以下、本発明をパチンコ遊技機に適用した一実施形態を、図1〜図36に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態の遊技機10は、前面枠10Zを前面に備え、その前面枠10Zに形成されたガラス窓10Wを通して、図2に示す遊技盤11の前面に形成された遊技領域R1が視認可能になっている。遊技盤11の後側には、図3に示す機構枠17が取り付けられ、その機構枠17には種々の装置が取り付けられている。
図1に示すように、前面枠10Zのうちガラス窓10Wより下方には、上皿26と下皿27が上下2段にして設けられ、下皿27の右側には、操作ハンドル28が備えられている。そして、操作ハンドル28を回動操作すると、上皿26に収容された遊技球が遊技領域R1に向けて弾き出される。
図2に示すように、遊技盤11の前面からは、遊技領域R1を包囲するガイドレール12が突出している。ガイドレール12は、遊技盤11の外縁部を周回するように配置されている。
遊技盤11のうち遊技領域R1の中央には、表示開口11Hが貫通形成されており、その表示開口11Hに遊技盤11の裏面側から表示装置13が対向している。表示装置13は、例えば、液晶モジュールで構成され、その前面が遊技に関する演出を行う表示画面13Gとなっている。なお、詳細には、表示画面13Gは、機構枠17(図3参照)の後側から機構枠17の開口部17Kと遊技盤11の表示開口11Hを通して遊技者に視認可能となっている。
遊技盤11の前面中央には、表示画面13Gを囲むように表示装飾枠23が取り付けられている。表示装飾枠23は、遊技盤11の前面側から表示開口11Hに嵌め込まれて、表示開口11Hの内側に張り出すと共に、遊技盤11の前面から突出している。そして、遊技領域R1を流下する遊技球が、表示装飾枠23の前側を通過して表示装飾枠23の内側に進入しないように構成されている。
表示装飾枠23の右側には、始動ゲート18が設けられている。また、表示装飾枠23の右下には、大入賞口15と複数のサイド入賞口21が設けられている。なお、複数のサイド入賞口21は、始動ゲート18の下方且つ大入賞口15の右側に配置されている。
表示装飾枠23の横方向中央の下方には、第1の始動入賞口14Aと第2の始動入賞口14Bとが上下2段に並べて配置され、それら始動入賞口14A,14Bの左側には、ガイドレール12に沿って一般入賞口20が複数設けられている。
遊技領域R1には、各入賞口14A,14B,15,20,21とは別に、特典(賞球)を付与することなく遊技領域R1の外側に排出するためのアウト口16が設けられている。また、遊技領域R1には、遊技球の流下方向をランダムに変更するための図示しない障害釘が多数植設されている。
次に、遊技領域R1の各部位についてさらに詳説する。一般入賞口20及びサイド入賞口21は、所謂、ポケット構造をなし、遊技球が1つずつ入ることが可能な大きさで上方に開口している。一般入賞口20又はサイド入賞口21へ入球(入賞)すると、その遊技球は遊技盤11の裏側に取り込まれ、例えば、1個の入球につき10個の賞球が上皿26に払い出される。
始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなしている。始動ゲート18を遊技球が通過すると、普通図柄の当否判定が行われる。
第1の始動入賞口14Aは、ポケット構造をなして遊技球が1つずつ入球可能な大きさで上方に開口している。第2の始動入賞口14Bは、遊技球が1つずつ入球可能な大きさで前方に開口し、回動扉14Tによって開閉される。回動扉14Tは、通常は、閉状態となっていて、上述した普通図柄の当否判定が当りになると、開状態となる。第1と第2の始動入賞口14A,14Bに遊技球が入球(入賞)すると、例えば、1個の入球につき4個の賞球が上皿26に払い出されると共に、特別図柄の当否判定が行われる。そして、特別図柄の当否判定が当りになると、通常の遊技状態から大当り遊技状態へ移行し、大当り遊技が実行される。
大入賞口15は、横長矩形状をなし、通常の遊技状態では、可動扉15Tにて閉塞されている。そして、遊技状態が大当り遊技状態となって大当り遊技が実行されると、可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒される。すると、大入賞口15が前方に開放し、可動扉15Tを案内にして大入賞口15に多くの遊技球が入賞可能となる。大入賞口15に遊技球が入賞すると、例えば、1個の入賞につき15個の遊技球が上皿26に払い出される。
なお、各入賞口14A,14B,15,20,21及びアウト口16に取り込まれた遊技球は、球排出ダクト80(図3参照)を介して遊技機10の外部に排出され、図示しない球回収装置に回収される。
図3に示すように、本実施形態の遊技機10は、上述した入賞口14A,14B,15・・や表示装置13等のほかに、可動演出部材の動作により遊技に関する演出を行う2つの可動役物装置を機構枠17に固定して備えている。2つの可動役物装置のうち一方の第1可動役物装置110Sは、第1可動演出部材110を図4に示す通常状態と図7に示す落下状態とに変化させる。第1可動演出部材110は、通常状態では表示画面13Gの上部前方に寄せて配置され、落下状態では表示画面13Gの全体を前側から覆うように配置される。また、2つの可動役物装置のうち他方の第2可動役物装置210Sは、遊技盤11の前面と平行な基準面に沿って第2可動演出部材210を図9に示す退避位置と図10に示す演出位置との間で移動させる。退避位置の第2可動演出部材210は表示画面13Gの外側に配置され、演出位置の第2可動演出部材210は表示画面13Gの前方に配置される。以下、第1可動役物装置110S及び第2可動役物装置210Sについて詳説する。
図4に示すように、第1可動役物装置110Sは、上下方向に直線状に延びた1対の昇降ガイド132,132を間隔をあけて横並びにして備え、それら1対の昇降ガイド部材132,132の間に第1可動演出部材110を差し渡した構造になっている。なお、1対の昇降ガイド部材132,132は、表示画面13Gを左右方向に挟むように機構枠17(図3参照)の左右の辺部に固定され、遊技盤11及び表示装飾枠23(図2参照)の後側に隠れるように配置されている。
図4及び図5に示すように、1対の昇降ガイド部材132,132のうち一方の昇降ガイド部材132には、第1可動演出部材110を上下動させるための昇降機構130が備えられている。本実施形態の例では、昇降機構130は、ボール螺子機構によって構成されていて、図5に示されるように、昇降ガイド部材132内で上下方向に延在するボール螺子133と、ボール螺子133と螺合した図示しないボールナットと、ボール螺子133を回転駆動する昇降用モータ134と、を備えている。
なお、詳細には、図6に示すように、昇降ガイド部材132には、第1可動演出部材110が通常状態のときに、落下用駆動源139K(図27参照)からの駆動力を受けて、第1可動演出部材110の下方への移動を許容する落下許容位置と、第1可動演出部材110の下方への移動を禁止する落下禁止位置と、に配置される落下用ストッパ139が備えられていて、落下用ストッパ139が落下禁止位置に配置されているときには、上述のボールナットがボール螺子133の下端寄り位置に配置される。そして、落下用ストッパ139が落下許容位置に配置されることにより、第1可動演出部材110が自重により落下する。
図6及び図7に示すように、第1可動演出部材110は、前後方向にずれて配置された前側落下部材111と後側落下部材121とがシート状の網体141を介して連絡された構造になっている。図4に示すように、前側落下部材111と後側落下部材121とは、通常状態では、前後に重ねられて、表示画面13Gの上部前方に配置されている。
