JP2014099523A - ヘテロ接合電界効果型トランジスタおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、ゲート電極直下の二次元電子ガス濃度を維持し、かつ破壊電圧を改善することが可能なヘテロ接合電界効果型トランジスタおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明によるヘテロ接合電界効果型トランジスタは、半絶縁性基板1上に第1の窒化物半導体層2を貫通して形成された第2の窒化物半導体層3と、第4の窒化物半導体層5上の所定の領域に形成されたゲート電極8と、ゲート電極8の一方側と他方側とに各々形成されたソース電極6およびドレイン電極7とを備え、かつゲート電極8とドレイン電極7との間の領域、および所定の領域を合わせた領域下であって少なくともゲート電極8のドレイン電極7側の端部12の領域下を含んで形成され、第2の窒化物半導体層3のバンドギャップエネルギーは、第1の窒化物半導体層2および第3の窒化物半導体層4のバンドギャップエネルギーよりも大きいことを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】本発明によるヘテロ接合電界効果型トランジスタは、半絶縁性基板1上に第1の窒化物半導体層2を貫通して形成された第2の窒化物半導体層3と、第4の窒化物半導体層5上の所定の領域に形成されたゲート電極8と、ゲート電極8の一方側と他方側とに各々形成されたソース電極6およびドレイン電極7とを備え、かつゲート電極8とドレイン電極7との間の領域、および所定の領域を合わせた領域下であって少なくともゲート電極8のドレイン電極7側の端部12の領域下を含んで形成され、第2の窒化物半導体層3のバンドギャップエネルギーは、第1の窒化物半導体層2および第3の窒化物半導体層4のバンドギャップエネルギーよりも大きいことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、窒化物を含む半導体からなるヘテロ接合電界効果型トランジスタおよびその製造方法に関する。
窒化物半導体を用いたHEMT(High Electron Mobility Transistor)は、高破壊電界かつ高電子移動度という特長を有しており、高周波・高出力で動作するデバイスとして期待されている。従来の窒化物を含む半導体からなるヘテロ接合電界効果型トランジスタ(HEMT)では、高出力化(電流増加)のために、AlGaN/GaN層をアンドープにして移動度を向上させ、電子供給層(AlGaN)のAl組成を高めることによって、1e13[cm−2]という高い二次元電子ガス(two dimension electron gas,2DEG)濃度が得られる構造が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
L.Eastman他、"Undoped AlGaN/GaN HEMTs for Microwave Power Amplification"、IEEE ELECTRON DEVICE LETTERS、2001、vol.48、No.3、p.p.479-485
非特許文献1では、AlGaN/GaNの構成による自発分極とピエゾ効果とによる二次元電子ガスを用いたトランジスタが開示されており、GaNバッファー層の膜厚を厚くすることによってGaNの結晶性を向上させ、当該GaN上に続けてエピタキシャル成長させるAlGaN層の結晶性も向上させることができる。従って、二次元電子ガス濃度をさらに増加させて移動度も向上させている。
しかし、非特許文献1の図4に示すように、ゲート電極とドレイン電極との距離を短くすると、ゲート・ドレイン間の電界強度は増加するが破壊電圧は低下する。また、二次元電子ガス濃度が、1e13[cm−2]と高い値であるため、破壊電圧が約60Vから80Vと低い値となり、高周波特性の測定時には、素子が破壊するため25V程度しか電圧印加できないという問題があった。
本発明は、これらの問題を解決するためになされたものであり、ゲート電極直下の二次元電子ガス濃度を維持し、かつ破壊電圧を改善することが可能なヘテロ接合電界効果型トランジスタおよびその製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明によるヘテロ接合電界効果型トランジスタは、窒化物半導体からなるヘテロ接合電界効果型トランジスタであって、基板上に形成された第1の窒化物半導体層と、基板上に第1の窒化物半導体層を貫通して形成された第2の窒化物半導体層と、第1の窒化物半導体層および第2の窒化物半導体層上に形成された第3の窒化物半導体層と、第3の窒化物半導体層上に形成された第4の窒化物半導体層と、第4の窒化物半導体層上の所定の領域に形成されたゲート電極と、第4の窒化物半導体層上であって、ゲート電極の一方側と他方側とに各々形成されたソース電極およびドレイン電極とを備え、第2の窒化物半導体層は、AlaInbGa1―(a+b)N(0≦a≦1、0≦b≦1、0≦a+b≦1)であり、かつゲート電極とドレイン電極との間の領域、および所定の領域を合わせた領域下であって少なくともゲート電極のドレイン電極側の端部の領域下を含んで形成され、第2の窒化物半導体層のバンドギャップエネルギーは、第1の窒化物半導体層および第3の窒化物半導体層のバンドギャップエネルギーよりも大きいことを特徴とする。
