JP5073109B1 - 無段差通路を有する航空機乗客搭乗橋 - Google Patents

無段差通路を有する航空機乗客搭乗橋 Download PDF

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Abstract

【課題】内側トンネルと外側トンネルの接合部において、通路段差のない航空機乗客搭乗橋が求められる。
【解決手段】
中空の第一トンネルであって、乗客が歩行する第一固定通路をその中空部に有する第一トンネルと、一端側から前記第一トンネルが挿入され、他端側がキャブに接続される第二トンネルであって、乗客が歩行する第二固定通路が前記他端側に固定される第二トンネルとを備えて前記第一トンネルと前記第二トンネルとが、相対的に離れるような移動を行なう際には伸長し、相対的に近づくような移動を行なう際には収縮する航空機乗客搭乗橋であって、前記第二トンネルは、複数の板状床部材の長辺側の辺縁を互いに回動可能に連鎖的に組合せて結合した可動通路であって、その可動通路の一端側は前記第二トンネルの前記第二固定通路に回動可能に固定される可動通路を有することを特徴とする航空機乗客搭乗橋により解決する。
【選択図】図1

Description

この発明は、旅客用航空機に乗客が搭乗するために、空港に設置される乗客搭乗橋に関する。
旅客用航空機(以下、航空機とよぶ)では、乗客は、機体に配置される乗降口を通じて、航空機内に搭乗し、または航空機から降機する(以下、搭乗等とよぶ)。乗降口と空港ビルディングに配置される空港ビルディング内のゲートとの間には、航空機乗客搭乗橋(Passenger Boarding Bridge,以下、「PBB」とよぶ)が設けられる。PBBは、通常、乗客等が搭乗しないときには収縮して収納され、航空機への乗客の搭乗等の際には、航空機の乗降口に向かって伸長して航空機の乗降口に接続する。PBBは、航空機の乗降口にほぼ合致したところで固定され、乗降口を介しての乗客等の搭乗等が可能となる。
PBBは、一般に、内側トンネル(第一トンネル)と外側トンネル(第二トンネル)とを備えている。内側トンネルおよび外側トンネルはその内部を乗客が歩行可能な中空部材であって、外側トンネルは内側トンネルの断面より外形が大きく、内側トンネルは外側トンネルの一端側から入れ子式に挿入される構造である。外側トンネルは駆動コラムに支持されていて、駆動コラムは地面上を移動する車輪を備える。駆動コラムの走行により、外側トンネルが内側トンネルに対して相対的に接近して、外側トンネルと内側トンネルとが重なる移動を行なってPBBは収縮する。一方、内側トンネルに対して相対的に離れる移動を行なう際にはPBBは伸長する。内側トンネルはロタンダを介して空港ビルディングに接続される。一方、外側トンネルにおいて、内側トンネルが挿入されている一端側と反対にあたる端部にあたる外側トンネルの他端側(航空機側)にキャブが配置される。キャブにおいて、外側トンネルが接続されている側と反対側にあたる端部は、航空機の乗降口に接続される。
PBBは、断面の外形が大きな外側トンネルに内側トンネルが挿入される構造であるため、外側トンネルと内側トンネルとの間のつなぎ目部分において、乗客等が歩行する通路床面に段差ができてしまう問題があった。このような床面における段差は、歩行の際には乗客の転倒につながって危険であり、また車椅子の走行や車輪付荷物の搬送には非常に不便である。このようなPBB内部の通路段差を解消するPBBとして、特許文献1から3には、内側トンネルに固定して取り付けられる連続床を有するPBBが開示されている。その代表例である特許文献1では、たとえば、内側トンネルの下側にスプロケットが配置される。内側トンネルと外側トンネルとが相対的に移動してPBBが収縮する際には、外側トンネルの通路の床面が内側トンネルに接近する為、内側トンネルに固定されている床面がこのスプロケットで逆方向に案内されてロープ牽引装置に巻き取られて短くなる仕組みとなっている。
