JP5069588B2 - 防視認性ループパイル布帛およびインテリア用品 - Google Patents

防視認性ループパイル布帛およびインテリア用品 Download PDF

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Description

本発明は、採光性および防視認性に優れた防視認性ループパイル布帛およびインテリア用品に関する。
従来、カーテンなどのインテリア分野において、防視認性(外部から室内の物品や人の動きがみえない性質)と採光性という、一般的には相反する特性が求められている。
このため、通常、室内側には厚手のドレープカーテン、窓側には薄手のレースカーテンを配し、夜間は厚手のドレープカーテンを閉め、日中は防視認性と採光性を得るために薄手のレースカーテンを閉めておくことが一般的である。しかるに、厚手のドレープカーテンでは採光性が乏しく、他方、薄手のレースカーテンでは、夜間はもとより昼間においても防視認性が十分でなく、その改善が望まれていた。
かかる問題を解決するため、例えば、酸化チタンなどの艶消し剤を含んだポリエステル繊維と黒原着ポリエステル繊維とを交織することにより得られる、光を反射・吸収する遮光カーテン(例えば、特許文献1)や、布帛の側面に光沢のある三角断面糸を編織成し、光沢のある側面に光があたると、反射光により目くらまし効果が発現するミラーカーテンや、布帛表面にコーテイング加工、ラミネート加工、アルミ蒸着加工、スパッタリング加工などの付加加工を施したもの(例えば、特許文献2)などが提案されている。
しかるに、布帛表面に付加加工を施したものや遮光カーテンにおいては、採光性が悪いために部屋内が重苦しい雰囲気になるという問題があった。他方、ミラーカーテンにおいては、採光性はあるものの特に夜間において防視認性が十分でなく、さらには三角断面の扁平部分によるぎらついた光沢があるという問題があった。
また、特許文献3や特許文献4では、異型断面繊維を用いて防視認性織物を得ることが提案されているが、防視認性の点でまだ満足とはいえなかった。
特許第3167586号公報 実開昭62−113787号公報 特開2004−162194号公報 特開2007−131985号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、採光性および防視認性に優れた防視認性ループパイル布帛およびインテリア用品を提供することにある。
本発明者は上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、地組織部とループパイル部とで構成されるループパイル布帛において、くびれ付扁平断面形状を有するループ糸でループパイル部を構成すると、地組織部が該ループ糸により被覆され、また同時に、ループ糸と地組織部との間に空隙が形成されるため、これらの相乗作用により優れた防視認性が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「織組織または編組織を有する地組織部とループパイル部とで構成されるループパイル布帛であって、前記のループパイル部に、艶消し剤を0.2重量%以下含有する繊維形成性熱可塑性ポリマーからなり、かつ単繊維横断面形状が、2箇所以上のくびれ部を有する断面扁平度2〜6の扁平断面である扁平断面ループ糸が含まれることを特徴とする防視認性ループパイル布帛。」が提供される。
その際、前記繊維形成性熱可塑性ポリマーがポリエステルであることが好ましい。また、前記繊維形成性熱可塑性ポリマーに、有機系紫外線吸収剤がポリマー重量対比0.1〜5.0重量%含まれることが好ましい。その際、前記有機系紫外線吸収剤がベンゾオキサジン系紫外線吸収剤であることが好ましい。また、前記扁平断面ループ糸が、撚数1000T/m以下のマルチフィラメントからなることが好ましい。また、前記扁平断面ループ糸が、総繊度40〜500dtexかつ単繊維繊度1〜40dtexのマルチフィラメントからなることが好ましい。また、前記ループパイル部において、ループ糸のコース密度が40本/2.54cm以上であることが好ましい。また、前記地組織部が、艶消し剤を0.5重量%以下含有するポリエステル繊維で構成されることが好ましい。