図6及び図8に示すように、前側落下部材111は、後側に開放したコの字状のフレーム部112と、フレーム部112の前面に固定されたロゴプレート113と、を備え、フレーム部112のうち左右方向で対向する1対の支持対向壁112T,112T(図6及び図8には、一方の支持対向壁112Tのみが示されている。)が、昇降ガイド部材132,132に上下動可能に支持されている。1対の支持対向壁112T,112Tのうち一方の支持対向壁112Tには、昇降ガイド132に取り付けられた前側スライドレール135(図4参照)を上下動するスライダ136が固定されていて、そのスライダ136が、上述したボール螺子133(図5参照)と螺合する図示しないボールナットによって下方から受け止められている。
図6に示すように、後側落下部材121は、前後方向で対向した前面壁121A及び後面壁121Bの上端部同士が天井壁121Cで連絡された構造になっていて、前面壁121Aと後面壁121Bの側部が1対の昇降ガイド部材132,132に上下動可能に支持されている。これにより、後側落下部材121が、昇降ガイド部材132に対し上下動可能となっている。
後側落下部材121は、通常は、前側落下部材111に下方から受け止められることで落下が防止されている。具体的には、図8に示すように、前側落下部材111の支持対向壁112Tの上端部には、後側落下部材121の前面壁121Aに下方から当接可能な当接部115が設けられていて、前側落下部材111の当接部115が後側落下部材121の前面壁121Aを下方から受け止めることで、後側落下部材121の落下が防止されている。
また、後側落下部材121は、前側落下部材111が下方へ移動したときに、昇降ガイド部材132に備えられた受止ストッパ137(図6参照)によって落下が防止される。具体的には、後側落下部材121の後壁121Bの側部は、昇降ガイド部材132に後側から重ねられ、昇降ガイド部材132の後面に形成された後側スライドレール138に支持されている。受止ストッパ137は、昇降ガイド部材132の後面から突出し、後側落下部材121の後壁121Bに下方から当接する。
このように、本実施形態では、後側落下部材121の可動ストロークは、前側落下部材111の可動ストロークよりも小さくなっている。ここで、前側落下部材111の可動ストロークの上端及び下端を「前側上端位置」及び「前側下端位置」と称し、後側落下部材121の可動ストロークの上端及び下端を「後側上端位置」及び「後側下端位置」と称することにすると、第1可動演出部材110は、前側落下部材111が前側上端位置に配置され且つ後側落下部材121が後側上端位置に配置されたときに通常状態(図4参照)となり、前側落下部材111が前側下端位置に配置され且つ後側落下部材121が後側下端位置に配置されたときに落下状態(図7参照)となる。
図7に示すように、網体141は、複数の糸142を格子状に張り巡らせて網地が構成された構造になっていて、四角形状の空洞部である網の目143を有している。また、網体141は、前側落下部材111の後面側で前側落下部材111に取り付けられた芯材150(図6参照)にロール状に巻き取られる。芯材150は、前側落下部材111における1対の支持対向壁112T,112Tの間に回転可能に支持されている。ここで、芯材150の内部には、芯材150を巻き取り方向へ回転付勢する回転付勢バネ(図示せず)が備えられていて、前側落下部材111が上方へ移動すると、芯材150が網体141を自動的に巻き取るようになっている。なお、図6では、網体141が省略して示されている。
次に、第1可動役物装置110Sの動作について説明する。第1可動役物装置110Sは、常には、第1可動演出部材110を通常状態に保持し、所定の落下演出条件が成立すると、後側落下部材121と前側落下部材111を落下させる。具体的には、落下演出条件が成立すると、落下用ストッパ139(図6参照)が落下許容位置へ移動し、後側落下部材121及び前側落下部材111が昇降ガイド部材132に沿って一体に下降する。このとき、後側落下部材121は、下降の途中で、昇降ガイド部材132に備えられた受止ストッパ137にて下方から受け止められて、後側下端位置に位置決めされる。後側落下部材121が後側下端位置に位置決めされると、前側落下部材111が後側落下部材121から分離して下降し、後側落下部材121と前側落下部材111との間の間隔が広がっていく。
前側落下部材111が後側落下部材121から分離して下降すると、芯材150に巻き取られていた網体141が芯材150から繰り出されて、後側落下部材121と前側落下部材111との間に広げられる。そして、前側落下部材111が前側下端位置に配置されると、第1可動演出部材110が落下状態(図7参照)となる。
第1可動演出部材110が落下状態となった後、所定の落下演出終了条件が成立すると、第1可動役物装置110Sは、昇降用モータ134を駆動して前側落下部材111を上昇させる。前側落下部材111は上昇の途中で後側落下部材121を押し上げて後側落下部材121と一体に移動し、前側落下部材111と後側落下部材121とが前側上端位置と後側上端位置とに配置されると、第1可動演出部材110が通常状態(図4参照)へと戻る。このとき、網体141は、上述した回転付勢バネの付勢力によって芯材150に巻き取られる。第1可動演出部材110が通常状態になると、落下用ストッパ139が落下禁止位置に配置され、昇降用モータ134がボールナット(図示せず)をボール螺子133の下端寄り位置まで下降させる。第1可動役物装置110Sの動作に関する説明は以上である。
次に、第2可動役物装置210Sについて説明する。図9に示すように、第2可動役物装置210Sは、機構枠17に固定された固定ベース211と、固定ベース211に回動可能に支持された基端アーム212と、基端アーム212に回動可能に支持された先端アーム213と、を備え、先端アーム213に上述の第2可動演出部材210が支持されている。
図10及び図17に示すように、固定ベース211は、L字状をなして機構枠17の上辺部と左辺部とに重ねて固定され、第1可動演出部材110が通常状態のときに(図4参照)、その第1可動演出部材110と昇降ガイド部材132の後側に隠れるように配置される。なお、第1可動演出部材110が落下状態になると、固定ベース211は前方から視認可能となる。このため、本実施形態では、固定ベース211の前面と機構枠17の上辺部の前面とには、同様の装飾が施されていて、固定ベース211が目立たないようになっている。
基端アーム212は、固定ベース211の下端部から側方へ片持ち梁状に張り出し、固定ベース211の下端部を前後方向に貫通する回転中心軸212Jを中心に回動する(図11(A)及び図11(B)参照)。具体的には、基端アーム212は、固定ベース211から下方に直線状に延びて昇降ガイド部材132の後側に重ねられた基端アーム初期位置(図9参照)と、固定ベース211の下端部から右斜め下方に延びて表示画面13Gの前方に露出した基端アーム作動位置(図10参照)と、の間を回動する。なお、基端アーム212を駆動するためのアーム駆動源211K(図27参照)は固定ベース211に備えられている。
先端アーム213は、基端アーム212の先端部から側方へ片持ち梁状に張り出し、基端アーム212の先端部を前後方向に貫通する回転中心軸213Jを中心に回動する(図11(A)及び図11(B)参照)。詳細には、先端アーム213は、基端アーム212が基端アーム初期位置付近に配置されているときにのみ回動する。
