JP5073619B2 - 車体前部構造 - Google Patents
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サイドフレームの前端部は、サブフレームの前端部に対して車体前方に位置している。
このように、サイドフレームの前端部に衝撃荷重が作用した場合、サイドフレームの前端部を変形させて(潰して)衝撃荷重を吸収することが可能である。
そして、残りの衝撃荷重をサイドフレームやサブフレームに分散させて、それぞれのフレームで残りの衝撃荷重を支えることが可能であるとされている(例えば、特許文献1参照。)。
小さい相手車両がフロントバルクヘッドの下端部に衝突した場合、サブフレームの前端部に衝撃荷重が作用する。
このため、小さい相手車両がサブフレームの前端部に衝突した場合に、サブフレームの前端部を変形させて(潰して)衝撃荷重を十分に吸収することは難しい。
よって、フロントバルクヘッドの下端部(すなわち、支柱部の下端部)から結合ブラケットに衝撃荷重が伝わった場合、結合ブラケットに車体外側に向けて分力荷重が作用する。
そこで、請求項4において、フロントバルクヘッドに、サイドフレームの前端部に設けられた支柱部を備え、支柱部の下端部に結合ブラケットを設けた。
そして、結合ブラケットに係止部を備え、この係止部を支柱部の内壁部に当接させるようにした。
よって、サポートメンバは、結合ブラケットおよびサブフレームに連結されている。
結合ブラケットは、結合部および取付部間に衝撃エネルギ吸収部を有している。
この衝撃エネルギ吸収部は、車体前方からフロントバルクヘッドの下部に作用する衝撃荷重を吸収することができる。
結合ブラケットに衝撃荷重が作用した場合に、作用した衝撃荷重を結合ブラケットの衝撃エネルギ吸収部に伝えることができる。
これにより、車体前部に衝突する相手車両が小さい場合でも、衝突により発生した衝撃荷重を衝撃エネルギ吸収部を変形させて(潰して)衝撃荷重を十分に吸収することができるという利点がある。
この中間リブは、結合ブラケットに作用した衝撃荷重で車体幅方向に変形するように肉厚寸法が設定されている。
これにより、結合ブラケットに衝撃荷重が作用した場合に、中間リブを車体幅方向に変形させて衝撃荷重を十分に吸収することができるという利点がある。
よって、車体後方に延出した中間リブの高さ寸法を、肉厚寸法に対して大きく設定することが可能になり、上下方向に作用する荷重に対して中間リブの剛性を高めることができる。
これにより、例えば、フロントサスペンションに入力される上下方向に作用する荷重を中間リブで良好に支えることができるという利点がある。
これにより、中間リブで吸収する衝撃荷重をコストを上げることなく調整することができるという利点がある。
ここで、サポートメンバの前端部は結合ブラケットに取り付けられている。
よって、結合ブラケットに比較的大きな衝撃荷重が作用して、衝撃エネルギ吸収部が破断した場合に、サポートメンバの前端部を衝撃エネルギ吸収部から切り離すことができる。
よって、サポートメンバを後端部を支点にして車体外側に揺動させることができる(逃がすことができる)。
これにより、サポートメンバがサブフレームを車体後方に押圧することを防いで、サブフレームが車体後方の車室側に侵入することを阻止することができるという利点がある。
係止部を支柱部の内壁部に当接させることで、作用した衝撃荷重で結合ブラケットが支柱部の下端部から車体外側に離れることを防止できる。
これにより、サポートメンバに伝えられた衝撃荷重をサポートメンバで効率よく支えることができるという利点がある。
車体前部構造10は、車体の左右側に所定間隔をおいて設けられた左右のサイドフレーム(サイドフレーム)12,13と、左右のサイドフレーム12,13の前端部12a,13aに設けられたフロントバルクヘッド14と、フロントバルクヘッド14から車体後方に向けて延出された左右のアッパメンバー16,17と、左アッパメンバー16および左サイドフレーム12間に設けられた左ダンパハウジング18と、右アッパメンバー17および右サイドフレーム13間に設けられた右ダンパハウジング19とを備えている。
左サイドフレーム12は、後端部12bが左アウトリガー26を介して左サイドシル(図示せず)に連結されている。
右サイドフレーム13は、左サイドフレーム12と左右対称の部材で、車体の右側部に車体前後方向を向いて設けられている。