特許第4700643号公報 特許第4620747号公報 特許第4681626号公報
前記のとおり、外側トンネルと内側トンネルとの間のつなぎ目部分において、乗客等が歩行する通路床面に段差ができることは不便であり、危険である。しかし、特許文献1から3に開示されるように連続床を内側トンネルに固定してしまうと、内側トンネル側にスプロケットで逆方向に案内されてロープ牽引装置に巻き取る必要が生じる。この方法では、スプロケットを含めて、通路の床面を巻き取るための構造体が大きくなる問題がある。
本発明の目的では、中空の第一トンネルであって、乗客が歩行する第一固定通路をその中空部に有する第一トンネルと、一端側から前記第一トンネルが挿入され、他端側がキャブに接続される第二トンネルであって、乗客が歩行する第二固定通路が前記他端側に固定される第二トンネルとを備え、前記第一トンネルと前記第二トンネルとが、相対的に離れるような移動を行なう際には伸長し、相対的に近づくような移動を行なう際には収縮する航空機乗客搭乗橋であって、前記第二トンネルは、複数の板状床部材の長辺側の辺縁を互いに回動可能に連鎖的に組合せて結合した可動通路であって、その可動通路の一端側は前記第二トンネルの前記第二固定通路に回動可能に固定される可動通路を備える航空機乗客搭乗橋を提案する。
簡易な構造により、内側トンネルと外側トンネルとの接続部の床面において、段差をなくすことができる。
本発明の第一の実施の形態におけるPBBが伸長して航空機に接続されている状態の外観図であって、外側トンネルにおいては、その内部を断面で示した図である。 可動通路が内側トンネル内に収納される箇所を示した図である。 可動通路の支持部を示した図である。 内側ガイドレールを有しない形態において、可動通路が内側トンネル内に収納される箇所を示した図である。 内側ガイドレールを有しない形態において、可動通路の支持部を示した図である。 PBBが伸長している状態における可動通路の状態を示した図である。 PBBが収縮している状態における可動通路の状態を示した図である。 本発明の第二の実施の形態であって、3つのトンネルから構成されるPBBの可動通路の状態を示した図である。
(第一の実施の形態)
図1から図3を参照して、最も一般的なPBBにおける本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明におけるPBB1が伸長して航空機に接続されている状態の外観図であって、外側トンネルにおいては、その内部を断面で示した図である。
PBB1は外側トンネル2と内側トンネル3とを具備する。外側トンネル2と内側トンネル3とは、それぞれ、その内部を乗客が歩行する中空部材である。外側トンネル2は内側トンネル3の断面より外形が大きく、内側トンネル3は外側トンネル2の一端側から入れ子式に挿入されている。内側トンネル3は、ロタンダ4を介して空港ビルの固定橋51に接続されている。PBB1はロタンダ4を中心に回動可能である。一方、外側トンネル2の航空機側には、キャブ5が接続されている。キャブ5は、外側トンネル2に対して回転可能であって、その一部に開口を有している。開口の周りには、ジャバラ5aが取り付けられ、キャブ5を回転することにより、航空機52の扉に対向する位置に開口を移動させ、ジャバラ5aを機体に接触させるように延ばして、PBB1の内部を外部と隔絶させる。以降、本明細書上では、キャブ、外側トンネルおよび内側トンネルにおいて、それぞれ航空機側にあたる一端を「先端」と、ロタンダ側にあたる他端を「後端」と定義する。
外側トンネル2は、そのほぼ中央部が駆動コラム6に固定されて支持されている。駆動コラム6は、駆動機構(不図示)により空港を移動する地面上を移動する車輪6aを備えていて、駆動コラム6はロタンダ4に対して離間する方向または接近する方向に移動することが可能である。PBB1の収縮状態は、内側トンネル3の先端が外側トンネル2の先端に最も接近して、外側トンネル2と内側トンネル3とが重なっている状態である。PBB1の伸長状態は、内側トンネル3の先端が外側トンネル2の先端から最も離間している状態である。PBB1が収縮状態から伸長する際には、外側トンネル2の先端が内側トンネル3の先端から相対的に離れる移動を行なう。一方、PBB1が伸長状態から収縮する際には、外側トンネル2の先端が内側トンネル3の先端から相対的に接近する移動を行なう。
