠陥の有無を判定する。また,この方法によれば,欠陥の有無だけでなく,検査対象回路パターンにおける欠陥の部位も特定できる。
上記(1)(2)のルールを順次適用し,いずれかのルールによって欠陥が検出された場合には,欠陥有りと判定する。
(1)変形量セットを用いたルール
前記変形量セット1713を用いて,前記想定内欠陥発生要因毎の検査対象回路パターン形成に対する影響の度合いを求め,欠陥発生要因別に,例えば,図11に示す各欠陥モードおよびそれらの組み合わせを含む欠陥種に分類する。
前記形状乖離量1706として乖離ベクトルセットを算出し,乖離ベクトル列の大きさや分布,または乖離ベクトル列の大きさや分布の検査対象回路パターンの輪郭方向の変化のパターンを用いて分類する。
まず,前記検査対象回路パターンと欠陥検査用比較形状との類似度を計算する。類似度が所定レベル以上の場合には,想定内欠陥発生要因による欠陥を前記(1)のルールによって分類し,類似度が所定レベルに満たない場合には,想定外欠陥発生要因による欠陥を前記(2)のルールによって分類する。
104・・・反射電子検出器 105・・・二次電子検出器 106・・・電気信号107・・・A/D変換器 108・・・ディジタルデータ 109・・・計算機
110・・・入力デバイス 111・・・ディスプレイ 112・・・記憶装置
113・・・計算機 114・・・ディスプレイ
115・・・検査対象回路パターン画像 116・・・回路設計データ
117・・・欠陥検出・欠陥分類結果 118・・・LAN
119・・・欠陥検査処理部 1191・・・検査対象回路パターン抽出部
1192・・・比較形状作成部 1193・・・形状比較部
1194・・・欠陥検出・分類部 201・・・検査対象回路パターン
401・・・変形量指定GUI 402・・・変形範囲指定GUI
403・・・ステップ数指定GUI 404・・・正常形状範囲指定GUI
701・・・欠陥部位 1301・・・欠陥部位
1501・・・検査結果GUI表示 1502・・・回路設計データ
1503・・・検査パターン画像 1508・・・欠陥部位
1702・・・比較形状作成部 1704・・・形状比較部
Claims (18)
- 予め他の検査装置で検出した半導体ウェーハ上の欠陥を走査型電子顕微鏡を用いて検査する装置であって、
予め他の検査装置で検出した欠陥の位置情報を用いて回路パターンが形成された半導体ウェハ上の前記欠陥を含む検査領域のSEM画像を取得するSEM画像取得手段と、
該SEM画像取得手段で取得した検査領域のSEM画像を参照画像と比較して前記半導体ウェハ上の所望の検査領域に存在する欠陥のSEM画像を抽出する欠陥画像抽出手段と、
該欠陥画像抽出手段で抽出した欠陥のSEM画像を分類する欠陥分類手段と、
該欠陥分類手段で分類した結果を出力する出力手段とを備え、
前記欠陥画像抽出手段は、
前記SEM画像取得手段で取得した検査領域のSEM画像から該検査領域内の回路パターンの検査形状を抽出する検査形状抽出部と、
前記検査領域内の回路パターンに対応する設計データを用いて該回路パターンの形状を複数の形状変形ルールにより変形させて前記検査形状抽出部で抽出した検査形状に対応する複数の比較用形状を作成し該作成した複数の比較用形状の中から前記検査形状抽出部で抽出した回路パターンの検査形状と類似した形状を比較用形状として選択する比較形状作成部と、
該比較形状作成部で選択した比較用形状と前記検査形状抽出部で抽出した回路パターンの検査形状との情報を用いて該SEM画像の中から欠陥の画像を抽出する欠陥画像抽出部と
を備えたことを特徴とする欠陥検査装置。 - 前記検査形状抽出部において前記検査領域内の回路パターンの検査形状を抽出することを、前記SEM画像取得手段で取得した回路パターンのSEM画像からエッジ抽出を行うことにより前記回路パターンの検査形状を抽出することを特徴とする請求項1記載の欠陥検査装置。
- 前記比較形状作成部において、前記複数の形状変形ルールは欠陥発生要因とリンクしていることを特徴とする請求項1記載の欠陥検査装置。
- 前記比較形状作成部において回路パターンの形状を変形させることを、設計データに対してパターン幅の太り又は細り、パターン形状全体に対する等方的あるいは特定方向の拡大又は縮小、またはコーナ部における丸み付けの何れかを含んで行うことを特徴とする請求項1記載の欠陥検査装置。
