以下、本発明の一実施形態にかかる遊技機1について図面を参照して詳細に説明する。
(遊技機の全体構成)
図1を参照して遊技機1の全体構成について簡単に説明する。遊技機1は遊技盤90を備える。遊技盤90は、ほぼ正方形の合板により成形されており、発射装置の操作によって発射された遊技球を遊技領域902に案内する金属製の薄板からなる帯状のガイドレール903が略円弧形状となるように設けられている。
遊技領域902には、表示装置91、第一始動入賞口904、第二始動入賞口905、大入賞口906、アウト口907などが設けられている。表示装置91は、例えば液晶表示装置が用いられ、表示装置91の表示画面において特別図柄や普通図柄等が表示される。かかる表示装置91の表示画面は、遊技盤90に形成された開口901を通じて視認可能である。
また、遊技領域902には、流下する遊技球が衝突することにより遊技球の流下態様に変化を与える障害物としての遊技釘が複数設けられている。遊技領域902を流下する遊技球は、遊技釘に衝突したときの条件に応じて様々な態様に変化する。
このような遊技機1では、発射装置を操作することにより遊技領域902に向けて遊技球を発射する。遊技領域902を流下する遊技球が、始動入賞口904、905や大入賞口906等の入賞口に入賞すると、所定の数の賞球が払出装置により払い出される。始動入賞口904、905に遊技球が入賞したときには大当たりの抽選(特別図柄揃いの抽選)も行われる。以下に特に明示した場合を除き、各種抽選方法や演出等は、公知の遊技機と同様のものが適用できるため、説明は省略する。
(演出ユニット)
本実施形態にかかる遊技機1は、所定の演出実行時に表示装置91の表示画面の前方に進出し、遊技盤90の開口901を通じて視認可能となる演出ユニット2を備える。以下、この演出ユニット2の構成および動作ついて説明する。
演出ユニット2は、第一演出体3および第二演出体4を有する。本実施形態における第一演出体3は、幅方向に長い略長方形状の部材である。本実施形態では、第一演出体3の一方側の面は、装飾が施された装飾部31である。第一演出体3は、第二演出体4とともに演出効果を高める部材として機能する。第一演出体3の他方側の面には、窪み32が形成されており、当該窪み32内に第二演出体4が設けられる。第二演出体4は、当該窪み32内において第一演出体3に対し回転自在である。窪み32は、回転する第一演出体3に干渉しないような形状に形成されている。
第一演出体3は、その前面(外側の面)に表示部41が設けられた部材である。表示部41は、画像が表示可能な部分であり、本実施形態では液晶表示装置が用いられている。第一演出体3が第二演出体4に対し回転すると、この表示部41も回転する。第一演出体3に対して第二演出体4を回転させるための機構は、特定の方法に限定されない。本実施形態では、第一演出体3内部に図示されない第二演出体回転用モータが内蔵されており、当該モータの駆動力が第二演出体4に伝達されることにより、第一演出体3に対して第二演出体4が回転する。
この第一演出体3および第二演出体4を有する演出ユニット2全体は、ユニット駆動機構によって動作する。ユニット駆動機構は、駆動源であるスライド用モータ(図示せず)、レール21、支持部材22、およびユニット回転用モータ(図示せず)を有する。スライド用モータおよびレール21は、遊技盤90の後方に設けられたセンターベース92に固定されている。レール21は、センターベース92の上側に、上下方向に沿って二つ設けられている。支持部材22は、演出ユニット2(第一演出体3)の左側に接続される一方の部分と、右側に接続される他方の部分とを含む。一方の部分は左側のレール21に、他方の部分は右側のレール21に係合されている。つまり、支持部材22は、レール21に誘導されることにより、上下方向に移動可能である。スライド用モータの動力は、図示されない歯車等の動力伝達機構を介してレール21に伝達される。これにより、支持部材22は上下方向に移動する。支持部材22には演出ユニット2が接続されているため、スライド用モータの駆動によって演出ユニット2全体が上下方向に移動する。つまり、演出ユニット2全体は、遊技盤90の上側に覆われる上端位置と、遊技盤90の下側に移動し、遊技盤90の開口901を通じて視認可能となる下端位置との間を移動可能である。
演出ユニット2(第一演出体3)は、支持部材22に挟まれるようにして、当該支持部材22に対し回転自在に支持されている。支持部材22の一方の部分には、ユニット回転用モータが取り付けられている。このユニット回転用モータを駆動させることにより、演出ユニット2が支持部材22に対して回転する。演出ユニット2が遊技盤90の上側に覆われる位置に位置するとき、センターベース92によって演出ユニット2の回転は阻害される。演出ユニット2が下側に移動したときは、支持部材22に対し演出ユニット2が回転可能となる。つまり、演出ユニット2は、第一演出体3に形成された装飾部31を前方に向けた状態、または第二演出体4に設けられた表示部41を前方に向けた状態のいずれかに変位可能である。
このように構成される演出ユニット2の動作は以下の通りである。まず、演出ユニット2の一連の動作(通常動作)について説明する。演出ユニット2が図2に示す原位置に位置するとき、当該演出ユニット2は、遊技盤90に覆われて遊技者からは視認困難な状態にある。なお、演出ユニット2は、第一演出体3の装飾部31が前方を向いた状態にある。
ここからスライド用モータを駆動(正転)し、支持部材22とともに演出ユニット2全体を下方に移動させる。そうすると、遊技盤90の開口901を通じて演出ユニット2が視認可能な状態となる。つまり、装飾部31を前方に向けた第一演出体3が表示装置91に重なった状態となる(第一段階)(図3参照)。なお、第二演出体4は、第一演出体3の後方に位置するため、視認することが困難な状態にある。
この状態でユニット回転用モータを駆動(正転)させ、支持部材22に対し演出ユニット2全体を回転させる。これにより、第二演出体4の表示部41が前方に位置した状態となる。つまり、第一演出体3および表示部41を前方に向けた第二演出体4が表示装置91に重なった状態となる(第二段階)(図4参照)。
この後、第二演出体回転用モータを駆動させ、表示部41を前方に向けた第二演出体4を第一演出体3に対し回転させる(第三段階)(図5参照)。つまり、かかる動作は、第一演出体3に対し、第二演出体4が相対的に変位する動作である。これにより、表示部41に表示された画像が、表示装置91の前方で回転している演出効果が発現される。第一演出体3に対する第二演出体4の回転量は、180度×a(aは自然数)になるように設定される。本実施形態では、第一演出体3に対し、第二演出体4が四回転(360度×4(180度×8))するように設定される。そのため、第一演出体3に対する第二演出体4の回転が開始される時点(本発明における第一時点に相当する)の演出ユニット2の態様(図4に示した態様)は、当該回転が完了した時点(本発明における第二時点に相当する)の演出ユニット2の態様(図6に示した態様)と同じである。