内側トンネル3の内部には固定通路(第一固定通路)11が配置されている。外側トンネル2には、通路床10が配置されている。通路床10は、固定通路(第二固定通路)10aと、可動通路10bとからなる。固定床10aは、外側トンネル2の先端側2aの内部に固定されていて、その高さは、キャブ5の内部の床の高さと同じに設定されている。可動通路10bは、床幅を長手方向とする板状床部材100を外側トンネル2の通路方向に連鎖状に複数連結させた構造である。連結された可動通路10bは、その一端が、キャブ5と反対側にあたる第二固定通路10aの端部に、固定されている。可動通路10bは、内側トンネル3の先端3a側の第一固定通路11と最も接近する箇所から内側トンネル3の固定通路11の下側に潜りこむようになっている。外側トンネル2の可動通路10bの通路面の高さは、内側トンネル3の第一固定通路11の通路面の高さと、ほぼ同じに設定する。内側トンネル3の第一固定通路11の通路面と、外側トンネル2の可動通路10bの通路面との間には、渡し板を配置してもよい。
可動通路10bが内側トンネル3の第一固定通路11の下側にもぐりこむ機構について、図2および図3を参照して詳しく説明する。図2は、可動通路10bが内側トンネル3の第一固定通路11の下側にもぐりこむ箇所を斜め上側から見た図である。図3は、可動通路10bが内側トンネル3の第一固定通路11の下側にもぐりこむ箇所を通路下側(図2の矢視P)から見た図である。
図2に示すように、可動通路10bは、複数の平らな板状床部材100を、外側トンネル2の通路の長手方向(矢視Q方向)に沿って、連鎖的に結合される。ここで、一枚の板状床部材100に注目して説明する。可動通路10bを構成する他の板状床部材100も同様である。
板状床部材100は、長方形の平板形状の部材であって、その長手側の2つの辺縁にそれぞれヒンジ100aを有する。このヒンジ100aは、隣り合う板状床部材100を互いに回動可能に接続されている。また、板状床部材100は、その短辺方向の2つの辺縁のそれぞれにおいて、板状床部材100の長手方向に延在するように支持ロッド101が配置されている。すなわち、支持ロッド101は、連結された複数の平らな板状床部材100が延在する方向と直交する方向に向かって延出するように配置される。支持ロッド101の先端には支持ロッド101の軸周りに回動可能なローラ102が回動可能に取り付けられる。支持ロッド101の先端には、ボールベアリング101cが取り付けられている。支持ロッド101は、たとえば板状床部材100の裏面に取り付けられるブッシュ101a内に板状床部材100の長手方向に往復移動が可能なように挿嵌される。また、支持ロッド101は、ローラ102とブッシュ101aとの間に、付勢バネ101bが取り付けられる。付勢バネ101bは、一端が支持ロッド101に対して固定され、他端が板状床部材100に対して固定されている。これにより支持ロッド101は板状床部材100の長手方向に沿って飛び出して延出する方向に付勢された状態で、板状床部材の長手方向に沿ってその付勢方向と逆方向に収縮可能となっている。