右サイドフレーム13は、後端部13bが右アウトリガー27を介して右サイドシル(図示せず)に連結されている。
ロアバルクヘッド32は、左サイドフレーム12の下部前端部12dから下方に垂下された左ステイ(支柱部)33と、右サイドフレーム13の下部前端部13dから下方に垂下された右ステイ(支柱部)34と、左ステイ33の下端部33aおよび右ステイ34の下端部(フロントバルクヘッドの下部)34aに架け渡されたロアメンバー35とを備えている。
右ステイ34は、左ステイ33と左右対称の部材であり、前壁部、外壁部、内壁部および後壁部に左ステイ33と同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
右アッパメンバー17は、左アッパメンバー16と左右対称の部材で、アッパバルクヘッド31の右端部31bから車体後方に向けて右フロントピラーまで延出され、右サイドフレーム13の上方に設けられている。
左フロントダンパに設けられた左フロントハブ(図示せず)に左前輪が設けられている。
右ダンパハウジング19は、左ダンパハウジング18と左右対称の部材で、右アッパメンバー17および右サイドフレーム13間に架け渡されることで右前輪の上方に配置され、頂部19aに右フロントダンパ(図示せず)が設けられている。
右フロントダンパに設けられた右フロントハブ(図示せず)に右前輪が設けられている。
このサブフレーム21は、平面視で略矩形状に形成され、左右の側部41,42が左右のサイドフレーム12,13の下部にそれぞれ設けられている。
同様に、右側部42の前上端部42aおよび後上端部42bが右サイドフレーム13の下部中央部(下部)13eにボルト(図示せず)で締結されている。
パワーユニットは、一例として、エンジンにトランスミッションが一体に連結されたユニットである。
なお、右サポート手段24は、左サポート手段23と左右対称の部材であり、各構成部材に左サポート手段23と同じ符号を付して説明を省略する。
左サポート手段23は、左ステイ33の下端部(フロントバルクヘッド14の下部)33aに取り付けられた前結合ブラケット(結合ブラケット)51と、前結合ブラケット51に前端部52aが取り付けられるとともに、サブフレーム21の左前端部43に後端部52bが取り付けられたサポートメンバ52とを備えている。
前結合ブラケット51は、押出成形機を用いてアルミニウム合金を矢印A方向に押し出すことにより長尺材を形成し、この長尺材を所定の間隔(高さ寸法)Hで切断することにより形成された部材である。
結合部54は、左ステイ33の下端部33aのうち、後壁部37に当接された略矩形状の結合プレート部61と、結合プレート部61の内端部61aから内壁部38に沿って突出された内側係止部(係止部)62と、結合プレート部61の外端部61bから外壁部39に沿って突出された外側係止部63とを有する。
内側係止部62の突出寸法S1は、外側係止部63の突出寸法に対して大きく設定されている。
内側係止部62の突出寸法S1を外側係止部63に対して大きく設定した理由については図6で詳しく説明する。
この取付部55は、内側円筒部65および外側円筒部66が一体に形成され、平面視で略8字状に形成されている。
内側円筒部65および外側円筒部66の中心には内外のねじ孔65a,66aが押出方向と同じ方向を向いてそれぞれ貫通されている。
内リブ71は、結合プレート部61の内端部61aから取付部55の内端部55aに向けて延出されたリブである。
内外のリブ71,72、結合部54および取付部55で空間74が形成されている。空間74内に中間リブ73が設けられている。
中間リブ73は、結合プレート部61の中央部61cから取付部55の中央部55cに向けて延出されたリブである。
内リブ71、外リブ72および中間リブ73は、互いに平行に形成されている。
よって、内リブ71、外リブ72および中間リブ73は、結合プレート部61から取付部55に向けて徐々に車体幅方向の中心60(図1参照)寄りに近づくように傾斜角θで傾斜状に形成されている。
また、中間リブ73は、衝撃荷重で車体幅方向に変形可能に車体幅方向の肉厚寸法T2が設定され、肉厚寸法T2に対して上下方向の高さ寸法Hが大きく設定されている。
なお、内外のリブ71,72の肉厚寸法T1や中間リブ73の肉厚寸法T2に対して高さ寸法Hを大きく設定した理由については後で詳しく説明する。