回転が完了した後、再びユニット回転用モータを駆動(逆転)させ、支持部材22に対し演出ユニット2全体を回転させる。これにより、再び演出ユニット2は、第一演出体3の装飾部31が前方を向いた状態となる。つまり、装飾部31を前方に向けた第一演出体3が表示装置91に重なった状態となる(第四段階)(図7参照)。
そして、スライド用モータを駆動(逆転)し、支持部材22とともに演出ユニット2全体を上方に移動させる。そうすると、遊技盤90に演出ユニット2が覆われた状態となる。つまり、演出ユニット2は原位置に戻る(第五段階)(図8参照)。
かかる通常動作は、第三段階の動作以外の動作は、演出ユニット2全体が、遊技機1本体に対して変位する動作である。つまり、第三段階の動作以外の動作は、第一演出体3およびそれに接続された第二演出体4が互いの相対位置を変化させずに遊技機1本体に対して変位する動作であり、第三段階の動作は、第一演出体3に対して第二演出体4が変位する動作である。
このような通常動作よりも動作時間が短い演出ユニット2の短縮動作は、上記通常動作における第三段階の動作を省略した(飛ばした)ものである。具体的には次の通りである。
演出ユニット2が原位置に位置する状態(図2に示す状態)でスライド用モータを駆動(正転)し、支持部材22とともに演出ユニット2全体を下方に移動させ、装飾部31を前方に向けた第一演出体3が表示装置91に重なった状態(図3に示す状態)とする。続いて、ユニット回転用モータを駆動(正転)し、支持部材22に対し演出ユニット2全体を回転させ、第二演出体4の表示部41が前方に位置した状態(図4(図6)に示す状態)とする。このとき、表示部41には所定の画像が表示される。そして、再びユニット回転用モータを駆動(逆転)し、支持部材22に対し演出ユニット2全体を回転させ、第一演出体3の装飾部31が前方を向いた状態(図7に示す状態)とする。最後に、スライド用モータを駆動(逆転)し、支持部材22とともに演出ユニット2全体を上方に移動させ、遊技盤90に演出ユニット2が覆われた状態(図8に示す原位置に戻った状態)とする。
このように、短縮動作は、通常動作における第三段階の動作、すなわち表示部41を前方に向けた第二演出体4を第一演出体3に対し回転させる動作(図5に示す動作)を省略したものである。具体的には、第一演出体3に対して第二演出体4が回転する動作を省略した(演出ユニット2全体が遊技機1本体に対して変位する動作は省略していない)ものである。したがって、当該省略した動作分、通常動作の動作時間よりも短縮動作の動作時間が短くなる。また、通常動作時における第二段階の動作が完了した時点(第一時点)の演出ユニット2の態様と、第三段階の動作が完了した時点(第二時点)の演出ユニット2の態様は同じであり、短縮動作は両時点の間の動作である第三段階の動作を省略したものである。つまり、演出ユニット2の短縮動作は、通常動作時における同じ態様となる時点の間の動作を省略したものであるため、違和感のない動作となる。なお、上記第一時点および第二時点の少なくともいずれか一方は、通常動作の途中の時点である。
(遊技機の制御処理)
次に、遊技機1の制御処理について説明する。なお、以下の説明における各種乱数は、大当たり確率(各種大当たり確率)やリーチ成立確率といった各種確率に基づいて、総数や当選となる数値((当選となる数値の総数/乱数の総数)=当選確率となる)等が予め設定されているものである。本実施形態にかかる遊技機1の制御は、主に、図9に示す主制御基板51およびサブ制御基板52によってなされる。以下、両基板によってなされる制御処理について説明する。
1)主制御基板が行う制御処理
主制御基板51が行う制御処理について説明する。主制御基板51は、ROMに記憶されている制御用プログラムに従いマイクロコンピュータのCPUにより制御処理を行う。図10は主制御基板51が行うメイン処理のフローチャートである。
メイン処理では、まずデバイスの初期設定(S10)が行われる。デバイスの初期設定(S10)では、スタックの設定、割り込み時間の設定、CPUの設定、SIO、PIO、CTCの設定等が行われる。
次に、割り込み禁止処理(S20)、主要乱数更新処理(S30)、割り込み許可処理(S40)が行われ、その後に再び割り込み禁止処理(S20)に戻るループ処理が行われ、このループ処理の間に割り込み処理(S100)が行われる。
割り込み禁止処理(S20)では、4msecごとに割り込み処理(S100)が入ってきても、割り込み許可となるまで、割り込みを禁止する。次の主要乱数更新処理(S30)では、種々の乱数が主要乱数更新処理(S30)ごとに1加算され、各乱数の設定上限値に至ると次に最小値に戻って再び加算が行われる。更新された乱数は主制御基板51のRAMに記憶される。割り込み許可処理(S40)では、4msecごとに入ってくる割り込み処理(S100)に対して許可をする。
割り込み処理(S100)では、図11に示すように、出力処理(S110)、入力処理(S120)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S130)、入賞検出処理(S140)、普通動作処理(S150)、特別動作処理(S160)、保留球数処理(S170)、その他の処理(S180)が行われる。
出力処理(S110)では、各処理で設定された出力用のコマンド(制御信号)や取得された数値データ等が各制御基板に送信される。入力処理(S120)では、遊技機1に取り付けられている各種センサ(スイッチ)が検知した場合の信号入力が行われる。普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S130)では、メイン処理におけるループ処理内で行われている普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S30)と同様の処理が行われる。
入賞検出処理(S140)では、図12に示すように、始動入賞口32への遊技球の入賞が検出されたか判断され(S140−1)、入賞が検出されていない場合には普通図柄変動開始用ゲート33への遊技球通過が検出されたか判断される(S140−2)。ゲート33への遊技球通過が検出されていない場合には、この入賞検出処理(S140)が終了する。一方、ゲート33への遊技球通過が検出された場合には、普通図柄変動保留球数が4以上か判断され(S140−3)、4以上の場合にはこの入賞検出処理(S140)が終了する。一方、普通図柄変動保留球数が4未満であれば普通図柄変動保留球数に1加算されると共に(S140−4)、普通図柄乱数値が取得され、取得した普通図柄乱数値(小当たり乱数値)が主制御基板51のRAMにおける対応する領域(アドレス)に記憶され(S140−5)、この入賞検出処理(S140)が終了する。上記S140−1で始動入賞口32への入賞が検出されたと判断されると、特別図柄変動保留球数が4以上か判断され(S140−6)、4以上の場合にはこの入賞検出処理(S140)が終了する。一方、特別図柄変動保留球数が4未満であれば、特別図柄変動保留球数に1加算される(S140−7)。その後、大当たり乱数値やリーチ乱数値といった始動入賞口32への遊技球の入賞時に取得された各種乱数値(判定情報)が、S140−7において1加算された後の保留数が主制御基板51のRAMの対応する領域(アドレス)に記憶され(S140−8)、この入賞検出処理(S140)が終了する。なお、始動入賞口32への遊技球の入賞が検出されたときには、入賞コマンドがサブ制御基板52に送信される。
