JP5070967B2 - 圧力センサ - Google Patents

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本発明は、ダイアフラムに形成されたゲージ抵抗の抵抗値の変化に基づいてダイアフラムに印加される圧力媒体の圧力を検出する圧力センサに関し、例えば自動車のブレーキ圧や燃料圧を検出する場合に好適である。
従来、特許文献1において、センサチップに備えられたパッドと電気的な接続が行われるボンディング部分が直接圧力媒体に曝されないように保護用樹脂で覆うことで、ボンディング部分の圧力媒体による腐食を防止できる構造が開示されている。この圧力センサでは、センサチップがリードフレームを備えた樹脂パッケージや配線パターンが形成された基板を介して圧力導入孔が備えられたハウジングに固定された構造とされている。
また、特許文献2において、センサチップおよびセンサチップに備えられたパッドと電気的な接続が行われるボンディング部分が直接圧力媒体に曝されないようにメタルダイアフラムで覆い、メタルダイアフラム内をオイルで充填する構造が開示されている。具体的には、センサチップをセンサ保持体に形成した凹部に接合したのち、凹部内にオイルを充填した状態でメタルダイアフラムで覆い、かつ、メタルダイアフラムを挟んでセンサ保持体と反対側に圧力導入孔が形成されたハウジングを配置することで、メタルダイアフラムをセンサ保持体とハウジングとの間に固定している。このような圧力センサは、例えば高圧となる自動車のブレーキ圧や燃料圧の測定に用いられるが、ハウジングとセンサ保持体の接合部分が高圧に耐え得るように、ハウジングのうちセンサ保持体を収容する部分に凹部を形成し、この凹部内にセンサ保持体の一部を挿入した後に凹部の外縁をかしめることにより、センサ保持体がハウジングから抜けないようにしている。
特開平10−170380号公報 特開平10−170381号公報
しかしながら、上記特許文献1、2に示された圧力センサでは、センサチップやボンディング部分が圧力媒体に直接曝されて腐食することを防止するために保護用樹脂やオイルで覆う構成であるため、センサチップやボンディング部分を腐食から防止することはできるが、保護用樹脂やオイルを備えるための部品数や製造工程が増加してしまうことになる。
また、上記特許文献1、2に示された圧力センサでは、圧力媒体の圧力が保護用樹脂やオイルを介してセンサチップに印加されることになる。このため、センサチップで直接圧力を検出した場合よりも圧力の検出精度が低下するという問題もある。
さらに、特許文献1に示された圧力センサでは、高温環境下で使用した場合に保護用樹脂とボンディング部分の熱膨張係数の違いによる熱応力がボンディング部分に負荷されることになり、保護用樹脂の剥離やボンディング部分の断線を引き起こすことがある。同様に、特許文献2に示された圧力センサでは、メタルダイアフラム内をオイルで充填させた場合でもオイルの熱膨張に起因する熱応力によりメタルダイアフラムとセンサ保持体との接合部の劣化および圧力検出精度の低下という問題がある。
また、特許文献1、2に示された圧力センサでは、樹脂パッケージや基板もしくはセンサ保持体を介してセンサチップがハウジングに固定されるようにしているが、これらを複数部品で構成しているため、部品数や製造工程の減少の要求に応えることができない。
本発明は上記点に鑑みて、センサチップのボンディング部分が圧力媒体に直接曝されないようにするための保護用樹脂やオイルを用いずにセンサチップで直接圧力媒体の受圧を行うことができ、かつセンサ保持体を用いずに圧力センサを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、中空部を備えたハウジング(10)と、ハウジング(10)内に配置され、ダイアフラム(24)、ゲージ抵抗(26)および配線(27)とを有するセンサチップ(20)と、ハウジング(10)内に配置されるターミナル(11)とを備える圧力センサにおいて、センサチップ(20)は半導体基板(22,35)を有して構成されており、このセンサチップ(20)には圧力導入側の面の裏面から配線(27)と電気的に接続される穴(29)が形成されていると共に、この穴(29)に配置され、かつゲージ抵抗(26)と電気的に接続される電極(30)が備えられており、ハウジング(10)には中空部の軸方向と垂直方向に突出し、かつ中空部の軸方向に対して周方向に一周する凸部(14)が備えられており、センサチップ(20)は、圧力媒体を圧力導入側に密閉する状態で、半導体基板(22、35)の裏面のうち電極(30)よりも端部側が凸部(14)の圧力導入側の面に直接接合されることによって凸部(14)と直接接合され、半導体基板(22、35)の裏面のうち凸部(14)と接合される領域を除く領域が保護用樹脂およびオイルによって被覆されずに露出していると共に半導体基板(22、35)の裏面において電極(30)がターミナル(11)と電気的に接続されており、ハウジング(10)とセンサチップ(20)に備えられたゲージ抵抗(26)、配線(27)および電極(30)との間が絶縁されていることを第1の特徴とする。
このような圧力センサでは、ハウジング(10)とセンサチップ(20)が直接接合により一体化された構造となっているため、センサ保持体、メタルダイアフラム、オイル、ボンディング部分を保護する保護用樹脂およびこれらを備え付けるための製造工程や部品を必要としないので従来の圧力センサと比較して圧力センサを製造する部品数および製造工程を削減することができる。
また、圧力の検出に関しても、本発明の圧力センサをオイルやボンディング部分を保護する保護用樹脂を用いずに構成しているため、センサチップ(20)に圧力が直接印加されることになり圧力の検出を高精度に行うことができる。
また、センサチップ(20)を半導体基板(22,35)の裏面のうち電極よりも端部側で凸部(14)の圧力導入側の面に直接接合しているため、接続方向と圧力媒体の受圧方向とが同一方向になりハウジング(10)とセンサチップ(20)の剥離を防止することができる。
この場合は、例えば、センサチップ(20)を圧力導入側の面の裏面が凹部(23)となるダイアフラム(24)を備え、ダイアフラム(24)の圧力導入側の面を受圧面とし、ゲージ抵抗(26)をダイアフラム(24)の受圧面に備え、半導体基板(22、35)における圧力導入側の面の裏面のうち電極(30)よりも端部側に絶縁膜(21)を備え、この絶縁膜(21)と凸部(14)とを直接接合する構成としてもよい。
また、センサチップ(20)を半導体基板(22,35)のうちの凸部(14)との接合部分と電極(30)との間にハウジング(10)とゲージ抵抗(26)、配線(27)および電極(30)との間を絶縁するトレンチ(32)を備えた構成としてもよい。なお、この場合トレンチ(32)に絶縁膜(33)を配置する構成としてもよい。
