JP5075518B2 - ヘテロ接合電界効果型トランジスタおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
より詳細には、本発明は、特に、高耐圧化を目的としたヘテロ接合電界効果型トランジスタとその製造方法に関するものである。
プロセスの都合上、ゲート金属堆積後にパッシベーション膜を形成する場合、ゲート金属近傍のパッシベーション膜には、図3に見られるような不整合性が見られ、パッシベーション膜とゲート金属の間に空気の層が生じてしまう。この空気の層が原因となり、本来の目標とするトランジスタの高耐圧化が影響を受けている。
前記III−V族窒化物からなる半導体層上であって、少なくともソース/ドレイン電極間に前記III−V族窒化物よりも高い誘電率を有する誘電体膜を形成する第二の工程と、
前記誘電体膜のゲート電極となる部分を窒化してゲート電極を形成する第三の工程と、
前記ゲート電極上にセカンドメタルを形成する第四の工程
を含むことを特徴とするヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法が提供される。
また、本発明によれば、高耐圧特性に優れた電界効果型トランジスタの製造が可能である。
一方、高融点金属の窒化物はショットキー電極として優れた特性を示すことが知られている。
また、本発明によるIII−V族窒化物からなる半導体よりも高い誘電率を有する誘電体膜は、パッシベーション効果を有している。
その中でも、より大きなシートキャリア濃度が必要な場合にGaN/AlInNの組み合わせが、ピエゾ効果を抑えたい場合には格子整合が可能なGaN/AlGaInNの組み合わせが、成長の簡便性の観点からはGaN/AlGaNが好ましい。
その中でも、全体の層厚を厚くしたい場合にはMBE法が望ましく、量産性等の観点からはMOCVD法が、半導体層の形成方法として好ましい。
上記のソース/ドレイン電極に用いられる材料としては、Ti/Al、Hf/Al/Hf/Auなどが挙げられる。
その中でも、コンタクト抵抗が小さくなるという観点からHf/Al/Hf/Auが好ましい。
すなわち、Hf/Al/Hf/Auをこの順で、半導体表面から上方向に積層したソース/ドレイン電極が好適に用いられる。
その中でも、電極端部におけるバリが出来ない観点からEB蒸着法がソース/ドレイン電極の形成方法として好ましい。
その中でも、絶縁破壊電界と成膜速度、設備の安全性等の観点からECRスパッタ法が誘電体膜の形成方法として好ましい。
通常、誘電体膜は、理想的には高耐圧化のためにゲート/ドレイン間の電界を均等に分布させるためにはゲート電極からドレイン電極に向かって徐々に薄くなっていく状態が望ましいが、製作の容易性からゲート電極からドレイン電極に向かって階段状に厚さを変える事で等価な効果が得られる。したがって、本発明において、この階段状を「雛壇型」と称する。
この場合、形成した誘電体膜が厚い場合には、必要に応じて該誘電体膜のゲート電極を形成する部分をパターニングした後に、誘電体膜をドライまたはウェットエッチングにより、エッチングする。
エッチングの際に残した酸化タンタルの厚さによって窒化の条件が変わってくる。より厚い誘電体膜を残した場合は、より強く窒化する必要がある。
ア) 窒素ラジカル照射または窒素ラジカル照射と熱処理からなる窒化方法;
イ) アンモニアラジカル照射またはアンモニアラジカル照射と熱処理からなる窒化方法;
ウ) アンモニア照射と熱処理からなる窒化方法;
エ) イオン注入またはイオン注入と熱処理からなる窒化方法;
オ) 不純物拡散または不純物拡散と熱処理からなる窒化方法;
からなる群から選択されるいずれか1つの窒化方法である。
なお、窒素ラジカル照射の条件としては、例えば、RFパワー300W、窒素流量10sccm、窒化時間5分を用いて酸化タンタルの窒化を行なったが、窒化を十分行なえるのであれば、RFパワー、窒素流量、窒化時間は任意の値を用いることが出来る。
上記のセカンドメタルとして用いられる金属としては、金、銅、アルミニウム、チタン等が上げられるが、導電率や安定性の観点から最表面は金が好ましい。金の密着性に問題が生じることもあり、より望ましくはTi/Auの2層構造が望ましい。
なお、製造したトランジスタの耐圧試験は、十分にピンチオフするゲート電圧を印加した状態で(通常は−8V程度)ドレイン電圧を印加し、ドレイン電流が1mAとなった電圧を耐圧と定義している。
ドレイン電流が1mAとなるドレイン電圧の測定は、600V程度まで印加可能なカーブトレーサを用いている。
図1は、第1の実施例を示す図面である。図1においてHFET構造は一つの四角1で表しており、点線は2次元電子ガス2を示している。
III−Vからなる半導体層としては、MOCVD法によって、Si基板上にAlN(5nm)/GaN(20nm)を20周期繰り返した超格子からなるバッファ層、アンドープGaNチャネル層(厚さ1μm)、アンドープAl0.25Ga0.75N層(厚さ20nm)からなる構造からなる半導体層を用いた。
