以下に本発明の好適な実施形態について説明する。尚、本発明の実施の形態は下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する種々の形態を採ることができ、各実施例に記載された内容を適宜組み合わせることが可能なことはいうまでもない。
[参考例1]
図1に示すように、遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には図3に記載する内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には図2に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
前枠52の上部左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65も複数設けられている。前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、該発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
上皿55の上部ほぼ中央には、遊技者が操作可能な演出ボタン67が備えられており、この演出ボタン67は、周囲にジョグダイヤル68を備えたものとなっている。遊技者が所定期間中に、演出ボタン67やジョグダイヤル68を操作することで後述する演出図柄表示装置6に表示される内容が変化したり、スピーカ66より出力される遊技音が変化したりする。また、このパチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属している。パチンコ機50には、貸出ボタン57、精算ボタン58及び残高表示器59を有するCR精算表示装置が備わっている。
図2は、本参考例のパチンコ機の遊技盤1の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術に従っているので図示及び説明は省略する。図2に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられている。この遊技領域3には多数の遊技釘4が打ち付けられている。
遊技領域3のほぼ中央部には、センターケース5が配されている。センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6(液晶表示装置であり演出図柄を表示する。)の画面を臨ませる窓等を備えている。センターケース5の下には、第1始動口11と第2始動口12とが一体に形成された始動口ユニットが配置され、センターケース5の右方には、ゲート17が配置されている。つまりゲート27は演出図柄表示装置15の右方に位置する。第2始動口12は開閉可能な翼片を供えた普通電動役物を備えており、この翼片が開放しないと遊技球は第2始動口12に入球できない構成となっている。
遊技領域の右下部には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、普通図柄保留数表示装置8と、第1特別図柄保留数表示装置18と、第2特別図柄保留数表示装置19と、7セグメント表示装置からなる第1特別図柄表示装置9・第2特別図柄表示装置10とが配置されている。なお、第1始動口11に入球したことを契機として第1特別図柄表示装置9に表示される特別図柄を第1特別図柄といい、第2始動口12に入球したことを契機として第2特別図柄表示装置10に表示される特別図柄を第2特別図柄という。
第2始動口12の下方にはアタッカー式の大入賞口14が配置されている。また、第1始動口11の左方には、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33及び第4左入賞口34が設けられている。なお、この第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34が、常時、入球率が変化しない普通入賞口である。ゲート17の下方には遊技球経路97が配設されており、その入口97aがゲート17のほぼ真下に位置し、出口97bは第2始動口12の右方に位置している。遊技領域3の右側に発射された遊技球は、ゲート17を通過したか否かに係わらず、全て遊技球経路97の入口97aに入る。符号98は可動式の役物(以下、演出可動物98という)であり、チェーンが2つのスプロケット間に架け渡されており、チェーンモータ(後述)により駆動される。
パチンコ機50の裏面は図3に示すとおり、前述した遊技盤1を脱着可能に取り付ける内枠70が前述した外枠51に収納されている。この内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球を払出装置73により前述した上皿55に排出することができる。また、パチンコ機50の裏側には(図4も参照のこと)、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置84(図4参照)、電源基板85が設けられている。なお、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83がサブ制御装置に該当する。
主制御装置80、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83は遊技盤1に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置84、電源基板85が内枠70に設けられている。なお、図3では、発射制御装置84が描かれていないが、発射制御装置84は払出制御装置81の下に設けられている。また、球タンク71の右側には、外部接続端子78が設けられており、この外部接続端子78より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータに送られる。なお、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子78には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠用(枠側(前枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本参考例では、一つの外部接続端子78を介してホールコンピュータへ遊技状態や遊技結果を示す信号を送信している。
このパチンコ機50の電気的構成は、図4のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのためのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本参考例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させるゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34に入球した遊技球を検出する左入賞口スイッチ31a等の検出信号が入力される。
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。