さらに、センサチップ(20)を第1半導体基板(22)と第2半導体基板(35)とを有した構成とし、第1半導体基板(22)の圧力導入側の面の裏面が凹部(23)となるダイアフラム(24)が備えられるようにすると共に、ダイアフラム(24)の受圧面にゲージ抵抗(26)を備え、第1半導体基板(22)の圧力導入側の裏面と第2半導体基板(35)が貼り合わされた構成とし、第1半導体基板(22)と第2半導体基板(35)との間に第1半導体基板(22)に形成された凹部(23)による基準圧室(36)を備え半導体基板(22、35)のうち凸部(14)との接合部分と電極(30)との間にハウジング(10)とゲージ抵抗(26)、配線(27)および電極(30)との間を絶縁するトレンチ(37)を備えた構造としてもよい。
また、センサチップ(20)を第1半導体基板(22)と第2半導体基板(35)とを有した構成とし、第1半導体基板(22)は圧力導入側の面が凹部(23)となるダイアフラム(24)を備え、第1半導体基板(22)の圧力導入側の面の裏面にゲージ抵抗(26)、配線(27)および外周部(28)が備えられるようにすると共に、ゲージ抵抗(26)を配線(27)および外周部(28)より薄く構成し、第1半導体基板(22)の圧力導入側の裏面に第2半導体基板(35)が貼り合わされた構成とし、第1半導体基板(22)と第2半導体基板(35)との間にゲージ抵抗(26)が配線(27)および外周部(28)より薄く構成されていることによる基準圧室(36)を備え、半導体基板(22、35)のうち凸部(14)との接合部分と電極(30)との間にハウジング(10)とゲージ抵抗(26)、配線(27)および電極(30)との間を絶縁するトレンチ(37)を備えた構造としてもよい。なお、このトレンチ(37)に絶縁膜(38)を配置する構造としてもよい。
また、本発明では、センサチップ(20)は圧力導入側が凹部(23)となるダイアフラム(24)を備え、ダイアフラム(24)の受圧面の裏面にはゲージ抵抗(26)が備えられ、半導体基板(22)の圧力導入側の面の裏面にはゲージ抵抗(26)と接続される配線(27)が備えられると共に、ゲージ抵抗(26)と電気的に接続されるボンディングワイヤ(31)が備えられ、ハウジング(10)には中空部の軸方向と垂直方向に突出し、かつ中空部の軸方向に対して周方向に一周する凸部(14)が備えられており、センサチップ(20)は、圧力媒体を圧力導入側に密閉する状態で、半導体基板(22、35)の裏面のうちボンディングワイヤ(31)よりも端部側が凸部(14)の圧力導入側の面に直接接合されることによって凸部(14)と直接接合され、半導体基板(22、35)の裏面のうち凸部(14)と接合される領域を除く領域が保護用樹脂およびオイルによって被覆されずに露出しており、ハウジング(10)と、センサチップ(20)に備えられたゲージ抵抗(26)、配線(27)およびボンディングワイヤ(31)との間が絶縁されていることを第2の特徴とする。
この場合、例えば、センサチップ(20)を半導体基板(22)のうちの凸部(14)との接合部分とボンディングワイヤ(31)との間にハウジング(10)とゲージ抵抗(26)、配線(27)およびボンディングワイヤ(31)との間を絶縁するトレンチ(25)を備えた構造とすることができる。
また、半導体基板(22)を第1半導体層(22a)と、第1半導体層(22a)の表面に配置した絶縁膜(22b)と、絶縁膜(22b)の表面で第1半導体層(22a)と反対側に配置した第2半導体層(22c)と、を有した構成とし、第1半導体層(22a)を圧力導入側に向けると共に、この第1半導体層(22a)は凹部(23)を備えており、ゲージ抵抗(26)、配線(27)は絶縁膜(22b)に配置した第2半導体層(22c)で構成され、半導体基板のうちの凸部(14)との接合部分において絶縁膜(22b)が露出している構造とし、絶縁膜(22b)が凸部(14)と直接接合する構造としてもよい。
さらに、この場合は、センサチップ(20)は、半導体基板(22)のうちの凸部(14)との接合部分において第1半導体層(22b)が露出する構造とし、第1半導体層(22a)が凸部(14)と直接接合する構造とすることもできる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本発明の一実施形態が適用された圧力センサについて説明する。図1は、本実施形態にかかる圧力センサの全体断面図、図2は本実施形態にかかる圧力センサにおけるセンサチップの上面レイアウト図である。なお、図1に示されるセンサチップの断面図は図2中のA−A矢視断面図に対応している。
図1、図2に基づいて本実施形態の圧力センサの構成について説明する。なお、本実施形態の圧力センサは、例えば自動車のブレーキ圧や燃料圧を検出するものに適用される。
図1、図2に示されるように、本実施形態の圧力センサは、ハウジング10と、ハウジング10と直接接合されている圧力検出部としてのセンサチップ20と、ターミナル11とを有して構成されている。
ハウジング10は、中空部を有する円筒状の金属製であり、例えばステンレス鋼やセラミックで構成される。ハウジング10の一端には圧力媒体が導入される圧力導入孔12が備えられ、ハウジング10のうち圧力導入孔12が形成された端部側の外壁部の外周面には圧力センサを固定するためのねじ部13が形成されている。そして、ハウジング10の中空部を形成する内壁面には、内壁面から中空部の軸方向と垂直方向に等しい長さ突出するように環状の凸部14が備えられている。
そして、この凸部14の圧力導入孔12側にセンサチップ20が直接接合されている。具体的にはセンサチップ20は絶縁膜となる酸化膜21が備えられており、この酸化膜21が凸部14にSiO−金属接合にて直接接合されている。これにより、圧力媒体を圧力導入孔12側に密閉する構造となっている。ここでセンサチップ20はハウジング10のうち凸部14以外の部分とは接触しないようにハウジング10の内壁からセンサチップ20の端面が離間するように配置されている。
また、センサチップ20は、支持基板22aと、支持基板22aの表面に配置された酸化膜22bと、酸化膜22bを挟んで支持基板22aの反対側に配置されたSOI層22cと、を有するSOI基板22を有し、このSOI基板22の圧力導入孔12側の面と対向する面に上述した酸化膜21が配置されている。本実施形態ではSOI基板22が第1半導体基板に相当している。
このSOI基板22は、SOI層22c側の面が圧力導入孔12側に向けられ、支持基板22a側の面がハウジング10に備えられている凸部14に向けられた配置とされている。
支持基板22aには圧力導入孔12側に位置する面と対向する面から凹まされた凹部23が形成されている。そして、この凹部23によりSOI基板22には、支持基板22aにおける凹部23の底部と酸化膜22bのうちその凹部23の底部と対応する部分とによる薄膜なダイアフラム24が構成されている。そして、このダイアフラム24の圧力導入孔12側に位置する面が受圧面となる。なお、酸化膜21は支持基板22の圧力導入孔12側に位置する面と対向する面で、かつ凹部23を構成しない部分のうち凸部14と接合される部分に形成されている。
