JP2024002360A - 布帛および繊維製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】紫外線カット性に極めて優れ、好ましくは、採光性および光拡散性にも優れた布帛および該布帛を用いてなる繊維製品を提供する。【解決手段】有機系紫外線吸収剤を含むポリエステル繊維を含む布帛であって、さらに布帛に有機系紫外線吸収剤が付与されている。【選択図】図1

Description

本発明は、紫外線カット性に極めて優れ、好ましくは、採光性および光拡散性にも優れた布帛および該布帛を用いてなる繊維製品に関する。
ポリエステル繊維は、強度、寸法安定性、イージーケアー性等多くの優れた特徴を備えているので、ポリエステル繊維からなる布帛は、その優れた特性により衣料用から産業用と広い範囲で用いられている。
他方、太陽光に含まれる紫外線の人体への影響が懸念され、また、住居内のインテリア製品や畳等が日焼けするという理由から、紫外線をカットする繊維製品が提案されている。例えば、特許文献1では、二酸化チタンなどの無機系の紫外線吸収、反射剤をポリエステル繊維に含ませることにより、紫外線をカットすることが提案されている。
しかしながら、無機系の紫外線吸収、反射剤を多量に含んだポリエステル繊維でレースカーテンなどの繊維製品を構成すると、紫外線カット性の点でまだ満足とはいえず、また、可視光線までもカットされてしまい、採光性が損なわれるという問題があった。その改善策として、例えば、扁平断面原糸などを使用した織物等が提案されているが、まだ満足とはいえなかった(例えば、特許文献1)。
特開2006-299438号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、紫外線カット性に極めて優れ、好ましくは、採光性および光拡散性にも優れた布帛および該布帛を用いてなる繊維製品を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねることにより、本発明を完成するに至った。かくして、本発明によれば、以下の発明が提供される。
1.有機系紫外線吸収剤を含むポリエステル繊維を含む布帛であって、さらに布帛に有機系紫外線吸収剤が付与されてなることを特徴とする布帛。
2.前記ポリエステル繊維において、艶消し剤の含有量が0.5重量%以下である、上記1に記載の布帛。
3.前記ポリエステル繊維において、単繊維の断面形状が丸、扁平、くびれ付き扁平、三角、W型、Y型、T型、U型、および雲型からなる群より選択される1種以上である、上記1または2に記載の布帛。
4.布帛が、カバーファクター(CF)が1500~3500の織物、またはコース数10~50本/2.54cmかつウェール数9~30本/2.54cmの編物である、上記1~3のいずれかに記載の布帛。
ただし、カバーファクター(CF)は下記式により定義される。
CF=(DWp/1.1)1/2×MWp+(DWf/1.1)1/2×MWf
[DWpは経糸総繊度(dtex)、MWpは経糸織密度(本/2.54cm)、DWfは緯糸総繊度(dtex)、MWfは緯糸織密度(本/2.54cm)である。]
[DWpは経糸総繊度(dtex)、MWpは経糸織密度(本/2.54cm)、DWfは緯糸総繊度(dtex)、MWfは緯糸織密度(本/2.54cm)である。]
5.JIS L 1925-2019により測定した紫外線遮蔽率が95%以上である、上記1~4のいずれかに記載の布帛。
6.JIS L 1913-2010により測定した採光率が10%以上である、上記1~5のいずれかに記載の布帛。
7.光拡散率が5%以上である、上記1~6のいずれかに記載の布帛。
8.上記1~7のいずれかに記載の布帛を用いてなる、カーテン、テント、障子紙および帽子からなる群より選択されるいずれかの繊維製品。
本発明によれば、紫外線カット性、採光性、および光拡散性に極めて優れた布帛および該布帛を用いてなる繊維製品が得られる。
本発明において、ポリエステル繊維の単繊維の断面形状として採用することのできる、くびれ部を有する扁平断面形状を模式的に例示したものである。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明において、ポリエステル繊維を形成するポリエステルとしては、テレフタル酸を主たる酸成分とし、炭素数2~6のアルキレングリコール、すなわちエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールからなる群より選ばれた少なくとも1種のグリコール、特に好ましくはエチレングリコールを主たるグリコール成分とするポリエステルが例示される。