また、本発明によるヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法は、窒化物半導体からなるヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法であって、(a)基板上に第1の窒化物半導体層を形成する工程と、(b)基板上に第1の窒化物半導体層を貫通して第2の窒化物半導体層を形成する工程と、(c)第1の窒化物半導体層および第2の窒化物半導体層上に第3の窒化物半導体層を形成する工程と、(d)第3の窒化物半導体層上に第4の窒化物半導体層を形成する工程と、(e)第4の窒化物半導体層上の所定の領域にゲート電極を形成する工程と、(f)第4の窒化物半導体層上であって、ゲート電極の一方側と他方側とにソース電極およびドレイン電極を各々形成する工程とを備え、工程(b)において、第2の窒化物半導体層は、AlaInbGa1―(a+b)N(0≦a≦1、0≦b≦1、0≦a+b≦1)であり、工程(b)、(e)、(f)において、第2の窒化物半導体層は、ゲート電極とドレイン電極との間の領域、および所定の領域を合わせた領域下であって少なくともゲート電極のドレイン電極側の端部の領域下を含んで形成され、工程(a)、(b)、(c)において、第2の窒化物半導体層のバンドギャップエネルギーは、第1の窒化物半導体層および第3の窒化物半導体層のバンドギャップエネルギーよりも大きいことを特徴とする。
本発明によると、基板上に形成された第1の窒化物半導体層と、基板上に第1の窒化物半導体層を貫通して形成された第2の窒化物半導体層と、第1の窒化物半導体層および第2の窒化物半導体層上に形成された第3の窒化物半導体層と、第3の窒化物半導体層上に形成された第4の窒化物半導体層と、第4の窒化物半導体層上の所定の領域に形成されたゲート電極と、第4の窒化物半導体層上であって、ゲート電極の一方側と他方側とに各々形成されたソース電極およびドレイン電極とを備え、第2の窒化物半導体層は、AlaInbGa1―(a+b)N(0≦a≦1、0≦b≦1、0≦a+b≦1)であり、かつゲート電極とドレイン電極との間の領域、および所定の領域を合わせた領域下であって少なくともゲート電極のドレイン電極側の端部の領域下を含んで形成され、第2の窒化物半導体層のバンドギャップエネルギーは、第1の窒化物半導体層および第3の窒化物半導体層のバンドギャップエネルギーよりも大きいことを特徴とするため、ゲート電極直下の二次元電子ガス濃度を維持し、かつ破壊電圧を改善することが可能となる。
本発明の実施の形態について、図面に基づいて以下に説明する。
<実施の形態>
<構成>
まず、本発明の実施の形態によるヘテロ接合電界効果型トランジスタの構成について説明する。
<構成>
まず、本発明の実施の形態によるヘテロ接合電界効果型トランジスタの構成について説明する。
図1は、本実施の形態によるヘテロ接合電界効果型トランジスタの構造(エピタキシャル構造)の一例を示す図である。
図1に示すように、本実施の形態によるヘテロ接合電界効果型トランジスタは、SiCからなる半絶縁性基板1上に形成されたGaNからなる第1の窒化物半導体層2と、Al0.05Ga0.95Nからなる第2の窒化物半導体層3と、第1の窒化物半導体層2および第2の窒化物半導体層3上に形成されたGaNからなる第3の窒化物半導体層4と、第3の窒化物半導体層4上に形成されたAl0.2Ga0.8Nからなる第4の窒化物半導体層5とを備えている。なお、第1の窒化物半導体層2と第2の窒化物半導体層3との膜厚は同じである。すなわち、第2の窒化物半導体層3は、半絶縁性基板1上に第1の窒化物半導体層2を貫通して形成されている。
また、第4の窒化物半導体層5の表面上には、ショットキー電極として形成されたNi/Auよりなるゲート電極8と、当該ゲート電極8を挟んで対向するようにオーミック電極として形成されたTi/Alよりなるソース電極6およびドレイン電極7とを備えている。すなわち、ゲート電極8は第4の窒化物半導体層5上の所定の領域に形成され、ソース電極6およびドレイン電極7は第4の窒化物半導体層5上であってゲート電極8の一方側と他方側とに各々形成されている。
また、素子分離領域9は、隣接するヘテロ接合電界効果型トランジスタを分離するために設けられた領域である。
また、第4の窒化物半導体層5の表面上のソース電極6、ドレイン電極7、ゲート電極8以外には、絶縁膜10が覆うように形成されている。
なお、第2の窒化物半導体層3は、ゲート電極8のドレイン電極7側の端部12からドレイン電極7側であって、第3の窒化物半導体層4の下層に形成されている。すなわち、第2の窒化物半導体層3は、ゲート電極8とドレイン電極7との間の領域、およびゲート電極8が形成された領域(所定の領域)を合わせた領域下であって少なくともゲート電極8のドレイン電極7側の端部12の領域下を含んで形成されている。
図2は、図1に示すエピタキシャル構造のうちAl0.2Ga0.8N/GaN構造におけるバンド構造と二次元電子ガス11のキャリア分布との関係を示している。また、図3は、図1に示すエピタキシャル構造のうちAl0.2Ga0.8N/GaN/Al0.05Ga0.95N構造におけるバンド構造と二次元電子ガス11のキャリア分布との関係を示している。なお、図2,3では、一次元バンド計算シミュレータソフトを用いて計算した結果を示している。また、図4は、Al0.2Ga0.8N/GaN/AlGaN構造における第3の窒化物半導体層4(GaN)の膜厚に対するシートキャリア濃度依存性を示している。