普通動作処理(S150)では、図13に示すように、まず始動入賞口32の両側に設けられた開閉部材905a,905b(図1参照)が開放中か確認される(S150−1)。開閉部材905a,905bが閉鎖中(狭小開放状態)であれば、普通図柄変動保留球数が0かどうか確認され(S150−2)、0であればこの普通動作処理(S150)が終了する。一方、普通図柄変動保留球数が0でない場合には、入賞検出処理(S140)の普通図柄乱数取得処理(S140−5)で取得されて主制御基板51のRAMに記憶されている普通図柄乱数値(小当たり乱数値)が読み出され(S150−3)、現在高確率状態(確率変動状態)における特定の遊技状態(いわゆる潜伏確変でない高確率状態)または時間短縮遊技状態かどうか確認される(S150−4)。これらの状態以外の状態の場合、取得普通図柄乱数値が予め設定されている普通図柄当選低確率状態時の小当たり成立数値と対比されて両者が一致するか確認され、一致する場合には普通図柄当選低確率状態での小当たりとなり、一致しない場合にははずれと判断される(S150−5)。はずれの場合には、この普通動作処理(S150)が終了し、一方、小当たりの場合には、開閉部材905a,905bを開放時間1秒、開放回数1回で開放する開閉部材開放処理が行われ(S150−6)、その後にこの普通動作処理(S150)が終了する。それに対して、S150−4で高確率状態における特定の遊技状態または時間短縮遊技状態と判断されると、取得普通図柄乱数値が予め設定されている普通図柄当選高確率状態時の小当たり成立数値(普通図柄当選低確率状態よりも数が多い。すなわち普通図柄の当選確率が高く設定されている)と対比されて両者が一致するか確認され、一致する場合には普通図柄当選高確率状態での小当たりとなり、一致しない場合にははずれと判断される(S150−7)。はずれの場合には、この普通動作処理(S150)が終了し、一方、小当たりの場合には、開閉部材905a,905bを開放時間2秒、開放回数3回で開放する開閉部材開放処理2が行われ(S150−8)、その後にこの普通動作処理(S150)が終了する。
また、S150−1で開閉部材905a,905bが開放中と判断されると、開閉部材905a,905bの開放時間が経過(終了)したか確認され(S150−9)、開閉部材905a,905bの開放時間が経過していない場合には、この普通動作処理(S150)が終了し、一方、開閉部材905a,905bの開放時間が経過した場合には、開閉部材905a,905bを閉鎖する(狭小開放状態とする)処理が行われ(S150−10)、その後にこの普通動作処理(S150)が終了する。
特別動作処理(S160)では、図14に示すように、特別動作ステータスが1〜4の何れであるか判断される(S160−1〜S160−3)。特別動作ステータスが1の場合には特別図柄待機処理(S160−4)が行われ、特別動作ステータスが2の場合には変動中処理(S160−5)が行われ、特別動作ステータスが3の場合には特別図柄確定処理(S160−6)が行われ、特別動作ステータスが4の場合には特別電動役物処理(S160−7)が行われる。
特別動作ステータスが1の場合に行われる特別図柄待機処理(S160−4)では、図15に示すように、特別図柄変動保留球数が0か否か判断され(S160−4−1)、特別図柄変動保留球数が0の場合には表示装置91が特別図柄の変動中ではない待機画面(待ち受け画面)中か否か判断され(S160−4−2)、待機画面(待ち受け画面)中であれば、この特別図柄待機処理(S160−4)が終了する。一方、待機画面(待ち受け画面)中ではない場合には、表示装置91を待機画面(待ち受け画面)にするための待機画面設定処理(S160−4−3)が行われて表示装置91が待機画面にセットされ(S160−4−4)、その後にこの特別図柄待機処理(S160−4)が終了する。
それに対してS160−4−1で特別図柄変動保留球数が0ではないと判断された場合には、主制御基板51が具備する判定手段による当否判定処理(特典である大当たりを付与するかどうかを決定する処理)、具体的には図16に示す特別図柄大当たり判定処理(S160−4−5)が行われる。特別図柄大当たり判定処理(S160−4−5)では、まず入賞検出処理(S140)の特別図柄関係乱数値取得処理(S140−8)で取得された大当たり乱数値が読み出され(S160−4−5−1)、現在高確率状態(確率変動状態)か確認される(S160−4−5−2)。高確率状態ではない低確率状態の場合、取得された大当たり乱数値が予め設定されている低確率状態時の大当たり成立数値と対比されて両者が一致するか確認され、一致する場合には低確率状態での大当たりとなり、一致しない場合にははずれと判断される(S160−4−5−3)。はずれの場合には、この特別図柄大当たり判定処理(S160−4−5)が終了し、一方、大当たりの場合には、大当たりフラグがONにセットされ(S160−4−5−4)、この特別図柄大当たり判定処理(S160−4−5)が終了する。それに対して、S160−4−5−2で高確率状態と判断されると、取得された大当たり乱数値が予め設定されている高確率状態時の大当たり成立数値(低確率状態よりも数が多い。すなわち当選確率が高く設定されている)と対比されて両者が一致するか確認され、一致する場合には高確率状態での大当たりとなり、一致しない場合にははずれと判断される(S160−4−5−5)。はずれの場合には、この特別図柄大当たり判定処理(S160−4−5)が終了し、一方、大当たりの場合には、大当たりフラグがONにセットされ(S160−4−5−4)、この特別図柄大当たり判定処理(S160−4−5)が終了する。
上述したように、本実施形態では、遊技球が始動入賞口32に入賞した時点で上記特別図柄大当たり判定処理が実行され、その当否判定結果が記憶されている。つまり、所定個数分(最大保留数(本実施形態では四つ))の当否判定結果が事前に記憶されている。
