JP6705355B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ機などの遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機において、変位可能に形成される第1手段および第2手段を備え、第1手段が、第2手段の少なくとも一部を所定方向視において視認不能に覆う第1位置と、その第1位置に配置された状態よりも第2手段所定方向視において視認不能に覆う領域を減少させる第2位置との間で変位可能に形成された遊技機が知られている(特許文献1)。
特開2015−029849号公報
しかしながら、上述した遊技機では、演出効果が低下するという問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、演出効果を確保できる遊技機を提供することを目的とする。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、変位可能に形成される第1手段および第2手段を備え、前記第1手段が、前記第2手段の少なくとも一部を所定方向視において視認不能に覆う第1位置と、その第1位置に配置された状態よりも前記第2手段を前記所定方向視において視認不能に覆う領域を減少させる第2位置との間で変位可能に形成され、少なくとも前記第1手段が変位される場合に前記第2手段が非変位とされる状態を形成可能とされたものであり、前記第1手段が当接することにより変位可能とされ、前記第1手段が前記第2位置に変位された場合に、前記第2手段に当接する位置に変位して前記第2手段の変位を規制可能に形成される規制手段を備える。
請求項1記載の遊技機によれば、演出効果を確保できる。
第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の遊技盤の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 パチンコ機の分解斜視正面図である。 動作ユニットおよび遊技盤の分解斜視正面図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの正面図である。 下変位ユニットの正面図である。 下変位ユニットの背面図である。 下変位ユニットの分解斜視正面図である。 下変位ユニットの分解斜視背面図である。 退避状態における下変位ユニットの正面図である。 第1張出状態における下変位ユニットの正面図である。 第2張出状態における下変位ユニットの正面図である。 退避状態における下変位ユニットの背面図である。 第1張出状態における下変位ユニットの背面図である。 第2張出状態における下変位ユニットの背面図である。 (a)は退避状態における、(b)は第1張出状態における、(c)は第2張出状態における、第1リンク部材とカム部材との背面図である。 図18のXXIIa−XXIIa線における下変位ユニットの断面模式図であり、(b)は、図19のXXIIb−XXIIb線における下変位ユニットの断面模式図である。 (a)は、下変位部材の正面図であり、(b)は、下変位部材の背面図である。 下変位部材の分解斜視正面図である。 下変位部材の分解斜視背面図である。 (a)及び(b)は、下変位部材の正面図である。 第1位置における下変位部材の正面図である。 第2位置における下変位部材の正面図である。 第3位置における下変位部材の正面図である。 (a)から(c)は、下変位部材の部分拡大図である。 (a)から(c)は、下変位部材の正面図である。 (a)から(c)は、下変位部材の正面図である。 (a)から(c)は、下変位部材の正面図である。 (a)から(c)は、下変位部材の正面図である。 (a)は、図34(b)の範囲XXXVaにおける下変位部材の部分拡大図であり、(b)は、図34(a)の範囲XXXVbにおける下変位部材の部分拡大図である。 (a)は、振分けユニットの上面図であり、(b)は、振分けユニットの背面図である。 振分けユニットの分解正面斜視図である。 振分けユニットの分解背面斜視図である。 図36(a)のXXXIX−XXXIX線における振分けユニットの断面図である。 (a)及び(b)は、図39の範囲XLにおける振分けユニットの部分拡大図である。 (a)及び(b)は、振分けユニットの部分拡大図である。 (a)及び(b)は、振分けユニットの部分拡大図である。 (a)及び(b)は、振分けユニットの部分拡大図である。 (a)及び(b)は、振分けユニットの部分拡大図である。 振分けユニットおよび下変位ユニットの正面図である。 振分けユニットおよび下変位ユニットの上面図である。 下変位ユニットの正面図である。 振分けユニットの断面図である。 下変位ユニットの正面図である。 振分けユニットの断面図である。 下変位ユニットの正面図である。 振分けユニットの断面図である。 回転ユニットの正面図である。 回転ユニットの背面図である。 回転ユニットの分解斜視正面図である。 回転ユニットの分解背面斜視図である。 装飾ユニットの正面図である。 (a)は、図57の矢印LVIIIa方向視における装飾ユニットの側面図であり、(b)は、図57の矢印LVIIIb方向視における装飾ユニットの側面図である。 装飾ユニットの分解斜視正面図である。 装飾ユニットの分解斜視背面図である。 図55の矢印LVa方向視における回転ユニットであり、(b)は、図55の矢印LVbにおける回転ユニットである。 図55の矢印LVa方向視における回転ユニットであり、(b)は、図55の矢印LVbにおける回転ユニットである。 (a)は閉鎖状態の、(b)は中間状態の、(c)は開放状態の、それぞれにおける装飾ユニットおよび右伝達部材の側面図である。 (a)は開放状態の、(b)は中間状態の、(c)は閉鎖状態の、それぞれにおける装飾ユニットおよび右伝達部材の側面図である。 (a)は閉鎖状態における装飾ユニットの側面図であり、図65(b)は開放状態における装飾ユニットの側面図である。 (a)は、回転体の正面図であり、(b)は、図66(a)の矢印LXVIb方向視における回転体の側面図であり、(c)は、図66(a)の矢印LXVIc方向視における回転体の側面図である。 回転体の分解斜視正面図である。 回転体の分解斜視背面図である。 (a)は、開閉部材が閉鎖状態における回転体の側面図であり、(b)は、開閉部材が開放状態における回転体の側面図である。 (a)及び(b)は、装飾ユニットの側面図である。 下変位ユニットおよび回転ユニットの正面図である。 図71の矢印LXII方向視における下変位ユニットの上面図である。 下変位ユニットおよび回転ユニットの正面図である。 (a)は、球受台の上面図であり、(b)は、球受台の正面図であり、(c)は、図74(a)のLXXIVc−LXXIVc線における球受台の断面図である。 球受台の分解斜視図である。 (a)及び(b)は、球受台の断面図である。 (a)及び(b)は、図53のLXXVII−LXXVII線における回転ユニットの断面模式図である。 上変位ユニットの正面図である。 上変位ユニットの分解斜視正面図である。 上変位ユニットの分解斜視背面図である。 上変位部材が退避位置に配置された状態における上変位ユニットの正面図である。 上変位部材が中間位置に配置された状態における上変位ユニットの正面図である。 上変位部材が張出位置に配置された状態における上変位ユニットの正面図である。 (a)は、可変部の正面図であり、(b)は、可変部の背面図である。 第2実施形態における下変位部材の分解斜視正面図である。 下変位部材の正面図である。 第3位置における下変位部材の正面図である。 (a)は、第3実施形態における下変位部材の正面図であり、(b)は、下変位部材の背面図である。 下変位部材の分解斜視正面図である。 下変位部材の分解斜視背面図である。 (a)及び(b)は、下変位部材の正面図である。 (a)は、第1位置における下変位部材の正面図であり、(b)は、第2位置における下変位部材の正面図である。 (a)は、第3位置における下変位部材の正面図であり、(b)は、第2位置における下変位部材の正面図である。 第4実施形態における下変位ユニットの正面図である。 下変位ユニットの正面図である。 下変位ユニットの正面図である。 (a)は、第5実施形態における振分けユニットの上面図であり、図97(b)は、振分けユニットの背面図である。 振分けユニットの分解斜視正面図である。 振分けユニットの分解斜視背面図である。 図97(a)のC−C線における振分けユニットの断面図である。 (a)及び(b)は、図100の範囲CIにおける振分けユニットの部分拡大図である。 第6実施形態における回転ユニットの正面図である。 回転ユニットの分解斜視正面図である。 振分けユニットの分解斜視背面図である。 (a)から(c)は、図104の矢印CV方向視における装飾ユニットの側面図である。 (a)から(c)は、図104の矢印CV方向視における装飾ユニットの側面図である。 第7実施形態における変位ユニットの側面模式図である。 変位ユニットの側面模式図である。 変位部材に遊技球が保持された場合における変位ユニットの側面模式図である。 変位部材に遊技球が保持された場合における変位ユニットの側面模式図である。 第8実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 回転操作ユニットの分解斜視正面図である。 図111のCXIII−CXIII線におけるパチンコ機の断面模式図である。 パチンコ機の断面模式図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図77を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠2と、その外枠2と略同一の外形形状に形成され外枠2に対して開閉可能に支持された内枠4とを備えている。外枠2には、内枠4を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠4が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠4には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠4には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠4の前面側には、その前面上側を覆う前扉5と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前扉5および下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前扉5および下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠4の施錠と前扉5の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前扉5は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部5cが設けられている。前扉5の裏面側には2枚の板ガラス8を有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前扉5には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
前扉5には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部5cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前扉5の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前扉5の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部5cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(図示せず)や風車の他、レール76,77、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、第1スルーゲート66、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠4(図1参照)の裏面側に取り付けられる。ベース板60は薄い板材を張り合わせた木材からなり、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に目視できないように形成される。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側からタッピングネジ等により固定されている。
遊技盤13の前面中央部分は、前扉5の窓部5c(図1参照)を通じて内枠4の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール77が植立され、その外レール77の内側位置には外レール77と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール76が植立される。この内レール76と外レール77とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール76,77とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール76,77は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール76の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール77の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLEDおよび7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口640へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口640へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
なお、本パチンコ機10では、第1入賞口64,第2入賞口640のいずれかに入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、15R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「15R通常大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口640へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口640に付随する第1電動役物640aが開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。第1電動役物640aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その第1電動役物640aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口640へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する第1電動役物640aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで第1電動役物640aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口640に付随する第1電動役物640aが開放される時間および1回の当たりで第1電動役物640aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口640に付随する第1電動役物640aが開放される時間や、1回の当たりで第1電動役物640aを開放する回数は変更せず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64、第2入賞口640のいずれかの入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、第1スルーゲート66の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。
また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。このセンターフレーム86の中央に開口される開口部から第3図柄表示装置81が視認可能とされる。
第3図柄表示装置81は9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中および下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球が第1スルーゲート66を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球が第1スルーゲート66を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口640に付随された第1電動役物640aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口640の第1電動役物640aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する第1電動役物640aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する第1電動役物640aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
第1スルーゲート66は、可変表示装置ユニット80の右側の領域において遊技盤に組み付けられる。第1スルーゲート66は、遊技盤に発射された球のうち、遊技盤を流下する球の一部が通過可能に構成されている。第1スルーゲート66を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球の第1スルーゲート66の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第1スルーゲート66の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲートの組み付け数は2つに限定されるものではなく、3つ以上の複数であっても良い。また、スルーゲートの組み付け位置は可変表示装置ユニット80の左右両側に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の下方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第1入賞口64の正面視右方には、球が入賞し得る第2入賞口640が配設されている。第2入賞口640へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
また、第1入賞口64,第2入賞口640は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口640へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
さらに、第1入賞口64の正面視左側には、球が入賞し得る第3入賞口82が配設されている。第3入賞口82は、球が入賞すると送球ユニット600を介して後述する振分けユニット500の第1開口511へ入賞した球を送球することができる。即ち、第3入賞口82は後述する第1開口511と連通した状態で配置されている。
第3入賞口82には第3電動役物82aが付随されている。この第3電動役物82aは、遊技盤13に対して回転変位して開閉可能に構成されており、通常は第3電動役物82aが閉鎖状態(縮小状態)となって球が第3入賞口82へ入賞し難い状態となっている。一方、第1入賞口64又は第2入賞口640の入賞を契機とする大当たりの判定があった場合、その大当たり前、後、又は大当たり中に、第3電動役物82aが所定時間開放(拡大状態)となり、球が第3入賞口82へ入賞しやすい状態となる。また、第3入賞口82の下流側には、通過した球を検出するセンサ装置SE1が搭載される。
なお、第3電動役物82aの開放のタイミングは、第1入賞口64及び第2入賞口5640の入賞を契機にして行われるものでなくても良く、第1スルーゲート66寝の球の通過を契機としして行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、開放されるものであっても良い。
第2入賞口640には第1電動役物640aが付随されている。この第1電動役物640aは開閉可能に構成されており、通常は第1電動役物640aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口640へ入賞しにくい状態となっている。一方、第1スルーゲート66への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、第1電動役物640aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口640へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、第1電動役物640aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中または時短中は、第1電動役物640aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中または時短中は、通常時と比して、第2入賞口640へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口640へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口640へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口640にあるような第1電動役物640aは有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口640に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口640に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、第1スルーゲート66に球を通過させることで、第2入賞口640に付随する第1電動役物640aが開放状態となりやすく、第2入賞口640に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口640へ向けて、可変表示装置ユニット80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、第1スルーゲート66を通過させて第1電動役物640aを開放状態にすると共に、第2入賞口640への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることができる。よって、遊技者に対して、球の打ち方に変化をもたらすことができるので、遊技を楽しませることができる。
第1入賞口64の右側には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞口64,第2入賞口640のいずれかの入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の右側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前扉5の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、第1アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,640,82,にも入賞しなかった球は、第1アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。第1アウト口71は、第1入賞口64の下方に配設される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114、払出制御装置111および発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)および基板ボックス102(払出制御装置111および発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37Bおよび第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバスおよびデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には、駆動モータKM1,KM2,KM3が含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113および第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧およびバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201および払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110および払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110および払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110および払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次いで、図5から図10を参照して、動作ユニット200の概略構成について説明する。図5は、パチンコ機10の分解斜視正面図であり、図6は、動作ユニット200及び遊技盤13の分解斜視正面図である。また、図7から図10は、動作ユニット200の正面図である。
なお、図7では、上変位部材940が上方に退避されると共に、下変位部材440が下方に退避された状態が、図8では、図7に示す状態から、上変位部材940が下方に回転変位された状態が、図9では、図7に示す状態から、下変位部材440が後述する第1張出位置に張り出された状態が、図10では、下変位部材440が、最大の張り出し位置である第2張出位置に変位された状態が、それぞれ図示される。
図5及び図6に示すように、動作ユニット200は、箱状に形成される背面ケース300を備え、その背面ケース300の内部空間に、上変位ユニット900、下変位ユニット400、回転ユニット700及び遊技盤13の背面に取着される振分けユニット500と送球ユニット600とが収容される。
背面ケース300は、正面視略矩形の底壁部301と、その底壁部301の4辺の外縁から正面へ向けて立設される外壁部302とを備え、それら各壁部301,302により一面側(正面側)が開放された箱状に形成される。底壁部301には、その中央に正面視矩形の開口301aが開口形成され、その開口301aを通じて、底壁部301の背面に配設される第3図柄表示装置81(図2参照)が視認可能とされる。
上変位ユニット900は、背面ケース300の底壁部301のうちの開口301aの上側部分に配設される正面視矩形横長のベース部材910と、そのベース部材910に摺動可能に配設される上変位部材940とを備え、背面ケース300の開口301a(即ち、第3図柄表示装置81)の正面側で、上変位部材940を摺動させつつ回転変位させる演出を実行可能に形成される。なお、上変位ユニット900の詳しい説明は後述する。
下変位ユニット400は、背面ケース300の底壁部301のうちの開口301aの下側部分に配設される正面視矩形横長のベース部材410と、そのベース部材410に摺動可能に配設される下変位部材440とを備え、背面ケースの開口301a(即ち、第3図柄表示装置81)の正面側で、下変位部材440を摺動させつつ回転変位させる演出を実行可能に形成される。なお、下変位ユニット400の詳しい説明は後述する。
回転ユニット700は、背面ケース300の底壁部301のうちの開口301aの下側部分の正面視右側に配設される正面視略矩形の背面ベース720と、その背面ベース720の前方に配設される回転体800とを備え、遊技盤13の正面視右側下方に形成される透明の板部を介して回転体800を回転変位させる演出を遊技者に視認可能とされる。なお、回転ユニット700の詳細な説明については後述する。
送球ユニット600は、遊技盤13の背面側に取着され、遊技盤13の第3入賞口82から遊技盤13の背面側に送球される遊技球を後述する振分けユニット500の第1開口511に送球する経路が形成される。
振分けユニット500は、遊技盤13の背面側に取着される経路形成部材510と、経路形成部材510との対向に所定の隙間を形成した状態で配設されるベース板520と、そのベース板520に取着され経路形成部材510とベース板520との対向間を流下する遊技球を各送球経路(第2送球経路KR2又は第3送球経路KR3)に振り分ける振分け部材540とを備える。この振分け部材540に振り分けられた遊技球が下変位ユニット400に送球される。なお、振分けユニット500の詳しい説明は後述する。
次いで、図11から図35を参照して、下変位ユニット400の詳細な構成を説明する。まず、図11から図14を参照して、下変位部材440を変位させる構造について説明する。
図11は、下変位ユニット400の正面図であり、図12は、下変位ユニット400の背面図である。図13は、下変位ユニット400の分解斜視正面図であり、図14は、下変位ユニット400の分解斜視背面図である。なお、図11からB04では、下変位部材440が退避位置(ベース部材410に対して一番下方に配置された位置)に配置された状態が図示される。
図11から図14に示すように、下変位ユニット400は、背面ケース300の底壁部301(図6参照)に配設されるベース部材410と、そのベース部材410に配設される伝達部材420と、ベース部材410に連結されると共に伝達部材420の変位に伴って変位されるリンク部材430と、一端がベース部材410に摺動可能に連結されると共に他端がリンク部材430に連結されてリンク部材430から駆動力を伝達されることで変位する下変位部材440とを主に備えて形成される。
ベース部材410は、正面視矩形横長の板部材を前後方向に2枚組み合わせて形成され、正面側に配置される正面ベース411と、背面側に配置される背面ベース412とを備える。正面ベース411と背面ベース412との対向間には、伝達部材420及びリンク部材430とが配置される。
正面ベース411は、前後方向(図11紙面奥行方向)に貫通した2つの摺動溝411a,411bと、背面側に突出する円柱状の2本の軸支ピン411c,411dと、軸支ピン411dを軸とした円弧状に突出する湾曲壁部411eとを主に備えて形成される。
摺動溝411a,411bは、下変位部材440の背面側から突出する2本の突起472,473がそれぞれ挿通される孔である。摺動溝411a,411bは、それぞれ左右方向に長く伸びて形成される。よって、摺動溝411a,411bに挿通された突起472,473を摺動溝411a,411bに沿って変位させることで、下変位部材440を左右方向に摺動させることができる。
また、摺動溝411a,411bは、それぞれ円弧状に湾曲して形成されており、正面ベース411の左側(図11左側)端部から右側(図11右側)端部にかけて上方(図11上方向)に開口される。さらに、摺動溝411a,411bは、それぞれの円弧の軸が異なる位置に配置され、上下方向(図11上下方向)における対向間の隙間が左端部から右端部にかけて狭くされる。
後述する下変位部材440のベース部材470の突起472,473は、その間の距離が変わらないので、下変位部材440を摺動溝に沿って摺動させた場合には、下変位部材440を回転させつつ変位させることができる。即ち、2つの摺動溝411a,411bの間の距離を変更することで、下変位部材440に回転の駆動力を与えることなく下変位部材440を摺動に伴って回転させることができる。なお、下変位部材440の詳しい変位の態様は後述する。
軸支ピン411cは、後述する伝達部材420のカム部材422の軸部422aに挿入される突起であり、軸部422aの内径よりも小さい外径の円柱状に形成される。また、軸支ピン411cは、金属製の棒状体から形成され、正面ベース411に外嵌される。よって、カム部材422にその外周面から軸方向に向かって力が作用した際に、軸支ピン411cが折れる(破損する)ことを抑制できる。
軸支ピン411dは、後述する第1リンク部材431の一端に形成される貫通孔431aに挿入される突起であり、貫通孔431aの内径よりも小さい外径の円柱状に形成される。また、軸支ピン411dは、金属性の棒状体から形成され、正面ベース411に外嵌される。よって、第1リンク部材431に貫通孔431aの方向に向かって力が作用した際に、軸支ピン411dが折れる(破損する)ことを抑制できる。
湾曲壁部411eは、正面ベース411の背面側から突出すると共に、軸支ピン411dの軸を中心に湾曲して形成される。湾曲壁部411eの突出距離は、後述する第1リンク部材431の板状突起431bの突出先端面に当接する距離に設定される。よって、第1リンク部材431が前方側に位置ずれすることが抑制される。また、湾曲壁部411eは、軸支ピン411dの軸を中心に湾曲して形成されるので、第1リンク部材431が軸支ピン411dの軸周りに回転された場合でも、第1リンク部材431の板状突起431bを湾曲壁部411eの突出先端面と当接させることができる。
回収口411fは、後述する下変位部材440の球受部467の移動により、出射開口471から出された球を、回収口411fに流入させて回収するための開口である。回収口411fの下流側は、球の回収経路に連結される。回収口411fは、正面ベース411の右側端部に突出して形成される孔であり、その開口面が、退避状態における下変位部材440と対向した面および第1張出状態における下変位部材440の出射開口471の重力方向下側に位置する面とされる。
また、退避状態における下変位部材440の出射開口471は、回収口411fの上方に配置される。よって、出射開口471から出射された球を回収口411fに受け入れて速やかに回収することができる。
背面ベース412は、正面側(図12紙面手前側)から背面側に向かって凹設される溝部412a,412bと、溝部412bの近傍に正面側に向かって突出形成される係止部412cとを主に備えて形成される。
溝部412aは、上述した正面ベース411の軸支ピン411cの先端側を挿入する孔であり、軸支ピン411cの外径よりも大きい内径の円形に形成されると共に、軸支ピン411cと対向する位置に凹設される。よって、カム部材422は、軸部422aに軸支ピン411cを挿通した後に、正面ベース411と背面ベース412とが組み合されることで、ベース部材410から脱落不能に保持される。また、背面ベース412が、軸支ピン411cの先端部を保持することができるので、カム部材422にその外周面から軸方向に力が作用した際に、軸支ピン411cが正面ベース411との連結部から曲がって折れることを抑制できる。
溝部412bは、上述した正面ベース411の軸支ピン411dの先端側を挿入する孔であり、軸支ピン411dの外径よりも大きい内径の円形に形成されると共に、軸支ピン411dと対向する位置に凹設される。よって、第1リンク部材431は、貫通孔431aに軸支ピン411dを挿通した後に、正面ベース411と背面ベース412とが組み合わされることで、ベース部材410から脱落不能に保持される。また、背面ベース412が、軸支ピン411dの先端部を保持することができるので、第1リンク部材431に貫通孔431aの方向に力が作用した際に、軸支ピン411dが正面ベース411との連結部から曲がって折れることを抑制できる。
係止部412cは、後述する付勢ばねSP1の一端側を係止する板であり、付勢ばねSP1の外側に形成される。これにより、付勢ばねSP1の一端側を係止することができる。なお、付勢ばねSP1の詳しい説明は後述する。
伝達部材420は、正面ベース411の正面側に取着される駆動モータKM1の軸に連結される伝達ギヤ421と、その伝達ギヤ421と歯合され伝達ギヤ421の駆動に伴って回転されるカム部材422とを主に備えて形成される。
伝達ギヤ421は、外周面全域に歯合面を有するギヤであり、駆動モータKM1の軸部に外嵌される。よって、駆動モータKM1に電力が付与されて軸部が回転されると、伝達ギヤ421も同様に回転される。
カム部材422は、正面視における外形が大きさの異なる2つの半円の一端同士を組み合わせた形状に形成されると共に、前後方向に所定の厚みを有する板状体から形成される。カム部材422の外形の小さい半円部には、外周面に伝達ギヤ421と歯合する歯面422bが刻設されると共に、半円の中心に軸部422aが貫通形成される。カム部材422の外形の大きい半円部には、後述するリンク部材430と対向する背面側に凹設される摺動溝422cが形成される。
軸部422aは、上述したように軸支ピン411cを挿通する孔であり、軸支ピン411cに軸部422aが回転可能に軸支されることで、カム部材422が軸支ピン411cの軸を中心に回転可能に保持される。
カム部材422は、歯面422bが伝達ギヤ421と歯合した状態でベース部材410に配設されるので、伝達ギヤ421が回転されると、カム部材422が軸部422aの軸を中心に回転できる。
摺動溝422cは、カム部材422の半径の大きい半円部の外周部に沿って凹設される。従って、一端側から他端側に向かうにつれて軸部422aとの距離が大きくされる。また、摺動溝422cは、下変位部材440が後述する退避状態に位置する際に第1リンク部材431の摺動突起431dから貫通孔431aの方向に延設される段部422c1と、下変位部材440が後述する第2張出状態に位置する際に摺動突起431dから貫通孔431aの方向に延設される段部422c3と、下変位部材440が退避状態と第2張出状態との中間状態の第1張出状態に位置する際に摺動突起431dから貫通孔431aの方向に延設される段部422c2とを備える。
リンク部材430は、第1リンク部材431と第2リンク部材432との2つのリンク部材から形成される。また、リンク部材430は、第1リンク部材431と第2リンク部材432とのそれぞれの端部が回転可能に連結して形成される。
第1リンク部材431は、正面視略くの字形状に屈曲して形成されると共に、前後方向に所定の厚みを有する板状に形成される。第1リンク部材431は、カム部材422の変位に伴って変位するリンクであり、一端側に前後方向に貫通する貫通孔431aと、他端側に背面側に突出する円柱状の連結突起431cと、上述した湾曲壁部411eと対向する位置に突出する板状突起431bと、屈曲部分の正面側に突出する円柱状の摺動突起431dとを主に備えて形成される。
貫通孔431aは、上述したように軸支ピン411dが挿入される貫通孔である。第1リンク部材431は、貫通孔431aに軸支ピン411dが挿入された状態で正面ベース411と背面ベース412とが組み合わされることで、ベース部材410に対して回転可能に保持される。
板状突起431bは、第1リンク部材431が前後方向に位置ずれすることを抑制して、第1リンク部材431が前方に配置されるカム部材422と衝突することを抑制する突起であり、貫通孔431aを軸とした湾曲状に突出する板状体に形成されると共に、その突出長さが、カム部材422の前後方向の厚みよりも大きく設定される。これによりカム部材422の背面と第1リンク部材431の正面とが衝突することを抑制できる。
連結突起431cは、後述する第2リンク部材432と連結される軸部であり、第2リンク部材432の貫通孔432aに挿入されると共に、背面側から頭部の外径が貫通孔432aよりも大きいネジ等が締結される。これにより、第1リンク部材431と第2リンク部材432とが回転可能に連結される。
貫通孔431aの縁部には、背面側に突出する壁部431fが形成される。壁部431fは、後述する付勢ばねSP1をその外周面にはめ込んで保持するための壁面である。
リンク側係合部431eは、壁部431fにはめ込んだ付勢ばねSP1の他端側を係止する突起であり、第1リンク部材431の一端側の背面側に鉤状に突出して形成される。よって、付勢ばねSP1は、一端側が背面ベース412の係止部412cに係合された状態とされ、他端側が第1リンク部材431のリンク側係合部431eに係合された状態とされる。従って、付勢ばねSP1の付勢力を、第1リンク部材431の他端側をベース部材410に対して上方に回転させる方向に作用させることができる。その結果、下変位部材440を回転変位させる際に、付勢ばねSP1の付勢力が作用するので、駆動モータKM1の消費エネルギーを抑えることができる。
摺動突起431dは、貫通孔431aからカム部材422の軸部422aとの離間距離と略同一距離貫通孔431aから離間した位置に形成される。また、摺動突起431dは、その先端部分が摺動溝422cの内側に挿入される。即ち、摺動突起431dは、その外径の大きさが、摺動溝422cの対向間における幅寸法よりも小さく形成される。
摺動突起431dは、摺動溝422cの内側に配置されることで、カム部材422の回転変位に伴って、摺動溝422cの内側を摺動して変位される。即ち、カム部材422が変位されることで、第1リンク部材431が、貫通孔431aの軸を中心に回転変位される。なお、第1リンク部材431の変位についての詳しい説明は後述する。
また、摺動突起431dと板状突起431bとは、近接する位置に形成されるので、板状突起431bにより第1リンク部材431の前方への変位が抑制される。よって、摺動突起431dがカム部材422を前方に押し出すことを抑制できる。その結果、カム部材422に凹設される摺動溝422cの凹設深さを深くする必要がなくなり、カム部材422の前後方向の厚さを厚くすることなくその剛性を確保できる。
第2リンク部材432は、一方が長い正面視矩形に形成されると共に、前後方向に所定の厚みを備えた板状に形成される。第2リンク部材432は、一端側に前後方向に貫通形成される貫通孔432aと、他端側に前後方向に貫通形成される貫通孔432bとを主に備えて形成される。
貫通孔432aは、上述したように第1リンク部材431と連結されるための孔であり、内部に連結突起431cが挿入される。これにより、第2リンク部材432は、第1リンク部材431に対して回転可能に連結される。
貫通孔432bは、後述する下変位部材440と連結されリンク部材430の変位を下変位部材440に伝達できる。貫通孔432bは、後述する背面ケース482の突起482aが挿入される孔であり、その内径が突起482aの外径よりも大きく形成される。よって、貫通孔432bに突起482aを挿入すると共に、突起482aの先端部に貫通孔432bの内径よりも大きい頭部を有するネジ等を締結することで、下変位部材440が、第2リンク部材432に対して回転可能に保持される。よって、下変位部材440の駆動は、カム部材422が回転変位された際に、その変位がリンク部材430を介して伝達される。
次いで、図15から図20を参照して、下変位部材440の変位動作について説明する。図15は、退避状態における下変位ユニット400の正面図であり、図16は、第1張出状態における下変位ユニット400の正面図であり、図17は、第2張出状態における下変位ユニット400の正面図である。図18は、退避状態における下変位ユニット400の背面図であり、図19は、第1張出状態における下変位ユニット400の背面図であり、図20は、第2張出状態における下変位ユニット400の背面図である。なお、図18から図20では、背面ベース412が透明視された状態が図示される。
また、退避状態とは、摺動溝422cの内側に配置される摺動突起431dが、段部442c1の対向間に配置され、下変位部材440が下側に配置された状態である。第2張出状態とは、摺動突起431dが段部442c3の対向間に配置され、下変位部材440の先端側が一番上方に配置された状態である。第1張出状態とは、摺動突起431dが段部442c2の対向間に配置され、下変位部材440が、退避状態と第2張出状態との中間状態に配置された状態である。
図15及び図18に示すように、退避状態における下変位ユニット400は、カム部材422が、伝達ギヤ421に回転されて摺動溝422cの他端側(段部422c3側)を軸部422aの背面視右側(図18右側)へ位置させた状態とされる。この場合、第1リンク部材431の摺動突起431dは、摺動溝422cの内壁に沿って案内されて、段部422c1に位置した状態とされる。よって、第1リンク部材431は、他端側(連結突起431c側)が、一端側の貫通孔431aの背面視右側(図18右側)に位置した状態(貫通孔431aを軸に回転して他端側を回転可能な範囲の下端に位置させた状態)とされる。
第2リンク部材432は、第1リンク部材431に連結されるので、第1リンク部材431に連結される一端側(貫通孔432a側)が、背面視右側(図18右側)へ位置される。これにより、第2リンク部材432に連結される下変位部材440は、正面ベース411と連結される突起472,473が、摺動溝411a,411bの背面視右側(図18右側)に位置された状態とされる。上述したように、摺動溝411a,411bの垂直方向の対向間の距離は、背面視右側の方が左側よりも大きくされるので、下変位部材440は、長手方向を左右方向と略平行にした状態で配置される。即ち、正面ベース411の前方に配置された状態とされる。
図15及び図18に示す退避状態から図14及び図19に示す第1張出状態への変位は、カム部材422が変位されることで行われる。
第1張出状態では、駆動モータKM1の駆動力により伝達ギヤ421が回転され、カム部材422が、退避状態の位置から略90度回転される。これにより、カム部材422の他端側(段部422c3側)を軸部422aの上方に位置した状態とされる。この回転変位により、摺動溝422cの内壁に案内される第1リンク部材431の摺動突起431dが摺動溝422cの変位に伴って変位される。なお、第1張出状態では、摺動突起431dが、摺動溝422cの段部422c2の内壁の対向間に案内される。
よって、第1リンク部材431は、摺動突起431dの変位により貫通孔431aを中心に略30度回転され、他端側(連結突起431c側)が退避状態の位置から、背面視左上(図19左上)に変位される。
第1リンク部材431の回転変位により、第1リンク部材431に連結される第2リンク部材432が変位され、第2リンク部材432に連結される下変位部材440が変位される。この場合、下変位部材440は、突起472,473が、正面ベース411の摺動溝411a,411bに摺動可能に連結されるので、摺動溝411a,411bの形状に沿って変位される。上述したように、摺動溝411a,411bの垂直方向の対向間の距離は、背面視右側から左側に行くに従って狭くされるので、下変位部材440は、正面視右側(図16右側)にスライド変位されつつ、先端側が上方に回転変位される。
また、第1張出状態では、先端側の重力方向下側に回収口411fが位置された状態とされる。即ち、下変位部材440を退避状態から第1張出状態への遷移の際に、スライド変位させつつ回転変位させることで、下変位部材440の先端側をベース部材410の正面視右側に張り出させることなく変位させることができる。その結果、他の変位役物の可変領域と異なる変位領域を形成しやすくできる。他の変位役物と衝突することを抑制できる。
また、回収口411fが下変位部材440の一端側(正面ベース411に連結される突起472、473側と反対側)の下方に位置されるので、後述する下変位部材440の球受部467が発射動作して、球が出射開口471からそのまま下方に落下した場合に、球を回収口411fに送球させることができる。
図16及び図19に示す第1張出状態から図17及び図20に示す第2張出状態への変位は、第1張出状態から更にカム部材422が変位されることで行われる。
第2張出状態では、第1張出状態から、駆動モータKM1の駆動力により伝達ギヤ421が回転され、カム部材422が、第1張出状態の位置から略90度回転される。よって、カム部材422の他端側(段部422c3側が軸部422aの上方に位置した状態とされる。また、この回転変位により摺動溝422cの内壁に案内される第1リンク部材431の摺動突起431dが摺動溝422cの変位に伴って変位される。なお、第2張出状態では、摺動突起431dが、摺動溝422cの段部422c1の内壁の対向間に案内される。
よって、第1リンク部材431は、摺動突起431dの変位により貫通孔431aを中心に略30度回転され、他端側(連結突起431c側)が第1張出状態の位置から、背面視略左上(図20左上)に変位される。
第1リンク部材431の回転変位により、第1リンク部材431に連結される第2リンク部材432が変位され、第2リンク部材432に連結される下変位部材440が変位される。この場合、下変位部材440は、突起472,473が、正面ベース411の摺動溝411a,411bに摺動可能に連結されるので、摺動溝411a,411bの形状に沿って変位される。上述したように、摺動溝411a,411bの垂直方向の対向間の距離は、背面視右側から左側に行くに従って狭くされるので、下変位部材440は、正面視右側(図17右側)にスライド変位されつつ、先端側が上方に回転変位される。
また、第1張出状態と同様に、第2張出状態では、先端側の重力方向下側に回収口411fが位置された状態とされる。即ち、下変位部材440を退避状態から第2張出状態への遷移の際に、スライド変位させつつ回転変位させることで、下変位部材440の先端側をベース部材410の正面視右側に張り出させることなく変位させることができる。その結果、他の変位役物の可変領域と異なる変位領域を形成しやすくでき、他の変位役物と衝突することを抑制できる。
次いで、図21を参照して、各状態における第1リンク部材431とカム部材422との位置関係を説明する。図21(a)は退避状態における、図21(b)は第1張出状態における、図21(c)は第2張出状態における、第1リンク部材431とカム部材422との背面図である。なお、図21(a)から図21(c)では、カム部材422の第1リンク部材431と重なる部分が鎖線で図示される。