本発明の防視認性ループパイル布帛において、波長280〜400nmの範囲の紫外線の透過率が20%以下であることが好ましい。また、波長400〜700nmの範囲の可視光線の透過率が30%以上であることが好ましい。
また、本発明によれば、前記の防視認性ループパイル布帛を用いてなる、カーテン、ロールブランド、およびパーテションからなる群より選択されるいずれかのインテリア用品が提供される。
本発明によれば、採光性および防視認性に優れた防視認性ループパイル布帛およびインテリア用品が得られる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明のループパイル布帛は、織組織または編組織を有する地組織部と、該地組織部に織り込まれ、または編み込まれてなるループパイル部とで構成される。また、前記ループパイル部には、艶消し剤を0.2重量%以下含有する繊維形成性熱可塑性ポリマーからなり、かつ単繊維横断面形状が、2箇所以上のくびれ部を有する断面扁平度2〜6の扁平断面である扁平断面ループ糸が含まれる。
ここで、前記の繊維形成性熱可塑性ポリマーとしては、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレンなどが例示される。なかでも、製造の容易さ、繊維強度、染色耐候などの点でポリエステルが好ましい。かかるポリエステルとしては、テレフタル酸を主たる酸成分とし、炭素数2〜6のアルキレングリコール、すなわちエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールからなる群より選ばれた少なくとも1種のグリコール、特に好ましくはエチレングリコールを主たるグリコール成分とするポリエステルが例示される。また、国際公開WO2004/063435号パンフレットに開示されているように、チタン化合物とリン化合物を含む触媒を用いて得られたポリエステル、ケミカルまたはマテリアルリサイクルされたポリエステルでもよい。さらには、ポリ乳酸やステレオコンプレックスポリ乳酸などの脂肪族ポリエステルでもよい。
前記ポリエステルポリマーには、必要に応じて少量(通常30モル%以下)の共重合成分を有していてもよい。その際、使用されるテレフタル酸以外の二官能性カルボン酸としては、例えばイソフタル酸、ナフタリンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、β−ヒドロキシエトキシ安息香酸、P−オキシ安息香酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のごとき芳香族、脂肪族、脂環族の二官能性カルボン酸をあげることができる。また、上記グリコール以外のジオール化合物としては、例えばシクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールSのごとき脂肪族、脂環族、芳香族のジオール化合物およびポリオキシアルキレングリコール等をあげることができる。
かかるポリエステルは任意の方法によって合成される。例えばポリエチレンテレフタレートの場合について説明すると、テレフタル酸とエチレングリコールとを直接エステル化反応させるか、テレフタル酸ジメチルのごときテレフタル酸の低級アルキルエステルとエチレングリコールとをエステル交換反応させるかまたはテレフタル酸とエチレンオキサイドとを反応させるかしてテレフタル酸のグリコールエステルおよび/またはその低重合体を生成させる第1段階の反応と、第1段階の反応生成物を減圧下加熱して所望の重合度になるまで重縮合反応させる第2段階の反応によって製造されたものでよい。
前記の繊維形成性熱可塑性ポリマーには、ポリマー重量に対して艶消し剤が0.2重量%以下(好ましくは0重量%)含まれることが肝要である。艶消し剤の含有量は少ないほど可視光線の透過率が高くなり好ましく、艶消し剤が含有されないことが最も好ましい。艶消し剤の含有量が0.2重量%よりも大きいと採光性性が損われ好ましくない。なお、かかる艶消し剤としては二酸化チタンが好ましい。