ここで、第1の窒化物半導体層2はGaNで膜厚300nm、第2の窒化物半導体層3はAl0.05Ga0.95Nで膜厚300nm、第3の窒化物半導体層4(チャネル層)はGaNで膜厚10nm〜150nm、第4の窒化物半導体層5(バリア層)はAl0.2Ga0.8Nで膜厚15nmとし、各窒化物半導体層のキャリア濃度は1×1016(cm−3)とし、第4の窒化物半導体層5の表面ピニングエネルギーを1.42eVとして計算した。
図4に示すように、図1に示すAl0.2Ga0.8N/GaN構造において形成される二次元電子ガス濃度は約6.4×1012[cm−2]である(図4の破線)。一方、第3の窒化物半導体層4(GaN)の下層に、当該第3の窒化物半導体層4よりもバンドギャップエネルギーが大きい第2の窒化物半導体層3(Al0.05Ga0.95N)を形成することによって、二次元電子ガス濃度が低下する。このような傾向は、図2に示すように、第3の窒化物半導体層4の膜厚に依存している。また、図4に示すように、第2の窒化物半導体層3のバンドギャップエネルギーを大きくする(AlGaNのAl組成を増加する)ことによって、二次元電子ガス濃度をさらに減少させることができる。
ゲート電極8の端部12は、トランジスタ駆動時に電界が局所的に集中する領域であり、電界強度が高まることによってアバランシェやトンネリングによるゲートリーク電流が増大し、トランジスタが破壊してしまう。このような電界が集中する領域(ゲート電極8の端部12)の下方に存在する二次元電子ガス濃度が高いと大きなゲートリーク電流が流れて破壊電圧が低くなるが、二次元電子ガス濃度を低くすることによって破壊電圧を高めることができる。
なお、上記では、本実施の形態によるヘテロ接合電界効果型トランジスタの代表的な構造(図1参照)について説明したが、下記に示すような各構造にしても同様の効果が得られる。以下、本実施の形態によるヘテロ接合電界効果型トランジスタの各変形例について変形例1で説明する。
<変形例1>
上記の図1では、Al0.2Ga0.8N/GaN/Al0.05Ga0.95N構造として説明したが、第2の窒化物半導体層3のバンドギャップエネルギーが第1の窒化物半導体層2および第3の窒化物半導体層4のバンドギャップエネルギーよりも大きくなるように、第2の窒化物半導体層3をAlaInbGa1―(a+b)N(0≦a≦1、0≦b≦1、0≦a+b≦1)のAl、In、Gaの組成を決めた構造としても、上記と同様の効果が得られる。
上記の図1では、Al0.2Ga0.8N/GaN/Al0.05Ga0.95N構造として説明したが、第2の窒化物半導体層3のバンドギャップエネルギーが第1の窒化物半導体層2および第3の窒化物半導体層4のバンドギャップエネルギーよりも大きくなるように、第2の窒化物半導体層3をAlaInbGa1―(a+b)N(0≦a≦1、0≦b≦1、0≦a+b≦1)のAl、In、Gaの組成を決めた構造としても、上記と同様の効果が得られる。
窒化物半導体よりなる経てる接合電界効果型トランジスタは、チャネル層に用いる半導体材料の絶縁破壊電界が高いほど耐圧が高くなる。従って、本実施の形態によるヘテロ接合電界効果型トランジスタにおいて、上記と同様、第2の窒化物半導体層3のバンドギャップエネルギーが第1の窒化物半導体層2および第3の窒化物半導体層4のバンドギャップエネルギーよりも大きいという条件を満たした上で、第3の窒化物半導体層4のバンドギャップエネルギーがGaNのバンドギャップエネルギーよりも大きくなるように、第3の窒化物半導体層4をAlInGaNのAl、In、Gaの組成を決めた構造とすることによって、上記(第3の窒化物半導体層4がGaNの場合)の効果に加えてさらなる高耐圧化が可能になる。
また、上記(図1参照)では、第1の窒化物半導体層2および第3の窒化物半導体層4を同じGaNからなるものとして説明したが、第1の窒化物半導体層2のバンドギャップエネルギーと第3の窒化物半導体層4のバンドギャップエネルギーとが異なるようにしてもよい。この場合、第1の窒化物半導体層2のバンドギャップエネルギーが第3の窒化物半導体層4のバンドギャップエネルギーよりも大きいという条件を満たしていればよく、ゲート電極8の下方に存在する二次元電子ガスの閉じ込め効果が高まり、高周波化に向けたゲート長の微細化に伴う短チャンネル効果を抑制することができ、さらなる高周波化が可能になる。このとき、第1の窒化物半導体層2をAlcIndGa1―(c+d)N(0≦c<1、0≦d≦1、0≦c+d≦1)とし、第3の窒化物半導体層4はAleInfGa1―(e+f)N(0≦e<1、0≦f≦1、0≦e+f≦1)としてもよい。
また、図1における半絶縁性基板1は、Si、サファイア、GaN、AlN等であってもよい。