SOI層22cは、部分的にもしくは全域にP型不純物がドーピングされたP型半導体とされ、酸化膜22bまで達するトレンチ25が備えられることにより、四個のゲージ抵抗26、四本の配線27および外周部28に区画されている。そして、SOI層22cのうちこれらを構成しない部分は除去された構成とされている。
ゲージ抵抗26はダイアフラム24の内側に備えられており、ゲージ抵抗26を構成するSOI層22cの全域がP型半導体とされている。
配線27は各ゲージ抵抗26同士を電気的に接続するものであり、それぞれが2つのゲージ抵抗26を接続することでブリッジ回路を構成している。また、各配線27には後述するように穴29に備えられた電極30と電気的に接続されている。
外周部28は、SOI層22cのうちゲージ抵抗26および配線27を囲む部分であり、トレンチ25によりゲージ抵抗26および配線27と分離されている。なお、ゲージ抵抗26、配線27および外周部28をトレンチ25によらずに分離する構成としてもよいが、トレンチ25によって区画することでハウジング10とセンサチップ20の接合部における応力を抑制することもできる。
センサチップ20には支持基板22aから各配線27が構成されているSOI層22cまで達する円錐型の穴29が四個備えられており、それぞれの穴29には電極30が配置されている。各電極30は、SOI層22cに形成されたゲージ抵抗26に接続される各配線27とそれぞれ接続されておりゲージ抵抗26と電気的に接続されている。以上のような構成でセンサチップ20が構成されている。
また、ハウジング10のうちセンサチップ20と接合される凸部14の裏面およびハウジング10の中空部を形成する内壁のうち凸部14の裏面側に位置する部分に絶縁膜15を介して配線16が配置されており、この配線16にターミナル11が接続されている。
またセンサチップ20の裏面における電極30とハウジング10に配置された配線16にはボンディングワイヤ31が接続されており、電極30と配線16がボンディングワイヤ31を介して電気的に接続された構成となっている。そのため、ターミナル11は配線16などを介してゲージ抵抗26と電気的に接続された構成であるので外部との信号の伝達が可能となる。
次に、本実施形態の製造方法について説明する。
最初にセンサチップ20を用意する。図3は本実施形態のセンサチップ20の製造工程を示す図であり、図2のA−A矢視断面図である。図3に示す製造工程を参照してセンサチップ20の製造工程を説明する。
図3(a)に示されるように、支持基板22aの表面に酸化膜22bを介してSOI層22cが配置されて成るSOI基板22を用意する。このSOI基板22は、例えば、支持基板22aの表面から酸素イオンを注入して注入表面から結晶欠陥層と酸素注入層を形成し、その後高温アニールにより結晶欠陥層をSOI層22cとし、酸素注入層を酸化膜22bとすることで形成される。
その後、図3(b)に示されるように、SOI層22cのうち少なくともゲージ抵抗26を構成する部分と配線27を構成する部分に対して、SOI層22cの酸化膜22bと接合する面の対向面から例えばP型不純物のイオン注入を行うことによりこれらの部分の全域をP型半導体にする。
そして、図3(c)に示されるように、周知のフォトレジストやエッチングなどにより酸化膜22bまで達するトレンチ25を形成する。これにより、SOI層22cにトレンチ25によって区画されたゲージ抵抗26と配線27を形成すると共に、ゲージ抵抗26と配線27を取り囲むトレンチ25によりSOI層22cで構成される外周部28を形成する。その後、ゲージ抵抗26を形成しているSOI層22cをさらにエッチングなどにより薄くする。この場合に、このゲージ抵抗26と配線27は本図とは別断面で電気的に接続されている。
続いて、図3(d)に示されるように、支持基板22aの酸化膜22bが配置される面と対向する面に例えば酸化やCVDなどにより酸化膜21を配置する。
そして、図3(e)に示されるように、エッチングなどにより支持基板22aの酸化膜21が配置されている面から凹部23を形成して,支持基板22aにおける凹部23の底部と酸化膜22bのうち凹部23の底部と対応する部分から成るダイアフラム24を形成する。また、この際に酸化膜21のうちハウジング10と接合しない部分をエッチングなどにより除去する。なお、ダイアフラム24の厚さは適宜変更可能であり、例えば、支持基板22aに形成する凹部23を酸化膜22bまで形成してダイアフラム24を酸化膜22bで形成することもできる。
そして、図3(f)に示されるように、支持基板22aから配線27まで達する穴29を例えばレーザーなどにより形成する。最後に図3(g)に示されるように、穴29を絶縁処理した後で金属を埋め込み電極30を形成する。以上の工程により本実施形態のセンサチップ20を形成することができる。
次にハウジング10を用意する。具体的には、まず内壁に凸部14を有するハウジング10を例えば冷間鍛造により製造する。この場合に、ハウジング10をいくつかの部品に分けて製造し、その後それぞれを金属接合などにより一体化してハウジング10を構成してもよい。
そして、ハウジング10のうち、センサチップ20と接合される凸部14の裏面および中空部を形成する内壁のうち凸部14の裏面側に位置する部分に絶縁膜15を配置する。その後、インクジェット等のプリント配線により配線16を形成する。そして配線16とターミナル11を金属接合させて電気的に接続する。
次にこのように構成されているセンサチップ20とハウジング10の直接接合を行う。例えば、真空雰囲気下でプラズマにより酸化膜21および凸部14におけるセンサチップ20との接合部分を表面活性した後、450℃以下の真空雰囲気下もしくは大気圧雰囲気下でハウジング10とセンサチップ20を加圧しながら接触させて貼り合わせる。これによりハウジング10とセンサチップ20の直接接合を行うことができる。なお、この直接接合は好ましくは200℃程度で行うのがよい。
そして、センサチップ20の裏面における電極30とハウジング10に配置された配線16にワイヤボンディングを行うことにより本実施形態の圧力センサを製造することができる。
次にこのように構成された本実施形態の圧力センサの基本的な圧力検出動作について説明する。
圧力媒体がハウジング10の圧力導入孔12を通じて導入されるとセンサチップ20に形成されたダイアフラム24に圧力が印加される。これにより、ダイアフラム24に形成されているゲージ抵抗26が変形し、ピエゾ抵抗効果によりブリッジ回路の出力電圧が変化して印加された圧力に応じたセンサ信号が出力される。このセンサ信号は、センサチップ20から電極30およびターミナル11を介して外部回路に伝達され、これに基づいて圧力媒体の圧力が検出される。