図21(a)に示すように、退避状態では、第1リンク部材431の摺動突起431dが、摺動溝422cの段部422c1の内壁の対向間に配置される。また、上述したように、摺動突起431dは、貫通孔431aからカム部材422の軸部422aとの離間距離と略同一距離貫通孔431aから離間した位置に形成される。よって、退避状態に位置する第1リンク部材431に貫通孔431aの軸を中心に回転する力が作用する際に、その力を摺動突起431dから、カム部材422の軸部422aに作用させることできる。従って、第1リンク部材431の回転力で、カム部材422が回転することを抑制できる。その結果、退避状態において、第2リンク部材432を介して第1リンク部材431に連結される下変位部材440が変位されること抑制できる。
図21(b)に示すように、第1張出状態では、第1リンク部材431の摺動突起431d、摺動溝422cの段部422c2の内壁の対向間に配置される。よって、退避状態と同様に、第1張出状態に位置する第1リンク部材431に貫通孔431aを中心に回転する力が作用する際に、その力を摺動突起431dから、カム部材422の軸部422aに作用させることができる。従って、第1リンク部材431の回転力で、カム部材422が回転することを抑制できる。その結果、第1張出状態において、第2リンク部材432を介して第1リンク部材431に連結される下変位部材440が変位されることを抑制できる。
ここで、第1張出位置では、下変位部材440の変位の中間位置となるために停止した状態を維持させるためには、駆動モータKM1を停止状態で維持させる必要がある。そのため、第1張出位置(変位の中間位置)で下変位部材440を停止させていると消費エネルギーが嵩むという問題があった。
これに対し、本実施形態では、第1張出状態では、第1リンク部材431の摺動突起431dが、摺動溝422cの段部422c2の内壁の対向間に配置されるので、上述したように、下変位部材440が変位されることを抑制できる。よって、下変位部材440を変位の途中の位置で停止させた際に、駆動モータKM1の電力を停止させたとしても、下変位部材440が変位することを抑制できる。その結果、下変位部材440を変位途中で停止した際に駆動モータKM1の消費エネルギーが嵩むことを抑制できる。
図21(c)に示すように、第2張出状態では、第1リンク部材431の摺動突起431d、摺動溝422cの段部422c2の内壁の対向間に配置される。よって、退避状態および第1張出状態と同様に、第2張出状態に位置する第1リンク部材431に貫通孔431a軸を中心に回転する力が作用する際に、その力を摺動突起431dから、カム部材422の軸部422aに作用させることができる。従って、第1リンク部材431の回転力で、カム部材422が回転することを抑制できる。従って、第1リンク部材431の回転力で、カム部材422が回転することを抑制できる。その結果、第2張出状態において、第2リンク部材432を介して第1リンク部材431に連結される下変位部材440が変位されることを抑制できる。
また、各段部422c1,422c2,422c3は、摺動突起431dと貫通孔431aとを結ぶ方向に延設されるので、第1リンク部材431の摺動突起431dが変位する方向の摺動溝422cの幅寸法を小さくできる。よって、退避位置、第1張出位置および第2張出位置での、第1リンク部材431が貫通孔431aの軸を中心に回転変位できる摺動溝422cと摺動突起431dとの隙間を小さくできる。従って、各状態における第1リンク部材431が、貫通孔431aの軸を中心に回転変位可能な隙間を小さくできる。その結果、各状態における下変位部材440が振動や変位停止時の慣性力で揺れ動く幅を小さくでき、遊技者に停止した状態を視認させやすくできる。
よって、下変位部材440を駆動する伝達部材420及びリンク部材430(駆動機構)は、球受部467から遊技球が出射される際の反射用の方向に下変位部材440が変位されることを規制することができるので、反作用に伴って下変位部材440がベース部材410に対して変位されることを抑制できる。その結果、下変位部材440のがたつきを抑制できる。
次いで、図22を参照して、リンク部材430及びカム部材422との前後方向の関係を説明する。図22(a)は、図18のXXIIa−XXIIa線における下変位ユニット400の断面模式図であり、図22(b)は、図19のXXIIb−XXIIb線における下変位ユニット400の断面模式図である。なお、図19及び図20では、背面ベース412を透明視して図示したが、図22(a)及び(b)では、透明視していない状態の下変位ユニット400の断面図が図示される。
図22(a)に示すように、退避状態における下変位ユニット400のリンク部材430は、背面ベース412とカム部材422との間に配置される。よって、下変位部材440が前後方向に揺れ動くことを抑制できる。即ち、第1リンク部材431の他端側は、第2リンク部材432を介して複数の備品を組み合わせて構成される下変位部材440に連結されるので、下変位部材440の荷重により前後方向に撓む恐れがあるところ、カム部材422が前方に配置されるので、第1リンク部材431が前方に撓むことを抑制できる。その結果、第1リンク部材431が前方に動くことを抑制できるので、下変位部材440が前後方向へ揺れ動くことを抑制できる。
図22(b)に示すように、第1張出状態における下変位ユニット400のリンク部材430は、退避状態の場合と同様に、背面ベース412とカム部材422との間に配置される。よって、下変位部材440が前後方向に揺れ動くことを抑制できる。
また、退避状態および第1張出状態では、カム部材422がリンク部材430の第1リンク部材431と第2リンク部材432との連結部分の前方側に配置される。よって、リンク部材430は、2の部材から形成されるとその連結部分を回転可能にする必要があるためその隙間の分、他の部分より剛性が弱くなり屈曲しやすくなるところ、前方側にカム部材422が配置されるので、リンク部材430の連結部分が屈曲することを抑制できる。その結果、下変位部材440が前後方向にゆれ動くことを抑制できる。
次いで、図23から図26を参照して、下変位部材440の構成について詳細な説明をする。図23(a)は、下変位部材440の正面図であり、図23(b)は、下変位部材440の背面図である。図24は、下変位部材440の分解斜視正面図であり、図25は、下変位部材440の分解斜視背面図である。図26(a)及び(b)は、下変位部材440の正面図である。
なお、図26(a)では、下変位部材440の装飾部材450が透明視された状態が図示され、図26(b)では、下変位部材440の装飾部材450及び正面ケース481が透明視された状態が図示される。
図23から図26に示すように、下変位部材440は、正面ベース411に連結されるベース部材470と、そのベース部材470の前後を覆うケース部材480と、ケース部材480とベース部材470との間に変位可能に配設される伝達機構460と、ケース部材480の前後を覆う態様で形成される装飾部材450とを主に備えて形成される。
ベース部材470は、正面視矩形横長に形成される板部材であり、一端側の背面側に突出する突起472,473と、他端側の縁部から正面側に立設する立設壁471aと、左右方向(図23左右方向)中央部の上端から正面側に上下反対のU字状に突出する突設壁477と、ベース部材470の上端に突設壁477の端部から一端側に刻設されるラックギヤ476と、正面側に突出する軸部474,475と、ベース部材470の一端側の背面に取着される長方形状の配線係止部478と、ベース部材470の上下方向中央部に一端側から他端側に延びて凹設される開口479とを主に備えて形成される。
突起472,473は、上述したように正面ベース411の摺動溝411a,411bに挿入されて、下変位部材440と正面ベース411とを連結する連結部分である。よって、摺動溝411a,411bの内壁の対向間の寸法よりも小さい外径の円柱状に形成される。
立設壁471aは、後述する正面ケース481が、ベース部材470に取着された際に、正面ケース481とベース部材470との対向間に隙間を形成するための壁部であり、球の直径よりも大きい立設寸法に設定される。
軸部474,475は、後述する伝達機構460の伝達ギヤ462,463の軸に挿入され伝達ギヤ462,463を回転可能に保持する突起であり、伝達ギヤ462,463の軸孔の内径よりも小さい外径の円柱状に形成される。
ラックギヤ476は、後述する伝達ギヤ465と歯合する歯面が刻設される。これにより、後述する可動ラック464が、ベース部材470に対してスライド変位することで、伝達ギヤ465を回転させることができる。
突設壁477は、後述する送球ユニット600から送球される球を、装飾部材450の開口451aを介してベース部材470の前方に受け入れた際に、球が下変位部材440の外側に落下することを抑制するための壁面であり、略U字に形成された対向する壁部の間は、球の直径よりも大きく形成される。
配線係止部478は、ベース部材470の背面側に配設される制御基板へのフレキシブル配線(図示せず)を係止するための部材であり、ベース部材470との間にフレキシブル配線の一端を介した状態でベース部材470の背面側に取着される。これにより、下変位部材440がベース部材410に対して変位可能に配設されるものであっても、フレキシブル配線が絡むことを抑制できる。
また、配線係止部478は、背面側に、円柱状に突出する突起478aを備える。突起478aの突出距離は、背面側に連結されるリンク部材430よりも背面側に突出する距離に設定されると共に、背面ベース412の正面側の面と当接可能な距離に設定される。これにより、下変位部材440が後方側に揺れ動くことを抑制できると共に、リンク部材430が背面ベース412と衝突することを抑制できる。
開口469は、正面側に配設される可動ラック464のスライド変位方向を規定する開口であり、後述する可動ラック464の案内板464dが内部に挿入される。
伝達機構460は、ベース部材470の前方に配置される部材であり、伝達ギヤ4621,462,463と、その伝達ギヤ461に軸部分が連結される駆動モータKM2と、伝達ギヤ463と歯合する歯面を有し、ベース部材470の前方にスライド変位可能に配設される可動ラック464と、その可動ラック464に回転可能に配置されると共に、ラックギヤ476に歯合した状態とされる伝達ギヤ465と、その伝達ギヤ465に歯合される歯面を有し可動ラック464の前方をスライド変位可能に配設されるラック466と、そのラック466の一端側に回転可能に配設される球受部467とを主に備えて形成される。
伝達ギヤ461は、駆動モータKM2の軸部分が軸孔に内嵌されるギヤであり、駆動モータKM2に連結された状態で駆動モータKM2がベース部材470に取着されることで、ベース部材470に配設される。
伝達ギヤ462,463は、上述したように、軸孔にベース部材470の軸部474,475が挿入されてベース部材に回転可能に保持される。また、伝達ギヤ461から463はそれぞれ歯合されたギヤ列であり、伝達ギヤ461が駆動モータKM2により回転されることで、終端の伝達ギヤ463が回転される。
可動ラック464は、正面視矩形横長の板状に形成され、下端面に刻設されるラックギヤ464aと、正面側から円柱状に突出する軸部464bと、上端面の一端側から上方に突出する当接板464cと、上下方向略中央位置に一端から他端にかけて突出される案内板464dと、その案内板464dと反対の正面側に突出するラック案内部464eと、下方の他端に突出する衝突部464fとを主に備えて形成される。
ラックギヤ464aは、伝達ギヤ463と歯合する歯面である。よって、ベース部材470にラックギヤ464aと伝達ギヤ463を歯合した状態で配置することで、可動ラック464を駆動モータKM2の駆動で変位可能とできる。
軸部464bは、伝達ギヤ465が回転可能に保持される軸部分であり、伝達ギヤ465の軸孔よりも小さい外径の円柱状に形成される。
当接板464cは、後述する振分けユニット500の振分け部材540に当接して振分け部材540を変位させる当接部である。即ち、可動ラック464の変位によって、振分け部材540を変位可能とされる。なお、当接板464cと振分け部材540との当接態様については後述する。
案内板464dは、上述したように、ベース部材470の開口479の内部に挿入される板状体であり、駆動モータKM2の駆動により変位される可動ラック464の変位方向を規定することができる。即ち、駆動モータKM2の駆動により変位される可動ラック464を開口479の延設方向に沿って変位させることができる。なお、本実施形態では、開口479は、左右方向に延設されるので、可動ラック464をベース部材470に対して左右方向にスライド変位させることができる。
ラック案内部464eは、後述するラック466の変位方向を規制するための突壁であり、左右方向に一端から他端に亘って突設される。
衝突部464fは、後述する変位部材492の突起492bと当接して変位部材492を変位させる壁部であり、可動ラック464の下端に突出して形成される。また、衝突部464fは、他端側が傾斜した状態に形成される。これにより、変位部材492の突起492bをその傾斜面に沿って摺動させて変位させることができる。
ラック466は、正面視矩形横長の棒状体から形成され、上端面に刻設されるラックギヤ466aと、他端側の端部から背面側に円柱状に突出する軸部466bと、正面側に突出する2つの摺動板466cと、背面側に一端から他端に亘って凹設される凹設部466dとを主に備えて形成される。
ラックギヤ466aは、可動ラック464に取着される伝達ギヤ465に歯合される。これにより、ラック466が可動ラック464の前方に配置された状態では、可動ラック464がスライド変位することで、そのスライド変位に伴って伝達ギヤ465が回転され、ラック466に駆動力が伝達される。従って、ラック466は、可動ラック464に対して変位できる。
軸部466bは、後述する球受部467の軸孔467bに挿入される突起であり、軸孔467bの内径よりも大きい外径の円柱状に形成される。これにより、球受部467を回転可能に保持できる。
摺動板466cは、後述する正面ケース481の開口481aに挿入される突起であり、所定の厚みを有する板状体から形成される。これにより、ラック466に伝達ギヤ465から駆動力が伝達され、ラック466が可動ラック464に対して変位された場合に、ラック466の変位方向を開口481aの延設される方向に規定することができる。
凹設部466dは、ラック466が可動ラック464の前方に配設された際に、内側にラック案内部464eを配置した状態とされる。これにより、ラック466に伝達ギヤ465から駆動力が伝達され、ラック466が可動ラック464に対して変位された場合に、ラック466の変位方向をラック案内部464eの延設方向に規定することができる。
ここで、ラック466の変位方向を規制するためには、凹設部466d及びラック案内部464eを形成すれば、ラック466の変位方向をラック案内部464eの延設方向に規定することができる。しかしながら、下変位部材440は、左右方向にスライド変位しつつ回転変位するものであるので、下変位部材440の変位状態によっては、自重により伝達ギヤ465及びラック466の歯合の状態が変わり、伝達ギヤ465からラック466へ駆動力がうまく伝達されなくなる恐れがあった。
これに対し、本実施形態では、ラック466の変位方向を規定する箇所が、摺動板466c及び開口481aと凹設部466d及びラック案内部464eとの2箇所形成されるので、下変位部材440の変位状態が変化された際に、伝達ギヤ465及びラック466の歯合状態が変化することを抑制できる。その結果、伝達ギヤ465からラック466への駆動の伝達が阻害されることを抑制できる。
また、摺動板466cは、ラック466の左右方向(図23(a)左右方向)の2箇所から突出形成されており、他端側(軸部466bの反対側)の摺動板466cが、ラックの変位終端位置(ラック466が可動ラック464に対して一番張り出された位置)において、伝達ギヤ465の下方(図23下側)に配置される。
ここで、変位終端位置では、後述するようにラック466の軸部466bに配設される球受部467が発射動作(回転変位)をするので、ラック466の一端側に配設される球受部467の変位による慣性力で、ラックの他端側が変位しやすい。そのため、伝達ギヤ465及びラック466の歯合面に負荷がかかり易く、伝達ギヤ465及びラック466が破損する恐れがあった。
これに対し、本実施形態では、他端側(軸部466bの反対側)の摺動板466cが、ラックの変位終端位置(ラック466が可動ラック464に対して一番張り出された位置)において、伝達ギヤ465の下方(図23下側)に配置されるので、球受部467が発射動作(回転動作)をした際に、伝達ギヤ465及びラック466との歯合する位置のラック466が変位することを抑制できる。その結果、伝達ギヤ465及びラック466が破損することを抑制できる。
球受部467は、遊技球を保持する部分であり、正面視略U字に形成され、U字の内側部分に球を受け入れることが可能に形成される。即ち、球受部467のU字の内側は、球の外形よりもやや大きく形成される。これにより、球受部467の内側部分に1球可能とされる。また、球受部467は、U字の下端位置に前後方向に貫通する軸孔467bと、下方の外周面から、下側に突出する脚部467aとを主に備えて形成される。
軸孔467bは、上述したように、ラック466に球受部467を回転可能な状態で保持するための軸孔であり、ラック466の軸部466bの外径よりも大きい内径に形成される。よって、球受部467は、ラック466の軸部466bを軸孔467bに挿入することで回転可能に保持できる。また、軸部466bを軸孔467bに挿入した後に、付勢ばねSP2が軸部466bの軸周囲に配設され、軸部466bに軸孔467bの内径よりも頭部の大きいネジ等が締結される。これにより、球受部467は、正面視右周りに付勢された状態でラック466に配設される。なお、球受部467の態様について詳しい説明は後述する。
脚部467aは、球受部467が付勢ばねSP2により回転されることを付勢する突起であり、球受部467のU字の開放部分を上方に向けた状態で、先端が後述する正面ケース481の底壁部481bに当接する位置に設定される。これにより、球受部467が回転されることを規制できる。
ケース部材480は、ベース部材470の前後を覆設する部材であり、ベース部材470の正面側に配設される正面ケース481と、背面側に配設される背面ケース482とを主に備える。
正面ケース481は、正面視矩形横長の板状に形成され、重力方向略中間位置に左右方向に広がる開口481aと、背面側の下端面に突出形成される底壁部481bと、下方縁部に前後方向に貫通する軸孔481cとを主に備えて形成される。
開口481aは、前後方向に貫通形成されており、上述したように、ベース部材470に正面ケース481が配設されると内部にラックの摺動板466cが挿入された状態とされる。
底壁部481bは、正面ケース481の下端部から背面側に突出形成されると共に、左右方向に延設される。また、底壁部481bは、正面ケース481がベース部材470に配設された状態では、その上面に球受部467の脚部467aが当接した状態とされる。
背面ケース482は、ベース部材470の背面側に制御基板491を配設するための板部材であり、正面視における外形が、ベース部材470の外形よりも小さい矩形横長に形成される。また、背面ケース482は、背面側に突出する突起482aを備える。
突起482aは、上述したように、第2リンク部材432の貫通孔432bと連結される連結部であり、貫通孔432bの内径よりも小さい外径の円柱状に形成される。よって、突起482aを貫通孔432bに挿入した後に、突起482aの先端に貫通孔432bの内径よりも頭部の大きいネジ等を締結することで、背面ケース482と第2リンク部材432とを回転可能な状態で連結できる。
装飾部材450は、模様やキャラクターを模した外形形状に形成され、表面にその模様やキャラクターの絵が描かれる。装飾部材450は、正面ケース481の正面側に配設される正面側装飾部451と、背面ケース482の背面側に配設される背面側装飾部452とを主に備えて形成される。なお、本実施形態では、装飾部材450にサメの模様(キャラクター)が描かれる。
正面側装飾部451は、正面視において正面ケース481の外形よりも大きい外径に形成され、正面ケース481に取着される。これにより、正面側装飾部の背面側に配設される部材(ケース部材480、ベース部材470等)を遊技者から視認不可能とすることができる。
背面側装飾部452は、正面側装飾部451の上端後方に配設される。これにより、背面側装飾部452の上方から正面側装飾部451の背面側に配置される部材を遊技者から視認不能とすることができる。
また、正面側装飾部451と前後方向同一平面上に変位部材492が配設される。変位部材492は、背面側に突出する軸部492aと、突起492bとを主に備えて形成される。
軸部492aは、正面ケース481の軸孔481cの内径よりも小さい外径の円柱状に形成される。よって、軸部492aを軸孔481cに挿入することで、変位部材492を回転可能な状態で正面ケースに連結できる。また、軸孔481cを挿入された軸部492aの先端側には、付勢ばねSP3が配設される。これにより、変位部材492を付勢した状態で配設することができる。なお、変位部材492の変位の詳しい説明は後述する。
軸部492aは、上述した可動ラック464の衝突部464fに衝突されることで、変位部材492に軸部492aの軸を中心に回転する駆動力を伝達できる。即ち、可動ラック464は、その変位に伴って変位部材492を回転変位させることができる。
よって、下変位部材440は、下変位部材440(基部材)に変位可能に配設される変位部材492(配設部材)を備え、球受部467(変位部材)は、遊技球を保持可能かつ射出可能に形成され、変位部材492は、球受部467から遊技球が出射される際に変位可能とされるので、下変位部材440のがたつきの発生を抑制することができる。
即ち、球受部467から遊技球が発射されると、遊技球の重さの分、下変位部材440の重心位置が変化されるところ、例えば、遊技球の発射に伴う重心位置の変化を相殺する方向へ変位部材492を変位させる構成を採用した場合には、重心位置の変化に伴う下変位部材440のがたつきの発生を抑制できる。また、球受部467から遊技球が発射されると、その遊技球の発射に伴い下変位部材440が反作用を受けるところ、例えば、遊技球の発射に伴う反作用を相殺する方向へ変位部材492を変位させる構成を採用した場合には、反作用に伴う下変位部材440のがたつきの発生を抑制できる。
さらに、変位部材492の変位は、球受部467の変位により衝突部464fが、軸部492aに衝突されることで行われるので、変位部材492を変位させるための駆動手段を別途設ける必要がない。即ち、球受部467を変位させるための駆動モータKM2を、変位部材492を変位させるための駆動手段として、兼用することができる。よって、その分、下変位部材440を軽量化して、そのがたつきを抑制しやすくできる。
また、球受部467の変位に機械的に同期させて変位部材492を変位させることができるので、例えば、球受部467の位置をセンサ装置で検出し、その検出結果に応じて変位部材492を駆動手段で駆動する制御を不要とでき、その分、製品コストの削減を図ることができると共に、球受部467に対する変位部材492の変位動作の信頼性を確保できる。
次いで、図27から図30を参照して、伝達機構460の遷移について説明する。図27は、第1位置における下変位部材440の正面図であり、図28は、第2位置における下変位部材440の正面図であり、図29は、第3位置における下変位部材440の正面図である。図30(a)から(c)は、下変位部材440の部分拡大図である。
なお、第1位置は、球受部467がベース部材470に対して左右方向(図27左右方向)略中央位置に配置された位置である。第2位置は、球受部467が、突設壁477の重力方向下側(図28下側)に配置された位置である。第3位置は、球受部467が、ベース部材470の左右方向右端に配置された位置である。
また、図27から図30では、下変位部材440の装飾部材450及び正面ケース481が透明視されると共に、正面ケース481の底壁部481bの外形が鎖線で図示される。さらに、図30(a)及び(b)では、第3位置に変位する直前の遷移状態が順に図示され、図30(c)では、第3位置における下変位部材440が図示される。
図27に示すように、第1位置における下変位部材440は、可動ラック464が、ベース部材470に対して左右方向左端に位置した状態とされる。また、第1位置では、ラック466が可動ラック464の前方に配置され、ラック466と可動ラック464とが前後方向に重なった状態とされる。即ち、ラック466も可動ラック464と同様に、ベース部材470に対して左右方向左端に位置される。よって、ラック466に連結される球受部467はベース部材470に対して左右方向略中央位置に配置される。
第1位置では、上述したように、可動ラック464、ラック466がベース部材470の左右方向左端に集められた状態とされる。ここで、下変位部材440は、スライド変位しつつ回転変位する(退避状態から第1及び第2張出状態に変位する)ので、下変位部材440の重心位置が、回転する軸の近傍に配置された状態とすることが望ましい。
本実施形態によれば、球受部467を変位させる伝達機構460が可動ラック464及びラック466を前後に重畳した状態(2段ラック)とされるので、その重心位置を正面ベース411の摺動溝411a,411b側(下変位部材440の回転軸側)に近づけることができる。
従って、上述したように下変位部材440を退避状態の位置から第1及び第2張出状態の位置に変位させる際には、下変位部材440を第1位置とすることで、下変位部材440を回転変位させる際の駆動力を小さくできる。よって、下変位部材440を変位させる駆動モータKM1の消費エネルギーを抑えることができる。
図27に示す第1位置から図28に示す第2位置への変位は、駆動モータKM2を駆動させることで行われる。
第1位置から駆動モータKM2が駆動されると、駆動モータKM2の軸に連結される伝達ギヤ461が回転される。これにより、伝達ギヤ462及び伝達ギヤ463が回転される。伝達ギヤ463が回転されると、伝達ギヤ463と歯合するラックギヤ464aから、可動ラック464に駆動力が伝達されて可動ラック464がベース部材470に対して右方向にスライド変位される。
可動ラック464がスライド変位されると、そのスライド変位に伴って可動ラック464に配設される伝達ギヤ465がベース部材470のラックギヤ476により回転される。これにより、伝達ギヤ465に歯合されるラックギヤ466aによりラック466へ駆動力が伝達される。その結果、ラック466が可動ラック464に対して左右方向右側へスライド変位されて、球受部467が第2位置へ変位される。
図28に示す第2位置から図29に示す第3位置への変位は、第1位置から第2位置までの変位と同様に、駆動モータKM2の駆動により行われる。なお、駆動モータKM2からラック466までの駆動の伝達については第1位置から第2位置までの変位と同様であるため、その詳細な説明は省略する。
図29及び図30に示すように、第3位置に球受部467が変位されると、球受部467は、脚部467aと正面ケース481の底壁部481bとの当接状態が解除され、軸部466bに配置した付勢ばねSP2の付勢力により軸孔467bの軸を中心に回転変位される。
詳しく説明すると、第1及び第2位置(第3位置における球受部467よりも正面視左側に球受部467が配置されている状態)では、球受部467の脚部467aの先端が正面ケース481の底壁部481bの上面に当接した状態とされ、付勢ばねSP2の付勢力による軸孔467bを中心に正面視時計回りへの回転が規制される。
一方、球受部467の脚部467aの先端部は、第3位置へ変位されると、底壁部481bの端部よりも正面視右側に配置され、底壁部481bとベース部材470の立設壁471aとの対向間に形成される凹部481b1の内側に配置される。よって、球受部467は付勢ばねSP2の付勢力により軸孔467bの軸を中心に回転される。第3位置で球受部467が回転されると、脚部467aの先端が底壁部481bの端面と当接して、球受部467の軸孔467bを中心とする回転が規制される。これにより、球受部467は、軸孔467bを中心に略40度回転された位置で停止される。なお、以下では、第3位置における球受部467の回転変位を発射動作と称して説明する。
また、球受部467が第1位置から第3位置方向(第1方向)へ変位する際の軌道領域に凹設される凹部481b1を備え、球受部467は、第1方向へ変位する際に、凹部481b1に係合される脚部467aを備えると共に、脚部467aが凹部481b1に係合されることで姿勢が変化可能に形成されるので、球受部467の姿勢を変化させるための構造を簡素化できる。
さらに、球受部467が第2位置から第3位置へ変位されると、衝突部464fが可動ラック464の変位により正面視右側にスライド変位され、変位部材492の突起492bと衝突する。これにより、変位部材492が軸部492aの軸を中心に回転変位される。
即ち、球受部467が、第3位置に変位されると、球受部467が回転変位されると共に、変位部材492が回転変位される。よって、球受部467が、発射動作をして球受部467の内側から球が排出されて、下変位部材440が軽くなることで下変位部材440が揺れ動く力と、変位部材492が回転変位する慣性力とを反対方向に作用させることができる。その結果、下変位部材440の内部から球が排出された際に下変位部材440が揺れ動くことを抑制できる。
次いで、図31を参照して、球受部467への球の受入動作について説明する。図31(a)から(c)は、下変位部材440の正面図である。なお、図31(a)から(c)では、球受部467へ球を受け入れる受入動作する遷移状態が順に図示される。
また、図31(a)から(c)では、下変位部材440の装飾部材450及び正面ケース481が透明視されると共に、正面ケース481の底壁部481bの外形が鎖線で図示される。
更に、図31(a)から(c)では、下変位部材440が退避状態における水平方向が仮想線H1の符号を付して2点鎖線で図示されると共に、下変位部材440が第1張出状態における水平方向が仮想線H2の符号を付して図示される。また、下変位部材440が退避状態の位置から第1張出状態の位置まで回転された角度を角度θの符号を付して図示される。なお、仮想線H1,仮想線H2及び角度θは図31以降の図にも図示される。
図31(a)に示すように、退避状態(下変位部材440の長手方向を仮想線H1と平行にした状態)の下変位ユニット400において、下変位部材440の球受部467を第1位置に変位させることで、後述する振分けユニット500から遊技球T1が下変位部材440の正面側装飾部451に形成される開口451aに送球される。開口451aに送球される遊技球T1は突設壁477の内側に送球されて、下変位部材440の内部に送球される。
図31(b)に示すように、開口451aに遊技球T1が送球されると下変位部材440が第2位置へ変位される。よって、上述したように第2位置では、球受部467が突設壁477の下方に配置されるので、突設壁477の内側に送球された遊技球T1を、球受部467の内側に送球できる。球受部467に遊技球T1が受け入れられることで、球受部467の動作に伴って遊技球T1を変位させることができる。
図31(c)に示すように、球受部に遊技球T1が送球されると、下変位部材440は、第1位置へ変位される。これにより、球受部467に遊技球T1を配置した状態で第1位置に球受部467を配置した状態とできる。
ここで、ベース部材と、そのベース部材に一側が変位可能に配設される基部材と、その基部材に変位可能に配設される変位部材とを備えた遊技機が知られている。この遊技機によれば、基部材を遊技領域へ張り出して遊技者から視認可能にされる張出位置と、遊技領域から後退される退避位置との間で変位される演出に加え、基部材を張出位置に配置した状態において変位部材を変位させる演出を行うことができる。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、ベース部材に基部材の一側が変位可能に配設されるため、変位部材が変位されると、一側を死点として、ベース部材に対する基部材のがたつきが発生しやすいという問題点があった。特に、変位部材を停止状態から変位させる際には、加速度の変化が最大となるため、慣性力の影響により、基部材のがたつきが発生しやすい。
これに対し、本実施形態では、球受部467は、第2位置から変位を開始する態様と、第1位置よりも下変位部材440(基部材)の一側に近い第1位置から変位を開始する態様とを形成可能に形成され、少なくとも下変位部材440がベース部材410に対して所定位置に配置された状態(例えば、下変位部材440が遊技領域へ張り出して遊技者から視認可能とされる第1張出状態)では、第1位置から変位を開始するので、基部材の下変位部材440のがたつきを抑制することができる。即ち、第1位置は、第2位置よりも、下変位部材の一側に近い位置とされるので、かかる第1位置を球受部467の変位開始位置とすることで、球受部467の重さを、下変位部材440がベース部材410に対してがたつく際の死点に近づけておくことができ、その分、球受部467を停止状態から変位される際の慣性力の影響を下変位部材440に作用させ難くできる。その結果、下変位部材440のがたつきを抑制しやすくできる。
また、下変位部材440は、上述したように、スライド変位しつつ回転変位(退避状態から第1及び第2張出状態に変位)される。そのため、遊技球T1を回転軸の遠方に配置した状態で下変位部材440が回転変位されると、遊技球T1に遠心力が発生しやすくなり、遊技球T1が動いて球受部467の内壁と遊技球T1との衝突による衝突音が発生、又は球受部467が破損するという問題点があった。
これに対し、本実施形態では、遊技球T1を球受部467に受け入れた後に、下変位部材440を第1位置に変位させることができるので、遊技球T1を下変位部材440の回転軸の近傍に配置する(近づける)ことができる。従って、下変位部材440に遊技球T1を受け入れた状態で下変位部材440を、回転変位(退避状態から第1及び第2張出状態に変位)させた際に、遊技球T1に遠心力が発生することを抑制できる。その結果、遊技球T1と球受部467とが衝突した際に衝突音が発生する、又は球受部467が破損することを抑制できる。
さらに、本実施形態では、下変位部材440は、球受部467を動作させる伝達機構460が可動ラック464、伝達ギヤ465(ピニオンギヤ)及びラック466(ラック部材)で形成され、ラック466に球受部467が配設されるので、球受部467の変位を第1位置から開始する際には、ラック466の重さだけでなく可動ラック464、ラック466の重さも下変位部材440の一側(下変位部材440がベース部材410に対してがたつく際の支点)に近づけておくことができる。その結果、球受部467を停止状態から変位される際の下変位部材440のがたつきを抑制しやすくできる。
また、球受部467に遊技球T1を受け入れた状態では、遊技球T1の荷重分、下変位部材440の荷重が重くされる。そのため、上述したように、下変位部材440を第1位置にした状態とすることで、下変位部材440の重心位置を正面ベース411の摺動溝411a,411b側(下変位部材440の回転軸側)に移動させ易くできる。従って、下変位部材440を退避状態の位置から第1及び第2張出状態の位置に変位させる際には、下変位部材440を第1位置とすることで、下変位部材440を回転変位させる際の駆動力を小さくできる。よって、下変位部材440を変位させる駆動モータKM1の消費エネルギーを抑えることができる。
次いで、図32を参照して、球の払出動作について説明する。図32(a)から(c)は、下変位部材440の正面図である。なお、図32(a)から(c)では、球の払出動作における下変位部材440の遷移状態が順に図示される。また、図32(a)から(c)では、下変位部材440の装飾部材450及び正面ケース481が透明視されると共に、正面ケース481の底壁部481bの外形が鎖線で図示される。さらに、球の払出動作とは、下変位部材440の球受部467に受け入れた遊技球T1を出射開口471から下変位部材440の外方に払い出す動作である。
図32(a)から(c)に示すように、下変位部材440の球受部467に受け入れた球を払い出す払出動作は、下変位部材440を第1位置から順に第3位置まで変位させることで行われる。
即ち、受入動作で球受部467の内側に遊技球T1を受け入れて、第1位置に配置された下変位部材440を、第3位置に変位させることで、遊技球T1が球受部467の変位に伴って、出射開口471側に運搬される。出射開口471側に移動された遊技球T1は、球受部467のスライド変位と第3位置における球受部467の発射動作とにより、出射開口471側への慣性力が付与されて、球受部467の内側から飛び出される。これにより下変位部材440の内部から球を払い出すことができる。
ここで、球受部467(変位部材)が第1位置から変位を開始する際の変位方向は、下変位部材440の位置側から離間する方向であるので、球受部467が第1位置に配置された状態では、ラック466(ラック部材)をより下変位部材440の一側からベース部材410へ近づけることができる。即ち、下変位部材440の一側から、離間する方向へ球受部467(ラック466)が変位するためには、ラック466は、球受部467の変位が開始された後に、伝達ギヤ465(ピニオンギヤ)が歯合されるラックギヤ466a側の部分を下変位部材440の一側に向けることとなる。よって、ラック466の重さをより下変位部材440の一側(下変位部材440が、ベース部材410に対してがたつく際の支点)に近づけておくことができ、その結果、球受部467を停止状態から変位される際の下変位部材440のがたつきを抑制しやすくできる。
球受部467は、第3位置方向(第1方向)へ変位され、第3位置に達すると姿勢が変化可能に形成されるので、第3位置までは、1球の遊技球T1を球受部467が保持した状態を維持しやすくして、球受部467からの遊技球T1の脱落を抑制できる一方、第2位置に達した際には、球受部467の姿勢の変化を利用して、遊技球T1を球受部467の内側から払出しやすくできる。
なお、下変位部材440を退避状態(下変位部材440の長手方向を仮想線H1と水平に配置した状態)の位置で図32(a)から図32(c)に示す球受部467の払出動作を行う場合は、下変位部材440の外側に払い出された遊技球が、回収口411fの内部に送球される。
一方、下変位部材440が第1張出状態(下変位部材440の長手方向が仮想線H1から角度θ回転された状態)の位置で球受部467の払出動作を行う場合は、下変位部材440の外側に払い出された遊技球が、回転ユニット700の球受台710の上部に送球される。
次いで、図33及び図34参照して、下変位部材440の内部に2球以上の球が送球された際の排出動作について説明する。図33(a)から(c)及び図34(a)から(c)は、下変位部材440の正面図である。
なお、図11(a)から(c)及び図12(a)から(c)では、排出動作の遷移状態が順に図示される。また、図11(a)から(c)及び図12(a)から(c)では、下変位部材440の装飾部材450及び正面ケース481が透明視されると共に、正面ケース481の底壁部481bの外形が2点鎖線で図示される。
図33(a)から(c)に示すように、後述する振分けユニット500から2球以上の球が連続して送球された場合には、下変位部材440を受入動作させることで、2球目の遊技球T2を球受部467の変位経路上に落下させることができる。
即ち、球受部467を第1位置から第2位置へ変位させて1球目の遊技球T1を球受部467の内側に送球することができ、2球目の遊技球T2を1球目の遊技球T1に当接させて、突設壁477の内側に留めて置くことができる(図33(b)参照)。第2位置で1球目の遊技球T1を受け入れた後に球受部467を第1位置に変位させることで、球受部467に1球目の遊技球T1を受け入れた状態で、球受部467を第1位置に変位させて、2球目の遊技球T2を球受部467の変位経路上に落下させることができる。
ここで、第2位置で球受部467に受け入れる球を球受部467の変位により、第3位置へ変位させる遊技機では、後述する振分けユニット500の振分け部材540の変位に動作不良が生じると規定数以上の遊技球が球受部467の軌道領域に送球される恐れがあり、この場合、規定数を超えた分の遊技球により不具合を生じる恐れがあるという問題点があった。例えば、規定数を超えた分の遊技球が、球受部467を駆動させる伝達機構460に入り込み、可動部分に噛み込まれることで、破損を招く恐れがあった。或いは、規定数を超えた分の遊技球が遊技領域外(例えば、遊技盤13の背面側または背面ケース300の内側)へ流出する恐れがあった。
これに対し、本実施形態によれば、球受部467が、第2位置から球の送球方向と反対方向となる第1位置に変位可能に形成されるので、その分、球受部467の軌道領域を拡大できる。よって、例えば、振分け部材540に動作不良が生じ、規定数以上の遊技球が送球された場合でも、球受部467の軌道領域が拡大されている分、規定数を超えた分の遊技球を軌道領域に受け入れることができる。その結果、規定数を超えた分の遊技球を、球受部467の第3位置への変位に伴って移動させることができる。よって、規定数を超えた分の遊技球が、球受部467を駆動させる伝達機構460に入り込むことや、遊技領域外へ流出することを抑制でき、その結果、規定数を超えた分の遊技球による不具合を生じ難くできる。
また、球受部467は、第2位置において後述する振分けユニット500から送球された1球の遊技球T1を受け取って保持可能とされると共に、第2位置から第1位置の方向(第2方向)へ少なくとも、遊技球の直径を超える距離だけ変位可能に形成されるので、第2位置において1球の遊技球を受け取った後、球受部467を第2位置から第3方向(第1方向)へ変位させることで、規定数を超える分の遊技球を球受部467の軌道領域(球受部の467よりも第1方向の領域)に送球させることができる。よって、2球目以降の遊技球T2を、球受部467の第3位置方向(第1方向)への変位に伴って移動させることができる。
この場合、1球目の遊技球T1を球受部467が保持し、2球目以降の遊技球T2を球受部467の軌道領域に送球できるので、1球目の遊技球T1と、2球目以降の遊技球T2とを分離することができる。よって、例えば、球受部467を第3位置方向(第1方向)へ変位させることで、1球目の遊技球T1を球受部材が保持した状態を維持しつつ、2球目以降の遊技球T2のみを軌道領域から排出する動作が可能となる。
また、球受部467を第2位置に変位させて1球目の球を受け入れた後に、第3位置に変位させて球受部467の内側から遊技球T1を排出するものでは、2球目の遊技球T2がラック466の上部に落下して、2球目の遊技球T2が球受部467と伝達ギヤ465との間に送球されて、2球目の遊技球T2を下変位部材440の外方に排出不能となる恐れがある。
これに対し、本実施形態では、球受部467に球を受け入れる受入動作を、第2位置で球受部467の内側に遊技球T1を受け入れた後、出射開口471とは反対の第1位置へ変位させることができるので、2球目の遊技球T2が下変位部材440の外方に排出不能となることを抑制できる。
言い変えると、役物内に送球された遊技球を排出する排出動作をする役物を備える遊技機では、球を排出する部材(本実施形態では球受部467)の動作を球を受け入れる位置(第2位置)と球を排出する位置(第3位置)に変位させるのみであると、2球以上の遊技球が役物内に送球された場合に、球を排出する部材に対して排出口(出射開口471)と反対側に2球目の遊技球T2を排出する恐れがあるところ、本実施形態では、1球目の遊技球T1を受け入れた後に、球受部467を出射開口471と反対側の第1位置に変位させることで、2球目の遊技球T2を球受部467と出射開口471との間に送球することができる。
図34(a)から(c)に示すように、2球目の遊技球T2を球受部467の変位経路上に送球した後に、球受部467を発射動作する前の第3位置まで変位させることで、2球目の遊技球T2を球受部467に当接させた状態で出射開口471側に転動させることができる。その結果、2球目の遊技球T2を出射開口471から排出することができる。
この場合、球受部467は、そのU字部分の下端面が球受部467の変位経路上に送球される2球目の遊技球T2の中心位置よりも上方(図34(a)上方)に配置される。また、脚部467aが底壁部481bの上面と当接した状態において、底壁部481bとの当接面に対して略45度傾倒した状態で配置される。さらに、球受部467のU字の右側(図34(a)右側)の側面が脚部467aの右側の端部と上下方向に同一となる位置に配置されるので、2球目の遊技球T2の外面を脚部467aに当接させることができる。
また、脚部467aは、底壁部481bの上面に対して略45度傾倒した状態とされるので、2球目の遊技球T2の下半球(底壁部481b側の下半球)の外面と当接される。これにより、2球目の遊技球T2を出射開口471側に転動させる際に、脚部467aの傾斜面で2球目の遊技球T2を上方に持ち上げる力を発生させることができる。よって、2球目の遊技球T2が底壁部481bの上面を転動する際の2球目の遊技球T2と底壁部481bとの摩擦力を小さくできる。その結果、2球目の遊技球T2を出射開口471側に転動する際に、球受部467が停止されることを抑制できる。
言い変えると、脚部467aは、球受部467から第1位置から第3位置に向かう方向(第1方向)へ向けて突設されると共に、その突設先端が、球受部467の軌道領域へ送球された遊技球(即ち、2球目以降の遊技球T2)の下半面に当接可能に形成されるので、球受部467が第1位置から第3位置方向(第1方向)へ変位される際には、遊技球をその下半面を脚部467aで押しつつ移動させることができる。その結果、2球目以降の遊技球T2を球受部467の軌道領域から排出しやすくできる。
また、球受部467に保持される1球目の遊技球T1と、球受部467の軌道領域へ送球された遊技球(2球目以降の遊技球T2)との間に脚部467aが介在することで、かかる脚部467aの突設長さの分、1球目の遊技球T1と2球目以降の遊技球T2との間の間隔を確保できる。よって、1球目の遊技球T1を球受部467が保持した状態を維持しつつ、2球目以降の遊技球T2のみを軌道領域から排出しやすくできる。
さらに、凹部481b1との係合により、球受部467の姿勢を変化させる役割と、遊技球をその下半面を押しつつ移動させる役割とを脚部467aに兼用させるので、その分、部品点数を削減して製品コストの削減を図ることができる。
また、凹部481b1は、第1位置から第3位置方向(第1方向)における大きさが遊技球の直径よりも小さくされるので、球受部467の軌道領域へ送球された遊技球(即ち、2球目以降の遊技球T2)が、球受部467の第1方向への変位に伴って移動される際に、凹部481b1を通過しやすくできる。その結果、2球目以降の遊技球T2を軌道領域から排出しやすくできる。
上述したように、下変位ユニット400が退避状態に配置されると、下変位部材440の出射開口471の下方に回収口411fが配置された状態とされる。よって、退避状態において排出動作された遊技球T2は、回収口411fに送球される。
一方、下変位ユニット400が第1張出状態に配置されると、回収口411fは、出射開口471の下方に位置した状態とされる。また、回収口411fの開口は、上方側が開口される。よって、排出動作された遊技球T2は、回収口411fに送球される。
即ち、回収口411fは、ベース部材470における第1方向側(立設壁471a側)の端部の鉛直方向下方に配設されると共に鉛直方向上に開口を有するので、球受部467の第3位置方向(第1方向)への移動に伴って移動され、球受部467の軌道領域から排出される遊技球(即ち、2球目以降の遊技球T2)を回収口411fの開口から受け入れて回収することができる。
また、回収口411fの開口は、少なくとも退避状態、第1張出状態および第2張出状態のそれぞれの位置において、ベース部材470における第1方向側(立設壁471a側)の端部の鉛直方向下方に配設される。これにより、下変位ユニット400が、退避位置、第1張張出状態および第2張出状態のいずれに変位された場合でも球受部467の軌道領域から排出される遊技球(即ち、2球目以降の遊技球T2)を回収部材の開口から受け入れて回収することができる。
なお、下変位部材440を退避状態(下変位部材440の長手方向を仮想線H1と水平に配置した状態)の位置で図33(a)から(c)及び図34(a)から(c)に示す球受部467の排出動作を行う場合は、下変位部材440の外側に払い出された遊技球が、回収口411fの内部に送球される。また、下変位部材440が第1張出状態(下変位部材440の長手方向が仮想線H1から角度θ回転された状態)の位置で球受部467の排出動作を行う場合は、下変位部材440の外側に払い出された遊技球が、上述したように回収口411fに送球される。
次に図35を参照して、2球目の遊技球T2が出射開口471から排出される際の構成について説明する。図35(a)は、図34(b)の範囲XXXVaにおける下変位部材440の部分拡大図であり、図35(b)は、図34(a)の範囲XXXVbにおける下変位部材440の部分拡大図である。
図35に示すように、球受部467が発射動作の直前の第3位置まで変位されると、遊技球T2を立設壁471a側の球受部467の側面に当接させて、出射開口471から下変位部材440の外方に押し出すことができる。
この場合、球受部467の脚部467aが底壁部481bと立設壁471aとの間に挿入されて球受部467が回転動作する際に遊技球T2と球受部467とを当接させることで、球受部467の回転の力を遊技球T2に伝達させることができる。その結果、遊技球T2を出射開口471から排出させやすくできる。また、球受部467が遊技球T2に当接された際の反発力を利用して球受部467を回転動作する前の状態に戻すことができる。よって、球受部467の軌道領域に送球された遊技球T2を排出する際に、球受部467に保持した1球目の遊技球T1が脱落することを抑制できる。
さらに、下変位部材440は、球受部467が第2位置から第3位置方向(第1方向)へ変位する際の軌道領域に遊技球の半径よりも低い高さで立設されると共に凹部481b1よりも第1方向側に位置する立設壁471aを備え、球受部467の軌道領域へ送球された2球目以降の遊技球が球受部467の第1方向への変位に伴って移動されると、その遊技球T2が立設壁471aと球受部467とに当接されて、球受部467の姿勢変化が規制可能に形成されるので、1球目の遊技球T1を球受部467が保持した状態を維持しつつ、2球目の以降の遊技球のみを軌道領域から排出しやすくできる。