また主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9、第2特別図柄表示装置10及び普通図柄表示装置7の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19、普通図柄保留数表示装置8の点灯を制御する。
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド(図4では普電役物ソレノイドと表記)12bを制御することで第2始動口12の開閉を制御する。主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールコンピュータ87に送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。本参考例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
なお、払出制御装置81はガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してCRユニット56と交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示装置25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示装置25には、遊技球の貸出しを要求するための貸出ボタン57、精算を要求するための精算ボタン58、精算表示装置(図示せず)が接続されている。
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータ87に送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
なお本参考例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドルからの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。
回動量信号は、遊技者が発射ハンドルを操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドルを触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射できないようになっている。
サブ統合制御装置83はサブ制御装置に該当し、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用、ランプ制御用、及び演出可動部98用のデータに振り分ける。演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用、ランプ制御用及び演出可動部98用のコマンド等は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置、ランプ制御装置、及びチェーンモータ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカからの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御し、チェーンモータ制御装置としての機能部はチェーンモータ100を駆動制御する。また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67、ジョグダイヤル68が接続されており、遊技者がこれらを操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面6aに表示させる。
メインルーチンを図5に従って説明する。メインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施形態では、S10〜S65までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS70の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、たいていが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(S70)に移行する。
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理が実行される(S20)。この処理は、初期値乱数の値についてこの処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「3966」のときには次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。
S20に続く大当り決定用乱数更新処理(S25)は、初期値乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、最大値である「3966」のときは次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」〜「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。なお、大当り決定用乱数の最初の値は、初期値乱数設定処理で設定された値となる。この値が250であったとすると、大当り決定用乱数は「250」「251」「252」・・・「3966」「0」「1」・・・と更新されていく。
なお、大当り決定用乱数が1巡(3967回、更新されること)すると、そのときの前記初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にし、大当り決定用乱数は、その初期値から+1するインクリメント処理を行う。そして、再び大当り決定用乱数が1巡すると、その時の初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする動作を行なう。つまり、この一連の動作を繰り返し続けることになる。前述の例では大当り決定用乱数が「249」になると1巡であるから、「249」の次は前記初期値乱数の値となる。仮に初期値乱数の値が「87」だったとすると、「249」「87」「88」・・・「3966」「0」「1」・・・「86」と変化していき、「86」の次は新たな前記初期値乱数の値となる。
大当り図柄決定用乱数更新処理(S30)は「0」〜「99」の100個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
S30に続く当り決定用乱数更新処理(S35)は、「0」〜「996」の997個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、当選することとなる値は通常確率状態では31〜40、高確率状態では31〜996である。なお、この当り決定用乱数更新処理は普通図柄の抽選(通常確率状態では1/99.7、高確率状態では966/997≒93.9%)に使用し、その他の初期値乱数、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は特別図柄の抽選に使用する。
リーチ判定用乱数更新処理(S40)は、「0」〜「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、通常確率状態時で変動時間短縮機能未作動時にリーチとなる値の数は21で、値は「0」〜「20」であり、通常確率状態時で変動時間短縮機能作動時にリーチとなる値の数は5で、値は「0」〜「4」であり、高確率状態時にリーチとなる値の数は6で、値は「0」〜「5」である。