特別図柄大当たり判定処理(S160−4−5)の次に特別図柄選択処理(S160−4−6)が行われる。特別図柄選択処理(S160−4−6)では、表示装置91で停止表示する特別図柄が決定される。図17に示すように、特別図柄選択処理(S160−4−6)では、大当たりフラグがONか判断され(S160−4−6−1)、大当たりフラグがON、すなわち大当たりの場合には当該大当たりの種類に応じた特別図柄の組み合わせが停止する図柄としてセットされる(S160−4−6−2)。一方、大当たりフラグがONではない、すなわちはずれの場合には、左・中・右図柄乱数用カウンタによって左・中・右図柄乱数値(以下、左図柄乱数値を特別図柄データ1、中図柄乱数値を特別図柄データ2・右図柄乱数値を特別図柄データ3と称する)を取得し(S160−4−6−3)、特別図柄データ1と特別図柄データ2と特別図柄データ3の乱数値が全て一致しているか判断され(S160−4−6−4)、一致している場合にはリーチ乱数値がリーチ成立数値と一致しているか判断される(S160−4−6−5)。リーチ乱数値が予め設定されているリーチ成立数値と一致している場合にはリーチ有りとなり、特別図柄データ1の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止左特別図柄、特別図柄データ2の乱数値に1加算した乱数値に割り当てられている特別図柄が停止中特別図柄、特別図柄データ3の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止右特別図柄にセットされる(S160−4−6−6)。一方、リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致していない場合にはリーチ無しとなり、特別図柄データ1の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止左特別F図柄、特別図柄データ2の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止中特別図柄、特別図柄データ3の乱数値に1加算した乱数値に割り当てられている特別図柄が停止右特別図柄にセットされる(S160−4−6−7)。
上記S160−4−6−4で特別図柄データ1と2と3の乱数値が一致していないと判断された場合には、特別図柄データ1と3の乱数値が一致しているか判断される(S160−4−6−8)。特別図柄データ1と3の乱数値が一致している場合には、リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致しているか判断される(S160−4−6−9)。リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致している場合にはリーチ有りとなり、特別図柄データ1の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止左特別図柄、特別図柄データ2の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止中特別図柄、特別図柄データ3の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止右特別図柄にセットされる(S160−4−6−10)。一方、リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致していない場合にはリーチ無しとなり、特別図柄データ1の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止左特別図柄、特別図柄データ2の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止中特別図柄、特別図柄データ3の乱数値に1加算した乱数値に割り当てられている特別図柄が停止右特別図柄にセットされる(S160−4−6−7)。つまり、リーチを成立させないよう、停止左特別図柄と停止右特別図柄が異なる図柄となるように加算操作がなされる。
上記S160−4−6−8で特別図柄データ1と3の乱数値が一致していない、すなわち特別図柄データ1,2,3が全て異なると判断された場合には、リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致しているか判断される(S160−4−6−11)。リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致している場合にはリーチ有りとなり、特別図柄データ1と特別図柄データ3の値が特別図柄データ1あるいは特別図柄データ3の乱数値に割り当てられている特別図柄と同一になるように停止左特別図柄と停止右特別図柄がセットされると共に、その同一にした特別図柄データ1或いは特別図柄データ3の乱数値に1加算した乱数値に割り当てられている特別図柄が停止中特別図柄にセットされる(S160−4−6−12)。一方、リーチ乱数値がリーチ成立数値と一致していない場合にはリーチ無しとなり、特別図柄データ1の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止左特別図柄、特別図柄データ2の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止中特別図柄、特別図柄データ3の乱数値に割り当てられている特別図柄が停止右特別図柄にセットされる(S160−4−6−10)。なお、この特別図柄選択処理は、サブ制御基板52によって行うようにしてもよい。
続いて、変動態様選択処理(S160−4−7)が行われる。変動態様選択処理は、当否判定結果を報知するための変動態様を決定するための処理である。変動態様を決定する要素には、当否判定結果を報知するための変動時間(演出時間)の長さが含まれる(つまり、この変動態様選択処理を実行する手段が、本発明における演出時間設定手段に相当する)。図18に示すように、変動態様選択処理(S160−4−7)では、保留数(特別図柄の保留数。すなわち大当たりに当選したかどうかの結果が保留されている数)が三つ以上かどうか確認される(S160−4−7−1)。保留数が三つ以上でない、すなわち一または二である場合には、第一変動態様選択処理(S161)が行われる。一方、保留数が三つ以上である場合には、第二変動態様選択処理(S162)が行われる。
図19に示すように、第一変動選択処理(S161)では、まず、高確率状態(確変)中であるかどうかが判断される(S161−1)。高確率状態中でない場合には、大当たりが成立している変動かどうか(大当たりフラグONかどうか)が判断される(S161−2)。大当たりが成立している場合には、予め設定されている複数の低確率状態中大当たり成立時の変動態様のうちから一つの変動態様が選択される(S161−3)。ここで選択される変動態様は、変動時間が第一変動時間となるものである。第一変動時間は、後述する第二変動時間よりも、変動時間(演出時間)が長いものである。