また、図1に示すソース電極6およびドレイン電極7の下側であって少なくとも一部の半導体層内において、窒化物半導体にとってn型不純物となる、例えば図5に示すような、Siが高濃度にドーピングされた領域である高濃度n型不純物領域13が形成されていてもよい。このような構造にすることによって、ソース電極6およびドレイン電極7と、当該ソース電極6およびドレイン電極7の各々に接触する第4の窒化物半導体層5との間における接触抵抗が低減されるだけでなく、第3の窒化物半導体層4と第4の窒化物半導体層5との界面にて発生する二次元電子ガス11と、ソース電極6およびドレイン電極7との間における抵抗を低減することができ、トランジスタの高効率化や大電流化による高出力化に有利であり、より好ましい構造といえる。なお、Siが高濃度にドーピングされた高濃度n型不純物領域13の不純物はSiに限らず、n型不純物が高濃度にドーピングされていればよく、窒化物半導体中でn型の不純物準位を形成する材料(O、C、N、空孔等)がドーピングされていればよい。また、ドーピングの方法としては、イオン注入法、熱拡散法を用いて高濃度n型不純物領域13を形成してもよく、ソース電極6およびドレイン電極7の下側の窒化物半導体層をエッチング等で除去後、その領域にn型不純物を添加した例えばn−GaNを再成長法で形成してもよい。また、図5において、n型不純物が高濃度にドーピングされた高濃度n型不純物領域13は、窒化物半導体層の表面から第3の窒化物半導体層4(チャネル層)に至る領域にまで形成されているが、当該領域に限らず、当該領域よりも大きいあるいは小さくても、ソース電極6およびドレイン電極7の下側の少なくとも一部の窒化物半導体層内に形成されていれば上記の効果が得られる。
また、図1,5におけるソース電極6およびドレイン電極7の下側の少なくとも一部の窒化物半導体層は、図6に示すように除去されていてもよい。すなわち、例えば図6に示すように、ソース電極6およびドレイン電極7が第4の窒化物半導体層5に埋め込まれるように形成してもよい。このような構造にすることによって、第3の窒化物半導体層4(チャネル層)と第4の窒化物半導体層5(バリア層)との界面にて発生する二次元電子ガス11と、ソース電極6およびドレイン電極7との間における抵抗を低減することができ、トランジスタの高効率化や大電流化による高出力化に有利であり、より好ましい構造といえる。なお、図6において、第4の窒化物半導体層5(バリア層)は、窒化物半導体層の表面から第4の窒化物半導体層5の下層近くに至る領域までが除去されているが、除去する深さ方向の限度は、第3の窒化物半導体層4と第4の窒化物半導体層5との界面までとし、ソース電極6およびドレイン電極7の下側の少なくとも一部の窒化物半導体層内が除去されていれば上記の効果が得られる。
また、図1,5,6に示すソース電極6およびドレイン電極7は、必ずしもTi/Alである必要はなく、オーミック特性が得られれば、Ti,Al,Nb,Hf,Zr,Sr,Ni,Ta,Au,Pt,V,Mo,Wなどの金属、もしくはこれらから構成される多層膜で形成されていてもよい。
また、図1,5,6に示すゲート電極8は、図7に示すように、ゲート電極8の底面が第4の窒化物半導体層5(バリア層)の表面と接触しないようにすることによって、ゲート電極8の底面が第4の窒化物半導体層5の表面と接触している場合に比べて、電流コラプスを抑制し相互コンダクタンスを増加させることができる。
また、図1,5〜7に示すゲート電極8は、必ずしも断面が各図に示すような四角形である必要はなく、例えば、図8に示すようなT型やY型構造のゲート電極81であってもよい。このような構造にすることによって、ゲート電極81が窒化物半導体層と接触する面積を維持したまま、ゲート抵抗を低減することができる。
また、図8では、T型のゲート電極81の傘下(ゲート電極81における傘部の第4の窒化物半導体層5側)が絶縁膜10と接触していない構造を示したが、図9に示すようにT型のゲート電極81の傘下が絶縁膜10と接触するような構造にすることによって、高電圧動作時においてゲート電極81のドレイン電極7側のエッジ部分に集中する電界を緩和させることができ、電流コラプスを抑制するとともに耐圧を高くすることができる。
また、図10に示すように、ゲート電極81の傘下のみに絶縁膜101を形成するようにしてもよい。このような構造にすることによって、ソース電極6とゲート電極81との間や、ゲート電極81とドレイン電極7との間にて発生する容量を低減させることができ、高周波動作時の利得や効率を向上させることが可能となる。
また、図1,5〜10に示す絶縁膜10は、Al,Ga,Si,Hf,Ti,Zr,Ta,V等のうち少なくとも1種類以上の原子の酸化物、窒化物、酸窒化物等、もしくはこれらから構成される多層膜などで形成されていてもよい。
また、図1,5〜10に示すゲート電極8,81は、必ずしもNi/Auである必要はなく、Ti,Al,Pt,Au,Ni,Pd等の金属、IrSi,PtSi,NiSi2等のシリサイド、あるいはTiN,WN,TaN等の窒化物金属、もしくはこれらから構成される多層膜などで形成されていてもよい。
なお、上述した構造は全て個々に採用する必要はなく、例えば図11に示すように、それぞれを組み合わせた構造としてもよい。
以上では、トランジスタとして動作する必要最小限の要素のみを記載したが、本実施の形態によるヘテロ接合電界効果型トランジスタは、最終的には保護膜、配線、バイアホール等が形成された構造においてデバイスとして用いられる。
<製造工程>
次に、本実施の形態によるヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造工程について説明する。
次に、本実施の形態によるヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造工程について説明する。
図12〜28は、本実施の形態によるヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造工程の一例を示す図である。なお、これらの図において、図1,5〜11と同一の符号を付した構成要素は同一または対応する構成要素を示すものとする。