かかるポリエステルには、必要に応じて少量(通常30モル%以下)の共重合成分を有していてもよい。
その際、使用されるテレフタル酸以外の二官能性カルボン酸としては、例えばイソフタル酸、ナフタリンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、β-ヒドロキシエトキシ安息香酸、P-オキシ安息香酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸のごとき芳香族、脂肪族、脂環族の二官能性カルボン酸をあげることができる。また、上記グリコール以外のジオール化合物としては、例えばシクロヘキサン-1,4-ジメタノール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールSのごとき脂肪族、脂環族、芳香族のジオール化合物およびポリオキシアルキレングリコール等をあげることができる。
かかるポリエステルは任意の方法によって合成したものでよい。例えばポリエチレンテレフタレートの場合について説明すると、テレフタル酸とエチレングリコールとを直接エステル化反応させるか、テレフタル酸ジメチルのごときテレフタル酸の低級アルキルエステルとエチレングリコールとをエステル交換反応させるかまたはテレフタル酸とエチレンオキサイドとを反応させるかしてテレフタル酸のグリコールエステルおよび/またはその低重合体を生成させる第1段階の反応と、第1段階の反応生成物を減圧下加熱して所望の重合度になるまで重縮合反応させる第2段階の反応によって製造されたものでよい。
また、マテリアルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリエステルであってもよい。さらには、ポリ乳酸やステレオコンプレックスポリ乳酸などの脂肪族ポリエステルであってもよい。
かかるポリエステル繊維において、ポリエステル中に有機系紫外線吸収剤が含まれることが重要である。その際、有機系紫外線吸収剤の含有量としては、ポリエステル重量に対し0.1~5.0重量%(より好ましくは0.5~3.0重量%)であることが好ましい。有機系紫外線吸収剤の含有量が0.1重量%よりも小さいと、十分な紫外線吸収性能が得られないおそれがある。逆に、有機系紫外線吸収剤の含有量が5.0重量%よりも大きいと、有機系紫外線吸収剤を含むポリエステルを紡糸してポリエステル繊維を得る際、紡糸の工程安定性が損なわれたり、時間の経過とともにポリエステル繊維が黄変するおそれがある。
ポリエステル中に含まれる有機系紫外線吸収剤としては、ベンゾオキサジン系有機紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系有機紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系有機紫外線吸収剤、ベンゾオキサゾール系有機紫外線吸収剤、トリアジン系有機紫外線吸収剤、サリチル酸系有機紫外線吸収剤などが例示される。なかでも、紡糸の段階で分解しないという点からベンゾオキサジン系有機紫外線吸収剤が特に好ましい。
かかるベンゾオキサジン系有機紫外線吸収剤としては、特開昭62-11744号公報に開示されたものが好適に例示される。すなわち、2-メチル-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、2-ブチル-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、2-フェニル-3,1-ベンゾオキサジン-4-オン、2,2’-エチレンビス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、2,2’-テトラメチレンビス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、2,2’-p-フェニレンビス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)、1,3,5-トリ(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン-2-イル)ベンゼン、1,3,5-トリ(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン-2-イル)ナフタレンなどである。