外側トンネル2の内部には、可動通路10bが延在する方向(矢視Q方向)に沿って、外側ガイドレール(第一ガイドレール)103の対が配置されている。内側トンネル3には、内側ガイドレール(第二ガイドレール)104の対が配置されている。外側ガイドレール103の対と内側ガイドレール104の対とは、ローラ102が転動するガイドレールである。内側ガイドレール104の対のそれぞれは、たとえば、コの字型のチャンネル材のような断面形状とする。内側ガイドレール104の対では、内側ガイドレール104の内面をローラ102が転動する。外側ガイドレールの対103および内側ガイドレールの対104は、それぞれ、可動通路10bを挟むように平行に配置される。内側トンネル3は外側トンネル2内に挿嵌されるので、内側トンネル3の内部の幅は外側トンネル2の内部の幅よりも小さくなる。そのため、支持ロッド101を外側ガイドレール(第一ガイドレール)103により支える場合よりも、支持ロッド101を内側ガイドレール(第二ガイドレール)104により支える場合のほうが、支持ロッド101の幅を小さくしなければならない。そこで、内側ガイドレール104を構成するそれぞれのガイドレールの壁面の幅は、内側ガイドレール104の対を構成するガイドレール上の転動面にローラ102が載置されている部分では幅D4を有する位置まで狭めるように設定する。すなわち、外側ガイドレール103の対を構成するガイドレールの一方から他方までの距離をD1し、内側ガイドレール104の対のそれぞれのガイドレールの内面の壁面の距離をD2とすると、D2はD1よりも小さくなるように、外側ガイドレール103の対を構成するガイドレールの内側に内側ガイドレール104の対を構成するようにガイドレールを配置する。
外側トンネル2と内側トンネル3とが接近することにより、可動通路10bが内側トンネル3の第一固定通路11の下側にもぐりこむようにするため、外側ガイドレール103の対を構成するガイドレール上でローラ102が転動するローラ転動面は、内側ガイドレール104の対を構成するガイドレール内でローラ102が転動するローラ転動面よりも高くなるように設定される。この高さが第一固定通路11の下側にもぐりこむもぐりこみ量となる。内側ガイドレール104の対は、内側ガイドレール104内のローラ転動面が第一固定通路11にほぼ沿って平行に延在するように配置することが好ましい。これにより、可動通路10bは内側トンネル3の第一固定通路11の下側に、可動通路10bの面のうち乗客等の通路面が第一固定通路11の面と対向し、第一固定通路11と平行の状態を維持しながら、もぐりこむことになる。
一枚の板状床部材100において、板状床部材100の一方の短辺側から延出する支持ロッド101の先端と、その板状床部材100の他方の短辺側から延出する支持ロッド101の先端とがなす幅は、支持ロッド101が突出している状態において、外側ガイドレール103の対を構成するガイドレール上にローラ102が載置されて転動可能となる幅に設定される。支持ロッド101が押し込まれた状態において、内側ガイドレール104の対を構成するガイドレール上にローラ102が載置されて転動可能なように設定される。外側ガイドレール103の対を構成するガイドレール上のローラ転動面にローラ102が載っている状態において板状床部材100の上面が乗客の歩行が可能な状態の外側トンネル2の通路面(可動通路10b)の高さとなる。また、内側ガイドレール104の対を構成するガイドレール内のローラ転動面にローラ102が載っている状態における板状床部材100の面がPBB1の収納状態における外側トンネル2の通路面(可動通路10b)の高さとなる。内側トンネル3の通路面11は、外側ガイドレール103の対を構成するガイドレール上にローラ102が載置されている状態で、同一の高さとなるように内側トンネル3に固定されている。したがって、板状床部材100の支持ロッド101のローラ102が外側ガイドレール103の対を構成するガイドレール上にあるときは、外側トンネル2の通路床面と内側トンネル3の通路床面との間に段差がない状態となる。ただし、ローラ102は支持ロッド101に支持されていなくてもよく、ガイドレール上の転動面を走行しなくてもよい。たとえば、外側ガイドレール103の対および内側ガイドレール104の対のそれぞれに溝が配置され、支持ロッド101がこの溝に挿入され、この溝に沿って移動することにより、板状床部材100の高さ方向の移動を制御することもできる。そして、ローラ102は板状床部材100を滑らかに移動するように、支持ロッド101と異なる部位に配置する。このように、ローラ102と支持ロッド101とを分離して、配置することも可能である。
