JP5069781B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ遊技機などの遊技機に関し、更に詳しくは、遊技の進行状況に応じて遊技を演出する可動演出装置が設けられた遊技機に関するものである。
従来、パチンコ遊技機などの遊技機は、遊技を演出する目的で、センター役物の周囲に可動演出装置が設けられたものが知られている。この種の可動演出装置としては、モータなどを備える駆動機構によって可動部材を基準位置から落下させたり上昇させたりするなど移動させることにより遊技を演出する構成のものがある。
例えば、下記特許文献1の図1には、遊技盤50の右上の領域で回動する可動部材92と、この可動部材92の下方の領域で左右に伸縮する可動部材94を備えた可動演出装置が記載されている。この場合、この可動演出装置では、可動部材92と可動部材94を、同時駆動した場合に互いに干渉するような位置関係に配置されているため、そのような干渉する位置関係に配置された可動部材92,94が同時に駆動(移動)しないように制限するように構成されている。
特開2008−113971号公報
しかしながら、このように互いに干渉する位置関係に配置された複数の可動部材が同時に駆動(移動)しないように制限する場合には、複数の可動部材を備えていても、いずれか1つの可動部材しか駆動(移動)することができないため、その演出効果が単調なものになりがちであった。
そこで、本発明は、複数の可動部材において少なくとも何れか一方の可動部材が他の可動部材との干渉を避けるように動作することで、それら可動部材が同時に駆動(移動)した場合でも互いに干渉することを抑制して、その演出効果を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、遊技状態に応じてし始端位置と終端位置との間で往復移動可能な可動ベース部と、前記可動ベース部を移動させるための第1の駆動機構とを備えた第1の可動装置と、前記可動ベース部に接近する方向に移動可能な移動体と、前記移動体を移動させるための第2の駆動機構とを備えた第2の可動装置を備えた遊技機において、前記第1の可動装置は、前記可動ベース部に第1姿勢と第2姿勢との間で変位可能に取り付けられ、該可動ベース部と共に移動される可動体と、前記可動体に当接して該可動体を前記第1姿勢から前記第2姿勢へと変位させることが可能な当接部を有し、前記可動ベース部が前記始端位置と前記終端位置の直前位置との間に配置されている場合には、前記可動体が前記第1姿勢に保持され、前記可動ベース部が前記終端位置に配置される際には、前記可動体が前記当接部と当接することにより前記可動体が前記第1姿勢から前記第2姿勢へと変位されて、前記可動体に接近するように移動された前記移動体と該可動体との干渉を避けるように構成されていることを要旨とするものである。
上記構成を有する遊技機によれば、可動体が第1姿勢から第2姿勢へと変位することによりその可動体に接近するように移動してきた移動体と可動体との干渉が避けるように構成されているので、可動体と移動体を同時に移動させた場合でも互いに干渉してしまうことが抑制されている。したがって、可動体と移動体を同時に移動させることができ、その演出効果を向上させることが可能である。
この場合、前記可動体が前記終端位置に配置されている状態で前記第2姿勢となることで、前記可動体の少なくとも一部が、前記移動体の少なくとも一部に対して前記遊技機の前後方向において重なるように配置されている構成にすると良い。このような構成によれば、可動体と移動体の互いの干渉を避けつつ、可動体の少なくとも一部が、移動体の少なくとも一部に対して遊技機の前後方向において重なるように配置させているので、遊技者側(遊技機の前面側)から見て一見、可動体と移動体が当接(互いに干渉)したかのような演出を行うことができ、また、可動体と移動体の移動領域を大きく設定することが可能となることで、更にその演出効果を向上させることができる。
また、前記可動体が前記第1姿勢である場合に、前記可動体と前記移動体はそれぞれの移動範囲内においてそれぞれの少なくとも一部どうしが互いに当接するように配置されている構成にすると良い。このような構成によれば、第1姿勢の状態の可動体に対して、これに接近してきた移動体は当接(干渉)するようにそれら可動体および移動体が配置されているので、第1姿勢の可動体に移動体が接近すると当接(互いに干渉)するように見える演出をしつつ、当接(互いに干渉)の直前で、可動体が移動体と当接(干渉)しない第2姿勢へと変位させるような演出を行うことができ、更にその演出効果を向上させることができる。
更に、前記可動ベース部と前記可動体は、該可動体を前記第2姿勢から前記第1姿勢に変位させるように付勢する付勢部材によって連結されている構成にすると良い。このような構成によれば、可動体が第1姿勢から第2姿勢へと不用意に変位してしまうことが防止されるので、可動体をその可動体への当接部による当接によってのみ第1姿勢から第2姿勢へと変位させることができる。
また、前記可動体と前記当接部は少なくとも一部が互いに重なり合うように配置されると共に、前記可動体には、前記当接部と当接するストッパが設けられ、前記ストッパは、前記可動体から前記当接部側に向けて突出形成されている構成にすると良い。このような構成によれば、可動体から当接部側に向けて突出形成されたストッパに当接部を当接させるという簡易な構造(機構)で、可動体を第1姿勢から第2姿勢へと簡便に変位させることができる。
この場合、前記第1の可動装置は、前記可動体と異なる位置の追動始端位置と追動終端位置との間で前記可動体に追動可能な追動体を備えると共に、前記当接部は該追動体に設けられ、前記追動体が前記追動終端位置に配置される際に前記ストッパと前記当接部を介して前記可動体と前記追動体が当接される構成にすると良い。このような構成によれば、更に可動体に追動可能な追動体を備えているので、その演出効果を高めることができると共に、この追動体に可動体を第1姿勢から第2姿勢へと当接によって変位させる当接部が設けられているので、簡易な構造(機構)で、可動体を第1姿勢から第2姿勢へと変位させることが可能である。