なお、先端アーム213の回動機構は以下のようになっている。即ち、先端アーム213の基端部には、図11(A)に示すように、基端アーム212の長手方向に沿って延びた棒状リンク214が回動可能に取り付けられていて、この棒状リンク214が固定ベース211に連結している。棒状リンク214は、基端アーム212に対して基端アーム212の回動半径方向に移動可能となっていて、通常は、基端アーム212の回動中心軸212Jの近傍に配置されている。そして、図11(B)に示すように、棒状リンク214は、基端アーム212が基端アーム初期位置から回動すると、固定ベース211に備えた棒状リンクガイド部214Gに案内されて回動中心軸212Jから離れる側に移動する。棒状リンク214が回動中心軸212Jから離れる側へ移動すると、その移動に伴って先端アーム213が基端アーム212に対して回動する。
第2可動演出部材210は、先端アーム213の先端部に回転可能に支持されている。具体的には、図11(A)に示すように、先端アーム213の先端部には、前方から見て円形状をなす円盤部213Aが設けられていて、第2可動演出部材210は、円盤部213Aに前側から重ねられて円盤部213Aの中心軸213C回りに回転する。
図12(A)及び図13(A)に示すように、第2可動演出部材210は、外形が縮小された収縮状態(図12(A)参照)と、外形が拡大された拡張状態(図13(A)参照)とに変化する。詳細には、第2可動演出部材210は、先端アーム213の円盤部213Aに重ねられるベース盤221と、サッカーボールを模した形状をなしてベース盤221の前方に配置された可動演出部222と、を備えている。ここで、ベース盤221の前面は遊技盤11の前面と平行になっていて、前方から見て可動演出部222の外形が縮小されたときに第2可動演出部材210は収縮状態となり、前方から見て可動演出部222の外形が拡大されたときに第2可動演出部材210は拡張状態となる(図12(B)及び図13(B)参照)。以下、第2可動演出部材210の拡縮について説明する。なお、本実施形態では、収縮状態が本発明の「通常形態」に相当し、拡張状態が本発明の「回避形態」に相当する。
図14(A)及び図14(B)には、第2可動演出部材210の主要部が模式的に示されている。図14(A)に示されるように、第2可動演出部材210の可動演出部222には、ベース盤221の中央部に重ねられた中央進退部223と、中央進退部223の四方を取り囲むように配置された複数の拡縮変形部230と、が設けられている。
中央進退部223は、ベース盤221に対して前後方向(図14(A)及び図14(B)の上下方向)に移動して、図14(A)に示す前進位置と、図14(B)に示す後退位置とに配置される。具体的には、ベース盤221の中央部には、中央進退部223から後方に突出した後方シャフト223Sを直動可能に支持する直動支持筒224が形成されていて、後方シャフト223Sが駆動されて直動支持筒224の直動支持孔224A内を前進、後退することで、中央進退部223が前後方向に移動するようになっている。なお、後方シャフト223Sを駆動する拡縮駆動源223K(図27参照)は先端アーム213に備えられている。
拡縮変形部230は、内側回動部材231と外側回動部材232とを回動可能に連結した構造になっている。内側回動部材231は、直動支持筒224の外側部分に回動可能に連結され、その連結部位から直動支持孔224Aの径方向外側に張り出している。具体的には、内側回動部材231は、中継部材235を介して中央進退部223からの動力を受けて回動中心軸231Jの回りを回動し、ベース盤221と略平行になった内側倒伏位置(図14(B)参照)と、回動中心軸231Jから離れた側の端部がベース盤221から前方に持ち上げられた内側起立位置(図14(A)参照)とに配置される。
外側回動部材232は、内側回動部材231の張出方向における先端部(即ち、内側回動部材231における回動中心231Jから離れた側の端部)に回動可能に連結され、その連結部位から直動支持孔224Aの径方向外側に張り出している。具体的には、外側回動部材232は、内側回動部材231の回動に伴って回動中心軸232Jの回りを回動し、内側回動部材231が内側倒伏位置に配置されたときに、ベース盤221と略平行になった外側倒伏位置に配置され(図14(B)参照)、内側回動部材231が内側起立位置に配置されたときに、内側回動部材231との連結部位がベース盤221に対して前方に持ち上げられた外側起立位置に配置される(図14(A)参照)。
図14(B)に示すように、中央進退部223が後退位置に配置されて、内側回動部材231と外側回動部材232が内側倒伏位置と外側倒伏位置とに配置されると、拡縮変形部230は、ベース盤221と略平行になって中央進退部223から側方に張り出す拡張姿勢となる。また、図14(A)に示すように、中央進退部223が前進位置に配置されて、内側回動部材231と外側回動部材232とが内側起立位置と外側起立位置とに配置されると、拡縮変形部230は、張出方向(直動支持孔224Aの径方向)の中間部が前側へ突出するように山状に折れ曲がって中央進退部223側へ引き寄せられた収縮姿勢となる。
なお、外側回動部材232の張出方向の先端部は、直動ガイド225によって、ベース盤221に沿って直動支持孔224Aの径方向に案内されるようになっていて、これにより、外側回動部材232の回動の安定化が図られている。直動ガイド225は、ベース盤221に設けられて直動支持筒224から直動支持孔224Aの径方向外側に延びたガイド溝226と、ガイド溝226に係合するスライダ227と、を備えていて、このスライダ227に、外側回動部材232の先端部が回動可能に連結されている。
第2可動演出部材210の拡縮に関する説明は以上である。このように、第2可動役物装置210Sは、第2可動演出部材210を、図9に示す退避位置と図10に示す演出位置との間で移動させると共に、第2可動演出部材210を先端アーム213に対して回転させ、さらに、第2可動演出部材210を、外形が拡大した拡張状態(図13参照)と外形が縮小した収縮状態(図12参照)とに変化させることが可能となっている。
本実施形態の遊技機10では、第1可動演出部材110と第2可動演出部材210の両方を駆動する複合役物演出を実行可能となっている。以下、図3及び図15〜図21を用いて複合役物演出の流れについて説明する。
複合役物演出では、まず、図3から図15への変化に示すように、第2可動演出部材210が退避位置から演出位置へ向かって移動する。このとき、第2可動演出部材210は収縮状態のまま移動する。ここで、図15には、機構枠17に固定された図示しない直動ガイドに沿って横方向に直動可能なスライドバー250が示されている。スライドバー250は、第2可動演出部材210の移動に伴って、常に、先端アーム213の後側に配置されるように移動し、第2可動演出部材210が後側、即ち、表示画面13G側へ移動することを規制する。なお、図19及び図20には、複合役物演出実行時における第1可動演出部材110及び第2可動演出部材210の動作の流れが示されていて、図3及び図15に示した第1可動演出部材110及び第2可動演出部材210を横方向から見た様子が図19(A)及び図19(B)に示されている。
図15から図16への変化に示すように、第2可動演出部材210が退避位置と演出位置との間の第1中間位置に到達すると第2可動演出部材210は、収縮状態から拡張状態へと変化する。ここで、第2可動演出部材210は、第1中間位置より退避位置側では、例えば、機構枠17や球排出ダクト80(図3参照)等の周辺部材との干渉により拡張状態へ変形困難となっている。なお、図示はしないが、第2可動演出部材210は、拡張状態になると、先端アーム213に対して円盤部213Aの中心軸213C(図11(A)参照)を中心として回転する。これにより、拡張状態の第2可動演出部材210において、周方向で隣り合う拡縮変形部230,230同士の間の隙間を目立たなくすることが可能となる。図19(C)には、図16に示した第1可動演出部材110及び第2可動演出部材210を横方向から見た様子が示されている。