即ち、立設壁471aは、底壁部481bの上面から立設先端までの高さが遊技球の半径よりも低い高さで立設されるので、球受部467の第1方向への変位に伴って脚部に押されて遊技球T2が移動されると、遊技球T2の下半面を立設壁471aに当接させて、かかる立設壁471aを遊技球が乗り越え易くできる。この場合、球受部467に遊技球T2が当接され(即ち、球受部467と立設壁471aとの間に遊技球T2が介在され)、遊技球T2から球受部467へ反力を作用させることができるので、球受部の姿勢変化を規制でき、球受部467が保持している1球目の遊技球が脱落することを抑制できる。その結果、1球目の遊技球を球受部467が保持した状態を維持しつつ、2球目以降の遊技球T2のみを遊技領域から排出しやすくできる。
一方、球受部467の軌道領域に2球目以降の遊技球T2が送球されていない場合には、立設壁471aと球受部467との間に遊技球が介在されていないので、脚部467aが凹部に481b1に係合されることで、球受部467の姿勢を変化させることができる。その結果、球受部467の姿勢の変化を利用して1球目の遊技球T1(即ち、球受部467に保持されている遊技球)を球受部467から排出しやすくできる。
次いで、図36から図38を参照して、振分けユニット500について詳細な説明をする。図36(a)は、振分けユニット500の上面図であり、図36(b)は、振分けユニット500の背面図である。図37は、振分けユニット500の分解正面斜視図であり、図38は、振分けユニット500の分解背面斜視図である。
図36から図38に示すように、振分けユニット500は、正面視略矩形の板状体に形成されるベース板520と、そのベース板520の正面側に取着されベース板520との対向間に球が流下可能な複数の流下経路を形成する経路形成部材510と、ベース板520の背面側に回転可能に取着される振分け部材540と、ベース板520の端面に取着されベース板520と経路形成部材510との対向間に形成される球の流下経路を延長する延長経路部材530とを主に備えて形成される。
ベース板520は、背面側に突出する円柱状の軸部523と、その軸部523の軸を中心とする円弧形状に貫通形成される第1開口521と、その第1開口521よりも半径の大きい円弧形状に貫通形成される第2開口522と、上端の側面に上端側が開放する断面U字状形成されると共に左右方向に延設される転動部525と、背面側に鉤状に突出する係止部524とを主に備えて形成される。
軸部523は、後述する振分け部材540の軸孔545に挿入されて、振分け部材540を回転可能な状態でベース部材に取着する軸であり、軸孔545の内径よりも小さい外径に形成される。
第1開口521及び第2開口522は、後述する振分け部材540の規制板541及び貯留板542が挿通される開口であり、規制板541及び貯留板542の板の厚みよりも大きい幅の開口に形成される。また、振分け部材540は、回転可能な状態でベース板520に取着されるので、第1開口521及び第2開口522は、規制板541及び貯留板542の正面視における周方向の寸法よりも円弧の長さが大きく形成される。
係止部524は、振分け部材540に形成される係止部544とで付勢ばねSP4を係止する係合部であり、付勢ばねSP4の一端が係止される。
転動部525は、球が転動する底面であり、背面視左側(図36(b)左側)の一端に向かって下側に傾斜して形成されると共にU字に形成される湾曲形状が球の外形よりも大きく形成される。よって、転動部525を転動する球が転動部で停止することを抑制して、一端側に球を転動させることができる。
また転動部525は、前後の側面からU字の内側に向かって突出する複数の突起525bと、一端側の端部に背面側に開口する開口525aとを備える。
突起525bは、前後の側面に一定の間隔を隔てて形成されると共に、前方側に形成される突起525bと背面側に形成される突起525bとが正面視において互い違いとなる位置に形成される。よって、転動部525を転動する球を、突起525bに衝突させることができるので、転動部525を転動する球の転動速度を遅くすることができる。
ここで、上述したように、下変位ユニット400の球受部467への球の送球は、球受部467を第1位置へ配置した状態で行われる(図31(a)及び図31(b)参照)。そのため、第3送球経路KR3の転動部525を転動する遊技球の送球速度が速くされると、球受部467を第2位置へ移動する前に遊技球が下変位部材440の内部に送球される恐れがある。
これに対し、本実施形態では、第3送球経路KR3の転動部525の内面に突設される複数の突起525bが形成され、第3送球経路KR3の転動部525を通過する遊技球に抵抗を付与することができるので、第3送球経路KR3を通過する遊技球の速度を遅くすることができる。よって、その分、切り替え位置(第1位置)から受け取り位置(第2位置)まで球受部467が変位する際に、必要とされる時間を長くできるので、球受部467に遊技球を確実に受け取らせることができる。また、球受部467に必要とされる変位速度を遅くできる分、駆動モータKM2の変位速度の出力を小さくして、製品コストの削減を図ることができる。
開口525aは、転動部525の一端の背面側に開放して形成されており、その背面視における外形は球の大きさよりも大きく形成される。よって、転動部525を一端側に転動する球は、開口525aから排出される。
経路形成部材510は、ベース板520よりも左右方向の横幅が小さい矩形縦長の板状に形成されると共に、背面側に遊技球の外径よりも大きい複数の壁が形成され、その複数の壁の対向間を球の外径よりも大きく形成することで、その内部に複数の球の流下経路が形成される。
経路形成部材510は、上端面に開口する第1開口511と、第1開口511の側壁の対向間に形成される第1送球経路KR1と、第1送球経路KR1に連結される第2送球経路KR2及び第3送球経路KR3と、第2送球経路KR2及び第3送球経路KR3の端部において経路形成部材510の側面に開口する第2開口512及び第3開口513と、前後方向に貫通形成される複数の開口514,515,516と、開口514,515,516の背面側の壁で形成される第4送球経路KR4と、その第4送球経路KR4の端部において経路形成部材510の側面に開口する第4開口517とを主に備えて形成される。
第1開口511は、後述する送球ユニット600から送球される球を振分けユニットの内部に流入させるための開口であり、経路形成部材510の上端の側面に形成されると共に、その外形が球よりも大きく形成される。また、第1開口511は、送球ユニット600と連結されており送球ユニット600から送球される球を流入可能とされる。
第1送球経路KR1は、第1開口511から流入した球をベース板520及び経路形成部材510との対向間を流下させる経路であり、下方向に延設して形成される。また、第4送球経路KR4は、経路形成部材510の上下方向略3分の1程度に延設して形成されており下流の端部が、第2送球経路KR2及び第3送球経路KR3に連結される。即ち、第1送球経路KR1を流下する球が、第2送球経路KR2又は第3送球経路KR3に流下可能に形成される。
第2送球経路KR2は、上述したように、第1送球経路KR1に連結されて形成される経路であり、下流側の端部が第2開口512に連結される。即ち、第1開口511から流下して第1送球経路KR1を流下する球が第2送球経路KR2へ流下すると、第2開口512から振分けユニット500の外方へ排出される。
第2開口512は、球を回収する回収経路(図示せず)に連結される。よって、第2開口から排出される球は、回収経路により回収される。また、第2開口512の内側(第2送球経路KR2の下流端)には、遊技球の通過を検出するセンサ装置SE2が配置される。よって、第3入賞口82を通過する遊技球の球数をセンサ装置SE1で検出すると共に、第2送球経路KR2を通過する遊技球の球数をセンサ装置SE2で検出することで、第3送球経路KR3を通過する遊技球の個数を検知することができる。
即ち、後述する規制板541の上流に所定の球数(1球)の遊技球が貯留されたか否かをセンサ装置SE1及びセンサ装置SE1の差で検知することができる。例えば、第3電動役物82aの一回の開放時に、第3入賞口82(センサ装置SE1)を通過する球数が8個であり、第2送球経路KR2(センサ装置SE2)を通過する球数が7個の場合は、第3送球経路KR3に1球分の遊技球を流下(貯留)した状態であることを検出できる。
第3送球経路KR3は、上述したように、第1送球経路KR1に連結されて形成される経路であり、下流側の端部が第3開口513に連結される。即ち、第1開口511から流下して第1送球経路KR1を流下する球が第3送球経路KR3へ流下すると、第3開口513から排出される。
第3開口513は、ベース板520の転動部525の他端側(開口525aの反対の端部側)の上方に形成される。よって、第3開口513から排出される球は、転動部525の内側に送球される。即ち、第3送球経路KR3に送球される球は、第3開口513を介して転動部525に送球される。
開口514から516は、それぞれ遊技盤13に形成される第3入賞口82の背面側に形成されており、第3入賞口82に入賞した球が送球される。即ち、遊技盤13の正面側の遊技領域を流下する球が第3入賞口82に入賞すると、球は開口514から516に振分けユニット500の内部に送球される。
第4送球経路KR4は、開口514から516に連結して形成されており、下流側で1つの経路に連結されて、経路形成部材510の下端面に形成される第4開口に連結される。第4開口は、球を回収する回収経路(図示せず)に連結される。よって、遊技盤13の第3入賞口82に入賞した球は、振分けユニット500の第4送球経路KR4に送球された後に、第4開口517から排出されて回収される。
延長経路部材530は、下側が開放する断面U字に形成されると共に、左右方向に延設される。また、延長経路部材530は、そのU字の内径が球の外径よりも大きく形成される。よって、ベース板520の転動部525の上部に配設されることで、転動部525の上部に送球される球を、転動部525及び延長経路部材530の内側を送球可能にできると共に、転動部を転動する球が、転動部525から落下することを抑制できる。
さらに、延長経路部材530は、転動部525に形成される突起525bと左右方向同じ位置に一定の間隔で形成される突起531が形成される。これにより、突起525bと同様に転動部525を転動する球の転動速度を遅くすることができる。
振分け部材540は、一方が長く形成される正面視矩形に形成され、前後方向に所定の厚みを備えて形成される。振分け部材540は、正面側に板状体で突出する規制板541及び貯留板542と、上方の一端側に貫通形成される軸孔545と、背面側に鉤状に形成される係止部544とを主に備えて形成される。
軸孔545は、上述したように、ベース板520の軸部523が挿入される貫通孔であり、前後方向に貫通して形成される。振分け部材540は、ベース板520の軸部523を軸孔545に挿通すると共に、背面側から軸孔よりも頭部の大きいネジ等を軸部523に締結することにより、ベース板520に回転可能な状態で取着される。
規制板541は、第1開口521を介して第1送球経路KR1と第2送球経路KR2との連結部分に配置されて第1送球経路KR1を流下する球が第2送球経路KR2へ流入することを規制する板部材であり、軸孔545の正面側の端面よりも正面側に突出して形成されると共に、ベース板520から正面側への突出距離が球の半径よりも大きく設定される。
また、規制板541は、軸孔545の軸を中心とする円弧状に湾曲して形成される。これにより、振分け部材540が軸孔545の軸を中心に回転変位された際に、規制板541の変位領域を最小にすることができる。
貯留板542は、第2開口522を介して第2送球経路KR2上に配置され、第2送球経路KR2を流下する球を貯留板542の上流側に貯留する板部材であり、軸孔545の正面側の端面よりも正面側に突出して形成されると共に、ベース板520から正面側への突出距離が、球の半径よりも大きく設定される。
また、貯留板542は、軸孔545の軸を中心とする円弧状に湾曲して形成されると共に、その円弧の半径が規制板541の湾曲部分の半径よりも大きく形成される。よって、貯留板542は、軸孔545から規制板541よりも離間した位置に形成される。これにより、規制板541を第1送球経路KR1と第2送球経路KR2との連結部分に突出させることができると共に、貯留板542を第2送球経路KR2上に配置することができる。さらに、振分け部材540が軸孔545の軸を中心に回転変位された際の変位領域を最小にすることができる。
突起部543は、上述した下変位部材440の当接板464cに衝突されることで、振分け部材540に回転の駆動力を作用させる駆動伝達部材であり、振分け部材540の他端側に突出して形成される。即ち、振分け部材540の回転軸となる軸孔545が形成される一端側と反対側に、駆動力が伝達される突起部543が形成される。これにより、下変位部材440の当接板464cの衝突する力を小さくすることができる。
従って、当接板464cを変位させる駆動モータKM3の駆動力を小さくすることができるので、駆動モータKM3の消費エネルギーを小さくすることができる。また、駆動の際に、当接板464cが突起部543と衝突する際のエネルギーを小さくできるので、当接板464cと突起部543とが衝突した際に衝突音を小さくすることができる。なお、当接板464cと突起部543との衝突の際の詳しい態様については後述する。
さらに、突起部543の突出先端の当接板464cとの当接箇所は、円形状に膨出する膨出部543aが形成される。膨出部543aに当接板464cを当接させることで、当接板と振分け部材540との接地面積を小さくすることができる。従って、振分け部材540を回転変位させる際に、突起部543(膨出部543a)と当接板464cと摩擦抵抗を小さくすることができる。その結果、駆動モータKM3の消費エネルギーが大きくなることを抑制できる。
係止部544は、上述したようにベース板520の係止部524との間で付勢ばねSP4を係止する部分である。よって、振分け部材540の他端側が常に係止部524側に回転する力を付与することができるので、振分け部材540がパチンコ機10の振動等でゆれ動くことを抑制できる。
次いで、図39を参照して、振分けユニット500の球の流下経路について詳しく説明する。図39は、図36(a)のXXXIX−XXXIX線における振分けユニット500の断面図である。なお、図39では、振分け部材540が、鎖線で図示される。また、図39では、振分け部材540が貯留位置に配置された状態が図示される。
ここで、振分け部材540が貯留位置に配置された状態とは、振分け部材540が付勢ばねSP4の付勢力により回転され、第2送球経路KR2上に貯留板542を配置した状態のことである。
図39に示すように、第1送球経路KR1は、その流下経路の下端側が、ベース板520の左右方向(図39左右方向)の中央部分に向かって傾倒されると共に、その傾倒部分が緩やかなS字状に湾曲して形成される。また、S字状に湾曲した先端部分が第3送球経路KR3に連結され、第2送球経路KR2が、第1送球経路KR1の端部に第1送球経路KR1の傾倒する方向と反対方向に傾倒した状態で連結される。
これにより、第1送球経路KR1を流下する球を傾倒部分の下面に衝突させることで、球の流下方向を重力方向から第1送球経路KR1の傾倒する方向に向けることができる。よって、球を第3送球経路KR3の入り口(第1送球経路KR1と第3送球経路KR3との連結部分)に向かって流下させることができる。従って、振分け部材540が配置されていない状態では、第1送球経路KR1を流下する球を第3送球経路KR3に送球することができる。
ここで、遊技球が流下する流下経路と、その流下経路から分岐される第1分岐通路および第2分岐通路と、流下通路を流下した遊技球を第1分岐通路または第2分岐通路の一方へ振り分ける遊技機が知られている。
しかしながら、従来の遊技機では、流下通路を流下した遊技球を第1分岐通路と第2分岐通路とへ1球ずつ交互に振り分ける構造であるため、流下通路を流下する遊技球が、第1分岐通路と第2分岐通路とに均等に(即ち、半数ずつ)振分けられる。即ち、第1分岐通路へ振り分ける遊技球の数を変更できないという問題点があった。
これに対し、本実施形態では、変位可能に形成されると共に第3送球経路KR3から遊技球を受け取る球受部467を備え、球受部467に連動する当接板464cが振分け部材540に当接して変位されることで、振分け部材540が変位されるので、球受部467の変位に応じて、第3送球経路KR3または第2送球経路へ振り分ける遊技球の数を変更できる。即ち、第3送球経路KR3へ振り分ける遊技球の数を変更できる。
なお、振分け部材540の変位は、球受部467の変位を利用して、振分け部材540を変位させることができるので、かかる振分け部材540を変位させるための駆動手段や伝達機構を別途設けることを不要とできる。よって、その分、部品点数を削減して、製品コストの削減を図ることができる。
また、例えば、センサ装置による位置検出や駆動手段による駆動を利用して振分け部材540の変位を制御する構造では、検出不良や制御不良による誤作動によって、振分け部材の振分け動作の信頼性の低下を招くところ、本実施形態によれば、振分け部材540による振分け先を、球受部467の変位に機械的に同期させて切り換えることができるので、振分け動作の信頼性の向上を図ることができる。
特に、球受部467は、第3送球経路KR3の転動部525から遊技球を受けとる部材であるので、かかる球受部467の変位に同期させて振分け部材540の振分け先を第3送球経路に切り替えることで、第3送球経路KR3に振分けられた遊技球を変位部材に確実に受け取らせることができる。
さらに、従来の遊技機では、流下経路を流下する遊技球が、第1分岐通路または第2分岐通路の一方へ振り分けられるのみであるため、遊技者に興趣を与えることが不十分であった。
これに対し、本実施形態によれば、規制板541(振分手段)による振り分け先が第3送球経路KR3(第1分岐通路)とされた状態では、第3における遊技球の流下を規制し、振分け部材540による振り分け先が、第2送球経路KR2(第2分岐通路)とされた状態では第3送球経路KR3における遊技球の流下を許容する貯留板542(流下状態変更手段)を備えるので、遊技者に興趣を与えることができる。
即ち、規制板541による振り分け先が第3送球経路とされると、第3送球経路KR3へ振り分けられた遊技球の流下を規制して第3送球経路KR3に遊技球を貯留すると共に、規制板541による振り分け先が第2送球経路KR2とされると、第3送球経路KR3における遊技球の流下を許容し、第3送球経路KR3に貯留されていた遊技球を流下させる(開放する)ことができる。これにより、第1送球経路KR1(流下経路)を流下する遊技球を第3送球経路KR3又は、第2送球経路KR2の一方へ振り分ける動作に加え、第3送球経路KR3に振り分けられた遊技球を流下させる(開放する)動作を形成できる。更に、これら貯留および開放の動作を、振分け動作に連動して、交互に形成できる。その結果、遊技者に興趣を与えることができる。
また、規制板541(振分手段)と貯留板542(流下状態変更手段)とが一体に形成される振分け部材540(一体部材)を備えるので、それら規制板541と貯留板542とを動作させる構造の簡素化と動作の信頼性の向上とを図ることができる、即ち、規制板541と貯留板542とが別体に形成される場合には、2部品となるため、それら2部品を動作させる構造が複雑化すると共に動作の信頼性の低下を招く。
これに対し、本実施形態によれば、規制板541と貯留板542とを一部品として形成できるので、その分、構造を簡素化でき、製品コストの削減と動作の信頼性の向上とを図ることができる。
さらに、振分け部材540は、貯留位置(第1状態位置)と規制位置(第2状態位置)とに変位可能に形成され、振分け部材540が貯留位置に変位された状態では、規制板541が第3送球経路KR3(第1分岐通路)を振分け先とする位置に配置され且つ貯留板542が第3送球経路KR3における遊技球の流下を規制する位置に配置され、振分け部材540が規制位置に変位された状態では、規制板541が第2送球経路KR2を振分け先とする位置に配置され且つ貯留板542が第3送球径路における遊技球の流下を許容する位置に配置されるので、振分け部材540を2位置(貯留位置および規制位置)で変位させることで、第1送球経路KR1(流下通路)を流下する遊技球を第3送球経路KR3又は第2送球経路の一方へ振り分ける動作に加え、第3送球経路KR3に振り分けられた遊技球の流下を一端停止させる(貯留する)動作と、その停止された(貯留された)遊技球を流下させる(開放する)動作とを形成できると共に、これら貯留および開放の動作を、振り分け動作に連動して、交互に形成できる。即ち、構造を簡素化して、製品コストの削減と動作の信頼性の向上とを図ることができる。
振分け部材540(一体部材)は、回転可能に形成され、貯留板542(流下状態変更手段)は、第3送球経路KR3(第1分岐通路)に対して出没可能に形成され、第3送球経路KR3へ突出することで遊技球の流下を規制すると共に、振分け部材540の回転軸を中心とする円弧状に湾曲した形状に形成されるので、規制板541の出没の為に第3送球経路KR3の内壁に開口される孔(凹部519)の面積を小さくすることができる。
貯留板542(流下状態変更手段)は、第3送球経路KR3(第1分岐通路)の上流を臨む側が凹となる姿勢で配設されるので、第3送球経路KR3への貯留板542が突出し始めた初期の状態(即ち、通路内へ流下状態変更手段の先端側のみが突出されている状態)において、貯留板542の先端側の形状を遊技球の流下を規制しやすい向きで配置でき、第3送球経路KR3に振り分けられた遊技球の流下を規制しやすくできる。
また、貯留板542が、第3送球経路へ最大に突出され遊技球の流下を規制する状態では、貯留板542の凹により遊技球を安定して保持できるので、遊技球の暴れを抑制できる。
振分けユニット500は、振分け部材540(一体部材)に付勢力を付与して、規制板541が第3送球経路(第1分岐通路)へ突出する方向へ付勢する付勢ばねSP4(付勢手段)を備え、規制板541から振分け部材540の回転軸までの距離が、規制板541から振分け部材540の回転軸までの距離よりも大きくされるので、付勢ばねSP4の付勢力を利用して、振分け部材540を貯留板542が第3応急経路へ突出する姿勢(即ち、貯留位置)に維持しやすくできる。
この場合、貯留板542から振分け部材540の回転軸までの距離が、規制板541から振分け部材540の回転軸までの距離よりも大きくされるので、流下する遊技球が衝突されると、回転軸からの距離が大きい分、同じ衝撃力が作用した場合でも、貯留板542が没入しやすいところ、付勢ばねSP4の付勢方向が、貯留板542が第3送球経路KR3へ突出する方向とされることで、その付勢力の分、貯留板542が凹部519へ没入されることを抑制できる。
また、振分け部材540(一体部材)は、その自重により貯留板542(流下状態変更手段)が第3送球経路(第1分岐通路)へ突出する方向へ回転されるので、かかる自重を利用して振分け部材540を、貯留板542が第3送球経路KR3へ突出する姿勢(即ち、貯留位置)に維持しやすくできる。よって、遊技球が衝突した場合には、その自重の分、貯留板542が凹部519へ没入されることを抑制できる。
また、付勢ばねSP4(付勢手段)が脱落した場合でも、振分け部材540を、その自重により、規制板541が第3送球経路KR3へ突出した姿勢に維持して、第3送球経路へ遊技球が流下することを抑制できる。
さらに、振分け部材540に付勢力を付与して、振分け部材540による振分け先を第3送球経路KR3又は第2送球経路KR2の一方に維持させる付勢ばねSP4を備え、球受部467が振分け部材540を付勢ばねSP4の方向に抗する方向へ変位させることで、振分け部材540による振分け先が第3送球経路KR3または第2送球経路KR2の他方に切替えられると共に、付勢ばねの付勢力によって、振分け部材540による振分け先が第3送球経路KR3または第2送球経路KR2の一方に復帰される。
従って、振分け部材540による振り分け先が不用意に切り換えられることを抑制できる。この場合、球受部467の変位に伴って振分け部材540が変位され、その振り分け先が切り替えられた後、切り替え前の振り分け先への復帰は、付勢ばねSP4の付勢力により行うことができるので、球受部467に連動する当接板464cが振分け部材540と当接されていることを不要とできる。即ち、球受部467に連動する当接板464cを振分け部材540から離間させることができる。よって、球受部467の可動範囲の設計の自由度を高めることができる。
次いで、図40を参照して、振分け部材540の変位について説明する。図40(a)及び(b)は、図39の範囲XLにおける振分けユニット500の部分拡大図である。なお、図40(a)は、振分け部材540が貯留位置に位置する状態が、図40(b)は、振分け部材540が規制位置に位置する状態がそれぞれ図示される。また、振分け部材540が規制位置に配置された状態とは、振分け部材540の突起部543に下変位部材440の当接板464cが衝突して、振分け部材540が軸孔545の軸を中心に回転されて、第1送球経路KR1と第3送球経路KR3との連結部分に規制板541を配置した状態のことである。
図40(a)に示すように、振分け部材540が貯留位置に配置された状態では、貯留板542が第3送球経路KR3上に配置されると共に、規制板541が経路形成部材510の背面側の壁に形成される凹部518の内側に配置される。
この場合、貯留板542の第3送球経路KR3の内側に突出した先端の端部とその先端と対向する第3送球経路KR3の内壁との距離寸法L1は、球の直径よりも小さくされる。よって、第3送球経路KR3の上流(第1送球経路KR1)から送球される球は、貯留板542の上流側に停止される。
また、貯留板542の湾曲した部分の内側から第1送球経路KR1と第1送球経路KR1との連結部分までの距離寸法L2は、球の半径よりも大きく設定されると共に、球の直径よりも小さく設定される。これにより、貯留板542の上流側に停止される球の数を1球とすることができる。なお、以下では、貯留板542の上流側に球を1球停止させた振分けユニット500の状態を貯留状態と称す。
一方、図40(b)に示すように、振分け部材540が、規制位置に配置された状態では、規制板541が第1送球経路KR1と第3送球経路KR3との連結部分に配置されると共に、貯留板542が、経路形成部材510の背面側の壁部に形成される凹部519の内側に配置される。
この場合、規制板541の第1送球経路KR1内側に突出した先端の端部と第3送球経路KR3の入り口の内壁までの距離寸法L3は、球の直径よりも小さくされる。よって、第1送球経路KR1を流下する球は、規制板541に衝突して、第2送球経路KR2に送球される。
即ち、振分け部材540を規制位置と貯留位置とで切り換えることで、第1送球経路KR1を送球される球を第3送球経路KR3に送球して、第3送球経路KR3上に停止させる状態と、第1送球経路KR1を流下する球を第3送球経路KR3に流入不能として、第2送球経路KR2に送球される状態とを形成することができる。
よって、1つの振分け部材540を変位させることで、1の流下する経路から2の流下する経路に分かれる場合に、球の流下経路をどちらかに確実に切り替えることができる。
また、付勢ばねSP4は、振分け部材540に付勢力を付与して、振分け部材540による振り分け先を第2送球経路KR2に維持させるので、球受部467が遊技球を受け取り不能な状態において、振分け部材540による振り分け先が第3送球経路に切り替えられることを抑制できる。
さらに、規制板541(振分手段)は、第1送球経路KR1(流下通路)または第3送球経路KR3(第1分岐通路)に対して出没可能に形成されると共に、その出没位置が、第1送球経路KR1の下流端における流下方向の延長線上における内壁とされるので、第1送球経路KR1の下端側から流下する遊技球に近い位置で、規制板541を突出させることができる。よって、規制板541を流下通路または第3送球経路KR3(第1分岐通路)へ突出させ始めてから遊技球を振り分けできる状態となるまでに要する時間を短くすることができる。その結果、規制板541による振り分け先の切り替えを確実に行うことができる。
また、規制板541(振分手段)は、第3送球経路KR3(第1分岐通路)に突出されることで、第1送球経路KR1(流下通路)を流下する遊技球を第2送球経路(第2分岐通路)へ振り分けるものであり、規制板541の突出方向が、第2送球経路KR2の上流端を指向する方向に設定されるので、第1送球経路KR1を流下する遊技球が突出動作の途中の規制板に当接した場合には、かかる遊技球を規制板の突出動作に伴って、第2送球経路KRへ押し込むことができる。その結果、第2送球経路KR2への振り分けをより確実に行うことができる。
なお、本実施形態では、振分け部材540の規制板541が、貯留板542よりも軸孔545と近接した位置に配置されるが、規制板541が規制板541よりも軸孔545と離間した位置に配置されてもよい。即ち、振分け部材540の軸孔545を図40(a)及び図40(b)に示す第3送球経路KR3の下流側の背面のポイントPの位置に振分け部材540の軸を配置してもよい。この場合、振分け部材540に形成される規制板541及び貯留板542の配置位置は、本実施形態と同一の位置に形成される。
軸孔545をポイントPに配置した状態では、振分け部材540を回転変位させた際の規制板541の変位速度を貯留板542よりも早くできる。そのため、後述するように振分け部材540を貯留位置から規制位置に変位させた際には、規制板541を早く流下経路上に突出させることができる。その結果、規制位置から貯留位置に振分け部材540を切り替えたタイミングで、第1送球経路KR1を流下する遊技球が第3送球経路KR3に流入することを抑制することができる。
また、この場合、規制板541及び貯留板542の正面視における形状は、ポイントPを中心とする円弧状に形成される。これにより、振分け部材540が規制位置から貯留位置(又は反対)に変位される際に規制板541及び貯留板542の変位領域を最小とすることができる。さらに、規制板541及び貯留板542を第3送球経路KR3の外側に受け入れる凹部518,519は、規制板541及び規制板541の変位軌跡に沿った凹設形状とされる。
次いで、図41及び図42を参照して、振分け部材540が貯留位置に配置される際に、送球経路から2球以上の球が送球された場合の説明をする。図41(a)及び(b)は、振分けユニット500の部分拡大図である。図42(a)及び(b)は、振分けユニット500の部分拡大図である。
なお、図44(a)及び(b)は、図40(a)の振分けユニット500の部分拡大図と対応する。また、図41(a)から図42(b)までは、球が流入された際の球の遷移状態が順に図示される。さらに、図41(a)から図42(b)は、振分け部材540が貯留位置に配置された状態とされる。
図41(a)及び(b)に示すように、振分け部材540が貯留位置に配置された状態で、1球目の遊技球T1が第1送球経路KR1に送球されると、上述したように、遊技球T1は、第3送球経路KR3に送球されて、貯留板542の上方に停止される。
この場合、貯留板542は、第3送球経路KR3の上端から球の半径から直径の間の距離下流側に配置された位置とされるので、貯留板542の上部に停止された球の一部が、第1送球経路KR1側に突出された状態とされる(図41参照)。
よって、第3送球経路KR3(第1分岐通路)は、上述したように、下流へ向けて下降傾斜して形成されると共に、その重力方向側の内壁を遊技球が転動可能に形成され、貯留板542(流下状態変更手段)は、重力方向下側の内壁から第3送球経路KR3内へ出没可能に形成されるので、貯留板542を第3送球経路KR3内へ突出させ始めてから遊技球の流下を規制できる状態となるまでに要する時間を短くすることができる。その結果、規制板541の振り分け先が第2送球経路KR2(第2分岐通路)から第3送球経路KR3に切り替えられ、第3送球経路KR3に遊技球が振分けられた際に、その遊技球の流下の規制に貯留板542の突出を間に合わせ易くできる。
また、規制板541は、第3送球経路KR3に対して出没可能に形成され、第3送球経路KR3に最大に突出した状態では、突出する方向の力成分が遊技球から貯留板542へ作用されるので、第3送球経路KR3へ振り分けられた遊技球の流下を規制する際に、その遊技球が衝突した際の衝撃で貯留板542が凹部519に没入することを抑制できる。よって、遊技球の流下を規制しやすくできる。
次に、図42(a)及び(b)に示すように、振分けユニット500が貯留状態の場合に第1送球経路KR1に2球目の遊技球T2が送球されると、遊技球T2は、第1送球経路KR1から第3送球経路KR3の上端に方向に送球される。第3送球経路KR3の上端部には遊技球T1が停止された状態とされるので、遊技球T2は、遊技球T1に衝突して第2送球経路KR2に送球される。
この場合、上述したように、遊技球T1は、第1送球経路KR1側に突出した状態とされるので、遊技球T2を第3送球経路KR3の内側に送球することなく第2送球経路KR2に案内することができるので、遊技球T2を第3送球経路KR3の内部に留まることなく第2送球経路KR2に送球することができる。よって、第1送球経路KR1及び第2送球経路KR2の送球を安定させることができる。
即ち、第1送球経路KR1(流下通路)における第2送球経路KR2(第2分岐通路)を望む側の内壁は、第1送球経路KR1を流下する遊技球を、第3送球経路KR3(第1分岐通路)に貯留された規定数(1球)の遊技球のうちの末尾の遊技球を第3送球経路KR3の側面へ案内可能に形成されるので、第1送球経路KR1を流下する遊技球を、規定数の遊技球のうちの末尾の遊技球に衝突させた後、第2送球経路KR2へ流下させやすくできる。
なお、規定数の遊技球のうち、末尾の遊技球とは、上流側(規制板541と反対側)に位置する遊技球を意味する。また、本実施形態では、規定数は1球に設定される。この場合、末尾の遊技球は、第3送球経路KR3に貯留されている遊技球そのものを意味する。
また、上述したように、第1送球経路KR1(流下通路)は、その流下経路の下端側が、ベース板520の左右方向(図39左右方向)の中央部分に向かって傾倒されると共に、その傾倒部分が緩やかなS字状に湾曲して形成される。即ち、第1送球経路KR1(流下通路)の下流端の流下方向は、第3送球経路KR3の上流端の流下方向に形成されるので、第1送球経路KR1を流下する遊技球が、第3送球経路に貯留された規定数の遊技球のうちの末尾の遊技球に衝突した際に、末尾の遊技球に作用される反発力の方向を第3送球経路KR3の上流端の流下方向と異ならせることができる。その結果、衝突の際の反発力で、末尾の遊技球が第3送球経路KR3の上流端から飛び出して、第2送球経路KR2へ流入されることを抑制できる。
さらに、第3送球経路KR3の上端部は、第1送球経路KR1の下端部の傾斜方向に傾斜して形成されるので、遊技球T2が遊技球T1と衝突する位置を遊技球T1の上半球にすると共に、第2送球経路KR2側とすることができる。よって、遊技球T1に衝突した遊技球T2の跳ね返り方向を第2送球経路KR2の入り口(上端)側とすることができる。従って、遊技球T1に衝突する遊技球T2を第2送球経路KR2に送球しやすくできる。その結果、第1送球経路KR1及び第2送球経路KR2に球が停滞することを抑制できる。
また、規制板541による振り分け先が、第3送球経路KR3(第1分岐通路)とされると共に第3送球経路KR3における遊技球の流下が貯留板542(流下状態変更手段)により規制され、第3送球経路KR3に規定数(1球)の遊技球が貯留された状態では、第1送球経路KR1(流下通路)を流下する遊技球が第2送球経路KR2(第2分岐通路)へ流下可能に形成されるので、規定数以上の遊技球が流下通路を流下する場合に、規定数を超える分の遊技球(2球目以降の遊技球T2)が第1送球経路KR1に滞ることを抑制できる。よって、規制板541の変位(振り分け先を第2送球経路KR2とする動作)が、第1送球経路KR1に滞った遊技球によって阻害されることを抑制できる。
次いで、図43を参照して、振分け部材540が規制位置に配置される際に、送球経路に球が送球された場合の説明をする。図43(a)及び(b)は、振分けユニット500の部分拡大図である。
なお、図43(a)及び(b)は、図40(a)の振分けユニット500の部分拡大図と対応する。また、図43(a)及び(b)は、球が流入された際の球の遷移状態がそれぞれ図示される。さらに、図43(a)及び(b)は、振分け部材540が規制位置に配置された状態とされる。
図43(a)及び(b)に示すように、振分け部材540が規制位置に配置された状態で第1送球経路KR1に球が送球されると、送球された遊技球T1は、第1送球経路KR1の下端で規制板541に衝突する。これにより、遊技球T1は、第2送球経路KR2に案内されて、第2送球経路KR2を流下する。
次いで、図44を参照して、第3送球経路KR3の下流側に球を流下させる際の動作について説明する。図44(a)及び(b)は、振分けユニット500の部分拡大図である。
なお、図44(a)及び(b)は、図40(a)の振分けユニット500の部分拡大図と対応する。また、図44(a)及び(b)は、球が流入された際の球の遷移状態がそれぞれ図示される。さらに、図44(a)は振分け部材540が貯留位置に配置された状態が、図44(b)は振分け部材540が規制位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図44(a)及び(b)に示すように、振分けユニット500が貯留状態(図44(a)に示す状態)とされた際に、振分け部材540が変位されて規制位置に配置されると、貯留板542の上方に停滞された遊技球T1が第3送球経路KR3の下流側に流下される。
即ち、第3送球経路KR3への球の流下は、貯留板542の上方に停滞された球のみとされる。また、上述したように貯留板542の上方に停滞する球は、1とされるので第3送球経路KR3への球の流下を1球ずつ行うことができる。よって、第3送球経路KR3の下流側に流下される球の数を安定させることができるので、第3送球経路KR3に意図しない球数の球が流下されることを抑制できる。
よって、振分け部材540(振分手段)は、その振分け部材540の変位に伴って第3送球経路(第1分岐通路)に対して出没可能に形成される規制板541(第1出没部)及び貯留板(第2出没部)を備え、規制板541は、第3送球経路へ突出することで、第1送球経路KR1(流下通路)を流下する遊技球を第2送球経路KR2(第2分岐通路)へ振り分け可能に形成され、貯留板542は、規制板541よりも第3送球経路KR3の下流側に位置すると共に、第3送球経路KR3に突出することで、第3送球経路KR3に振り分けられた遊技球の流下を規制可能に形成され、それら規制板541及び貯留板542は、一方が第3送球経路KR3の通路内へ突出した状態では他方が第3送球経路KR3の通路外(凹部518,519の内側)に退避されるので、球受部467(変位部材)の変位に伴って振分け部材540を変位させることで、規定数(1球)の遊技球のみを第3送球経路KR3へ振り分けて球受部467に受け取らせることができる。
即ち、規制板541が突出することで、第1送球経路KR1を流下する遊技球を第2送球経路へ振り分ける第1の状態と、規制板541は退避することで、第1送球経路KR1を流下する遊技球を第3送球経路へ振り分ける第2の状態と、第2出没部が突出することで、第3送球経路KR3へ振り分けられた遊技球の流下を規制(遊技球を貯留)する第3の状態と、第2出没部が退避することで、第3送球経路に貯留されていた遊技球を流下させて球受部へ受け取らせる第4の状態とを形成することができ、これら各状態を組み合わせることで、規定数(1球)の遊技球のみを第3送球経路KR3へ振り分けて球受部467に受け取らせることができる。
また、振分け部材540が、規制板541及び542を備える、即ち、1の部品として形成されるので、振分け部材540の構造(規制板541及び貯留板542を動作させ、それらの機能を発揮させるための構造)を簡略かできる。更に、規制板541及び貯留板542は、一方が第3送球経路KR3の通路内へ突出した状態では、他方が第3送球経路KR3の通路外へ退避されるので、球受部467の2つの位置(第1位置および第2位置)に応じて、振分け部材540も2つの位置に変位可能に形成されれば足りる。即ち、振分け部材540を2つの位置で変位させることで、上述した第1から第4の状態を形成できる。よって、振分け部材540の構造および球受部467の変位に伴い振分け部材540を変位させる構造を簡素化でき、その分、遊技球の振り分け動作の信頼性の向上を図ることができる。
次いで、図45から図46を参照して、振分けユニット500及び下変位ユニット400について説明する。図45は、振分けユニット500及び下変位ユニット400の正面図である。図46は、振分けユニット500及び下変位ユニット400の上面図である。なお、下変位ユニット400は、退避位置に配置された状態が図示される。
図45及び図46に示すように、振分けユニット500は、下変位ユニット400の正面側(図46下側)に配置される。この場合、振分けユニット500の転動部525に形成される開口525aと、下変位部材440の装飾部材450に形成される開口451aとが前後方向に重なる位置に配置される。よって、転動部525を転動される球は、開口525a及び開口451aを介して下変位部材440の内部に送球される。
言い変えると、下変位部材440への球の送球は、技盤13の前方の遊技領域を流下する球を遊技盤13に形成される第3入賞口82から送球ユニット600及び振分けユニット500を介して行われる。
よって、振分けユニット500は、球受部467の軌道領域に連通される転動部525を備え、振分け部材540は、転動部525における遊技球の通過を規制するので、例えば、振分け部材540に動作不良が生じ、2球目以降の遊技球T2が送球された場合でも、2球目以降の遊技球T2を、転動部525を介して、振分け部材540の軌道領域へ確実に送球させることができる。その結果、2球目以降の遊技球T2による不具合を生じ難くできる。
次いで、図47から図52を参照して、振分け部材540と下変位部材440との関係について説明する。図47、図49及び図51は、下変位ユニット400の正面図であり、図48、図50及び図52は、振分けユニット500の断面図である。なお、図47、図49及び図51では、変位部材440の装飾部材450及び正面ケース481が透明視されると共に、正面側に配設される振分けユニット500の振分け部材540のみが図示される。また、図48、図50及び図52では、振分け部材540が鎖線で図示されると共に、背面側に配設される下変位部材440の当接板464cが鎖線で図示される。
さらに、図47及び図48では、下変位部材440の球受部467が第1位置に、振分け部材540が規制位置にそれぞれ配置された状態が図示されると共に、下変位部材440が退避状態に位置する状態が図示される。図49及び図50では、下変位部材440の球受部467が第2位置に、振分け部材540が貯留位置にそれぞれ配置された様態が図示されると共に、下変位部材440が退避状態に位置する状態が図示される。図51及び図52では、下変位部材440の球受部467が第1位置に、振分け部材540が貯留位置にそれぞれ配置された状態が図示されると共に、下変位部材440が第1張出状態に位置する状態が図示される。
図47及び図48に示すように、下変位部材440が退避状態に配置された状態および下変位部材440の球受部467が第1位置に配置された状態では、上述したように球受部467を駆動するラック466が下変位部材440の他端側(下変位部材440の正面視左側)に配置されると共に、背面側に可動ラック464が前後方向に重なった状態に配置される。
即ち、可動ラック464は、ラック466と同様に、下変位部材440の他端側(下変位部材440の正面視左側)に配置された状態とされる。よって、可動ラック464に形成される当接板464cは、下変位部材440の他端側に位置される。この場合、当接板464cの他端側の側面(正面視左側の面)が、振分け部材540の突起部543に当接した状態とされる。これにより、振分け部材540は、軸孔545の軸を中心に回転の駆動力が作用されて、規制板541を第1送球経路KR1に突出させた位置(規制位置)に変位される。
従って、下変位部材440が退避状態にされると共に、球受部467が第1位置に配置された状態では、振分けユニット500の第1送球経路KR1に送球される球は、第3送球経路KR3に流下されず、第2送球経路KR2に送球される。また、上述したように、貯留板542の上方に球を貯留した貯留状態から振分け部材540を規制位置へ変位させることで、第3送球経路KR3の下流側(貯留板542の下流側)に遊技球を送球できる。この際に、球受部467を球受動作させることで球受部467の内側に遊技球を送球することができる。
なお、遊技球を振分けユニット500に貯留した状態とするための第3電動役物82aの開放動作は、球受部467が第1位置に変位する前に行われ、球受部467が第1位置に変位される際には、第3電動役物82aが閉鎖した状態とされる。これにより、振分け部材540を貯留位置から規制位置に変位させた際に、第1送球経路KR1を通過する遊技球が規制板541及び貯留板542により流下が規制されず、意図しない遊技球が第3送球経路KR3の下流側に送球されることを抑制できる。
また、振分け部材540は、球受部467の変位に連動して動作可能に形成されるので、球受部467の変位に応じて、球受部467の軌道領域への遊技球の送球を規制または、許容できる。即ち、遊技球の送球の規制または許容を、球受部467の変位に機械的に同期させて切り替えることができるので、例えば、振分け部材540の位置を検出するセンサの検出結果に応じて振分け部材540の検出結果に応じて振分け部材540を駆動する、駆動手段、或いは、それら各手段の制御を不要とでき、その分、製品コストの削減を図ることができると共に、動作の信頼性の向上を図ることができる。
さらに、振分け部材540は、球受部467が第2位置から第1位置方向(第2方向)へ変位されることに連動して、球受部467の軌道領域へ遊技球T2を送球することを許容するので、球受部467の軌道領域であって、球受部467よりも第1方向側の領域に遊技球を確実に送球させることができる。
また、球受部467は、振分け部材540を切り替える切り替え位置とその切り替え位置(第1位置)とは異なる位置に設定される受け取り位置(第2位置)とに、変位可能に形成され、球受部467が切り替え位置に変位された状態では、振分け部材540による振り分け先が第3送球経路KR3に切り替えられ、球受部467が受け取り位置に変位された状態では、第3送球経路から球受部467が遊技球を受け取り可能とされると共に、振分け部材540による振り分け先が第2送球経路KR2に切り替えられるので、球受部467が球を受け取り可能な規定数(本実施形態では1球)を超えた遊技球が第3送球経路KR3に振り分けられることを抑制できる。
即ち、切り替え位置と受け取り位置とを同一の位置に設定した場合には、振分け部材540による振り分け先が第3送球経路へ切り替えられた状態のままで、球受部467が遊技球を受け取るため、球受部467が受け取り可能な規定数を超えて遊技球が第3送球経路KR3へ振り分けられる恐れがある。第3送球経路KR3への遊技球の流入を規制する手段を別途設けた場合には、構造が複雑化して信頼性が低下すると共に、製品コストの増加を招く。
これに対し、実施形態では、球受部467が切り替え位置へ変位され、規定数(本実施形態では1球)の遊技球が第3送球経路KR3へ振り分けられた後に、振分け部材540が受け取り位置へ変位されると、振り分け先が第2送球経路KR2へ切り替えられた状態とされるので、第3送球経路へ1球を超えた遊技球が流下しないようにできる。よって、球受部467が、受け取り可能な規定数(1球)を超えた遊技球が第3送球経路KR3へ振り分けられることを抑制できる。また、上述した手段(第3送球経路KR3への遊技球の流入を規制する手段)を別途設ける必要がないので、信頼性の向上と製品コストの低減とを図ることができる。
また、パチンコ機10は、電源を入れた(オンした)際に、各動作ユニットが電源を切った(オフした)位置から始動する。さらに、パチンコ機10の電源を切った場合にその制御のみがリセットされる可能性がある。その場合、振分け部材540が駆動手段を備えるものであると、電源入れた際に、貯留状態の振分けユニット500が初期動作の際に動作して第3送球経路KR3に遊技球を流下させて、第3位置に配置された球受部467の退避側(第1位置側)に遊技球が送球される恐れがある。
これに対し、本実施形態では、振分け部材540の変位と球受部467の変位とが同期されるので、パチンコ機10が所定の基準位置に位置しない状態で電源が切られたとしても、パチンコ機10の電源を投入した際に意図しない遊技球が球受部467の軌道領域に送球されることを抑制できる。その結果、下変位部材440の内部に遊技球が詰まることを抑制できる。
さらに、下変位部材440の軌道領域に遊技球を残した状態で、電源がオフされた場合には、球受部467に上述した排出動作させることで、球受部467の軌道領域に残された遊技球を下変位部材440の外方に排出して、回収口411fから回収することができる。
次いで、図49及び図50を参照して説明する。図49及び図50に示すように、下変位部材440が退避状態に配置された状態および下変位部材440の球受部467が第2位置または第3位置(第1位置以外の位置)に配置された状態では、上述したように、球受部467を駆動するラック466が下変位部材440の左右方向(図49左右方向)略中央位置に配置されると共に、可動ラック464が下変位部材440の他端側(図49左右方向左側)の端部から、一端側に可動した位置に配置される。
よって、可動ラック464に形成される当接板464cは、下変位部材4440の他端側の端部から一端側に離間した位置に配置される。この場合、当接板464cの他端側の面(正面視左側の面)が、振分け部材540の突起部543と離間した状態とされる。これにより、振分け部材540は、振分け部材540とベース板520との間に介設される付勢ばねSP4の付勢力により軸孔545の軸を中心に回転されて、貯留板542を第3送球経路KR3に突出させた位置(貯留位置)に変位される。
従って、下変位部材440が、退避状態にされると共に、球受部467が第2位置または第3位置(第1位置以外の位置)に配置された状態では、振分けユニット500の第1送球経路KR1に送球される球が、貯留板542の上方に停止した状態とされる。また、上述したように、振分けユニット500が貯留状態の場合に第1送球経路KR1に送球される球は、貯留板542の上方に停止した球と衝突して第2送球経路KR2に送球される。