また、前記のポリエステル繊維を形成するポリエステルにおいて、艶消し剤(二酸化チタンなど)の含有量が0.5重量%以下であることが優れた採光性を得る上で好ましい。
本発明において、ポリエステル繊維は、有機系紫外線吸収剤を0.1~5.0重量%含有し、好ましくは艶消し剤の含有率が0.5重量%以下の、固有粘度が0.55~0.80の前記ポリエステルを、常法により紡糸し、2000~4300m/分の速度で未延伸糸(中間配向糸)として一旦巻き取り、延伸したものでもよいし、延伸仮撚したものでもよいし、巻き取る前に延伸したものでもよい。また、中間配向糸を、180~200℃に加熱されたヒーターを用いて、弛緩状態(オーバーフィード1.5~10%)で熱処理することにより、加熱下で自己伸長性を有する未延伸糸(中間配向糸)であってもよい。
かかるポリエステル繊維において、単繊維繊度が0.1~5.0dtexの範囲内であることが好ましい。また、繊維の形態としては、短繊維でもよいし長繊維(マルチフィラメント)でもよい。なかでも、織編物とした場合の組織間空隙を小さくして紫外線の透過量を少なくする上で長繊維が好ましい。
なお、かかる長繊維の総繊度、フィラメント数としては、総繊度16~330dtex、フィラメント数1~100本の範囲が好ましい。また、単繊維の断面形状は特に限定されず通常の丸断面でもよいし、扁平、くびれ付き扁平、三角、W型、Y型、T型、U型、雲型、扁平断面、四角断面、3~14葉断面、中空断面などの異型断面でもよい。特に、織編物とした場合の組織間空隙を小さくする上で異型断面が好ましい。特に、図1に示すような、2箇所以上のくびれ部を有する断面扁平度2~6の扁平断面を採用すると、織編物とした場合の組織間空隙を小さくすることができ、かつソフトな風合いが得られ好ましい。なお、断面扁平度とは、図1に示す、長辺の長さ(B)と短辺の長さ(C1)との比(B/C1)である。また、くびれ部とは図1に示すように、短辺の長さが短くなっている部分のことである。かかるくびれ部において、凹部の深さとしては、短辺の長さの最大値と最小値の比(C1/C2)で、1.05以上(好ましくは1.1以上)となる深さであることが好ましい。なお、図1は、くびれ部が3個所の場合を示している。
また、かかるポリエステル繊維は、沸水収縮率に差がある2種類の糸条が布帛に含まれると、布帛表面にシボが発現することにより、紫外線のカット率および光拡散性が向上し好ましい。その際、収縮率の差としては5~20%が好ましい。
本発明の布帛は、前記のポリエステル繊維を含む。その際、布帛重量に対し30重量%以上(より好ましくは60重量%以上、特に好ましくは100重量%)含むことが好ましい。前記のポリエステル繊維の含有量が30重量%よりも小さいと、十分な紫外線カット性が得られないおそれがある。
布帛の織編組織は特に限定されず、通常の方法で製編織されたものでよい。さらには、不織布であってもよい。例えば、織物の織組織としては、平織、綾織、朱子織等の三原組織、変化組織、たて二重織、よこ二重織等の片二重組織、たてビロードなどが例示される。編物の種類は、よこ編物であってもよいしたて編物であってもよい。よこ編組織としては、平編、ゴム編、両面編、パール編、タック編、浮き編、片畔編、レース編、添え毛編等が好ましく例示され、たて編組織としては、シングルデンビー編、シングルアトラス編、ダブルコード編、ハーフトリコット編、裏毛編、ジャガード編等が例示される。層数も単層でもよいし、2層以上の多層でもよい。
ここで、本発明の布帛が織物である場合は、下記式により算出されるカバーファクター(CF)が1500~3500であることが好ましい。該カバーファクターが1500よりも小さいと、織物の組織間空隙が大きくなり、紫外線カット性が損なわれるおそれがある。紫外線カット性の点では、該カバーファクターは大きいほどよいが、3500よりも大きいと布帛のソフト性が損なわれるおそれがある。
CF=(DWp/1.1)1/2×MWp+(DWf/1.1)1/2×MWf
ただし、DWpは経糸総繊度(dtex)、MWpは経糸織密度(本/2.54cm)、DWfは緯糸総繊度(dtex)、MWfは緯糸織密度(本/2.54cm)である。
また、本発明の布帛が編物である場合は、コース数10~50本/2.54cmかつウェール数9~30本/2.54cmの密度を有することが好ましい。密度が該範囲よりも小さいと、編物の組織間空隙が大きくなり、紫外線カット性が損なわれるおそれがある。紫外線カット性の点では、該密度は大きいほどよいが、該範囲よりも大きいと布帛のソフト性が損なわれるおそれがある。