また、前記繊維形成性熱可塑性ポリマーに、有機系紫外線吸収剤がポリマー重量対比0.1〜5.0重量%含まれていると、十分な紫外線吸収性能が得られ好ましい。その際、有機系紫外線吸収剤の含有量が5.0重量%よりも大きいと、時間の経過とともに布帛が黄変してしまうおそれがある。逆に、有機系紫外線吸収剤の含有量が0.1重量%よりも小さいと、十分な紫外線吸収性能が得られないおそれがある。
前記の有機系紫外線吸収剤としては、ベンゾオキサジン系有機紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系有機紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系有機紫外線吸収剤、サリチル酸系有機紫外線吸収剤などが例示される。なかでも、紡糸の段階で分解しないという点からベンゾオキサジン系有機紫外線吸収剤が特に好ましい。なお、無機系紫外線吸収剤では、可視光線がフィラメントを透過する透過率が小さくなり採光性が損なわれ好ましくない。
かかるベンゾオキサジン系有機紫外線吸収剤としては、特開昭62−11744号公報に開示されたものが好適に例示される。すなわち、2−メチル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−ブチル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−フェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2,2’−エチレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−テトラメチレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、1,3,5−トリ(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)ベンゼン、1,3,5−トリ(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)ナフタレンなどである。
また、前記の金属酸化物系微粒子赤外線吸収剤の平均粒径(平均一次粒径)としては、0.5μm以下(より好ましくは0.001〜0.1μm)であることが好ましい。該微粒子の平均粒径が0.5μmよりも大きいと、ポリエステル繊維を紡糸する工程で断糸が発生したり、フィルターの目詰まりが発生するおそれがある。
なお、繊維形成性熱可塑性ポリマー中には、艶消し剤および有機系紫外線吸収剤以外に、本発明の目的を損なわない範囲内で必要に応じて、微細孔形成剤、カチオン可染剤、着色防止剤、熱安定剤、難燃剤、蛍光増白剤、着色剤、帯電防止剤、吸湿剤、抗菌剤、マイナスイオン発生剤等を1種又は2種以上を添加してもよい。
また、前記ループ糸の単繊維横断面形状が、2箇所以上(好ましく3〜4個、特に好ましくは3個)のくびれ部を有する断面扁平度2〜6(好ましくは3〜5)の扁平断面であることが肝要である。ここで、断面扁平度とは、図1に示す、長辺の長さ(B)と短辺の長さ(C1)との比(B/C1)である。また、くびれ部とは図1に模式的に示すように、短辺の長さが短くなっている部分のことである。かかるくびれ部において、凹部の深さとしては、短辺の長さの最大値と最小値の比(C1/C2)で、1.05以上(好ましくは1.1以上、特に好ましくは1.1〜1.4)となる深さであることが好ましい。なお、図1は、くびれ部が3個所の場合を例示するものである。
ループ糸の単繊維横断面形状がこのようなくびれつき扁平断面であると、図2に模式的に示すように、ループ糸は、緻密かつワイドに広がった構造を有しながら地組織部を被覆する。また同時に、ループ糸と地組織部との間に空隙が形成される。そしてその結果、光がループパイル部表面で乱反射し、また、透過光は前記空隙で屈折するため、採光性を損なうことなく優れた防視認効果が得られる。
なお、ループ糸の全重量に対して40重量%以下であれば、前記以外のループ糸が含まれていてもさしつかえない。