また、前面に遊技領域を有する遊技盤を備え、前記第1の可動装置における前記可動体の移動方向が前記遊技盤の上側領域における上下方向であると共に、前記第2の可動装置における前記移動体の移動方向が前記遊技盤の下側領域における上下方向である構成にすると良い。更に、前記可動ベース部が前記始端位置に配置されている場合には、前記第1の駆動機構により前記可動ベース部を移動させた後に、前記第2の駆動機構により前記移動体を移動させる一方、前記可動ベース部が前記終端位置に配置されている場合には、前記第2の駆動機構により前記移動体を移動させた後に、前記第1の駆動機構によって前記可動ベース部を移動させるようにした構成など種々なる移動態様を実現することができ、その演出効果を向上させることが可能である。
本発明に係る遊技機によれば、可動体がこれに接近する移動体との干渉を避けるように動作することで、それら可動体および移動体が同時に駆動(移動)した場合でも互いに干渉することを抑制して、その演出効果を向上させることが可能である。
本発明の一実施形態に係る遊技機の一例を示した正面図である。 図1の遊技機が備える遊技盤の正面図である。 センター役物が備えるセンターベースと可動演出装置の正面図である。 図3の可動演出装置が動作する前の状態を示した正面図である。 センターベースおよび可動演出装置を前面側から視た外観斜視図である。 (a)は第1の可動装置の可動体と駆動機構を背面側から視た外観斜視図、(b)は駆動機構を前面側から視た外観斜視図である。 第1の可動装置の可動体と駆動機構を前面側から視た分解斜視図である。 第1の可動装置の可動体と駆動機構を背面側から視た分解斜視図である。 第1の可動装置の追動体を前面側から視た外観斜視図である。 第1の可動装置の追動体を背面側から視た外観斜視図である。 可動ベース部および可動体が第1位置(始端位置)、追動体が第5位置(追動始端位置)、移動体が第3位置(始端位置)にある状態を示した側面図である。 可動ベース部および可動体が第1位置(始端位置)から下方に動きだした状態、追動体が第5位置(追動始端位置)から下方に動き出した状態、移動体が第3位置(始端位置)から上方に動き出した状態を示した側面図である。 追動体が第6位置(追動終端位置)に到達した状態を示した側面図である。 可動ベース部および可動体が第2位置(終端位置)手前の直前位置にある状態、移動体が第4位置(終端位置)手前の直前位置にある状態を示した側面図である。 可動ベース部および可動体が第2位置(終端位置)に到達して可動体が第1姿勢から第2姿勢に変位した状態、移動体が第4位置(終端位置)に到達した状態を示した側面図である。 図14の可動体を前面側から視た外観斜視図である。 図15の可動体を前面側から視た外観斜視図である。
以下、本発明に係る遊技機の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の実施形態に係る遊技機を示した正面図である。図示されるように、遊技機1はパチンコ遊技機である。
この遊技機1には、所要の奥行きを有する額縁形状に形成された機枠2を備えており、その機枠2の前面側には、左側縁が軸着されて前方に開閉可能に前面枠3が取り付けられ、その前面枠3に対して左側縁が軸着されて前面側に開閉可能に形成されたガラス枠4が取り付けられている。
尚、以下の説明においては、遊技機1の前面とは、遊技機1の正面側(遊技者が遊技を行う側)のことであり、遊技機1の裏面或いは後方とは遊技機1の背面側のことである。また遊技機1の左側、右側、上側、下側とは、遊技機1を正面側(遊技者側)から視た場合の左側、右側、上側、下側のことである。また、遊技機1を構成する各種部材においても、表側、裏側、前面側、後側等という場合、特に断りがない限り、遊技機1に装着された状態での表側、裏側、前面側、後側方向等である。
図1に示されるように、ガラス枠4には、遊技盤5の位置にガラス板またはプラスチック板等の透明板が嵌め込まれており、この透明板を通して前面側から遊技盤5の遊技領域6を視認可能である。また、ガラス枠4には、遊技領域6へ発射するための遊技球を入れる上皿ユニット7が一体的に形成されている。上皿ユニット7には、貯留されている遊技球を下皿ユニット8に流下させるための上皿操作部9等が設けられている。また、ガラス枠4の上部左右両側には、スピーカ10,10が設けられている。
図1に示されるように、前面枠3のガラス枠4の下方には、左側縁が軸着されて前面枠3に対して開閉可能な下皿ユニット8が組み付けられている。また、前面枠3の右下には、遊技球を発射操作するためのタッチスイッチを備える発射ハンドル12が設けられている。下皿ユニット8は、払い出された遊技球のうち上皿ユニット7に入りきらない遊技球を貯めることが可能である。下皿ユニット8には、遊技球を下方に落下させるための下皿操作部13等が設けられている。
図2は図1の遊技盤5を示す正面図である。遊技盤5は、ほぼ正方形の合板により成形されており、前面枠3に着脱可能に取り付けられている。この遊技盤5には、発射装置から発射された遊技球をガイドするための金属製の薄板からなる帯状の内側ガイドレール14および外側ガイドレール15が略円弧形状に立設されており、このガイドレール14,15によって遊技領域6の外郭の一部が形成されている。
図2に示されるように、遊技盤5の遊技領域6には、その中心線上において上から順に、遊技状況に応じた演出を行うことが可能な遊技演出装置としての表示装置17、電動チューリップからなる始動入賞装置18、長方形の開口部を開閉可能に覆っている蓋からなるアタッカー形式の特別入賞装置19、アウト口20が配置されている。また、遊技領域6には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての図示しない遊技釘が複数立設されている。遊技領域6を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化して流下される。
このような遊技機1においては、発射ハンドル12の操作により発射装置から遊技領域6に遊技球を発射すると、遊技球が遊技領域6の表面を転動しながら落下し、その遊技球が始動入賞装置18、特別入賞装置19等の入賞装置に入ると、所定数の賞球遊技球が、払い出されるように構成されている。
尚、特に図示しないが、遊技機1の背面側には、枠用外部端子基板、表示制御基板、主制御基板、音声制御基板、ランプ制御基板、払出制御基板、発射制御基板、電源基板等の各種基板や、カードインターフェース接続部、球タンク、タンクレール、屈曲樋、球切れ検出スイッチ、球払出装置,球排出樋、発射装置等の遊技機構成部材が設けられている。