次いで、図51及び図52を参照して説明する。図51及び図52に示すように、下変位部材440が第1張出状態または第2張出状態に配置された状態では、上述したように下変位部材440が、正面ベース411に対してスライド変位されると共に回転変位される。よって、可動ラック464に形成される当接板464cは、下変位部材440の変位に伴って変位され、振分け部材540の突起部543と離間した状態とされる。これにより、振分け部材540は、振分け部材540とベース板520との間に介設される付勢ばねSP4の付勢力により軸孔545の軸を中心に回転されて、貯留板542を第3送球経路KR3に突出させた位置(貯留位置)に変位される。
従って、下変位部材440が、第1張出状態または第2張出状態とされると、振分けユニット500の第1送球経路KR1に送球される球が、貯留板542の上方に停止した状態とされる。また、上述したように、振分けユニット500が貯留状態の場合に第1送球経路KR1に送球される球は、貯留板542の上方に停止した球と衝突して第2送球経路KR2に送球される。
即ち、下変位部材440が、第1張出状態および第2張出状態(退避状態以外の状態)とされる場合には、下変位部材440の変位に伴って、装飾部材450の開口451aの位置が変位するために、開口451aと振分けユニット500の開口525aとの球の連通状態が解除される。そのため、第3送球経路KR3に球を流下すると、開口451aから球が背面ケース300の内部に排出される恐れがあるところ、本実施形態では、振分け部材540を貯留位置とすることで第3送球経路KR3の下流側に球が流下することを抑制することができる。その結果、背面ケース300の球が内部に球が排出されることを抑制できる。
言い変えると、下変位ユニット400の下変位部材440は、退避状態、第1張出状態および第2張出状態とで変位可能に形成され、退避状態にした変位部材440が位置する際に、下変位部材440に球受部467が配設されるので、下変位部材440を退避状態に配置した状態で球受部467を変位させる態様と、第1又は第2張出状態に配置した状態で球受部467を変位させる態様とを形成することができる。よって、その分、演出効果を高めることができる。
この場合、下変位部材440が第1又は第2張出状態に配置された状態では、球受部467が第3送球経路KR3の転動部525から遊技球を受け取り不能(第3送球経路KR3の転動部525と下変位部材440の開口451aとが非連通の状態)とされるところかかる状態では、球受部467に連動する当接板464cが振分け部材540に当接不能とされるので、球受部467は遊技球を受け取り不能な状態(下変位部材440が第1張出状態または第2張出状態に配置された状態)において、振分け部材540による振り分け先が第3送球経路KR3に切り替えられることを抑制できる。
また、振分け部材540は、下変位部材440のベース部材470と別部材として形成される振分けユニット500のベース板520に配設されるので、その分、下変位部材440のベース部材470の大型化を抑制することができる。
ここで、下変位部材440の第1張出状態から退避状態への変位は左右方向への回転変位だけでなく回転変位もされるため、傾倒状態の当接板464cその回転変位をした際に、当接板464cの上面に振分け部材540の突起部543が当接して振分け部材540が回転変位できない恐れがある。
これに対し、本実施形態では、下変位ユニット400が、図51に示す第1張出位置に変位した状態から、退避状態に変位する場合には、球受部467を第1位置以外の箇所(第2位置または第3位置)に変位させた状態とされる。これにより、退避状態に変位した変位部材440の当接板464cが、突起部543と衝突することを抑制できる。その結果、当接板464cの上面に振分け部材540の突起部543が当接して振分け部材540が回転変位できなくなることを抑制できる。
また、振分け部材540は、上述したように膨出部543aが形成されるので、制御不良等により、下変位ユニット400を第1張出状態から退避状態に変位させる際に、当接板464cの上面に振分け部材540の突起部543が当接した場合にも、振分け部材540を回転変位させることができる。
即ち、膨出部543aにより当接板464cとの接地面積を小さくできるので、当接板464cが当接した際に膨出部543aをその面に沿って摺動させやすくできる。よって、振分け部材540を回転変位させやすくできる。その結果、当接板464cの上面に振分け部材540の突起部543が当接して振分け部材540が回転変位できなくなることを抑制できる。
次いで、図53から図56を参照して、回転ユニット700の駆動伝達部分の構成について説明する。図53は、回転ユニット700の正面図であり、図54は、回転ユニット700の背面図であり、図55は、回転ユニット700の分解斜視正面図であり、図56は、回転ユニット700の分解背面斜視図である。
図53から図56に示すように、回転ユニット700は、複数の変位部材で構成される装飾ユニット750と、その装飾ユニット750の重力方向上側に配置される球受台710と、その球受台710及び装飾ユニット750の背面側に配置される背面ベース720と、装飾ユニット750の正面視左側に配設される左側伝達部材730と、装飾ユニット750の正面視右側に配設される右側伝達部材740と、を主に備えて形成される。
球受台710は、上述した下変位ユニット400の下変位部材440の一側の出射開口471から出射される遊技球を落下させる部材である。これにより、下変位部材440の内側に送球された球を回転ユニット700に送球させることができる。なお、球受台710の詳細な構成については、後述する。
装飾ユニット750は、側面視において上方に湾曲部分を配置した略D字状のブロック体であり、正面側にキャラクターや模様の装飾が施される。また、装飾ユニット750は、複数の部材から構成されており、後述する駆動の伝達により変位可能に構成される。なお、装飾ユニット750の構成についての説明は後述する。
背面ベース720は、球受台710の背面側および装飾ユニット750の背面側を連結する板部材であり、正面視略矩形に形成される。上述したように装飾ユニット750は、複数の可動部材で構成されるために、その締結部分が限定されるところ、遊技者から視認不能とされる位置の背面側で装飾ユニット750と球受台710とを連結することで、装飾ユニット750の可動域を確保しつつ、装飾ユニット750と球受台710とを1つのユニットとして組み付けることができる。
左側伝達部材730は、装飾ユニット750の左側側面(図53左側)に配設される駆動モータKM4と、その駆動モータKM4の駆動力を伝達する伝達部材730と、駆動モータKM4が取着されるモータベース732と、伝達部材730を覆設するギヤカバー733と、そのギヤカバー733に取着されると共にギヤカバー733との対向間に所定の隙間を形成する送球経路カバー734とを主に備えて形成される。
駆動モータKM4は、後述する装飾ユニット750の各部材を可動させるための駆動源である。駆動モータKM4の駆動は、後述する伝達部材730により伝達される。
伝達部材730は、駆動モータKM4の軸に取着される伝達ギヤ731aと、その伝達ギヤ731aに歯合する伝達ギヤ731bと、その伝達ギヤ731bに歯合する伝達ギヤ731cと、その伝達ギヤ731cと隣り合って配置されると共に軸735により同軸に配設される伝達ギヤ731dと、伝達ギヤ731dと歯合される負荷ギヤ731eとを主に備えて形成される。
伝達ギヤ731aは、上述したように駆動モータKM4に取着されており、駆動モータKM4が回転駆動されることで回転する。
伝達ギヤ731bは、内部にワンウェイクラッチOW1が配設されると共に、そのワンウェイクラッチOW1の内輪が回転の駆動力を装飾ユニット750を右側の右側伝達部材740に伝達する軸部JB1に連結される。
なお、ワンウェイクラッチOW1は、内側に配置されると共に外周面にカム面が形成される内輪と、その内輪の外側に配設される外輪と、内輪および外輪との間に複数のスプリング及びローラーと、を備え、内輪に対して外輪が一方向に回転しようとするとカム面とローラーとの接触面圧が高くなり、抵抗となって内輪への動力を伝達し、内輪に対して外輪が他方向に回転すると、カム面とローラーとの接触面圧が低くなり、滑って動力伝達を切断するカム式のクラッチである。
よって、伝達ギヤ731bは、駆動モータKM4から一方向の駆動力が伝達されると、軸部JB1に回転の駆動力を伝達できると共に、駆動モータKM4から他方向の駆動力が伝達されると、内輪に対して外輪が滑って軸部JB1への駆動力の伝達が遮断される。
伝達ギヤ731cは、伝達ギヤ731bと同様に内部にワンウェイクラッチOW1が配設される。また、伝達ギヤ731cのワンウェイクラッチOW1の内側には、軸735が配設されている。
よって、伝達ギヤ731cは、駆動モータKM4から一方向の駆動力が伝達されると、軸735に回転の駆動力を伝達できると共に、駆動モータKM4から他方向の駆動力が伝達されると、内輪に対して外輪が滑って軸735への駆動力の伝達が遮断される。また、伝達ギヤ731cは、伝達ギヤ731bと歯合されており、互いの回転方向は反対方向とされる。そのため、伝達ギヤ731bが一方向の回転とされる際には、伝達ギヤ731cが他方向の回転とされる。一方、伝達ギヤ731bが他方向の回転とされる際には、伝達ギヤ731bが一方向の回転とされる。即ち、駆動モータKM4の回転方向が切り換えられることにより、軸部JB1が回転する態様または軸735が回転する態様に切り換えられる。
伝達ギヤ731dは、軸735に取着される。上述したように軸735は、伝達ギヤ731cが一方向に回転された場合にのみ回転される。よって、伝達ギヤ731cは、伝達ギヤ731cが一方向に回転された場合のみ一方向に回転し、他方向への回転は非回転とされる。
負荷ギヤ731eは、軸孔が箱部材760に取着される抵抗部材791の軸部791aに連結される。抵抗部材791は、箱部材760に締結されるベース部分に対して回転可能な軸部791aを備えて形成される。抵抗部材791は、軸部791aがベース部分に対して回転する際に所定量の抵抗が作用するように形成される。即ち、軸部791aを回転させるには、所定量の力が必要とされるので、軸部791aに連結される負荷ギヤ731eを回転させる力も同様に所定量以上の力が必要とされる。
これにより、伝達ギヤ731dに歯合される回転体800が伝達ギヤ731dの回転により、回転されて停止した際にその、慣性力によって回転することを抑制できる。即ち、軸部791aがベース部分に対して回転する際の抵抗は、回転体800の回転が停止した際に回転体800の軸周りに作用する慣性力よりも大きく設定される。
また、負荷ギヤ731eは、伝達ギヤ731cと同軸に配設される伝達ギヤ731dに連結される。よって、駆動モータKM4にかかる負荷ギヤ731eの抵抗を、伝達ギヤ731dを回転させる一方向の回転のみとすることができる。即ち、伝達ギヤ731cが、他方向に回転される際には、伝達ギヤ731cと伝達ギヤ731dとの駆動の伝達が遮断されるので、負荷ギヤ731eの抵抗が作用することを抑制できる。その結果、伝達ギヤ731bを一方向に回転かせる際には、負荷ギヤ731eの抵抗が作用することを抑制できる。
モータベース732は、装飾ユニット750側が開放する箱状体に形成され、箱の底部分の外側(図53左側)に駆動モータKM4が軸を箱の内側に挿通した状態で配設される。これにより、駆動モータKM4の軸に連結される伝達ギヤ731aをモータベース732の内側に配設できる。即ち、モータベース732の箱の深さ寸法は、伝達ギヤ731aの幅寸法よりも大きく設定される。その結果、モータベース732に駆動モータKM4及び伝達ギヤ731aを取着した状態で装飾ユニット750に配置することができると共に、伝達ギヤ731aが装飾ユニット750に衝突することを抑制できる。
ギヤカバー733は、背面視縦長矩形に形成されると共に、間に左側伝達部材730を配置した状態で装飾ユニット750に締結される。また、装飾ユニット750には、後述する回転体800の軸孔と対向する位置に貫通孔733aが貫通形成される。これにより、回転体800の内部を転動する球を貫通孔733aを介して外方に排出することができる。なお、回転体800に送球される球についての説明は後述する。
送球経路カバー734は、ギヤカバー733の外側(図53左側)に配置される部材であり、板状体から形成されると共に、その縁部からギヤカバー733側に突出する壁部が立設される。これにより、ギヤカバー733と送球経路カバー734との対向間に隙間を形成することができ、ギヤカバー733の貫通孔733aを挿通された球をその隙間を挿通させて回転ユニット700の外側に排出することができる。ギヤカバー733と送球経路カバーとの対向間の隙間から排出された球は図示しない回収経路に送球されて回収される。
右側伝達部材740は、上述した軸部JB1の他端側に連結される回転部材741と、その回転部材741に一端が連結されるアーム部材742と、回転部材741及びアーム部材742とを覆設した状態で装飾ユニット750に配設されるクランクカバー743とを主に備えて形成される。
回転部材741は、円盤状の板状に形成される本体部741bと、その本体部741bの軸にはめ込まれるワンウェイクラッチOW1と、装飾ユニット750の反対側(図53右側)に突出する円柱状の突起741aとを主に備えて形成される。
回転部材741に取着されるワンウェイクラッチOW1は、内輪の軸孔が軸部JBの他端側に挿入される。また、ワンウェイクラッチOW1は、軸部JB1の回転方向と反対の回転が内輪に入力されると内輪と外輪とが非伝達とされるように配置される。
これにより、回転部材741に軸部JB1から伝達される回転速度よりも速い回転速度の駆動力をワンウェイクラッチOW1の外輪に入力した場合に、外輪のみを回転させて回転部材741を駆動モータKM4の駆動以外の駆動力で回転させることができる。その結果、回転部材741に速度の異なる2つ以上の回転をさせることができる。
アーム部材742は、側面視C字とI字とを組み合わせた形状であり、C字の一端にI字の他端が連結されて形成される。また、アーム部材742は、C字部分とI字部分との連結部分に貫通形成される軸孔742aと、I字部分の一端に貫通形成される楕円状の第1摺動溝742bと、C字部分の他端に貫通形成される楕円状の第2摺動溝742cとを主に備えて形成される。
軸孔742aは、後述する箱部材760の右側側面板764に形成される軸部764aが挿入される孔であり、軸部764aの外径よりも大きい内径に形成される。よって、アーム部材742は、軸孔742aに軸部764aが挿入されて、装飾ユニット750に配設されるので、装飾ユニット750に対して回転可能とされる。
第1摺動溝742bは、回転部材741の突起741aが挿入される孔であり、楕円に形成された短手方向の幅寸法が、突起741aの外径よりも大きく設定される。よって、第1摺動溝742bの内側に突起741aを挿入できると共に、回転部材741の回転により、アーム部材742を回転変位させることができる。
また、回転部材741は、外径がアーム部材742のI字部分の長手方向寸法よりも小さく形成されると共に、軸がアーム部材742の軸孔742aからI字部分の長手方向寸法の半分の距離よりも離間した位置に配置される。これにより、回転部材741を回転させることでアーム部材742に軸孔742aの軸を中心とした回転の往復運動をさせることができる。
第2摺動溝742cは、後述する右側蓋部773の突起773aが挿入される孔であり、楕円に形成された短手方向の幅寸法が、突起773aの外径よりも大きく設定される。よって、第2摺動溝742cの内側に突起773aを挿入できる。また、右側蓋部773は、箱部材760に対して回転変位可能に形成されている。よって、上述したように回転部材741が回転されて、アーム部材742が回転の往復運動をすることで、アーム部材742の他端に連結される右側蓋部773を箱部材760に対して回転させることができる。
クランクカバー743は、背面視楕円に形成される楕円部分743aと、その楕円部分743aの背面側に連なって形成される球送球部743bとを主に備えて形成される。
楕円部分743aは、アーム部材742を覆設するカバーであり、側面視における外形がアーム部材742及びアーム部材742の変位領域よりも大きく形成されると共に、縁部から装飾ユニット750側にアーム部材742の厚みよりも大きく突出する壁部が形成される。これにより、クランクカバー743を装飾ユニット750に配設した際に、クランクカバー743と装飾ユニット750との対向間にアーム部材742を配設できる。
球送球部743bは、遊技盤13の前方の流下領域を流下する球が所定の回収口より回収された際に、その球を回収経路に送球するための経路部材であり、内部に所定の大きさの空間を備える棒状に形成される。また、球送球部743bは、上端側が、開口され遊技盤13の回収口に連結されると共に、下端側が、装飾ユニット750に形成される開口に連結される。これにより、遊技盤13に回収された球を、球送球部743bを介して装飾ユニット750の内部に通して図示しない回収経路に案内することができる。
次いで、図57から図61を参照して装飾ユニット750について説明する。図57は、装飾ユニット750の正面図である。図58(a)は、図57の矢印LVIIIa方向視における装飾ユニット750の側面図であり、図58(b)は、図57の矢印LVIIIb方向視における装飾ユニット750の側面図である。図59は、装飾ユニット750の分解斜視正面図であり、図60は、装飾ユニット750の分解斜視背面図である。なお、図57(b)及び図57(c)では、箱部材760の右側側面板764及び左側側面板765と透明視された状態が図示される。
図57から図60に示すように、装飾ユニット750は、装飾ユニット750の外側の装飾部分となる箱部材760及び箱部材760の重力方向上側(図57(a)上側)に配設される蓋部材770と、箱部材760及び蓋部材770の内部に配設される回転体800とを主に備えて形成される。
箱部材760は、回転体800の下方に配設されるベース部材762と、そのベース部材762の前方に配設される前面板761と、ベース部材762の底面に配置される下面板763と、ベース部材762の正面視右側に配設される右側側面板764と、ベース部材762の正面視左側に配設される左側側面板765とを主に備えて形成される。
ベース部材762は、上面視において回転体800よりも大きい矩形横長に形成されると共に、重力方向に球の外径よりも大きい厚みを備えて形成される。ベース部材762は、上面が回転体800の軸と同軸の曲面に形成される。これにより、ベース部材762を回転体800の近傍に配置した際にベース部材762と回転体800の衝突を抑制できる。
ベース部材762は、上面に左右方向に亘って下側に凹設される凹部762aと、底面に略L字に凹設される球送球部762bとを主に備えて形成される。
凹部762aは、内側に上述した軸部JB1が配設される溝であり、装飾ユニット750の側面に配設される伝達ギヤ731bの軸上に凹設される。これにより、軸部JB1を介して駆動モータKM4の駆動力を伝達することができる。
球送球部762bは、底面にL字に屈曲して凹設されており、一端側が、右側側面板764の開口764bに連結されると共に、他端側が、前面板761の入賞口761aの背面側に連結される。また、球送球部762bの凹設幅は、球の直径よりも大きく形成される。これにより、下側に下面板763が配設されることで箱部材760の内部に球を送球可能とできる。
前面板761は、正面視矩形横長に形成されると共に、背面側に所定の厚みを備えて形成される。また、前面板761は、正面側に球が挿入可能な大きさの入賞口761aが形成される。入賞口761aは、上述したように背面側に配設されるベース部材762の球送球部762bに連結される。よって、入賞口761aの内部に送球された球は、ベース部材762の球送球部762bに送球される。
右側側面板764は、側面視における外形が上方が湾曲するD字状に形成される。また、右側側面板764は、装飾ユニット750の外側に突出する軸部764aと、その軸部764aの下方に貫通形成される軸受部764cと、回転体800の回転軸と同一の軸の湾曲状に開口形成される湾曲開口764dと、クランクカバー743の球送球部762bの下端と対向する位置に開口する開口764bと、回転体800の回転軸の軸上に側面視半円形に貫通形成される係合部764eとを主に備えて形成される。
開口764bは、クランクカバー743の球送球部から送球される球をベース部材762へ送球可能にするための孔であり、球の外径よりも大きく形成される。これにより、クランクカバー743に送球された球を、ベース部材762に送球できる。
軸受部764cは、上述した軸部JB1が挿入される孔であり、軸部JB1の外径よりも大きい内径に形成される。これにより、上述した右側伝達部材740に駆動力を伝達することができる。
湾曲開口764dは、右側蓋部773突出する突起773aが内部に挿通される開口である。また、湾曲開口764dは、蓋部材770が回転変位されるために、蓋部材770の回転軸と同軸の円弧形状に形成される。これにより、蓋部材770が回転変位された際に、突起773aと湾曲開口764dとが衝突することを抑制できる。
係合部764eは、回転体800の内部に配設されるベース板810の正面視右側の端部と係合してベース板810を回転不能に保持する部材である。即ち、ベース板810の右端部811の先端部811aが係合部764eに挿入されて配置される。これにより、ベース板810が回転不能とされる。
左側側面板765は、側面視における外形が右側側面板764と略同一に形成される。また、左側側面板765は、回転体800の軸上に貫通形成される貫通孔765aと、回転体800側に向かって突出する軸部765bと、抵抗部材791の軸部791aが挿入される貫通孔765cとを主に備えて形成される。
貫通孔765aは、回転体800の正面視左側における開口から排出される球を、上述したモータベース732の貫通孔733aに挿通するための開口である。即ち、貫通孔765aは、回転体800の軸上に形成されると共に、その内径の大きさが回転体800の正面視左における開口の内径と同一の大きさに設定される。
軸部765bは、後述する回転規制部材780に形成される軸孔781に挿入されて、回転規制部材780を回転可能な状態で保持できる。なお、回転規制部材780の変位については後述する。
貫通孔765cは、上述したように抵抗部材791の軸部791aを挿通する孔であり、上述した負荷ギヤ731eの側面と対向する位置に形成される。
下面板763は、ベース部材762の下面に配設されることで、ベース部材762の球送球部762bと下面板763とで、球が通過可能な送球経路を形成する板部材である。また、下面板763には、上下方向に貫通する開口763aが形成される。開口763aは、球送球部762bの内側を送球された球を、図示しない回収経路に送球するための開口である。よって、前面板761の入賞口761aに入賞した球および遊技領域から右側伝達部材740の球送球部743bに送球され球を装飾ユニット750の内部から排出できる。
蓋部材770は、回転体800の軸と同軸の湾曲状に形成される湾曲蓋部771と、その湾曲蓋部771の正面視右側の側面に締結される右側蓋部773と、湾曲蓋部771の正面視左側の側面に締結される左側蓋部772とを主に備えて形成される。
湾曲蓋部771は、上述したように側面視における外形が、回転体800の軸と同軸の湾曲形状に形成されると共に、回転体800のよりも大きい半径で形成される。湾曲蓋部771は、正面側の一部に透明板から形成される透明部771aを備える。
透明部771aは、遊技者から回転体800の外周面に描かれた模様やキャラクターなどを遊技者に視認可能にさせる板である。即ち、遊技者は、回転体800が蓋部材770に上端側が覆設された態様であっても、透明部771aを介して回転体800の表示を視認可能とされる。
右側蓋部773は、側面視円環状に形成され、円環外側の半径が湾曲蓋部771の半径と略同一に設定される。また、右側蓋部773の内径は、回転体800の右端部811の側面視における外形の大きさよりも大きく形成される。これにより、右側蓋部773は、円環状の内側部分に回転体800の右端部811を挿通した状態で配設される。
さらに、右側蓋部773は、装飾ユニット750の外側(正面視右側)に突出する突起773aと、外周縁部に径方向内側に向かって凹設される凹部773bとを主に備えて形成される。突起773aは、上述したように、アーム部材742の装飾ユニット750第2摺動溝742cに挿入される突起である。
凹部773bは、後述する開閉部材870の突起871が挿入されることで、開閉部材870を回転させることができる。よって、凹部773bは、凹設幅が、突起871の外形よりも大きく設定される。また、凹部773bは、湾曲蓋部771が配設される右側蓋部773の縁部と略反対の位置に形成される。
左側蓋部772は、側面視円環状に形成され、円環外側の半径が湾曲蓋部771の半径と略同一に設定される。また、左側蓋部772の内径は、後述する左回転部880の歯面881aの外径よりも大きく形成される。これにより、左側蓋部772は、円環状の内側部分に回転体800の左回転部880を挿通した状態で配設される。
また、左側蓋部772は、装飾ユニット750の外側(正面視左側)に突出する板状体のセンサ板772aが形成される。センサ板772aは、図示しない二股状のセンサの対向間に配置されることで、左側蓋部772の位置を検出できる。
ここで、回転体800に対する蓋部材770について説明する。回転体800を組み上げた状態での蓋部材770の配設は、組み上げ前(別部材)の右側蓋部773及び左側蓋部772の内側に回転体800の左右の端部をそれぞれ挿入した状態とする。それから、右側蓋部773及び左側蓋部772と湾曲蓋部771を組み上げることで回転体800と蓋部材770とが連結される。よって、蓋部材770は、回転体800の軸を中心に、回転体に対して回転可能とされる。
回転規制部材780は、側面視略L字状に屈曲して形成される。回転規制部材780は、屈曲部分に貫通した軸孔781と、一端側に屈曲方向に突出する突起782と、他端側の先端に平坦に形成される当接面783とを主に備えて形成される。
軸孔781には、上述したように左側側面板765の軸部765bが挿入される。これにより、回転規制部材780は、左側側面板765に対して回転可能に保持される。また、軸部には、付勢ばねSP5が挿入される。その結果、回転規制部材780には、1方向の回転力が作用される。
突起782は、後述する左回転部880の係合突起882と係合することで、回転体800の回転変位を規制できる。当接面783は、上述した蓋部材770の背面側の端部が当接する面であり、蓋部材770が当接されることで、回転規制部材780を回転させることができる。なお、回転規制部材780と回転体800との規制態様については後述する。
次いで、図61から図62を参照して、駆動モータKM4が回転された場合の駆動力の伝達経路を説明する。図61(a)及び図62(a)は、図55の矢印LVa方向視における回転ユニット700であり、図61(b)及び図62(b)は、図55の矢印LVbにおける回転ユニット700である。
なお、図61では、駆動モータKM4の軸が正方向(時計回り)に回転された際の各部材の変位方向が2点鎖線で図示される。図62では、駆動モータKM4の軸が負方向(反時計回り)に回転された際に各部材の変位方向が2点鎖線で図示される。
図61(a)及び図61(b)に示すように、駆動モータKM4が正方向に駆動されると、伝達ギヤ731aが正方向に回転される。伝達ギヤ731aが正方向に回転されると、伝達ギヤ731bが負方向に回転されると共に、伝達ギヤ731cが正方向に回転される。
この場合、伝達ギヤ731bに配設されるワンウェイクラッチOW1は、外輪の回転を内輪に非伝達とされ、軸部JB1が非回転とされる。よって、軸部JB1に連結される回転部材741に駆動力が非伝達とされ、アーム部材742は停止状態とされる。
一方、伝達ギヤ731に配設されるワンウェイクラッチOW1は、外輪の回転を内輪に伝達する状態とされ、軸735が回転される。よって、軸735に連結される伝達ギヤ731dが回転される。これにより、伝達ギヤ731dに歯合される負荷ギヤ731eおよび回転体800の歯面881aが回転される。即ち、駆動モータKM4が正回転をすると、蓋部材770への駆動力は非伝達とされると共に、回転体800への駆動力は伝達状態とされる。
図62(a)及び図62(b)に示すように、駆動モータKM4が負方向に駆動されると、伝達ギヤ731aが負方向に回転される。伝達ギヤ731aが負方向に回転されると、伝達ギヤ731bが正方向に回転されると共に、伝達ギヤ731cが負方向に回転される。
この場合、伝達ギヤ731bに配設されるワンウェイクラッチOW1は、外輪の回転を内輪に伝達する状態とされ、軸部JB1が回転される。よって、軸部JB1に連結される回転部材741に駆動力が伝達され、回転部材741が回転される。これにより、アーム部材742が軸孔742aの軸を中心とする回転往復運動をして、蓋部材770が変位される。
一方、伝達ギヤ731に配設されるワンウェイクラッチOW1は、外輪の回転を内輪に非伝達とされ、軸735が非回転とされる。よって、軸735に連結される伝達ギヤ731dに駆動力が非伝達とされ、回転体800及び負荷ギヤ731eは非回転状態とされる。即ち、駆動モータKM4が負回転をすると、蓋部材770への駆動力は伝達状態とされると共に、回転体800への駆動力は非伝達とされる。
よって、駆動モータKM4からの駆動力を、回転体800へ伝達する伝達ギヤ731c(回転側駆動手段)と蓋部材770を介して後述する開閉部材870へ伝達する伝達ギヤ731b(変位側伝達手段)とに、ワンウェイクラッチOW1を配設することで、駆動モータKM4の回転方向に応じて、その回転力を伝達ギヤ731cまたは伝達ギヤ731bの一方へ伝達すると共に他方への伝達を遮断することができる。その結果、駆動モータKM4の回転方向を切り替えるのみで、その回転駆動力により駆動する駆動対象を切り替えることができる、即ち、駆動モータKM4の回転方向に応じて、回転体800の回転およびその回転の停止と、開閉部材870の変位およびその停止とを切り替えることができ、複数の態様を形成可能としつつ、構造を簡素化できる。
ここで、ワンウェイクラッチOW1を利用して駆動手段の回転方向に応じて、その駆動対象(回転体800または開閉部材870(蓋部材770)を切り替える構造では、駆動モータKM4からの駆動力の伝達が遮断されると、駆動力により駆動されていた方向への回転または変位が自在な状態となる。そのため、例えば、駆動手段の駆動対象が回転体800から開閉部材870(蓋部材770)に切り替えられ、駆動力の伝達が遮断されると、回転体800は、回転自在な状態となり慣性力により回転が継続(自転)される恐れがある。
これに対し、本実施形態では、伝達ギヤ731cにより駆動される伝達ギヤ731dに歯合される負荷ギヤ731e(負荷用歯車)を備えるので、駆動モータKM4からの回転の駆動力の伝達が遮断されても、負荷ギヤ731eを回転させる際の負荷(抵抗)を利用して、回転体800の回転が継続されることを抑制できる。
次いで、図63及び図64を参照して、蓋部材770の変位について説明する。図63(a)及び図64(c)は閉鎖状態の、図63(b)及び図64(b)は中間状態の、図63(c)及び図64(a)は開放状態の、それぞれにおける装飾ユニット750及び右側伝達部材740の側面図である。
なお、図63(a)から図63(c)及び図64(a)から図64(c)では、右側伝達部材740のクランクカバー743が取り外された状態が図示される。また、装飾ユニット750の閉鎖状態とは、蓋部材770が回転体800の上方(図63(a)上方)半面を覆う状態に配置された状態であり、開放状態とは、蓋部材770が回転変位され、回転体800の背面側(図63(c)右側)に配置された状態である。中間状態とは、蓋部材770が、閉鎖状態と開放状態との間の位置に配置された状態である。
さらに、図63(a)から図63(c)では、閉鎖状態から開放状態へ変位される状態が順に図示され、図64(a)から図64(c)では、開放状態から閉鎖状態へ変位される状態が順に図示される。
まず、図63を参照して、閉鎖状態から開放状態へ変位される際の蓋部材770の変位について説明する。アーム部材742への駆動力の伝達は、上述したように駆動モータKM4を負方向に回転させることで行われる。
閉鎖状態では、回転部材741の突起741aは、アーム部材742の軸孔742aよりも背面側(図63(a)右側)に配置された状態とされる。よって、アーム部材742は、突起741aが挿入される第1摺動溝742bが軸孔742aよりも背面側に配置される。
アーム部材742の軸孔742aと第1摺動溝742bと第2摺動溝742cとは略同一直線上に形成される。従って、第1摺動溝742bの反対側の端部に形成される第2摺動溝742cが軸孔742aよりも正面側(図63(a)左側)に配置された状態とされる。その結果、蓋部材770の右側面に突出する突起773aが、第2摺動溝742cに案内されて、蓋部材770の湾曲蓋部771を回転体800の上方に配置した状態とされる。
次に、図63(b)に示すように、回転部材741を略90度回転させて、突起741aを回転部材741の軸の下方に位置させると、アーム部材742の第1摺動溝742bが、突起741aの変位に伴って軸孔742aの重力方向下側(図63(b)下側)に変位される。
従って、第1摺動溝742bの反対側の端部に形成される第2摺動溝742cが、軸孔742aの重力方向上側(図63(b)上側)に配置された状態とされる。その結果、蓋部材770の突起773aが、第2摺動溝742cに案内されて、蓋部材770の湾曲蓋部771を回転体800の背面側に回転変位させた位置に配置した状態とされる。
この場合、蓋部材770の重心位置が、蓋部材770の回転軸(円柱状に形成される回転体800の中心位置)よりも背面側に配置される。よって、蓋部材770の荷重により、蓋部材770を閉鎖状態から開放状態へ変位させる方向に回転力が作用される。上述したように、回転部材741は、ワンウェイクラッチOW1が配設されており、外輪が内輪に対して先行して回転可能に構成されるので、蓋部材770の荷重により駆動モータKM4の駆動を停止して蓋部材770を継続して回転させることができる。
図63(c)に示すように、蓋部材770は、回転体の背面側まで変位されると、回転部材741の突起741aが中間状態の位置から略90度回転された位置に停止される。即ち、突起741aの変位領域の一番左側(図63左側)端部とされる。よって、アーム部材742の回転が規制され、蓋部材770の回転が停止される。
即ち、閉鎖状態から開放状態への蓋部材770の変位は、駆動モータKM4を駆動して中間状態に変位させる動作と、蓋部材770の荷重り落下する動作とで行われる。
その結果、蓋部材770を閉鎖状態から開放状態へ変位させる際には、駆動モータKM4を駆動させる区間を全区間の半分とすることができるので、駆動モータKM4の消費エネルギーを小さくできる。
さらに、閉鎖状態から中間状態への変位速度は、駆動モータKM4の回転速度に従う態様に、中間状態から開放状態までの変位速度は、蓋部材770の荷重に従う態様に、それぞれすることができるので、閉鎖状態から開放状態までの変位速度を2段階に変化させることができる。従って、駆動モータKM4の変位速度を変更することなく蓋部材770の変位速度を変更させることができるので、制御を複雑化する必要がない。その結果、制御を簡易にでき、制御不良が発生することを抑制できる。
なお、蓋部材770が駆動モータKM4の回転速度に従う変位区間を第1区間と称し、蓋部材770が蓋部材770の荷重に従う変位区間を第2区間と称し、第1区間には、DK1の符号を、第2区間には、DK2の符号を付して説明する。
次に、図64を参照して、開放状態から閉鎖状態へ変位される際の蓋部材770の変位について説明する。
上述したように、開放状態では、回転部材741の突起741aは、アーム部材742の軸孔742aよりも正面側(図64(a)左側)配置された状態とされて、蓋部材770の湾曲蓋部771を回転体800の背面側に配置した状態とされる。
次に、図64(b)に示すように、回転部材741を略90度回転させて、突起741aを回転部材741の軸の上方に位置させると、アーム部材742の第1摺動溝742bが突起741aの変位に伴って軸孔742aの重力方向下側(図64(b)下側)に変位される。
従って、第1摺動溝742bの反対側の端部に形成される第2摺動溝742cが、軸孔742aの重力方向上側(図64(b)上側)に配置された状態とされる。その結果、蓋部材770の突起773aが、第2摺動溝742cに案内されて、蓋部材770の湾曲蓋部771を回転体800の背面側に位置させた状態から略45度上方に回転変位させた位置に配置した状態とされる。
また、閉鎖状態の位置(図63(a)の位置)に変位させた蓋部材770は、遊技領域(遊技盤13の正面側)に配置されており、開放状態の位置(図63(c)の位置)に変位させた蓋部材770は、遊技領域の領域外(遊技盤13の背面側)に配置される。よって、遊技領域を流下する遊技球が回転体800に衝突して、かかる回転体800が回転されることを抑制できる。特に、本実施形態では後述するように回転体800には、遊技領側へ向かって変位する開閉部材870が配設されるので、遊技領域を流下する遊技機が開閉部材870に衝突して、かかる開閉部材870が開放される(張り出される)ことを抑制できる。
また、蓋部材770は、開放状態の位置では、遊技領域の領域外に配置されるので、蓋部材770の開放状態の位置への変位により、開閉部材870が遊技領域へ張り出すためのスペースを確保することができる。よって、その分、回転体800の外面を遊技領域側へ近づけることができ、遊技者に開閉部材870を視認させやすくできる。
さらに、蓋部材770は、回転体800の回転軸と略平行な軸まわりに回転可能に形成されると共に、回転体800の外面に沿って、湾曲する板状に形成されるので、閉鎖状態の位置(覆設位置)及び開放状態の位置(退避位置)の間で変位する際に必要なスペースを抑制できる、よって、その分、他の部材を配設するためのスペースを確保できる。また、このように蓋部材770が湾曲して形成されることで、遊技領域を流下する遊技球が、閉鎖状態の位置に配置された蓋部材770上に停留されることを抑制して、スムーズに流下させることができる。
次に、図64(c)に示すように、回転部材741を更に略90度回転させて、突起71aを回転部材741の軸の右側に変位させると、アーム部材742の第1摺動溝742bが突起741aの変位に伴って軸孔742aよりも背面側(図64(c)右側)に変位される。
従って、第1摺動溝742bの反対側の端部に形成される第2摺動溝742cが、軸孔742aよりも正面側(図64(c)左側)に配置された状態とされる。その結果、蓋部材770の突起773aが、第2摺動溝742cに案内されて、蓋部材770の湾曲蓋部771を回転体800の上方に配置した状態とされる。
この場合、蓋部材770の変位に伴って、蓋部材770の重心位置が、蓋部材770の回転軸よりも正面側に変位される。よって、中間状態から閉鎖状態の途中で、蓋部材770の荷重により、蓋部材770を開放状態から閉鎖状態へ変位させる方向に回転力が作用される。よって、駆動モータKM4の駆動を停止した状態でも、蓋部材770の荷重により蓋部材770を継続して回転させることができる。
よって、蓋部材770の荷重により蓋部材770を閉鎖状態とすることができるので、蓋部材770を確実に閉鎖状態とできる。
ここで、蓋部材770の回転変位が駆動モータKM4のみにより変位するものであると、駆動モータKM4の駆動停止動作がずれた場合に、蓋部材770を正常な位置で停止できなくなる恐れがある。また、本実施形態のように、回転部材741の回転方向が1つの場合、駆動モータKM4の停止動作が遅れた場合に、正常な位置へ戻すには1回転分の回転が必要となる。
これに対し、本実施形態では、蓋部材770を停止させる位置を蓋部材770の荷重を利用して機械的に停止させることができるので、蓋部材770の停止位置がずれることを抑制することができる。
ここで、駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段の駆動力により変位される変位部材と、その変位部材への駆動力を伝達する伝達手段とを備えた遊技機が知られている。しかしながら、上述した従来の遊技機では、駆動手段から変位部材への伝達手段による駆動力の伝達状態が常に一定であるため、駆動手段が一定の駆動速度で駆動されると、変位部材も一定の速度で変位され、かかる変位部材の変位態様に変化を付与することができない。そのため、変位部材の変位に伴う演出の演出効果が不十分であるという問題点があった。
なお、駆動手段の駆動速度を増減させれば、変位部材の変位速度を変化させることはできるが、変位部材の変位区間のうちの所定の区間における変位速度を他の区間における変位速度と異なる変位速度とするためには、変位部材の位置を検出するセンサ装置を配置し、そのセンサ装置の検出結果に応じて、駆動手段の出力を増減させる制御が必要となり、製品コストや制御コストの増加を招く。また、構造および制御が複雑となり、その信頼性の低下を招く。
これに対し、本実施形態では、伝達手段(回転部材741及びアーム部材742)は、ワンウェイクラッチOW1を備え、ワンウェイクラッチOW1の内輪(第1部材)がワンウェイクラッチOW1の外輪(第2部材)に対して、一方向に変位される場合には、内輪および外輪にローラーが係合して、駆動力が伝達されると共に、内輪が外輪に対して他方向へ変位される場合には、内輪および外輪へのローラーの係合が解除されて、駆動力の伝達が遮断され、蓋部材770(変位部材)の変位区間のうちの第2区間DK2(所定の区間)では、外輪が内輪に対して一方向へ向けて変位されるので、回転部材741の駆動状態にかかわらず、第2区間DK2における蓋部材770の変位速度を、他の区間における蓋部材770の変位速度よりも速くすることができる。よって、蓋部材770に変化を付与して、その蓋部材770の変位に伴う演出効果を高めることができる。
また、駆動モータKM4の駆動状態に関わらず、外輪を内輪に対して一方向に先行させることができるので、例えば、蓋部材770の変位区間における全区間において、駆動モータKM4を一定の駆動速度で駆動でき、蓋部材770の変位区間の途中で(即ち第1区間DK1か第2区間DK2かに応じて)、駆動モータKM4の駆動速度を増減させる必要がない。その結果、制御を簡略化して、制御コストを削減できると共に、動作の信頼性の向上を図ることができる。或いは、第2区間DK2では、駆動手段の動作を停止させることができ、この場合には、消費エネルギーの抑制を図ることができる。
また、内輪を外輪に対して他方向へ変位させる方向の駆動状態では、ローラーの係合が解除されて、駆動力の伝達が遮断されるので、変位部材を停止状態(被駆動状態)とすることができ、かかる駆動状態における駆動手段(駆動モータKM4)の駆動力を回転体800を駆動するための駆動力として利用することができる。即ち、駆動手段(駆動モータKM4)の駆動方向を切り替えることで蓋部材770と回転体800との2部材をそれぞれ変位させることができる。
また、蓋部材770は、回転可能に形成されると共に、その重心位置が回転中心から偏心された位置に配置され、第2区間DK2では、蓋部材770の重さが外輪を一方向へ変位させる方向へ作用可能に形成されるので、かかる蓋部材770の重さを利用して、外輪を内輪に対して一方向へ先行して変位させることができる。即ち、第2区間DK2における蓋部材770の変位速度を、第1区間DK1の区間における蓋部材770の変位速度よりも速くすることができる。その結果、蓋部材770の変位態様に変化を付与して、その変位部材の変位に伴う演出効果を高めることができる。
さらに、駆動力の伝達は、ワンウェイクラッチOW1の外輪が取着される本体部741b及びその本体部741bから突出すると共に、その本体部741cの回転中心から変位して位置する突起741a(ピン部)を有する回転部材741(クランク部材)と、アーム部材742とで行われるので、外輪によって回転部材741を回転させ、突起741aを第1摺動溝742bに沿って摺動させることで、回転部材741の他端側(第2摺動溝742c側)を往復運動させることができる。この場合、アーム部材742の他端側が蓋部材770の往復運動に伴って、蓋部材770を開放状態の位置と閉鎖状態の位置との間で往復動作させることができる。即ち、駆動モータKM4の駆動方向を切り替えることなく、蓋部材770の変位方向を切り替えることができる。
またこの場合、第2区間DKの区間を往復動作の両方に形成することができるので、蓋部材770が往復動作される際には、いずれの方向へ変位させる際にも、その変位の途中から蓋部材770の変位速度を早くすることができる、その結果、蓋部材770の変位態様に変化を付与して、その蓋部材の変位に伴う演出効果を高めることができる。
次いで、図65を参照して、回転規制部材780の変位について説明する。図65(a)は閉鎖状態における装飾ユニット750の側面図であり、図65(b)は開放状態における装飾ユニット750の側面図である。なお、図65(a)及び図65(b)では、箱部材760の左側側面板765が透明視された状態が図示される。
図65(a)に示すように、蓋部材770が閉鎖状態とされる場合には、回転規制部材780は、付勢ばねSP5の付勢力により、突起782側が下方に押し下げられた状態(図65(a)において軸孔781の軸を中心に時計回りに回転された状態)とされる。
よって、回転体800の回転軸から係合突起882の外側までの距離寸法L4は、回転体800の回転軸から回転規制部材780の突起782の先端までの距離寸法L5よりも小さくされる(L4<L5)。
従って、回転体800と回転規制部材780とは係合されず、回転体800は回転可能とされる。
一方、図65(b)に示すように、蓋部材770が開放状態とされる場合には、回転規制部材780は、当接面783が回転体800の背面側に変位される蓋部材770と当接して、当接面783が下方に押し下げられた状態(図65(b)において軸孔781の軸を中心に反時計回りに回転された状態)とされる。
よって、回転体800の回転軸から係合突起882の外側までの距離寸法L4は、回転体800の回転軸から回転規制部材780の突起782の先端までの距離寸法L6よりも大きくされる(L6<L4)。
その結果、左回転部880の係合突起882を重力方向一番下方に配置した状態の回転体800において、係合突起882の内側に回転規制部材780の突起782を挿入することができる。即ち、回転体800と回転規制部材780とが係合されるので、回転体800が回転不能とされる。なお、本実施形態では、回転体800の回転を不能とする位置(係合突起882の内側に突起782が挿入される位置)が後述する回転体800の開閉部材870が開放状態とされる位置に設定される。
即ち、回転体800の回転を規制する回転規制部材780(回転規制手段)は、開閉部材870(変位部材)が、開放位置(第2位置)へ変位され、変位部材の他側が遊技領域に張り出された場合に回転体800の回転を規制するので、開閉部材870が張り出された状態で回転体800が回転されて、その回転軌跡上に位置する他の部材に開閉部材870が干渉することを抑制できる。また、遊技領域を流下する遊技球を変位部材が受け止めた際に作用する荷重や変位部材の上面を転動する遊技球の重さにより回転体800が回転されることを抑制できる。
ここで、変位可能に形成される第1部材および第2部材を備え、第1部材が、第2部材の少なくとも一部を視認不能に覆う覆設位置と、その覆設位置に配置された状態よりも第2部材を視認不能に覆う領域を減少させる退避位置との間で変位可能に形成された遊技機が知られている。この遊技機によれば、第1部材を覆設位置に配置し、第2部材を遊技者から視認不能とした状態から、第1部材を退避位置に変位させることで、第2部材を露出させて遊技者に視認させる演出を行うことができる。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、第2部材が変位可能に形成されているため、第2部材が露出された際に、かかる第2部材が変位される恐れがある。そのため、遊技者に第2部材を適正な状態で視認させることができず、演出効果が低下するという問題点があった。
これに対し、本実施形態によれば、蓋部材770(第1部材)は、開放状態の位置(退避位置)に変位された状態において、回転体800(第2部材)の変位を規制可能に形成されるので、かかる回転体800を適正な状態で遊技者に視認させることができ、演出効果を確保できる。即ち、蓋部材770を開放状態の位置へ変位させ、回転体800を露出させるという演出を行う際に、その演出のために行わざる得ない蓋部材770の開放状態の位置への変位を、回転体800の変位を規制する手段として利用する。よって、回転体800の変位を規制するための機構を別途設けることや制御を行う必要がなく、その分、構造を簡素化できる。
また、回転体800は、後述するように外周面の形状が回転中心から非対称に形成される(図67参照)。よって、回転体800は、回転可能に形成されると共に、その重心位置が回転中心から偏心されるので、かかる回転体800の設計の自由度を高めることができる。即ち、回転体800をその重心位置が、回転中心に位置する形状とする必要がなく、回転軸に対して非対称の形状を採用できるので、かかる回転体800による演出効果を高めることができる。一方で、このように、回転体800の重心位置が偏心されていると、回転体800がその重力で、回転中心まわりに回転(自転される恐れがある)よって、閉鎖状態の位置に変位された蓋部材770が、回転体800の変位を規制可能に形成される構成が特に有効となり、これにより、回転体800を適正な状態で遊技者に視認させることができ、演出効果を確保できる。
なお、回転体800は、軸を中心に対称に形成されていてもよい。この場合、回転体800を比重の異なる2つ以上の部材から形成することでその重心位置を回転軸と異なる位置に配置することができる。例えば、半面を金属材料から形成して、残りの半面を可撓性材料から形成することで、一般的に可撓性材料よりも比重の大きい金属材料側に重心を位置させることができる。
次いで、図66から図68を参照して回転体800の構成について説明する。図66(a)は、回転体800の正面図であり、図66(b)は、図66(a)の矢印LXVIb方向視における回転体800の側面図であり、図66(c)は、図66(a)の矢印LXVIc方向視における回転体800の側面図である。図67は、回転体800の分解斜視正面図であり、図68は、回転体800の分解斜視背面図である。
図66から図68に示すように、回転体800は、複数の部材を組み合わせることで円柱状に形成される。回転体800は、軸部分に配置されるベース板810と、そのベース板810を取り囲んで配置され円環状に組み合わせられる第1表示部830、第2表示部840、第3表示部850及び第4表示部860と、軸方向の一端に配設される右回転部89と、軸方向の他端に配設される左回転部880と、第1表示部830の内側に配設される開閉部材870とを主に備えて形成される。