変動パターン決定用乱数更新処理(S45)は、「0」〜「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
続く入賞確認処理(S50)では、第1始動口11、第2始動口12の入賞の確認及びパチンコ機50に設けられ主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。
本参考例では、遊技球が第1始動口11、第2始動口12に入賞すると大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数など複数の乱数を取得されるのだが、保留記憶できる数を第1始動口11と第2始動口12でそれぞれ4個までとしており、保留記憶が満タンである4個のときに遊技球が第1始動口11又は第2始動口12に入賞しても賞球が払出されるだけで、前記複数の乱数は保留記憶されない構成になっている。なお、図示しないが、遊技球がゲート17を通過した際に取得される乱数も4個まで記憶され、その数が普通図柄保留数表示装置8に表示される。
続いて、大当りか否かを判定する条件成立判定手段としての当否判定処理(S55)を行う。この当否判定処理(S55)が終了すると、続いて画像出力処理等の不正監視処理(S60)が実行される。
不正監視処理(S60)は、普通入賞口(第1左入賞口31、第2左入賞口32、第3左入賞口33、第4左入賞口34)に対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。つまり、不正判断手段は、主制御装置80に設けている。
続く各出力処理(S65)では、遊技の進行に応じて主制御装置80は演出図柄制御装置82、払出制御装置81、発射制御装置84、サブ統合制御装置83、大入賞口ソレノイド14b等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理(S50)により遊技盤1上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御装置81に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置83に出力する処理を、パチンコ機50に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置82にエラー信号を出力する処理を各々実行する。
本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数更新処理(S70)から構成されるが、前述したS20と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS10〜S65までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、図5に示された割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数に更新される値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数が大当り決定用乱数と同期する可能性は極めて小さくなる。大当り決定用乱数が1巡したときの、初期値乱数の値(0〜3966の3967通り)が、同程度に発生するとすれば、同期する確率はわずか1/3967である。また、前述した当り決定用乱数更新処理(S35)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
S50の入賞確認処理は図6に示すようなもので、主制御装置80は、第1始動口スイッチ11aの検出信号に基づいて、第1始動口11に遊技球が入球したか否かを判断する(S100)。肯定判断なら(S100:yes)、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第1保留記憶が満杯(本参考例では4個)か否かを判断する(S105)。
第1保留記憶が満杯でなければ(S105:no)、上記の各乱数を第1保留記憶として記憶し、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を1増加させる(S110)。既に4個の第1保留記憶があれば(S105:yes)保留記憶せず、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を増やすこともなくS115へ移行する。
第1始動口11に遊技球が入球していないと判定された場合(S100:no)もS115に進み、第2始動口スイッチ12aの検出信号に基づいて、第2始動口12に遊技球が入球したか否かを判断する。肯定判断(S115:yes)なら、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第2保留記憶が満杯(本参考例では4個)か否かを判断する(S120)。
第2保留記憶が満杯でなければ(S120:no)、上記の各乱数を第2保留記憶として記憶し、第2特別図柄保留数表示装置19の点灯数を1増加させる(S125)。既に4個の第2保留記憶があれば(S120:yes)、第2保留を記憶せず、第2特別図柄保留数表示装置19の点灯数も増やさずに当処理を終了(リターン)する。また、第2始動口12に遊技球が入球していない場合(S115:no)も、当処理を終了する。
図7〜10に示す当否判定処理では、主制御装置80は、特別電動役物が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S200)。S200の判定が否定判断で、特別図柄が変動中でなく(S205:no)、確定図柄の表示中でもなければ(S210:no)、図8のS250に移行し、第2保留記憶(S125による保留記憶)があるか否かを判断する。
この保留記憶があれば(S250:yes)、第2保留記憶数をデクリメントし(S255)、S270に進む。第2保留記憶がなければ(S250:no)、第1保留記憶(S110による保留記憶)があるか否かを判断する(S260)。つまり、本参考例の遊技機では、第1保留記憶よりも第2保留記憶の方が優先的に当否判定が行なわれる。第1保留記憶があれば(S260:yes)、第1保留記憶数をデクリメントし(S265)、S270に進む。
S270では第2保留記憶(S265から移行した場合は第1保留記憶)の中で最も古いものを読み込んで(その保留記憶は消去する)、確変フラグがセットされている(すなわち1)か否かを判定する。ここで確変フラグが1とは、現在のパチンコ機50が高確率遊技状態(以下、確変状態、或いは単に確変ともいう)であることを意味する。肯定判断であれば(S270:yes)、読み込んだ大当り決定用乱数を確変テーブルに記録されている当り値と照合する(S275)。ここで当り値の数は100で、758〜777、1314〜1333、1758〜1777、2758〜2777、3314〜3333である。つまり当たり確率は1/39.67となる。否定判断であれば(S270:no)、読み込んだ大当り決定用乱数を通常テーブルに記録されている当り値と照合する(S280)。ここで当り値の数は10で、775〜777、1775〜1777、2774〜2777である。つまり当り確率は1/396.7となる。