外側ガイドレール103の対を構成するガイドレールのローラ転動面上から内側ガイドレール104の対を構成するガイドレール内のローラ転動面上に、ローラ102を載せかえるために、ローラガイド105が配置されている。ローラガイド105は、支持ロッド101の軸方向と垂直な壁面105aを有する。壁面105aは、たとえば、外側ガイドレール103の対を構成するガイドレール上の転動面にローラ102がある部分では板状床部材100の縁面から距離D3の位置に配置する(以下、「外側トンネル2対応部分」とする)。また、ローラガイド105は、板状床部材100の縁面から幅D4を有する位置に、支持ロッド101の軸方向に垂直な壁面を有している(以下、「内側トンネル3対応部分」とする)。ここで幅D4は幅D3より狭く設定する。これにより、支持ロッド101の最端部がこの壁面に接触して、外側ガイドレール103の対を構成するガイドレールの転動面上のローラ102を、内側ガイドレール104の対を構成するガイドレール内の転動面上に載せかえる。すなわち、壁面に押された支持ロッド101は付勢バネ101bの付勢力に抗してブッシュ101内に入り込み、板状床部材100の縁面から内方に収縮する。「外側トンネル2対応部分」の壁面位置から「内側トンネル3対応部分」の壁面位置まで、ローラガイド105の壁面と板状床部材100の縁面との幅が狭まるにつれて、ローラガイド105の壁面が支持ロッド101を押す。支持ロッド101の先端のボールベアリング101cは、壁面を移動する際の摩擦力を減少させる。
「外側トンネル2対応部分」の高さは外側ガイドレール103の対を構成するガイドレール上にローラ102が載置されている高さに対応し、「内側トンネル3対応部分」の高さは、ローラをガイドする内側ガイドレール104の対を構成するガイドレール上にローラ102が載置されている高さに対応する。そして、「外側トンネル2対応部分」から「内側トンネル3対応部分」に至るまでの間のローラガイド105は、「外側トンネル2対応部分」から「内側トンネル3対応部分」まで、ローラ102が転動しながらローラ102の高さを変更可能な傾斜面を有する遷移部分を有している。ローラガイド105としては、さまざまな構造が考えられるが、「外側トンネル2対応部分」から「内側トンネル3対応部分」では、板状床部材100の面と平行にローラ102を上下で挟む上面および下面と、その上面および下面とを支持ロッド101の軸方向に垂直であって支持ロッド101の外側の壁面で接続するような断面がコの字型形状とすることができる。また、「外側トンネル2対応部分」から「内側トンネル3対応部分」に遷移する部分において、壁面の幅は「外側トンネル2対応部分」において狭めた後に「内側トンネル3対応部分」に移行するように設定してもよいし、「外側トンネル2対応部分」から「内側トンネル3対応部分」に移行しながら壁面の幅を徐々に狭めるように設定することも可能である。
別の実施の形態としては、内側ガイドレール104を配置しない方法もある。この場合には、たとえば、図4および図5に示すように、内側ガイドレール104の代わりにローラガイド105を延長して配置する。この場合、ローラガイド105は、内側ガイドレール104を配置した場合において、内側ガイドレール104内のローラ転動面が第一固定通路11にほぼ沿って平行に延在するように配置したように、第一固定通路11にほぼ沿って平行なローラ転動面を有することになる。この場合には、ローラガイド105は、第一固定通路11の下側では、内側ガイドレール104(第二のガイドレール)として機能する。これにより、内側ガイドレール104を配置した場合と同様に、可動通路10bは内側トンネル3の第一固定通路11の下側に、可動通路10bの面のうち乗客等の通路面が第一固定通路11の面と対向し、第一固定通路11と平行の状態を維持しながら、もぐりこむことになる。そして、支持ロッド101は、ローラガイド105にしたがって、ローラ102の転動にしたがって支持ロッド101が移動し、板状床部材100が外側ガイドレール103の対の部分(外側トンネル2)から内側トンネル3の部分に移動する。