また、布帛に有機系紫外線吸収剤が付与される。その際、有機系紫外線吸収剤は前記のようなものでよい。また、ポリエステル繊維に含まれる有機系紫外線吸収剤と同一種類でもよいし異なる種類でもよい。有機系紫外線吸収剤を布帛に固着させる量は、布帛に対して0.5~5.0%owfの範囲内であることが好ましい。
また、バインダー樹脂を使用して有機系紫外線吸収剤を付与する場合に用いられるバインダー樹脂としては、特に限定されるものではなく、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、塩化ビニル樹脂、ナイロン樹脂などが例示される。バインダー樹脂の固着量は、樹脂固形分基準で布帛に対して、0.01~40g/m(より好ましくは1~30g/m)の範囲内であることが好ましい。
通常、前記有機系紫外線吸収剤とバインダー樹脂は、両者の配合組成物として布帛に付与される。その際、かかる配合組成物は水系、溶剤系のいずれで構成してもよいが、加工工程の作業環境上、水系の方が好ましい。溶剤としては、トルエン、イソプロピルアルコール、ジメチルホルムアミド、メチルエチルケトン、酢酸エチルなどが例示される。この配合組成物には、エポキシ系などの架橋剤を併用してもよい。さらに、布帛本体に対する付着性を向上させる等の目的で適当な添加剤をさらに併用してもよい。
布帛への、有機系紫外線吸収剤とバインダー樹脂の付与手段として、まず両者を前述のような配合組成物となした後、該配合組成物を、パディング法、グラビヤコーティング法、スクリーンプリント法などの公知の付与手段を用いることができる。有機系紫外線吸収剤単独での付与手段として、吸尽法、パディング法などの公知の付与手段を用いることができる。
本発明の布帛には、本発明の目的が損なわれない範囲内であれば、常法の染色仕上げ加工、撥水加工、起毛加工、紫外線遮蔽あるいは抗菌剤、消臭剤、防虫剤、蓄光剤、再帰反射剤、マイナスイオン発生剤等の機能を付与する各種加工を付加適用してもよい。
本発明の布帛は、前記の構成を有するので、紫外線カット性、採光性、および光拡散性に極めて優れる。ここで、JIS L 1925-2019により測定した紫外線遮蔽率が95%以上(より好ましくは95~99.9%)であることが好ましい。また、JIS L 1913-2010により測定した採光率が10%以上(より好ましくは11~40%)であることが好ましい。また、光拡散性が5%以上(より好ましくは5~15%)であることが好ましい。
次に、本発明の繊維製品は前記の布帛を含み、カーテン、テント、障子紙および帽子からなる群より選択されるいずれかの繊維製品である。かかる繊維製品は前記の布帛を含むので、紫外線カット性、採光性、および光拡散性に極めて優れる。
次に本発明の実施例及び比較例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中の各測定項目は下記の方法で測定した。
<固有粘度>
オルソクロロフェノールを溶媒として使用し35℃で測定した。
<繊度>
JIS L1013-2021 8.3.1正量繊度により測定した。
<カバーファクター(CF)>
下記式により算出した。
CF=(DWp/1.1)1/2×MWp+(DWf/1.1)1/2×MWf
ただし、DWpは経糸総繊度(dtex)、MWpは経糸織密度(本/2.54cm)、
DWfは緯糸総繊度(dtex)、MWfは緯糸織密度(本/2.54cm)である。
<紫外線遮蔽率>
JIS L 1925-2019により測定した。
<採光率>
JIS L 1913-2010により測定した。
<光拡散率>
JIS L 1055-2009 A法を準用し測定した。試験箱の開口部に布帛を設置し、試験箱内の任意の点における照度(lx)を測定する。開口部直下の中心部分の布帛の照度A(lx)と、中心部分から布帛の経方向へ約10cmの地点の布帛の照度B(lx)と、中心部分から布帛の緯方向へ約10cmの地点の布帛の照度C(lx)を測定し、下記式により算出した。
経方向の光拡散率X=照度B/照度A×100
緯方向の光拡散率Y=照度C/照度A×100
光拡散率=(X+Y)/2
[実施例1]