S275またはS280の判定に基づき、大当りか否かを判定し(S285)、肯定判定であれば(S285:yes)、大当り図柄決定用乱数によって当り図柄を決定する(S290)。当たり図柄の決定方法を図16に示す。図16(a)が第1特別図柄、図16(b)が第2特別図柄である。本図に示すように、大当り図柄は10種類あり、図柄1〜図柄4が15ラウンド(本図ではRと記載)特定時短有図柄、図柄5〜図柄6が2ラウンド特定時短有図柄、図柄7〜図柄10が15ラウンド通常時短有図柄となっている。15ラウンド特定時短有図柄および2ラウンド特定時短有図柄が大当り終了後に高確率遊技状態となる図柄(いわゆる確変図柄)であり、15ラウンド通常時短有図柄が大当り終了後に低確率状態となる図柄(いわゆる通常図柄)である。第1特別図柄の場合、大当り図柄決定用乱数(図16(a)では特図1決定用乱数1と記載)が0〜9であれば図柄1、10〜19であれば図柄2、20〜29であれば図柄3、30〜39であれば図柄4、40〜49であれば図柄5、50〜59であれば図柄6、60〜69であれば図柄7、70〜79であれば図柄8、80〜89であれば図柄9、90〜99であれば図柄10が決定される。第2特別図柄の場合、大当り図柄決定用乱数(図16(b)では特図2決定用乱数1と記載)が0〜14であれば図柄1、15〜29であれば図柄2、30〜44であれば図柄3、45〜59であれば図柄4、60〜69であれば図柄7、70〜79であれば図柄8、80〜89であれば図柄9、90〜99であれば図柄10が決定される。つまり、第2特別図柄により発生した大当りでは、その終了後に確変となる割合が60%となっている。一方、第1特別図柄では、確変となる割合は40%+20%=60%で、第2特別図柄と同じであるが、2ラウンド特定時短有図柄が存在するので、1回の大当りで期待できる出球の平均値が、第2特別図柄により大当りとなった場合に比べて少なくなる。換言すると、第2特別図柄により発生した大当りは賞球数の多い大当りである確率が100%、第1特別図柄により発生した大当りは賞球数の多い大当りである確率が80%となり、賞球数の多い大当りが発生する確率は、第2始動口12への入球に起因したものの方が第1始動口112への入球に起因したものよりも確率が高いことになる。なお、図柄11は小当り図柄(第1特別図柄にのみ存在)であり、図柄12はハズレ図柄である。
15ラウンド特定時短有図柄が特別図柄表示装置9,10に表示されたことにより発生する大当りは、最大28秒の大入賞口14の開放を15回行なうもので、その終了後には、確率変動機能の作動、特別図柄および普通図柄の変動時間の短縮機能(時間短縮機能または時短機能ともいう)の作動、及び普通電動役物の開放延長機能(単に開放延長機能ともいう)の作動を、いずれも次回の大当りまで継続する。なお、本参考例の遊技機においては、開放延長機能と時短機能は、必ずセットで付与・非付与がなされるので、これらが付与された状態を開放延長状態(あるいは時短状態)という。開放延長機能が作動していない状態で普通図柄が当選すると、第2始動口12は0.2秒間開放し(これが本発明の開状態発生手段に相当する)、開放延長機能が作動している状態で普通図柄が当選すると、第2始動口12は2秒間の開放を3回繰り返す。15ラウンド通常時短有図柄が特別図柄表示装置9,10に表示されたことにより発生する大当りは、最大28秒の大入賞口14の開放を15回行なうもので、その終了後には、時間短縮機能の作動、及び開放延長機能の作動を、特別図柄が100回変動するまで継続する。なお、確率変動機能は作動しない。2ラウンド特定時短有図柄が特別図柄表示装置9に表示されたことにより発生する大当りは、2ラウンド突確ともいい、最大2秒の大入賞口14の開放を2回行なうもので、その終了後には、確率変動機能が次回の大当りまで作動する。
図柄変動の時間短縮機能、及び普通電動役物の開放延長機能については共に、図柄5〜6が表示されることとなった特別図柄が変動を開始した際の遊技状態によって作動・非作動が変化する。すなわち、該変動時の状態が時短が作動した状態であれば、時間短縮機能及び開放延長機能はいずれも次回の大当りまで作動する。一方、該変動時の状態が時短が作動していない状態であれば、時間短縮機能及び開放延長機能はいずれも作動しない。なお、時短機能及び開放延長機能は、これらの作動時に時短回数というカウンタに上限値を設定し、これを特別図柄が変動するごとにカウントダウンし、ゼロになったときに作動を停止させる。15ラウンド通常大当りの際には、時短回数として100がセットされる。時短機能及び開放延長機能を次回の大当りまで作動させる際には、時短回数として1万をセットすることにより、実質的に実現している。なお、前述した「次回の大当りまで確変」は、確変回数として1万をセットすることにより実現している。確変回数は時短回数と同様、特別図柄が変動するごとにカウントダウンされていき、ゼロになったときに確率変動機能の作動が停止される。
なお、小当りとは、小当り図柄が特別図柄表示装置9に表示されたことにより発生するもので、最大2秒の大入賞口14の開放を2回行なう。小当りの終了後には、確率変動機能、時間短縮機能、及び開放延長機能のいずれも作動しない。ただし、これは「小当りの発生・終了を契機としてこれらの機能が作動することはない」という意味であり、小当りを発生することとなった特別図柄の変動開始時の状態は維持される。すなわち、確率変動状態で該変動が開始された場合、小当り後の遊技状態は確率変動状態であり、時短状態で該変動が開始された場合には時短状態であり、開放延長状態で該変動が開始された場合には開放延長状態である。これは、小当りと2ラウンド突確とを、大入賞口14の開放パターンや、その後の状態で時短機能や開放延長機能が作動したか否かから識別するのが困難であることを意味している。なお、確率変動機能が作動していない状態で、小当り・2ラウンド突確発生し、これらがそれぞれ終了した後の遊技状態は、異なる(小当りは確率変動機能が作動せず、突確大当りは確率変動機能が作動する)が、この作動・非作動に伴う演出を、両者で全く同じにすることにより、遊技者が確率変動機能が作動しているか否かを判別することを困難にすることができる。具体的には、例えば、特別図柄が図柄1〜4で当たる場合は、「111」「333」「555」「777」「999」の演出図柄を演出図柄表示装置6に確定表示し、特別図柄が図柄7〜10で当たる場合は、「222」「444」「666」「888」の演出図柄を演出図柄表示装置6に確定表示するが、特別図柄が図柄5〜6で当たる場合、及び小当りとなる場合は、共に「246」を確定表示する。これにより、遊技者は、確率変動機能が作動したのか否かが分かりにくくなる。
図8に戻る。こうして大当たり図柄が決定すると、変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定し(S295)、大当り設定処理を行う(S300)。大当り設定処理とは決定した大当り図柄によって、大当り後の遊技状態(確変や開放延長の有無等)や大当り遊技にかかる情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)を取得する処理である。なお、2ラウンド大当たりの場合のオープニング時間およびエンディング時間は、特別図柄の保留記憶数に応じ異なった時間が設定される。