- 前記比較形状作成部における回路パターンの形状を変形させる変形量の範囲を入力する入力手段を更に備えることを特徴とする請求項4記載の欠陥検査装置。
- 前記比較形状作成部において回路パターンの形状を変形させることを、露光シミュレーションを用いて行うことを特徴とする請求項1記載の欠陥検査装置。
- 前記比較形状作成部は、前記回路パターンに対応する設計データに対してパターン幅の変動、画像の拡大縮小の変動、パターンの長さの変動、パターンのコーナーの曲率の変動および平滑化処理の変動を盛り込んで前記複数の比較用形状を作成することを特徴とする請求項1記載の欠陥検査装置。
- 前記欠陥画像抽出部で画像を抽出した欠陥を欠陥発生要因ごとに分類する欠陥発生要因分類手段を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の欠陥検査装置。
- 前記欠陥画像抽出部において、前記回路パターンの形状と前記比較用形状との形状の乖離量を算出し,前記比較用形状に加えられた変形の情報と,前記形状の乖離量の情報の少なくとも何れか一つを用いて前記SEM画像の中から欠陥の画像を抽出することを特徴とする請求項1記載の欠陥検査装置。
- 予め他の検査装置で検出した欠陥の位置情報を用いて回路パターンが形成された半導体ウェハ上の前記欠陥を含む検査領域のSEM画像を取得し、
該取得した検査領域のSEM画像を参照画像と比較して前記半導体ウェハ上の所望の検査領域に存在する欠陥のSEM画像を抽出し、
該抽出した欠陥のSEM画像を分類し、
該分類した結果を出力する、
半導体ウェーハ上の欠陥を検査する方法であって、
前記欠陥のSEM画像を抽出する工程において、
前記取得した検査領域のSEM画像から該検査領域内の回路パターンの検査形状を抽出し、
前記検査領域内の回路パターンに対応する設計データを用いて該回路パターンの形状を複数の形状変形ルールにより変形させて前記抽出した検査形状に対応する複数の比較用形状を作成し該作成した複数の比較用形状の中から前記抽出した回路パターンの検査形状と類似した形状を比較用形状として選択し、
該選択した比較用形状と該抽出した回路パターンの検査形状との情報を用いて該SEM画像の中から欠陥の画像を抽出することを特徴とする欠陥検査方法。 - 前記検査形状を抽出する工程は、前記取得した検査領域のSEM画像からエッジ抽出を行うことにより前記回路パターンの検査形状を抽出することを特徴とする請求項10記載の欠陥検査方法。
- 前記比較用形状を選択する工程において、前記複数の形状変形ルールは欠陥発生要因とリンクしていることを特徴とする請求項10記載の欠陥検査方法。
- 前記比較用形状を選択する工程において、前記回路パターンの形状を変形させることを、設計データに対してパターン幅の太り又は細り、パターン形状全体に対する等方的あるいは特定方向の拡大又は縮小、またはコーナ部における丸み付けの何れかを含んで行うことを特徴とする請求項10記載の欠陥検査方法。
- 前記比較用形状を選択する工程において、前記回路パターンの形状を変形させる変形量の範囲をGUIの画面上で入力することを特徴とする請求項13記載の欠陥検査方法。
- 前記比較用形状を選択する工程において、前記回路パターンの形状を変形させることを、露光シミュレーションを用いて行うことを特徴とする請求項10記載の欠陥検査方法。
- 前記比較用形状を選択する工程において、前記回路パターンに対応する設計データに対してパターン幅の変動、画像の拡大縮小の変動、パターンの長さの変動、パターンのコーナーの曲率の変動および平滑化処理の変動を盛り込んで前記複数の比較用形状を作成することを特徴とする請求項10記載の欠陥検査方法。
- 前記欠陥の画像を抽出する工程において、前記抽出した欠陥の画像を欠陥発生要因ごとに分類することを特徴とする請求項10乃至12の何れかに記載の欠陥検査方法。
- 前記欠陥の画像を抽出する工程において、前記回路パターンの形状と前記比較用形状との形状の乖離量を算出し,前記比較用形状に加えられた変形の情報と,前記形状の乖離量の情報の少なくとも何れか一つを用いて前記SEM画像の中から欠陥の画像を抽出することを特徴とする請求項10記載の欠陥検査方法。
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