特開昭62-11744号公報に記載された方法で合成された2,2’-p-フェニレンビス(3,1-ベンゾオキサジン-4-オン)有機系紫外線吸収剤を1.0重量%含み、艶消し剤を含まないポリエチレンテレフタレートを4つ山扁平断面(凹部6個所)に穿孔された口金より、紡糸温度300℃で紡出し、4000m/minで引き取り、一旦巻き取ることなく引き続き1.3倍に延伸し、フィラメントの横断面形状が図1に示すような、くびれ部(短辺の長さCの最大/最小=1.2)を3個所有する扁平断面(断面扁平度3.2)のマルチフィラメント(A)84dtex/30filを得た。また、口金を丸断面に変更すること以外は前記と同様の方法で、マルチフィラメント(B)330dtex/10filを得た。得られたマルチフィラメント(B)を常法により分繊し、マルチフィラメント(C)33dtex/1filを得た。さらに、前記同様に紡出し、3500m/minで一旦巻き取り、巻き取ったフィラメントを常法により延伸仮撚加工を行い、マルチフィラメント(D)167dtex/144filを得た。
次いで、経糸に前記マルチフィラメント(C)、緯糸に前記マルチフィラメント(A)と(D)を9:9の配列で使用し、経密度183本/2.54cm、緯密度95本/2.54cmの5/1ツイル組織織物を製織した。そして、染料を使用せずに常法の染色加工を行い、仕上げ時に、上記と同様の有機系紫外線吸収剤を2.0%owf使用し、カバーファクター(CF)2384の織物を得た。かかる織物(布帛)の表面にはシボが発現していた。
得られた織物において、紫外線遮蔽率99%、採光率12%、光拡散率6%と優れた紫外線遮蔽性、採光性と光拡散性を有するものであった。
[実施例2]
有機系紫外線吸収剤を含まずかつ艶消し剤を0.3重量%含む固有粘度0.60のポリエチレンテレフタレートを常法により紡糸、延伸してポリエステルマルチフィラメント(A)84dtex/36filを得た。得られた該マルチフィラメントに常法によりS1000回/mの撚糸を行い、ポリエステルマルチフィラメント(E)を得た。
次いで、経糸に該マルチフィラメント(E)、緯糸に実施例1で記載のマルチフィラメント(A)を使用し、経密度85本/2.54cm、緯密度110本/2.54cmの5/1ツイル組織織物を製織した。そして、実施例1に記載の染色加工を施し、カバーファクター(CF)1862の織物を得た。
得られた織物において、紫外線遮蔽率96%、採光率14%、光拡散率5%と優れた紫外線遮蔽率、採光性と光拡散性を有するものであった。
[比較例1]
実施例2において、染色加工時に有機系紫外線吸収剤を使用しないこと以外は実施例2と同様にして織物を得た。
得られた織物において、紫外線遮蔽率93%、採光率14%、光拡散率5%と紫外線遮蔽率は劣るものであった。
本発明によれば、紫外線カット性、採光性、および光拡散性に極めて優れた布帛および該布帛を用いてなる繊維製品が、その工業的価値は極めて大である。
1 くびれ部

Claims (8)

  1. 有機系紫外線吸収剤を含むポリエステル繊維を含む布帛であって、さらに布帛に有機系紫外線吸収剤が付与されてなることを特徴とする布帛。
  2. 前記ポリエステル繊維において、艶消し剤の含有量が0.5重量%以下である、請求項1に記載の布帛。
  3. 前記ポリエステル繊維において、単繊維の断面形状が丸、扁平、くびれ付き扁平、三角、W型、Y型、T型、U型、および雲型からなる群より選択される1種以上である、請求項1に記載の布帛。
  4. 布帛が、カバーファクター(CF)が1500~3500の織物、またはコース数10~50本/2.54cmかつウェール数9~30本/2.54cmの編物である、請求項1に記載の布帛。
    ただし、カバーファクター(CF)は下記式により定義される。
    CF=(DWp/1.1)1/2×MWp+(DWf/1.1)1/2×MWf
    [DWpは経糸総繊度(dtex)、MWpは経糸織密度(本/2.54cm)、DWfは緯糸総繊度(dtex)、MWfは緯糸織密度(本/2.54cm)である。]
  5. JIS L 1925-2019により測定した紫外線遮蔽率が95%以上である、請求項1に記載の布帛。
  6. JIS L 1913-2010により測定した採光率が10%以上である、請求項1に記載の布帛。
  7. 光拡散率が5%以上である、請求項1に記載の布帛。
  8. 請求項1~7のいずれかに記載の布帛を用いてなる、カーテン、テント、障子紙および帽子からなる群より選択されるいずれかの繊維製品。
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