内側トンネル3が外側トンネル2内に相対的に移動して収納される際に、可動通路10bの板状床部材100は、ローラ102が外側ガイドレール103対からローラガイド105を介して内側ガイドレール104対まで移動して、内側トンネル3の第一固定通路11の下側にもぐりこむ。ローラ102が外側ガイドレール103対からローラガイド105を介して内側ガイドレール104対まで移動する際に、摩擦により、内側トンネル3側の板状床部材100は、現実には平坦な状態では移動できない。そのため、可動通路10bの板状床部材100において、すべての板状床部材100に適切な張力を与える必要がある。そのため、可動通路10bのうち、最も内側トンネル3に近い板状床部材100にはバネなどの張力調整装置106aを介してワイヤ106が接続され、ワイヤ106により図2の矢印T方向に張力を付与する。
ここで、図6および図7を参照して、ワイヤ106により、板状床部材100に適切な張力を与える方法を説明する。図5はPBB1が伸長して、内側トンネル3が外側トンネル2から突出している伸長状態を示している。図6は、この伸長状態から、外側トンネル2と内側トンネル3とが相対的に移動して内側トンネル3が外側トンネル2に収容され、PBB1が収縮している状態を示している。
内側トンネル3の後端部3bには滑車20が配置されている。板状床部材100に一端が接続されているワイヤ106は滑車20に掛けられて、ワイヤ106の他端は内側トンネル3の先端側3aに配置されるワイヤ固定点21にバネなどの張力調整装置を介して固定されている。すなわち、板状床部材100は外側トンネル2に対して固定されているので、内側トンネル3のワイヤ106は一端が外側トンネル2に他端が内側トンネル3に取り付けられていることになる。PBB1が伸長状態から収縮状態に、および収縮状態から伸長状態に移行する際には、外側トンネル2と内側トンネル3とが相対的に移動するので、可動通路10bを構成するすべての板状床部材100は、両端に反対方向の張力が適切にかけられることになる。
PBB1が収縮状態から伸長状態に移行する際には、外側トンネル2と内側トンネル3とが離間するように移動するので、ワイヤ106には常に引張力が付加される。一方、PBB1が伸長状態から収縮状態に移行する際には、外側トンネル2と内側トンネル3とが接近するように移動するので、外側トンネル2におけるワイヤ106の固定箇所(板状床部材100とワイヤ106のとの固定点23)と内側トンネル3におけるワイヤ106の固定点21とが接近し、滑車20のみでは張力が減少し、最終的に張力を失ってたるみが生じる。そのため、PBB1が伸長状態と収縮状態との移行の全過程において均一な張力を付与するために、滑車20を定滑車とし、滑車20に対して動滑車の役割を有する滑車群22を外側トンネル2の後端側2bに回動可能に固定して配置し、PBB1が伸長状態と収縮状態との移行の全過程においてたるみを生じないようにする。滑車群22は第1滑車22aと第2滑車群22bとからなる。滑車20と内側トンネル3の先端側3aに配置されるワイヤ固定点21との間におけるワイヤ106において、まず第1滑車22aにかけられたワイヤ106はさらに第2滑車群22bにかける。第1滑車22aと第2滑車群22bは、第1滑車22aの回転中心と第2滑車群22bの回転中心とを結ぶ線が、板状床部材100から滑車20まで延びるワイヤ106の方向と角度を持つように配置される。最も好ましくは、滑車20まで延びるワイヤ106の方向が可動通路10bの板状床部材100が延在する方向に一致し、この方向と第1滑車22aの回転中心および第2滑車群22bの回転中心を結ぶ線が垂直になるように第1滑車22aの回転中心と第2滑車群22bを配置する。これにより、外側トンネル2と内側トンネル3とが相対的に移動する際に、どの箇所でも適切な張力を付与することが可能となる。