以上説明したように本実施形態の圧力センサでは、ハウジング10とセンサチップ20が直接接合により一体化された構造となっている。そのため、センサ保持体、メタルダイアフラム、オイル、ボンディング部分を保護する保護用樹脂およびこれらを備え付けるための製造工程や部品を必要としないので従来の圧力センサと比較して圧力センサを製造する部品数および製造工程を削減することができる。
また、圧力の検出に関しても、センサチップ20に備えられたゲージ抵抗26が露出している構成であるのでオイルやボンディング部分を保護する保護用樹脂の影響を受けずにセンサチップ20に圧力が直接印加されることになり圧力の検出を高精度に行うことができる。
さらに、凸部14の圧力導入孔12側でハウジング10とセンサチップ20が接合されているので、接続方向と圧力媒体の受圧方向とが同一方向になりハウジング10とセンサチップ20の剥離を防止することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態の圧力センサは第1実施形態に対して、センサチップ20の構成を変更したものでありその他に関しては第1実施形態と同様であるためここでは説明を省略する。
図4に本実施形態の圧力センサの全体断面図を示す。なお、本実施形態の圧力センサにおけるセンサチップ20の上面レイアウトは第1実施形態と同様であり、図4に示されるセンサチップ20の断面図は第1実施形態で示した図2中のA−A矢視断面図に対応している。
図4に示されるように、センサチップ20を構成する支持基板22aに酸化膜22bまで達するトレンチ32が備えられている。このトレンチ32は、支持基板22aのうちハウジング10における凸部14との接合部分と支持基板22aに備えられている電極30の間に備えられており、トレンチ32に絶縁膜33が配置されている。
また、ハウジング10における凸部14はセンサチップ20を構成する支持基板22aとトレンチ32よりも端部側でSi−金属接合で直接接合されている。すなわち、上記第1実施形態で用いていた酸化膜21をなくした構成となっている。以上のように本実施形態の圧力センサは構成されている。
図5は本実施形態のセンサチップ20の製造工程を示す図であり図2中のA−A矢視断面図に対応している。図5に示す製造工程を参照してセンサチップ20の製造工程を説明する。
図5(a)〜図5(c)に示される工程において上記第1実施形態の図3(a)〜図3(c)と同様の工程を行った後、図5(d)に示されるように、支持基板22aのうちハウジング10との接合部分よりも内部側、つまり支持基板22aの端部側とは逆側にエッチングなどにより酸化膜22bまで達するトレンチ32を形成し、トレンチ32内に絶縁膜33を配置する。
なお、ハウジング10とゲージ抵抗26の絶縁性がトレンチ32により十分確保できていれば絶縁膜33を配置しなくてもよい。このように絶縁膜33を配置しない場合は、ハウジング10とセンサチップ20の接合に起因する応力がトレンチ32によりダイアフラム24に伝播しにくいため、ハウジング10との接合部の応力に起因するゲージ抵抗26への影響を緩和することが可能である。
続いて図5(e)〜(g)の工程を行う。この工程は上記第1実施形態で示した図3(e)〜図3(g)の工程と類似であり、酸化膜21を配置する工程およびその後の酸化膜21を除去する工程を行わないものである。図5(e)に示されるように支持基板22aに凹部23を形成し、そして図5(f)に示されるように配線27まで達する穴29を設けて、図5(g)に示されるように穴29に電極30を配置すれば本実施形態のセンサチップ20を構成することができる。
そして、上記第1実施形態のようにセンサチップ20を構成する支持基板22aとハウジング10を直接接合すれば本実施形態の圧力センサを構成することができる。
このように構成された圧力センサにおいても上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態の圧力センサは第2実施形態に対してセンサチップ20の構成を変更したものでありその他に関しては第2実施形態と同様であるためここでは説明を省略する。
図6に本実施形態の圧力センサの全体断面図を示す。なお、本実施形態の圧力センサにおけるセンサチップ20の上面レイアウトは第1実施形態と同様であり、図6に示されるセンサチップ20の断面図は第1実施形態で示した図2中のA−A矢視断面図に対応している。
図6に示されるように、本実施形態のセンサチップ20は、絶縁膜34を介してSOI基板22における支持基板22aの表面にSi基板35を貼り合わせた構成とされている。本実施形態ではこのうちのSi基板35が第2半導体基板に相当する。
SOI基板22は圧力導入孔12側に向けられ、上記第1実施形態と同様にSOI基板22には、支持基板22aに凹部23が備えられ凹部23の底部と酸化膜22bのうち凹部23に対応する部分とによる薄膜なダイアフラム24が構成されている。そして、SOI層22cにも同様にトレンチ25により区画されたゲージ抵抗26、配線27、外周部28が備えられている。
本実施形態では、Si基板35が支持基板22aの凹部23を構成しない部分と絶縁膜34を介して貼り合わされており、支持基板22aに備えられている凹部23により基準圧室36が構成されている。
また、Si基板35には電極30とハウジング10における凸部14との接合部分の間に絶縁膜34まで達するトレンチ37が備えられており、トレンチ37に絶縁膜38が配置されている。
また、センサチップ20には基準圧室36を通過しないように配線27に達する穴29が備えられ、この穴29に電極30が配置されている。以上のように本実施形態のセンサチップ20は構成されている。
そして、ハウジング10における凸部14とセンサチップ20はトレンチ37よりも端部側でSi−金属接合により直接接合されている。
本実施形態のセンサチップ20は、以下のように形成される。まず、上記第1実施形態の図3(a)〜(e)に示されるように、SOI基板22に凹部23、トレンチ25、ゲージ抵抗26、配線27および外周部28を形成する。この際に酸化膜21を配置する工程および酸化膜21を除去する工程は行わない。
次にSi基板35に酸化やCVDなどにより絶縁膜34をSOI基板22と接合させる面に配置する。そして、Si基板35のうちハウジング10と接合される部分と電極30が配置される部分の間に絶縁膜34まで達するトレンチ37を形成して絶縁膜38を配置する。なお、上記第2実施形態で説明したトレンチ32と同様に、ハウジング10とゲージ抵抗26の絶縁性がトレンチ37により十分確保できていれば絶縁膜38を配置しなくてもよい。
続いて、大気圧下でSOI基板22における支持基板22aのうち凹部23が形成されていない部分とSi基板35をSi基板35上に配置した絶縁膜34を介して貼り合わせる。これにより凹部23による基準圧室36を形成することができる。以上の工程を行うことにより本実施形態のセンサチップ20を製造することができる。