ベース板810は、軸方向視における断面が断面略L字に形成されると共に、軸方向に延設した形状に形成される。ベース板810は、左右の両端部から外側に突出する右端部811及び左端部812を備えて形成される。
右端部811は、ベース板810の正面視右側(図66(a)右側)から円環状に突出して形成される。右端部811は、その右端部811の突出先端に部分的に突出する先端部811aと、円環状の内側部分の連通孔811bとを主に備えて形成される。
先端部811aは、右端部811の先端部分から、軸方向にさらに突出されると共に、右側側面視(図66(c)の方向視)における突出領域が右側側面板764の係合部764eの内側の領域よりも小さく設定される。先端部811aは、上述したように右側側面板764の係合部764eの内側に挿入される。これにより、ベース板810と右側側面板764(蓋部材770)とが係合された状態とされる。その結果、ベース板810を後述する各表示面(第1表示部830、第2表示部840、第3表示部850及び第4表示部860)の回転変位に対して停止した状態にできる。
連通孔811bは、後述するLED基盤820に連結される配線(図示せず)を挿通する開口であり、ベース板810の正面視右側の側面に貫通形成される。これにより、配線を挿通することができる。
左端部812は、ベース板810の正面視左側(図66(a)左側)から円環状に突出して形成される。左端部812は、その左端部812の下側半円から突出する先端部812aと、円環状の内側部分の連通孔812bとを主に備えて形成される。
先端部812aは、左端部812の先端部分から、軸方向にさらに突出されると共に、左側側面視(図66(b)の方向視)における突出形状が円環状状の下半円とされる。
連通孔812bは、後述する開閉部材870により回転体800の内部に送球された球を回転体800の外側に排出するための経路である。連通孔812bは、その内径が、球よりも大きく設定されると共に、ギヤカバー733に形成された貫通孔733aと略同一に設定される。
また、連通孔812bは、ギヤカバー733の貫通孔733aに連結される開口であり、左端部812の突出距離が貫通孔733aと当接する距離に設定される。さらに、貫通孔733aの端面の上半球には、突起733bが形成される。突起733bの突出距離は、先端部812aの突出距離と略同一に設定される。これにより、ベース板810とギヤカバー733(左側伝達部材730)とが係合された状態とされる。その結果、ベース板810を後述する各表示面(第1表示部830、第2表示部840、第3表示部850及び第4表示部860)の回転変位に対して停止した状態にできる。
ベース板810の底面には、逆回転防止部材813が回転可能状態で配設される。逆回転防止部材813は、上面視略円形に形成されると共に、一端側に傾斜した突起813aが形成される。また、逆回転防止部材813は、ベース板810との間に付勢ばねSP6が配設されており、これにより、突起813aを常に正面視左側(図66(a)左側)に付勢した状態とされる。
右回転部890は、所定の厚みの板状に形成されると共に、側面視円環状に形成される。右回転部890は、円環の内側の内径がベース板810の右端部811の大きさよりも大きく形成される。これにより、右回転部890の内側にベース板810の右端部811を挿入できる。また、右回転部890は、左右方向に貫通する軸孔891と、その軸孔891を中心に湾曲して開口される摺動溝892とを主に備えて形成される。
軸孔891は、後述する開閉部材870の軸部872が挿入される孔であり、軸部872の外径よりも大きい内径に形成される。これにより、開閉部材870の軸部872が第1表示部830に対して変位することを抑制できる。
摺動溝892は、軸孔891を中心とした湾曲形状に形成され、その半径は、開閉部材870の突起871及び軸部872までの離間距離と同一に設定される。これにより、摺動溝892の内部に開閉部材870の突起871が挿入されることで、開閉部材870の変位の際に突起871を摺動溝892の内部を摺動させることができる。
左回転部880は、所定の厚みの板状に形成されると共に、側面視円環状に形成される。左回転部880は、円環の内側の内径がベース板810の左端部812の大きさよりも大きく形成される。これにより、左回転部880の内側に、ベース板810の左端部812を挿入できる。また、左回転部880は、内縁部分から円環状に突出する壁部881と、側壁から突出する係合突起882と、内縁部に傾斜面を連続して並べた係止部883とを主に備えて形成される。
壁部881は、回転体800の正面視左側に突出して形成される。壁部881は、突出先端の外周面にギヤの歯面881aが刻設されると共に、内側に開口する連通孔881bを備える。歯面881aは、上述したように伝達ギヤ881dに歯合される。これにより、駆動モータKM4の駆動力を回転体800に伝達させることができる。
連通孔881bは、回転体800の内部空間と外部空間とを連通する開口であり、後述する開閉部材870の開放により回転体800の内部に送球された球を排出できる。
係合突起882は、上述したように、回転規制部材780が係合される突起である。係合突起882は、左回転部880の正面視左側の側面から突出して形成される。また、係合突起882は、所定の距離離間した位置に2つ形成されており、その間に回転規制部材780の突起782が挿入可能に形成される。
係止部883は、その断面が鋸歯状に形成される。左回転部880は、ベース板810に配設されると、係止部883に上述した逆回転防止部材813の突起813aの先端が当接された状態とされる。これにより、左回転部880を一方向へ回転させる回転力が作用する際には、係止部883の傾斜面に沿って突起813aを摺動させて左回転部880を回転させることができるが、左回転部880を他方向へ回転させる回転力が作用する際には、係止部883の面が突起813aに引っ掛り回転が抑制される。
これにより、回転体800が駆動モータKM4の回転駆動力により回転される方向とは逆方向へ回転されることを規制することができるので、例えば、回転体800の重心位置の偏りや遊技球の衝突などに起因して回転体が逆回転されることを抑制できる。
第1表示部830から第4表示部860は、それぞれが同一の湾曲形状に形成されており、互いの端面が連結されることで、一つの円環状にできる。また、1つの円環にされた第1表示部830から第4表示部860の内径は、左右の回転部880,890の外径と略同一に設定される。これにより、各表示部830〜860を左右の回転部880,890に配設することで第1表示部830から第4表示部860を1つの円柱状に形成することができる。
また、第1表示部830から第4表示部860は、それぞれにキャラクターや模様が描かれており、上述したように左回転部880から駆動力が伝達されることで回転して、それぞれのキャラクターや模様を遊技者に視認させることができる。
第1表示部830は、その湾曲面に開口した開口831と、軸側に開放すると共にU字状に突出形成される軸受部832とを主に備えて形成される。
開口831は、内部に後述する開閉部材870を配置する開口であり、開閉部材870の外形と略同一の内径の開口に形成される。軸受部832は、開放したU字部分に開閉部材870の軸部872を挿入可能な大きさに形成される。よって、開閉部材870を開口831に挿入すると共に、開閉部材870の軸部872を軸受部832に挿入することで、開閉部材870を第1表示部830に対して回転変位させることができる。なお、開閉部材870の変位態様についての説明は後述する。
LED基盤820は、電力が供給されることで、LED基盤820に搭載されたLEDライトを発光させることができる。またLED基盤820は、ベース板810の背面側に取着される。
次いで、図69を参照して、開閉部材870の開閉について説明する。図69(a)は、開閉部材870が閉鎖状態における回転体800の側面図である。図69(b)は、開閉部材870が開放状態における回転体800の側面図である。なお、図69では、開閉部材870が他の部材と重なる際に、その外径が鎖線で図示される。
また、開閉部材870の閉鎖状態とは、開閉部材870の外周面が、第1表示部830の外周面と略平行に配置された状態である。一方、開閉部材870の開放状態とは、開閉部材870の外周面が第1表示部830の外周面と交差する状態に配置された状態である。
図69(a)に示すように、開閉部材870が閉鎖状態における回転体800は、開閉部材870の突起871が、右回転部890の摺動溝892の一端側(図69(a)では軸部872の下方側)に位置される。
一方、図69(b)に示すように、開閉部材870が開放状態における回転体800は、開閉部材870の突起871が、右回転部890の摺動溝892の他端側に位置される。即ち、開閉部材870の変位は、突起871が右回転部890の摺動溝892の内部を摺動することで行われる。
次いで、図70を参照して、突起871の変位について説明する。図70(a)及び(b)は、装飾ユニット750の側面図である。なお、図70(a)及び図70(b)では、箱部材760の右側側面板764が透明視された状態で図示される。
また、図70(a)では、装飾ユニット750が閉鎖状態とされ、開閉部材870が閉鎖状態とされた状態が図示される。図70(b)では、装飾ユニット750が開放状態とされ、開閉部材870が開放状態とされた状態が図示される。
図70(a)に示すように、装飾ユニット750が閉鎖状態とされると、右側蓋部773の外縁部が突起871と当接した状態とされる。装飾ユニット750が閉鎖状態において、右側蓋部773の下半面における回転軸からの外径L7は、右回転部890の軸から摺動溝892の一端側までの距離L8よりも小さくされる(L7<L8)。
また、L7とL8との寸法の差は、突起871の外径と略同一に設定される。よって、右側蓋部773の外縁部が突起871と当接した状態では、突起871が摺動溝892の一端側に変位される。その結果、開閉部材870が閉鎖状態とされる。即ち、装飾ユニット750が閉鎖状態とされる際に、開閉部材870が開放状態に変位することを抑制できる。
図70(b)に示すように、装飾ユニット750が開放状態とされると、右側蓋部773の変位に伴って外縁部に形成される凹部773bが変位する。この場合、凹部773bの内側に突起871が挿入される。これにより、突起871は、摺動溝892を他側に変位可能とされる。その結果、軸部872と第1表示部830との間に配設される付勢ばねSP7の付勢力により、開閉部材870が開放状態とされる。
上述したように、開閉部材870の開放状態への変位は、蓋部材770の変位に従って行うことができる。よって、開閉部材870を駆動させる駆動源を回転体800に配設する必要がないため、回転体800を小さく形成できる。
また、開閉部材870を変位させるための駆動モータKM4を蓋部材770を変位させるための駆動手段として兼用できる。この場合、開閉部材870と蓋部材770とを別々の駆動手段の駆動力により変位させる場合には、制御不良が生じると開閉部材870と蓋部材770とが干渉するおそれがあるところ、開閉部材870と蓋部材770とを機械的に連結してそれらの変位を同期させることができるので、開閉部材870と蓋部材770とが干渉することを抑制できる。
図70(b)に示すように、開閉部材870を開放すると、回転の先端側は、箱部材760の入賞口761aの上方に配置される。これにより、後述する球受台710の送球部711cから送球される球を開閉部材870の上面に落下させることができる。
この場合、開閉部材870は、回転先端側が、軸部872よりも上方に配置される。よって、上面に落下する球を回転体800の内部側へ転動させることができる。回転体800の内部へ転動される遊技球は、回転体800の内部に配設されるベース板810の上面に転動される。更に、ベース板810は、左端部812側に向かって下方に傾斜した状態とされるので、ベース板810の上面に転動される球を左端部812側に転動させて、その内側から回転体800の外方に排出することができる。即ち、回転体800の内部を球の送球経路として利用することができる。
また、回転体800には、上述したように、回転体800の回転を規制する回転規制部材780が配設されるので、蓋部材770を開放状態の位置に変位させ、回転体800を露出させる演出を行う際には、更に、開閉部材870を変位させることで、その演出効果を高めることができる。一方で、回転体800が回転(自転)される恐れがある。よって開放状態の位置に変位された蓋部材770が、回転体800の変位を規制可能に形成されるという構成が特に有効となり、これにより、回転体800を適正な状態で遊技者に視認させることができ、演出効果を確保できる。
ここで、回転可能に形成され、その回転軸まわりの外面が、遊技者に視認可能に配設される回転部材を備えた遊技機が知られている。この遊技機によれば、回転部材が円筒状に形成され、その外周面の表示(図柄)を回転部材を回転させつつ、又は、回転部材を停止させて遊技者に視認させることができる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技者に視認させるための表示をその外面に保持するための部材のとして利用されるのみで、回転部材の活用が不十分であるという問題点があった。即ち、回転部材は、遊技者が視認可能な程度の表示を保持する必要があるため、比較的大型に形成される。そのため、その占有空間が嵩む一方、その外面以外の部分は活用されていない。
これに対し、本実施形態によれば、回転体800(回転部材)は、その内部に形成される内部空間を外部に連通させると共に、遊技球が通過可能に形成される開口831及び連通孔881b(連通口)を備えるので、遊技領域を流下する遊技球を、開口831及び連通孔881bを介して内部空間へ流入または内部空間から流出させることができる。よって、デッドスペースとされる回転体800の内部空間を遊技球の貯留空間または送球通路として機能させることができ、その分、回転体800を活用できる。
また、上述した従来の遊技機では、回転部材を停止に伴って、外周面の表示を遊技者に視認させる演出態様を形成できるのみであるため、演出態様の変化が乏しく、演出効果が不十分であるいう問題点があった。
これに対し、本実施形態によれば、回転体800(回転部材)の外面に変位可能に配設される開閉部材870(変位部材)を備えるので、回転体800の回転または停止に伴って外面の表示を遊技者に視認させる演出態様に加え、開閉部材870を変位させる演出態様を形成できるので、その分、演出態様に変化を付与して、演出効果を高めることができる。
蓋部材770(変位部材)は、閉鎖位置(第1位置)に変位されると、回転体800(回転部材)の外面の一部が開閉部材870により形成されるので、回転体800の外形を小さくでき、その分、回転体800が回転するのに要するスペースを小さくできる。一方、開閉部材870が、開放位置(第2位置)へ変位されると、回転体800の径方向外方へ開閉部材870が突出されるので、開閉部材870の変位を遊技者に視認させやすくでき、演出効果を高めることができる。また、開閉部材870を閉鎖位置に配置した状態で回転体800を回転させると共に、その回転を停止した際に開閉部材870を開放位置に配置する(変位させる)ことで、回転体800の外面として視認していた部分(開閉部材870)が、回転体800の径方向外方へ突出される態様を形成でき、興趣を高めることができる。
また、回転体800の内部空間にベース板810に光を発光するLED基盤820が配設される。よって、開閉部材870が開放位置にされることで、回転体800の外面が開放され内部空間が外部に連通され、LED基盤820からの発光を外部に出射させることができる。一方、開閉部材870が閉鎖位置にされることで、回転体800の外面が閉鎖され、LED基盤820からの発光が外部へ出射されること遮断することができる。その結果、演出効果を高めることができる。
ここで、回転体800を回転可能にすると共に、その回転体800に開閉部材870を変位可能に配設するためには、回転体800及び開閉部材870のそれぞれに駆動手段が必要となり、製品コストが嵩む。また、開閉部材870を変位させるための駆動手段を回転体800に搭載すると、回転体800の重量が増加するため、回転体800の回転の開始または、停止を円滑に行うことが困難となる。
これに対し、本実施形態によれば、開閉部材870は、蓋部材770の変位に伴って変位され、蓋部材770及び回転体800は同一の駆動モータKM4により変位されるので、1の駆動モータKM4を兼用して、回転体800の回転と、開閉部材870の変位とを行うことができる。よって、製品コストの削減を図ることができる。また、開閉部材を変位させるための駆動手段を回転体800に搭載する必要がないので、回転体800の重量を軽量化でき、回転体800の回転の開始または停止を円滑に行うことができる。
また、開口831(第1連通口)及び連通孔881b(第二連通口)は、異なる位置に形成されるので、開口831を外部から内部空間に遊技球を流入させる流入口とし、連通孔881bを内部空間から外部へ遊技球を流出させる流出口とすることができる。即ち、回転体800(回転部材)を回転させなくても(停止状態に維持したままで)、回転体800を遊技球の送球通路として活用できる。
さらに、開口831は、回転体800の外周面に形成され、連通孔881bは、回転体800の軸方向の端面に形成されるので、回転体800(回転部材)の内部空間への遊技球の流入を遊技者に視認しやすくできると共に、回転体800を停止状態に維持したままで、遊技球を排出することができる。
即ち、回転体800は、外面が遊技者から視認可能に配設されるところ、その外面に、開口831(流入口)が形成されるので、遊技球の流入を遊技者に視認させやすくできる。一方、回転体800の外面に連通孔881bが形成されると、かかる連通孔881bが上方となる回転位置に回転体800が配置されると、内部空間から遊技球を流出させることができないところ、連通孔881b(流出口)は、回転体800の回転軸方向の端面に形成されるので、回転体800の回転位置に関わらず、内部空間から遊技球を流出可能な状態を形成できる。
また、開口831(第1連通口)の内側には、変位可能な開閉部材870(変位部材)が配設され、開閉部材870が閉鎖位置(第1位置)へ変位されると、開口831が開閉部材870によって遮蔽され、開閉部材870が開放位置(第2位置)へ変位されると、開口831が開放されるので、開口831を介した遊技球の流入を遮蔽状態と許容状態とに切り替えることができる。
さらに、開閉部材870(変位部材)は、一側が回転体800(回転部材)に回転可能に軸支され、開閉部材870が開放位置(第2位置)に変位されると、一側と反対側となる他側が遊技領域へ張り出されるので、遊技領域を流下する遊技球を開閉部材870の上面に受け止めさせることができる。よって、開口831が、流入口として形成されると、遊技領域を流下する遊技球を開閉部材870を利用して、回転体800の内部空間へ流入させやすくできる。
また、遊技領域を流下する遊技球を開閉部材870の上面に止め易くさせることができる。よって、例えば、回転体800に遊技球の流入口が形成される場合には、遊技領域を流下する遊技球を、開閉部材870を利用して、流入口に流入させやすくすることができる。この場合、遊技領域を流下する遊技球を開閉部材870に受け止めさせると、その際に作用する荷重や変位部材の上面を転動する遊技球の重さにより回転体800が回転される恐れがある。よって、開放状態の位置に変位された蓋部材770が、回転規制部材780を変位させて回転体800の変位を規制可能に形成されるという構成が特に有効となり、これにより、開閉部材870を遊技領域の所定の位置に張り出せた状態を維持しやすくできる。
開閉部材870の軸部872は、回転体800の回転方向側に配置される。言い変えると、開閉部材870(変位部材)は、その一側が他側よりも回転体800(回転部材)の回転方向前方側に位置される。よって、回転体800が回転される際に、その回転部材の周りに配設される部材に開閉部材870が干渉したとしても、かかる干渉により発生する力を開閉部材870を閉じる(閉鎖位置へ変位させる)方向へ作用させることができる。即ち、回転体800の回転時に開閉部材870が他の部材に干渉して張り出される(第2位置)へ変位されることを抑制できる。また、開閉部材870が他の部材に係合して回転体800の回転が阻害されることを抑制できる。
また、回転体800の内部空間に配設されるベース板810(固定部材)は、回転体800が回転可能に配設される箱部材760(ベース部材)に対して非回転とされるので、開口831から回転体800の内部空間に流入された遊技球をベース板810の上面を連通孔881bへ向けて転動させることで、回転体800の回転に伴って、遊技球が内部空間で暴れる又は、遊技球の転動が阻害され内部空間に留まることを抑制できる。
上述したように、開閉部材870の開閉動作は、蓋部材770の変位によって規制されるので、開放状態(第2位置)へ変位された開閉部材870が回転体800の周囲の部材に干渉することを抑制できる。
上述したように、回転体800には、ベース板810の背面側に取着されるLED基盤820への配線を挿通させる連通孔811bが、連通孔881bが形成された回転体800の端面と反対の端面に形成される。よって、連通孔881bおよび連通孔811bのそれぞれに使用できるスペースを確保しやすくできる。
即ち、回転体800の内部に配設するLED基盤に電気的な配線をする場合、回転体800の外周面から配線を挿通すると回転体800の回転により配線が絡まるため、回転体の軸方向端面から配線することが好ましいところ、回転体800の軸方向両端面に遊技球が流入する開口および遊技球が流出する開口を形成するものであると、配線を挿通させるスペースが確保し難くなる。
これに対し、本実施形態では、回転体800の遊技球の流入口をその外周面とできるので、回転体800の軸方向端面の一方を遊技球の流出口とすると共に、他方を配線の挿入口とすることができるので、配線を挿通させるスペースを確保しやすくできる。
その結果、連通孔881bを介して遊技球の排出をスムーズに行わせることができると共に、電気的接続線(LED基盤820への配線)の開口への配線作業を行いやすくできる。また、連通孔881bと連通孔811bとを最大限離間させることができるので、回転体800の内部空間を連通孔881bへ転動する遊技球と電気的接続線との干渉を抑制しやすくできる。
次いで、図71及び図72を参照して、下変位ユニット400及び回転ユニット700について説明する。図71は、下変位ユニット400及び回転ユニット700の正面図であり、図72は、図71の矢印LXXII方向視における下変位ユニット400の上面図である。なお、図71及び図72では、退避状態における下変位ユニット400が図示される。
図71及び図72に示すように、下変位ユニット400及び回転ユニット700は、左右方向に隣合う位置に配置される。また、前後方向(図72上下方向)における下変位ユニット400及び回転ユニット700は、球受台710の前後方向略中央位置に下変位部材440の出射開口471が配置される。
次いで、図73を参照して、下変位ユニット400から回転ユニット700への球の送球を態様を説明する。図73は、下変位ユニット400及び回転ユニット700の正面図である。なお、図73では、下変位ユニット400が第1張出状態に配置された状態が図示される。
図73に示すように、下変位ユニット400が、第1張出状態とされ、下変位部材440の内部に配設された球受部467が内側に球を受け入れた状態(球受動作をした状態)で発射動作をすると、上述したように、下変位部材440の出射開口471から球受部467の内部に配置された球が下変位部材440の外方に排出される。
下変位部材440の出射開口471から排出された球は、自由落下をして、正面視右側に配設される回転ユニット700の球受台710に落下する。その結果、下変位ユニット400から回転体800へ球を送球することができる。
次いで、図74及び図75を参照して、球受台710の構成について説明する。図74(a)は、球受台710の上面図であり、図74(b)は、球受台710の正面図であり、図74(c)は、図74(a)のLXXIVc−LXXIVc線における球受台710の断面図である。図75は、球受台710の分解斜視図である。
図74及び図75に示すように、球受台710は、箱状に形成される皿受部711と、その皿受部711の内側に配設されるソレノイド712と、そのソレノイド712に連結される変位部材713と、ソレノイド712を覆設するカバー部材714とを主に備えて形成される。
皿受部711は、底面を形成する底板711aと、その底板711aの縁部に立設される立設部711bと、底板711aの外縁の一部から突出する送球部711cと、その送球部711cの縁部に立設される立設部711bに貫通形成される軸孔711dとを主に備えて形成される。
底板711aは、後述する送球部711c側に向かって下方に撓んだ形状に形成される。これにより、底板711aの上部に送球された球をその撓み(傾斜)で送球部711c側に転動させることができる。
また、底板711aは、可撓性材料で形成されると共に、底板711aの下面(図74(c)下面)には、シボ加工が施され、表面に細かい凹凸が形成される。これにより、底板711aを成形した際に、熱収縮する比率を上面と底面とで異ならせて、底面側に撓み易くできる。即ち、シボ加工が施される底面は、凹凸により熱収縮した際に底板側を凸に湾曲させる方向へ力が作用し難くなる。一方、上面側は、平坦面に形成されるので熱収縮した際に水平方向に引張る力が作用して端部が上方に変化し易くなる(上面側が凹の湾曲を形成しやすい)。従って、熱収縮した際に球が転動しやすくなる方向に撓み易くできる。その結果、底板711aを成形した際に不良品となることを抑制できる。
立設部711bは、送球部711cの外縁部から重力方向上側(図74(c)上側)に立設される壁部である。立設部711bの立設距離は、球の外径よりも大きく設定される。これにより、底板711aの上部に送球される球がその縁部から下方に落下することを抑制できる。なお、本実施形態では、立設部711bの立設寸法が球の直径の略1.5倍に設定される。
また、立設部711bは、底板711aの領域を2つに分断する中央立設部711b1が立設部711bに連結して形成される。中央立設部711b1により、一方を球が送球される領域に、他方を後述するソレノイド712が配設される領域に、底板711aの上部の領域が分けられる。
送球部711cは、底板711aの正面側に形成される。また、左右方向(図74(a)左右方向)の位置が底板711aの略中央位置よりも右側(図74右側)に配置される。さらに、送球部711cは、底板から突出される従って下方に湾曲される。これにより、底板711aから送球される球を送球部711cを介して下方に落下させることができる。なお、送球部711cの下側には、蓋部材770の入賞口761aが配設されており(図72参照)、送球部711cから落下する球を入賞口761aの内部に送球できる。
軸孔711dは、後述する変位部材713の軸部713aが挿入される。これにより、変位部材713を軸孔711dの軸を中心に回転変位させることができる。
ソレノイド712は、電力が付与されることで、ソレノイド712の内部に挿入した軸をピストン変位させることができる。ソレノイド712の軸には、伝達部材712aが取着される。伝達部材712aは、ソレノイド712の駆動力を後述する変位部材713に伝達する部材であり、先端に連通孔712a1が貫通形成される。
変位部材713は、断面C字状に形成され、その一端にC字の外側に突出する突起713bと、両端にC字の内側に突出する軸部713aとを主に備えて形成される。
突起713bは、ソレノイド712の連通孔712a1に挿入される突起であり、連通孔712a1の内径よりも大きい外径の円柱状に形成される。これにより、ソレノイド712の変位が伝達部材712aを介して変位部材713に伝達される。
軸部713aは、軸孔711dに挿入される軸である。軸部713aが軸孔711dに挿入されることで、変位部材713は、軸部713aの軸を中心に回転できる。即ち、ソレノイド712の変位により、変位部材713が駆動される。
カバー部材714は、ソレノイド712の外形よりも大きい外形に形成されており、底板711aの上部に配置されたソレノイド712の上方に配置されると共に、皿受部711に締結固定される。これにより、ソレノイド712を固定することができる。
次いで、図76を参照して球受台710に落下する球について説明する。図76(a)及び図76(b)は、球受台710の断面図である。なお、図76(a)及び図76(b)は、図74(c)の球受台710の断面と対応する。
図76に示すように、下変位ユニット400の下変位部材440から送球される球は、重力方向に自由落下すると共に、球受部467の発射動作により回転ユニット700側(図76(a)右側)へ変位する。即ち、球受台710の底板711aに対して正面視右下方向に落下される。
この場合、上述したように、底板711aは、送球部711c側に向かって下方に撓んで形成され、送球部711cは底板711aに対して右側に形成されるので、球が落下する底板711aの上面を右側に向かって下方に傾斜する傾斜面にできる。よって、球の変位方向と球が落下する底板711aの傾斜方向とを平行に近づけることができる。
これにより、図76(b)に示すように、底板711aに落下した球が上方向(図76(b)上方向)にバウンドすることを抑制できる。従って、下変位ユニット400の下変位部材440から回転ユニット700の球受台710に送球される球が、球受台710から落下することを抑制できる。
さらに、底板711aに落下した球を、その落下の勢いで送球部711c側に転動させることができる。よって、送球部711cまでの球の転動時間を短くすることができる。その結果、下変位部材440から球受台710へ送球される球をスムーズに送球することができる。
次いで、図77を参照して、球受台710の発光について説明する。図77(a)及び(b)は、図53のLXXVII−LXXVII線における回転ユニット700の断面模式図である。なお、図77(a)は、装飾ユニット750が閉鎖状態に、図77(b)では、装飾ユニット750が開放状態に、それぞれ配置された状態が図示される。
図77(a)に示すように、装飾ユニット750が閉鎖状態に配置された状態での球受台710への光の発光は、背面ベース720の背面側に配置されるLED基盤721により行われる。
詳しく説明すると、LED基盤721のLED721aから発光する光を、蓋部材770の背面側に反射させることで、球受台710の底板711aへ入射させる。また、上述したように、底板711aの底面には、シボ加工が施されるので、シボ加工の凹凸により入射された光を乱反射させることができる。これにより、球受台710の底面全体を発光させることができる。
一方、図77(b)に示すように、装飾ユニット750が開放状態に配置された状態では、上述したように、蓋部材770に透明部771aが形成されるので、LED基盤721のLED721aは、蓋部材770に反射されず透過される。蓋部材770の内側には回転体800が形成されるので、回転体800の外周面で反射させて球受台710へ入射させることができる。
またこの場合、回転体800の第3表示部850を球受台710側(図77(b)上側)に回転させることで、ベース板810の背面側に配置されるLED基盤820のLED821から発光する光を、回転体800の内壁に反射させて第3表示部850から出射させることができる。
上述したように、第3表示部850の内壁には、シボ加工が施されており、表面に複数の凹凸が形成される。よって、他の表示部よりも第3表示部850は、回転体800の外側に光を出射させやすくできる。そのため、第3表示部850を球受台710側に配置することが好ましい。
次いで、図78から図84を参照して、上変位ユニット900の詳細な構成を説明する。まず、図78から図80を参照して、上変位部材940を変位させる構造について説明する。
図78は、上変位ユニット900の正面図である。図79は、上変位ユニット900の分解斜視正面図である。図80は、上変位ユニット900の分解背面斜視である。なお、図78から図80では、上変位部材940が退避位置(ベース部材910に対して一番上方に配置された位置)に配置された状態が図示される。
図78から図80に示すように、上変位ユニット900は、背面ケース300の底壁部301(図6参照)に配設されるベース部材910と、そのベース部材910の内部に配設される伝達部材920と、ベース部材910に回転可能に連結されると共に伝達部材920の変位に伴って変位される回転部材930と、一端がベース部材410に摺動変位可能に連結されると共に回転部材930に連結されて回転部材930から駆動力を伝達されることで変位する上変位部材940とを主に備えて形成される。
ベース部材910は、正面視矩形横長の板部材を前後方向に2枚組み合わされて形成され、正面側に配設される正面ベース911と、背面側に配設される背面ベース912とを備える。正面ベース911及び背面ベース912との対向間には、伝達部材920及び回転部材930とが配設される。
正面ベース911は、前後方向(図78紙面奥行方向)に貫通した3つの摺動溝911c,911d,911eと、周方向中央位置の背面側に突出する軸支ピン911bと、正面ベースの一端側(正面視左側)の正面に突出する軸部911fと、一端側の前後方向に貫通する開口911aとを主に備えて形成される。
開口911aは、正面ベース911に配設される駆動モータKM5の軸を背面側に挿通させるための開口である。これにより、正面ベース911の正面側に配設される駆動モータKM5の軸を正面ベース911の背面側に挿通することができる。
軸支ピン911g,911bは、後述する伝達ギヤ922及び伝達ギヤ923の軸孔に挿通され、伝達ギヤ922及び伝達ギヤ923を回転可能に保持できる。即ち、軸支ピン911g,911bは、伝達ギヤ922及び伝達ギヤ923の軸孔の内径よりも小さい外径の円柱状に形成される。
摺動溝911cは、軸支ピン911bの軸を中心とする円弧状に貫通形成される。摺動溝911cは、後述する伝達ギヤ923の軸支ピン923aが挿通される開口であり、その円弧の半径が、後述する伝達ギヤ923の軸孔から軸支ピン923aまでの距離と略同一に設定される。これにより、軸支ピン923aを摺動溝911cの内部に挿通した状態で伝達ギヤ923を回転させた際に、軸支ピンと、摺動溝911cの内壁とが衝突することを抑制できる。
摺動溝911d,911eは、後述する上変位部材940の軸支ピン951,952が挿入される溝であり、その短手方向の幅寸法が軸支ピン951,952の外径よりも大きく設定される。
摺動溝911eは、正面ベース911の長手方向(正面視左右方向)に直線状に形成される。一方、摺動溝911dは、正面ベース911の下方を中心とした円弧状に形成される。即ち、摺動溝911eおよび摺動溝911dは、非平行に形成される。よって、左右方向に異なる位置では、2つの摺動溝911e,911dの上下方向の対向間の距離寸法が異なる状態に形成される。これにより、摺動溝911e,911dの内部を軸支ピン951,952を摺動させた場合に、その上下方向の対向間の距離寸法の差によって、上変位部材940が回転しつつ摺動される。
軸部911fは、正面側に円柱状に突出して形成される。軸部911fは、後述する回転部材930の一端に形成される貫通孔931に挿通して、回転部材930を回転可能な状態で保持することができる。即ち、軸部911fは、回転部材930の貫通孔931の内径よりも小さい外径に形成される。
背面ベース912は、正面ベース911の背面側に所定の間隔を隔てて取着される板部材である。背面ベース912は、金属材料から形成される。これにより、ベース部材910の全体の剛性を向上することができる。その結果、横長矩形に形成されるベース部材910に比較的重量の重い上変位部材940が配設された際に、ベース部材910がねじれることを抑制できる。
伝達部材920は、正面ベース911と背面ベース912との対向間に配設される。伝達部材920は、駆動モータKM5の軸に連結される伝達ギヤ921と、その伝達ギヤ921に歯合される伝達ギヤ922と、その伝達ギヤ922に歯合される伝達ギヤ923とを主に備えて形成される。
伝達ギヤ921は、上述したように軸孔に正面ベース911の正面側に配設された駆動モータKM5の軸が挿入されて駆動モータKM5と連結される。これにより、伝達ギヤ921は、駆動モータKM5の駆動力により回転変位することができる。
伝達ギヤ922は、上述したように伝達ギヤ921及び伝達ギヤ923と歯合される。これにより、伝達ギヤ921の回転の駆動力を伝達ギヤ923に伝達することができる。
伝達ギヤ923は、その外周縁部に正面側に突出する軸支ピン923aを備えて形成される。よって、伝達ギヤ923が回転されると、軸支ピン923aは、伝達ギヤ923の軸周りに回転変位される。
回転部材930は、一方側が長い棒状に形成され、一端側の端部に前後方向に貫通形成される貫通孔931と、長手方向略中央位置に長手方向に延設された開口932とを主に備えて形成される。
貫通孔931は、上述したように、正面ベース911の軸部911fが挿入される開口であり、軸部911fが挿入されることで、回転部材930を正面ベース911に対して回転可能な状態で保持することができる。また、軸部911fの先端には、付勢ばねSP8が配設される。これにより、回転部材930は、正面ベース911に対して他端側を上方に持ち上げる方向に付勢される。
開口932は、伝達ギヤ923の軸支ピン923aが挿入される溝であり、内部を軸支ピン923aが摺動可能に形成される。上述したように、伝達ギヤ923が回転変位されて軸支ピン923aの配置が変位する際に、開口932の内側を軸支ピン923aが変位する。よって、回転部材930は、一端が回転可能に軸支された状態で配置されるので、軸支ピン923aの変位により一端を軸に回転される。
また、回転部材930の他端側には、正面視円環状に形成されると共に、背面側に所定の厚みを備えた板状に形成される円環部材933が配設される。
円環部材933の正面側には、その外周縁に沿って対称の位置に凹設される2つの摺動溝933aを備えて形成される。円環部材933は、後述する上変位部材940との連結される部分であり、内側に上変位部材940の軸部953が挿入される。また、円環部材933と上変位部材940とは回転可能に連結されており、回転部材930が回転変位するに共に伴って上変位部材940が変位可能とされる。
摺動溝933aには、内側に上変位部材940の突起961が挿入されており、上変位部材940が回転部材に対して回転変位することで、突起961が摺動溝933aの内部を摺動できる。
また、摺動溝933aの円弧軸は、回転部材930に対する上変位部材940の回転軸とは、異なる位置に配置される。これにより、上変位部材940が回転部材930に対して回転変位した際に、第1開放部960を変位できる。なお、第1開放部960の詳しい説明は後述する。
なお、回転部材930の一端側(回転軸側)には、前方に板状体から形成される軸部カバー913及び変形規制カバー914が配設される。軸部カバー913は、回転部材930の回転軸部分の前方に配設されており、回転部材930が前後方向にがたつくことが抑制される。変形規制カバー914は、回転軸から所定距離離間した位置に配設されており、回転部材930が他端側に配設される上変位部材940の重みで前後方向に変形することを抑制できる。
上変位部材940は、正面ベース911及び回転部材930に連結されるベース体950と、そのベース体950の背面側に回転可能に配設される2つの第1開放部960と、ベース体950の正面側に回転可能に配設される2つの第2開放部970と、一端側に配設される可変部980とを主に備えて形成される。
ベース体950は、一端側の背面に突出形成される2つの軸支ピン951,952と、他端側の背面に突出形成される軸部953とを主に備えて形成される。
軸支ピン951,952は、上述したように正面ベース911の摺動溝911e,911dに挿入される突起である。よって、上変位部材940が、回転部材930により駆動された際に、軸支ピン951,952が摺動溝911e,911dに沿って摺動することで、上変位部材940を左右方向にスライド変位させると共に、他端側を下方に回転変位させることができる。
軸部953は、上述したように、円環部材933に挿入されて回転部材930と連結される突起であり、円環部材933の内径よりも小さい外径の円柱状に形成される。これにより、上変位部材940を回転部材930に回転可能に連結できる。よって、回転部材930が駆動モータKM5の駆動力により、一端を軸に回転変位されると、円環部材933の変位により、上変位部材940に駆動力が伝達される。その結果、上変位部材940が、摺動溝911e,911dに沿って変位することができる。
第1開放部960は、前後方向に所定の厚みを備えた板部材であり、ベース体950の背面側に2枚配設される。第1開放部960は、ベース体950の他端側に回転可能に軸支されて配設される。また、第1開放部960は、背面側に突出すると共に、円環部材933の摺動溝933aの内側に配設される突起961を備える。これにより、上変位部材940が回転部材930の変位により回転部材930に対して回転変位した際に、突起961を摺動溝933aの内側を摺動させることができる。
この場合、上述したように摺動溝933aの湾曲軸は、回転部材930に対する上変位部材940の回転軸と異なる位置に配置されるので、突起961が摺動溝933aの内側を摺動するに伴って、ベース体950に軸支された第1開放部960を回転変位することができる。
第2開放部970は、前後方向に所定の厚みを備えた板部材であり、ベース体950の正面側に2枚配置される。第2開放部970は、ベース体950の他端側に回転可能に軸支されて配設される。また。第2開放部970は、第1開放部960が所定の変位をされた際に係合する係合突起(図示せず)を備えて形成される。これにより、上述したように第1開放部960が、上変位部材940が所定の回転変位をされた際に、軸支部分を軸に回転変位されると、第2開放部970と係合して第2開放部970を回転変位させることができる。
次いで、図81から図83を参照して、上変位部材940の変位について説明する。図81は、上変位部材940が退避位置に配置された状態における上変位ユニット900の正面図である。図82は、上変位部材940が中間位置に配置された状態における上変位ユニット900の正面図である。図83は、上変位部材940が張出位置に配置された状態における上変位ユニット900の正面図である。
なお、上変位部材940の退避位置とは、軸支ピン951,952が、正面ベース911の摺動溝911d,911eの他端側(正面ベース911の正面視右側)に配置された状態の位置である。また、張出位置とは、軸支ピン951,952が、正面ベース911の摺動溝911d,911eの一端側(正面ベース911の正面視左側)に配置され状態の位置である。更に、中間位置とは、上変位部材940が退避位置と張出位置との中間の位置に変位された状態の位置である。
図81から図83に示すように、上変位部材940が正面ベース911に対して変位されると、上変位部材940は、その長手方向を略水平方向(図81左右方向)から略鉛直方向(図83上下方向)に回転変位される。
また、その回転変位に伴って、上変位部材940の一端側の位置が、正面ベース911の正面視右側端部の位置から正面視略中央位置に変位される。即ち、上変位部材940は、上述したように駆動モータKM5の駆動力により回転部材930が回転されると、スライド変位しつつ回転変位される。
また、図82に示す中間位置から、図83に示す張出位置までの変位時に、上変位部材940に配設される第1開放部960がベース体950に対して回転変位される、よって、第1開放部960の回転変位に係合して変位する第2開放部970も同様にベース体950に対して回転変位される。よって、張出位置では、上変位部材940の長手方向を鉛直方向に向けると共に、第1開放部960及び第2開放部970が変位した状態とされる。
なお、本実施形態では、上変位部材940は、人間の腕(手も含む)形を模した形状に形成されている。よって、第1位置から第3位置に変位して、第1開放部960及び第2開放部970が変位されることで、人間の腕が太くなるような変位を遊技者に視認させることができる。
次いで、図84を参照して、可変部980の詳細な説明をする。図84(a)は、可変部980の正面図であり、図84(b)は、可変部980の背面図である。
図84(a)及び図84(b)に示すように、可変部980は、人間の手を模した形状に形成されており、手の後部分を形成する本体部981と、本体部981に連結されて手の指部分を形成する指部982〜986とを主に備えて形成される。
本体部981の内部には、駆動モータ(図示しない)が配設されており、内部に配設される可変板(図示しない)を前後方向(図84(a)上下方向)にピストン変位可能とされる。
指部982は、親指に相当する部分であり、基部側が本体部981の可変板に連結される。これにより、可変板がピストン運動をされることで指部982を変位させることができる。
指部983〜986は、その内側に基部側に配設される第1リンクRB1と、先端側に配設される第2リンクRB2とを主に備えて形成される。
第1リンクRB1は、先端側が第2リンクRB2に回転可能な状態で連結されると共に基部側が本体部981の可変板に連結される。従って、本体部981の可変板がピストン運動をされることで、第1リンクRB1および第1リンクRB1を介して第2リンクRB2を変位させることができる。これにより、指部983〜986を変位させることができる。なお、本実施形態では、指部982〜986を変位させることで、手の指を開閉する動作を遊技者に視認させることができる。
正面ベース411は、前後方向(図11紙面奥行方向)に貫通した2つの摺動溝411a,411bと、背面側に突出する円柱状の2本の軸支ピン411c,411dと、軸支ピン411dを軸とした円弧状に突出する湾曲壁部411eとを主に備えて形成される。
摺動溝411a,411bは、下変位部材440の背面側から突出する2本の突起472,473がそれぞれ挿通される孔である。摺動溝411a,411bは、それぞれ左右方向に長く伸びて形成される。よって、摺動溝411a,411bに挿通された突起472,473を摺動溝411a,411bに沿って変位させることで、下変位部材440を左右方向に摺動させることができる。
また、摺動溝411a,411bは、それぞれ円弧状に湾曲して形成されており、正面ベース411の左側(図11左側)端部から右側(図11右側)端部にかけて上方(図11上方向)に開口される。さらに、摺動溝411a,411bは、それぞれの円弧の軸が異なる位置に配置され、上下方向(図11上下方向)における対向間の隙間が左端部から右端部にかけて狭くされる。
下変位部材440のベース部材470の突起472,473は、その間の距離が変わらないので、下変位部材440を摺動溝に沿って摺動させた場合には、下変位部材440を回転させつつ変位させることができる。即ち、2つの摺動溝411a,411bの間の距離を変更することで、下変位部材440に回転の駆動力を与えることなく下変位部材440を摺動に伴って回転させることができる。
軸支ピン411cは、後述する伝達部材420のカム部材422の軸部422aに挿入される突起であり、軸部422aの内径よりも小さい外径の円柱状に形成される。また、軸支ピン411cは、金属製の棒状体から形成され、正面ベース411に外嵌される。よって、カム部材422にその外周面から軸方向に向かって力が作用した際に、軸支ピン411cが折れる(破損する)ことを抑制できる。
次いで、図85から図87を参照して、第2実施形態における下変位部材2440について説明する。第1実施形態では、可動ラック464及びラック466が、駆動モータKM2の駆動力により同方向に変位する場合を説明したが、第2実施形態における下変位部材2440は、可動ラック2464及びラック466が駆動モータKM2の駆動力により反対方向に変位される。なお、上記第1実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は、省略する。
まず、第2実施形態における下変位部材2440の全体構成について、図85及び図86を参照して説明する。図85は、第2実施形態における下変位部材2440の分解斜視正面図である。図86は、下変位部材2440の正面図である。なお、図86では、下変位部材2440の装飾部材450及び正面ケース481が透明視された状態が図示される。
図85及び図86に示すように、第2実施形態における下変位部材2440は、正面ベース411に連結されるベース部材2470と、そのベース部材2470の前後を覆うケース部材480と、ケース部材480とベース部材2470との間に変位可能に配設される伝達機構2460と、ケース部材480の前後を覆う態様で形成される装飾部材450とを主に備えて形成される。
ベース部材2470は、正面視矩形横長に形成される板部材であり、一端側の背面に突出する突起472,473と、他端側の縁部から正面側に立設する立設壁471aと、左右方向(図86左右方向)中央部の上端から正面側に上下方向反対のU字状に突出する突設壁477と、正面側に突設する軸部474,475と、その軸部474,475よりも上方に突設する軸部2470a,2470bとを主に備えて形成される。
軸部2470aは、後述する伝達ギヤ2468aが回転可能に軸支される軸部材であり、伝達ギヤ2468aの軸孔よりも小さく形成される。
軸部2470bは、後述する伝達ギヤ2468bが回転可能に軸支される軸部材であり、伝達ギヤ2468bの軸孔よりも小さく形成される。後述するように、伝達ギヤ2468a及び軸部2470aとは、その外周面に刻設されるギヤ歯面が歯合された状態で配設される。即ち、軸部2470a及び軸部2470bの正面視における間隔は、伝達ギヤ2468a及び伝達ギヤ2468bの半径分の距離に設定される。
伝達機構2460は、ベース部材470の前方に配置されており、伝達ギヤ461,462,463と、その伝達ギヤ461に軸部分が連結される駆動モータKM2と、伝達ギヤ463と歯合する歯面を有し、ベース部材470の前方にスライド変位可能に配設される可動ラック2464と、その可動ラック2464に歯合する伝達ギヤ2468aと、その伝達ギヤ2468aに歯合する伝達ギヤ2468bと、その伝達ギヤ2468bに歯合するラック46と、そのラック466の一端側に回転可能に配設される球受部467とを主に備えて形成される。
可動ラック2464は、正面視矩形横長の板状体に形成され、下端面に刻設されるラックギヤ464aと、上端面に刻設されるラックギヤ2464gと、下方の端部に突出する衝突部464fとを主に備えて形成される。