ワイヤ106が外側トンネル2の板状床部材100に固定される固定点23では、ワイヤ106と外側トンネル2の板状床部材100との間に緩衝スプリング106aを配置している。一方、ワイヤ106と内側トンネル3におけるワイヤ106の固定点21との間には、緩衝スプリング106bを介してリミッタスイッチとが配置される。所定の張力がワイヤ106に付加された際には、リミッタスイッチが作動して、外側トンネル2と内側トンネル3の接近または離間の動作を停止する。
(第二の実施の形態)
第一の実施の形態では、外側トンネル2と内側トンネル3との2つのトンネルからなるPBBにおける実施の形態を説明した。しかし、キャブに接合される外側トンネル2(以下、第二のトンネル)に挿嵌される内側トンネル3(以下、第一トンネル)に、空港ビルに接続される別の第三トンネルが挿嵌されるような3つのトンネルからなるPBBにも適用できる。図6を参照し、これを説明する。図6は、第二の実施の形態におけるPBB1を示した図である。この場合、第一トンネル2と第二のトンネル3との間と、第三トンネル7と第一トンネル2との間とにおいて、それぞれ第一の実施の形態を適用すればよい。ここで、第一の実施の形態と同様に、第一トンネル2と第二のトンネル3と第三トンネル7とにおいて、キャブ側を「先端」と空港ビル側を「後端」とよぶ。
第二トンネル3に固定通路(不図示)と可動通路10bとが配置されている点は、第一の実施の形態と同様である。第一の実施の形態では、第一トンネル2には、可動通路は配置されていないが、第二の実施の形態では、第一トンネル2の先端側2aに固定通路12と、固定通路12の後端側に回動可能に可動通路13が取り付けられる。可動通路13が複数の板状床部材100で構成されること、および可動通路13を移動させるためのガイドレール対の構成は、第一の実施の形態と同じである。第三トンネル7には固定通路14が配置されている。PBB1が伸長した状態から収縮する際には、駆動コラム(不図示)によって、第二トンネル3は第一トンネル2に接近するように移動し、また第一トンネル2は第三トンネル7と接近するように移動する。その一連の移動により、第二トンネル3の可動通路10bは、第一トンネル2の固定通路12と可動通路13の下側に潜り込むように移動する。また、第一トンネル2の可動通路13は、第三トンネル7の固定通路14の下側に潜り込むように移動する。その際、第二トンネル3の可動通路10bが第一トンネル2の固定通路12と可動通路13の下側に潜り込む下降高さが、第一トンネル2の可動通路13が第三トンネル7の固定通路14の下側に潜り込む下降高さより大きくなるように、第一トンネル2と第二トンネル3と第三トンネル7のガイドレール高さを設定すればよい。そして、可動通路13の通路面高さと、第三トンネル7の第三固定通路14の通路面高さが一致するように第三トンネル7のガイドレールの高さを設定する。
1 航空機乗客搭乗橋(PBB)
2 内側トンネル(第一トンネル)
3 外側トンネル(第二トンネル)
4 ロタンダ
5 キャブ
6 駆動コラム
7 第三トンネル
10a 固定通路
10b 可動通路
11 固定通路
12 固定通路
13 可動通路
14 固定通路

Claims (8)

  1. 中空の第一トンネルであって、乗客が歩行する第一固定通路をその中空部に有する第一トンネルと、
    中空の第二トンネルであって、その第二トンネルの一端側から前記第一トンネルが挿入され、前記第二トンネルの他端側がキャブに接続される第二トンネルであって、乗客が歩行する第二固定通路が前記他端側に固定される第二トンネルとを備え、
    前記第一トンネルと前記第二トンネルとが、相対的に離れるような移動を行なう際には伸長し相対的に近づくような移動を行なう際には収縮する航空機乗客搭乗橋であって、
    前記第二トンネルは、複数の板状床部材の一の辺縁を互いに回動可能に連鎖的に組合せて結合した可動通路であって、その可動通路の一端側は前記第二トンネルの前記第二固定通路に回動可能に取り付けられる可動通路を備え、