このように構成された圧力センサにおいても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本実施形態のセンサチップ20は絶縁膜34を介さずにSOI基板22とSi基板35を貼り合わせても良い。この場合はSOI基板22とSi基板35を貼り合わせた後に、Si基板35の表面からSOI基板22における酸化膜22bまで達するトレンチ37を形成する必要がある。また、絶縁膜34およびSi基板35の代わりにSOI基板を用いてSOI基板22とSi−Si接合を行ってもよい。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態の圧力センサは、第3実施形態に対してゲージ抵抗26の配置場所を変更したものであり、その他に関しては第3実施形態と同様であるためここでは説明を省略する。
図7に本実施形態の圧力センサの全体断面図を示す。なお、本実施形態の圧力センサにおけるセンサチップ20の上面レイアウトは第1実施形態と同様であり、図7に示されるセンサチップ20の断面図は第1実施形態で示した図2中のA−A矢視断面図に対応している。
図7に示されるように、本実施形態のセンサチップ20は、絶縁膜34を介してSOI基板22におけるSOI層22cの表面にSi基板35を貼り合わせた構成とされている。
SOI基板22は圧力導入孔12側に向けられ、上記第1実施形態と同様にSOI基板22には、支持基板22aに凹部23が備えられ凹部23の底部と酸化膜22bのうち凹部23に対応する部分とによる薄膜なダイアフラム24が構成されている。
そして、SOI層22cにも同様にトレンチ25により区画されたゲージ抵抗26、配線27、外周部28が備えられており、ゲージ抵抗26を構成する部分のSOI層22cはゲージ抵抗26を構成しない部分のSOI層22cより薄く構成されている。
本実施形態では、Si基板35がSOI層22cのうちゲージ抵抗26を構成しない部分と絶縁膜34を介して貼り合わされている。このため、SOI層22cと絶縁膜34の接合間にはゲージ抵抗26を構成する部分のSOI層22cが薄く構成されていることによる基準圧室36が構成され、この基準圧室36内にゲージ抵抗26が備えられている。
また、センサチップ20には基準圧室36を通過しないように配線27に達する穴29が備えられており、穴29に電極30が配置されている。
図8は本実施形態のセンサチップ20の製造工程を示す図であり、図2中のA−A矢視断面図に対応している。図8に示す製造工程を参照してセンサチップ20の製造工程を説明する。
図8(a)〜図8(d)に示される工程は、上記第1実施形態の図3(a)〜(e)と類似の工程であり、SOI基板22に凹部23、トレンチ25、ゲージ抵抗26、配線27および外周部28を形成する。なお、この際に第1実施形態のように酸化膜21を配置する工程および酸化膜21を除去する工程は行わない。
次に、図8(e)に示すように、上記第3実施形態と同様にSi基板35に絶縁膜34、トレンチ37およびトレンチ37に絶縁膜38を配置する。そして、大気圧下でSi基板35をSOI基板22におけるSOI層22cのうち配線27および外周部28を構成する部分と絶縁膜34を介して貼り合わせる。
これにより、図8(c)の工程において、ゲージ抵抗26を構成する部分のSOI層22cをゲージ抵抗26が構成されない部分のSOI層22cよりも薄く構成してあるため、SOI基板22と絶縁膜34の間に基準圧室36を形成することができ、ゲージ抵抗26が基準圧室36内部に配置される構成とすることができる。
そして、図8(f)に示されるように、配線27まで達する穴29を形成し、穴29に電極30を配置することで本実施形態のセンサチップ20を製造することができる。
このように構成された圧力センサにおいても上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本実施形態でも絶縁膜34を有するSi基板35の代わりにSOI基板を用いてSi−Si接合を行うことでセンサチップ20を構成してもよい。この場合、図8(c)に示す工程の際にSOI基板22の外周部28を除去すると共に、SOI基板に図8(c)の工程を行い外周部28以外の部分をすべて除去して、SOI基板22とSOI基板の対応する部分を貼り合わせる工程としてもよい。
(第5実施形態)
本発明の第6実施形態について説明する。本実施形態の圧力センサは第1実施形態に対して、センサチップ20の構成と、ゲージ抵抗26とボンディングワイヤ31の接合構造を変更したものでありその他に関しては第1実施形態と同様であるためここでは説明を省略する。
図9に本実施形態の圧力センサの全体断面図を示す。なお、本実施形態の圧力センサにおけるセンサチップ20の上面レイアウトは第1実施形態と同様であり、図9に示されるセンサチップ20の断面図は第1実施形態で示した図2中のA−A矢視断面図に対応している。
図9に示されるように、本実施形態のセンサチップ20はSOI基板22で構成されている。このSOI基板22は支持基板22a側の面が圧力導入孔12側に向けられ、SOI層22c側の面がハウジング10に備えられている凸部14に向けられた配置となっている。
上記第1実施形態と同様にSOI基板22には、支持基板22aに凹部23が備えられ凹部23の底部と酸化膜22bのうち凹部23に対応する部分とによる薄膜なダイアフラム24が構成されている。そして、SOI層22cにも同様にトレンチ25により区画されたゲージ抵抗26、配線27、外周部28が備えられている。そして、ハウジング10における凸部14はセンサチップ20とSOI層22cの外周部28でSi−金属接合により直接接合されている。
また、配線27には図示しないパッドが備えられており、配線27は図示しないパッドに接続されたボンディングワイヤ31を介してハウジング10に配置されている配線16と電気的に接続されている。
本実施形態の圧力センサは以下のように製造することができる。
センサチップ20は上記第1実施形態の図3の工程のうち酸化膜21を配置する工程および酸化膜21を除去する工程を除いた工程で製造することができる。
そして、ハウジング10における凸部14とSOI層22cにおける外周部28で直接接合を行う。その後、ハウジング10に配置された配線16とSOI層22cで構成されている配線27に備えられた図示しないパッドをワイヤボンディングにより電気的に接続することで本実施形態のセンサチップ20を製造することができる。
なお、本実施形態のトレンチ25はハウジング10との接合部の応力の緩和に加え、ハウジング10と配線27を絶縁する役割もある。このように構成された圧力センサにおいても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態について説明する。本実施形態の圧力センサは、第5実施形態に対してハウジング10とセンサチップ20との接合構造を変更したものでありその他に関しては第6実施形態と同様であるためここでは説明を省略する。