一方、S161−2において、大当たりが成立していないと判断された場合には、リーチを実行する変動かどうか(リーチ成立の可否を決めるリーチ成立乱数が、リーチ成立数値となっているかどうか)が判断される(S161−4)。リーチを実行する変動(いわゆるリーチはずれ変動)であると判断された場合には、予め設定されている複数の低確率状態中リーチはずれ時の変動態様のうちから一つの変動態様が選択される(S161−5)。ここで選択される変動態様は、変動時間が第一変動時間となるものである。上記S161−4において、リーチを実行しない変動(いわゆるどはずれ変動)であると判断された場合には、予め設定されている複数の低確率状態中どはずれ時の変動態様のうちから一つの変動態様が選択される(S161−6)。ここで選択される変動態様は、変動時間が第一変動時間となるものである。
S161−1において、高確率状態中であると判断された場合には、大当たりが成立している変動かどうかが判断される(S161−7)。大当たりが成立している場合には、予め設定されている複数の高確率状態中大当たり成立時の変動態様のうちから一つの変動態様が選択される(S161−8)。ここで選択される変動態様は、変動時間が第一変動時間となるものである。
一方、S161−7において、大当たりが成立していないと判断された場合には、リーチを実行する変動かどうか(リーチ成立の可否を決めるリーチ成立乱数が、リーチ成立数値となっているかどうか)が判断される(S161−9)。リーチを実行する変動(リーチ演出の実行後に、はずれであることが報知されるいわゆるリーチはずれ変動)であると判断された場合には、予め設定されている複数の高確率状態中リーチはずれ時の変動態様のうちから一つの変動態様が選択される(S161−10)。ここで選択される変動態様は、変動時間が第一変動時間となるものである。上記S161−9において、リーチを実行しない変動(リーチ演出が発生せずに、はずれであることが報知されるいわゆるどはずれ変動)であると判断された場合には、予め設定されている複数の高確率状態中どはずれ時の変動態様のうちから一つの変動態様が選択される(S161−11)。ここで選択される変動態様は、変動時間が第一変動時間となるものである。
このように、第一変動態様選択処理において選択される全ての変動態様は、後述する第二変動時間よりも演出時間が長くなる第一変動態様に設定される。つまり、保留数が三つ未満(一つまたは二つ)である場合には、各保留に対応する当否判定結果を報知する際の演出時間は、相対的に長い演出時間に設定される。
選択された変動態様は、送信バッファに格納され(S161−12)、所定のタイミングでサブ制御基板に送信される。その後、その他の処理(S161−13)が実行されて、第一変動態様選択処理は終了する。
図20に示すように、第二変動選択処理(S162)では、まず、高確率状態中であるかどうかが判断される(S162−1)。高確率状態中でない場合には、大当たりが成立している変動かどうかが判断される(S162−2)。大当たりが成立している場合には、予め設定されている複数の低確率状態中大当たり成立時の変動態様のうちから一つの変動態様が選択される(S162−3)。ここで選択される変動態様は、変動時間が第一変動時間となるものである。
一方、S162−2において、大当たりが成立していないと判断された場合には、リーチを実行する変動かどうか(リーチ成立の可否を決めるリーチ成立乱数が、リーチ成立数値となっているかどうか)が判断される(S162−4)。リーチを実行する変動(いわゆるリーチはずれ変動)であると判断された場合には、予め設定されている複数の低確率状態中リーチはずれ時の変動態様のうちから一つの変動態様が選択される(S162−5)。ここで選択される変動態様は、変動時間が第一変動時間となるものである。上記S162−4において、リーチを実行しない変動(いわゆるどはずれ変動)であると判断された場合には、予め設定されている複数の低確率状態中どはずれ時の変動態様のうちから一つの変動態様が選択される(S162−6)。ここで選択される変動態様は、変動時間が第二変動時間となるものである。第二変動時間は、第一変動時間よりも変動時間(演出時間)が短くなるものである。
S162−1において、高確率状態中であると判断された場合には、大当たりが成立している変動かどうかが判断される(S162−7)。大当たりが成立している場合には、予め設定されている複数の高確率状態中大当たり成立時の変動態様のうちから一つの変動態様が選択される(S162−8)。ここで選択される変動態様は、変動時間が第一変動時間となるものである。
一方、S162−7において、大当たりが成立していないと判断された場合には、リーチを実行する変動かどうか(リーチ成立の可否を決めるリーチ成立乱数が、リーチ成立数値となっているかどうか)が判断される(S162−9)。リーチを実行する変動(いわゆるリーチはずれ変動)であると判断された場合には、予め設定されている複数の高確率状態中リーチはずれ時の変動態様のうちから一つの変動態様が選択される(S162−10)。ここで選択される変動態様は、変動時間が第一変動時間となるものである。上記S162−9において、リーチを実行しない変動(いわゆるどはずれ変動)であると判断された場合には、予め設定されている複数の高確率状態中どはずれ時の変動態様のうちから一つの変動態様が選択される(S162−11)。ここで選択される変動態様は、変動時間が第二変動時間となるものである。
このように、第一変動態様選択処理において選択される変動態様は、相対的に長い第一変動時間または相対的に短い第二変動時間に設定される。具体的には、リーチ演出が実行されずにはずれであることが報知されるいわゆるどはずれ変動である場合には、当該保留に対応する当否判定結果を報知する際の演出時間は、相対的に短い時間に設定される。つまり、本実施形態では、保留数が三つ以上(三つまたは四つ)であり、かつ、いわゆるどはずれ変動である場合には、当該保留に対応する当否判定結果を報知する際の演出時間は相対的に短い時間(第二変動時間)に設定され、それ以外の場合には相対的に長い時間(第一変動時間)に設定される。
選択された変動態様は、送信バッファに格納され(S162−12)、所定のタイミングでサブ制御基板に送信される。その後、その他の処理(S162−13)が実行されて、第二変動態様選択処理は終了する。