第2可動演出部材210が拡張状態になると、図16から図17への変化に示すように、第1可動演出部材110が通常状態から落下状態へと変化する。また、第2可動演出部材210は、拡張状態のまま、第1可動演出部材110の前側落下部材111と網体141の後側を通って演出位置へと移動する。
ここで、図19及び図20に示すように、第2可動演出部材210を支持する先端アーム213の円盤部213Aには、後側に突出した後方突部215が設けられている。そして、第2可動演出部材210が第1中間位置と演出位置との間の第2中間位置へ到達すると、図20(A)に示すように、後方突部215が、第1可動演出部材110における後側落下部材121の後面壁121Bに下方から当接する。このとき、後側落下部材121は、受止ストッパ137(図6参照)に受け止められて後側下端位置に位置決めされている。これにより、後方突部215が後面壁121Bと当接するときの衝撃を低減可能となっている。また、このとき、後側落下部材121が、前側落下部材111により前側から覆われているので、後側落下部材121が受止ストッパ137に受け止められているところを視認困難にすることが可能となっている。なお、本実施形態では、上述したように、第2可動演出部材210は、スライドバー250によって後側への移動が規制されるので、円盤部213Aと後面壁121Bが前後にずれることが抑えられ、円盤部213Aと後面壁121Bとを当接させ易くなっている。
図17から18への変化に示すように、第2可動演出部材210が第2中間位置から演出位置へと移動すると、後方突部215が後側落下部材121を押し上げ(図20(A)から図20(B)への変化を参照)、第2可動演出部材210と後側落下部材121とが一体になって移動する。このとき、後側落下部材121が後側下端位置(図7及び図20(A)参照)から後側上端位置(図4及び図20(B)参照)まで移動する一方、前側落下部材111は前側下端位置(図7及び図20(A)参照)に配置されたままとなり、網体141が前側落下部材111に対して上方に引っ張られる。
第2可動演出部材210が演出位置に到達した後、所定の複合役物演出終了条件が成立すると、複合役物演出が終了する。複合役物演出が終了すると、第1可動役物装置110Sが第1可動演出部材110を通常状態に戻し、第2可動役物装置210Sが第2可動演出部材210を退避位置に戻す。なお、以下では、複合役物演出における第1可動演出部材110及び第2可動演出部材210の動作を「キメ動作」と、複合役物演出終了後の第1可動演出部材110及び第2可動演出部材210の動作を「キメ戻し動作」と、適宜、呼ぶことにする。
ここで、本実施形態では、図19(A)に示すように、収縮状態における第2可動演出部材210と第1可動演出部材110の前側落下部材111とは、前後方向で一部重なるように配置されている。このため、キメ動作を行うにあたって、第2可動演出部材210が収縮状態のときに第1可動演出部材110が落下状態へと変化すると、第2可動演出部材210と前側落下部材111とが衝突して、第1可動演出部材110又は第2可動演出部材210が破損する、という問題が生じ得る。そこで、本実施形態の遊技機10では、第2可動演出部材210が拡張状態になっていることを検出するための拡縮センサ151(図27参照)が設けられていて、キメ動作を行う際には、拡縮センサ151により第2可動演出部材210が拡張状態になっていることが確認されてから、第1可動演出部材110が落下状態へ移行するようになっている。なお、拡縮センサ151は、例えば、先端アーム213の円盤部213Aに備えられている。
詳細には、遊技機10では、第2可動演出部材210が第1中間位置(図15及び図19(B)参照)で拡張状態への変形処理を開始してから予め設定された制限時間T1が経過するまでの間、拡縮センサ151を介して第2可動演出部材210が拡張状態に変形したか否かを監視する。そして、図21(A)に示すように、制限時間T1内に第2可動演出部材210が拡張状態に変形した場合には、第1可動演出部材110を落下状態へと移行させる。一方、図21(B)に示すように、制限時間T1内に第2可動演出部材210が拡張状態に変形しなければ、第1可動演出部材110を通常状態(図4参照)のまま保持する。なお、図22には、後者の場合における第1可動演出部材110及び第2可動演出部材210の動きが示されている(図22(A)には、退避位置の第2可動演出部材210が、図22(B)には、第1中間位置の第2可動演出部材210が、図22(C)には、第1中間位置から演出位置へ向かう第2可動演出部材210が示されている。)。この場合、演出位置へ移動した第2可動演出部材210は、通常状態の第1可動演出部材110と衝突する可能性があるが、落下途中の第1可動演出部材110と衝突する場合と比較して、第1可動演出部材110又は第2可動演出部材210の破損を抑えることが可能となっている。
また、本実施形態の遊技機10では、キメ動作において、第2可動演出部材210が演出位置に配置されたとき、後側落下部材121が第2可動演出部材210にて下方から受け止められ、前側落下部材111が後側落下部材121から下方に分離した状態となっている(図7参照)。従って、キメ戻し動作において、第2可動演出部材210が退避位置へ移動すると、後側落下部材121が下方へずり落ちるように見えてしまい、後側落下部材121の見栄えが悪くなる、という問題が生じ得る。この問題を解決するために、遊技機10では、キメ戻し動作が図23に示した流れで行われる。以下、図23に基づいて、キメ戻し動作について説明する。
図23(A)に示すように、キメ戻し動作では、まず、昇降用モータ134(図6参照)を駆動することにより、第1可動演出部材110の前側落下部材111を上方へ移動させて前側上端位置に配置する。なお、前側落下部材111は、前側上端位置へ向かう途中で第2可動演出部材210と擦れ違うが、キメ動作終了後の第2可動演出部材210は拡張状態になっているので、前側落下部材111と第2可動演出部材210とが衝突することはない。
前側落下部材111は、前側上端位置に近づくと、後側落下部材121及び第2可動演出部材210に前側から重なる。そして、前側落下部材111が後側落下部材121と第2可動演出部材210との当接部分を前側から覆う位置まで到達すると、図23(B)に示すように、第2可動演出部材210を退避位置へ向けて移動させる。第2可動演出部材210が退避位置へ向かって移動すると、第2可動演出部材210に下方から受け止められていた後側落下部材121は、第2可動演出部材210と共に下方へ移動し、その移動直後に前側落下部材111に下方から受け止められる。そして、後側落下部材121は、前側落下部材111と一体に上方へ移動して、後側上端位置に配置される(図23(C)参照)。第2可動演出部材210は、退避位置へ移動する途中で、収縮状態へと変形する(図23(C)から図23(D)への変化を参照)。
このように、本実施形態では、第2可動演出部材210が退避位置へ向けて移動するより前に、前側落下部材111が前側上端位置へ向けて移動するので、後側落下部材121が第2可動演出部材210と共に下方へ移動した直後に、前側落下部材111で後側落下部材121を受け止めることが可能となる。これにより、後側落下部材121がずり落ちる印象を遊技者に与えることを抑えて、後側落下部材121の見栄えを向上させることが可能となる。