本発明の防視認性ループパイル布帛において、地組織部は、艶消し剤をポリマー重量に対して0.5重量%以下(好ましくは0.1〜0.5重量%)含有するポリエステルからなるポリエステル繊維で構成されることが好ましい。地組織部がかかるポリエステル繊維で構成されていると、採光性を損なうことなく優れた防視認効果が得られやすく好ましい。なお、かかるポリエステル繊維は、艶消し剤の含有量を除いて、前記ポリエステルと同様のポリエステルからなるポリエステル繊維でよい。
本発明の防視認性ループパイルは例えば、以下の方法により製造することができる。まず、ループ糸用糸条として、例えば、固有粘度が0.55〜0.80の、艶消し剤を0.2重量%以下含有するポリエステルを、2箇所以上のくびれ部を有する断面扁平度2〜6の扁平断面に対応する紡糸口金から溶融紡糸し、2000〜4300m/分の速度で未延伸糸(中間配向糸)として一旦巻き取り、延伸してもよいし、巻き取る前に延伸してもよい。また、中間配向糸を、180〜200℃に加熱されたヒーターを用いて、弛緩状態(オーバーフィード1.5〜10%)で熱処理することにより、加熱下で自己伸長性を有する未延伸糸(中間配向糸)としてもよい。
かかるループ糸用糸条において、繊維形態としては、特に限定されず、長繊維でも短繊維でもよい。なかでも、ループ糸が緻密かつワイドに広がった構造を有しながら地組織部を被覆する上で、無撚または甘撚りされた長繊維(マルチフィラメント)が好ましく例示される。特に、撚数が1000T/m以下(より好ましくは200T/m以下、特に好ましくは無撚)であることが好ましい。
該ループ糸用糸条は、仮撚捲縮加工や、タスラン加工やインターレース加工などの空気加工が施されたものでもよい。該ループ糸用糸条の総繊度、単糸繊度、フィラメント数については、特に限定されないが、風合いの点で、総繊度30〜400dtex(より好ましくは50〜200dtex)、単糸繊度0.5〜5dtex(より好ましくは1〜4dtex)、フィラメント数20〜100本の範囲が適当である。
一方、地組織部用糸条は、例えば、固有粘度が0.55〜0.80の、艶消し剤を0.5重量%以下含有するポリエステルを、通常の紡糸口金から溶融紡糸し、2000〜4300m/分の速度で未延伸糸(中間配向糸)として一旦巻き取り、延伸してもよいし、巻き取る前に延伸してもよい。また、中間配向糸を、180〜200℃に加熱されたヒーターを用いて、弛緩状態(オーバーフィード1.5〜10%)で熱処理することにより、加熱下で自己伸長性を有する未延伸糸(中間配向糸)としてもよい。
かかる地組織部用糸条において、繊維形態としては、特に限定されず、長繊維でも短繊維でもよい。なかでも、ループ糸が緻密かつワイドに広がった構造を有しながら地組織部を被覆する上で、無撚または甘撚りされた長繊維(マルチフィラメント)が好ましく例示される。特に、撚数が1000T/m以下(より好ましくは200T/m以下、特に好ましくは無撚)であることが好ましい。
該地組織部用糸条は、仮撚捲縮加工や、タスラン加工やインターレース加工などの空気加工が施されたものでもよい。該糸条の総繊度、単糸繊度、フィラメント数については、特に限定されないが、風合いの点で、総繊度30〜400dtex(より好ましくは50〜200dtex)、単糸繊度0.5〜5dtex(より好ましくは1〜4dtex)、フィラメント数20〜100本の範囲が適当である。
次いで、前記ループ糸用糸条と地組織部用糸条とを用いて、織組織または編組織を有する地組織部とループパイル部とで構成されるループパイル布帛を製編織する。その際、編織組織に制限はなく、例えば、経パイル織物、緯パイル織物、シンカーパイル編物、ラッセル編物、トリコットパイル編物などが例示される。なかでも、レースカーテンは意匠性が重要であるので、ラッセル編物が好ましい。
かかるループパイル布帛には、アルカリ減量加工や常法の染色仕上げ加工が施されてもよい。さらには、常法の吸水加工、撥水加工、起毛加工、さらには、紫外線遮蔽あるいは制電剤、抗菌剤、消臭剤、防虫剤、蓄光剤、再帰反射剤、マイナスイオン発生剤等の機能を付与する各種加工を付加適用してもよい。
かくして得られたループパイル布帛において、図2に示すループ長すなわちループ糸の地組織に対する長さが2.0mm以上(好ましくは2.0〜10.0mm)であることが好ましい。該ループ長を2.0mm以上にすることにより、ループ糸と地組織部との間に空隙ができやすく、優れた防視認性がえられやすい。