表示装置17としては、液晶表示パネルが適用されており、その矩形状の表示画面(表示部17a)において種々なる図柄等が表示されるようになっている。この表示部17aの前面の周囲には、遊技の装飾効果(遊技演出効果)を高めるためのセンター役物30が配設されている。センター役物30は、前面側装飾部材40や可動演出装置50などを備えている。前面側装飾部材40は、遊技盤5の前面側に設けられており、その略中央には表示部17aを視認可能な開口部40aが形成され、表示部17aの周囲を装飾している。
可動演出装置50は、表示部17aの上側に配置された第1の可動装置60と、表示部17aの下側に配置された第2の可動装置70を備えている。第1の可動装置60は、後述する駆動機構(第1の駆動機構)によって上下に往復移動可能となっており、龍の顔の目から上顎にかけての部分を模した形状を有する可動体61と、この可動体61の前面側に配置され、龍の顔のおでこから頭頂にかけての部分を模した形状を有する追動体62と、可動体61の背面の左右両側に配置され、羽根を模した形状を有する左右一対の変位部材63,63を備えている。
また、第2の可動装置70は、龍の顔の下顎から首元にかけての部分を模した形状を有した移動体71を備えており、図3に示されるようなモータ72やギヤ73などを備える駆動機構(第2の駆動機構)によって上下に往復移動可能になっている。尚、このような移動体71を移動させる駆動機構としては、ラック&ピニオンやスライドレールなどを備えた種々なる昇降機構などが適用可能であり、その詳細についての説明は省略し、以下では主に第1の可動装置60とその駆動機構(第1の駆動機構)について詳細に説明する。
図2および図4に示されるように、第1の可動装置60が備える可動体61、追動体62および変位部材63,63は、前面側装飾部材40の上側に設けられたカバー体40bの背面側に隠れるように配置される始端位置(第1位置P1)と、図2および図3に示されるように、前面側装飾部材40の開口部40a内、つまり表示部17aの上辺からその前面側に現れる(露出される)ように配置される終端位置(第2位置P2)との間を往復移動されるようになっている。
また、図2および図4に示されるように、第2の可動装置70が備える移動体71は、前面側装飾部材40の下側に設けられたカバー体40cの背面側に隠れるように配置される始端位置(第3位置P3)と、図2および図3に示されるように、前面側装飾部材40の開口部40a内、つまり表示部17aの下辺からその前面側に現れる(露出される)ように配置される終端位置(第4位置P4)との間を往復移動されるようになっている。このように、第1の可動装置60(可動体61、追動体62、変位部材63)と第2の可動装置70(移動体71)を表示部17a上で移動させることで、表示部17aによる表示演出と第1の可動装置60および第2の可動装置70による駆動演出を併せて行うことが可能になっている。
尚、可動体61は、第1位置P1と第2位置P2の間を移動可能に構成されているが、追動体62は、第1位置P1よりもやや上方の追動始端位置(第5位置P5)と、第1位置P1と第2位置P2との間の途中位置である追動終端位置(第6位置P6)との間を移動可能に構成されている。
例えば、入賞装置に遊技球が入賞して遊技状態が変化して、遊技機1に備えられる制御回路等から可動演出装置50を駆動させる命令が発生すると、第1の可動装置60が備える可動体61および追動体62は、図2に示されるようなカバー体40bの背面側に隠れるように配置される第1位置P1および第5位置P5から、前面側装飾部材40の開口部40a内に徐々に現れ(露出され)ながら、可動体61は第2位置P2に、追動体62は第6位置P6にそれぞれ移動させられると共に、変位部材63,63も可動体61の移動に伴って変位させられるようになっている。また、このとき、移動体71は、図2に示されるようなカバー体40cの背面側に隠れるように配置される第3位置P3から、前面側装飾部材40の開口部40a内に徐々に現れ(露出され)ながら第4位置P4に移動させられるようになっている。
図3および図4は、センター役物30が備えるセンターベース41と、このセンターベース41に取り付けられた可動演出装置50の正面図を示している。尚、図3および図4においては遊技盤5、前面側装飾部材40の記載は省略されている。
図示されるように、センターベース41は、可動演出装置50などの部材を取り付けるための枠体状の部材である。尚、前面側装飾部材40は遊技盤5の前面側に装着され、センターベース41は遊技盤5の背面側に装着されるようになっており、遊技盤5は前面側装飾部材40とセンターベース41との間に挟み込まれるように配設されるように構成されている。
センターベース41は、表示装置17の表示部17aの周囲を囲むように形成されており、その中央部分には、表示部17aを視認可能にするための開口部41aが設けられている。この場合、開口部41aの背面側に表示装置17は取り付けられるようになっている。また、センターベース41の前面側は、前面側装飾部材40にその背面側から光を照射するLED(発光ダイオード)が複数実装されたLED基板(図示せず)などの各種部材を取り付けたり収納したりするための額縁状の枠体として形成されている。
図4に示されるように待機状態では、可動演出装置50が備える第1の可動装置60(可動体61、追動体62および変位部材63,63)は、センターベース41の矩形状の開口部41aの上辺(表示部17aの上辺)よりも上側に配設され、可動演出装置50が備える第2の可動装置70(移動体71)は、センターベース41の開口部41aの下辺(表示部17aの下辺)よりも下側に配設されている。
図5は、センターベース41および追動体62が省略された可動演出装置50(第1の可動装置60および第2の可動装置70)を前面側から視た外観斜視図を示している。図6(a)は、可動体61と駆動機構を背面側から視た外観斜視図、図6(b)は駆動機構を前面側から視た外観斜視図を示している。また、図7は、可動体61と駆動機構を前面側から視た分解斜視図、図8は、可動体61と駆動機構を背面側から視た分解斜視図である。更に、図9は、追動体62とフレーム部材69を前面側から視た外観斜視図、図10は、追動体62とフレーム部材69を背面側から視た外観斜視図である。