サブフレーム21は左前端部43に後結合ブラケット76を備えている。
後結合ブラケット76は、サブフレーム21の左前端部43から車体前方に向けて張り出された張出片である。
この後結合ブラケット76に内外の後取付孔76a,76bが形成されている。
サポートメンバ52の前端部52aに内外の前貫通孔77a,77bが上下方向に向けて貫通され、サポートメンバ52の後端部52bに内外の後貫通孔78a,78bが上下方向に向けて貫通されている。
内外のねじ孔65a,66aは、取付部55に形成されている。
これにより、サポートメンバ52の前端部52aが前結合ブラケット51に連結されるとともに、サポートメンバ52の後端部52bが後結合ブラケット76に連結されている。
前結合ブラケット51は、後結合ブラケット76に対して車体幅方向外側に配置されている。
よって、サポートメンバ52は、前端部52aが後端部52bに対して車体幅方向外側に位置する。これにより、サポートメンバ52は、平面視で傾斜角θになるように傾斜状に設けられている。
左右のサポートメンバ52は、図1に示すように、それぞれの部材が左右対称に傾斜されることで、車体前方に向けて徐々に広がるように略ハ字状に形成されている。
すなわち、前結合ブラケット51およびサポートメンバ52は同一直線上に配置されている。
前結合ブラケット51およびサポートメンバ52は、傾斜角θの傾斜状に設けられている。よって、衝撃荷重F2は、長手方向の分力荷重F2Hと、長手方向に対して直交する分力荷重F2Vとに分けられる。
分力荷重F2Vは、前結合ブラケット51およびサポートメンバ52の長手方向に対して直交する方向に分けられた荷重である。
このため、前結合ブラケット51が左ステイ33の下端部33aから車体外側に離れようとする。
そこで、前結合ブラケット51に内側係止部62を備えて、内側係止部62を左ステイ33の内壁部38に当接させた。
よって、左ステイ33の下端部33aに作用した衝撃荷重F1を、前結合ブラケット51を経てサポートメンバ52に効率よく伝えることができる。
これにより、サポートメンバ52に伝えられた衝撃荷重F2をサポートメンバ52で効率よく支えることができる。
この衝撃エネルギ吸収部56は、ロアバルクヘッド32の下部、すなわち左ステイ33の下端部33aに車体前方から作用する衝撃荷重F1を吸収可能な部位である。
前結合ブラケット51に衝撃エネルギ吸収部56を備えた例を以下に説明する。
前結合ブラケット51に作用した衝撃荷重は、前結合ブラケット51の衝撃エネルギ吸収部56に伝えられる。
衝撃エネルギ吸収部56を車幅方向に変形させる(潰す)ことで、比較的小さい衝撃荷重を十分に吸収することが可能である。
前結合ブラケット51に比較的大きな衝撃荷重が作用した場合、衝撃エネルギ吸収部56(内外のリブ71,72および中間リブ73)が破断される。
サポートメンバ52の前端部52aは、後端部52bに対して車体幅方向外側に配置されている。
よって、切り離されたサポートメンバ52の前端部52aは車体外側に移動する。
これにより、サポートメンバ52でサブフレーム21を車体後方に押圧することを防いで、サブフレーム21が車体後方の車室側に侵入することを防ぐことが可能になる。
前結合ブラケット51の衝撃エネルギ吸収部56に、結合部54から取付部55まで車体後方に向けて延出された中間リブ73が設けられている。
よって、中間リブ73は、車体後方に延出されるとともに、上下方向に張り出された状態に形成されている。
これにより、前結合ブラケット51に衝撃荷重が作用した場合に、中間リブ73を車体幅方向に変形させて衝撃荷重を十分に吸収することが可能になる。
よって、前述したように、車体後方に延出した中間リブ73の高さ寸法Hを、肉厚寸法T2に対して大きく設定(確保)することが可能である。
これにより、例えば、図示しないサスペンションに入力される上下方向に作用する荷重を中間リブ73で良好に支えることが可能になる。
よって、中間リブ73が車体幅方向に変形する衝撃荷重を簡単に調整することができる。
これにより、中間リブ73で吸収する衝撃荷重をコストを上げることなく調整することが可能になる。
図7(a),(b)は本発明に係る車体前部構造のロアバルクヘッドに比較的小さな衝撃荷重が作用した場合を説明する図である。
(a)において、ロアバルクヘッド32に車体前方側から比較的小さな衝撃荷重F3が作用する。