ところで、キメ動作やキメ戻し動作の最中に、例えば、停電等により電源がオフされると、次に電源がオンされたときに、第1可動演出部材110及び第2可動演出部材210が初期位置(第1可動演出部材110においては通常状態時の位置であり、第2可動演出部材210においては退避位置)とは異なる位置に配置されることになり、各可動演出部材110,210の位置制御が困難になる。このような事情に鑑みて、遊技機10は、電源がオンされたときに、まず、第1可動演出部材110及び第2可動演出部材210を初期位置(原点位置)に配置する「原点配置動作」を実行するように構成されている。
図24〜図25には、原点配置動作の例が示されている。図24(A)に示すように、本例では、第2可動演出部材210が演出位置に配置されていて、原点配置動作が行われると、まず、図24(A)から図24(B)への変化に示すように、第2可動演出部材210を拡張状態にする。なお、この動作は、原点配置動作の開始時に第2可動演出部材210が既に拡張状態になっている場合であっても、確認的に行われる。
第2可動演出部材210が拡張状態にされると、次いで、第1可動演出部材110を通常状態にする。具体的には、図24(B)の矢印で示すように、前側落下部材111を前側上端位置へ向けて上昇させる。このとき、第2可動演出部材210は拡張状態になっているので、前側落下部材111は、第2可動演出部材210と擦れ違う際に第2可動演出部材210と干渉することがない。
前側落下部材111が前側上端位置に配置されて第1可動演出部材110が通常状態になると、次いで、第2可動演出部材210を退避位置へ向けて移動させる(図24(C)参照)。このとき、図25(A)に示すように、第2可動演出部材210を第1中間位置まで移動させると、第2可動演出部材210を一時停止させる。そして、図25(A)から図25(B)への変化に示すように、第1中間位置で第2可動演出部材210を拡張状態から収縮状態へと変化させる。第2可動演出部材210が収縮状態になると、再び、第2可動演出部材210を移動させて、退避位置に配置する(図25(C)参照)。以上により、原点配置動作が終了する。
図26には、原点配置動作の別の例が示されている。本例では、原点配置動作の開始時、第2可動演出部材210が第1中間位置よりも退避位置側(即ち、下側)に配置されている。従って、第2可動演出部材210は、必然的に、収縮状態になっている。原点配置動作が開始されると、図26(A)から図26(B)への変化に示すように、第2可動演出部材210を変形させることなく、前側落下部材111を前側上端位置まで上昇させて第1可動演出部材110を通常状態にする。第1可動演出部材110が通常状態になると、図26(C)に示すように、第2可動演出部材210を退避位置へと移動させる。以上により、原点配置動作が終了する。
次に、上述した各動作を実行するための遊技機10の電気的な構成と遊技機10が実行する処理について説明する。
図27には、遊技機10の電気的な構成が示されている。符号50は、主制御基板50であって、CPU51AとRAM51B及びROM51C、複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータとサブ制御基板52を結ぶ入出力回路と、大入賞口15等が接続された中継回路及び払出制御基板等を結ぶ入出力回路とを備え、遊技に関わる主制御を行う。CPU51Aは、当否判定部、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、特別図柄当りや普通図柄当りに関する乱数等も生成し、制御信号をサブ制御基板52等へ出力(送信)可能に構成されている。RAM51Bは、CPU51Aで生成される各種乱数値用の記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域やフラグ、CPU51Aの作業領域を備える。ROM51Cには、CPU51Aが実行するメインプログラムや、制御データ等が書き込まれている他、特別図柄当り及び普通図柄当りの判定値が書き込まれている。
サブ制御基板52は、主制御基板50と同様に、CPU52AとRAM52B、ROM52C、複数のカウンタを備えたマイクロコンピュータと、前記マイクロコンピュータと主制御基板50を結ぶ入出力回路と、表示制御基板54及びランプ制御回路等を結ぶ入出力回路を備えている。後者の入出力回路は、第1可動演出部材110に関する昇降用モータ134及び落下用駆動源139Kや、第2可動演出部材210に関する拡縮センサ151、位置検出センサ152、拡縮駆動源223K及びアーム駆動源211K等にも接続されている。CPU52Aは、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、制御信号を表示制御基板54及びランプ制御回路、音声制御回路等へ出力(送信)可能に構成されている。RAM52Bは、各種データの記憶領域とCPU52Aによる作業領域を有している。ROM52Cには、CPU52Aが実行する後述のサブ制御基板メインプログラムPG2(図28参照)や各種演出の制御データ等が記憶されている。
表示制御基板54は、表示装置13に設けられていて、サブ制御基板52からの制御信号に基づきCPUがROMから所定の表示制御データを読み出し、RAMの記憶領域で制御用データを生成してVDP(図示せず)に出力する。VDPは、CPUからの指令に基づいてROMから必要なデータを読み出し、表示画面13Gで表示する表示画像(特別図柄、大当り遊技演出を含む各種演出等)のマップデータを作成し、VRAMに格納する。VRAMに格納記憶された画像データは、入出力回路に備えるD/A変換回路にてRGB信号に変換されて表示画面13Gに出力される。
なお、主制御基板50、サブ制御基板52、表示制御基板54及びその他の回路(図27の音声制御回路、ランプ制御回路等)は、電源基板60からの電源供給を受けて作動する。
上記した本実施形態の遊技機10の動作を実現するため、サブ制御基板52は、上記したサブ制御基板メインプログラムPG2を実行して、情報を処理している。以下、サブ制御基板52における情報処理について説明する。
サブ制御基板52に備えられたCPU52Aは、図28に示したサブ制御基板メインプログラムPG2を、ROM52Cから読み出し実行する。このサブ制御基板メインプログラムPG2では、まずCPU52Aの初期化処理(S21)が行われる。ここでは、CPU52Aの設定や、SIO、PIO及びCTC(割込み時間用コントローラ)等の設定、並びに各種フラグ及びカウンタ値のリセット等が行われる。次に、ステップS22にて、電源断によりRAM52Bにバックアップされたデータが正常か否かを判断する。正常であれば(S22でYes)、ステップS24へ進み、RAM52Bの内容が正常でなければ(S22でno)、RAM52Bを初期化し、各種フラグ及びカウンタ値がリセットされ(S23)、ステップS24へ進む。ステップS24では、ウォッチドッグタイマカウンタ1,2の初期化が行われる。なお、これらステップS21〜S24は、サブ制御基板メインプログラムPG2が、電源投入後の1回目にランされたときだけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS21〜S24によって初期設定が終了すると、割込みが禁止され(S25)、乱数シード更新処理(S26)が実行される。この処理(S26)では、表示画面13Gで行われる演出を、複数の演出候補の中から選択する際に必要な乱数値が更新される。ステップS26が終了すると、コマンド送信処理(S27)が実行される。この処理(S27)では、表示制御基板54、ランプ制御回路、音声制御回路等に各種コマンドを送信する。ステップS27が終了すると、ウォッチドッグタイマカウンタ1,2の初期化が行われる(S28)。ステップS28が終了すると、割込み許可(S29)を行う。そして、これら処理(S25〜S29)を無限ループで繰り返す。