変動態様選択処理(S160−4−7)に次いで特別図柄乱数シフト処理(S160−4−8)が行われる。特別図柄乱数シフト処理(S160−4−8)では、主制御基板51のRAMにおける特別図柄変動保留球数のデータ記憶領域において、ロード(読み出し)順位一位のアドレスの記憶領域に記憶されていた特別図柄主要乱数値(大当たり乱数値、リーチ乱数値、変動パターン乱数値)等のデータが、先の処理でロードされて空席となることに起因して、ロード順位が二位以降のアドレスに記憶されている特別図柄主要乱数値(大当たり乱数値、リーチ乱数値、変動パターン乱数値)等のデータについて、ロード順位を一つずつ繰り上げるアドレスのシフトが行われる。具体的には、図21に示すように、まず判定手段の判定結果に基づく特別図柄(識別情報)の変動表示が行われることにより、主制御基板51のRAMに記憶されていた特別図柄変動保留球数から1減算(例えば保留球数2のものは1にされ、3のものは2にされる等)され(S160−4−8−1)、次に各保留に対応するデータが各保留から1減算した保留のRAMアドレスにシフトされ(S160−4−8−2)、続いて最下位(ロード順位が最後、本実施例では4個目)の保留に対応するRAMアドレスに0がセットされる(S160−4−8−3)。
特別図柄乱数シフト処理(S160−4−8)に次いで、特別図柄変動開始設定処理(S160−4−9)が行われる。特別図柄変動開始設定処理(S160−4−9)では、特別図柄の変動開始に必要なコマンドの準備などの設定が行われる。特別図柄変動開始設定処理(S160−4−9)の次に、特別動作ステータスが2に設定され(S160−4−10)、待機中が解除され(S160−4−11)、特別図柄待機処理(S160−4)が終了する。
特別動作ステータスが2の場合に行われる変動中処理(S160−5)では図22に示すように、特別動作タイマ判定処理が行われる(S160−5−1)。詳しくは、特別図柄の変動時間(変動パターンの変動時間)が終了したか否か(動作タイマ=0か否か)が判断され(S160−5−2)、変動時間が終了していなければこの変動中処理(S160−5)が終了する。一方、変動時間が終了していれば変動停止コマンドがセットされる(S160−5−3)。続いて特別動作ステータスが3にセットされ(S160−5−4)、その他必要な処理(S160−5−5)が行われた後に、この変動中処理(S160−5)が終了する。
特別動作ステータスが3の場合に行われる特別図柄確定処理(S160−6)では図23に示すように、まず大当たりフラグがON(「1」)か否か、すなわち大当たりか否か判断される(S160−6−1)。大当たりフラグがON、すなわち大当たりの場合には、ラウンドカウンタがセットされ(S160−6−2)、特別動作ステータスが4にセットされた(S160−6−3)後、この特別図柄確定処理(S160−6)が終了する。ラウンドカウンタは、成立した大当たり(16ラウンド、8ラウンド、2ラウンド等、機種によって搭載されている大当たりが異なる)に対応した値がセットされる。一方、S160−6−1で大当たりフラグがOFF、すなわちはずれと判断された場合には、特別動作ステータスが1にセットされ(S160−6−4)、この特別図柄確定処理(S160−6)が終了する。
特別動作ステータスが4の場合に行われる特別電動役物処理(S160−7)では、図24に示すように、確変(高確率状態)フラグがOFFされ(S160−7−1)、大当たりのオープニングが実施されたか否か(これから大当たりが始まる旨の映像が表示装置91に表示されたか否か等)が確認される(S160−7−2)。大当たりのオープニングが実施されたことが確認された後、大当たり終了フラグがON(「1」)か否か判断され(S160−7−3)、大当たり終了フラグがONではない、すなわち大当たり遊技終了ではない場合には現在大入賞口906が開放中か否か判断され(S160−7−4)、開放中ではなく閉鎖中の場合には大入賞口906の開放時間か否か判断される(S160−7−5)。大入賞口906の開放時間の場合には大入賞口906の開放処理が行われ(S160−7−6)、その後にこの特別電動役物処理(S160−7)が終了する。それに対して大入賞口906の開放時間となっていないときには、この特別電動役物処理(S160−7)が終了する。
一方、S160−7−4で大入賞口906が開放中と判断されると、大入賞口906に10個遊技球が入賞(S160−7−7)、若しくはラウンド終了時間経過(S160−7−8)の何れかであるか否か判断され、何れでもない場合にはそのままこの特別電動役物処理(S160−7)が終了する。それに対して大入賞口906に10個遊技球が入賞、若しくはラウンド終了時間経過の何れかである場合には、大入賞口閉鎖処理(S160−7−9)とラウンドカウンタの値から1減算する処理(S160−7−10)が行われる。なお、大入賞口閉鎖処理(S160−7−9)では、大入賞口906閉鎖のコマンドが出力バッファにセットされる。続いて、ラウンドカウンタが0か否か判断され(S160−7−11)、ラウンドカウンタが0ではない場合には、そのままこの特別電動役物処理(S160−7)が終了し、それに対してラウンドカウンタが0の場合には、大当たり終了処理(S160−7−12)が行われる。その後、大当たり終了フラグがONにされ(S160−7−13)、この特別電動役物処理(S160−7)が終了する。
それに対し、上記S160−7−1で大当たり終了フラグがON(「1」)、すなわち大当たり終了と判断されると、大当たり終了フラグをOFFにセットする処理(S160−7−14)と、大当たりフラグをOFFにする処理(S160−7−15)が行われ、大当たりが確率変動大当たりか否かが確認される(S160−7−16)。確率変動大当たりの場合には、再び確率変動フラグがONにされる(S160−7−17)。その後、特別動作ステータスが1にセットされ(S160−7−18)、この特別電動役物処理(S160−7)が終了する。一方、上記S160−7−16において、確率変動大当たりでない場合には、確率変動フラグをONにすることなく(OFFにした状態のまま)、この特別電動役物処理(S160−7)が終了する。
特別動作処理(S160)の次に保留球数処理(S170)が行われる。保留球数処理(S170)では、図25に示すように現在の特別図柄、普通図柄の保留球数がロードされ(S170−1)、保留球数が特図保留コマンド、普図保留コマンドとして出力バッファにセットされる(S170−2)。この保留球数処理(S170)により、主制御基板51のRAMの保留球数に関する記憶がサブ制御基板52へ出力されるようにセットされる。
その他の処理(S180)では、遊技に必要なその他の様々な処理が必要に応じて行われる。
2)サブ制御基板が行う制御処理
次に、サブ制御基板52が行う制御処理について説明する。サブ制御基板52が行うサブ制御メイン処理(S200)では、図26に示すように、まずCPU初期化処理が行われる(S201)。詳しくは、スタックの設定、CPUの設定、SIO、CTCの設定等が行われる。そして、電源断信号がONで、かつ、サブ制御基板52のRAMの内容が正常であるか否かの処理が行われる(S202)。電源断信号がONでない、または、RAMの内容が正常でない場合には、RAMの初期化を行う(S203)。その後、ウォッチドッグタイマカウンタ1(2ms用)ウォッチドッグタイマカウンタ2(10ms用)の初期化を行う(S204)。ウォッチドッグタイマカウンタの初期化後、割り込みを禁止した上で(S205)、各種演出や各種図柄乱数等の更新処理を行う(乱数シード更新;S206)。更新処理後、割り込みを許可して(S207)ループ処理が行われる。このループ処理では、受信割り込み処理(S300)、2msタイマ割り込み処理(S400)、および10msタイマ割り込み処理(S500)が行われる。