以下では、第1の窒化物半導体層2としてGaN、第2の窒化物半導体層3としてAl0.1Ga0.9N、第3の窒化物半導体層4としてGaN、第4の窒化物半導体層5としてAl0.2Ga0.8Nを用いた構造をSiC基板上にエピタキシャル成長させ、図5に示す構造を持ったヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造工程の一例について説明する。
まず、図12に示すように、例えば、サファイア、SiC(炭化シリコン)、GaN、またはSi等よりなる半絶縁性基板1を準備する。次に、例えば、MBE(Molecular Beam Epitaxy:分子線エピタキシャル成長法)またはCVD(Chemical Vapor Deposition:気相成長法)により、半絶縁性基板1の主表面上に、第1の窒化物半導体層2を形成する。
第1の窒化物半導体層2の膜厚は、半絶縁性基板1との格子不整合による転移を上層のエピタキシャル結晶層(第3の窒化物半導体層4)に及ぼさない厚さであることが望ましい。ここでは、第1の窒化物半導体層2をGaNとし膜厚を300nmとした。
また、第1の窒化物半導体層2のバンドギャップエネルギーは、第3の窒化物半導体層4との界面にチャネルを形成しないようにするために、第3の窒化物半導体層4のバンドギャップエネルギーよりも大きくする必要がある。ここでは、第1の窒化物半導体層2を第3の窒化物半導体層4と同じGaNとした。また、第2の窒化物半導体層3をAl0.1Ga0.9Nとし膜厚を300nmとした。また、第3の窒化物半導体層4はGaNとし膜厚を50nmとした。また、第4の窒化物半導体層5はAl0.2Ga0.8Nとし膜厚を15nmとした。
なお、第1の窒化物半導体層2、第2の窒化物半導体層3、第3の窒化物半導体層4、および第4の窒化物半導体層5の不純物濃度は1×1018cm−3以下であればよく、特に第4の窒化物半導体層5(バリア層)の不純物濃度は、高耐圧層とするために1×1018cm−3以下に設定される。ここで、不純物の導電型は常にn型である。窒化物半導体層では、意図的に不純物を導入しない場合(ノンドープ)であっても、成長炉や雰囲気ガス中から不純物が窒化物半導体中に入り、窒化物半導体はn型の不純物を含むことになる。従って、結晶成長時においてノンドープであっても、実際の不純物濃度が1×1018cm−3以下であればよい。
第1の窒化物半導体層2の形成後、図12に示す構造を有する半絶縁性基板1をエピタキシャル結晶成長装置から取り出し、図13に示すように、プラズマCVD法により第1の窒化物半導体層2上にSiO2等の絶縁膜14を形成する。
次に、図14に示すように、絶縁膜14上にフォトレジストを塗布して写真製版によってレジストパターンをマスク15として形成する。
次に、図15に示すように、Cl2等を用いたドライエッチング法などによって絶縁膜14および第1の窒化物半導体層2を除去し、マスク15を剥離する。
次に、図15に示す構造を有する半絶縁性基板1をエピタキシャル結晶成長装置内に戻し、図16に示すように、第2の窒化物半導体層3であるAl0.1Ga0.9Nを300nm形成する。
次に、図16に示す構造を有する半絶縁性基板1をエピタキシャル結晶成長装置から取り出し、フッ酸で絶縁膜14を除去することによって、当該絶縁膜14上に形成された第2の窒化物半導体層3も除去する。
次に、図16に示す構造を有する半絶縁性基板1をエピタキシャル結晶成長装置内に戻し、図17に示すように、第1の窒化物半導体層2および第2の窒化物半導体層3上に第3の窒化物半導体層4であるGaNを50nm形成する。
次に、図18に示すように、第3の窒化物半導体層4上に第4の窒化物半導体層5であるAl0.2Ga0.8Nを15nm形成する。
上記の工程を経てエピタキシャル構造が形成される。なお、上述の変形例で示した、第3の窒化物半導体層4がGaN以外である場合や、第1の窒化物半導体層2のバンドギャップエネルギーと第3の窒化物半導体層4のバンドギャップエネルギーとが異なる場合であっても、エピタキシャル構造の形成手順は図12〜18に示す工程順と同様であり、第2の窒化物半導体層3のバンドギャップエネルギーが第1の窒化物半導体層2および第3の窒化物半導体層4のバンドギャップエネルギーよりも大きく、第1の窒化物半導体層2のバンドギャップエネルギーが第3の窒化物半導体層4のバンドギャップエネルギーよりも大きいという条件を満たしていれば、各窒化物半導体層はAlInGaNで構成されてもよい。例えば、第1の窒化物半導体層2をAlcIndGa1―(c+d)N(0≦c<1、0≦d≦1、0≦c+d≦1)とし、第2の窒化物半導体層3をAlaInbGa1―(a+b)N(0≦a≦1、0≦b≦1、0≦a+b≦1)とし、第3の窒化物半導体層4をAleInfGa1―(e+f)N(0≦e<1、0≦f≦1、0≦e+f≦1)としてもよい。
このようなエピタキシャル構造を備えたエピ基板に、後述するトランジスタの製造方法によって、上述のような構造の窒化物半導体からなるヘテロ接合電界効果型トランジスタを作製することができる。
次に、図19に示すように、レジストパターン等をマスク15として、ソース電極6およびドレイン電極7を形成する領域の下側の少なくとも一部の窒化物半導体層内にイオン注入法などを用いて、注入ドーズ量1×1013〜1×1017(cm−2)、注入エネルギー10〜1000(keV)の条件下で、各窒化物半導体層においてn型となるSi等のイオン16を所望の領域に打ち込み、その後の熱処理によって高濃度n型不純物領域13を形成する。