また、前記ループパイル布帛において、布帛が編物組織を有する場合は、ループ糸のコース密度が40本/2.54cm以上、かつウエール密度が12本/2.54cm以上であると、地組織部を被覆するループ糸が多くなるため、優れた防視認性がえられやすく好ましい。特に、ループ糸のコース密度をC(本/2.54cm)、ループ糸用糸条の総繊度をD(dtex)とするとき、(D)1/2×Cが500以上(より好ましくは500〜900)であることが好ましい。(D)1/2×Cが500未満では、隣り合うループ糸間の空隙が大きくなるため光が通りやすく、十分な防視認性がえられないおそれがある。逆に、(D)1/2×Cが900よりも大きいと採光性が損われるおそれがある。
本発明のループパイル布帛において、光がループパイル部表面で乱反射し、また、透過光は前記空隙で屈折するため優れた防視認性を奏する。また同時に、ループ糸に艶消し剤があまり含まれていないため、優れた採光性を奏する。その際、採光性としては、波長400〜700nmの範囲の可視光線の透過率が30%以上であることが好ましい。また、ループ糸や地組織部用糸条に有機系紫外線吸収剤が含まれる場合には、優れた紫外線カット性を呈する。その際、かかる紫外線カット性としては、波長280〜400nmの範囲の紫外線の透過率で20%以下であることが好ましい。
また、本発明によれば、前記の防視認性ループパイル布帛を用いてなる、カーテン、ロールブランド、およびパーテションからなる群より選択されるいずれかのインテリア用品が提供される。かかるインテリア用品は、前記の防視認性ループパイル布帛を用いてなるものなので、採光性(可視光線透過性)および防視認性にすぐれる。
次に本発明の実施例及び比較例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中の各測定項目は下記の方法で測定した。
<(D)1/2×C>
ループ糸のコース密度C(本/2.54cm)と、ループ糸用糸条の総繊度D(dtex)とから(D)1/2×Cを算出した。
<紫外線透過率>
島津製作所製分光光度計MPC−3100で透過率を測定し280〜400nmの範囲の紫外線透過率を算出した。紫外線透過率が小さいほど紫外線吸収性が大きく良好である。
<可視光線反射率>
島津製作所製分光光度計MPC−3100で透過率を測定し400〜700nmの範囲の可視光線透過率を算出した。
<防視認性>
昼間の測定方法としては、室内80W蛍光灯700lxの環境下で防視認性織物から20cm離れた位置に視認物を置き、該織物をはさんだ室外(昼間太陽光10万lx)に該織物から30cm離れた位置に評価者を置き、評価者が前記視認物を確認できるかどうか目視判定した。判定基準は、視認物が判明できる場合を◎、わずかに判明できる場合を○、視認物を判明できる場合を×とする。
また、夜間の測定方法としては、室内80W蛍光灯700lxの環境下で防視認性織物から20cm離れた位置に視認物を置き、該織物をはさんだ室外(夜間0.2lx)に該織物から30cm離れた位置に評価者を置き、評価者が前記視認物を確認できるかどうか目視判定した。判定基準は、昼間の測定方法と同様とした。
<総合評価>
非常に優れているものを◎、優れているものを○、劣るものを×とした。
[実施例1]
特開昭62−11744号公報に記載された方法で合成された2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)有機系紫外線吸収剤を1.0重量%含み、艶消し剤を含まないポリエチレンテレフタレートを4つ山扁平断面(凹部6個所)に穿孔された口金より、紡糸温度300℃で紡出し、4000m/minで引き取り、一旦巻き取ることなく引き続き1.3倍に延伸し、フィラメントの横断面形状が図1に示すような、くびれ部(短辺の長さCの最大/最小=1.2)を3個所有する扁平断面(断面扁平度3.2)のループ糸用ポリエステルマルチフィラメント167dtex/60filを得た。有機系紫外線吸収剤を含まずかつ艶消し剤を0.3重量%含むポリエチレンテレフタレートを常法により紡糸、延伸して地組織部用ポリエステルマルチフィラメント56dtex/24filを得た。