S285において外れと判定された場合は、小当りか否かを判定する(S305)。ここで大当り決定用乱数が、301〜361のときに小当りとする。つまり小当たり確率は約1/65である。肯定判断であれば、小当り図柄を決定し(S310)、変動パターン決定用乱数によって変動パターンを決定する(S315)。なお、本参考例の遊技機においては小当り図柄は1種類のみ(後述)であるため、小当りであると判定された時点(S305:yes)で小当り図柄は決定する。小当りも外れのときは(S305:no)、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターンを決定する(S320)。こうしてS315またはS320により変動パターンが設定されると、ハズレ設定処理を行なう(S325)。ハズレ設定処理では、時短回数または確変回数がプラスであれば、それぞれ−1する。
S300又はS325に続いては、上述の抽選結果を示すデータ、具体的には通常大当り、確変大当り、リーチ外れ(外れであるがリーチ表示有り)、小当り、リーチ表示無しの外れのいずれかを示すデータと変動時間を指定する変動パターンのデータが含まれる変動開始コマンド(表示制御コマンド)をサブ統合制御装置83に出力し(S330)、更に図柄指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S335)、特別遊技処理を行なう。なお、S330の処理により演出図柄表示装置15では演出図柄の変動表示が開始されるが、ほぼ同時に特別図柄の変動も主制御装置80によって開始される。
図7のS205において特別図柄が変動中(S205:yes)と判定された場合には、図9のS350に移行し、図柄変動時間(S295、S315,又はS320の変動パターンに基づく)を経過したか否かを判定する。否定判断(S350:no)であれば特別遊技処理を行い、肯定判断であれば確定図柄表示処理(S355)を行なってから特別遊技処理を行う。確定図柄表示処理では、確定図柄を表示する旨のコマンド(図柄確定コマンド)をサブ統合制御装置83に出力するとともに、特別図柄表示装置9,10にコマンドを出力して確定図柄にて停止させる。
図7のS210において確定図柄を表示中と判定された場合には、図10のS400に移行し、確定図柄の表示時間が終了したか否かを判定する。否定判定の場合(S400:no)は特別遊技処理を行う。肯定判定(S400:yes)の場合は、確定図柄の表示を終了し(S405)、確定表示された特別図柄が大当りになる組み合わせ(配列)か否かを判定する(S410)。肯定判断された場合(S410:yes)は、確変フラグが1か否かを判定する(S415)。確変フラグが1であれば(S415:yes)、S420にて確変フラグを0にし、S425に移行する。確変フラグが1でなければ(S415:no)、そのままS425に移行する。S425では、時短フラグが1か否かを判定する。時短フラグが1であれば(S425:yes)、S430にて時短フラグを0にし、S435に移行する。時短フラグが1でなければ(S425:no)、そのままS435に移行する。
S435では条件装置作動開始処理により、大当りフラグをセットする。続くS440にて役物連続作動装置を作動させ、S445にて大当り開始演出処理を行なう。大当り開始演出処理では、大当り遊技を開始するコマンド及び大当り遊技に係る情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)をサブ統合制御装置83に送信する。大当り開始演出処理が終了すると、特別遊技処理を行なう。
S410で、確定表示させた特別図柄が大当りになる表示でないと判定された場合は、S450にて確変フラグが1か否かを判定し、1であれば(S450:yes)、確変回数が0か否かを判定する(S455)。確変回数が0であれば(S455:yes)、S460にて確変フラグを0にしてS465に進む。確変フラグが1でないとき(S450:no)又は確変回数が0ではないとき(S455:no)はそのままS465に移行する。S465では、時短フラグが1か否かを判定し、1であれば(S465:yes)、時短回数が0か否かを判定する(S470)。時短回数が0であれば(S470:yes)、S475にて時短フラグを0にしてS480に進む。時短フラグが1でないとき(S465:no)又は時短回数が0ではないとき(S470:no)はそのままS480に移行する。
S480では、現在の遊技状態が確変中であるか否か、時短中であるか否か等の状態を示す状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し、続くS485では、確定表示させた特別図柄が小当りになる組み合わせ(配列)か否かを判定する。小当りになる組み合わせであれば(S485:yes)、特別電動役物開始処理(S490)を行い、S495にて小当り開始演出処理を行なう。小当り開始演出処理では、小当り遊技を開始するコマンド及び小当り遊技に係る情報(小当りのオープニング時間、小当りのエンディング時間等)をサブ統合制御装置83に送信する。小当り開始演出処理が終了すると、特別遊技処理を実行する。S485で、小当りになる組み合わせでないと判定された場合は(S485:no)、そのまま特別遊技処理を実行する。
図11に示す特別遊技処理では、主制御装置80は、役物連続作動装置が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S500)。役物連続作動装置が作動中なら(S500:yes)、大入賞口14が開放中か否かを判断する(S505)。大入賞口14の開放中ではない場合は(S505:no)、ラウンド間のインターバル中により大入賞口14が閉鎖しているのか否かを判断する(S510)。インターバル中でもない場合は(S510:no)、大当り終了演出中であるか否かを判断する(S515)。これも否定判断の場合は(S515:no)、今から大当り遊技を開始する演出に要する時間が経過したか否かを判定する(S520)。大当り開始演出時間が経過した場合は(S520:yes)、大入賞口開放処理(S525)を行なって本処理を終了(リターン)する。
S505で大入賞口14が開放中であると判定された場合は、図12のS550に進み、大入賞口14に10個入賞したか否かを判定する。なお、本参考例では10個だが、9個、8個でもよく、特に限定するものではない。大入賞口14に10個入賞した場合(S550:yes)にはS560に進み、大入賞口閉鎖処理を行う。そして大当りインターバル処理(S565)を行なって、特別遊技処理を終了する。大入賞口14に10個入賞していない場合(S550:no)にはS555に進み、大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する。本実施例では、15ラウンドでの大当りの場合は各ラウンドの最大開放時間は28秒に設定している。無論、この秒数に限定するものではない。開放時間が終了した場合(S555:yes)には、S560に合流し、終了していない場合(S555:no)は特別遊技処理を終了する。