図10に本実施形態の圧力センサの全体断面図を示す。なお、本実施形態の圧力センサにおけるセンサチップ20の上面レイアウトは第1実施形態と同様であり、図10に示される断面図は第1実施形態で示した図2中のA−A矢視断面図に対応している。
図10に示されるように、本実施形態のセンサチップ20は、第6実施形態のセンサチップ20に対してSOI層22cで構成される外周部28が除去された構成となっている。そして、ハウジング10における凸部14はセンサチップ20における酸化膜22bとSiO−金属接合により直接接合されている。
本実施形態のセンサチップ20は上記第1実施形態で説明した図3の製造工程において、図3(c)の工程を行う際に外周部28を構成するSOI層22cを除去すると共に、その後の酸化膜21を配置する工程および酸化膜21を除去する工程を除いた工程を行うことで製造することができる。このように構成された圧力センサにおいても上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第7実施形態)
本発明の第7実施形態について説明する。本実施形態の圧力センサは第6実施形態に対して、センサチップ20の構成を変更したものでありその他に関しては第6実施形態と同様であるためここでは説明を省略する。
図11に本実施形態の圧力センサの全体断面図を示す。なお、本実施形態の圧力センサにおけるセンサチップ20の上面レイアウトは第1実施形態と同様であり、図11に示されるセンサチップ20の断面図は第1実施形態で示した図2中のA−A矢視断面図に対応している。
図11に示されるように、本実施形態のセンサチップ20は、第6実施形態のセンサチップ20に対して酸化膜22bのうちハウジング10における凸部14との接合部分が除去された構成となっている。そして、ハウジングにおける凸部14はセンサチップ20における支持基板22aとSi−金属接合により直接接合されている。
本実施形態のセンサチップ20は上記第1実施形態で説明した図3の製造工程において図3(c)の工程を行う際に、支持基板22aまで達するトレンチ25を形成して配線27と外周部28を区画すると共に、外周部28および酸化膜22bのうち外周部28と対応する部分を除去することで構成される。このように構成された圧力センサにおいても上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第8実施形態)
本発明の第8実施形態について説明する。本実施形態の圧力センサは第1実施形態に対してセンサチップ20の構成とハウジング10の絶縁膜15の配置を変更したものでありその他に関しては第1実施形態と同様であるためここでは説明を省略する。
図12に本実施形態の圧力センサの全体断面図を示す。なお、本実施形態の圧力センサにおけるセンサチップ20の上面レイアウトは第1実施形態と同様であり、図12に示されるセンサチップ20の断面図は第1実施形態で示した図2中のA−A矢視断面図に対応している。
図12に示されるように、本実施形態のセンサチップ20は第1実施形態に対して酸化膜21を除いて構成されると共に、ハウジング10の内壁が絶縁膜15で覆われており、センサチップ20とSi−金属接合により直接接合している。
このように構成された圧力センサにおいても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本実施形態のハウジング10は少なくともセンサチップ20と接合する部分に絶縁膜15が配置された構造とされていればよい。
(他の実施形態)
(1)上記各実施形態では、ターミナル11とゲージ抵抗26が配線16などを介して電気的に接続されておりターミナル11から外部へ信号の伝達を行っている。しかしながら、外部への信号の伝達はこれに限られるものではない。
例えば、図13は他の実施形態にかかる圧力センサの全体断面図であり、図13に示されるセンサチップ20の断面図は第1実施形態で示した図2中のA−A矢視断面図に対応している。図13に示すように、ハウジング10における凸部14とセンサチップ20との接合面の裏面には金属パッド39が絶縁膜15を介して配置され、ターミナル11がバネ40を介して金属パッド39に接合されている構成としても構わない。ここでは、バネ40が金属製のバネに相当する。
このような圧力センサは、絶縁膜15に金属パッド39を配置して、金属パッド39上にバネ40を配置した後、ターミナル11をバネ40と直接接合することにより構成することができる。このような圧力センサとしても上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、バネ40を先にターミナル11と接合し、その後ターミナル11をバネ40を介して金属パッド39に接合してもよい。この場合は、図13において、金属パッド39と接合されている部分のバネ40をターミナル11と接合させることになる。
(2)さらに、上記各実施形態を組み合わせてもよい。例えば、第8実施形態は他の全ての実施形態と組み合わせることが可能である。つまり、上記各実施形態でハウジング10の内壁を絶縁膜15で覆う構造としてもかまわない。
また、例えば、上記第1実施形態に対して上記第3実施形態で示した絶縁膜34とSi基板35を組み合わせてセンサチップ20を構成することもできる。この場合、支持基板22aに配置されている絶縁膜21を取り除くと共に、絶縁膜34を介して支持基板22aとSi基板35を貼り合わせ、Si基板35における凸部14との接合部分に絶縁膜を配置する構成としてもよい。なお、この際に、Si基板35にトレンチ37を形成しなくてもよいし絶縁膜38を配置しなくてもよい。またSi基板35にトレンチ37を形成した場合にはトレンチ37によりハウジング10との接合部の応力を抑制することができる。
また、凹部23は、各図に示されるように凹部23の側壁面が垂直型に限定されるわけではなく、例えば傾斜したテーパ状であってもよい。
さらに、穴29は円錐型に限定されるものではなく、例えば円柱型や四角柱型でもよい。そして、穴29に配置される電極30も埋め込み型ではなく穴29の表面のみに配置する構成としてもよい。
また、上記基準圧室36は真空で構成されてもよく、絶対圧を検出する構造とすることもできる。
そして、上記第1実施形態および上記第2実施形態の圧力センサにおいては、SOI層22cで構成される外周部28を除去する構成としてもよい。さらに、上記第4実施形態以外の圧力センサにおいても、ゲージ抵抗26を構成するSOI層22cは配線27を構成するSOI層22cよりも薄く構成される構造としてもよい。ゲージ抵抗26を構成するSOI層22cの膜厚が薄い方がダイアフラム24に印加された圧力を高感度に検出することができる。