図27に示す受信割り込み処理(S300)は、主制御基板51からのコマンド(制御信号)を受信するための処理である。受信割り込み処理(S300)では、まず上記主制御基板51からのストローブ(STB)信号がONか確認され(S301)、ストローブ信号がON、すなわち外部INT入力部にストローブ信号が入力されると、上記主制御基板51から出力されたコマンド(制御信号)の受信およびRAMへの格納が行われる(S302)。ここで主制御基板51から受信するコマンドには、各種大当たりに対応した演出を実行するための上記変動コマンド等が含まれる。一方、ストローブ信号がONになっていなければ、その時点でこの受信割り込み処理(S300)が終了する。
図28に示す2msタイマ割り込み処理(S400)は、10msタイマ割り込み処理より優先して行われる。入出力制御処理(S401)では、外部データ(ランプデータ、操作スイッチデータ等)の入出力制御を行う。入力データ処理(S402)では、操作スイッチや駆動物(役物)を駆動する駆動機構の原点センサの入力データ作成(2ms用)を行う。駆動処理(S403)は、駆動物(演出ユニット2)を駆動するための処理である。この駆動処理の詳細については後述する。ウォッチドッグタイマカウンタ1初期化処理(S404)では、ウォッチドッグタイマ1を初期化する。
図30に示す10msタイマ割り込み処理(S500)では、まず、入力データ処理(S501)として操作スイッチや駆動物(役物)を駆動する駆動機構の原点センサの入力データ作成(10ms用)を行う。その後、受信コマンド解析処理(S502)を行う。受信コマンド解析処理(S501)の後、ランプや駆動物(役物)等、演出関連の各種制御処理(S503)や、その他の処理(S504)を行って、10msタイマ割り込み処理(S500)を終了する。
図31に示す受信コマンド解析処理(S501)は、受信割り込み処理で主制御基板51から受信したコマンド(制御信号)を解析し、コマンドに対応した処理を行うものである。受信するコマンドには、始動入賞口32への遊技球の入賞が検出されたことを示す信号である入賞コマンドや変動態様選択処理(S160−4−7)において作成された、選択された変動態様に基づいて作成された変動態様コマンドが含まれる。変動態様コマンドは、演出時間(変動時間)のデータ等を含む。
受信コマンド解析処理(S502)では、まず、主制御基板51から受信したコマンドが変動態様コマンドであるかどうかを判断する(S502−1)。変動態様コマンドである場合には、予告選択処理を行う(S502−2)。図32に示す予告選択処理では、まず、予告選択乱数値(0〜99)を取得する(S502−2−1)。取得された予告選択乱数値が0〜49の場合(S502−2−2「Yes」)には、当否判定結果を報知する演出として予告Aを行うことが決定する(S502−2−3)。取得された予告選択乱数値が50〜79の場合(S502−2−4「Yes」)には、当否判定結果を報知する演出として予告Bを行うことが決定する(S502−2−5)。取得された予告選択乱数値が50〜79の場合(S502−2−4「No」)には、当否判定結果を報知する演出として予告Cを行うことが決定する(S502−2−6)。予告Cは、演出ユニット2を用いた演出である。そのため、演出ユニット2を用いることを示すフラグ(動作フラグ)をONにする。
予告選択処理(S502−2)の後、動作フラグがONであるかどうかが確認される(S502−3)。動作フラグがONである場合には、演出ユニット2を用いた演出を実行するということであるから、その動作を選択する動作パターン選択処理を行う(S502−4)。図33に示す動作パターン選択処理(S502−4)では、まず、演出ユニット2が原位置であるかどうかを確認する(S502−4−1)。つまり、演出ユニット2を駆動させても問題ない状態にあるかどうかが判断される(S502−4−2)。演出ユニット2が原位置に位置していると判断されたときには、選択された変動態様の変動時間(演出時間)が、第一変動時間であるかどうかが判断される。第一変動時間、すなわち相対的に長い変動時間が選択されていた場合には、第一駆動パターンを設定し(S502−4−3)、第二変動時間、すなわち相対的に短い変動時間が選択されていた場合には、第二駆動パターンを設定する(S502−4−4)。これにより、駆動パターン選択処理は終了する。
上述した2msタイマ割り込み処理(S400)における駆動処理(S403)は、駆動パターン選択処理によって選択された駆動パターンに基づき、演出ユニット2の駆動態様を決定、演出ユニット2を駆動させるための処理である(当該駆動態様を決定する手段が、本発明における動作態様設定手段に相当する)。図29に示すように、駆動処理(S403)では、まず、動作フラグがONになっているかどうかが再び確認され(S403−1)、上記駆動パターン選択処理によって設定された駆動パターンが抽出される(S403−2)。
駆動パターン選択処理によって設定された駆動パターンが第一駆動パターンである場合(S403−3「Yes」)には、演出ユニット2が上述した通常動作を行うように制御する。まず、スライド用モータを駆動(正転)し、支持部材22とともに演出ユニット2全体を下方に移動させる。演出ユニット2が第一段階の動作を完了したことが確認されたとき(S403−4「Yes」)には、ユニット回転用モータを駆動(正転)させ、支持部材22に対し演出ユニット2全体を回転させる。演出ユニット2が第二段階の動作を完了したことが確認されたとき(S403−5「Yes」)には、第二演出体回転用モータを駆動させ、表示部41を前方に向けた第二演出体4を第一演出体3に対し回転させる。演出ユニット2が第三段階の動作を完了したことが確認されたとき(S403−6「Yes」)には、ユニット回転用モータを駆動(逆転)させ、支持部材22に対し演出ユニット2全体を回転させる。演出ユニット2が第四段階の動作を完了したことが確認されたとき(S403−7「Yes」)には、スライド用モータを駆動(逆転)し、支持部材22とともに演出ユニット2全体を下方に移動させる。演出ユニット2が第五段階の動作を完了したことが確認されたとき(S403−8「Yes」)には、第一駆動パターンの動作が完了したとして、動作フラグをOFFにする(S403−9)。