図11〜図15は、可動演出装置50の動作の手順を順に示した側面図である。この場合、図11は、可動ベース部64および可動体61が第1位置P1(始端位置)、追動体62が第5位置P5(追動始端位置)、移動体71が第3位置P3(始端位置)にある状態を示した側面図である。図12は、可動ベース部64および可動体61が第1位置P1(始端位置)から下方に動きだした状態、追動体62が第5位置P5(追動始端位置)から下方に動き出した状態、移動体71が第3位置P3(始端位置)から上方に動き出した状態を示した側面図である。
図13は、追動体62が第6位置(追動終端位置)に到達した状態を示した側面図である。図14は、可動ベース部64および可動体61が第2位置P2(終端位置)手前の直前位置である当接位置PTにある状態、移動体71が第4位置P4(終端位置)手前の直前位置にある状態を示した側面図である。図15は、可動ベース部64および可動体61が第2位置P2(終端位置)に到達して可動体61が第1姿勢S1から第2姿勢S2に変位した状態、移動体71が第4位置P4(終端位置)に到達した状態を示した側面図である。また、図16は、図14の可動体61が第2位置P2にある状態を前面側から視た外観斜視図、図17は、図15の可動体61が第1姿勢S1から第2姿勢S2に変位した状態を前面側から視た外観斜視図である。
先ず、図5〜図8を用いて、第1の可動装置60が備える可動体61とこれを上下に往復移動させるための駆動機構について説明する。
図7および図8に示されるように、龍の顔の目から上顎にかけての部分を模した形状を有する可動体61には、その上端にヒンジ部61a,61aが後方に向かって突出形成されている。このヒンジ部61a,61aは、可動体61の背面に配される可動ベース部64の同じく上端に形成されたヒンジ用ピン64a,64aに回動自在に係止されるようになっている。したがって、可動体61は、ヒンジ部61a,61aを介して可動ベース部64に取り付けられており、図14および図15に示されるように、可動ベース部64に対して平行な第1姿勢S1と可動ベース部64に対して下側が開くように傾斜した第2姿勢S2との間で変位可能に構成されている。
この場合、可動体61の上端に設けられたバネ係止片61bと、同じく可動ベース部64の上端に設けられたバネ係止片64bとの間は、コイルバネ(付勢部材)67の両端部によって連結されている。したがって、図11〜図14に示されるような可動体61に外力が加わらない状態では、可動体61はコイルバネ67の引っ張り力によって可動ベース部64に対して平行な第1姿勢S1に保持されている。
このような可動ベース部64(可動体61)は、ベース部材65、スライド部材66、モータ81などによって、上下に往復移動(昇降移動)可能になっている。ベース部材65は横長の略長方形状を有しており、センターベース41の上方にネジ止め等によって取り付けられるようになっている。このベース部材65には、駆動機構として、モータ81やモータ81の駆動によって回転動される複数のギヤなどが取り付けられている。
図6(a),(b)、図7および図8に示されるようにモータ81は、ベース部材65の前面の右上部にネジ止めによって取り付けられて、その駆動軸81aがベース部材65の背面側に突出するように配されている。図8に示されるように、モータ81の駆動軸81aには、駆動ギヤ82aが一体回転可能に固定されている。また、ベース部材65に背面には、駆動ギヤ82aに噛み合う伝達ギヤ82b、伝達ギヤ82bに噛み合う連結ギヤ82cが回転自在に設けられている。
図7および図8に示されるように、モータ81の左下には、連結ギヤ83aと、連結ギヤ83aに噛み合う伝達ギヤ83bと、伝達ギヤ83bに噛み合うピニオン83cが回転自在に設けられたギヤボックス83が取り付けられるようになっている。この場合、図8に示されるように、ベース部材65に背面側に配される連結ギヤ82cとベース部材65の前面側に配される連結ギヤ83aは、連結ピン82dによって一体回転可能に連結されている。したがって、モータ81の駆動軸81aの回転動によって、駆動ギヤ82a、伝達ギヤ82b、連結ギヤ82c、連結ギヤ83aおよび伝達ギヤ83bを介してピニオン83cが回転駆動されるようになっている。
図6(a)および図7に示されるように、ベース部材65の前面側の中央には、縦長の略長方形状を有するスライド部材66が上下にスライド(移動)可能に取り付けられるようになっている。
図7および図8に示されるように、このスライド部材66の右側面には、上下方向に複数の歯部が並設された配されたラック部66aが形成されており、上述したピニオン83cがこのラック部66aに噛み合うように構成されている。したがって、モータ81が駆動することで、スライド部材66はピニオン83cを介してベース部材65に対して上下に移動することが可能になっている。
図7および図8に示されるように、スライド部材66の前面側の左半分には、上下方向に沿うように、ピニオン66b、ピニオン66bに噛み合う伝達ギヤ66c、伝達ギヤ66cに噛み合うピニオン66dが回転自在に取り付けられている。一番上に配されるピニオン66bは、ベース部材65の前面の中央よりやや左側に設けられたラック部65aに噛み合うように配されており、ラック部65aに沿ってピニオン66bが回転動することにより、伝達ギヤ66cを介して一番下のピニオン66dが回転動するように構成されている。
図8に示されるように、可動ベース部64の背面には、上下方向に複数の歯部が並設された配されたラック部64cが形成されており、上述したスライド部材66に設けられたピニオン66dがこのラック部64cに噛み合うように構成されている。
したがって、モータ81が駆動することにより、可動ベース部64(可動体61)は、図11〜図15に示されるように、スライド部材66を介してベース部材65に対して上下方向に往復移動可能になっている。尚、このようなモータ81としては、ステッピングモータが用いられており、駆動ギヤ82aを正転方向に所定角度回転させたり、その正転方向とは反対の反転方向に所定角度回転させたりすることが可能になっている。これにより可動ベース部64(可動体61)を所定のストロークで上下方向に往復移動させることができるようになっている。このモータ81は、遊技機1が備える制御回路等と図示しないケーブルを介して電気的に接続されており、制御回路等によってモータ81の回転駆動が制御可能となっている。