また、上記各実施形態ではSOI基板22にゲージ抵抗26および配線27を形成してセンサチップ20を構成しているがバルクSi基板からセンサチップ20を形成してもよい。例えば上記第各実施形態において、バルクSi基板の表面にCVDや酸化などにより絶縁膜を配置し、絶縁膜の表面でバルクSi基板との接合面と対向する面に配線27およびゲージ抵抗26を構成するポリシリコンをデポしてパターニングすることによりSOI基板22と同様の構造を得ることができる。このためこの構造を用いて各実施形態に示したセンサチップ20を形成することができる。
さらに、上記各実施形態ではセンサチップ20はハウジング10における凸部14の圧力導入孔12側の面で接合されているが、例えば、低圧環境下で使用する場合などにおいては凸部14の圧力導入孔12側の面と対向する面で直接接合することもできる。
例えば上記第1実施形態の場合はSOI層22cで構成される外周部28をハウジング10における凸部14のうち圧力導入孔12側の面と対向する面に直接接合すればよい。この際、トレンチ25によりゲージ抵抗26および配線27と外周部28は絶縁されているので、外周部28に絶縁膜21を配置しなくてもよい。
本発明の第1実施形態にかかる圧力センサの全体断面図を示す図である。 図1に示す圧力センサにおけるセンサチップの上面レイアウト図である。 図1に示す圧力センサにおけるセンサチップの製造工程を示す図である。 本発明の第2実施形態にかかる圧力センサの全体断面図を示す図である。 図4に示す圧力センサにおけるセンサチップの製造工程を示す図である。 本発明の第3実施形態にかかる圧力センサの全体断面図を示す図である。 本発明の第4実施形態にかかる圧力センサの全体断面図を示す図である。 図7に示す圧力センサにおけるセンサチップの製造工程を示す図である。 本発明の第5実施形態にかかる圧力センサの全体断面図を示す図である。 本発明の第6実施形態にかかる圧力センサの全体断面図を示す図である。 本発明の第7実施形態にかかる圧力センサの全体断面図を示す図である。 本発明の第8実施形態にかかる圧力センサの全体断面図を示す図である。 本発明の他の実施形態にかかる圧力センサの全体断面図を示す図である。
符号の説明
10…ハウジング、11…ターミナル、14…凸部、15…絶縁膜、16…配線、20…センサチップ、21…酸化膜、22…SOI基板、23…凹部、24…ダイアフラム、25…トレンチ、26…ゲージ抵抗、27…配線、28…外周部、29…穴、30…電極、31…ボンディングワイヤ、32…トレンチ、33…絶縁膜、35…Si基板、36…基準圧室、37…トレンチ、38…絶縁膜、39…金属パッド、40…バネ

Claims (11)

  1. 圧力媒体を導入するための中空部を備えた金属製のハウジング(10)と、前記ハウジング(10)内に配置され、前記ハウジング(10)に導入された圧力を圧力導入側の面にて受圧することにより変形可能なダイアフラム(24)が形成されていると共に、前記ダイアフラム(24)にゲージ抵抗(26)が備えられており、前記ゲージ抵抗(26)と電気的に接続される配線(27)と、前記配線(27)を介して前記ゲージ抵抗(26)と電気的に接続される電極(30)と、前記ハウジング(10)の中空部内に配置され、外部との電気的な接続を図るターミナル(11)と、を備えるセンサチップ(20)とを有する圧力センサであって、
    前記センサチップ(20)は半導体基板(22、35)を有して構成されており、
    前記ハウジング(10)は前記中空部を形成する内壁に前記中空部の軸方向と垂直方向に突出し、かつ前記中空部における軸方向に対して周方向に一周する凸部(14)を有し、
    前記半導体基板(22、35)には前記圧力導入側の面と対向する裏面から前記配線(27)と電気的に接続される部分までの穴(29)が形成されていると共に、前記穴(29)に配置され、かつ前記ゲージ抵抗(26)と電気的に接続される前記電極(30)が備えられており、
    前記センサチップ(20)は、前記圧力媒体を前記圧力導入側に密閉する状態で、前記半導体基板(22、35)の前記裏面のうち前記電極(30)よりも端部側が前記凸部(14)の前記圧力導入側の面に直接接合されることによって前記凸部(14)と直接接合され、前記半導体基板(22、35)の前記裏面のうち前記凸部(14)と接合される領域を除く領域が保護用樹脂およびオイルによって被覆されずに露出していると共に前記半導体基板(22、35)の前記裏面において前記電極(30)が前記ターミナル(11)と電気的に接続されており、
    前記ハウジング(10)と前記センサチップ(20)に備えられた前記ゲージ抵抗(26)、前記配線(27)および前記電極(30)との間は絶縁されていることを特徴とする圧力センサ。
  2. 前記センサチップ(20)は、前記半導体基板(22)の前記裏面が凹部(23)となる前記ダイアフラム(24)を備え、前記ダイアフラム(24)の前記圧力導入側の面を受圧面とし、前記ゲージ抵抗(26)は前記ダイアフラム(24)の前記受圧面に備えられ、
    前記センサチップ(20)には、前記半導体基板(22)の前記裏面のうち前記電極(30)よりも端部側に絶縁膜(21)が備えられており、前記絶縁膜(21)と前記凸部(14)とが直接接合されていることを特徴とする請求項1に記載の圧力センサ。
  3. 前記センサチップ(20)は、前記半導体基板(22)の前記裏面が凹部(23)となる前記ダイアフラム(24)を備え、前記ダイアフラム(24)の前記圧力導入側の面を受圧面とし、前記ゲージ抵抗(26)は前記ダイアフラム(24)の前記受圧面に備えられ、
    前記センサチップ(20)には、前記半導体基板(22)のうちの前記凸部(14)との接合部分と前記電極(30)との間に前記ハウジング(10)と前記ゲージ抵抗(26)、前記配線(27)および前記電極(30)との間を絶縁するトレンチ(32)が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の圧力センサ。
  4. 前記トレンチ(32)に絶縁膜(33)が配置されていることを特徴とする請求項3に記載の圧力センサ。
  5. 前記半導体基板(22、35)は第1半導体基板(22)と第2半導体基板(35)とを有し、前記第1半導体基板(22)は前記裏面が凹部(23)となる前記ダイアフラム(24)を備え、前記ダイアフラム(24)の前記圧力導入側の面を受圧面とし、前記ゲージ抵抗(26)は前記ダイアフラム(24)の前記受圧面に備えられており、
    前記センサチップ(20)は前記第1半導体基板(22)の前記裏面に前記第2半導体基板(35)が貼り合わされて構成されていると共に、前記第1半導体基板(22)と前記第2半導体基板(35)との間には前記凹部(23)による基準圧室(36)が備えられ、
    前記第1半導体基板(22)に前記ダイアフラム(24)、前記ゲージ抵抗(26)および前記配線(27)が備えられていると共に、前記穴(29)および前記電極(30)が前記第2半導体基板(22)を貫通して前記第1半導体基板(22)に備えられた前記配線(27)に達するように形成されており、