    前記可動通路の通路面高さと、前記第一トンネルの前記第一固定通路の通路面高さは一致しており、
    前記第一トンネルは、前記移動の方向に沿って延在する一のガイドレールを備え、
    前記可動通路を構成する複数の板状床部材は、それぞれの板状床部材における他の辺縁側から延出する支持ロッドを備え、
    その支持ロッドが前記一のガイドレールに沿って移動することで、前記可動通路は、航空機乗客搭乗橋が収縮する際には前記第一トンネルの前記第一固定通路の下側に下降するように収納され、航空機乗客搭乗橋が伸長する際には前記第一トンネルの前記第一固定通路の下側から上昇するように展開することを特徴とする航空機乗客搭乗橋。
  2. 請求項1に記載した航空機乗客搭乗橋であって、
    前記可動通路は、前記複数の板状床部材に対して固定される回転可能なローラを備え、
    前記ローラが前記一のガイドレール転動面上を走行することで前記支持ロッドが前記移動を行なうことを特徴とする航空機乗客搭乗橋。
  3. 請求項1または2に記載した航空機乗客搭乗橋であって、
    前記第二トンネルは、前記移動の方向に沿って延在する他のガイドレールを備え、
    前記支持ロッドは、前記他のガイドレールに沿って移動することを特徴とする航空機乗客搭乗橋。
  4. 請求項2または3に記載した航空機乗客搭乗橋であって、
    前記ローラは、前記支持ロッドに取り付けられていることを特徴とする航空機乗客搭乗橋。
  5. 請求項に記載した航空機乗客搭乗橋であって、
    前記一のガイドレールおよび前記他のガイドレールは、それぞれ、ガイドレールの対からなっていて、
    前記他のガイドレールをなすガイドレールにおける前記ローラの走行面は前記一のガイドレールをなすガイドレールにおける前記ローラの走行面より高い位置に延在し、
    前記他のガイドレールの対をなすガイドレールの一方から他方までの距離は、前記一のガイドレールの対をなすガイドレールの一方から他方までの距離よりも大きいことを特徴とする航空機乗客搭乗橋。
  6. 請求項1からのいずれか一項に記載した航空機乗客搭乗橋であって、
    前記支持ロッドは、一端がその支持ロッドに対して固定され他端が前記板状床部材に対して固定されている付勢バネにより前記板状床部材から延出する方向に付勢されるとともに、その勢方向と逆方向に収縮可能であって、
    前記航空機乗客搭乗橋は、前記第一ガイドレールから前記第二ガイドレールに移る際に、前記支持ロッドを収縮させる壁面を備えることを特徴とする航空機乗客搭乗橋。
  7. 請求項1からのいずれか一項に記載した航空機乗客搭乗橋であって、
    前記第二固定通路に取り付けられる可動通路の反対端にはワイヤの一端が取り付けられ、そのワイヤの他端は前記第一トンネルに取り付けられ、前記ワイヤは前記第一トンネルと前記第二トンネルの相対的移動に応じて前記可動通路の両端を引っぱる張力を付与することを特徴とする航空機乗客搭乗橋。
  8. 請求項1からのいずれか一項に記載した航空機乗客搭乗橋であって、
    前記航空機乗客搭乗橋は、さらに、乗客が歩行する第三固定通路をその中空部に有し、前記第一トンネルに挿入される第三トンネルを備え、
    前記第一トンネルは、複数の板状床部材辺縁を互いに回動可能に連鎖的に組合せて結合した第二可動通路であって、その第二可動通路の一端側は前記第一トンネルの前記第一固定通路に回動可能に取り付けられる第二可動通路を備え、
    前記第二可動通路の通路面高さと、前記第三トンネルの前記第三固定通路の通路面高さは一致しており、
    前記第二可動通路は、航空機乗客搭乗橋が収縮する際には、前記第三トンネルの前記第三固定通路の下側に下降するような収納と、航空機乗客搭乗橋が伸長する際には、前記第三トンネルの前記第三固定通路の下側から上昇するような展開とを行なうことを特徴とする航空機乗客搭乗橋。
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