図11のS510でインターバル中であると判定された場合は、図12のS570に進み、大当りインターバル時間が経過したか否かを判定する。インターバル時間が経過している場合(S570:yes)は、直前に大入賞口14が開いていたのが最終ラウンドか否かを判定する(S575)。最終ラウンドであれば(S575:yes)、大当り終了演出処理(S580)を行い、特別遊技処理を終了する。最終ラウンドでなければ(S575:no)、再び大入賞口14を開放する処理(S585)を行い、特別遊技処理を終了する。なお、大当りインターバル時間が経過していないと判定された場合(S570:no)には、そのまま特別遊技処理を終了する。なお、大入賞口14を開放・閉鎖する処理においては、サブ統合制御装置83にも信号を送信する。サブ統合制御装置83は、その信号に基づいて、現在のラウンドを把握し、該ラウンドに応じた演出を行なう。
図11のS515で大当りの終了演出中であると判定された場合は、図13のS600に進み、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。大当り終了演出時間が経過した場合には(S600:yes)、役物連続作動装置の作動を停止し(S605)、条件装置の作動を停止する(S610)。そして、S300で取得した次回の遊技状態で確変に移行するか否かを判定する(S615)。確変に移行する場合(S615:yes)は、確変回数を設定し(S620)、確変フラグを1に設定し(S625)、S630に移行する。確変フラグを1にすると本参考例では特別図柄の当選確率が向上する。確変に移行しない場合(S615:no)はそのままS630に移行する。なお、確定図柄が2ラウンド大当り図柄であった場合には、S615でyesと判定されて確変が設定される。
S630では、次回の遊技状態で時短に移行するか否かを判定する。時短に移行する場合(S630:yes)は、時短回数を設定し(S635)、時短フラグを1に設定し(S640)、大当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理(S645)を行ない、状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信(S650)して特別遊技処理を終了する。時短フラグを1にすると本参考例では特別図柄の平均変動時間短縮、第2始動口12の開放延長機能をセットし、時短回数カウンタの値をセットする。時短に移行しない場合(S630:no)はS645に直行する。なお、確定図柄が2ラウンド大当り図柄であった場合には、S630でnoと判定されて時短に移行しない。ただし時短中に確定図柄が2ラウンド大当り図柄であった場合には、S630でyesと判定され、時短状態が維持される。以上が特別遊技処理である。
図11で役物連続作動装置が作動していないと判定された場合(S500:no)には、図14に示す小当り遊技処理を実行する。本処理が起動すると、S700にて特別電動役物が作動中であるか判断し、作動中であれば(S700:yes)、大入賞口14が開放中か判断する(S705)。否定判断の場合(S705:no)は、小当り遊技間のインターバル中であるか判断する(S710)。小当り遊技間のインターバルではなく(S710:no)、小当り遊技の終了演出中でもない場合は(S715:no)、小当り遊技の開始演出に要する時間が経過するのを待ち(S720:yes)、大入賞口14を開放させ(S725)、本処理を終了する。なお、特別電動役物が作動していないか(S700:no)、または小当り開始演出に要する時間が経過していないと判定された場合(S720:no)には、そのまま本処理を終了する。
図14のS705で大入賞口14が開放中であると判定された場合は、図15のS750に進み、大入賞口14に10個入賞したか否かを判定する。大入賞口14に10個入賞していないと判定された場合(S750:no)はS755に進み、大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する。本参考例では、小当りの場合は各開放の最長時間は2秒に設定している。無論、この秒数に限定するものではない。開放時間が終了した場合(S755:yes)には、S760にて大入賞口閉鎖処理を行う。そして小当りインターバル処理(S765)を行なって、小当り遊技処理を終了する。
大入賞口14に10個入賞した場合(S750:yes)にはS760に直行し、また大入賞口14の開放時間が終了していない場合(S755:no)は小当り遊技処理を終了する。
図14のS710で小当りインターバル中であると判定された場合は、図15のS770に進み、小当りインターバル時間が経過したか否かを判定する。小当りインターバル時間が経過している場合(S770:yes)にはS775にて大入賞口14が規定回数(ここでは2回)開放済みか又は10個入賞済みか否かを判定する。肯定判定の場合(S775:yes)は、小当り終了演出処理(S780)を行なって小当り遊技処理を終了する。否定判定の場合(S775:no)は、大入賞口開放処理(S785)により大入賞口14を2秒間、2回開放し、小当り遊技処理を終了する。つまり小当りでは、大入賞口14が基本的に2秒、2回開放されるが、1回の開放で10個以上の入賞があった場合は1回の開放のみで小当りが終了する。なお、実際には1回の開放で10個以上の入賞が発生することは殆どない。
図14のS715で小当り終了演出中であると判定された場合は、図15のS790に進み、小当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。小当り終了演出時間が経過したと判定された場合(S790:yes)は、S795にて特別電動役物の作動を停止させ、小当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信(S800)して小当り遊技処理を終了する。小当り終了演出時間が経過していないと判定された場合(S790:no)は、そのまま小当り遊技処理を終了する。
図2に示した遊技球経路97と演出可動物98の奥方向の位置関係を図17に示す。本図において左方向が前方(遊技者がいる方向)である。図17に示すように、演出可動物98は、遊技球経路97の奥に設置されており、演出可動物98・遊技球経路97間には隙間aがある。従って、演出可動物98が遊技球経路97に触れることはもちろん、演出可動物98のチェーン等の振動が遊技球経路97内の遊技球の挙動に影響を与えることもない。また、図2では遊技球経路97により演出可動物98の一部が遮られて遊技者から視認できないように図示されているが、実際には遊技球経路97は透明の合成樹脂製となっており、演出可動物98の全体を遊技者は見ることができる。また、遊技球経路97が透明にされていることにより、遊技球が技球経路97内を流れる様子を遊技者は見ることができる。また、遊技球経路97は本図に示すように円形の断面を有する筒状部材となっており、その内径は遊技球の直径よりも大きく、同直径の2倍より小さくされている。これにより、遊技球経路97内に入った遊技球は詰まることなく流れ、遊技球経路97の出口97bから流れ出る。また、遊技球経路97はその全体が出口97bに近づくにつれて低くなる形状にされているため、遊技球は逆流することなく遊技球経路97内を流れることができる。