高濃度n型不純物領域13の不純物濃度は、結晶成長時に意図的にn型のGaNやAlGaNを形成するときに用いられるのと同等かそれ以上が望ましく、例えば1×1018cm−3以上、より好ましくは1×1019cm−3以上かまたはより高い濃度である。高濃度n型不純物領域13内の不純物の望ましい分布の一つとしては、ソース電極6およびドレイン電極7の下の半導体表面から電子の流れる第4の窒化物半導体層5(バリア層)と第3の窒化物半導体層4(チャネル層)との界面とそれより第3の窒化物半導体層4側に10nm程度までの領域で1×1018cm−3以上といった高い不純物濃度を有する構造が挙げられるが、このような不純物分布を形成する注入量と注入エネルギーの決め方としては、モンテカルロ計算によって注入エネルギーや照射対象物の構造をパラメータにしてイオンの飛程をシミュレートすることで、上記条件を満たす注入エネルギーや注入ドーズ量を決めることができる。
また、注入されたイオンにより第4の窒化物半導体層5を構成する原子(Al、Ga、In、N等)が真空中に跳ね飛ばされるのを抑制するために、図20に示すように、第4の窒化物半導体層5上に10nm〜100nm程度の窒化膜(SiNx、AlN等)あるいは酸化膜等(SiO2、Al2O3等)を絶縁膜10として形成した後、注入マスク15としてのレジストパターンを形成してもよい。
その後、熱処理を行い注入したイオンを活性化させることによって、ソース電極6およびドレイン電極7の下側の高濃度n型不純物領域13を低抵抗化する。この熱処理の際に、半導体表面から窒素原子が抜けることを防止するために、第4の半導体層5上に10nm〜100nm程度の窒化膜(SiNx、AlN等)、酸化膜(SiO2、Al2O3等)で窒化物半導体の表面を覆った後に熱処理を行ってもよい。
次に、図21に示すように、マスク15を除去した後、例えばTi,Al,Nb,Hf,Zr,Sr,Ni,Ta,Au,Pt,V,Mo,Wなどの金属、もしくはこれらから構成される多層膜からなるソース電極6およびドレイン電極7を蒸着法やスパッタ法を用いて堆積し、リフトオフ法などにより形成する。なお、電極形成後に熱処理を行い窒化物半導体層との反応層(合金層)を形成し、接触抵抗およびアクセス抵抗のさらなる低減を行ってもよい。
次に、図22に示すように、レジストパターン等をマスク15として、トランジスタを作製する領域外の第3の窒化物半導体層4および第4の窒化物半導体層5に、例えばHe,N,O,Mg,Ar,Ca,Fe,Zn,Sr,Ba等のイオン17を照射するイオン注入法(図22参照)やエッチング等を用いて素子分離領域9を形成する。
次に、図23に示すように、マスク15を除去した後、Ti,Al,Pt,Au,Ni,Pd等の金属、あるいはIrSi,PtSi,NiSi2等のシリサイド、あるいはTiN,WN,TaN等の窒化物金属、もしくはこれらから構成される多層膜からなるゲート電極8を、蒸着法やスパッタ法を用いて堆積し、リフトオフ法などにより形成する。
上記より、ゲート電極8は第4の窒化物半導体層5上の所定の領域に形成され、ソース電極6およびドレイン電極7は第4の窒化物半導体層5上であって、ゲート電極8の一方側と他方側とに各々形成する。
次に、図24に示すように、Al,Ga,Si,Hf,Ti,Zr,Ta,V等のうち少なくとも1種類以上の原子の酸化物、窒化物、酸窒化物等、もしくはこれらから構成される多層膜からなる絶縁膜10をプラズマCVD法、Cat−CVD法、あるいはスパッタ法によって形成する。
以上の方法により、図5に示す構造を持ったヘテロ接合電界効果型トランジスタを作製することができる。上記では、トランジスタとして動作する必要最小限の要素しか記載していないが、最終的には配線やバイアホール等の形成プロセスを経てデバイスとして用いられる。また、上記では、エピタキシャル結晶作製後(エピタキシャル構造を備えたエピ基板の作製後)の製造工程順の一例として、ソース電極6およびドレイン電極7の下に低抵抗層である高濃度n型不純物領域13の形成、当該高濃度n型不純物領域13の上にソース電極6およびドレイン電極7の形成、素子分離領域9の形成、ゲート電極8の形成、絶縁膜10の形成の順に作製することについて説明したが、ゲート電極8の形成後に素子分離を行ってもよく、また、絶縁膜10を形成してゲート電極8を形成する領域の絶縁膜10を除去した後にゲート電極8を形成してもよく、また、絶縁膜10の形成後に素子分離を行い、ゲート電極8を形成する領域の絶縁膜10を除去した後にゲート電極8を形成してもよい。また、上記の工程において、高濃度n型不純物領域13を形成する工程(図19または20参照)を省略することによって、図1に示す構造を作製することができる。
なお、下記に示すような各構造にしても上記と同様の効果が得られる。以下、本実施の形態によるヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法の各変形例について変形例2で説明する。
<変形例2>
図18に示した構造を、MOCVD法を用いて半絶縁性基板1上にエピタキシャル成長するときに、窒化物半導体の原料ガスとなるトリメチルアンモニウム、トリメチルガリウム、トリメチルインジウム、アンモニア、あるいはn型ドーパントの原料ガスとなるシラン等の流量や圧力、温度、時間を調整し、各窒化物半導体層を所望の組成、膜厚、ドーピング濃度とすることによって、図1,5〜11に示した種々の窒化物半導体からなるヘテロ接合電界効果型トランジスタを作製することができる。