図6(a)および図8に示されるように、スライド部材66の背面には、後方に向かって突出した位置検出用突起部66eが形成されている。この位置検出用突起部66eは、図6(a),(b)、図7および図8に示されるように、ベース部材65の前面の中央に上下に延びるように開口された溝部65bに挿入可能になっている。この場合、溝部65bの上端には、背面に取り付けられた初期位置検出センサ92の対向検出部92a,92aが溝部65bを幅方向で挟むように配置されており、この対向検出部92a,92aの間に位置検出用突起部66eが受容可能になっている。
初期位置検出センサ92の対向検出部92a、92aの内部には、図示しない位置検出素子が内蔵されている。これら一対の位置検出素子は、相互間で信号(例えば赤外線)を送受信することが可能になっている。このような対向検出部92a,92aによる信号の送受信は、上述した位置検出用突起部66eによって遮ることが可能になっている。
このようなスライド部材66の位置検出用突起部66eが、対向検出部92a,92aの間に配置されることにより、対向検出部92a,92aによる信号の送受信が不能となるので、この状態を初期位置(原点または基準位置)として、モータ81を所定角度回転させることで、スライド部材66を上下方向に所定距離で往復移動させることが可能になっている。これにより、可動ベース部64(可動体61)を、再現性良く上下方向に所定距離(第1位置P1と第2位置P2の間の距離)で往復移動させることが可能になっている。
図6(b)および図7に示されるように、ベース部材65の前面には、そのモータ81の左側(ギヤボックス83の上側)の箇所に、付勢バネ68の円筒状の一端68aを回転自在に位置決め固定する固定部65cが前方に向かって突出形成されている。この付勢バネ68は、ゼンマイ状の定荷重バネと呼ばれるもので、通常のコイルバネとは違って、バネのストロークを長くしても引っ張り荷重がほぼ変わらない特性を有するバネである。この付勢バネ68は、上述した駆動機構によって第1の可動装置60(可動体61、可動ベース部64、追動体62など)を上方へ移動させる際の上昇力(駆動力)を補助するためのものである。
この場合、付勢バネ68の他端(下端)68bには、図6(a)、図8および図11に示されるように、縦長の略長方形状を有する取付板68cが、その上端に設けられた固定ピン68dを介して取付固定されている。この取付板68cの中央には、縦長の長円形状を有するスライド孔68eが開口形成されている。また、図示されるように、可動ベース部64の背面の所定の位置には、取付板68cのスライド孔68eの上下の長さよりも短い間隔で上下に配された一対の係止ピン64e,64eを有した係止部材64dが取付固定されている。
この取付板68cの背面の所定の位置には、後方に突出した凸部68fが形成されている。これに対応して、図6(b)、図7および図11に示されるように、ベース部材65、この場合、ギアボックス83の前面の所定の位置には前方に向かって突出した接触部83dが形成されている。この接触部83dは、図11に示されるように、可動ベース部64(可動体61)が第1位置P1にある場合に、付勢バネ68の他端68bに固定された取付板68cの凸部68fに上側から接触して、その付勢バネ68のストロークを自然長よりも長い状態に保持するためのものである。
図5、図7、図8、図14および図15に示されるように、可動体61の上端の中央には、前方に向かって突出したストッパ61cが形成されている。このストッパ61cは、後述する追動体62に設けられた当接部62aが上方から当接することが可能であると共に(図14および図15参照)、追動体62に設けられた連結部62bに下方から当接することが可能に構成されている(図11〜図13参照)。
図7および図8に示されるように、羽根を模した形状を有する一対の変位部材63,63は左右対称の形状を有している。図示されるように、変位部材63,63は、その内側の下端に設けられたピン63a,63aが、可動ベース部64の背面の左右両側の所定に位置に設けられたピン係止孔64f,64fにそれぞれ回動自在に取り付けられるようになっている。また、変位部材63,63は、その外側の上端から更に外側に延びるように設けられたアーム部63b,63bの先端の円筒状の取付部63c,63cが、ベース部材65の左右両側から下方に向かって延設された垂下部65d,65dに設けられたピン65e,65eにそれぞれ回動自在に取り付けられるようになっている。したがって、変位部材63,63は、可動ベース部64(可動体61)の上下の移動に伴って、開いたり閉じたりするように変位可能に構成されている。
次に、龍の顔のおでこから頭頂にかけての部分を模した形状を有する追動体62について説明する。この追動体62は、上述した可動ベース部64(可動体61)を上下に移動させる駆動機構によって直接的に移動するのではなく、可動体61に載せられた状態でその可動体61と共に上下に移動(追動)する構成になっている。
図9および図10に示されるように、追動体62は、フレーム部材69に上下に移動可能に取り付けられている。フレーム部材69は、縦長の長方形状を有するガイド部69aと、このガイド部69aの上方の右側から右方向に延設されると共に更に後方に延設された取付アーム部69bを備えており、取付アーム部69bの先端が、センターベース41の右上方にネジ止め等によって取付固定されるようになっている。この場合、図11に示されるように、追動体62は、可動体61に接触しないように、フレーム部材69によってその可動体61の前面側に配置されるようになっている。
図10および図11に示されるように、フレーム部材69のガイド部69aには、縦長の長円形状を有するスライド孔69cが開口形成されている。また、図示されるように、追動体62の背面の所定の位置には、ガイド部69aのスライド孔69cの上下の長さよりも短い間隔で上下に配された一対の係止ピン62d,62dを有した係止部材62cが取付固定されている。この係止部材62cの下端には当接部62aが後方に向かって突出するように形成され、上端には連結部62bが後方に向かって突出するように形成されている。この場合、図11〜図15に示されるように、係止部材62cの当接部62aと連結部62bとの間のスペースに、可動体61のストッパ61cが配されるように構成されている。