第2始動口の翼片が開閉される様子を図18に示す。図18(a)が翼片12cが閉鎖された様子、図18(b)が翼片12cが開放された様子である。これらの図に示すように翼片12cは本図に垂直な軸の周りに回動可能に構成された一対の部材であり、閉鎖時には図18(a)に示すように上方に起立した状態となり、開放時には図18(b)に示すように互いに離反する方向に回動される。翼片12cの閉鎖時(第2始動口12の閉鎖時ともいう)には翼片12cの先端が第1始動口11のわずか下に位置する。この位置は、第1始動口11と翼片12cの先端との隙間から遊技球bが入り込めない程度の位置となっている。つまり、翼片12cの閉鎖時には遊技球bは第2始動口12に入賞することができない。一方、翼片12cの開放時(第2始動口12の開放時ともいう)には一対の翼片12cが回動されることにより翼片12cの二体の先端が左右に離反するので、第1始動口11と第2始動口12の間には遊技球bが楽に入ることができる程度の空間が形成され、遊技球bは第2始動口12に入賞することができる。しかも図18(a)では互いに対向していた一対の翼片12cの面が、翼片12cの開放時には図18(b)に示すように緩やかな斜面となって、遊技球bを第2始動口12へと誘導するので、翼片12cの開放時は第2始動口12に非常に入球しやすい状態となる。
図18(a)のA−A断面を図19(a)に示す。図17と同様、本図の右方向が遊技機の奥方向である。本図に示すように、第1始動口11に入賞した遊技球bは、遊技領域3の裏側へと流れたのち落下し、その途中にある第1始動口スイッチ11aに検知される。図18(b)のB−B断面を図19(b)に示す。本図に示すように、第2始動口12に入賞した遊技球bは、遊技領域3の裏側へと流れたのち落下し、その途中にある第2始動口スイッチ12aに検知される。図19(a)、図19(b)に示した遊技球bの流れを裏面から見ると図19(c)のようになる。すなわち、第1始動口11に入賞した遊技球bは、遊技領域3の裏側へと移動しつつ左方へ流れたのち落下し、その途中にある第1始動口スイッチ11aに検知される。一方、第2始動口12に入賞した遊技球bは、遊技領域3の裏側へ移動したのち落下し、その途中にある第2始動口スイッチ12aに検知され、更に左方へ移動して流路13で第1始動口11に入賞した遊技球の流路と合流する。つまり、第1始動口11と第2始動口12が近接配置されることにより、第1始動口スイッチ11aと第2始動口スイッチ12aも近接配置でき、これらスイッチ11a,12bにて検出された後の遊技球を、共通の流路13で排出することも可能となる。
以上、説明した遊技機における遊技の流れは次のようになる。通常状態においては、開放延長状態となっていないので、専ら第1始動口11に入球させることにより遊技が進行される。つまり遊技者は第1始動口11を狙って遊技球を発射することになる。これに反し、遊技領域3の右側を狙って発射(右打ち)すると、その遊技球はガイドレール2a,2bを通って、遊技領域3の左上部に到達し、図20に示す矢印のようにゲート17を通って入口97aから遊技球経路97に入る。なお、ゲート17を通らなかった遊技球も入口97aから遊技球経路97に入る。遊技球経路97の出口97bは図21(a)に示すように第1始動口11よりも低い位置にあるので、遊技球経路97の出口97bから出た遊技球は、第1始動口11に入ることが困難である。特に本参考例の遊技機では、翼片12cの上端よりも、遊技球経路97の出口97bの上縁の方が低くされているので、第1始動口11への入球はほぼ不可能である。翼片12cが開放すれば、第2始動口12に入球することができるが、それには普通図柄が当選する必要があり、普通図柄の当選確率は通常状態では1/99.7であるから翼片12cは殆ど開かず、特別図柄の抽選が発生すること自体が困難である。従って、遊技者は遊技領域3の左側を狙って遊技球を発射(左打ち)することになる。
第1始動口11に入球すると、第1特別図柄が変動され、1/396.7の確率で当選し、大当りが発生する(第1大入賞口14が15回開放される)。大当り状態では、大当りの発生前の状態に関わらず開放延長状態ではなくなり(S410:yesからS430に至る処理による)、普通図柄の当り確率が1/99.7となる。この結果、翼片12cは殆ど閉鎖された状態となるので、遊技球は第2始動口12には入りにくく、大入賞口14に入りやすい状態となる。なお、大当り中には左打ちをしても大入賞口14に入賞させることは可能だが、右打ちを行なった方が遊技進行を早くすることができる。すなわち右打ちをすると、発射された遊技球は全て遊技球経路97に入り、図21(a)のように翼片12cの脇にある遊技球経路97の出口97bから流出するので、前記のように第1始動口11には入球せず、また第2始動口12にも入球するのが困難であるため、左打ちを行なった場合よりも極めて効率的に大入賞口14に入賞する。従って、早い時点で大入賞口14に10個入賞(S550:yes)し、各ラウンドが短時間で終了し、大当り、ひいては遊技進行が早くなる。また、大当り中に右打ちを行なうと、ゲート17通過が発生する一方で、大当り中は普通図柄の変動時間が短縮されないので、大当り終了時には普通図柄の保留記憶が貯まっている状態となる。この普通図柄の保留記憶と、大当り終了後に発生する開放延長状態とにより、第2始動口12は速やかに開放されるので、この点からも大当り中は右打ちをする方が有利である。
大当りの終了後には開放延長状態となり、普通図柄の当選確率が1/99.7から93.9%に上昇し、しかも翼片12cの開放頻度が0.2秒間×1回から2秒間×3回に上昇する。翼片12cが開いた際の遊技球経路97の出口97b付近は図21(b)のようになり、向かって右側の翼片12cの先端が、遊技球経路97の出口97bの下端とほぼ同じ高さに位置する。両者の間には隙間があるものの、その広さは遊技球の直径に満たない。従って、遊技球経路97の出口97bから流出した遊技球は大入賞口14の方へ脱落することなく、翼片12cに誘導され、容易に第2始動口12に入賞する。これにより、大当り時に右打ちをしていた遊技者が開放延長状態を得ると、引き続き右打ちをすることにより容易に第2始動口12に入賞する。このように右打ちをすると、第1始動口11への新たな入球が発生せず、しかも第1保留記憶よりも第2保留記憶の方が優先して当否判定されるので、2ラウンドのみの大当りとなる図柄5〜6で当ることはなく、右打ちをする限り、必ず大当りは15ラウンドとなる特別図柄2に係る遊技が行なわれる。なお、大当りの終了後、開放延長状態が始まって第2始動口12への入球が発生するまでの間は、第2保留記憶が存在しないので、第1保留記憶に基づく特別図柄の変動が発生するが、右打ちにより、ほぼ確実にゲート17への遊技球の通過が発生し、普通図柄の変動時間が短縮されており、しかも普通図柄は93.9%の確率で当るので、速やかに第2始動口12への入賞が発生する。
なお、図柄5〜6で大当りとなった場合は、大当りの終了後に開放延長状態とならないので、通常状態に戻る(ただし特別図柄の当り確率は1/39.7に上昇する。また開放延長状態で図柄5〜6により大当りとなった場合は、大当りの終了後に開放延長状態となる)。
以上のように構成された遊技機によれば、遊技領域の右側を狙って発射された遊技球はゲート17を通過し、遊技球経路97に入る。遊技球経路97の出口97bは第1始動口11よりも下で第2始動口の右方に位置するので、開放延長状態においても第1始動口11に入球せず、効率的に第2始動口12に入球する。従って、開放延長状態に移行した直後の、第2保留記憶がない状態を除き、第1保留記憶に基づく、遊技者にとって不利な大当りが発生することはない。また、遊技球経路17は筒状であるため、その周囲の部材が遊技球の流下に影響を与えることは無く、演出可動物98などを自由に配置することができる。