図18に示した構造を、MOCVD法を用いて半絶縁性基板1上にエピタキシャル成長するときに、窒化物半導体の原料ガスとなるトリメチルアンモニウム、トリメチルガリウム、トリメチルインジウム、アンモニア、あるいはn型ドーパントの原料ガスとなるシラン等の流量や圧力、温度、時間を調整し、各窒化物半導体層を所望の組成、膜厚、ドーピング濃度とすることによって、図1,5〜11に示した種々の窒化物半導体からなるヘテロ接合電界効果型トランジスタを作製することができる。
また、図19,20に示すソース電極6およびドレイン電極7の形成領域へのn型不純物となるイオン注入前に、図25に示すように、レジストパターン等をマスク15として、Cl2等を用いたドライエッチング法などによって、ソース電極6およびドレイン電極7を形成する領域の下側の少なくとも一部の窒化物半導体層内を除去することによって、図6に示すような構造の窒化物半導体からなるヘテロ接合電界効果型トランジスタを作製することができる。なお、ソース電極6およびドレイン電極7の形成領域の下側への低抵抗層である高濃度n型不純物領域13の形成工程は、図25に示すエッチング工程の前後いずれであってもよい。形成した高濃度n型不純物領域13上にリフトオフ法等によりソース電極6およびドレイン電極7を形成することによって、図6に示すような構造の窒化物半導体からなるヘテロ接合電界効果型トランジスタを作製することができる。なお、図6では、高濃度n型不純物領域13を図示していない。
また、図23に示すゲート電極8を形成する前に、図26に示すように、レジストパターン等をマスク15として、Cl2等を用いたドライエッチング法などによってゲート電極8を形成するゲート電極形成領域80を形成するために、第4の窒化物半導体層5の一部を除去する。エッチングを行う際に、エッチング時間やガス流量を調整することによって、所望のエッチング深さを形成することができ、その後、図23で示した方法でゲート電極8を形成することによって、図7に示すようなリセス深さを持つ構造の窒化物半導体からなるヘテロ接合電界効果型トランジスタを作製することができる。なお、図7では、高濃度n型不純物領域13を図示していない。
また、図23に示すゲート電極8の形成前に、図27に示すように、窒化物半導体層の表面を、例えば蒸着法やプラズマCVD法、Cat−CVD法、ALE法などを用いて、Al,Ga,Si,Hf,Ti,Zr,Ta,V等のうち少なくとも1種類以上の原子を含む酸化物、窒化物、酸窒化物等からなる絶縁膜10を堆積し、ゲート電極8を形成するゲート電極形成領域80に開口を持つレジスト等からなるマスク15や酸化膜マスク等を介してドライエッチングあるいはウェットエッチングによってゲート電極形成領域80の絶縁膜10を除去する。マスク除去後、エッチングによって開口した絶縁膜10の開口よりも広い開口を有するレジストパターンを利用して蒸着法によってゲートメタルとなる電極金属を堆積し、リフトオフ法等によってゲート電極81を形成することで、図9に示す構造の窒化物半導体からなるヘテロ接合電界効果型トランジスタを作製することができる。
また、最終的にデバイスとして使用するには、ソース電極6およびドレイン電極7上を覆うように形成された絶縁膜10の一部を、例えばフッ酸等を用いてウェットエッチングして除去した後、配線電極を形成する必要がある。また、絶縁膜10を形成後にウェットエッチングで容易に除去できる絶縁膜、例えばSiOのような絶縁膜19を形成する(図28参照)。その後、図28に示すように、ゲート電極8を形成するゲート電極形成領域80に開口を持つレジストマスク等を介してドライエッチングやウェットエッチングによってゲート電極形成領域80の絶縁膜19および絶縁膜10を順次除去する。マスク15の除去後、エッチングによって開口した絶縁膜19および絶縁膜10の開口よりも広い開口を有するレジストパターンを利用して蒸着法によってゲートメタルとなる電極金属を堆積し、リフトオフ法等によってゲート電極81を形成する。そして、ウェットエッチングされやすい絶縁膜19を例えばバッファードフッ酸によって除去することで、ゲート電極81の傘下の絶縁膜19がない構造である、図8に示す構造の窒化物半導体からなるヘテロ接合電界効果型トランジスタを作製することができる。さらに、ウェットエッチングの処理条件(時間や濃度)を調整することによって、所望の領域に絶縁膜19を残した図10に示す構造の窒化物半導体からなるヘテロ接合電界効果型トランジスタを作製することができる。
また、上述のゲートリセス構造(図26,27のゲート電極形成領域80)を形成した後に、種々の形状のゲート電極8(あるいはゲート電極81)を形成してもよい。
また、図19に示すソース電極6およびドレイン電極7を形成する領域下の低抵抗領域である高濃度n型不純物領域13の形成とソース電極6およびドレイン電極7の形成、図22に示す素子分離領域9の形成、図23,26〜28に示すゲート電極8,81の形成の3つの工程は、必ずしもこの順に行う必要はなく、工程の順番を入れ替えてもよい。例えば、ソース電極6およびドレイン電極7を形成する前に、素子分離領域9を形成してもよい。また、リセス形成(ゲート電極形成領域の形成)、絶縁膜形成、ゲート電極形成の順に形成した後に、再度絶縁膜形成を行い、ゲート電極8,81と第4の窒化物半導体層5との側面における絶縁性を高めるようにしてもよい。