    前記センサチップ(20)には、前記半導体基板(22、35)のうち前記凸部(14)との接合部分と前記電極(30)との間に前記ハウジング(10)と前記ゲージ抵抗(26)、前記配線(27)および前記電極(30)との間を絶縁するトレンチ(37)が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の圧力センサ。
  6. 前記半導体基板(22、35)は第1半導体基板(22)と第2半導体基板(35)とを有し、前記第1半導体基板(22)は前記圧力導入側の面が凹部(23)となる前記ダイアフラム(24)を備え、前記ダイアフラム(24)の前記圧力導入側の面を受圧面とし、前記ゲージ抵抗(26)は前記ダイアフラム(24)の前記受圧面の裏面に備えられており、
    前記第1半導体基板(22)の前記裏面には前記ゲージ抵抗(26)および前記配線(27)が備えられると共に、前記ゲージ抵抗(26)および前記配線(27)を囲み、かつ前記ゲージ抵抗(26)および前記配線(27)とはトレンチ(25)により離間されている外周部(28)が備えられ、
    前記ゲージ抵抗(26)は前記配線(27)および前記外周部(28)よりも薄く構成されており、前記センサチップ(20)は前記第1半導体基板(22)の前記裏面に前記第2半導体基板(35)が貼り合わされて構成されていると共に、前記第1半導体基板(22)と前記第2半導体基板(35)との間には前記ゲージ抵抗(26)が前記配線(27)および前記外周部(28)より薄く構成されていることによる基準圧室(36)が備えられ、
    前記第1半導体基板(22)に前記ダイアフラム(24)、前記ゲージ抵抗(26)および前記配線(27)が備えられていると共に、前記穴(29)および前記電極(30)が前記第2半導体基板(22)を貫通して前記第1半導体基板(22)に備えられた前記配線(27)に達するように形成されており、
    前記センサチップ(20)には、前記半導体基板(22、35)のうち前記凸部(14)との接合部分と前記電極(30)との間に前記ハウジング(10)と前記ゲージ抵抗(26)、前記配線(27)および前記電極(30)との間を絶縁するトレンチ(37)が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の圧力センサ。
  7. 前記トレンチ(37)に絶縁膜(38)が配置されていることを特徴とする請求項5または6に記載の圧力センサ。
  8. 圧力媒体を導入するための中空部を備えた金属製のハウジング(10)と、前記ハウジング(10)内に配置され、前記ハウジング(10)に導入された圧力を圧力導入側の面にて受圧することにより変形可能なダイアフラム(24)が形成されていると共に、前記ダイアフラム(24)にゲージ抵抗(26)が備えられており、前記ゲージ抵抗(26)と電気的に接続される配線(27)と、前記配線(27)を介して前記ゲージ抵抗(26)と電気的に接続される電極(30)とを備えるセンサチップ(20)と、前記ハウジング(10)の中空部内に配置され、外部との電気的な接続を図るターミナル(11)と、を有する圧力センサであって、
    前記センサチップ(20)は、半導体基板(22)を有して構成されており、前記半導体基板(22)の前記圧力導入側の面が凹部(23)となる前記ダイアフラム(24)を備え、前記ダイアフラム(24)の前記圧力導入側の面を受圧面とし、前記ダイアフラム(24)の前記受圧面の裏面には前記ゲージ抵抗(26)が備えられ、前記半導体基板(22)の前記圧力導入側の面の裏面には前記ゲージ抵抗(26)と接続される前記配線(27)が備えられると共に前記ゲージ抵抗(26)と電気的に接続されるボンディングワイヤ(31)が備えられ、
    前記ハウジング(10)は前記中空部を形成する内壁に前記中空部の軸方向と垂直方向に突出し、かつ前記中空部における軸方向に対して周方向に一周する凸部(14)を有し、
    前記センサチップ(20)は、前記圧力媒体を前記圧力導入側に密閉する状態で、前記半導体基板(22、35)の前記裏面のうち前記ボンディングワイヤ(31)よりも端部側が前記凸部(14)の前記圧力導入側の面に直接接合されることによって前記凸部(14)と直接接合され、前記半導体基板(22、35)の前記裏面のうち前記凸部(14)と接合される領域を除く領域が保護用樹脂およびオイルによって被覆されずに露出しており、
    前記ハウジング(10)と前記センサチップ(20)に備えられた前記ゲージ抵抗(26)、前記配線(27)および前記ボンディングワイヤ(31)との間は絶縁されていることを特徴とする圧力センサ。
  9. 前記センサチップ(20)には、前記半導体基板(22)のうちの前記凸部(14)との接合部分と前記ボンディングワイヤ(31)との間に前記ハウジング(10)と前記ゲージ抵抗(26)、前記配線(27)および前記ボンディングワイヤ(31)との間を絶縁するトレンチ(25)が備えられていることを特徴とする請求項8に記載の圧力センサ。
  10. 前記半導体基板(22)は第1半導体層(22a)と、前記第1半導体層(22a)の表面に配置される絶縁膜(22b)と、前記絶縁膜(22b)の表面で前記第1半導体層(22a)と反対側に配置される第2半導体層(22c)と、を有して構成されており、
    前記半導体基板(22)のうち前記第1半導体層(22a)が前記圧力導入側に向けられると共に、前記第1半導体層(22a)に凹部(23)が備えられており、前記ゲージ抵抗(26)および前記配線(27)は前記絶縁膜(22b)に配置された前記第2半導体層(22c)で構成されており、
    前記センサチップ(20)は前記半導体基板(22)のうちの前記凸部(14)との接合部分において前記絶縁膜(22b)が露出された構造とされており、前記絶縁膜(22b)が前記凸部(14)と直接接合されていることを特徴とする請求項8に記載の圧力センサ。
  11. 前記半導体基板(22)は第1半導体層(22a)と、前記第1半導体層(22a)の表面に配置される絶縁膜(22b)と、前記絶縁膜(22b)の表面で前記第1半導体層(22a)と反対側に配置される第2半導体層(22c)と、を有して構成されており、
    前記半導体基板(22)のうち前記第1半導体層(22a)が前記圧力導入側に向けられると共に、前記第1半導体層(22a)に凹部(23)が備えられており、前記ゲージ抵抗(26)および前記配線(27)は前記絶縁膜(22b)に配置された前記第2半導体層(22c)で構成されており、
    前記センサチップ(20)は前記半導体基板(22)のうちの前記凸部(14)との接合部分において前記第1半導体層(22b)が露出された構造とされており、前記第1半導体層(22b)が前記凸部(14)と直接接合されていることを特徴とする請求項8に記載の圧力センサ。
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