ドライエッチングは、RIEを用いて、CH3:SF6=32:18SCCM、RFパワー=150W、圧力=5Paで15分間エッチングを行なった。
例えば、条件としてRFパワー300W、窒素流量10sccm、窒化時間5分を用いて酸化タンタルの窒化を行なった。
しかも従来例のゲート電極上に酸化タンタルをスパッタした場合よりも200V程度高い耐圧を示し、シミュレーション結果により近い結果を示すことが明らかとなった。
実施例1の誘電体層用材料である「酸化タンタル」を「酸化タングステン」に替えた以外は、実施例1と全く同様にして、誘電体膜を形成した。
例えば、条件としてRFパワー300W、アンモニア流量10sccm、窒化時間2分を用いて酸化タングステンの窒化を行なったが、窒化を十分行なえるのであれば、RFパワー、アンモニア流量、窒化時間は任意の値を用いることが出来る。
実施例1の誘電体層用材料である「酸化タンタル」を「酸化チタン」に替えた以外は、実施例1と全く同様にして、誘電体膜を形成した。
実施例1の誘電体層用材料である「酸化タンタル」を「酸化ニオブ」に替えた以外は、実施例1と全く同様にして、誘電体膜を形成した。
窒化を十分行なえるのであれば、これ以外の任意の条件を用いることができる。
実施例1の誘電体層用材料である「酸化タンタル」を「酸化バナジウム」に替えた以外は、実施例1と全く同様にして、誘電体膜を形成した。
本実施例では、窒化の方法として不純物拡散を用いた。すなわち、不純物としてLi3Nを用い、基板温度500℃で1時間拡散を行なった。
このようにして製造したトランジスタは、従来例のゲート電極上に酸化バナジウムをスパッタした場合に比べて200V程度高い耐圧を示し、シミュレーション結果により近い結果を示すことが明らかとなった。
2・・・2次元電子ガス(2DEG)
3・・・ソース/ドレイン電極
4・・・高誘電体膜(酸化タンタル等)
5・・・エッチング領域
6・・・窒化領域
7・・・セカンドメタル
Claims (9)
- III−V族窒化物からなる半導体層と、その上に、ソース/ドレイン電極と、両サイドを前記ソース/ドレイン電極に挟まれ、かつゲート電極を備えるIII−V族窒化物からなる半導体よりも高い誘電率を有する誘電体膜とが形成されており、前記ゲート電極が、前記誘電体膜の一部を窒化したものであり、さらにセカンドメタルで被覆されていることを特徴とするヘテロ接合電界効果型トランジスタ。
- 前記III−V族窒化物からなる半導体よりも高い誘電率を有する誘電体膜が、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム、酸化バナジウムおよび酸化タングステンからなる群から選択される金属酸化物を含む請求項1に記載のトランジスタ。
- 前記ゲート電極が、窒化チタン、窒化タンタル、窒化ハフニウム、窒化ニオブ、窒化ジルコニウム、窒化バナジウムおよび窒化タングステンからなる群から選択される金属窒化物を含む請求項1または2に記載のトランジスタ。
- III−V族窒化物からなる半導体層上の両端に、ソース/ドレイン電極を形成する第一の工程と、
前記III−V族窒化物からなる半導体層上であって、少なくともソース/ドレイン電極間に前記III−V族窒化物よりも高い誘電率を有する誘電体膜を形成する第二の工程と、
前記誘電体膜のゲート電極となる部分を窒化してゲート電極を形成する第三の工程と、
前記ゲート電極上にセカンドメタルを形成する第四の工程
を含むことを特徴とするヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法。 - 前記誘電体膜のゲート電極となる部分を窒化してゲート電極を形成する工程が、窒素ラジカル照射または窒素ラジカル照射と熱処理からなる請求項4に記載のヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法。
- 前記誘電体膜のゲート電極となる部分を窒化してゲート電極を形成する工程が、アンモニアラジカル照射またはアンモニアラジカル照射と熱処理からなる請求項4に記載のヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法。
- 前記誘電体膜のゲート電極となる部分を窒化してゲート電極を形成する工程が、アンモニア照射と熱処理からなる請求項4に記載のヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法。
- 前記誘電体膜のゲート電極となる部分を窒化してゲート電極を形成する工程が、イオン注入またはイオン注入と熱処理からなる請求項4に記載のヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法。
- 前記誘電体膜のゲート電極となる部分を窒化してゲート電極を形成する工程が、不純物拡散または不純物拡散と熱処理からなる請求項4に記載のヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法。
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