また、上述したプロセス(製造工程)は全て個々に採用する必要はなく、それぞれを組み合わせたプロセスによって図11に示すような構造を形成することができる。
以上のことから、本実施の形態によれば、第2の窒化物半導体層3は、半絶縁性基板1上に第1の窒化物半導体層を貫通し、かつゲート電極8とドレイン電極7との間の領域、およびゲート電極8が形成された領域を合わせた領域下であって少なくともゲート電極8のドレイン電極7側の端部12の領域下を含んで形成されている。また、第2の窒化物半導体層3のバンドギャップエネルギーは、第1の窒化物半導体層2および第3の窒化物半導体層4のバンドギャップエネルギーよりも大きい。従って、トランジスタ駆動時に電界が局所的に集中する領域であるゲート電極8の端部12の下方に存在する二次元電子ガス濃度を低くすることができ、破壊電圧を高めることができる。すなわち、ゲート電極直下の二次元電子ガス濃度を維持し、かつ破壊電圧を改善することが可能となる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 半絶縁性基板、2 第1の窒化物半導体層、3 第2の窒化物半導体層、4 第3の窒化物半導体層、5 第4の窒化物半導体層、6 ソース電極、7 ドレイン電極、8 ゲート電極、9 素子分離領域、10 絶縁膜、11 二次元電子ガス、12 端部、13 高濃度n型不純物領域、14 絶縁膜、15 マスク、16 イオン、17 イオン、18 ソース・ドレイン電極形成領域、19 絶縁膜、80 ゲート電極形成領域、81 ゲート電極、101 絶縁膜。
Claims (4)
- 窒化物半導体からなるヘテロ接合電界効果型トランジスタであって、
基板上に形成された第1の窒化物半導体層と、
前記基板上に前記第1の窒化物半導体層を貫通して形成された第2の窒化物半導体層と、
前記第1の窒化物半導体層および前記第2の窒化物半導体層上に形成された第3の窒化物半導体層と、
前記第3の窒化物半導体層上に形成された第4の窒化物半導体層と、
前記第4の窒化物半導体層上の所定の領域に形成されたゲート電極と、
前記第4の窒化物半導体層上であって、前記ゲート電極の一方側と他方側とに各々形成されたソース電極およびドレイン電極と、
を備え、
前記第2の窒化物半導体層は、AlaInbGa1―(a+b)N(0≦a≦1、0≦b≦1、0≦a+b≦1)であり、かつ前記ゲート電極と前記ドレイン電極との間の領域、および前記所定の領域を合わせた領域下であって少なくとも前記ゲート電極の前記ドレイン電極側の端部の領域下を含んで形成され、
前記第2の窒化物半導体層のバンドギャップエネルギーは、前記第1の窒化物半導体層および前記第3の窒化物半導体層のバンドギャップエネルギーよりも大きいことを特徴とする、ヘテロ接合電界効果型トランジスタ。 - 前記第1の窒化物半導体層はAlcIndGa1―(c+d)N(0≦c<1、0≦d≦1、0≦c+d≦1)であり、前記第3の窒化物半導体層はAleInfGa1―(e+f)N(0≦e<1、0≦f≦1、0≦e+f≦1)であり、
前記第1の窒化物半導体層のバンドギャップエネルギーは、前記第3の窒化物半導体層のバンドギャップエネルギーよりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載のヘテロ接合電界効果型トランジスタ。 - 窒化物半導体からなるヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法であって、
(a)基板上に第1の窒化物半導体層を形成する工程と、
(b)前記基板上に前記第1の窒化物半導体層を貫通して第2の窒化物半導体層を形成する工程と、
(c)前記第1の窒化物半導体層および前記第2の窒化物半導体層上に第3の窒化物半導体層を形成する工程と、
(d)前記第3の窒化物半導体層上に第4の窒化物半導体層を形成する工程と、
(e)前記第4の窒化物半導体層上の所定の領域にゲート電極を形成する工程と、
(f)前記第4の窒化物半導体層上であって、前記ゲート電極の一方側と他方側とにソース電極およびドレイン電極を各々形成する工程と、
を備え、
前記工程(b)において、前記第2の窒化物半導体層は、AlaInbGa1―(a+b)N(0≦a≦1、0≦b≦1、0≦a+b≦1)であり、
前記工程(b)、(e)、(f)において、前記第2の窒化物半導体層は、前記ゲート電極と前記ドレイン電極との間の領域、および前記所定の領域を合わせた領域下であって少なくとも前記ゲート電極の前記ドレイン電極側の端部の領域下を含んで形成され、
前記工程(a)、(b)、(c)において、前記第2の窒化物半導体層のバンドギャップエネルギーは、前記第1の窒化物半導体層および前記第3の窒化物半導体層のバンドギャップエネルギーよりも大きいことを特徴とする、ヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法。 - 前記工程(a)において、前記第1の窒化物半導体層はAlcIndGa1―(c+d)N(0≦c<1、0≦d≦1、0≦c+d≦1)であり、
前記工程(c)において、前記第3の窒化物半導体層はAleInfGa1―(e+f)N(0≦e<1、0≦f≦1、0≦e+f≦1)であり、
前記第1の窒化物半導体層のバンドギャップエネルギーは、前記第3の窒化物半導体層のバンドギャップエネルギーよりも大きいことを特徴とする、請求項3に記載のヘテロ接合電界効果型トランジスタの製造方法。
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