図11に示されるような可動体61が第1位置P1(始端位置)に、追動体62が第5位置P5(追動始端位置)にある場合には、追動体62の連結部62bが可動体61のストッパ61cの上側に載った状態に保持されている。そして、図12に示されるように、可動体61がこの第1位置P1から下方に移動しても、追動体62の連結部62bが可動体61のストッパ61cの上側に載った状態に保持されているので、追動体62はその自重によって可動体61の下方への移動に追従するように下方へと移動することが可能になっている。また、更に可動体61が下方へ移動すると、図13に示されるように、追動体62の係止部材62cの下側の係止ピン62dが、ガイド部69aのスライド孔69cの下端に当接することで、この追動終端位置(第6位置P6)から追動体62の更に下方への移動が規制されるようになっている。
次に、図11〜図15を用いて、上述した可動演出装置50の動作の手順について説明する。図11は、可動体61および追動体62が最上点位置である第1位置P1(始端位置)および第5位置P5(追動始端位置)にある状態と、移動体71が最下点位置である第3位置P3(始端位置)にある状態を示している。
このとき、付勢バネ68の他端68b(取付板68c)の凸部68fは、ギヤボックス83の接触部83dに下側から接触して、付勢バネ68のストロークが自然長よりも長い状態に保持されている。また、このとき、取付板68cのスライド孔68eの内部において、可動ベース部64の背面に固定された係止部材64dの係止ピン64e,64eが、そのスライド孔68eの上端および下端のいずれにも当接しないように遊挿された状態になっている。つまり、可動ベース部64には、付勢バネ68による上方への引っ張り力(付勢力)が作用していない状態となっている。
つまり、このような可動ベース部64(可動体61)が第1位置P1と係止位置PKの間の範囲にある場合において、可動ベース部64に固定された係止部材64dに付勢バネ68の他端68b(取付板68c)が係止されないことによりその付勢バネ68による付勢力が可動ベース部64に作用しない状態になっている。すなわち、可動ベース部64(可動体61)が第1位置P1にある場合において、係止部材64dの係止ピン64e,64eが、スライド孔68eの上端および下端のいずれにも当接しない範囲(可動ベース部64(可動体61)が第1位置P1と係止位置PKとの間に位置する範囲)で、可動ベース部64(可動体61、追動体62、変位部材63を含む)を所定ストローク移動させる演出を行うことができるようになっている。
したがって、付勢バネ68による付勢力が可動ベース部64(可動体61、追動体62 変位部材63を含む)に作用しない範囲で、可動ベース部64を上述した第1の駆動機構により往復移動させることで、付勢バネによる付勢力が常時作用している場合と比べて、第1の可動装置60の耐久性を向上させつつ、第1の可動装置60による様々な演出効果を奏することができ遊技性を高めることが可能である。また、このような可動ベース部64(可動体61)が第1位置P1にある場合において、第1の可動装置60(可動体61、追動体62、変位部材63、可動ベース部64)はベース部材65と遊技盤5との間に形成される収納部(収納空間)に収納される。詳細には、可動体61、変位部材63、可動ベース部64はベース部材65とフレーム部材69との間に形成される第1収納部に収納され、追動体62はフレーム部材69と遊技盤5との間に形成される第2収納部に収納される。この場合、収納部(第1収納部)の領域は、可動体61が第1姿勢S1であるときに収納可能であるが、第2姿勢S2であるときには収納不能となるように形成されている。このような大きさ(スペース)となるように収納部(第1収納部)の領域を形成することで、遊技機という限られた空間を有効利用でき、可動体61の変位方向に対して厚みを持たせた立体的な形状を第1の可動装置60で構成することが可能となる。
尚、付勢バネ68による付勢力が可動ベース部64(可動体61、追動体62 変位部材63を含む)に作用しない範囲でその可動ベース部54を往復移動させる距離が、第1の駆動機構が備えるピニオン66dなどのギヤの歯部とラック部64cなどのラックの歯部とのバックラッシ(互いに嵌り合って運動する機械要素の間に、運動方向に設けた隙間)の範囲内である構成にすると良い。このような構成によれば、ギヤやラックの歯部の摩耗(消耗)を低減しつつ、第1の可動装置60を例えばガタガタと上下に移動(揺動)させることができる。
図12は、図11の状態から可動ベース部64(可動体61)が更に下方に移動することにより、可動ベース部64に設けられた係止部材64dの下側の係止ピン64eが、付勢バネ68の下端に取り付けられた取付板68cのスライド孔68eの下端に当接した係止位置PKにある状態の第1の可動装置60を示している。そして、この係止位置PKから更に可動ベース部64が下方に移動することで、付勢バネ68による上方への引っ張り力(付勢力)が可動ベース部64(可動体61、追動体62 変位部材63を含む)に作用することになる。
図13は、図12の状態から可動ベース部64(可動体61)が更に下方に移動することにより、追動体62に設けられた係止部材62cの下側の係止ピン62dが、フレーム部材69のガイド部69aのスライド孔69cの下端に当接した第6位置P6(追動終端位置)にある状態の追動体62を示している。そして、この追動体62が第6位置P6にある状態(すなわち追動体62が下方への移動が規制された状態)から可動ベース部64(可動体61)が更に下方に移動することにより、可動体61は、停止された状態の追動体62に対して更に下方へと離間するように移動することになる。つまり、追動体62は、その連結部62bを介して可動体61に載った状態から、フレーム部材69のガイド部69aのスライド孔69cの下端に載った状態へと移載されることになる。
図14は、図13の状態から可動ベース部64(可動体61)が更に下方に移動して、第2位置P2(終端位置)よりもやや手前の直前位置(当接位置PT)に位置することにより、可動体61のストッパ61cが、下方への移動が規制された状態(停止状態)、つまり第6位置P6(追動終端位置)に位置する追動体62の当接部62aに上方から当接した状態を示している。
図15は、図14の状態から可動ベース部64(可動体61)だけが更に所定の距離で下方に移動することで、ストッパ61cと連結部62bが離れ、その後ストッパ61cが当接部62aに当接すると共に、可動ベース部64(可動体61)が第2位置P2(終端位置)に到達している状態を示している。このとき、可動体61は、そのストッパ61cが停止状態の追動体62の当接部62aに当接(連結)された状態で、追動体62に対して下方向(追動体62に対して離間する方向:移動体71側)に移動することにより、ストッパ61cと当接部62aの引き合い力が作用することによって、可動体61は、上端のヒンジ部61aを介して、可動ベース部64に対して平行な第1姿勢S1から、可動ベース部64に対して下側が開くように傾斜した第2姿勢S2へと変位される。