ここで本参考例の構成・状態と、本発明の構成要件との対応関係を示す。S290およびS310の処理が本発明の「特別図柄設定手段」に相当し、特別遊技処理が本発明の「大当り遊技発生手段」に相当し、S630〜S640の処理が本発明の「開状態延長手段」に相当し、大入賞口用通路99が本発明の「大入賞口誘導領域」に相当し、S110の処理が本発明の「第1保留手段」に相当し、S125の処理が本発明の「第2保留手段」に相当し、S250でnoと判定されて初めてS260の処理を行なう部分が本発明の「優先変動手段」に相当する。
[参考例2]
本発明の第2参考例について図22を用いて説明する。なお、本参考例は参考例1と共通点が多いため、異なる点のみを重点的に説明する。
図22は第2参考例の遊技機の遊技盤1の正面図である。第1参考例の遊技機では、右打ちをした場合、発射された全ての遊技球は遊技球経路97に入ったが、第2参考例の遊技機では、その一部が大入賞口用通路99を通って大入賞口14の右方に至る。このようにすると、第1参考例の遊技機に比べ、遊技球経路97の出口97bから流出する遊技球は減るものの、略同様の効果を奏する遊技機となる。更に、演出可動物98が大入賞口用通路99の左側(大入賞口用通路99の下流部では上側)に存在することにより、遊技球経路97に入らなかった遊技球が始動口11,12の方へ向かわないようにすることができる。つまり、演出可動物98が大入賞口用通路99の一部を形成している。遊技球経路97に入らなかった遊技球を大入賞口14に誘導している。特に大入賞口用通路99の出口は、開放された翼片12cの先端よりも低い位置に配置されており、しかも遊技球経路97の出口97bが開放された翼片12cに近接配置されているので、大入賞口用通路99を流下した遊技球は、開放された第2始動口12にすら入るのが困難である。なお、翼片12cが閉鎖された状態では、遊技球経路97から流出した遊技球も第1参考例と同様、大入賞口14に向かうので、第1参考例と同等の時間で大当りを消化することができる。
図23は本発明の第2参考例の変形例である。図23の遊技機では、大入賞口用通路99が遊技球経路97と同様の円形断面を有する透明の通路として形成されている。大入賞口用通路99の出口99bは、第2始動口12よりも低い位置で、大入賞口14の右方から大入賞口14に向けて配置され、出口99bから流出した遊技球を第2始動口12には入球させず、集中的に大入賞口14に誘導することが可能にされている。このような変形例によっても、図22に示した参考例と同様の効果を奏するものとなる。また、大入賞口用通路99の内部が遊技領域3内の他の部材(例えば演出可動物98)から隔絶されているので、大入賞口用通路99の内部を流下する遊技球は、他の部材に衝突することなく、大入賞口用通路99の出口99bからスムーズに流出し、大入賞口14に入賞することができる。
[参考例3]
本発明の第3参考例について図24を用いて説明する。図24は第3参考例の遊技機の遊技盤1の正面図である。本参考例の遊技機は、遊技球経路97以外は第1参考例とほぼ同様である。本参考例における遊技球経路97は、その下流部が上下に分かれており、上側の出口97bは、第1参考例の遊技球経路97の出口97bとほぼ同じ位置にあり、下側の出口97cは図23に示した大入賞口用通路99の出口99bとほぼ同じ位置にある。遊技球経路97をこのような形状にすると、遊技球経路97内を流下する遊技球は全て下側の出口97cから流出するように思えるが、流下する遊技球が97dに衝突して跳ね返り、更に97eに衝突して跳ね返る等して上側の出口97bから流出する場合もある。
このように構成された遊技機によれば、図23に示した遊技機と同様の効果を奏するものとなる。また、遊技球経路97が、流入した遊技球を出口97b、97cのいずれかから流出させるという振分装置の役割を持ち、遊技球経路97内の遊技球の挙動を楽しむことができる遊技機となる。
[実施例1]
本発明の実施例について図25,26を用いて説明する。図25の遊技機では、遊技球経路97の下流部が2列に植設された誘導釘93にて実現されている。なお、誘導釘93自体は遊技釘4と構成上の違いはない。この誘導釘93の上側の列の端部に位置する誘導釘93aは図26(a)に示すように第1始動口11よりも低い位置にあるので、遊技球経路97の下流部から出た遊技球は、第1始動口11に入ることが困難である。なお、本実施例では特に誘導釘93aの位置を、閉状態の翼片12cの上端よりも低くしているため、遊技球経路97の下流部から出た遊技球は、第1始動口11に入ることは非常に困難となっている。また、翼片12cが開いた際は図26(b)のようになり、誘導釘93の下側の列の端部に位置する誘導釘93bが、開放された翼片12cの先端とほぼ同じ高さに位置する。両者の間には隙間があるものの、その広さは遊技球の直径に満たない。従って、2列の遊技釘4の間から流出した遊技球は大入賞口14の方へ脱落することなく、翼片12cに誘導され、容易に第2始動口12に入賞する。そして大入賞口用通路99も備えているため、図25に示した遊技機も第2参考例の遊技機の効果も奏する。なお、図25に示した遊技機から大入賞口用通路99を廃し、右打ちした場合には遊技球が全て遊技球経路97に入るように構成してもよく、この場合は第1参考例の遊技機と同様の効果を有するものとなる。また、大入賞口用通路99の有無に係わらず、遊技球経路97の下流部を誘導釘93にて実現したことにより、第2始動口12や大入賞口14への入賞率を容易に変更することができる。すなわち、誘導釘93を適宜曲げることにより、遊技球経路97の下流部から出た遊技球の軌道を調整し、第2始動口12により入りやすくしたり、大当り時には大入賞口14に入り易くしたりすることができる。
[他の実施例]
前記いずれの参考および実施例(第2参考例の変形例を含む)においても、遊技球経路97の断面は円形であったが、遊技球の通過に差し支えない形状であれば、その他の形状(例えば楕円、長方形など)でも構わない。また、遊技球経路97は透明であったが、これは第3参考例の遊技機のように遊技球経路97内の遊技球の挙動を楽しむ遊技機においては望ましい。しかし遊技球の挙動を視認できなくても構わない態様においては、遊技球経路97の全体を透明にするのではなく、部分的に透明にし、その部分だけ視認できるようにしてもよい。この場合は、演出可動物98にも見えない部分があることになる。このように演出可動物98が部分的に見えなくても構わない場合には、遊技球経路97の前面(断面が円形の場合は前方)のみを透明とし、後面(断面が円形の場合は後方)は不透明としてもよい。こうすると、遊技球経路97を通して演出可動物98が駆動される様子を見ることはできないが、遊技球経路97内を流れる遊技球は見ることができる。また、遊技球経路97は合成樹脂製であったが、その他の材料(例えば、金属、ガラスなど)で形成しても良いし、こうした異なる材料を組み合わせて形成しても良い。同様の変更を図23の大入賞口用通路99に対して行なっても構わない。
遊技球経路97はその全体にわたって円形の断面にされていたが、流路の途中で形状や大きさが変化しても構わない。ただしいずれの位置における断面も、遊技球の直径と同径の円を内包できる形状である必要がある。また、出口については、前記したように内径が遊技球の直径よりも大きく、同直径の2倍より小さい円形となっていることが望ましい。