ラックギヤ2464gは、後述する伝達ギヤ2468aに歯合される。これにより、駆動モータKM4から駆動が伝達されてラック466が変位されると、その変位に伴って伝達ギヤ2468aを回転させることができる。
伝達ギヤ2468a,2468bは、上述したように互いに歯合した状態でベース部材2470の軸部2470a,2470bにそれぞれ軸支される。これにより、伝達ギヤ2468aが回転されると、伝達ギヤ2468bが回転される。また、伝達ギヤ2468bは、ラック466のラックギヤ466aに歯合されており伝達ギヤ2468bが回転されると、ラック466に駆動力が伝達されてラック466が変位される。
即ち、駆動モータKM4の駆動力によりラック466を駆動させることができる。なお、伝達ギヤ2468a,2468bは、一部前後方向にずれた位置に配置されており、伝達ギヤ2468aはラック466に、伝達ギヤ2468bは可動ラック2464にそれぞれ衝突することが抑制される。
次いで、図87を参照して、下変位部材2440の変位について説明する。図87は、下変位部材2440の正面図である。なお、図87では、図86と同様に、下変位部材2440の装飾部材450及び正面ケース481が透明視された状態で図示される。
図87に示すように、駆動モータKM2に電力が付与されて、上述した伝達機構2460により、球受部467が発射位置に変位されると、可動ラック464及びラック466が互いに異なる方向に変位される。
詳しく説明すると、駆動モータKM4が回転されることで、可動ラック464は、下変位部材440の他端側(図87左側)に変位される。この変位に伴って、伝達ギヤ2468a,2468bが回転されて、ラック466が一端側(図3右側)に変位される。これにより、球受部467を第3位置に変位させることができる。
よって、球受部467が、第1位置から変位されると、その球受部467の変位方向と逆方向となる変位成分を形成することができるので、球受部467の変位に伴い、下変位部材2440の重心位置が変化されることを可動ラック464の変位で小さくすることができる。その結果、重心位置の変化に起因する下変位部材2440のがたつきを抑制できる。
次いで、図88から図93を参照して、第3実施形態における下変位部材3440について説明する。第1実施形態では、ラックピニオン機構により球受部467をスライド変位させる場合を説明したが、第3実施形態における下変位部材3440は、リンク機構により球受部467がスライド変位される。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明は省略する。
まず、第3実施形態における下変位部材3440の全体構成について、図88から図91を参照して説明する。図88(a)は、第3実施形態における下変位部材3440の正面図であり、図88(b)は、下変位部材3440の背面図である。図89は、下変位部材3440の分解斜視正面図であり、図90は、下変位部材3440の分解斜視背面図である。図91(a)及び91(b)は、下変位部材3440の正面図である。
なお、図91(a)では、下変位部材3440の装飾部材450が透明視された状態が図示され、図91(b)では、下変位部材3440の装飾部材450及び正面ケース3481が透明視された状態が図示される。
図88から図91に示すように、第3実施形態における下変位部材3440は、正面ベース411に連結されるベース部材3470とそのベース部材3470の前後を覆うケース部材480と、ケース部材480とベース部材3470との間に変位可能に配設される伝達機構3460と、ケース部材480の前後を覆う態様で形成される装飾部材450とを主に備えて形成される。
ベース部材3470は、正面視矩形横長に形成される板部材であり、一端側の背面に突出する突起472,473と、他端側の縁部から正面側に立設する立設壁471aと、その立設壁471aの基端側から連なって形成されると共にベース部材3470の下方の縁部に立設される摺動壁3470cと、左右方向(図88(a)左右方向)中央部の上端から正面側に上下方向反対のU字状に突出する突設壁477と、ベース部材470の上下方向中央部に一端側から他端側に延びつつ凹設される開口479とを主に備えて形成される。
摺動壁3470cは、球受部467の脚部467aと当接してそ球受部467cの位置(態様)を規制するための壁部である。即ち、球受部467の下方の位置まで突出形成される。これにより、球受部467をそのU字部分の開口を上方に向けた状態で保持することができる。
また、摺動壁3470cは、立設壁471a側の端部の下方に凹設される凹部3470c1が形成される。凹部3470c1は、球受部467の脚部467aの先端をその内部に受け入れる溝である。これにより、球受部467が後述する伝達機構3460により立設部側に摺動された際に、球受部467を凹部に受け入れて球受部467を回転させることができる。その結果、球受部467に発射動作(U字の内部に保持された球を下変位部材3440の外方に排出する動作)をさせることができる。
伝達機構3460は、後述する正面ケース3480に取着される駆動モータKM2と、駆動モータKM2の軸に連結されて回転可能に配設される第1リンク部材3468と、その第1リンク部材3468に回転可能な状態で連結される第2リンク部材3469と、その第2リンク部材3469の一端側に連結される球受部467とを主に備えて形成される。
第1リンク部材3468は、矩形横長の板状体から形成され、一端側に貫通形成される軸孔3468bと、駆動モータKM2の軸に連結される連結孔3468aと、他端側に膨出して形成される荷重部3468cとを主に備えて形成される。
軸孔3468bは、後述する第2リンク部材3469の回転軸3469aが挿通される貫通孔であり、回転軸3469aの外径よりも大きい内径で前後方向に貫通形成される。
連結孔3468aは、上述したように駆動モータKM2の軸に締結される孔であり、駆動モータKM2の軸の外径と略同一の内径に形成される。連結孔3468aに駆動モータKM2の軸が内嵌されて締結されることで、第1リンク部材3468が、駆動モータKM2の駆動力で回転可能とされる。
荷重部3468cは、連結孔3468aよりも他端側に膨出して形成される。荷重部346cは、第1リンク部材3468の重心を連結孔3468aよりも他端側に位置させるための荷重を与えるための部材であり、一端側よりも外側に膨出して形成される。
第2リンク部材3469は、矩形横長の状態に形成されると共に、第1リンク部材3468の背面側に配設される。第2リンク部材3469は、他端側から正面に向かって円柱状に突出する回転軸3469aと、一端側に前後方向に貫通形成される貫通孔3469bとを主に備えて形成される。
回転軸3469aは、上述したように、第1リンク部材3468の軸孔3468bに挿入される。これにより、第1リンク部材3468と第2リンク部材3469とを回転可能な状態で連結することができる。
貫通孔3469bは、球受部467を第2リンク部材3469に連結するための開口である。また、貫通孔3469bは球受部467の軸孔467bの内径より小さく形成される。よって、球受部467の軸孔467bと貫通孔3469bとを同軸上に配置すると共に、開口469の短手方向の幅よりも頭の大きいネジをベース部材3470背面側から開口479及び軸孔467bを挿通させて通孔3469bに締結させることで、球受部467が回転可能な状態で第2リンク部材に連結される。
ケース部材480は、ベース部材470の前後を覆設する部材であり、ベース部材470の正面側に配設される正面ケース3481と、背面側に配設される背面ケース482とを主に備える。
正面ケース3481は、正面視矩形横長の板状に形成され、駆動モータKM2と対向する位置に貫通される開口3481dと、背面側の下端面に突出形成される底壁部481bと、下方縁部に前後方向に貫通する軸孔481cとを主に備えて形成される。
開口3481dは、正面ケース3481の正面側に配設される駆動モータKM2の軸を背面側に挿通させるための孔であり、駆動モータKM2の軸よりも大きい外径に形成される。これにより、正面ケース3481の正面側に配設される駆動モータKM2の駆動力を背面側に配置される第1リンク部材3468に伝達できる。
次いで、図92及び図93を参照して、下変位部材3440の変位について説明する。図92(a)は、第1位置における下変位部材440の正面図であり、図92(b)は、第2位置における下変位部材440の正面図である。図93(a)は、第3位置における下変位部材440の正面図であり、図93(b)は、第2位置における下変位部材440の正面図である。
なお、図92(a)から図93(b)までは、下変位部材440の遷移状態が順に図示される。また、図92(a)及び図92(b)または図93(a)及び図93(b)は、下変位部材3440の装飾部材450及び正面ケース481が透明視された状態が図示される。
図92及び図93に示すように、第1位置における下変位部材440は、第1リンク部材3468及び第2リンク部材3469がその長手方向(図92(a)左右方向)をベース部材3470の長手方向(図92(a)左右方向)と略平行な状態とされると共に、第1リンク部材3468及び第2リンク部材3469が前後方向に重なる態様で配置される。
即ち、第1リンク部材3468及び第2リンク部材3469との連結部分をベース部材3470の一端側(図92(a)左側)に配置した状態とされる。これにより、第2リンク部材3469が一端側に配置される。その結果、球受部467が第1位置に配置される。
次いで、図92(b)に示すように、第1位置の状態から、駆動モータKM2が回転されて、第1リンク部材3468が回転変位されると、第1リンク部材3468の一端側がベース部材3470に対して変位される。これにより、第1リンク部材3468の一端側に連結される第2リンク部材3469が変位される。この場合、第2リンク部材3469の一端側は、球受部467に連結されると共にベース部材3470の開口479に沿って摺動可能とされるので、第2リンク部材3469の一端側がベース部材3470の他端側に押し出される。その結果、第2リンク部材3469の他端側に連結される球受部467を第2位置に変位させることができる。
次に、図93(a)に示すように、第2位置の状態から、駆動モータKM2がさらに回転変位されて、第1リンク部材3468が、第1位置の状態から略180度回転されると、第1リンク部材3468と第2リンク部材3469との連結部分がその回転軸に対してベース部材3470の他端側に配置された状態とされる。よって、第2リンク部材3469の一端側が更にベース部材3470の他端側に押し出されて、球受部467が第3位置に配置される。
この場合、球受部467の脚部467aの先端が、凹部3470c1の内側に配置されることで、球受部467が付勢ばねSP2により回転されて発射動作される。
さらに、第1リンク部材3468の荷重部3468cが、ベース部材3470の一端側に変位される。これにより、球受部467がベース部材に対して変位した際に下変位部材3440の重心位置が変化されることを抑制できる。その結果、下変位部材3440のがたつきを抑制できる。
即ち、球受部467が、第1位置から変位されると、その球受部467の変位方向と逆方向となる変位成分を形成することができるので、球受部467の変位に伴い、下変位部材3440の重心位置が変化されることを荷重部3468cの変位で小さくすることができる。その結果、重心位置の変化に起因する下変位部材440のがたつきを抑制できる。
また、第3実施形態では、図93(b)に示すように、第1リンク部材3468の回転を継続させることで、球受部467を第2位置および第1位置に退避させることができる。よって、駆動モータKM2の制御を切り替える必要がなく、第2位置または第1位置への変位を早く行うことができる。
従って、球受部467の内側から遊技球を排出した際には、下変位部材440の重心位置が変化するので、下変位部材3440ががたつき易くなるところ、球受部467を素早く退避させて、その重心位置を下変位部材440の回転軸に素早く近づけることで下変位部材3440のがたつきを抑制することができる。
更に、球受部467の変位を直ちに行うことで、球受部467の内側から遊技球を排出した際の排出動作の反作用による下変位部材3440のぐらつきを抑えることができる。
即ち、球受部467の内側から遊技球を排出した際には、排出された遊技球の分、下変位部材440の荷重が軽くなり、反作用で下変位部材3440が上方に変位しやすいところ、球受部467を直ちに変位させることで、球受部467の回転変位による反作用でベース部材470を下方に変位させる力を作用させて、下変位部材3440から球が排出された際の反作用を打ち消すことができる。
次いで、図94から図96を参照して、第4実施形態における下変位ユニット4400について説明する。第1実施形態では、退避状態に配置された下変位部材440が発射動作可能に形成される場合を説明したが、第4実施形態における下変位ユニット4400は、退避状態に配置された下変位部材440の発射動作が規制される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号と付してその説明は省略する。
まず、第4実施形態における下変位ユニット4400の全体構成について図94を参照して説明する。図94は、第4実施形態における下変位ユニット4400の正面図である。なお、図94では、下変位部材440の装飾部材450及び正面ケース481が透明視された状態が図示されると共に、正面ケース481の底壁部481bが、鎖線で図示される。また、図94では、下変位部材440が退避状態であって、球受部467が第1位置に配置された状態が図示される。
図94に示すように、第4実施形態における下変位ユニット4400は、下変位部材440のベース部材470に、立設壁471aと正面ケース481の底壁部481bとの対向間に開口される開口4471bが形成される。
開口4471bは、内部に後述する係合壁4411gの先端部分4411g1が挿入される。即ち、開口4471bは、先端部分4411g1よりも大きく開口される。
正面ベース411には、回収口411fの底面に連続する略L字状に形成された係合壁4411gが形成される。
係合壁4411gは、略L字に屈曲した先端部分4411g1が開口4471bに挿入されることで、球受部467が第3位置で回転されること(発射動作すること)を規制することができる。即ち、先端部分4411g1の先端位置が、退避状態に位置する下変位部材440の底壁部481bの上面の高さと略同一に設定される。
次いで、図95及び図96を参照して、下変位ユニット4400の各部材が変位された状態について説明する。図95及び図96は、下変位ユニット4400の正面図である。なお、図95及び図96では、図94と同様に下変位部材440の装飾部材450及び正面ケース481が透明視された状態が図示されると共に、正面ケース481の底壁部481bが、鎖線で図示される。
また、図95では、下変位部材440が退避状態であって、球受部467が第3位置に配置された状態が図示される。また、図96では、下変位部材440が第1張出状態であって、球受部467が第1位置に配置された状態が図示される。
図95に示すように、球受部467が第3位置に変位されると、球受部467の脚部467aの先端が係合壁4411gの先端部分4411g1の上面に当接して凹部481b1又は開口4471bへの侵入が規制される。これにより、球受部467が回転されることが規制される。
よって、球受部467の軌道領域上に送球された球を、下変位部材440の外方に排出するために球受部467に払出動作をさせた際に、第3位置で球受部467が回転して、球受部467の内側に保持した遊技球が排出されることを抑制できる。
即ち、球受部467の第3位置への変位に伴って、規定数(1球)を超える遊技球を球受部467の軌道領域から排出する際に、球受部467の姿勢が変化されることを規制できる。よって、規定数を超える分の遊技球のみを軌道領域から排出しやすくできる。
一方、図96に示すように、下変位部材440が第1張出状態の位置(退避状態の位置ではない位置)に変位されると、ベース部材470に対して、下変位部材440が変位されるので、下変位部材440の開口4471bと係合壁4411gとが離間される。よって、第1張出状態では、球受部467を第3位置に変位させて発射動作をすることができる。
即ち、球受部467の第3位置への変位に伴って、規定数(1球)を超える分の遊技球を球受部467の軌道領域から排出する際に、球受部467の姿勢が変化されることを抑制して、規定数の遊技球を球受部467が保持した状態を維持しやすくできる一方、下変位部材440が第1及び第2張出位置に変位されると係合壁4411gが開口4471bの内部空間から離間されるので、球受部467の第3位置への変位に伴って脚部467aが開口4471bに係合されることで、球受部467の姿勢を変化させ、規定数の遊技球を球受部467から排出しやすくできる。
次いで、図97から図101を参照して、第5実施形態における振分けユニット5500について説明する。第1実施形態では、振分け部材540が回転して貯留状態と規制状態とを形成する場合を説明したが、第5実施形態における振分け部材540は、スライド変位して貯留状態と規制状態とを形成する。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
まず、第5実施形態における振分けユニット5500の全体構成について図97から図100を参照して説明する。図97(a)は、第5実施形態における振分けユニット5500の上面図であり、図97(b)は、振分けユニット5500の背面図である。図98は、振分けユニット5500の分解斜視正面図であり、図99は、振分けユニット5500の分解斜視背面図である。図100は、図97(a)のC−C線における振分けユニット5500の断面図である。なお、図100では、振分け部材550の外形が鎖線で図示される。
図97から図99に示すように、第5実施形態における振分けユニット5500は、正面視略矩形に形成されるベース板5520と、そのベース板5520の正面側に取着されベース板5520との対向間に球が流下可能な複数の流下経路を形成する経路形成部材510と、ベース板5520の背面側にスライド可能に取着される振分け部材5540と、ベース板5520の端面に取着されベース板5520と経路形成部材510との対向間に形成される球の流下経路を延長する延長経路部材530とを主に備えて形成される。
ベース板5520は、背面側に突出する円柱状の2本の軸部5526と、長方形状に貫通形成される第1開口5521及び第2開口5522と、上端の側面に上端側が開放する断面U字状形成されると共に左右方向に延設される転動部525と、背面側に鉤状に突出する係止部524とを主に備えて形成される。
軸部5526は、背面側に2本突出して形成されており、それぞれ後述する2つの摺動溝5546の内部に挿入される。
第1開口5521及び第2開口5522は、後述する振分け部材5540の規制板541及び貯留板5542が挿通される開口であり、規制板5541及び貯留板5542の板の厚みよりも大きい幅の開口に形成される。また、振分け部材5540は、スライド可能な状態でベース板5520に取着されるので、第1開口5521及び第2開口5522は、規制板5541及び貯留板5542よりも振分け部材5540のスライド方向に大きい開口に形成される。
振分け部材5540は、一方が長く形成される正面視矩形に形成され、前後方向に所定の厚みを備えて形成される。振分け部材5540は、正面側に板状に突出する規制板5541及び貯留板5542と、その規制板5541及び貯留板5542の延設方向と略同一方向に長い長穴に形成される摺動溝5546と、背面側に鉤状に形成される係止部544とを主に備えて形成される。
規制板5541は、第1開口5521を介して、第1送球経路KR1と第2送球経路KR2との連結部分に配設されて、第1送球経路KR1を流下する遊技球が第2送球経路KR2へ流入することを規制する板部材であり、第1開口5521から突出される距離が遊技球の半径よりも大きい距離に設定される。
また、規制板5541は、正面視直線状に形成され、その延設される方向が、振分け部材540のスライド方向と略同一に設定される。これにより、振分け部材5540がスライド変位された際に、規制板5541の変位領域を最小にすることができる。その結果、第1開口5521の開口領域を最小にすることができ、ベース板5520の剛性を確保することができる。
貯留板5542は、第2開口5522を介して、第2送球経路KR2上に配置され、第2送球経路KR2を流下する遊技球を貯留板5542の上流側に流下する板部材であり、第2開口5522から突出される距離が遊技球の半径よりも大きい距離に設定される。
また、貯留板5542は、正面視直線状に形成され、その延設される方向が、振分け部材540のスライド方向と略同一に設定される。これにより、振分け部材5540がスライド変位された際に、貯留板5542の変位領域を最小にすることができる。その結果、第2開口5522の開口領域を最小にすることができ、ベース板5520の剛性を確保することができる。
摺動溝5546は、前後方向に貫通形成される長穴である。摺動溝5546は、その内部にベース板5520の軸部5526が挿入される。よって、軸部5526を摺動溝5546に挿入する共に、背面側からネジ等を軸部5526の先端に締結することで、振分け部材5540をベース板5520に対してスライド変位可能な状態で保持することができる。
摺動溝5546は、2箇所に形成されそれぞれの長手方向が平行に形成される。これにより、振分け部材5540が回転変位することを抑制しつつ、振分け部材5540をスライド変位させることができる。
次いで、図101を参照して、振分け部材5540の変位について説明する。図101(a)及び図101(b)は、図100の範囲CIにおける振分けユニット5500の部分拡大図である。なお、図101(a)では、振分け部材5540が貯留位置に配置された状態が、図101(b)では、振分け部材5540が規制位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図101(a)に示すように、振分け部材5540が規制位置配置された状態では、貯留板5542が第3送球経路KR3状に配置される共に、規制板5541が経路形成部材510の背面側の壁に形成される凹部518の内側に配置される。
この場合、貯留板5542の第3送球経路KR3の内側に突出した先端とその先端と対向する第3送球経路の内壁との距離寸法L9は、遊技球の直径よりも小さくされる。よって、第3送球経路KR3の上流(第1送球経路KR1)から送球される球は、貯留板5542の上流側に停止される。
一方、図101(b)に示すように、振分け部材5540が、規制位置に配置された状態では、規制板5541が第1送球経路KR1と第3送球経路KR3との連結部分に配置されると共に、規制板5541が第1送球経路KR1と第3送球経路KR3との連結部分に配置され、貯留板5542が、経路形成部材510の背面側の壁部に形成される凹部519の内側に配置される。
この場合、規制板5541の第1送球経路KR1の内側に突出した先端の端部と第3送球経路KR3の入り口の内壁までの距離寸法L10は、遊技球の直径よりも小さくされる。よって、第1送球経路KR1を流下する球は、規制板5541に衝突して第2送球経路KR2に送球される。
即ち、振分け部材5540を規制位置と貯留位置とで切り換えることで、第1送球経路KR1を送球される球を第3送球経路KR3に送球して、第3送球経路KR3上に停止させる状態と、第1送球経路KR1を流下する球を第3送球経路KR3に流入不能として、第2送球経路KR2に送球される状態とを形成することができる。
よって、1つの振分け部材5540をスライド変位させることで、1の流下する経路から2の流下する経路に分かれる場合に、球の流下経路をどちらかに確実に切り替えることができる。
また、規制板5541(振分手段)は、第1送球経路KR1(流下通路)または第3送球経路KR3(第1分岐通路)に対して出没可能に形成されると共に、その出没位置が、第1送球経路KR1の下流端における流下方向の延長線上における内壁とされる。よって、第1送球経路KR1の下端側から流下する遊技球に近い位置で、規制板5541を突出させることができる。よって、規制板5541を流下通路または第3送球経路KR3(第1分岐通路)へ突出させ始めてから遊技球を振り分けできる状態となるまでに要する時間を短くすることができる。その結果、規制板5541による振り分け先の切り替えを確実に行うことができる。
また、規制板5541(振分手段)は、第3送球経路KR3(第1分岐通路)に突出されることで、第1送球経路KR1(流下通路)を流下する遊技球を第2送球経路(第2分岐通路)へ振り分けるものであり、規制板5541の突出方向が、第2送球経路KR2の上流端を指向する方向に設定されるので、第1送球経路KR1を流下する遊技球が突出動作の途中の規制板に当接した場合には、かかる遊技球を規制板の突出動作に伴って、第2送球経路KRへ押し込むことができる。その結果、第2送球経路KR2への振り分けをより確実に行うことができる。
次いで、図102から図106を参照して、第6実施形態における回転ユニット6700について説明する。第1実施形態では、回転体800の駆動に負荷ギヤ731eが連結され、回転体800が慣性力で動作することが規制される場合を説明したが、第6実施形態における回転体800は、負荷ギヤ731eが取り外される。なお、上記各実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
まず、第6実施形態における回転ユニット6700の全体構成について図102から図104を参照して説明する。図102は、第6実施形態における回転ユニット6700の正面図であり、図103は、回転ユニット6700の分解斜視正面図である。図104は、振分けユニット6500の分解斜視背面図である。
図102から図104に示すように、回転ユニット6700は、回転変位する回転体800を備える装飾ユニット6750と、その装飾ユニット6750の重力方向上側に配置される球受台710と、その球受台710及び装飾ユニット6750の背面側に配置される背面ベース720と、装飾ユニット6750の正面視左側に配設される左側伝達部材730と、装飾ユニット6750の正面視右側に配設されるクランクカバー743と、を主に備えて形成される。
装飾ユニット6750は、重力方向上側が開放される箱形状に形成される箱部材760と、その箱部材の内側に回転可能に配設される回転体800とを主に備えて形成される。即ち、第1実施形態では、装飾ユニット750は、箱部材760と蓋部材770との内側に回転体800が配置されたが、第6実施形態では、蓋部材770が取り外された状態で形成される。
左側伝達部材730は、装飾ユニット750の左側側面(図102左側)に配設される駆動モータKM4と、その駆動モータKM4の駆動力を伝達する伝達部材6731と、駆動モータKM4が取着されるモータベース732と、伝達部材6731を覆設するギヤカバー733と、そのギヤカバー733に取着されると共にギヤカバー733との対向間に所定の隙間を有して形成される送球経路カバー734とを主に備えて形成される。
伝達部材6731は、駆動モータKM4の軸に取着される伝達ギヤ731aと、その伝達ギヤ731aに歯合する伝達ギヤ6731bと、その伝達ギヤ6731bに歯合する伝達ギヤ731cと、その伝達ギヤ731cと隣り合って配置されると共に軸735により同軸に配設される伝達ギヤ731dとを主に備えて形成される。
伝達ギヤ6731bは、伝達ギヤ731cに駆動力を伝達するギヤである。なお、第1実施形態では、伝達ギヤ731bの内部にワンウェイクラッチOW1が取着されたが、第6実施形態の伝達ギヤ6731bには、ワンウェイクラッチOW1が取り外される。また、伝達ギヤ731c及び伝達ギヤ731dについては、第1実施形態と同じであるので、その詳細な説明は省略する。
よって、駆動モータKM4から一方向の駆動力が伝達されると、軸735に回転の駆動力を伝達できると共に、駆動モータKM4から他方向の駆動力が伝達されるとワンウェイクラッチOW1の内輪に対して外輪が滑って(空転して)軸735への駆動力の伝達が遮断される。
次いで、図105及び図106を参照して、回転体800の回転について説明する。図105(a)から図105(c)は、図104の矢印CV方向視における装飾ユニット6750の側面図であり、図106(a)から図106(c)は、図104の矢印CV方向視における装飾ユニット6750の側面図である。
なお、図105及び図106では、箱部材760の左側側面板765が透明視された状態が図示される。また、図105(a)から図105(c)では、回転体800の重心Gが第2区間DK2を変位する態様が順に図示され、図106(a)から図106(c)では、回転体800の重心Gが第1区間DK1を変位する態様が順に図示される。
図105に示すように、回転体800は、駆動モータKM4から一方向の駆動力が伝達されると左方向視(図105方向視)右回り(時計回り)に回転変位される。
回転体800は、上述したように回転軸を中心を非対称に形成され、回転軸と異なる位置に重心Gが配置される。そのため、回転体800が図106(a)に示す重心Gを回転軸の上側に配置した状態から回転されて、図106(b)に示めす重心Gを回転軸と略水平の位置に変位し始めると、その荷重により回転方向に回転する力が作用される。
そのため、伝達ギヤ731cに配置されたワンウェイクラッチOW1の外輪と内輪との間に介設されるローラーの係合が解除され、外輪(回転体800側)が内輪(駆動モータ側)に対して先行して駆動する状態とされる。即ち、第2区間では、回転体800の回転速度を駆動モータKM4の回転速度よりも速くして回転させることができる。
なお、第2区間DK2をその荷重で回転する回転体800は、その荷重により、図105(c)に示す重心Gを回転軸の下側に位置する位置まで回転される。
一方、図106に示すように、第1区間DK1を回転体800の重心Gが変位する場合には、回転体800の荷重がその回転する方向と反対方向に作用する。そのため、回転体800は、駆動モータKM4の回転速度に従って回転される。
よって、第6実施形態では、第2区間DK2における回転体800の変位速度を第1区間DK1における回転体800の変位速度よりも早くすることができる。その結果、回転体800の変位態様に変化を付与して、その回転体800の変位に従う演出効果を高めることができる。
次いで、図107から図110を参照して、第7実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、蓋部材770がその自重により、ワンウェイクラッチOW1の外輪を内輪に対して先行させる(即ち、蓋部材770の変位速度を速くする)場合を説明したが、第7実施形態における変位部材7710は、遊技球の重さを利用して、ワンウェイクラッチOW1の外輪を内輪に対して先行させる(即ち、変位部材7710の変位速度を速くする)。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図107及び図108は、第7実施形態における変位ユニット7700の側面模式図である。なお、図107では、変位部材7710が上昇位置に配置された状態が、図108では、変位部材7710が下降位置に配置された状態が、それぞれ模式的に図示される。
図107及び図108に示すように、変位ユニット7700は、スライド変位可能に形成される変位部材7710と、その変位部材7710へ駆動手段(図示せず、例えば、電動モータ)の回転駆動力を伝達する伝達部材7720と、変位部材7710のスライド変位に伴って回転される負荷ギヤ7730とを主に備える。
変位部材7710は、図示しない支持機構によって仮想線L1に沿って直線変位可能に支持される部材であり、その変位部材7710の側面から突設される被駆動ピン7711と、変位部材7710の下面に仮想線L1に沿って刻設されるラックギヤ7712と、変位部材7710の先端に回転可能に軸支される球受け部材7713とを主に備える。
なお、仮想線L1は、図107に示す上昇位置から図108に示す下降位置へ向かうに従って下降傾斜する直線として設定される。即ち、上昇位置では、下降位置よりも、変位部材7710が重力方向上方に位置される。
被駆動ピン7711は、伝達部材7720のアーム部材7723における駆動溝7723bに摺動可能に挿通される部材であり、駆動溝7723bの溝幅よりも若干小さな外形の円柱状体として形成される。ラックギヤ7712には、負荷ギヤ7730が歯合されており、かかる負荷ギヤ7730が変位部材7710のスライド変位に伴って回転される。
球受け部材7713は、変位部材7710の上面に遊技球を保持するための部材であり、回転軸7713aを中心に回転されることで、図107に示す起立状態と図108に示す傾倒状態とを形成可能とされる。起立状態では、一端側が変位部材7710の上面よりも突出されることで、遊技球を保持可能とされる(図109参照)。一方、傾倒状態では、一端側が変位部材7710の上面よりも下方に位置されることで、変位部材7710の上面から遊技球を排出可能とされる(図110参照)。
なお、球受け部材7713は、図示しない付勢ばね(例えば、ねじりばね)から作用する付勢力により起立状態に維持される。変位部材7710(球受け部材7713)の軌道上には、係合ピン7740が固定されており、変位部材7710が下降位置へスライド変位されると、球受け部材7713の他端側に係合ピン7740が係合されることで、球受け部材7713が回転されて、傾倒状態とされる。一方、変位部材7710が上昇位置へスライド変位されると、球受け部材7713が付勢ばねの弾性回復力により回転されて、傾倒状態に復帰される。
伝達部材7720は、上述した図示しない駆動手段により回転駆動される円板状の回転部材7721と、その回転部材7721の軸方向端面から突設されると共に回転部材7721の回転中心から偏心して位置する円柱状の駆動ピン7722と、その駆動ピン7722が一端側に摺動可能に挿通される被駆動溝7723aが開口形成されるアーム部材7723とを主に備える。
回転部材7721と駆動手段との間には、ワンウェイクラッチOW1が介設される。詳細には、ワンウェイクラッチOW1は、内輪が駆動手段に連結されると共に、外輪が回転部材7721に連結され、内輪が駆動手段により矢印A方向(図107の時計周り)に回転駆動されると、その回転駆動力を外輪に伝達する(即ち、回転部材7721を矢印A方向へ回転させる)一方、内輪が駆動手段により矢印A方向と反対方向(図107の反時計周り)に回転駆動されると、外輪(回転部材7721)への動力伝達を切断する。
アーム部材7723は、被駆動溝7723aが開口形成される一端側とは反対側となる他端側に、変位部材の7710の被駆動ピン7711が摺動可能に挿通される駆動溝7723bが開口形成されると共に、それら被駆動溝7723a及び駆動溝7723bの間(中間部分)が回転軸7723cにより回転可能に軸支される。
なお、駆動ピン7722は、被駆動溝7723aの溝幅よりも若干小さな外形の円柱状体として形成される。また、被駆動溝7723a及び駆動溝7723bは、アーム部材7723の長手方向に沿った直線状の溝として形成される。
以上のように形成された変位ユニット7700によれば、変位部材7710が図107に示す上昇位置に配置された状態から、回転部材7721が矢印A方向(図107の時計回り)に回転されると、駆動ピン7722が被駆動溝7723aの内壁面に作用して、アーム部材7723が回転軸7723cを中心として図107時計回りに回転される。このアーム部材7723の時計回りの回転に伴って、駆動溝7723bの内壁面が被駆動ピン7711を押し下げる方向へ作用することで、変位部材7710が、仮想線L1に沿ってスライド変位され、図108に示す下降位置に配置される。
一方、変位部材7710が図108に示す下降位置に配置された状態から、回転部材7721が矢印A方向(図107の時計回り)に更に回転されると、駆動ピン7722が被駆動溝7723aの内壁面に作用して、アーム部材7723が回転軸7723cを中心として図107反時計回りに回転される。このアーム部材7723の反時計周りの回転に伴って、駆動溝7723bの内壁面が被駆動ピン7711を押し上げる方向に作用することで、変位部材7710が、仮想線L1に沿ってスライド変位され、図107に示す上昇位置に配置される。
ここで、負荷ギヤ7730は、第1実施形態における負荷ギヤ731eと同様に、回転する際に所定量の抵抗が発生するように形成される。これにより、変位部材7710の重さ(自重)がアーム部材7723に作用して、回転部材7721を矢印A方向(図107の時計周り)に回転させることで、ワンウェイクラッチOW1の外輪が内輪に対して一方向(矢印A方向)へ先行することを抑制できる。即ち、遊技球を保持していていない状態では、上昇位置から下降位置へ向かう際の変位部材7710の変位速度が速くされることを抑制できる。
即ち、駆動手段の回転駆動力により回転部材7721が矢印A方向(図107及び図108の時計回り)に回転されている間、その回転駆動手段の回転駆動の速度に応じたスライド速度で、変位部材7710が上昇位置と下降位置との間を往復変位(スライド変位)される。
図109及び図110は、変位部材7710に遊技球が保持された場合における変位ユニット7700の側面模式図である。なお、図109では、変位部材7710が上昇位置に配置された状態が、図110では、変位部材7710が下降位置に配置された状態が、それぞれ模式的に図示される。
図109及び図110に示すように、変位部材7710は、その上面に遊技球を保持可能に形成される。即ち、本実施形態では、変位ユニット7700が遊技領域において遊技球が流下される領域に配置され、その流下する遊技球を変位部材7710がその上面で受け止め可能に形成される。なお、図109では、符号Tで示す4球の遊技球が変位部材7710の上面に保持された状態が例示される。
この場合、変位部材7710が遊技球を保持した状態では、その遊技球の重さの分、変位部材7710全体としての重さを大きく(重く)して、負荷ギヤ7730の回転に伴う抵抗を越えさせることができる。即ち、変位部材7710全体の重さ(遊技球を含む重さ)をアーム部材7723に作用させ、回転部材7721を矢印A方向(図109の時計周り)に回転させることで、ワンウェイクラッチOW1の外輪を内輪に対して一方向(矢印A方向)へ先行させることができる。その結果、上昇位置から下降位置へ向かう際の変位部材7710の変位速度を、遊技球を保持していない場合(図107参照)の変位速度よりも、速くすることができる。
また、保持されている遊技球の数に応じて、変位部材7710全体としての重さを異ならせることができる。これにより、変位部材7710に遊技球が保持されているか否かだけでなく、保持している遊技球の数に応じても、変位部材7710の変位速度を異ならせる(変化させる)ことができる。その結果、変位部材7710の変位速度のバリエーションを増やすことができ、その分、変位部材7710の変位に伴う演出の演出効果を高めることができる。
上述したように、変位部材7710には、その先端(下方傾斜側の端部)に球受け部材7713が配設される。よって、遊技領域を流下される遊技球を変位部材7710(その上面または球受け部材7713)が受け止めた際には、その遊技球から変位部材7710に作用される力を、下降位置へ向けてスライド変位させる力として作用させることができる。即ち、かかる力を、アーム部材7723及び回転部材7721を介して、ワンウェイクラッチOW1の外輪を内輪に対して一方向(矢印A方向)へ先行させる方向へ作用させることができる。
これにより、流下する遊技球を、変位部材7710(その上面または球受け部材7713)が受け止めた際に、その遊技球の運動エネルギーを利用して、変位部材7710の下降位置へ向かう方向へのスライド変位の変位速度をより速くすることができる。
この場合、流下する遊技球は、その流下方向や流下速度がそれぞれ異なる。そのため、受け止める遊技球の流下状態(流下方向や流下速度)の差に応じて、変位部材7710に作用される力(運動エネルギーの大きさ)を異ならせることができる。これにより、変位部材7710に遊技球が保持されているか否かや保持されている遊技球の数だけでなく、遊技球の流下状態に応じても、変位部材7710の変位速度を異ならせる(変化させる)ことができる。その結果、変位部材7710の変位速度のバリエーションを増やすことができ、その分、変位部材7710の変位に伴う演出の演出効果を高めることができる。
また、第7実施形態では、回転部材7721の回転方向が一方向とされるので、駆動手段の駆動方向を切り替える必要がない。言い変えると、回転手段を一方向に一方向に連続して回転させることで、変位部材7710を往復変位させることができる。よって、駆動手段の駆動方向を切り替える時間をなくすことができる。その結果、駆動手段の切り替えを必要としない分、変位部材7710を直ちに変位させることができる。
この場合、変位部材7710の変位を直ちに行うことで、球受け部材7713が回転変位して変位部材7710(その上面または球受け部材7713)が受け止めた遊技球を落下させる動作をした際の反作用による変位部材7710のがたつきを抑制することができる。
即ち、変位部材7710(球受け部材7713)から遊技球を落下させた際には、落下された遊技球の分、変位部材7710の荷重が軽くなり、反作用で変位部材7710が上方に変位しやすいところ、変位部材7710を直ちに変位させることで、球受け部材7713の変位による反作用で、変位部材7710を下方に変位させる力を作用させて、変位部材7710から球が落下された際の反作用を打ち消すことができる。
なお、遊技領域を流下する遊技球とは、遊技盤13の前面(正面)を重力方向に沿って移動する遊技球に限定されず、重力方向と異なる方向へ移動する遊技球も含まれる。重力方向と異なる方向へ移動する遊技球としては、例えば、釘やチューリップ、役物などに衝突して、重力方向と異なる方向へ移動する遊技球や、ステージを転動した後、そのステージから飛び出して、重力方向と異なる方向へ移動する遊技球が例示される。
ここで、本実施形態では、負荷ギヤ7730を設けることで、変位部材7710が遊技球を保持していない状態では(図107参照)、変位部材7710が下降位置へ向けてスライド変位される際に、ワンウェイクラッチOW1の外輪が内輪に対して一方向(矢印A方向)へ先行しない(即ち、変位部材7710の変位速度が速くならない)ように構成した。
これに対し、負荷ギヤ7730を省略する又はその負荷ギヤ7730の抵抗を小さい値に設定して、変位部材7710が下降位置へ向けてスライド変位される際に、ワンウェイクラッチOW1の外輪が内輪に対して一方向(矢印A方向)へ先行する(即ち、変位部材7710の変位速度が速くなる)ように構成しても良い。即ち、変位部材7710の重さ(自重)のみを、アーム部材7723に作用させ、回転部材7721を矢印A方向(図107の時計周り)に回転させた場合でも、ワンウェイクラッチOW1の外輪が内輪に対して先行するようにしても良い。
次いで、図111から図114を参照して、第8実施形態における上皿8017について説明する。第8実施形態における上皿8017には、正面視した左右方向略中央位置に回転操作ユニット8650が配設される。なお、上記各実施形態と同一の部分には、同一の符号を付してその説明を省略する。
まず、第8実施形態における回転操作ユニット8650の全体構成について、図111から図113を参照して説明する。図111は、第8実施形態におけるパチンコ機10の正面図である。図112は、回転操作ユニット8650の分解斜視正面図である。図113は、図111のCXIII−CXIII線におけるパチンコ機10の断面模式図である。
図111から図113に示すように、回転操作ユニット8650は、パチンコ機10の上皿8017の内部空間に配置されると共に、後述する回転操作部8654の外周面が上皿8017の外方に突出した状態で配設される。
回転操作ユニット8650は、駆動モータKM6と、その駆動モータKM6の軸部に連結される伝達ギヤ8651と、その伝達ギヤ8651の外周面に歯合される伝達ギヤ8652と、その伝達ギヤ8652の軸孔に内嵌される軸部8653と、その軸部8653に内輪が外嵌するワンウェイクラッチOW1と、そのワンウェイクラッチOW1の外輪が内嵌される回転操作部8654とを主に備えて形成される。
伝達ギヤ8651は、駆動モータKM6の軸に連結される。よって、駆動モータKM6に回転の駆動力が付与されることで、伝達ギヤ8651を回転できる。上述したように、伝達ギヤ8651には、伝達ギヤ8652が歯合された状態で配置される。従って、駆動モータKM6に回転の駆動力が付与されると、伝達ギヤ8651を介して伝達ギヤ8652を回転できる。
軸部8653は、円柱状に形成された棒部材であり、その軸方向長さは回転操作部8654の左右方向の幅寸法よりも長く形成される。軸部8653は、上述したように、一方が伝達ギヤ8652の軸孔に内嵌されると共に、他方がワンウェイクラッチOW1の内輪に挿入される。これにより、伝達ギヤ8652が回転された際の駆動力をワンウェイクラッチOW1に伝達することができる。
ワンウェイクラッチOW1は、上述したように内輪と外輪とその間に係合されるローラーとから形成されており、内輪が一方向に回転されると内輪の回転を外輪に伝達できると共に内輪が他方向に回転されると内輪の回転を外輪に非伝達にできる。
回転操作部8654は、円環状に形成されており、その外周面の一部が上皿8017から突出した状態で配設される。また、回転操作部8654の内円部には、ワンウェイクラッチOW1の外輪が内嵌される。即ち、回転操作部8654の内傾は、ワンウェイクラッチOW1の外径と略同一に形成される。よって、回転操作部8654は、ワンウェイクラッチOW1の外輪が回転されることで、回転が伝達される。
その結果、駆動モータKM6が駆動されて、一方向に回転されると、その回転が伝達ギヤ8651,8652及びワンウェイクラッチOW1の内輪を介してワンウェイクラッチOW1の外輪に伝達されて、回転操作部8654が回転される。一方、駆動モータKM6が駆動されて、他方向に回転されると、ワンウェイクラッチOW1の内輪と外輪とが非伝達とされ回転操作部8654への回転駆動の伝達が遮断される。
次に、図114を参照して、遊技者が回転操作部8654を操作する場合の説明をする。図114は、パチンコ機10の断面模式図である。なお、図114の断面は、図113と対応する。
上述したように、回転操作部8654は、駆動モータKM6が回転されることで、回転操作部8654が回転する態様と、駆動モータKM6の回転を非回転とすることで、回転操作部8654の回転変位が停止された態様を形成することができる。
さらに、図114に示すように、駆動モータKM6が一方向へ回転され、回転操作部8654がA方向に回転される際に、遊技者が回転操作部8654の外周面を操作して回転操作部8654に回転A方向と同一方向に回転力を発生させると、ワンウェイクラッチOW1の外周面および回転操作部8654が先行して回転される。即ち、回転操作部8654は、遊技者の操作により駆動モータKM6の回転速度よりも速い速度の回転で操作することができる。
また、回転操作部8654が非回転(駆動モータKM6が非回転)とされる際に、遊技者が回転A方向に回転操作部8654に駆動力を付与することで回転操作部8654を回転変位させることができる。
よって、第8実施形態では、回転操作部8654が、駆動モータKM6の駆動により非回転または回転状態の態様を形成するだけでなく、回転操作部8654が遊技者の操作により停止状態から回転する態様および回転操作部8654が遊技者の操作により回転状態から更に早い速度で回転される態様を形成することができる。
その結果、回転操作部8654の変位態様を遊技者に視認させる態様を複数形成することができるので、遊技者に興趣を与えることができる。また、回転操作部8654の回転態様を複数形成することで、パチンコ機10の演出態様を複数形成することができるので、その演出を増加できる分、遊技者に興趣を与えることができる。
なお、回転操作部8654の側面には、その回転回数を計測するセンサ装置等が配置されており、回転操作部8654の回転数や回転速度に基づいて変化される演出を行うことができる。
以上、上記各実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記各実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、1の実施形態の一部または全部を他の1又は複数の実施形態の一部または全部と入れ替えて又は組み合わせて、遊技機を構成しても良い。
上記第1実施形態では、球受部467を第3位置から第2位置または第1位置に退避させるには、駆動モータKM2の駆動に従う形態とされたが、第3位置から第2位置または第1位置に退避させる駆動を付勢ばねにより駆動させても良い。例えば、ラック466又は可動ラック464とベース部材470との間に付勢ばねを配設して、ラック466又は可動ラック464の変位に伴って弾性力が付与される形態とする。
この場合、球受部467が、第3位置まで変位され払出動作をした際に、駆動モータKM3の駆動をオフすることで、付勢ばねの付勢力により球受部467を第2位置または第1位置側へ変位させることができる。
よって、駆動モータKM2の駆動力を第3位置で切り換えるまでの間の時間を利用し、球受部467を変位させることができるので、球受部467の内側から遊技球を排出した際の排出動作の反作用による下変位部材440のぐらつきを抑えることができる。
即ち、球受部467の内側から遊技球を排出した際には、排出された遊技球の分、下変位部材440の荷重が軽くなり、反作用で下変位部材440が上方に変位しやすいところ、球受部467を直ちに変位させることで、球受部467の回転変位による反作用でベース部材470を下方に変位させる力を作用させて、下変位部材440から球が排出された際の反作用を打ち消すことができる。
上記第1実施形態では、回転体800の回転を規制する係合突起882が回転体800の側面に所定の間隔を隔てて2つ形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転体800の側壁に所定の間隔を隔てて複数個連設してもよい。この場合、回転体800の回転の規制をどの位置においても可能とすることができ、蓋部材770が開放状態とされた際に回転体800が外力で回転することを規制することができる。
上記第1実施形態では、開口831が、回転体800の外周面に形成されて、遊技球が開口831から送球される場合を説明したが、開口831が回転体800の連通孔881bと反対側の側面に形成されてもよい。即ち、回転体800の軸方向の両側の側面に開口が形成され、一方を球の流入口とし、他方を球の排出口としてもよい。この場合、回転体800の内部に球の送球経路を形成できるので、特に遊技盤13の背面側に配置スペースがない場合に、役物(回転体800)を送球経路として利用することができるので、遊技盤13を大型化することなく送球経路を確保することができる。