このとき、図示されるように、移動体71が可動体61に接近するように下方から上方に向かって第4位置P4に到達するように移動してきているが、可動体61が第1姿勢S1から第2姿勢S2へと変位されているので、可動体61と移動体71との干渉が避けられるようになっている。具体的には、可動体61の下端部(上顎または上牙に相当する部分)が、移動体71の上端部(下顎または下牙に相当する部分)に対して遊技機1(遊技盤5)の前後方向において重なるように配置されて、互いに干渉しないようにされており、遊技者側(遊技機1の前面側)から見て一見、可動体61の下端部と移動体71の上端部が当接(互いに干渉)したかのような演出を実現していると共に、可動体61と移動体71の移動領域を大きく設定することが可能となる(図15および図17参照)。
このように、可動体61が移動体71との干渉を避けるように変位することで、このような二つの可動部材が接近するように同時に移動された場合でも、互いに干渉することが防止されており、このような2つの可動体61および移動体71の同時移動(同時駆動)によって従来にない演出を行うことが可能となっている。
上述した可動演出装置50によれば、可動体61が第1姿勢S1から第2姿勢S2へと変位することによりその可動体61に接近するように移動してきた移動体71と可動体61との干渉が避けるように構成されているので、可動体61と移動体71を同時に移動させた場合でも互いに干渉してしまうことが抑制されている。したがって、可動体61と移動体71の同時移動(同時駆動)が可能となり、更に可動体61と移動体71の移動(駆動)を表示部17aの前面側で行うことで表示部17aによる表示演出と可動体61および移動体71による駆動演出を併せて行うことが可能になり、その演出効果を向上させることができる。
この場合、可動体61が第2位置P2(終端位置)に配置されている状態で第2姿勢S2に変位することで、可動体61の少なくとも一部、この場合、可動体61の下端部(上顎または上牙に相当する部分)が、移動体71の少なくとも一部、この場合、移動体71の上端部(下顎または下牙に相当する部分)に対して遊技機1(遊技盤5)の前後方向において重なるように配置されている構成にすると良い。このような構成によれば、可動体61と移動体71の互いの干渉を避けつつ、可動体61の少なくとも一部が、移動体71の少なくとも一部に対して遊技機1(遊技盤5)の前後方向において重なるように配置させているので、遊技者側(遊技機1の前面側)から見て一見、可動体61の下端部と移動体71の上端部が当接(互いに干渉・摺動)したかのような演出を行うことができ、更にその演出効果を向上させることができる。
また、可動体61が第1姿勢S1である場合に、可動体61と移動体71はそれぞれの移動範囲内においてそれぞれの少なくとも一部どうしが互いに当接するように配置されている構成、具体的には、第1姿勢S1の状態の可動体61の下端部(上顎または上牙に相当する部分)と、これに接近してきた移動体71の上端部(下顎または下牙に相当する部分)とが互いに当接(干渉)するように配置されている構成にすると良い。このような構成によれば、図14に示されるように、第1姿勢S1の可動体61に移動体71が接近すると当接(互いに干渉)するように見える演出をしつつ、当接(互いに干渉)の直前で、図15に示されるように、可動体61が移動体71と当接(干渉)しない第2姿勢S2へと変位させるような演出を行うことができ、更にその演出効果を向上させることができる。
また、可動ベース部64と可動体61は、ヒンジ部61a、ヒンジ用ピン64aとは別に、その可動体61を第2姿勢S2から第1姿勢S1に変位させるように付勢する付勢部材(コイルバネ)67によって連結されているので、可動体61に外力が加わらない状態ではその付勢部材(コイルバネ)67によって可動体61は第1姿勢S1に保持されて可動体61が第1姿勢から第2姿勢へと不用意に変位してしまうことが防止されている。これにより、可動体61をその可動体61への当接部62aによる当接によってのみ第1姿勢S1から第2姿勢S2へと変位させることができる。
更に、可動体61と当接部62aは少なくとも一部が互いに重なり合う(当接する)ように配置されると共に、可動体61には、当接部62aと当接するストッパ61cが設けられ、ストッパ61cは、可動体61から当接部62a側に向けて突出形成されている構成になっているので、可動体61から当接部62a側に向けて突出形成されたストッパ61cに当接部62aを当接させるという簡易な構造(機構)で、可動体61を第1姿勢S1から第2姿勢S2へと簡便に変位させるができる。
そして、第1の可動装置60は、可動体61と異なる位置の追動始端位置(第5位置P5)と追動終端位置(第6位置P6)との間で可動体61に追動可能な追動体62を備えると共に、当接部62aはその追動体62に設けられ、追動体62が追動終端位置(第6位置P6)に配置される際にストッパ61cと当接部62aを介して可動体61と追動体62が当接される構成にすると良い。このような構成によれば、更に可動体61に追動可能な追動体62を備えているので、その演出効果を高めることができると共に、この追動体62に可動体61を第1姿勢S1から第2姿勢S2へと当接によって変位させる当接部62aが設けられているので、簡易な構造(機構)で、可動体61を第1姿勢S1から第2姿勢S2へと変位させるが可能である。
更に、上述した可動演出装置50によれば、可動ベース部64が始端位置(第1位置P1)に配置されている場合には、第1の駆動機構により可動ベース部64を移動させた後に、第2の駆動機構により移動体71を移動させる一方、可動ベース部64が終端位置(第2位置P2)に配置されている場合には、第2の駆動機構により移動体71を移動させた後に、第1の駆動機構によって可動ベース部64を移動させるようにした構成など種々なる移動態様を実現することができ、その演出効果を向上させることが可能である。また、このような順序で可動ベース部64および移動体71を移動させることで、移動体71が移動する際には常に可動体61は第2姿勢をとっていることで、可動体61と移動体71が互いに干渉する危険性を抑制することが可能となる。