次いで、表1の実施例1の欄に示す糸使い及び組織と密度で3枚筬の経編地を編成した。そして、常法の染色加工を施すことにより、(D)1/2×C=607 の防視認性ループパイル布帛を得た。
該防視認性ループパイル布帛において、紫外線透過率15%、可視光透過率50%、防視認性(昼間)◎、防視認性(夜間)◎、総合評価◎であった。
[実施例2]
表1の実施例2の欄に示す糸使い及び組織と密度で3枚筬の経編地を編成した。そして、常法の染色加工を施すことにより、(D)1/2×C=830 の防視認性ループパイル布帛を得た。
該防視認性ループパイル布帛において、紫外線透過率10%、可視光透過率30%、防視認性(昼間)◎、防視認性(夜間)◎、総合評価◎であった。
[実施例3]
実施例1において、ループ糸用ポリエステルマルチフィラメントに有機系紫外線吸収剤を含ませないこと以外は、実施例1と同様に製織・染色加工することにより、防視認性ループパイル布帛を得た。
該防視認性ループパイル布帛において、紫外線透過率50%、可視光透過率50%、防視認性(昼間)◎、防視認性(夜間)◎、総合評価○であった。
[比較例1]
実施例1において、ループ糸用ポリエステルマルチフィラメントの横断面形状を、くびれ部のないフラット扁平断面(断面扁平度3.2)に変える以外は実施例1と同様にして、防視認性ループパイル布帛を得た。
該防視認性ループパイル布帛において、紫外線透過率15%、可視光透過率50%、防視認性(昼間)○、防視認性(夜間)×、総合評価×であった。
本発明によれば、採光性および防視認性に優れた防視認性織物およびインテリア用品が得られ、その工業的価値は極めて大である。
本発明の防視認性ループパイル布帛において、ループ糸のくびれ部を有する扁平断面形状を模式的に例示したものである。 本発明の防視認性ループパイル布帛において、ループパイル部を模式的に例示したものである。
符号の説明
1 くびれ部

Claims (11)

  1. 織組織または編組織を有する地組織部とループパイル部とで構成されるループパイル布帛であって、前記のループパイル部に、艶消し剤を0.2重量%以下含有する繊維形成性熱可塑性ポリマーからなり、かつ単繊維横断面形状が、2箇所以上のくびれ部を有する断面扁平度2〜6の扁平断面である扁平断面ループ糸が含まれることを特徴とする防視認性ループパイル布帛。
  2. 前記繊維形成性熱可塑性ポリマーがポリエステルである、請求項1に記載の防視認性ループパイル布帛。
  3. 前記繊維形成性熱可塑性ポリマーに、有機系紫外線吸収剤がポリマー重量対比0.1〜5.0重量%含まれる、請求項1または請求項2に記載の防視認性ループパイル布帛。
  4. 前記有機系紫外線吸収剤がベンゾオキサジン系紫外線吸収剤である、請求項3に記載の防視認性ループパイル布帛。
  5. 前記扁平断面ループ糸が、撚数1000T/m以下のマルチフィラメントからなる、請求項1〜4のいずれかに記載の防視認性ループパイル布帛。
  6. 前記扁平断面ループ糸が、総繊度40〜500dtexかつ単繊維繊度1〜40dtexのマルチフィラメントからなる、請求項1〜5のいずれかに記載の防視0認性ループパイル布帛。
  7. 前記ループパイル部において、ループ糸のコース密度が40本/2.54cm以上である、請求項1〜6のいずれかに記載の防視認性ループパイル布帛。
  8. 前記地組織部が、艶消し剤を0.5重量%以下含有するポリエステル繊維で構成される、請求項1〜7のいずれかに記載の防視認性ループパイル布帛。
  9. 波長280〜400nmの範囲の紫外線の透過率が20%以下である、請求項1〜8のいずれかに記載の防視認性ループパイル布帛。
  10. 波長400〜700nmの範囲の可視光線の透過率が30%以上である、請求項1〜9のいずれかに記載の防視認性ループパイル布帛。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の防視認性ループパイル布帛を用いてなる、カーテン、ロールブランド、およびパーテションからなる群より選択されるいずれかのインテリア用品。
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