上記第1実施形態では、回転体800は、外形が円柱状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、多角形状、楕円形状またはそれらを組み合わせて形状としてもよい。この場合、回転体800の形状を複雑化することができるので、回転体800の回転変位により演出が切り替わったことを遊技者に視認させやすくできる。
上記第8実施形態では、回転操作部8654の外周面が遊技者により操作可能に形成される場合を説明したが、回転操作部8654の外周面に押込み式のボタンを配設してもよい。この場合、遊技者は、回転操作部8654に回転力を付与する操作だけでなく、押しボタンを押す操作、又は、回転操作部8654の回転操作と押す操作とを組み合わせた操作をすることができる。その結果、回転操作部8654の操作形態を複数形成することができるので、遊技者に興趣を与えることができる。
上記第8実施形態では、伝達ギヤ8651と伝達ギヤ8652とが歯合した状態とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、伝達ギヤ8651と、伝達ギヤ8652との間に、過負荷がかかると駆動力の伝達を遮るトルクリミッタ等を介設してもよい。
この場合、遊技者が回転状態の回転操作部8654の回転を停止させた際に、駆動モータKM6からの回転の駆動力の伝達を遮り、回転操作部8654の回転が継続されることを抑制できる。その結果、回転操作部8654にA方向の回転と反対方向の回転が遊技者から入力された際に、回転操作ユニット8650が壊れることを抑制できる。
さらに、遊技者が回転操作部8654を操作した際に、遊技者の指や衣服が回転操作部8654の回転方向側の上皿8017との間に挟み込んだ際に、その回転を停止させて、遊技者の指や衣服が更に挟み込まれることを抑制できる。よって、遊技者が回転操作部8654と上皿8017との間に挟まれて怪我をすることを抑制できる。
上記第8実施形態では、回転操作部8654の回転方向をA方向としたが必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転操作部8654の回転方向をパチンコ機10に対して左右方向としてもよい。この場合、その遊技機の演出に伴った動作を遊技者にさせることができ、演出効果を向上させることができる。例えば、左手で回転操作部8654を右方向に回転するように叩いて操作させることで、第3図柄表示装置81上に表示したキャラクター等を叩く(ビンタする)ような演出をすることができる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<下変位ユニット400を一例とする発明の概念について>
基準位置から第1方向へ変位可能に形成され前記第1方向への変位に伴って遊技球を移動可能に形成される変位部材と、その変位部材の軌道領域外から変位部材の軌道領域へ遊技球が送球されることを規制する規制手段とを備えた遊技機において、前記変位部材は、前記第1方向と反対方向となる第2方向へ前記基準位置から変位可能に形成されることを特徴とする遊技機A1。
ここで、基準位置から第1方向へ変位可能に形成され第1方向への変位に伴って遊技球を移動可能に形成される変位部材と、その変位部材の軌道領域外から変位部材の軌道領域へ遊技球が送球されることを規制する規制手段とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2010−166997号)。この遊技機によれば、規制手段の規制により、規定数以上の遊技球が変位部材の軌道領域へ送球されることを抑制できる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、例えば、固着や摩耗などに起因して、規制手段に動作不良が生じると、規定数以上の遊技球が変位部材の軌道領域へ向けて送球される恐れがあり、この場合、規定数を越えた分の遊技球により不具合を生じる恐れがあるという問題点があった。即ち、例えば、規定数を越えた分の遊技球が、変位部材の駆動機構に入り込み、可動部分に噛み込まれることで、破損を招く恐れがあった。或いは、規定数を越えた分の遊技球が遊技領域外(例えば、遊技盤の背面側)へ流出する恐れがあった。
これに対し、遊技機A1によれば、変位部材が、第1方向と反対方向となる第2方向へ基準位置から変位可能に形成されるので、その分、変位部材の軌道領域を拡大できる。よって、例えば、規制手段に動作不良が生じ、規定数以上の遊技球が送球された場合でも、変位部材の軌道領域が拡大されている分、規定数を越えた分の遊技球を軌道領域に受け入れることができる。その結果、規定数を越えた分の遊技球を、変位部材の第1方向への変位に伴って移動させることができる。よって、規定数を越えた分の遊技球が、変位部材の駆動機構部分に入り込むことや、遊技領域外へ流出することを抑制でき、その結果、規定数を越えた分の遊技球による不具合を生じ難くできる。
遊技機A1において、遊技球が通過可能な通路として形成され下流が前記変位部材の軌道領域に連通される通路部材を備え、前記規制手段は、前記通路部材における遊技球の通過を規制することを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、遊技球が通過可能な通路として形成され下流が変位部材の軌道領域に連通される通路部材を備え、規制手段は、通路部材における遊技球の通過を規制するので、例えば、規制手段に動作不良が生じ、規定数以上の遊技球が送球された場合でも、規定数を超える分の遊技球を、通路部材を介して、変位部材の軌道領域へ確実に送球させることができる。その結果、規定数を越えた分の遊技球による不具合を生じ難くできる。
遊技機A2において、前記変位部材は、前記基準位置において前記通路部材から送球された規定数の遊技球を受け取って保持可能に形成されると共に、前記基準位置から第2方向へ少なくとも遊技球の直径を越える距離だけ変位可能に形成されることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、変位部材は、基準位置において通路部材から送球された規定数の遊技球を受け取って保持可能に形成されると共に、基準位置から第2方向へ少なくとも遊技球の直径を越える距離だけ変位可能に形成されるので、基準位置において規定数の遊技球を受け取った後、変位部材を基準位置から第2方向へ変位させることで、規定数を越える分の遊技球を変位部材の軌道領域(変位部材よりも第1方向側の領域)に送球させることができる。よって、規定数を越えた分の遊技球を、変位部材の第1方向への変位に伴って移動させることができる。
この場合、規定数の遊技球を変位部材が保持し、規定数を越える分の遊技球を軌道領域に送球できるので、これら規定数の遊技球と、規定数を越える分の遊技球とを分離することができる。よって、例えば、変位部材を第1方向へ変位させることで、規定数の遊技球を変位部材が保持した状態を維持しつつ、規定数を越える分の遊技球のみを軌道領域から排出する動作が可能となる。
遊技機A3において、前記変位部材は、前記第1方向へ変位され所定位置に達すると姿勢が変化可能に形成されることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、変位部材は、第1方向へ変位され所定位置に達すると姿勢が変化可能に形成されるので、所定位置までは、規定数の遊技球を変位部材が保持した状態を維持しやすくして、変位部材からの遊技球の脱落を抑制できる一方、所定位置に達した際には、変位部材の姿勢の変化を利用して、遊技球を変位部材から排出しやすくできる。
遊技機A4において、前記変位部材が前記基準位置から前記第1方向へ変位する際の軌道領域に凹設される凹部を備え、前記変位部材は、前記第1方向へ変位する際に前記凹部に係合される突部を備えると共に前記突部が前記凹部に係合されることで姿勢が変化可能に形成されることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A4の奏する効果に加え、変位部材が基準位置から第1方向へ変位する際の軌道領域に凹設される凹部を備え、変位部材は、第1方向へ変位する際に凹部に係合される突部を備えると共に突部が凹部に係合されることで姿勢が変化可能に形成されるので、変位部材の姿勢を変化させるための構造を簡素化できる。
遊技機A5において、前記突部は、前記変位部材から前記第1方向へ向けて突設されると共に、その突設先端が、前記変位部材の軌道領域へ送球された遊技球の下半面に当接されることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、突部は、変位部材から第1方向へ向けて突設され、その突設先端が、変位部材の軌道領域へ送球された遊技球(即ち、規定数を越える分の遊技球)の下半面に当接可能に形成されるので、変位部材が第1方向へ変位される際には、遊技球を、その下半面を突部で押しつつ移動させることができる。その結果、規定数を越えた分の遊技球を軌道領域から排出しやすくできる。
また、変位部材に保持される規定数の遊技球と、変位部材の軌道領域へ送球された遊技球(規定数を越える分の遊技球)との間に突部が介在することで、かかる突部の突設長さの分、規定数の遊技球と規定数を越える分の遊技球との間の間隔を確保できる。よって、規定数の遊技球を変位部材が保持した状態を維持しつつ、規定数を越える分の遊技球のみを軌道領域から排出しやすくできる。
更に、凹部との係合により変位部材の姿勢を変化させる役割と、遊技球をその下半面を押しつつ移動させる役割とを突部に兼用させるので、その分、部品点数を削減して、製品コストの削減を図ることができる。
遊技機A5又はA6において、前記凹部は、前記第1方向における大きさが遊技球の直径よりも小さくされることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A5又はA6の奏する効果に加え、凹部は、第1方向における大きさが遊技球の直径よりも小さくされるので、変位部材の軌道領域へ送球された遊技球(即ち、規定数を越える分の遊技球)が変位部材の第1方向への変位に伴って移動される際に凹部を通過しやすくできる。その結果、規定数を越えた分の遊技球を軌道領域から排出しやすくできる。
遊技機A5からA7のいずれかにおいて、前記変位部材が前記基準位置から前記第1方向へ変位する際の軌道領域に前記遊技球の半径よりも低い高さで立設されると共に前記凹部よりも前記第1方向側に位置する壁部を備え、前記変位部材の軌道領域へ送球された遊技球が前記変位部材の第1方向への変位に伴って移動されると、前記遊技球が前記壁部と前記変位部材とに当接されて、前記変位部材の姿勢変化が規制されることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A5からA7のいずれかにおいて、変位部材が基準位置から第1方向へ変位する際の軌道領域に遊技球の半径よりも低い高さで立設されると共に凹部よりも第1方向側に位置する壁部を備え、変位部材の軌道領域へ送球された遊技球が変位部材の第1方向への変位に伴って移動されると、その遊技球が壁部と変位部材とに当接されて、変位部材の姿勢変化が規制可能に形成されるので、規定数の遊技球を変位部材が保持した状態を維持しつつ、規定数を越える分の遊技球のみを軌道領域から排出しやすくできる。
即ち、壁部は、遊技球の半径よりも低い高さで立設されるので、変位部材の第1方向への変位に伴って突部に押されて遊技球が移動されると、遊技球の下半面を壁部に当接させて、かかる壁部を遊技球が乗り越えさせやすくできる。この場合、変位部材に遊技球が当接され(即ち、変位部材と壁部との間に遊技球が介在され)、遊技球から変位部材へ反力を作用させることができるので、変位部材の姿勢変化を規制でき、変位部材が保持している規定数の遊技球が脱落することを抑制できる。その結果、規定数の遊技球を変位部材が保持した状態を維持しつつ、規定数を越える分の遊技球のみを軌道領域から排出しやすくできる。
一方、変位部材の軌道領域に遊技球(即ち、規定数を越える遊技球)が送球されていない場合には、壁部と変位部材との間に遊技球が介在されないので、突部が凹部に係合されることで、変位部材の姿勢を変化させることができる。その結果、変位部材の姿勢の変化を利用して、規定数の遊技球(即ち、変位部材に保持されている遊技球)を変位部材から排出しやすくできる。
遊技機A1からA8のいずれかにおいて、前記規制手段は、前記変位部材の変位に連動して動作可能に形成されることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A1からA8のいずれかの奏する効果に加え、規制手段は、変位部材の変位に連動して動作可能に形成されるので、変位部材の変位に応じて、変位部材の軌道領域への遊技球の送球を規制または許容できる。即ち、遊技球の送球の規制または許容を、変位部材の変位に機械的に同期させて切り替えることができるので、例えば、規制手段の位置を検出するセンサ装置やそのセンサ装置の検出結果に応じて規制手段を駆動する駆動手段、或いは、それら各手段の制御を不要とでき、その分、製品コストの削減を図ることができると共に、動作の信頼性の向上を図ることができる。
遊技機A9において、前記規制手段は、前記変位部材が前記基準位置から前記第2方向へ変位されることに連動して、前記変位部材の軌道領域へ遊技球を送球することを許容することを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A9の奏する効果に加え、規制手段は、前記変位部材の前記基準位置から前記第2方向への変位に連動して、前記変位部材の軌道領域への遊技球の送球を許容するので、変位部材の軌道領域であって、変位部材よりも第1方向側の領域に遊技球を確実に送球させることができる。
遊技機A1からA10のいずれかにおいて、前記変位部材が変位可能に配設されるベース部材と、そのベース部材における前記第1方向側の端部の鉛直方向下方に配設されると共に鉛直方向上方に開口を有する回収部材とを備えることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、遊技機A10の奏する効果に加え、変位部材が変位可能に配設されるベース部材と、そのベース部材における第1方向側の端部の鉛直方向下方に配設されると共に鉛直方向上方に開口を有する回収部材とを備えるので、変位部材の第1方向への移動に伴って移動され、変位部材の軌道領域から排出される遊技球(即ち、規定数を越える分の遊技球)を回収部材の開口から受け入れて回収することができる。
遊技機A11において、前記ベース部材は、退避位置と変位位置との間で変位可能に形成され、前記回収部材の開口は、少なくとも前記退避位置または変位位置に変位された前記ベース部材における前記第1方向側の端部の鉛直方向下方に位置する大きさで形成されることを特徴とする遊技機A12。
遊技機A12によれば、遊技機A11の奏する効果に加え、ベース部材は、退避位置と変位位置との間で変位可能に形成され、回収部材の開口は、少なくとも退避位置または変位位置に変位されたベース部材における第1方向側の端部の鉛直方向下方に位置する大きさで形成されるので、ベース部材が退避位置または変位位置のいずれに変位された場合でも、変位部材の軌道領域から排出される遊技球(即ち、規定数を越える分の遊技球)を回収部材の開口から受け入れて回収することができる。
遊技機A5からA8のいずれかにおいて、前記凹部の凹設空間内に挿入されることで、前記凹部に前記突部が係合することを規制する挿入部材を備えることを特徴とする遊技機A13。
遊技機A13によれば、遊技機A5からA8のいずれかにおいて、凹部の凹設空間内に挿入されることで、凹部に突部が係合することを規制する挿入部材を備えるので、変位部材の第1方向への変位に伴って、規定数を越える分の遊技球を変位部材の軌道領域から排出する際に、変位部材の姿勢が変化されることを抑制できる。よって、規定数の遊技球を変位部材が保持した状態を維持しつつ、規定数を越える分の遊技球のみを軌道領域から排出しやすくできる。
遊技機A13において、退避位置と変位位置との間で変位可能に形成されると共に前記変位部材が変位可能に配設されるベース部材を備え、前記挿入部材は、前記ベース部材が退避位置に変位されると前記凹部の凹設空間内に挿入されると共に、前記ベース部材が変位位置に変位されると前記凹部の凹設空間内から離間されることを特徴とする遊技機A14。
遊技機A14によれば、遊技機A13の奏する効果に加え、ベース部材が退避位置に変位されると挿入部材が凹部の凹設空間内に挿入されるので、変位部材の第1方向への変位に伴って、規定数を越える分の遊技球を変位部材の軌道領域から排出する際に、変位部材の姿勢が変化されることを抑制して、規定数の遊技球を変位部材が保持した状態を維持しやすくできる一方、ベース部材が変位位置に変位されると挿入部材が凹部の凹設空間内から離間されるので、変位部材の第1方向への変位に伴って突部が凹部に係合されることで、変位部材の姿勢を変化させ、規定数の遊技球を変位部材から排出しやすくできる。
<振分けユニット500を一例とする発明の概念について>
遊技球が流下する流下通路と、その流下通路から分岐される第1分岐通路および第2分岐通路と、前記流下通路を流下する遊技球を前記第1分岐通路または前記第2分岐通路の一方へ振り分ける振分手段とを備えた遊技機において、変位可能に形成されると共に前記第1分岐通路から遊技球を受け取る変位部材を備え、前記変位部材が前記振分手段に当接して変位されることで、前記振分手段が変位され、振り分け先が切り替えられることを特徴とする遊技機B1。
ここで、遊技球が流下する流下通路と、その流下通路から分岐される第1分岐通路および第2分岐通路と、流下通路を流下した遊技球を第1分岐通路または第2分岐通路の一方へ振り分ける振分手段とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2014−223176号)。しかしながら、上述した従来の遊技機では、流下通路を流下した遊技球を、第1分岐通路と第2分岐通路とへ1球ずつ交互に振り分ける構造であるため、流下通路を流下する遊技球が、第1分岐通路と第2分岐通路とに均等に(即ち、半数ずつ)振り分けられる。即ち、第1分岐通路へ振り分ける遊技球の数を変更できないという問題点があった。
これに対し、遊技機B1によれば、変位可能に形成されると共に第1分岐通路から遊技球を受け取る変位部材を備え、変位部材が振分手段に当接して変位されることで、振分手段が変位され、振り分け先が切り替えられるので、変位部材の変位に応じて、第1分岐通路または第2分岐通路へ振り分けられる遊技球の数を変更できる。即ち、第1分岐通路へ振り分ける遊技球の数を変更できる。
なお、遊技機B1によれば、変位部材の変位を利用して、振分手段を変位させることができるので、かかる振分手段を変位させるための駆動手段や伝達機構を別途設けることを不要とできる。よって、その分、部品点数を削減して、製品コストの削減を図ることができる。
また、例えば、センサ装置による位置検出や駆動手段による駆動を利用して振分手段の変位を制御する構造では、検出不良や制御不良による誤作動によって、振分手段の振り分け動作の信頼性の低下を招くところ、遊技機B1によれば、振分手段による振り分け先を、変位部材の変位に機械的に同期させて切り替えることができるので、振り分け動作の信頼性の向上を図ることができる。
特に、変位部材は、第1分岐通路から遊技球を受け取る部材であるので、かかる変位部材の変位に同期させて振分手段の振り分け先を第1分岐通路に切り替えることができることで、第1分岐通路に振り分けられた遊技球を変位部材に確実に受け取らせることができる。
遊技機B1において、前記振分手段に付勢力を付与して、前記振分手段による振り分け先を前記第1分岐通路または前記第2分岐通路の一方に維持させる付勢手段を備え、前記変位部材が前記振分手段を前記付勢力の方向に抗する方向へ変位させることで、前記振分手段による振り分け先が前記第1分岐通路または前記第2分岐通路の他方に切り替えられると共に、前記付勢手段の付勢力によって、前記振分手段による振り分け先が前記第1分岐通路または前記第2分岐通路の一方に復帰されることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、振分手段に付勢力を付与して、振分手段による振り分け先を第1分岐通路または前記第2分岐通路の一方に維持させる付勢手段を備えるので、振分手段による振り分け先が不用意に切り替えられることを抑制できる。この場合、変位部材の変位に伴って振分手段が変位され、その振り分け先が切り替えられた後、切り替え前の振り分け先への復帰は、付勢手段の付勢力により行うことができるので、変位部材が振分手段と当接されていることを不要とできる。即ち、変位部材を振分手段から離間させることができる。よって、変位部材の可動範囲の設計の自由度を高めることができる。
遊技機B2において、前記付勢手段は、前記振分手段に付勢力を付与して、前記振分手段による振り分け先を前記第2分岐通路に維持させることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、付勢手段は、振分手段に付勢力を付与して、振分手段による振り分け先を第2分岐通路に維持させるので、変位部材が遊技球を受け取り不能な状態において、振分手段による振り分け先が第1分岐通路に切り替えられることを抑制できる。
遊技機B3において、第1位置と第2位置との間で変位可能に形成されると共に前記変位部材が配設されるベース部材を備え、前記ベース部材が前記第1位置に配置された状態では、前記変位部材が、前記第1分岐通路から遊技球を受け取り可能とされると共に、前記振分手段に当接可能とされ、前記ベース部材が前記第2位置に配置された状態では、前記変位部材が、前記第1分岐通路から遊技球を受け取り不能とされると共に、前記振分手段に当接不能とされることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B3の奏する効果に加え、第1位置と第2位置との間で変位可能に形成されるベース部材を備え、そのベース部材に変位部材が配設されるので、ベース部材を第1位置に配置した状態で変位部材を変位させる態様と、ベース部材を第2位置に配置した状態で変位部材を変位させる態様とを形成することができる。よって、その分、演出効果を高めることができる。
この場合、ベース部材が第2位置に配置された状態では、変位部材が第1分岐通路から遊技球を受け取り不能とされるところ、かかる状態では変位部材が振分手段に当接不能とされるので、変位部材が遊技球を受け取り不能な状態(ベース部材が第2位置に配置された状態)において、振分手段による振り分け先が第1分岐通路に切り替えられることを抑制できる。
遊技機B4において、前記ベース部材とは別部材として形成される第2ベース部材を備え、その第2ベース部材に前記振分手段が配設されることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B4の奏する効果に加え、ベース部材とは別部材として形成される第2ベース部材を備え、その第2ベース部材に振分手段が配設されるので、その分、ベース部材の大型化を抑制することができる。
遊技機B1からB5のいずれかにおいて、前記変位部材は、切り替え位置とその切り替え位置とは異なる位置に設定される受け取り位置とに少なくとも変位可能に形成され、前記変位部材が前記切り替え位置に変位された状態では、前記振分手段による振り分け先が前記第1分岐通路に切り替えられ、前記変位部材が前記受け取り位置に変位された状態では、前記第1分岐通路から前記変位部材が遊技球を受け取り可能とされる共に、前記振分手段による振り分け先が前記第2分岐通路に切り替えられることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B1からB5のいずれかの奏する効果に加え、変位部材は、切り替え位置とその切り替え位置とは異なる位置に設定される受け取り位置とに少なくとも変位可能に形成され、変位部材が切り替え位置に変位された状態では、振分手段による振り分け先が第1分岐通路に切り替えられ、変位部材が受け取り位置に変位された状態では、第1分岐通路から変位部材が遊技球を受け取り可能とされる共に、振分手段による振り分け先が第2分岐通路に切り替えられるので、変位部材が受け取り可能な規定数を越えた遊技球が第1分岐通路へ振り分けられることを抑制できる。
即ち、切り替え位置と受け取り位置とを同一の位置に設定した場合には、振分手段による振り分け先が第1分岐通路へ切り替えられた状態のままで、変位部材が遊技球を受け取るため、変位部材が受け取り可能な規定数を越えて遊技球が第1分岐通路へ振り分けられる恐れがある。第1分岐通路への遊技球の流入を規制する手段を別途設けた場合には、構造が複雑化して信頼性が低下すると共に、製品コストの増加を招く。
これに対し、遊技機B6によれば、変位部材が切り替え位置へ変位され、規定数(又は、規定数以下)の遊技球が第1分岐通路へ振り分けられた後に、変位部材が受け取り位置へ変位されると、振り分け先が第2分岐通路へ切り替えられた状態とされるので、第1分岐通路へ規定数を越えた遊技球が流下しないようにできる。よって、変位部材が受け取り可能な規定数を越えた遊技球が第1分岐通路へ振り分けられることを抑制できる。また、上述した手段を別途設ける必要がないので、信頼性の向上と製品コストの低減とを図ることができる。
遊技機B6において、前記第1分岐通路は、その内壁面に突設または凹設される一又は複数の突起または凹部として形成され、前記第1分岐通路を通過する遊技球に抵抗を付与する抵抗手段を備えることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B6の奏する効果に加え、第1分岐通路は、その内壁面に突設または凹設される一又は複数の突起または凹部として形成され、第1分岐通路を通過する遊技球に抵抗を付与する抵抗手段を備えるので、第1分岐通路を通過する遊技球の速度を遅くすることができる。よって、その分、切り替え位置から受け取り位置まで変位部材が変位する際に必要とされる時間を長くできるので、変位部材に遊技球を確実に受け取らせることができる。また、変位部材に必要とされる変位速度を遅くできる分、駆動手段の出力を小さくして、製品コストの削減を図ることができる。
遊技機B6又はB7において、前記振分手段は、その振分手段の変位に伴って前記第1分岐通路に対して出没可能に形成される第1出没部および第2出没部を備え、前記第1出没部は、前記第1分岐通路へ突出することで、前記流下通路を流下する遊技球を前記第2分岐通路へ振り分け可能に形成され、前記第2出没部は、前記第1出没部よりも前記第1分岐通路の下流側に位置すると共に、前記第1分岐通路へ突出することで、前記第1分岐通路に振り分けられた遊技球の流下を規制可能に形成され、それら第1出没部および第2出没部は、一方が前記第1分岐通路の通路内へ突出した状態では他方が前記第1分岐通路の通路外へ退避されることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B6又はB7の奏する効果に加え、振分手段は、その振分手段の変位に伴って第1分岐通路に対して出没可能に形成される第1出没部および第2出没部を備え、第1出没部は、第1分岐通路へ突出することで、流下通路を流下する遊技球を第2分岐通路へ振り分け可能に形成され、第2出没部は、第1出没部よりも第1分岐通路の下流側に位置すると共に、第1分岐通路へ突出することで、第1分岐通路に振り分けられた遊技球の流下を規制可能に形成され、それら第1出没部および第2出没部は、一方が第1分岐通路の通路内へ突出した状態では他方が第1分岐通路の通路外へ退避されるので、変位部材の変位に伴って振分手段を変位させることで、規定数の遊技球のみを第1分岐通路へ振り分けて変位部材に受け取らせることができる。
即ち、第1出没部が突出することで、流下通路を流下する遊技球を第2分岐通路へ振り分ける第1の状態と、第1出没部が退避することで、流下通路を流下する遊技球を第1分岐通路へ振り分ける第2の状態と、第2出没部が突出することで、第1分岐通路へ振り分けられた遊技球の流下を規制(遊技球を貯留)する第3の状態と、第2出没部が退避することで、第1分岐通路に貯留されていた遊技球を流下させて変位部材へ受け取らせる第4の状態とを形成することができ、これら各状態を組み合わせることで、規定数の遊技球のみを第1分岐通路へ振り分けて変位部材に受け取らせることができる。
また、遊技機B8によれば、振分手段が第1出没部および第2出没部を備える、即ち、一部品として形成されるので、振分手段の構造(第1出没部および第2出没部を動作させそれらの機能を発揮させるための構造)を簡素化できる。更に、第1出没部および第2出没部は、一方が第1分岐通路の通路内へ突出した状態では他方が第1分岐通路の通路外へ退避されるので、変位部材の2位置(切り替え位置および受け取り位置)に応じて、振分手段も2位置に変位可能に形成されれば足りる。即ち、振分手段を2位置で変位させることで、上述した第1から第4の状態を形成できる。よって、振分手段の構造および変位部材の変位に伴い振分手段を変位させる構造を簡素化でき、その分、遊技球の振り分け動作の信頼性の向上を図ることができる。
<振分けユニット500を一例とする発明の概念について>
遊技球が流下する流下通路と、その流下通路から分岐される第1分岐通路および第2分岐通路と、前記流下通路を流下する遊技球を前記第1分岐通路または前記第2分岐通路の一方へ振り分ける振分手段とを備えた遊技機において、前記振分手段よりも下流側に位置し、前記第1分岐通路における遊技球の流下を規制または許容する流下状態変更手段を備えることを特徴とする遊技機C1。
ここで、遊技球が流下する流下通路と、その流下通路から分岐される第1分岐通路および第2分岐通路と、流下通路を流下する遊技球を第1分岐通路または第2分岐通路の一方へ振り分ける振分手段とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2014−223176号)。しかしながら、上述した従来の遊技機では、流下通路を流下する遊技球が、第1分岐通路または第2分岐通路の一方へ振り分けられるのみであるため、遊技者に興趣を与えることが不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機C1によれば、前記振分手段よりも下流側に位置し、前記第1分岐通路における遊技球の流下を規制または許容する流下状態変更手段を備えるので、遊技者に興趣を与えることができる。
即ち、流下状態変更手段の動作により、第1分岐通路へ振り分けられた遊技球の流下を規制して第1分岐通路に遊技球を貯留すると共に、第1分岐通路における遊技球の流下を許容し、第1分岐通路に貯留されていた遊技球を流下させる(開放する)ことができる。これにより、流下通路を流下する遊技球を第1分岐通路または第2分岐通路の一方へ振り分ける動作に加え、第1分岐通路に振り分けられた遊技球の流下を一端停止させる(貯留する)動作と、その停止された(貯留された)遊技球を流下させる(開放する)動作とを形成できる。その結果、遊技者に興趣を与えることができる。
遊技機C1において、前記振分手段と前記流下状態変更手段とが一体に形成される一体部材を備え、前記振分手段による振り分け先が前記第1分岐通路とされた状態では前記第1分岐通路における遊技球の流下が前記流下状態変更手段により規制され、前記振分手段による振り分け先が前記第2分岐通路とされた状態では前記第1分岐通路における遊技球の流下が前記流下状態変更手段により許容されることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、振分手段と流下状態変更手段とが一体に形成される一体部材を備えるので、それら振分手段と流下状態変更手段とを動作させる構造の簡素化と動作の信頼性の向上とを図ることができる。即ち、振分手段と流下状態変更手段とが別体に形成される場合には、2部品となるため、それら2部品を動作させる構造が複雑化すると共に動作の信頼性の低下を招く。これに対し、遊技機C2によれば、振分手段と流下状態変更手段とを一部品として形成できるので、その分、構造を簡素化でき、製品コストの削減と動作の信頼性の向上とを図ることができる。
また、この場合、一体部材の動作により、振分手段による振り分け先が第1分岐通路とされると、第1分岐通路へ振り分けられた遊技球の流下を流下状態変更手段により規制して第1分岐通路に遊技球を貯留すると共に、振分手段による振り分け先が第2分岐通路とされると、第1分岐通路における遊技球の流下を流下状態変更手段により許容し、第1分岐通路に貯留されていた遊技球を流下させる(開放する)ことができる。即ち、流下通路を流下する遊技球を第1分岐通路または第2分岐通路の一方へ振り分ける動作に加え、第1分岐通路に振り分けられた遊技球の流下を一端停止させる(貯留する)動作と、その停止された(貯留された)遊技球を流下させる(開放する)動作とを形成できるだけでなく、これら貯留および開放の動作を、振り分け動作に連動して、交互に形成できる。
遊技機C2において、前記一体部材は、第1状態位置と第2状態位置とに変位可能に形成され、前記一体部材が前記第1状態位置に変位された状態では、前記振分手段が前記第1分岐通路を振り分け先とする位置に配置され且つ前記流下状態変更手段が前記第1分岐通路における遊技球の流下を規制する位置に配置され、前記一体部材が前記第2状態位置に変位された状態では、前記振分手段が前記第2分岐通路を振り分け先とする位置に配置され且つ前記流下状態変更手段が前記第1分岐通路における遊技球の流下を許容する位置に配置されることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C2の奏する効果に加え、一体部材は、第1状態位置と第2状態位置とに変位可能に形成され、一体部材が第1状態位置に変位された状態では、振分手段が第1分岐通路を振り分け先とする位置に配置され且つ流下状態変更手段が第1分岐通路における遊技球の流下を規制する位置に配置され、一体部材が第2状態位置に変位された状態では、振分手段が前記第2分岐通路を振り分け先とする位置に配置され且つ流下状態変更手段が第1分岐通路における遊技球の流下を許容する位置に配置されるので、一体部材を2位置(第1状態位置および第2状態位置)で変位させることで、流下通路を流下する遊技球を第1分岐通路または第2分岐通路の一方へ振り分ける動作に加え、第1分岐通路に振り分けられた遊技球の流下を一端停止させる(貯留する)動作と、その停止された(貯留された)遊技球を流下させる(開放する)動作とを形成できると共に、これら貯留および開放の動作を、振り分け動作に連動して、交互に形成できる。即ち、構造を簡素化して、製品コストの削減と動作の信頼性の向上とを図ることができる。
遊技機C3において、前記一体部材は、回転可能に形成され、少なくとも前記流下状態変更手段は、前記第1分岐通路に対して出没可能に形成され、前記第1分岐通路へ突出することで遊技球の流下を規制すると共に、前記一体部材の回転軸を中心とする円弧状に湾曲した形状に形成されることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、一体部材は、回転可能に形成され、少なくとも流下状態変更手段は、第1分岐通路に対して出没可能に形成され、第1分岐通路へ突出することで遊技球の流下を規制すると共に、一体部材の回転軸を中心とする円弧状に湾曲した形状に形成されるので、流下状態変更手段の出没のために第1分岐通路の内壁に開口される孔の面積を小さくすることができる。
遊技機C4において、前記流下状態変更手段は、前記第1分岐通路の上流を臨む側が凹となる姿勢で配設されることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、流下状態変更手段は、第1分岐通路の上流を臨む側が凹となる姿勢で配設されるので、第1分岐通路へ流下状態変更手段が突出し始めた初期の状態(即ち、通路内へ流下状態変更手段の先端側のみが突出されている状態)において、流下状態変更手段の先端側の形状を、遊技球の流下を規制しやすい向きに配置でき、第1分岐通路に振り分けられた遊技球の流下を規制しやすくできる。
また、流下状態変更手段が第1分岐通路へ最大に突出され遊技球の流下を規制する状態では、流下状態変更手段の凹により遊技球を安定して保持できるので、遊技球の暴れを抑制できる。
遊技機C4又はC5において、前記一体部材に付勢力を付与して、前記流下状態変更手段が前記第1分岐通路へ突出する方向へ付勢する付勢手段を備え、前記流下状態変更手段から前記一体部材の回転軸までの距離が、前記振分手段から前記一体部材の回転軸までの距離よりも大きくされることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C4又はC5の奏する効果に加え、一体部材に付勢力を付与して、流下状態変更手段が第1分岐通路へ突出する方向へ付勢する付勢手段を備えるので、かかる付勢力を利用して、一体部材を、流下状態変更手段が第1分岐通路へ突出する姿勢(即ち、第1状態位置)に維持しやすくできる。
この場合、遊技機C6では、流下状態変更手段から一体部材の回転軸までの距離が、振分手段から一体部材の回転軸までの距離よりも大きくされるので、流下する遊技球が衝突されると、回転軸からの距離が大きい分、同じ衝撃力が作用した場合でも、流下状態変更手段が没入しやすいところ、付勢手段の付勢方向が、流下状態変更手段が第1分岐通路へ突出する方向とされることで、その付勢力の分、流下状態変更手段が没入されることを抑制できる。
遊技機C6において、前記一体部材は、その自重により前記流下状態変更手段が前記第1分岐通路へ突出する方向へ回転されることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C6の奏する効果に加え、一体部材は、その自重により流下状態変更手段が第1分岐通路へ突出する方向へ回転されるので、かかる自重を利用して、一体部材を、流下状態変更手段が第1分岐通路へ突出する姿勢(即ち、第1状態位置)に維持しやすくできる。よって、遊技球が衝突した場合には、その自重の分、流下状態変更手段が没入されることを更に抑制できる。
また、付勢手段が脱落した場合でも、一体部品を、その自重により、流下状態変更手段が前記第1分岐通路へ突出した姿勢に維持して、第1分岐通路へ遊技球が流下することを抑制できる。
遊技機C2からC7のいずれかにおいて、前記振分手段による振り分け先が前記第1分岐通路とされると共に前記第1分岐通路における遊技球の流下が前記流下状態変更手段により規制され、前記第1分岐通路に規定数の遊技球が貯留された状態では、前記流下通路を流下する遊技球が前記第2分岐通路へ流下可能に形成されることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C2からC7のいずれかの奏する効果に加え、振分手段による振り分け先が第1分岐通路とされると共に第1分岐通路における遊技球の流下が流下状態変更手段により規制され、第1分岐通路に規定数の遊技球が貯留された状態では、流下通路を流下する遊技球が第2分岐通路へ流下可能に形成されるので、規定数以上の遊技球が流下通路を流下する場合に、規定数を越える分の遊技球が流下通路に滞ることを抑制できる。よって、振分手段の変位(振り分け先を第2分岐通路とする動作)が、流下通路に滞った遊技球によって阻害されることを抑制できる。
遊技機C8において、前記流下通路における前記第2分岐通路を臨む側の内壁は、前記流下通路を流下する遊技球を、前記第1分岐通路に貯留された前記規定数の遊技球のうちの末尾の遊技球における前記第2分岐通路側の側面へ案内可能に形成されることを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C8の奏する効果に加え、流下通路における第2分岐通路を臨む側の内壁は、流下通路を流下する遊技球を、第1分岐通路に貯留された規定数の遊技球のうちの末尾の遊技球における第2分岐通路側の側面へ案内可能に形成されるので、流下通路を流下する遊技球を、規定数の遊技球のうちの末尾の遊技球に衝突させた後、第2分岐通路へ流下させやすくできる。
なお、規定数の遊技球のうちの末尾の遊技球とは、上流側(流下状態変更手段と反対側)に位置する遊技球を意味する。また、規定数が1の場合には、末尾の遊技球は、第1分岐通路に貯留されている遊技球そのものを意味する。
遊技機C8又はC9において、前記流下通路の下流端の流下方向は、前記第1分岐通路の上流端の流下方向と異なる方向に形成されることを特徴とする遊技機C10。
遊技機C10によれば、遊技機C8又はC9の奏する効果に加え、流下通路の下流端の流下方向は、第1分岐通路の上流端の流下方向と異なる方向に形成されるので、流下通路を流下する遊技球が、第1分岐通路に貯留された規定数の遊技球のうちの末尾の遊技球に衝突した際に、末尾の遊技球に作用される反発力の方向を第1分岐通路の上流端の流下方向と異ならせることができる。その結果、衝突の際の反発力で末尾の遊技球が第1分岐通路の上流端から飛び出して、第2分岐通路へ流入されることを抑制できる。
遊技機C2からC10のいずれかにおいて、前記振分手段は、前記流下通路または前記第1分岐通路に対して出没可能に形成されると共に、その出没位置が、前記流下通路の下流端における流下方向の延長線上における内壁とされることを特徴とする遊技機C11。
遊技機C11によれば、遊技機C2からC10のいずれかの奏する効果に加え、振分手段は、流下通路または第1分岐通路に対して出没可能に形成されると共に、その出没位置が、流下通路の下流端における流下方向の延長線上における内壁とされるので、流下通路の下流端から流下する遊技球に近い位置で振分手段を突出させることができる。よって、振分手段を流下通路または第1分岐通路へ突出させ始めてから遊技球を振り分けできる状態となるまでに要する時間を短くすることができる。その結果、振分手段による振り分け先の切り替えをより確実に行うことができる。
遊技機C11において、前記振分手段は、前記流下通路または前記第1分岐通路に突出されることで、前記流下通路を流下する遊技球を前記第2分岐通路へ振り分けるものであり、その振分手段の突出方向が前記第2分岐通路の上流端を指向方向に設定されること特徴とする遊技機C12。
遊技機C12によれば、遊技機C11の奏する効果に加え、振分手段は、流下通路または第1分岐通路に突出されることで、流下通路を流下する遊技球を第2分岐通路へ振り分けるものであり、その振分手段の突出方向が第2分岐通路の上流端を指向する方向に設定されるので、流下通路を流下する遊技球が突出動作の途中の振分手段に当接した場合には、かかる遊技球を振分手段の突出動作に伴って第2分岐通路へ押し込むことができる。その結果、第2分岐通路への振り分けをより確実に行うことができる。
遊技機C1からC12のいずれかにおいて、前記第1分岐通路は、下流へ向けて下降傾斜して形成されると共にその重力方向下方側の内壁を遊技球が転動可能に形成され、前記流下状態変更手段は、前記重力方向下方側の内壁から前記第1分岐通路内へ出没可能に形成されることを特徴とする遊技機C13。
遊技機C13によれば、遊技機C1からC12のいずれかの奏する効果に加え、第1分岐通路は、下流へ向けて下降傾斜して形成されると共にその重力方向下方側の内壁を遊技球が転動可能に形成され、流下状態変更手段は、重力方向下方側の内壁から第1分岐通路内へ出没可能に形成されるので、流下状態変更手段を第1分岐通路内へ突出させ始めてから遊技球の流下を規制できる状態となるまでに要する時間を短くすることができる。その結果、振分手段の振り分け先が第2分岐通路から第1分岐通路に切り替えられ、第1分岐通路に遊技球が振り分けられた際に、その遊技球の流下の規制に流下状態変更手段の突出を間に合わせやすくできる。
遊技機C1からC13のいずれかにおいて、前記流下状態変更手段は、前記第1分岐通路に対して出没可能に形成され、少なくとも前記第1分岐通路へ最大に突出した状態では、突出する方向への力成分が遊技球から前記流下状態変更手段へ作用されることを特徴とする遊技機C14。
遊技機C14によれば、遊技機C1からC13のいずれかにおいて、流下状態変更手段は、第1分岐通路に対して出没可能に形成され、少なくとも第1分岐通路へ最大に突出した状態では、突出する方向への力成分が遊技球から前記流下状態変更手段へ作用されるので、第1分岐通路へ振り分けられた遊技球の流下を規制する際に、その遊技球が衝突した際の衝撃で流下状態変更手段が没入することを抑制できる。よって、遊技球の流下を規制しやすくできる。
<下変位ユニット400を一例とする発明の概念について>
ベース部材と、そのベース部材に一側が変位可能に配設される基部材と、その基部材に変位可能に配設される変位部材とを備えた遊技機において、前記変位部材の変位に伴う基部材の反作用を抑制する抑制手段を備えることを特徴とする遊技機D1。
ここで、ベース部材と、そのベース部材に一側が変位可能に配設される基部材と、その基部材に変位可能に配設される変位部材とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2015−029849)。この遊技機によれば、基部材を、遊技領域へ張り出して遊技者から視認可能とされる張出位置と、遊技領域から後退される退避位置との間で変位させる演出に加え、基部材を張出位置に配置した状態において、変位部材を変位させる演出を行うことができる。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、ベース部材に基部材の一側が変位可能に配設されるため、変位部材が変位されると、一側を支点として、ベース部材に対する基部材のがたつきが発生しやすいという問題点があった。
これに対し、遊技機D1によれば、変位部材の変位に伴う基部材の反作用を抑制する抑制手段を備えるので、変位部材が変位される際のベース部材に対する基部材のがたつきの発生を抑制することができる。
なお、変位部材の変位に伴う反力としては、例えば、変位部材の変位に伴う重心の変化により発生するもの、変位部材の変位速度の増減(加速度の変化)に伴う慣性力の作用により発生するもの、変位部材が変位して遊技球を出射する際の反力に伴い発生するものなどが例示される。
遊技機D1において、前記抑制手段は、前記基部材に変位可能に配設される配設部材を備え、前記変位部材は、遊技球を保持可能かつ出射可能に形成され、前記配設部材は、前記変位部材から遊技球が出射される際に変位可能に形成されることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、抑制手段は、基部材に変位可能に配設される配設部材を備え、変位部材は、遊技球を保持可能かつ出射可能に形成され、配設部材は、変位部材から遊技球が出射される際に変位可能に形成されるので、ベース部材に対する基部材のがたつきの発生を抑制することができる。即ち、変位部材から遊技球が発射されると、遊技球の重さの分、基部材の重心位置が変化されるところ、例えば、遊技球の発射に伴う重心位置の変化を相殺する方向へ配設部材を変位させる構成を採用した場合には、重心位置の変化に伴う基部材のがたつきの発生を抑制できる。また、変位部材から遊技球が発射されると、その遊技球の発射に伴い基部材が反作用を受けるところ、例えば、遊技球の発射に伴う反作用を相殺する方向へ配設部材を変位させる構成を採用した場合には、反作用に伴う基部材のがたつきの発生を抑制できる。
遊技機D1又はD2において、前記変位部材が変位されると、その変位部材の変位方向と逆方向となる変位成分を少なくとも有して変位される逆部材を備えることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1又はD2の奏する効果に加え、変位部材が変位されると、その変位部材の変位方向と逆方向となる変位成分を少なくとも有して変位される逆部材を備えるので、変位部材の変位に伴い基部材の重心位置が変化することを、逆部材の変位で小さくすることができる。その結果、重心位置の変化に起因する基部材のがたつきを抑制できる。
なお、変位部材の変位が開始される際に、逆部材の変位が開始される構成であれば、両者の慣性力の少なくとも一部を打ち消し合わせることができる。その結果、変位部材を停止状態から変位される際の基部材のがたつきを抑制しやすくできる。
遊技機D2又はD3において、前記変位部材の変位を前記配設部材または(及び)前記逆部材へ伝達して前記配設部材または(及び)前記逆部材を変位させる伝達機構を備えることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D2又はD3の奏する効果に加え、変位部材の変位を配設部材または(及び)逆部材に伝達して配設部材または(及び)逆部材を変位させる伝達機構を備えるので、配設部材または(及び)逆部材を変位させるための駆動手段を別途設ける必要がない。即ち、変位部材を変位させるための駆動手段を、配設部材または(及び)逆部材を変位させるための駆動手段として兼用することができる。よって、その分、基部材を軽量化して、そのがたつきを抑制しやすくできる。
また、変位部材の変位に機械的に同期させて配設または(及び)逆部材を変位させることができるので、例えば、変位部材の位置をセンサ装置で検出し、その検出結果に応じて配設部材または(及び)逆部材を駆動手段で駆動する制御を不要とでき、その分、製品コストの削減を図ることができると共に、変位部材に対する変位部材または(及び)逆部材の変位動作の信頼性を確保できる。
遊技機D1からD4のいずれかにおいて、前記変位部材は、第2位置から変位を開始する態様と、前記第2位置よりも前記基部材の一側に近い第1位置から変位を開始する態様とを形成可能に形成され、少なくとも前記基部材がベース部材に対して所定位置に配置された状態では、前記第1位置から変位を開始することを特徴とする遊技機D5。
ここで、変位部材を停止状態から変位させる際には、加速度の変化が最大となるため、慣性力の影響により、基部材のがたつきが発生しやすい。
これに対し、遊技機D5によれば、遊技機D1からD4のいずれかの奏する効果に加え、変位部材は、第2位置から変位を開始する態様と、第2位置よりも基部材の一側に近い第1位置から変位を開始する態様とを形成可能に形成され、少なくとも基部材がベース部材に対して所定位置に配置された状態(例えば、基部材が、遊技領域へ張り出して遊技者から視認可能とされる張出位置)では、第1位置から変位を開始するので、基部材のがたつきを抑制することができる。即ち、第1位置は、第2位置よりも基部材の一側に近い位置とされるので、かかる第1位置を変位部材の変位の開始位置とすることで、変位部材の重さを、基部材がベース部材に対してがたつく際の支点に近づけておくことができ、その分、変位部材を停止状態から変位される際の慣性力の影響を基部材に作用させ難くできる。その結果、基部材のがたつきを抑制しやすくできる。