サブ制御基板メインプログラムPG2では、上述したステップS25〜S29の無限ループに対して、受信割込み処理(S30)、2msタイマ割込み処理(S31)、10msタイマ割込み処理(S32)が割り込んで実行される。受信割込み処理(S30)は、サブ制御基板52が主制御基板50からストローブ信号を受けると、他の割込み処理(S31,S32)より優先して実行される。また、2msタイマ割込み処理(S31)は、10msタイマ割込み処理(S32)より優先して実行され、10msタイマ割込み処理(S32)は、2msタイマ割込み処理(S31)間の残余時間に割り込んで実行される。
受信割込み処理(S30)は、図29に示すように、まず、ストローブ信号をチェックし(S301)、ストローブ信号がオンであれば(S301でYes)、主制御基板50からサブ制御基板52に送られた制御信号(変動態様や特別図柄当否判定に関するデータ、コマンド等)を取り込み、RAM52Bに格納する(S302)。ストローブ信号がオンでなければ(S301でNo)、そのままこの処理(S30)を抜ける。
2msタイマ割込み処理(S31)は、サブ制御基板52に2msec周期の割込みパルスが入力される度に実行される。図30に示すように、この処理(S31)では、入力処理(S311)、ランプデータ出力処理(S312)、駆動処理(S313)、3D変換IC処理(S314)、ウォッチドッグタイマ処理(S315)が実行される。入力処理(S311)では、スイッチ状態に基づく処理を実行するためのスイッチデータをRAM52Bに入力する。スイッチデータは10msタイマ割込み処理(S32)で作成される。ランプデータ出力処理(S312)では、10msタイマ割込み処理(S32)で作成したランプデータの出力を行う。駆動処理(S313)では、10msタイマ割込み処理(S32)で作成された第1可動役物装置110S、第2可動役物装置210S等の役物装置を駆動するための駆動用データの出力を行う。3D変換IC処理(S314)では、3D表示用の画像データの作成、出力等を行う。ウォッチドッグタイマ処理(S315)では、ウォッチドッグタイマをリセットする。
10msタイマ割込み処理(S32)は、サブ制御基板52に10msec周期の割込みパルスが入力される度に実行される。図31に示すように、この処理(S32)では、まず、メインコマンド解析処理(S41)が行われ、その後、本発明に深く関係しないその他の処理(ランプデータ作成処理等)が行われる(S42)。ステップS42が終了すると、ウォッチドッグタイマカウンタ2の初期化(S43)が行われ、この処理(S32)を抜ける。
以下、上述のメインコマンド解析処理(S41)について、説明する。この処理(S41)では、上述の受信割込み処理(S30)で受信したコマンドの解析処理及び動作設定を行う。
メインコマンド解析処理(S41)では、主制御基板50から受信した全ての受信コマンドについて順に処理が行われる。具体的には、メインコマンド解析処理(S41)では、図32に示すように、まず、最初の受信コマンドについて、上位コマンドであるか否かが判断される(S51)。上位コマンドである場合(S51でYes)には、上位コマンド格納変数に受信コマンドを保持して(S52)から、ステップS56へ進む。一方、上位コマンドでない場合(S51でNo)には、下位コマンド格納変数に受信コマンド(下位コマンド)を保持し(S53)、その受信コマンドが正しいか否かを判断する(S54)。その受信コマンドが正しくない場合(S54でNo)、ステップS56へ進む。その受信コマンドが正しい場合(S54でYes)には、その受信コマンド(下位コマンド)について、上位コマンド格納変数に保持されている上位コマンドに応じた処理(S55)を実行し、その後ステップS56へと進む。
ステップS56では、上述の受信割込み処理(S30)で受信したコマンドが全て処理されたか否かが判断される。全て処理された場合(S56でYes)には、このメインコマンド解析処理(S41)から抜ける。全て処理されていない場合(S56でNo)には、ステップS51に戻り、受信割込み処理(S30)で受信した受信コマンドにおける処理されていない受信コマンドのうち処理順が最先の受信コマンドについて、上述した処理(ステップS51〜S56の処理)を実行する。このようにして、受信割込み処理(S30)で受信したコマンド全てが処理されるまで、ステップS51〜S56が繰り返される。
図33には、上位コマンドが特別図柄の変動に関するコマンドである場合の上位コマンドに応じた処理(S55A)が示されている。この処理(S55A)では、サブ変動コマンド抽選(S61)、予告抽選(S62)、予告コマンド選定(S63)、電飾・駆動用タイマシナリオ設定(S64)、サブ変動コマンド設定(S65)が、順に実行される。
サブ変動コマンド抽選(S61)では、特別図柄の変動に関する演出の抽選が行われる。予告抽選(S62)では、表示画面13Gにて特別図柄の変動中に行われる予告演出についての抽選が行われる。予告コマンド設定(S63)では、その予告抽選結果に基づいた予告コマンドが設定される。電飾・駆動用タイマシナリオ設定(S64)では、第1可動演出部材110と第2可動演出部材210の動作やランプについての処理が行われる。サブ変動コマンド設定(S65)では、サブ変動コマンド抽選(S61)で抽選されたサブ変動コマンドが設定される。
以下、電飾・駆動用タイマシナリオ設定(S64)で行われる処理のうち、第1可動演出部材110と第2可動演出部材210のキメ動作(図19〜図20参照)、キメ戻し動作(図23参照)及び原点配置動作(図24〜図26参照)についての処理を説明する。
図34には、キメ動作処理(S70)が示されている。この処理(S70)では、まず、ボール出現処理(S71)を実行する。ボール出現処理(S71)では、アーム駆動源211K(図27参照)を駆動して、収縮状態の第2可動演出部材210を退避位置から演出位置へ移動させる。そして、ボール出現処理(S71)の実行から所定時間が経過すると、ボール拡張処理(S72)を実行する。ボール拡張処理(S72)では、拡縮駆動源223Kを駆動して、第2可動演出部材210の通常状態から拡張状態への変形を開始する。なお、ボール出現処理(S71)の実行からボール拡張処理(S72)が実行されるまでの所定時間は、例えば、第2可動演出部材210が退避位置から第1中間位置へ移動するまでかかる見込みの時間に設定されている。
ボール拡張処理(S72)が実行されると、次いで、ボール拡張処理(S72)の実行から制限時間T1が経過したか否かが判断される(S73)。そして、制限時間T1が経過している場合には(S73でNo)、このキメ動作処理(S70)を終了する。この場合、第1可動演出部材110は、通常状態のままで移動しない。なお、詳細には、サブ制御回路52には、制限時間T1を計測するためのカウンタが設けられていて、このカウンタは、10msタイマ割込み処理(S32)でキメ動作処理(S70)が実行される度に1つ加算される。そして、ステップS73において、カウンタが規定数に達していれば、制限時間T1が経過したと判断し、カウンタの数をゼロにリセットしてから、キメ動作処理(S70)を終了する。ここで、上述のボール出現処理(S71)及びボール拡張処理(S72)は、カウンタがゼロの場合にのみ実行され、カウンタがゼロより大きい場合には実行されない。