衝撃荷重F4は前結合ブラケット51を経てサポートメンバ52に伝わる。
前結合ブラケット51およびサポートメンバ52が傾斜角θの傾斜状に設けられているので、衝撃荷重F4は、長手方向の分力荷重F4Hと、長手方向に対して直交する分力荷重F4Vとに分けられる。
よって、分力荷重F4Vで前結合ブラケット51が左ステイ33の下端部33aから車体外側に離れることを防止できる。
衝撃エネルギ吸収部56に衝撃荷重F4が作用することで、衝撃エネルギ吸収部56の内外のリブ71,72および中間リブ73が車体幅方向に変形を開始する。
衝撃エネルギ吸収部56の内外のリブ71,72および中間リブ73が車体幅方向に変形する(潰れる)。
衝撃エネルギ吸収部56が車体幅方向に変形することで(潰れることで)、比較的小さな衝撃荷重F4を吸収することができる。
図9(a),(b)は本発明に係る車体前部構造のロアバルクヘッドに比較的大きな衝撃荷重が作用した場合を説明する図である。
(a)において、ロアバルクヘッド32に車体前方側から比較的大きな衝撃荷重F5が作用する。
衝撃荷重F6は前結合ブラケット51を経てサポートメンバ52に伝わる。
前結合ブラケット51およびサポートメンバ52が傾斜角θの傾斜状に設けられているので、衝撃荷重F6は、長手方向の分力荷重F6Hと、長手方向に対して直交する分力荷重F6Vとに分けられる。
よって、分力荷重F6Vで前結合ブラケット51が左ステイ33の下端部33aから車体外側に離れることを防止できる。
比較的大きな分力荷重F6Vが含まれた衝撃荷重F6が、前結合ブラケット51の衝撃エネルギ吸収部56に作用する。
よって、衝撃エネルギ吸収部56の内外のリブ71,72および中間リブ73に比較的大きな分力荷重F6Vが作用する。
(a)において、衝撃エネルギ吸収部56の内外のリブ71,72および中間リブ73に比較的大きな分力荷重F6Vが作用することで、それぞれのリブ71,72,73が破断する。
内外のリブ71,72および中間リブ73を破断することで、サポートメンバ52の前端部52aを衝撃エネルギ吸収部56から切り離すことができる。
この取付部55はサポートメンバ52の前端部52aに取り付けられている。
よって、結合部54による押圧力が取付部55を経てサポートメンバ52の前端部52aに伝わる。
よって、切り離されたサポートメンバ52の前端部52aは車体外側に移動を開始する。
これにより、サポートメンバ52でサブフレーム21を車体後方に押圧することを防いで、サブフレーム21が車体後方の車室側に侵入することを防ぐことができる。
Claims (3)
- 車体前後方向を向いてサイドフレームが設けられ、前記サイドフレームの前端部にフロントバルクヘッドが設けられ、前記フロントバルクヘッドの後方でかつ前記サイドフレームの下部にサブフレームが設けられた車体前部構造において、
前記フロントバルクヘッドの下部に取り付けられた結合ブラケットと、
前記結合ブラケットに前端部が取り付けられるとともに、前記サブフレームに後端部が取り付けられたサポートメンバと、
を備え、
前記結合ブラケットは、
軽合金で押出成形され、押出成形の際の押出方向が上下を向いて配置された部材であって、
前記フロントバルクヘッドに取り付けられた結合部と、
前記サポートメンバの前端部に取り付けられた取付部と、
前記結合部および前記取付部間に設けられ、車体前方から前記フロントバルクヘッドの下部に作用する衝撃荷重を吸収する衝撃エネルギ吸収部と、を有し、
前記衝撃エネルギ吸収部に、前記結合部から前記取付部まで車体後方に向けて延出された中間リブを有し、
前記中間リブは、
前記衝撃荷重で車体幅方向に変形可能に車体幅方向の肉厚寸法が設定され、
前記肉厚寸法に対して上下方向の高さ寸法が大きく設定されたことを特徴とする車体前部構造。 - 前記サポートメンバは、
前記前端部が前記後端部に対して車体幅方向外側に位置するように、平面視で傾斜状に設けられたことを特徴とする請求項1記載の車体前部構造。 - 前記フロントバルクヘッドに、前記サイドフレームの前端部から下方に延出された支柱部を備え、
前記支柱部の下端部に前記結合ブラケットが設けられ、
前記結合ブラケットは、前記支柱部のうち、車体中心側に設けられた内壁部に当接する係止部を有することを特徴とする請求項2記載の車体前部構造。
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