駆動パターン選択処理によって設定された駆動パターンが第二駆動パターンである場合(S403−3「No」)には、演出ユニット2が上述した短縮動作を行うように制御する。まず、スライド用モータを駆動(正転)し、支持部材22とともに演出ユニット2全体を下方に移動させる。演出ユニット2が第一段階の動作を完了したことが確認されたとき(S403−10「Yes」)には、ユニット回転用モータを駆動(正転)させ、支持部材22に対し演出ユニット2全体を回転させる。演出ユニット2が第二段階の動作を完了したことが確認されたとき(S403−11「Yes」)には、通常動作時における第三段階の動作を省略して、第四段階の動作を行う。つまり、ユニット回転用モータを駆動(逆転)させ、支持部材22に対し演出ユニット2全体を回転させる。演出ユニット2が第四段階の動作を完了したことが確認されたとき(S403−12「Yes」)には、スライド用モータを駆動(逆転)し、支持部材22とともに演出ユニット2全体を下方に移動させる。演出ユニット2が第五段階の動作を完了したことが確認されたとき(S403−13「Yes」)には、第一駆動パターンの動作が完了したとして、動作フラグをOFFにする(S403−14)。
このように、駆動処理では、設定された駆動パターンに応じて演出ユニット2の動作を制御する。第一駆動パターンは、相対的に長い演出時間(第一変動時間)が選択されたときに選択されうるものであるから、その場合には演出ユニット2は動作時間が相対的に長い通常動作を実行する。これに対し、第二駆動パターンは、相対的に短い演出時間(第二変動時間)が選択されたときに選択されうるものであるから、その場合には演出ユニット2は動作時間が相対的に短い短縮動作を実行する。
なお、上記駆動処理において、各段階の動作が完了したか否かの確認方法は、特定の方法に限定されるものではない。各段階の動作が完了したことによって信号を発するセンサ等によって確認してもよいし、予め定まる各段階の動作時間が終了したことをもって動作が完了したとみなしてもよい。
(本実施形態の効果)
以上説明した本実施形態にかかる遊技機1では、演出ユニット2を用いる演出が実行される場合であって、その演出時間として相対的に長い演出時間(第一変動時間)が選択されたときには、演出ユニット2は通常動作を実行する。これに対し、演出ユニット2を用いる演出が実行される場合であって、その演出時間として相対的に短い演出時間(第二変動時間)が選択されたときには、演出ユニット2は短縮動作を実行する。つまり、演出ユニット2を通常動作させるには困難な短い演出時間が設定された場合であっても、短縮動作させることで演出ユニット2を用いた演出を実行することができるから、演出ユニット2の出現頻度の低下を抑制することが可能である。
また、演出ユニット2の短縮動作は、通常動作時における第一時点(図4に示した態様となる時点)と第二時点(図6に示した態様となる時点)との間の動作、すなわち通常動作時に同じ態様となる時点の間の動作(図5に示した動作)を省略したものであるから、通常動作と比べて違和感のない短縮動作が実現可能である。
また、演出ユニット2の短縮動作は、第一演出体3に対して第二演出体4が変位する動作の少なくとも一部を省略し、第一演出体3およびそれに接続された第二演出体4が互いの相対位置を変化させずに遊技機1本体に対して変位する動作が含まれるものである。つまり、短縮動作時にも演出ユニット2全体が遊技機1本体に対して変位するインパクトのある動作は実行されるため、通常動作と比較して演出効果が低減してしまうことを抑制することが可能である。また、第一演出体3に対して第二演出体4が変位する動作の少なくとも一部を省略すればよいため、動作の制御が容易である。
(変形例)
上記実施形態にかかる遊技機1の変形例として以下のような構成が考えられる。上記実施形態における演出ユニット2の一連の動作は、動作に区切り(段階)があることを説明したが、このような動作の区切りはなくてもよい。また、短縮動作時に「省略する」動作は、通常動作時における区切りと区切りの間の動作に限られるものではない。
具体的には、上記実施形態の通常動作における第三段階の動作は、第一演出体3に対し第二演出体4が四回転(360度×4)するように設定されているものであることを説明したが、この回転数を通常動作時よりも少なくすることによって短縮動作を実現してもよい。なお、本実施形態のように、第二演出体4が180度(半回転)したときの態様が半回転する前の態様と一致する場合には、180度単位で少なくすることができる(「回転数」は180度刻みのものとなる)。例えば、通常動作時には第一演出体3に対し第二演出体4が四回転し、短縮動作時には第一演出体3に対し第二演出体4が一回転半する(540度回転する)、という構成にすれば、第二演出体4の二回転半分(900度分)、通常動作に比べて短縮動作の動作時間を短くすることができる。また、回転するものに限らず、直線的または曲線的に移動する間に演出ユニットの態様が変化する動作であれば、同一の態様となる第一時点と第二時点の間の途中動作を省略することで動作時間を短くすることができる。いずれの場合であっても、通常動作時におけるある時点(第一時点)の演出ユニット2の態様と別の時点(第二時点)における演出ユニット2の態様が同じであり、両時点の間の動作を省略した短縮動作が違和感のないものとなる条件を満たす。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
例えば、上記実施形態における演出ユニット2を駆動させるための機構の構成は適宜変更可能である。すなわち、上述した通常動作および短縮動作を実現することができる機構であれば、どのような構成であってもよい。また、演出ユニット2全体が遊技機1本体に対してスライド可能である構成や、第二演出体4が第一演出体3に対して回転可能である構成は適宜変更可能である。すなわち、演出ユニット2全体が遊技機1本体に対して変位可能であり、第二演出体4が第一演出体3に対して変位可能であれば、その変位の種別(スライド、回転等)は問わない。また、上記実施形態では、演出ユニット2の動作開始位置と動作終了位置は同じである、すなわち演出ユニット2が動作を開始して動作開始位置から離れていった後、再び動作開始位置に戻ってくるまでの動作が一連の動作として構成されているが、「省略」する動作の前後の態様(第一時点と第二時点の態様)が同じであれば、動作開始位置と動作終了位置が異なっていてもよい。
また、上記実施形態では、演出時間として、相対的に長い第一変動時間または相対的に短い第二変動時間のいずれかが選択されるものであることを説明したが、演出時間の長さは三種類以上設定されていてもよい。この場合、一番長い演出時間よりも短い各演出時間に合わせた複数種の短縮動作が設定されていてもよい。これに合わせて、「省略する」動作の長さが異なる複数種の短縮動作が設定されていてもよい。また、演出時間の長さを分類するための一または複数の閾値を設定し、当該閾値を基準として(設定された演出時間が閾値よりも長い(短い)かどうかを基準として)演出ユニット2を通常動作させるか短縮動作させるかを決定する構成としてもよい。また、各変動態様に設定される演出時間は適宜変更可能である。