一方、ボール拡張処理(S72)の実行から制限時間T1が経過していない場合、即ち、制限時間T1内である場合(S73でYes)には、第2可動演出部材210が拡張状態になっていることが拡縮センサ151により検出されたか否かが判断される(S74)。拡縮センサ151による検出がされていない場合(S74でNo)、このキメ動作処理(S70)を終了する。拡縮センサ151による検出がされた場合(S74でYes)には、ロゴ落下処理(S75)を行って、このキメ動作処理(S70)が終了する。ロゴ落下処理(S75)では、落下用駆動源139Kを駆動して、第1可動演出部材110を通常状態から落下状態へと移行させる。これにより、キメ動作が完了する。キメ動作処理(S70)に関する説明は以上である。
次に、キメ戻し動作処理(S80)について図35を参照しつつ説明する。この処理(S80)では、まず、ロゴ戻し処理(S81)が行われる。ロゴ戻し処理(S81)では、昇降用モータ134(図5及び図27参照)を駆動して、第1可動演出部材110の前側落下部材111を前側上端位置へと移動させる。ロゴ戻し処理(S81)が実行されてから所要見込み時間が経過すると、ボール戻し処理(S82)が実行される。ボール戻し処理(S82)では、アーム駆動源211K(図27参照)を駆動して、拡張状態の第2可動演出部材210を演出位置から退避位置へと移動させる。なお、所要見込み時間は、ロゴ戻し処理(S81)が実行されてから、前側落下部材111が後側落下部材121と第2可動演出部材210との当接部分を前側から覆う位置に到達するまでに要すると想定される時間に設定されている。
ボール戻し処理(S82)が実行されてから所定時間が経過すると、ボール収縮処理(S83)が実行されて、キメ動作戻し処理(S80)が終了する。ボール収縮処理(S83)では、拡縮駆動源223Kを駆動して、第2可動演出部材210を拡張状態から収縮状態に変形させる。なお、ボール戻し処理(S82)の実行からボール収縮処理(S83)が実行されるまでの所定時間は、第2可動演出部材210が前側落下部材111とすれ違った後で、且つ、第1中間位置へ到達するまでの時間であればよく、例えば、第2可動演出部材210が前側落下部材111とのすれ違いを完了する見込みの時間に設定されている。キメ動作戻し処理(S80)に関する説明は以上である。
次に、原点配置動作処理(S100)について図36を参照しつつ説明する。この原点配置動作処理(S100)では、まず、第2可動演出部材210が拡張可能な位置(即ち、第1中間位置から演出位置側の位置)に配置されているか否かが判断される(S101)。第2可動演出部材210の位置の検出は、位置検出センサ152(図27参照)により行われる。なお、位置検出センサ152は、例えば、アーム駆動源211Kとしてのモータに備えられたレゾルバ等の回転角検出子により構成される。
第2可動演出部材210が拡張可能な位置に配置されている場合(S101でYes)、ボール拡張処理(S102)が行われる。ボール拡張処理(S102)では、拡縮駆動源223Kを駆動して、第2可動演出部材210を拡張状態にする。なお、ボール拡張処理(S102)は、第2可動演出部材210が既に拡張状態であっても実行される。
ボール拡張処理(S102)が終了すると、ロゴ原点配置処理(S103)、ボール固定処理(S104)が順に実行される。ロゴ原点配置処理(S103)では、昇降用モータ134を駆動して、前側落下部材111を前側上端位置へ向けて上昇させる。ボール固定処理(S104)では、拡縮駆動源223K及びアーム駆動源211Kを制御して、第2可動演出部材210の形態を拡張状態に保持すると共に、第2可動演出部材210が変位しないように第2可動演出部材210の位置を固定する。なお、ロゴ原点配置処理(S103)とボール固定処理(S104)の順番は逆になっていてもよい。
ボール固定処理(S104)の実行後、前側落下部材111が前側上端位置に配置されると、ロゴガイド原点配置処理(S105)が実行される。ロゴガイド原点配置処理(S105)では、昇降用モータ134を駆動して、ボール螺子133(図5参照)に螺合するボールナットをボール螺子133の下端寄り位置に配置する。
ロゴガイド原点配置処理(S105)が実行されると、次いで、ボール待機位置配置処理(S106)が行われる。ボール待機位置配置処理(S106)では、アーム駆動源211Kを駆動して、第2可動演出部材210を第1中間位置へ移動させる。ボール待機位置配置処理(S106)が終了すると、ボール収縮処理(S110)が行われる。
一方、ステップS101において、第2可動演出部材210が拡張可能な位置に配置されていないと判断された場合、即ち、第1中間位置よりも退避位置側に配置されている場合(S101でNo)は、ロゴ原点配置処理(S107)、ボール固定処理(S108)、ロゴガイド原点配置処理(S109)が順に行われて、ボール収縮処理(S110)が行われる。ここで、ステップS107〜S109の各処理は、それぞれ上述のステップS103〜S105の各処理と同じになっている。従って、原点配置動作処理(S100)の開始時において、第2可動演出部材210が第1中間位置よりも退避位置側に配置されている場合(S101でNo)には、第2可動演出部材210の拡張を行うことなく前側落下部材111を移動させ、第2可動演出部材210を移動させることなくボール収縮処理(S110)を行うことになる。
ボール収縮処理(S110)では、拡縮駆動源223Kを駆動して、第2可動演出部材210を収縮状態にする。なお、ボール収縮処理(S110)は、第2可動演出部材210が既に収縮状態であっても実行される。
ボール収縮処理(S110)が終了すると、次いで、ボール退避位置配置処理(S111)、ボール回転原点配置処理(S112)が順に実行されて、この原点配置動作処理(S100)を終了する。ボール退避位置配置処理(S111)では、アーム駆動源211Kを駆動して、第2可動演出部材210を退避位置に配置する。ボール回転原点配置処理(S112)では、先端アーム213の円盤部213A(図11参照)に対する第2可動演出部材210の回転位置が予め設定された原点位置に戻される。原点配置動作処理(S100)に関する説明は以上である。
以上が、サブ制御基板52が実行するサブ制御基板メインプログラムPG2についての説明である。このように、本実施形態の遊技機10では、サブ制御基板52が、キメ動作処理(図34参照)、キメ戻し動作処理(図35参照)及び原点配置動作処理(図36参照)を実行することで、第1可動演出部材110及び第2可動演出部材210がキメ動作(図19〜図20及び図22参照)、キメ戻し動作(図23参照)及び原点配置動作(図24〜図26参照)を行うように構成されている。
なお、本実施形態の遊技機10では、前側落下部材111と第2可動演出部材210とがそれぞれ、本発明に係る「第1部材」と「第2部材」とに相当し、第2可動演出部材210の退避位置(図3参照)と演出位置(図18参照)とがそれぞれ、本発明の「原点位置」と「作動位置」に相当する。また、本実施形態では、電源がオンされたことが「原点配置条件」に相当し、位置検出センサ152が本発明の「位置検出手段」に相当し、原点配置動作処理(ステップS100。図36参照)実行しているときのサブ制御基板52が本発明の「原点配置手段」に相当する。
遊技機10の構成に関する説明は以上である。次に、本実施形態の遊技機10の作用効果について説明する。
本実施形態の遊技機10では、第2可動演出部材210は、第1中間位置より演出位置側で第1可動演出部材110の前側落下部材111と擦れ違い可能に構成され、前側落下部材111と擦れ違う際には、収縮状態から拡張状態に変形する。そして、本実施形態では、前側落下部材111と第2可動演出部材210とを前側上端位置と退避位置とに配置する際、第2可動演出部材210が第1中間位置から演出位置までの区間にある場合には、第2可動演出部材210を拡張状態に変形させてから前側落下部材111を移動させるので、前側落下部材111と第2可動演出部材210との干渉を防止することが可能となる。また、第2可動演出部材210が第1中間位置から演出位置までの区間にない場合、即ち、第1中間位置よりも退避位置側にある場合には、第2可動演出部材210を変形させることなく前側落下部材111を移動させるので、前側落下部材111を早く前側上端位置に戻すことが可能となる。