遊技機D5において、前記基部材に配設されるピニオンギヤと、そのピニオンギヤに歯合されるラックギヤを有するラック部材とを備え、前記ラック部材に前記変位部材が配設されることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D5の奏する効果に加え、基部材に配設されるピニオンギヤと、そのピニオンギヤに歯合されるラックギヤが形成されるラック部材とを備え、そのラック部材に変位部材が配設されるので、変位部材の変位を第1位置から開始する際には、ラック部材の重さだけでなく、ラック部材の重さも基部材の一側(基部材がベース部材に対してがたつく際の支点)に近づけておくことができる。その結果、変位部材を停止状態から変位される際の基部材のがたつきを抑制しやすくできる。
遊技機D6において、前記変位部材が前記第1位置から変位を開始する際の変位方向は、前記基部材の一側から離間する方向であることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D6の奏する効果に加え、変位部材が第1位置から変位を開始する際の変位方向は、基部材の一側から離間する方向なので、変位部材が第1位置に配置された状態では、ラック部材をより基部材の一側へ近づけることができる。即ち、基部材の一側から離間する方向へ変位部材(ラック部材)が変位するためには、ラック部材は、変位部材の変位が開始された後にピニオンギヤが歯合されるラックギヤ側の部分を基部材の一側へ向けることとなる。よって、ラック部材の重さをより基部材の一側(基部材がベース部材に対してがたつく際の支点)に近づけておくことができ、その結果、変位部材を停止状態から変位される際の基部材のがたつきを抑制しやすくできる。
遊技機D1からD7のいずれかにおいて、前記ベース部材に前記基部材の一側を変位可能に支持する支持構造と、その支持構造に支持される前記基部材を駆動する駆動機構とを備え、前記変位部材は、遊技球を保持可能かつ出射可能に形成され、前記駆動機構は、前記変位部材から遊技球が出射される際の反作用の方向に前記基部材が変位されることを規制する規制手段を備えることを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、遊技機D1からD7のいずれかの奏する効果に加え、ベース部材に基部材の一側を変位可能に支持する支持構造と、その支持構造に支持される基部材を駆動する駆動機構とを備え、変位部材は、遊技球を保持可能かつ出射可能に形成され、駆動機構は、変位部材から遊技球が出射される際の反作用の方向に基部材が変位されることを規制する規制手段を備えるので、反作用に伴って基部材がベース部材に対して変位されることを抑制できる。その結果、基部材のがたつきの発生を抑制できる。
<回転ユニット700を一例とする発明の概念について>
回転可能に形成されその外周面が遊技者に視認可能に配設される回胴部材を備えた遊技機において、前記回胴部材の外周面に変位可能に配設される変位部材を備えることを特徴とする遊技機E1。
ここで、回転可能に形成されその外周面が遊技者に視認可能に配設される回胴部材を備えた遊技機が知られている(例えば、特開2009−119140号)。この遊技機では、回胴部材が円筒状に形成され、その外周面の表示(図柄)を、回胴部材を回転させつつ、又は、回胴部材を停止させて、遊技者に視認させる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、回胴部材の回転または停止に伴って、外周面の表示を遊技者に視認させる演出態様を形成できるのみであるため、演出態様の変化が乏しく、演出効果が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機E1によれば、回胴部材の外周面に変位可能に配設される変位部材を備えるので、回胴部材の回転または停止に伴って、外周面の表示を遊技者に視認させる演出態様に加え、変位部材を変位させる演出態様を形成できるので、その分、演出態様に変化を付与して、演出効果を高めることができる。
なお、回胴部材は、その回転軸に垂直な平面で切断した断面形状が円形である必要はなく、多角形状、楕円形状、それらを組み合わせた形状であっても良い。よって、回胴部材の外周面は、周面でなくても良く、平坦面や湾曲面、これらの組み合せであっても良い。
遊技機E1において、前記変位部材は、少なくとも第1位置および第2位置の間で変位可能に形成され、前記第1位置では、前記回胴部材の外周面の一部が前記変位部材により形成され、前記第2位置では、前記回胴部材の径方向外方へ前記変位部材の少なくとも一部が突出されることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、変位部材が第1位置に変位されると、回胴部材の外周面の一部が変位部材により形成されるので、回胴部材の外形を小さくでき、その分、回胴部材が回転するのに要するスペースを小さくできる。一方、変位部材が第2位置へ変位されると、回胴部材の径方向外方へ変位部材の少なくとも一部が突出されるので、変位部材の変位を遊技者に視認させやすくでき、演出効果を高めることができる。また、例えば、変位部材を第一位置に配置した状態で回胴部材を回転させると共に、その回胴部材の回転を停止した際に変位部材を第2位置に配置する(変位させる)ことで、回胴部材の外周面と視認していた部分(変位部材)が、回胴部材の径方向外方へ突出される態様を形成でき、興趣を高めることができる。
遊技機E2において、光を発光する発光手段を備え、前記回胴部材は、内部空間を有して形成されると共に、その内部空間に前記発光手段が配設され、前記変位部材が前記第2位置に変位されると、前記回胴部材の外周面が開放され、前記内部空間が外部に連通されることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、光を発光する発光手段を備え、回胴部材は、内部空間を有して形成されると共に、その内部空間に発光手段が配設され、変位部材が第2位置に変位されると、回胴部材の外周面が開放され、内部空間が外部に連通されるので、発光手段による発光を外部に出射させることができると共に、変位部材が第1位置に変位されることで、その外部への出射を遮断することができる。その結果、演出効果を高めることができる。
遊技機E1からE3のいずれかにおいて、駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段の駆動力を前記回胴部材および前記変位部材に伝達する伝達手段とを備えることを特徴とする遊技機E4。
ここで、回胴部材を回転可能に形成すると共に、その回胴部材に変位部材を変位可能に配設するためには、回胴部材および変位部材のそれぞれに駆動手段が必要となり、製品コストが嵩む。また、変位部材を変位させるための駆動手段を回胴部材に搭載すると、回胴部材の重量が増加するため、回胴部材の回転の開始または停止を円滑に行うことが困難となる。
これに対し、遊技機E4によれば、遊技機E1からE3のいずれかの奏する効果に加え、駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段の駆動力を前記回胴部材および前記変位部材に伝達する伝達手段とを備えるので、1の駆動手段を兼用して、回胴部材の回転と変位部材の変位とを行うことができる。よって、製品コストの削減を図ることができる。また、変位部材を変位させるための駆動手段を回胴部材に搭載する必要がないので、回胴部材の重量を軽量化でき、回胴部材の回転の開始または停止を円滑に行うことができる。
遊技機E4において、前記駆動手段は、回転駆動力を発生可能に形成され、前記伝達手段は、前記駆動手段の回転駆動力を前記回胴部材へ伝達する回転側伝達手段と、前記駆動手段の回転駆動力を前記変位部材へ伝達する変位側伝達手段と、前記駆動手段の回転駆動力の回転方向に応じて前記回転駆動力を前記回転側伝達手段または変位側伝達手段の一方へ伝達すると共に他方への伝達を遮断するワンウェイクラッチ機構とを備えることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E4の奏する効果に加え、駆動手段は、回転駆動力を発生可能に形成され、伝達手段は、駆動手段の回転駆動力を回胴部材へ伝達する回転側伝達手段と、駆動手段の回転駆動力を変位部材へ伝達する変位側伝達手段と、駆動手段の回転駆動力の回転方向に応じて回転駆動力を回転側伝達手段または変位側伝達手段の一方へ伝達すると共に他方への伝達を遮断するワンウェイクラッチ機構とを備えるので、駆動手段の回転方向を切り替えるのみで、その回転駆動力により駆動する駆動対象(回胴部材または変位部材)を切り替えることができる。即ち、駆動手段の回転方向に応じて、回胴部材の回転およびその回転の停止と、変位部材の変位およびその変位の停止とを切り替えることができ、複数の態様を形成可能としつつ、構造を簡素化できる。
遊技機E5において、前記回転側伝達手段は、前記駆動手段の回転駆動力を前記回胴部材へ伝達する伝達経路の一部または全部をなす歯車列と、その歯車列のうちの一の歯車に歯合される負荷用歯車とを備えることを特徴とする遊技機E6。
ここで、ワンウェイクラッチ機構を利用して、駆動手段の回転方向に応じて、その駆動対象(回胴部材または変位部材)を切り替える構造では、駆動手段からの駆動力の伝達が遮断されると、駆動力により駆動されていた方向への回転または変位が自在な状態となる。そのため、例えば、駆動手段の駆動対象が回胴部材から変位部材に切り替えられ、駆動力の伝達が遮断されると、回胴部材は、回転自在な状態となり、慣性力により回転が継続(自転)されるおそれがある。
これに対し、遊技機E6によれば、遊技機E5の奏する効果に加え、回転側伝達手段は、駆動手段の回転駆動力を回胴部材へ伝達する伝達経路の一部または全部をなす歯車列と、その歯車列のうちの一の歯車に歯合される負荷用歯車とを備えるので、駆動手段からの回転駆動力の伝達が遮断されても、負荷用歯車を回転させる際の負荷(抵抗)を利用して、回胴部材の回転が継続されることを抑制できる。
遊技機E5又はE6において、前記駆動手段の回転駆動力により回転される方向とは逆方向へ前記回胴部材が回転されることを規制する逆回転規制手段を備えることを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E5又はE6の奏する効果に加え、駆動手段の回転駆動力により回転される方向とは逆方向へ回胴部材が回転されることを規制する逆回転規制手段を備えるので、例えば、回胴部材の重心位置の偏りや遊技球の衝突などに起因して、回胴部材が逆回転されることを抑制できる。
遊技機E2又はE3において、前記回胴部材は、内部空間を有して形成され、前記変位部材が前記第2位置に変位されると、前記回胴部材の外周面が開放され、前記内部空間が遊技領域に連通されることを特徴とする遊技機E8。
遊技機E8によれば、遊技機E2又はE3の奏する効果に加え、回胴部材は、内部空間を有して形成され、変位部材が第2位置に変位されると、回胴部材の外周面が開放され、内部空間が遊技領域に連通されるので、遊技領域を流下する遊技球を回胴部材の内部空間へ流入させる、或いは、回胴部材の内部空間にある遊技球を遊技領域へ流出させることができる。また、変位部材が第1位置に変位されると、回胴部材の外周面が閉鎖されることで、内部空間と遊技領域との間の遊技球の流出入を遮断することができる。その結果、演出効果を高めることができる。
遊技機E8において、前記変位部材は、一側が前記回胴部材に回転可能に軸支され、前記変位部材が前記第2位置に変位されると、前記一側と反対側となる他側が前記遊技領域へ張り出されることを特徴とする遊技機E9。
遊技機E9によれば、遊技機E8の奏する効果に加え、変位部材は、一側が回胴部材に回転可能に軸支され、変位部材が第2位置に変位されると、一側と反対側となる他側が遊技領域へ張り出されるので、遊技領域を流下する遊技球を変位部材の上面に受け止めさせることができる。よって、遊技領域を流下する遊技球を、変位部材を利用して、回胴部材の内部空間へ流入させやすくすることができる。
遊技機E9において、前記変位部材は、第2位置に変位された状態では、その上面が前記他側から前記一側へ向けて下降傾斜されることを特徴とする遊技機E10。
遊技機E10によれば、遊技機E9の奏する効果に加え、変位部材は、第2位置に変位された状態では、その上面が他側から一側へ向けて下降傾斜されるので、遊技領域を流下された遊技球を変位部材の上面で受け止めた後、その受け止めた遊技球を変位部材の上面の下降傾斜に沿って回胴部材の内部空間へ案内する(転動させる)ことができる。よって、遊技領域を流下する遊技球を、変位部材を利用して、回胴部材の内部空間へ流入させやすくすることができる。
遊技機E9又はE10において、前記回胴部材の回転位置に応じて前記変位部材の変位を規制または許容する変位設定手段を備えることを特徴とする遊技機E11。
遊技機E11によれば、遊技機E9又はE10の奏する効果に加え、回胴部材の回転位置に応じて変位部材の変位を規制または許容する変位設定手段を備えるので、張り出された変位部材が回胴部材の周囲の他の部材に干渉することを抑制できる。
遊技機E9からE11のいずれかにおいて、前記回胴部材の回転を規制する回転規制手段を備え、その回転規制部材は、前記変位部材が前記第2位置へ変位され、前記変位部材の他側が前記遊技領域へ張り出された場合に、前記回胴部材の回転を規制することを特徴とする遊技機E12。
遊技機E12によれば、遊技機E9からE11のいずれかの奏する効果に加え、回胴部材の回転を規制する回転規制手段を備え、その回転規制部材は、変位部材が第2位置へ変位され、変位部材の他側が遊技領域へ張り出された場合に、回胴部材の回転を規制するので、変位部材が張り出された状態で回胴部材が回転されて、その回転軌跡上に位置する他の部材に変位部材が干渉することを抑制できる。また、遊技領域を流下する遊技球を変位部材が受け止めた際に作用する荷重や変位部材の上面を転動する遊技球の重さにより回胴部材が回転されることを抑制できる。
<回転ユニット700を一例とする発明の概念について>
回転可能に形成されその外周面が遊技者に視認可能に配設される回胴部材を備えた遊技機において、前記回胴部材は、その内部に形成される内部空間と、その内部空間を外部に連通させると共に遊技球が通過可能に形成される連通口とを備えることを特徴とする遊技機F1。
ここで、回転可能に形成されその外周面が遊技者に視認可能に配設される回胴部材を備えた遊技機が知られている(例えば、特開2009−119140号)。この遊技機によれば、回胴部材が円筒状に形成され、その外周面の表示(図柄)を、回胴部材を回転させつつ、又は、回胴部材を停止させて、遊技者に視認させることができる。しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技者に視認させるための表示をその外周面に保持するための部材として利用されるのみで、回胴部材の活用が不十分であるという問題点があった。即ち、回胴部材は遊技者が視認可能な程度の表示を保持する必要があるため、比較的大型に形成される。そのため、回胴部材による占有空間が嵩む一方、その外周面以外の部分は活用されていない。
これに対し、遊技機F1によれば、回胴部材は、その内部に形成される内部空間と、その内部空間を外部に連通させると共に遊技球が通過可能に形成される連通口とを備えるので、遊技領域を流下する遊技球を、連通口を介して内部空間へ流入または内部空間から流出させることができる。よって、デッドスペースとされる回胴部材の内部空間を遊技球の貯留空間または送球通路として機能させることができ、その分、回胴部材を活用できる。
なお、連通口は、回胴部材の1カ所のみに形成されるものであっても良く、2カ所以上に形成されるものであっても良い。1カ所のみに連通口が形成される場合は、回胴部材の外周面に連通口が形成される。これにより、回胴部材の回転位置に応じて連通口の位置を上下させることができるので、かかる連通口を介して遊技球を内部空間へ流入または内部空間から流出させる(連通口が上方を向く際に遊技球を内部空間へ流入させると共に、連通口が下方を向く際に内部空間の遊技球を流出させる)ことができる。
また、回胴部材は、その回転軸に垂直な平面で切断した断面形状が円形である必要はなく、多角形状、楕円形状、それらを組み合わせた形状であっても良い。よって、回胴部材の外周面は、周面でなくても良く、平坦面や湾曲面、これらの組み合せであっても良い。
遊技機F1において、前記連通口は、第1連通口と、その第1連通口とは異なる位置に形成される第2連通口とを備えることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、連通口は、第1連通口と、その第1連通口とは異なる位置に形成される第2連通口とを備えるので、第1連通口または第2連通口の一方を、外部から内部空間へ遊技球を流入させる流入口とし、第1連通口または第2連通口の他方を、内部空間から外部へ遊技球を流出させる流出口とすることができる。即ち、回胴部材を回転させなくても(停止状態に維持したままで)、回胴部材を遊技球の送球通路として活用できる。なお、回胴部材を回転させている状態において、かかる回胴部材を送球通路として活用しても良い。
遊技機F2において、前記第1連通口は、前記回胴部材の前記外周面に形成され、遊技領域を流下する遊技球を前記内部空間へ流入させる流入口として形成され、前記第2連通口は、前記回胴部材の回転軸方向の端面に形成され、前記内部空間から遊技領域へ遊技球を流出させる流出口として形成されることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F2の奏する効果に加え、第1連通口は、回胴部材の外周面に形成され、遊技領域を流下する遊技球を内部空間へ流入させる流入口として形成され、第2連通口は、回胴部材の回転軸方向の端面に形成され、内部空間から遊技領域へ遊技球を流出させる流出口として形成されるので、回胴部材の内部空間への遊技球の流入を遊技者に視認させやすくできると共に、回胴部材を停止状態に維持したままで、遊技球を排出することができる。
即ち、回胴部材は、外周面が遊技者から視認可能に配設されるところ、その外周面に、第1連通口(流入口)が形成されるので、遊技球の流入を遊技者に視認させやすくできる。一方、回胴部材の外周面に第2連通口が形成されると、かかる連通口が上方となる回転位置に回胴部材が変位されると、内部空間から遊技球を流出させることができないところ、第2連通口(流出口)は、回胴部材の回転軸方向の端面に形成されるので、回胴部材の回転位置に関わらず、内部空間から遊技球を流出可能な状態を形成できる。
遊技機F1からF3のいずれかにおいて、前記回胴部材の前記外周面に変位可能に配設される変位部材を備え、その変位部材が第1位置へ変位されると、前記連通口が前記変位部材によって遮蔽され、前記変位部材が第2位置へ変位されると、前記連通口が開放されることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F1からF3のいずれかの奏する効果に加え、回胴部材の外周面に変位可能に配設される変位部材を備え、その変位部材が第1位置へ変位されると、連通口が変位部材によって遮蔽され、変位部材が第2位置へ変位されると、連通口が開放されるので、連通口を介した遊技球の流出入を遮断状態と許容状態とに切り替えることができる。
遊技機F4において、前記連通口は、前記回胴部材の前記外周面に形成され、前記変位部材は、一側が前記回胴部材に回転可能に軸支され、前記変位部材が前記第2位置に変位されると、前記一側と反対側となる他側が遊技領域へ張り出されることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機E4の奏する効果に加え、変位部材は、一側が回胴部材に回転可能に軸支され、変位部材が第2位置に変位されると、一側と反対側となる他側が遊技領域へ張り出されるので、遊技領域を流下する遊技球を変位部材の上面に受け止めさせることができる。よって、例えば、連通口が流入口として形成される場合には、遊技領域を流下する遊技球を、変位部材を利用して、回胴部材の内部空間へ流入させやすくすることができる。
遊技機F5において、前記変位部材は、その一側が他側よりも前記回胴部材の回転方向前方側に位置されることを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F5の奏する効果に加え、変位部材は、その一側が他側よりも回胴部材の回転方向前方側に位置されるので、回胴部材が回転される際にその回胴部材の周りに配設される部材に変位部材が干渉したとしても、かかる干渉により発生する力を変位部材を閉じる(第1位置へ変位させる)方向へ作用させることができる。即ち、回胴部材の回転時に変位部材が他の部材に干渉して張り出される(第2位置へ変位される)ことを抑制できる。また、変位部材が他の部材に係合して、回胴部材の回転が阻害されることを抑制できる。
遊技機F1からF6のいずれかにおいて、前記回胴部材が回転可能に配設されるベース部材と、そのベース部材に支持されると共に前記回胴部材の内部空間に配設され前記回胴部材に対して非回転とされる固定部材とを備えることを特徴とする遊技機F7。
遊技機F7によれば、遊技機F1からF6のいずれかの奏する効果に加え、回胴部材が回転可能に配設されるベース部材と、そのベース部材に支持されると共に回胴部材の内部空間に配設され回胴部材に対して非回転とされる固定部材とを備えるので、内部空間に流入された遊技球を固定部材に保持または固定部材上を流出口へ向けて転動させることで、回胴部材の回転に伴って、遊技球が内部空間内で暴れる又は遊技球の転動が阻害され内部空間に留まることを抑制できる。
遊技機F4からF6のいずれかにおいて、前記回胴部材の回転位置に応じて前記変位部材の変位を規制または許容する変位設定手段を備えることを特徴とする遊技機F8。
遊技機F8によれば、遊技機F4からF6のいずれかの奏する効果に加え、回胴部材の回転位置に応じて変位部材の変位を規制または許容する変位設定手段を備えるので、第2位置へ変位された変位部材が回胴部材の周囲の他の部材に干渉することを抑制できる。
遊技機F5又はF6において、前記回胴部材の回転を規制する回転規制手段を備え、その回転規制部材は、前記変位部材が前記第2位置へ変位され、前記変位部材の他側が前記遊技領域へ張り出された場合に、前記回胴部材の回転を規制することを特徴とする遊技機F9。
遊技機F9によれば、遊技機F5又はF6の奏する効果に加え、回胴部材の回転を規制する回転規制手段を備え、その回転規制部材は、変位部材が第2位置へ変位され、変位部材の他側が遊技領域へ張り出された場合に、回胴部材の回転を規制するので、変位部材が張り出された状態で回胴部材が回転されて、その回転軌跡上に位置する他の部材に変位部材が干渉することを抑制できる。また、遊技領域を流下する遊技球を変位部材が受け止めた際に作用する荷重や変位部材の上面を転動する遊技球の重さにより回胴部材が回転されることを抑制できる。
遊技機F3において、光を発光可能に形成されると共に前記回胴部材の内部空間に配設される発光手段と、前記回胴部材の回転軸方向の端面であって前記第2連通口が形成される端面と反対側の端面に開口形成される開口とを備え、その開口を介して前記発光手段の電気的接続線が配線されることを特徴とする遊技機F10。
遊技機F10によれば、遊技機F3の奏する効果に加え、回胴部材の回転軸方向の端面であって第2連通口が形成される端面と反対側の端面に開口が開口形成され、その開口を介して発光手段の電気的接続線が配線されるので、第2連通口および開口それぞれに使用できるスペースを確保しやすくできる。その結果、第2連通口を介して遊技球の流出をスムーズに行わせることができると共に、電気的接続線の開口への配線作業を行いやすくできる。また、第2連通口と開口とを最大限離間させることができるので、内部空間を第2連通口へ転動する遊技球と電気的接続線との干渉を抑制しやすくできる。
<回転ユニット700を一例とする発明の概念について>
変位可能に形成される第1部材および第2部材を備え、前記第1部材が、前記第2部材の少なくとも一部を視認不能に覆う覆設位置と、その覆設位置に配置された状態よりも前記第2部材を視認不能に覆う領域を減少させる退避位置との間で変位可能に形成された遊技機において、前記第1部材は、前記退避位置に変位された状態において、前記第2部材の変位を規制可能に形成されることを特徴とする遊技機G1。
ここで、変位可能に形成される第1部材および第2部材を備え、第1部材が、第2部材の少なくとも一部を視認不能に覆う覆設位置と、その覆設位置に配置された状態よりも第2部材を視認不能に覆う領域を減少させる退避位置との間で変位可能に形成された遊技機が知られている(例えば、特開2015−029849号)。この遊技機によれば、第1部材を覆設位置に配置し、第2部材を遊技者から視認不能とした状態から、第1部材を退避位置に変位させることで、第2部材を露出させて遊技者に視認させる演出を行うことができる。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、第2部材が変位可能に形成されているため、第1部材が退避位置に変位され、第2部材が露出された際に、かかる第2部材が変位されるおそれがある。そのため、遊技者に第2部材を適正な状態で視認させることができず、演出効果が低下するという問題点があった。
これに対し、遊技機G1によれば、第1部材は、退避位置に変位された状態において、第2部材の変位を規制可能に形成されるので、かかる第2部材を適正な状態で遊技者に視認させることができ、演出効果を確保できる。即ち、第1部材を退避位置へ変位させ、第2部材を露出させるという演出を行う際に、その演出のために行わざるを得ない第1部材の退避位置への変位を、第2部材の変位を規制する手段として利用する。よって、第2部材の変位を規制するための機構を別途設けることや制御を行う必要がなく、その分、構造を簡素化できる。
遊技機G1において、前記第2部材は、回転可能に形成されると共に、その重心位置が回転中心から偏心されることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、第2部材は、回転可能に形成されると共に、その重心位置が回転中心から偏心されるので、かかる第2部材の設計の自由度を高めることができる。即ち、第2部材を、その重心位置が回転中心に位置する形状とする必要がなく、例えば、回転軸に対して非対称の形状を採用できるので、かかる第2部材による演出効果を高めることができる。一方で、このように、第2部材の重心位置が偏心されていると、第2部材がその自重で回転中心まわりに回転(自転)されるおそれがある。よって、退避位置に変位された第1部材が、第2部材の変位を規制可能に形成されるという構成が特に有効となり、これにより、第2部材を適正な状態で遊技者に視認させることができ、演出効果を確保できる。
遊技機G1又はG2において、前記第2部材に変位可能に配設される変位部材を備え、その変位部材は、少なくとも前記第1部材が前記退避位置へ変位された状態で変位可能に形成されることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G1又はG2の奏する効果に加え、第2部材に変位可能に配設される変位部材を備え、その変位部材は、少なくとも第1部材が退避位置へ変位された状態で変位可能に形成されるので、第1部材を退避位置へ変位させ、第2部材を露出させるという演出を行う際には、更に、変位部材を変位させることで、その演出効果を高めることができる。一方で、第2部材が露出された際に変位部材を変位させると、その変位に伴って重心位置が移動して、第2部材が回転(自転)されるおそれがある。よって、退避位置に変位された第1部材が、第2部材の変位を規制可能に形成されるという構成が特に有効となり、これにより、第2部材を適正な状態で遊技者に視認させることができ、演出効果を確保できる。
遊技機G3において、前記第2部材は、その外周面が遊技者に視認可能に配設され、前記変位部材は、一側が前記第2部材の外周面に回転可能に軸支され、前記一側と反対側となる他側が遊技領域へ張り出し可能に形成されることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G3の奏する効果に加え、第2部材は、その外周面が遊技者に視認可能に配設され、変位部材は、一側が第2部材の外周面に回転可能に軸支され、一側と反対側となる他側が遊技領域へ張り出し可能に形成されるので、遊技領域を流下する遊技球を変位部材の上面に受け止めさせることができる。よって、例えば、第2部材に遊技球の流入口が形成される場合には、遊技領域を流下する遊技球を、変位部材を利用して、遊技球を流入口へ流入させやすくすることができる。この場合、遊技領域を流下する遊技球を変位部材に受け止めさせると、その際に作用する荷重や変位部材の上面を転動する遊技球の重さにより第2部材が回転されるおそれがある。よって、退避位置に変位された第1部材が、第2部材の変位を規制可能に形成されるという構成が特に有効となり、これにより、変位部材を遊技領域の所定の位置に張り出させた状態を維持しやすくできる。
遊技機G4において、前記第1部材は、前記覆設位置では、前記第2部材の前記外周面に対面しつつ前記遊技領域に配置されると共に、前記退避位置では、前記遊技領域の領域外に配置されることを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G4の奏する効果に加え、第1部材は、覆設位置では、第2部材の外周面に対面しつつ遊技領域に配置されるので、遊技領域を流下する遊技球が第2部材に衝突して、かかる第2部材が回転されることを抑制できる。特に、第2部材の回転位置が、変位部材を遊技領域側へ向ける回転位置である場合には、遊技領域を流下する遊技球が変位部材に衝突して、かかる変位部材が開放される(張り出される)ことを抑制できる。
また、第1部材は、退避位置では、遊技領域の領域外に配置されるので、第1部材の退避位置への変位により、変位部材が遊技領域へ張り出すためのスペースを確保することができる。よって、その分、第2部材の外周面を遊技領域側(遊技者側)へ近づけることができ、遊技者に変位部材を視認させやすくできる。
遊技機G5において、前記第1部材は、前記第2部材の回転軸と略平行な回転軸まわりに回転可能に形成されると共に、前記第2部材の外周面に沿って湾曲する板状に形成されることを特徴とする遊技機G6。
遊技機G6によれば、遊技機G5の奏する効果に加え、第1部材は、第2部材の回転軸と略平行な回転軸まわりに回転可能に形成されると共に、前記第2部材の外周面に沿って湾曲する板状に形成されるので、覆設位置および退避位置の間で変位する際に必要なスペースを抑制できる。よって、その分、他の部材を配設するためのスペースを確保できる。また、このように第1部材が湾曲して形成されることで、遊技領域を流下する遊技球が、覆設位置に配置された第1部材上に停留されることを抑制して、スムーズに流下させることができる。
遊技機G3からG6のいずれかにおいて、駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段の駆動力を前記第2部材および前記変位部材に伝達する伝達手段とを備えることを特徴とする遊技機G7。
ここで、第2部材を回転可能に形成すると共に、その第2部材に変位部材を変位可能に配設するためには、第2部材および変位部材のそれぞれに駆動手段が必要となり、製品コストが嵩む。また、変位部材を変位させるための駆動手段を第2部材に搭載すると、第2部材の重量が増加するため、第2部材の回転の開始または停止を円滑に行うことが困難となる。
これに対し、遊技機G7によれば、遊技機G3からG6のいずれかの奏する効果に加え、駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段の駆動力を前記第2部材および前記変位部材に伝達する伝達手段とを備えるので、1の駆動手段を兼用して、第2部材の回転と変位部材の変位とを行うことができる。よって、製品コストの削減を図ることができる。また、変位部材を変位させるための駆動手段を第2部材に搭載する必要がないので、第2部材の重量を軽量化でき、第2部材の回転の開始または停止を円滑に行うことができる。
遊技機G7において、前記第1部材と前記変位部材とを連結し、前記変位部材の変位に前記第1部材の変位を連動させる連結手段を備えることを特徴とする遊技機G8。
遊技機G8によれば、遊技機G7の奏する効果に加え、第1部材と変位部材とを連結し、変位部材の変位に第1部材の変位を連動させる連結手段を備えるので、変位部材を変位させるための駆動手段を、第1変位部材を変位させるための駆動手段として兼用できる。この場合、変位部材と第1部材とを別々の駆動手段の駆動力により変位させる場合には、制御不良が生じると、変位部材と第1部材とが干渉するおそれがあるところ、変位部材と第1部材とを機械的に連結してそれらの変位を同期させることができるので、変位部材と第1部材とが干渉することを確実に抑制できる。
<回転ユニット700を一例とする発明の概念について>
駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段の駆動力により変位される変位部材と、その変位部材へ前記駆動手段の駆動力を伝達する伝達手段とを備えた遊技機において、前記伝達手段は、第1部材と、その第1部材よりも前記駆動力の伝達経路において前記変位部材側に位置する第2部材と、それら第1部材および第2部材の間に配設される係合部材とを備え、前記第1部材が前記第2部材に対して一方向へ変位される場合には、前記第1部材および第2部材に前記係合部材が係合して、前記駆動力が伝達されると共に、前記変位部材の変位区間のうちの所定の区間では、前記第2部材が前記第1部材に対して前記一方向へ先行して変位されることを特徴とする遊技機H1。
ここで、駆動力を発生する駆動手段と、その駆動手段の駆動力により変位される変位部材と、その変位部材へ駆動手段の駆動力を伝達する伝達手段とを備えた遊技機が知られている(例えば、特開2015−029849号)。しかしながら、上述した従来の遊技機では、駆動手段から変位部材への伝達手段による駆動力の伝達状態が常に一定であるため、駆動手段が一定の駆動速度で駆動されると、変位部材も一定の変位速度で変位され、かかる変位部材の変位態様に変化を付与することができない。そのため、変位部材の変位に伴う演出の演出効果が不十分であるという問題点があった。
なお、駆動手段の駆動速度を増減させれば、変位部材の変位速度を変化させることはできるが、変位部材の変位区間のうちの所定の区間における変位速度を他の区間における変位速度と異なる変位速度とするためには、変位部材の位置を検出するセンサ装置を配置し、そのセンサ装置の検出結果に応じて駆動手段の出力を増減させる制御が必要となり、製品コストや制御コストの増加を招く。また、構造および制御が複雑となり、その信頼性の低下を招く。
これに対し、遊技機H1によれば、伝達手段は、第1部材と、その第1部材よりも駆動力の伝達経路において変位部材側に位置する第2部材と、それら第1部材および第2部材の間に配設される係合部材とを備え、第1部材が第2部材に対して一方向へ変位される場合には、第1部材および第2部材に係合部材が係合して、駆動力が伝達されると共に、駆動力の伝達が遮断され、変位部材の変位区間のうちの所定の区間では、第2部材が第1部材に対して一方向へ向けて先行して変位されるので、駆動手段の駆動状態に関わらず、所定の区間における変位部材の変位速度を、他の区間における変位部材の変位速度よりも速くすることができる。よって、変位部材の変位態様に変化を付与して、その変位部材の変位に伴う演出の演出効果を高めることができる。
また、遊技機H1によれば、駆動手段の駆動状態に関わらず、第2部材を第1部材に対して一方向へ先行させることができるので、例えば、変位部材の変位区間における全区間において、駆動手段を一定の駆動速度で駆動でき、変位部材の変位区間の途中で(即ち、所定の区間か他の区間かに応じて)、駆動手段の駆動速度を増減させる必要がない。その結果、制御を簡素化して、制御コストを削減できると共に、動作の信頼性の向上を図ることができる。或いは、所定の区間では、駆動手段の駆動を停止させることができ、この場合には、消費エネルギーの抑制を図ることができる。
また、遊技機H1によれば、第1部材を2部材に対して他方向へ変位させる方向の駆動状態では、係合部材の係合が解除されて、駆動力の伝達が遮断されるので、変位部材を停止状態(非駆動状態)とすることができ、かかる駆動状態における駆動手段の駆動力を、他の部材を駆動するための駆動力として利用することができる。即ち、駆動手段の駆動方向を切り替えることで、変位部材と他の部材との2部材をそれぞれ変位させることができる。
なお、伝達手段は、前記第1部材が前記2部材に対して他方向へ変位される場合に、前記係合部材の係合が解除されて、前記駆動力の伝達が遮断されるように形成されるものであっても良い。
遊技機H1において、前記変位部材は、回転可能に形成されると共に、その重心位置が回転中心から偏心され、前記所定の区間では、前記変位部材の重さが前記第2部材を前記一方向へ変位させる方向へ作用可能に形成されることを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、変位部材は、回転可能に形成されると共に、その重心位置が回転中心から偏心され、所定の区間では、変位部材の重さが第2部材を一方向へ変位させる方向へ作用可能に形成されるので、かかる変位部材の重さを利用して、第2部材を第1部材に対して一方向へ先行して変位させることができる。即ち、所定の区間における変位部材の変位速度を、他の区間における変位部材の変位速度よりも速くすることができる。その結果、変位部材の変位態様に変化を付与して、その変位部材の変位に伴う演出の演出効果を高めることができる。
例えば、変位部材がその回転軸を回転中心とする360度の回転を繰り返し可能に形成される場合には、所定の区間における変位部材の変位速度(回転速度)が、他の区間における変位部材の変位速度(回転速度)よりも速くされた態様、即ち、1回転の間にその回転速度が増減される回転態様を、繰り返し行うことができる。
遊技機H2において、前記伝達手段は、前記第2部材により回転駆動される本体部およびその本体部から突設されると共に前記本体部の回転中心から偏心して位置するピン部を有するクランク部材と、そのクランク部材のピン部が摺動可能に挿通される摺動溝が一端側に形成されると共に中間部分が回転可能に軸支されるアーム部材とを備え、前記アーム部材の他端側が前記変位部材に連結されることを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、遊技機H2の奏する効果に加え、伝達手段は、第2部材により回転駆動される本体部およびその本体部から突設されると共に本体部の回転中心から偏心して位置するピン部を有するクランク部材と、そのクランク部材のピン部が摺動可能に挿通される摺動溝が一端側に形成されると共に中間部分が回転可能に軸支されるアーム部材とを備えるので、第2部材によってクランク部材を回転駆動させ、ピン部材を摺動溝に沿って摺動させることで、アーム部材の他端側を往復動作させることができる。この場合、アーム部材の他端側が変位部材に連結されるので、かかるアーム部材の他端側の往復動作に伴って、変位部材を第1位置および第2位置の間で往復動作させることができる。即ち、駆動手段の駆動方向を切り替えることなく、変位部材の変位方向を切り替えることができる。
遊技機H3において、前記変位部材は、前記アーム部材の他端側の往復動作に伴って、第1位置および第2位置の間で往復動作され、前記第1位置から前記第2位置まで変位される間、及び、前記第2位置から前記第1位置まで変位される間のそれぞれの途中において、前記変位部材の重さが前記第2部材に作用される方向が、前記第2部材を前記他方向へ変位させる方向から前記第2部材を前記一方向へ変位させる方向へ転換されることを特徴とする遊技機H4。
遊技機H4によれば、遊技機H3の奏する効果に加え、変位部材は、アーム部材の他端側の往復動作に伴って、第1位置および第2位置の間で往復動作され、第1位置から第2位置まで変位される間、及び、第2位置から第1位置まで変位される間のそれぞれの途中において、変位部材の重さが第2部材に作用される方向が、第2部材を他方向へ変位させる方向から第2部材を一方向へ変位させる方向へ転換されるので、変位部材が往復動作される際には、いずれの方向へ変位される際にも、その変位の途中から変位部材の変位速度を速くすることができる。その結果、変位部材の変位態様に変化を付与して、その変位部材の変位に伴う演出の演出効果を高めることができる。
例えば、変位部材を、遊技者から視認可能に張り出した位置である張出位置(第1位置)と、その張出位置かれ退避された位置である退避位置(第2位置)との間で往復動作させる場合、退避位置から張出位置へ変位部材を張り出させる際には、途中までは一定の変位速度で変位させつつ、途中から変位部材の変位速度を速くして、変位部材を勢い良く張出位置に張り出させることができると共に、張出位置から張出位置へ変位部材を退避させる際には、途中までは一定の変位速度で変位させつつ、途中から変位部材の変位速度を速くして、変位部材を即座に退避位置に退避させることができる。
遊技機H1において、前記変位部材は、スライド変位可能に形成され、前記所定の区間では、前記スライド変位の方向へ向けて下降傾斜されることで、前記変位部材の重さが前記第2部材を前記一方向へ変位させる方向へ作用可能に形成されることを特徴とする遊技機H5。
遊技機H5によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、変位部材は、スライド変位可能に形成され、所定の区間では、スライド変位の方向へ向けて下降傾斜されることで、変位部材の重さが第2部材を一方向へ変位させる方向へ作用可能に形成されるので、かかる変位部材の重さを利用して、第2部材を第1部材に対して一方向へ先行して変位させることができる。即ち、所定の区間における変位部材の変位速度を、他の区間における変位部材の変位速度よりも速くすることができる。その結果、変位部材の変位態様に変化を付与して、その変位部材の変位に伴う演出の演出効果を高めることができる。
遊技機H2からH5のいずれかにおいて、前記変位部材は、少なくとも前記所定の区間において、遊技球を保持可能に形成されることを特徴とする遊技機H6。
遊技機H6によれば、遊技機H2からH5のいずれかの奏する効果に加え、変位部材は、少なくとも所定の区間において、遊技球を保持可能に形成されるので、変位部材が遊技球を保持した状態では、その遊技球の重さの分、変位部材全体としての重さを大きくして、所定の区間における変位部材の変位速度をより速くすることができる。また、変位部材に遊技球が保持されている場合と、遊技球が保持されていない場合とで、或いは、保持されている遊技球の数に応じて、変位部材全体としての重さを異ならせることができる。これにより、それぞれの場合において、変位部材の変位速度を変化させることができる。その結果、変位部材の変位態様に変化を付与して、その変位部材の変位に伴う演出の演出効果を高めることができる。
遊技機H2からH6のいずれかにおいて、前記変位部材は、遊技領域を流下する遊技球を受け止める受け止め部を備え、少なくとも前記所定の区間では、前記受け止め部が遊技球を受け止めた際にその遊技球から前記変位部材に作用される力が、前記第2部材を前記一方向へ変位させる方向へ作用可能に形成されることを特徴とする遊技機H7。
遊技機H7によれば、遊技機H2からH6のいずれかにおいて、変位部材は、遊技領域を流下する遊技球を受け止める受け止め部を備え、少なくとも所定の区間では、受け止め部が遊技球を受け止めた際にその遊技球から変位部材に作用される力が、第2部材を一方向へ変位させる方向へ作用可能に形成されるので、受け止め部が遊技球を受け止めた際に、その遊技球の運動エネルギーを利用して、所定の区間における変位部材の変位速度をより速くすることができる。また、受け止め部が遊技球を受け止めている場合と、受け止めていない場合、或いは、受け止める際の遊技球の流下速度(運動エネルギーの大きさ)に応じて、変位部材に作用される力を異ならせることができる。これにより、それぞれの場合において、変位部材の変位速度を変化させることができる。その結果、変位部材の変位態様に変化を付与して、その変位部材の変位に伴う演出の演出効果を高めることができる。
なお、遊技領域を流下する遊技球とは、遊技盤の前面を重力方向に沿って移動する遊技球に限定されず、重力方向と異なる方向へ移動する遊技球も含まれる。重力方向と異なる方向へ移動する遊技球としては、例えば、釘やチューリップ、役物などに衝突して、重力方向と異なる方向へ移動する遊技球や、ステージを転動した後、そのステージから飛び出して、重力方向と異なる方向へ移動する遊技球が例示される。
遊技機H6又はH7において、前記伝達手段は、前記駆動力の伝達経路の一部または全部をなす歯車列と、その歯車列のうちの一の歯車に歯合される負荷用歯車とを備えることを特徴とする遊技機H8。
遊技機H8によれば、遊技機H6又はH7の奏する効果に加え、伝達手段は、駆動力の伝達経路の一部または全部をなす歯車列と、その歯車列のうちの一の歯車に歯合される負荷用歯車とを備えるので、所定の区間において、変位部材に遊技球が保持されている又は受け止め部により遊技球が受け止めれた際には、遊技球の重さ又は運動エネルギーを利用して、第2部材を第1部材に対して一方向へ先行して変位させる(即ち、所定の区間における変位部材の変位速度を、他の区間における変位部材の変位速度よりも速くする)一方、変位部材に遊技球が保持されてない又は受け止め部に遊技球が受け止められていなければ、負荷用歯車を回転させる際の負荷(抵抗)を利用して、第2部材が第1部材に対して一方向へ先行して変位される(即ち、所定の区間における変位部材の変位速度が速くされる)ことを抑制できる。
即ち、遊技球が変位部材に保持されていない又は受け止め部が遊技球を受け止めていない場合には、所定の区間における変位部材の変位速度が、他の区間における変位部材の変位速度よりも速くなることを抑制し、遊技球が変位部材に保持されている又は受け止め部が遊技球を受け止めた場合にのみ、所定の区間における変位部材の変位速度を、他の区間における変位部材の変位速度よりも速くするという態様を形成しやすくできる。
遊技機A1からA14,B1からB8,C1からC14、D1からD8,E1からE12,F1からF10,G1からG8及びH1からH8のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機K1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA14,B1からB8,C1からC14、D1からD8,E1からE12,F1からF10,G1からG8及びH1からH8のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機K2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA14,B1からB8,C1からC14、D1からD8,E1からE12,F1からF10,G1からG8及びH1からH8のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機K3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
パチンコ機等の遊技機において、変位可能に形成される第1部材および第2部材を備え、第1部材が、第2部材の少なくとも一部を視認不能に覆う覆設位置と、その覆設位置に配置された状態よりも第2部材を視認不能に覆う領域を減少させる退避位置との間で変位可能に形成された遊技機が知られている(特許文献1:特開2015−029849号公報)。
しかしながら、上述した遊技機では、演出効果が低下するという問題点があった。
本技術的思想は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、演出効果を確保できる遊技機を提供することを目的とする。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1記載の遊技機は、変位可能に形成される第1部材および第2部材を備え、前記第1部材が、前記第2部材の少なくとも一部を視認不能に覆う覆設位置と、その覆設位置に配置された状態よりも前記第2部材を視認不能に覆う領域を減少させる退避位置との間で変位可能に形成されたものであり、前記第1部材は、前記退避位置に変位された状態において、前記第2部材の変位を規制可能に形成される。
技術的思想2記載の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記第2部材は、回転可能に形成されると共に、その重心位置が回転中心から偏心される。
技術的思想3記載の遊技機は、技術的思想1又は2に記載の遊技機において、前記第2部材に変位可能に配設される変位部材を備え、その変位部材は、少なくとも前記第1部材が前記退避位置へ変位された状態で変位可能に形成される。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、演出効果を確保できる。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、第2部材の設計の自由度を高めることができる。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想1又は2に記載の遊技機の奏する効果に加え、演出効果を確保できる。
10 パチンコ機(遊技機)
100〜104 基板ボック
70 蓋部材(第1手段)
780 回転規制部材(規制手段)
800 回転体(第2手段

Claims (2)

  1. 変位可能に形成される第1手段および第2手段を備え、前記第1手段が、前記第2手段の少なくとも一部を所定方向視において視認不能に覆う第1位置と、その第1位置に配置された状態よりも前記第2手段を前記所定方向視において視認不能に覆う領域を減少させる第2位置との間で変位可能に形成され、少なくとも前記第1手段が変位される場合に前記第2手段が非変位とされる状態を形成可能とされた遊技機において、
    前記第1手段が当接することにより変位可能とされ、前記第1手段が前記第2位置に変位された場合に、前記第2手段に当接する位置に変位して前記第2手段の変位を規制可能に形成される規制手段を備えることを特徴とする遊技機。
  2. 基板ボックスを備えることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
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