以上本発明に係る遊技機の実施の形態について説明したが、上述した実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。例えば、上述した可動演出装置50は、表示部17aの上下に配設された構成を示したが、そのような構成に限るものではなく、遊技機1の枠等の配設可能な位置であれば、どこでも良く、上述した実施の形態には限定されない。また、本発明に係る遊技機の実施の形態において、干渉とはある駆動物が他の駆動物や遊技盤等にぶつかることによってその駆動物の適正な動作が妨げられる状態を指し、適正な動作が妨げられない程度の軽微な接触は含まれない。
更に、可動ベース部64が始端位置(第1位置P1)に配置されている場合には、第1の駆動機構により可動ベース部64を移動させた後に、第2の駆動機構により移動体71を移動させる一方、可動ベース部64が終端位置(第2位置P2)に配置されている場合には、第2の駆動機構により移動体71を移動させた後に、第1の駆動機構によって可動ベース部64を移動させるようにした構成に限らず、可動ベース部64および移動体71が同時に駆動する構成でも良く、可動ベース部64と移動体71を駆動する順序は逆の構成でも良い。
1:遊技機 5:遊技盤 6:遊技領域 17:表示装置
17a:表示部 30:センター役物 40:前面側装飾部材
41:センターベース 50:可動演出装置 60:第1の可動装置
61:可動体 61a:ヒンジ部 61b:バネ係止片
61c:ストッパ 62:移動体 62a:当接部
62b:連結部 62c:係止部材 62d:係止ピン
63:変位部材 64:可動ベース部 64a:ヒンジ用ピン
64b:バネ係止片 64c:ラック部 64d:係止部材
64e:係止ピン 64f:ピン係止孔 65:ベース部材
65c:固定部 66:スライド部材 67:コイルバネ
68:付勢バネ 68a:一端 68b:他端 68c:取付板
68d:固定ピン 68e:スライド孔 68f:凸部
69:フレーム部材 69a:ガイド部 69c:スライド孔
70:第2の可動装置 71:移動体 72:モータ 81:モータ
83:ギヤボックス 83d:接触部
P1:第1位置(可動体の始端位置) P2:第2位置(可動体の終端位置)
P3 第3位置(移動体の始端位置) P4:第4位置(移動体の終端位置)
P5:第5位置(追動体の追動始端位置)
P6:第6位置(追動体の追動始端位置) PK:係止位置
PT:当接位置 S1:第1姿勢 S2:第2姿勢

Claims (8)

  1. 遊技状態に応じて始端位置と終端位置との間で往復移動可能な可動ベース部と、前記可動ベース部を移動させるための第1の駆動機構とを備えた第1の可動装置と、前記可動ベース部に接近する方向に移動可能な移動体と、前記移動体を移動させるための第2の駆動機構とを備えた第2の可動装置を備えた遊技機において、
    前記第1の可動装置は、前記可動ベース部に第1姿勢と第2姿勢との間で変位可能に取り付けられ、該可動ベース部と共に移動される可動体と、前記可動体に当接して該可動体を前記第1姿勢から前記第2姿勢へと変位させることが可能な当接部を有し、
    前記可動ベース部が前記始端位置と前記終端位置の直前位置との間に配置されている場合には、前記可動体が前記第1姿勢に保持され、
    前記可動ベース部が前記終端位置に配置される際には、前記可動体が前記当接部と当接することにより前記可動体が前記第1姿勢から前記第2姿勢へと変位されて、前記可動体に接近するように移動された前記移動体と該可動体との干渉を避けるように構成されていることを特徴とする遊技機。
  2. 前記可動体が前記終端位置に配置されている状態で前記第2姿勢となることで、前記可動体の少なくとも一部が、前記移動体の少なくとも一部に対して前記遊技機の前後方向において重なるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記可動体が前記第1姿勢である場合に、前記可動体と前記移動体はそれぞれの移動範囲内においてそれぞれの少なくとも一部どうしが互いに当接するように配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。
  4. 前記可動ベース部と前記可動体は、該可動体を前記第2姿勢から前記第1姿勢に変位させるように付勢する付勢部材によって連結されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の遊技機。
  5. 前記可動体と前記当接部は少なくとも一部が互いに重なり合うように配置されると共に、前記可動体には、前記当接部と当接するストッパが設けられ、
    前記ストッパは、前記可動体から前記当接部側に向けて突出形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の遊技機。
  6. 前記第1の可動装置は、前記可動体と異なる位置の追動始端位置と追動終端位置との間で前記可動体に追動可能な追動体を備えると共に、前記当接部は該追動体に設けられ、
    前記追動体が前記追動終端位置に配置される際に前記ストッパと前記当接部を介して前記可動体と前記追動体が当接されることを特徴とする請求項5に記載の遊技機。
  7. 前面に遊技領域を有する遊技盤を備え、前記第1の可動装置における前記可動体の移動方向が前記遊技盤の上側領域における上下方向であると共に、前記第2の可動装置における前記移動体の移動方向が前記遊技盤の下側領域における上下方向であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の遊技機。
  8. 前記可動ベース部が前記始端位置に配置されている場合には、前記第1の駆動機構により前記可動ベース部を移動させた後に、前記第2の駆動機構により前記移動体を移動させる一方、前記可動ベース部が前記終端位置に配置されている場合には、前記第2の駆動機構により前記移動体を移動させた後に、前記第1の駆動機構によって前記可動ベース部を移動させるようにしたことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の遊技機。
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