また、本実施形態では、第2可動演出部材210が、第1中間位置よりも退避位置側で拡張状態へ変形不能であって、第1中間位置から演出位置までの区間で拡張状態へ変形可能に構成されているので、第2可動演出部材210が拡張状態へ変形可能な位置にあるか否かを検出するための位置検出センサ152を利用して、原点配置動作を実行することが可能となる。
また、本実施形態によれば、前後方向で前側落下部材111と第2可動演出部材210との間隔を狭くすることが可能となり、前側落下部材111と第2可動演出部材210の移動に必要なスペースを小さくして、遊技機10全体のスペースの有効活用を図ることが可能となる。
[他の実施形態]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、本発明の「基準位置」が、第1中間位置であったが、第2可動部材が、回避形態に変形可能な位置で、且つ、前側落下部材111と擦れ違い可能な範囲よりも退避位置側の位置であれば、第1中間位置以外の位置でもよい。
(2)上記実施形態では、原点配置動作処理において、演出位置から退避位置側へ移動してきた第2可動演出部材210が、拡張状態から収縮状態に変形する位置が、第1中間位置であったが、第2可動演出部材210が前側落下部材111と擦れ違った後であれば、第1中間位置より演出位置側であってもよい。
(3)上記実施形態では、第2可動演出部材210と前側落下部材111とが、上下方向に擦れ違う構成であったが、左右方向に擦れ違う構成であってもよい。
(4)上記実施形態では、前側落下部材111と第2可動演出部材210とが擦れ違いの際に前後方向に重なる構成であったが、左右方向に重なる構成であってもよい。
(5)上記実施形態では、本発明に係る第1可動部材と第2可動部材とが、共に、上下方向に移動する構成であったが、両部材が擦れ違い可能であれば、左右方向や前後方向に移動する構成であってもよい。
(6)上記実施形態では、本発明に係る第1可動部材と第2可動部材とが、同方向(上下方向)に移動する構成であったが、両部材が擦れ違い可能であれば、異なる方向、例えば、上下方向と左右方向に移動する構成であってもよい。
(7)上記実施形態では、本発明に係る「原点配置条件」が、電源がオンされたことであったが、不正行為等の異常事態が発生したことであってもよい。
<上記各実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下では、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
以下の特徴A群は、「原点位置と作動位置との間を移動可能な可動部材を備えた遊技機」に関し、「特許文献1の遊技機では、2つの可動部材が、各原点位置から各作動位置へと移動するときに、互いに擦れ違い可能になっている。そして、遊技機電源がオンされた際に、各可動部材を各原点位置に配置する原点配置が行われる。」という背景技術について、「特許文献1の遊技機において、2つの可動部材の構成として、互いに擦れ違う際に、それらのうち一方を他方との干渉を回避するために通常形態から回避形態に変形させる構成にすることが考えられる。しかしながら、このような構成では、一方の可動部材が通常状態のまま停電等で遊技機電源がオフされると、遊技機電源オンの際の原点配置において、2つの可動部材同士が干渉してしまう虞があった。」という課題をもってなされたものである。
特徴A1:第1原点位置と第1作動位置との間を移動可能な第1可動部材(前側落下部材111)と、
第2原点位置と第2作動位置との間を移動可能かつ可動ストロークの途中の所定位置より前記第2作動位置側で前記第1可動部材と擦れ違い可能であって、その擦れ違いの際に前記第1可動部材との干渉を避けるために通常形態から回避形態へ変形する第2可動部材(第2可動演出部材210)と、
原点配置条件が成立したときに、前記第1可動部材と前記第2可動部材とを前記第1原点位置と前記第2原点位置とに配置する原点配置手段(サブ制御基板52)と、を備えた遊技機(遊技機10)であって、
前記第2可動部材が前記第2原点位置と前記所定位置との間に設定された基準位置から前記第2作動位置までの区間にあることを検出する位置検出手段(位置検出センサ152)を備え、
前記原点配置手段は、前記第2可動部材が前記基準位置から前記第2作動位置までの区間にあることが前記位置検出手段により検出されたときには、前記第2可動部材を前記回避形態に変形させてから前記第1可動部材を前記第1原点位置へと移動させる一方、前記第2可動部材が前記基準位置から前記第2作動位置までの区間にないことが前記位置検出手段により検出されたときには、前記第2可動部材の変形を行わずに前記第1可動部材を前記第1原点位置へと移動させることを特徴とする遊技機。
本特徴の構成では、第2可動部材は、可動ストロークの途中の所定位置より第2作動位置側で第1可動部材と擦れ違い可能に構成され、第1可動部材と擦れ違う際には、通常形態から回避形態に変形する。そして、本発明では、第1可動部材と第2可動部材とを第1原点位置と第2原点位置とに配置する際、第2可動部材が基準位置から第2作動位置までの区間にある場合には、第2可動部材を回避形態に変形させてから第1可動部材を移動させるので、第1可動部材と第2可動部材との干渉を防止することが可能となる。また、第2可動部材が基準位置から第2作動位置までの区間にない場合、即ち、基準位置よりも第2原点位置側にある場合には、第2可動部材を変形させることなく第1可動部材を移動させるので、第1可動部材を早く第1原点位置に戻すことが可能となる。
特徴A2:前記第2可動部材は、前記第2原点位置に配置された状態で前記通常形態に保持されると共に、前記基準位置より前記第2原点位置側に配置されたときには、前記第1可動部材及び前記第2可動部材とは異なる他の部材に近接して前記回避形態へ変形不能であって、前記基準位置から前記第2作動位置までの区間に配置されたときには、前記他の部材から離れて前記回避形態へ変形可能に構成され、
前記原点配置手段は、前記基準位置から前記第2作動位置までの区間に配置された前記第2可動部材を前記第2原点位置へ移動させる場合に、前記基準位置で前記第2可動部材を前記通常形態に変形させることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
本特徴の構成によれば、第2可動部材が回避形態へ変形可能な位置にあるか否かを検出するためのセンサを位置検出手段として利用することが可能となる。
特徴A3:前記第2可動部材は、前記通常形態から前記回避形態へ変形するときに前記第2可動部材の移動方向と直交する第1方向の厚さが薄くなるように構成され、前記第1可動部材と擦れ違う際に前記第1方向で前記第1可動部材に重ねられることを特徴とする特徴A1又はA2に記載の遊技機。
本特徴の構成によれば、第1方向で第1可動部材と第2可動部材との間隔を狭くすることが可能となり、第1可動部材と第2可動部材の移動に必要なスペースを小さくして、遊技機全体のスペースの有効活用を図ることが可能となる。
特徴A4:前記原点配置条件は、少なくとも遊技機電源がオンされたときに成立することを特徴とする特徴A1乃至A3のうち何れか1に記載の遊技機。
本特徴の構成によれば、遊技機電源がオンされたときに、第1可動部材と第2可動部材をそれぞれ第1原点位置と第2原点位置に配置することが可能となるので、両可動部材を良好に作動させることが可能となる。