JP2008179917A - 着色ポリエステル布帛の製造方法および着色ポリエステル布帛および衣料 - Google Patents

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Abstract

【課題】紫外線遮蔽性に優れ、かつ鮮明な色相を呈し、しかも紫外線による褪色が抑制された着色ポリエステル布帛の製造方法、および該製造方法により得られた着色ポリエステル布帛、および該着色ポリエステル布帛を用いた衣料を提供する。
【解決手段】ポリエステル繊維を含むポリエステル布帛を、分散染料を用いて染色加工する着色ポリエステル布帛の製造方法であって、前記のポリエステル繊維として、ポリエステル繊維を形成するポリエステル中に、有機系紫外線吸収剤が0.5重量%以上含まれ、かつ艶消し剤が含まれないか1.5重量%以下含まれるポリエステル繊維を用い、かつ前記分散染料としてアゾ系分散染料を用いることを特徴とする着色ポリエステル布帛の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエステル繊維を含むポリエステル布帛を、分散染料を用いて染色する着色ポリエステル布帛の製造方法であって、紫外線遮蔽性に優れ、かつ鮮明な色相を呈し、しかも紫外線による褪色が抑制された着色ポリエステル布帛の製造方法、および該製造方法により得られた着色ポリエステル布帛、および該着色ポリエステル布帛を用いた衣料に関する。
従来、太陽光に含まれる紫外線の人体への影響が懸念され、紫外線を遮蔽する布帛が提案されている。例えば、特許文献1では、有機系紫外線吸収剤をポリエステル繊維中に含ませ、かかるポリエステル繊維で布帛を構成することにより、紫外線を遮蔽することが提案されている。
他方、ポリエステル繊維は通常発色が不良であり、ポリエステル繊維に発色性を付加する方法が種々提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、紫外線遮蔽性に優れ、かつ鮮明な色相を呈し、しかも紫外線による褪色が抑制された布帛はこれまであまり提案されていない。
なお、ポリエステル繊維を含むポリエステル布帛を、アゾ系分散染料を用いて染色加工すると、アントラキノン系分散染料など他の分散染料と比べて鮮明な色相を呈する着色ポリエステル布帛が得られるものの、紫外線により褪色しやすいという問題があった(例えば、特許文献3、特許文献4、特許文献5、非特許文献1参照)。
特開2006−299438号公報 特開平10−195783号公報 特開昭63−234066号公報 特開昭61−6382号公報 特開昭60−126387号公報 林茂助氏著「染色加工講座1」共立出版株式会社出版、昭和36年1月20日、P139
本発明はかかる背景に鑑みなされたものであり、その目的は、紫外線遮蔽性に優れ、かつ鮮明な色相を呈し、しかも紫外線による褪色が抑制された着色ポリエステル布帛の製造方法、および該製造方法により得られた着色ポリエステル布帛、および該着色ポリエステル布帛を用いた衣料を提供することにある。
本発明者は、有機系紫外線吸収剤を含むポリエステル繊維を用いてポリエステル布帛を得た後、該ポリエステル布帛を、アゾ系分散染料を用いて染色すると、アゾ系染料の欠点である褪色のし易さが有機系紫外線吸収剤によって解消され、鮮明な色相を呈し、しかも紫外線による褪色が抑制された着色ポリエステル布帛が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「ポリエステル繊維を含むポリエステル布帛を、分散染料を用いて染色加工する着色ポリエステル布帛の製造方法であって、前記のポリエステル繊維として、ポリエステル繊維を形成するポリエステル中に、有機系紫外線吸収剤が0.5重量%以上含まれ、かつ艶消し剤が含まれないか1.5重量%以下含まれるポリエステル繊維を用い、かつ前記分散染料としてアゾ系分散染料を用いることを特徴とする着色ポリエステル布帛の製造方法。」が提供される。
その際、前記ポリエステル繊維の単繊維横断面形状が異型であることが好ましい。特に、前記ポリエステル繊維の単繊維横断面形状が、2箇所以上のくびれ部を有する断面扁平度2〜6の扁平断面であることが好ましい。また、前記ポリエステル繊維の単繊維繊度が、0.1〜5.0dtexの範囲内であることが好ましい。また、前記ポリエステル繊維が無撚のマルチフィラメントであることが好ましい。
本発明において、前記有機系紫外線吸収剤がベンゾオキサジン系有機系紫外線吸収剤であることが好ましい。また、前記布帛が織物組織を有することが好ましい。その際、前記の織物において、下記式により算出されるカバーファクター(CF)が1500〜3000の範囲内であることが好ましい。
CF=(DWp/1.1)1/2×MWp+(DWf/1.1)1/2×MWf
ただし、DWpは経糸総繊度(dtex)、MWpは経糸織密度(本/2.54cm)、
DWfは緯糸総繊度(dtex)、MWfは緯糸織密度(本/2.54cm)である。
また、本発明によれば、前記の製造方法により得られた着色布帛が提供される。かかる着色布帛が、JIS L 0842に記載の耐光性試験において、40時間照射後のグレースケールでの級判定が4級以上であることが好ましい。また、波長280〜400nmの紫外線の透過率が20%以下であることが好ましい。
また、本発明によれば、前記の織物(ポリエステル布帛)を用いてなる衣料が提供される。該衣料は前記の織物を用いているので、紫外線遮蔽性に優れ、かつ鮮明な色相を呈し、しかも紫外線による褪色が抑制される。
本発明によれば、紫外線遮蔽性に優れ、かつ鮮明な色相を呈し、しかも紫外線による褪色が抑制された着色ポリエステル布帛の製造方法、および該製造方法により得られた着色ポリエステル布帛、および該着色ポリエステル布帛を用いた衣料が得られる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
まず、本発明に用いるポリエステル繊維を形成するポリエステルとしては、テレフタル酸を主たる酸成分とし、炭素数2〜6のアルキレングリコール、すなわちエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールからなる群より選ばれた少なくとも1種のグリコール、特に好ましくはエチレングリコールを主たるグリコール成分とするポリエステルが例示される。
かかるポリエステルには、必要に応じて少量(通常30モル%以下)の共重合成分を有していてもよい。その際、使用されるテレフタル酸以外の二官能性カルボン酸としては、例えばイソフタル酸、ナフタリンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、β−ヒドロキシエトキシ安息香酸、P−オキシ安息香酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のごとき芳香族、脂肪族、脂環族の二官能性カルボン酸をあげることができる。また、上記グリコール以外のジオール化合物としては、例えばシクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールSのごとき脂肪族、脂環族、芳香族のジオール化合物およびポリオキシアルキレングリコール等をあげることができる。
前記ポリエステルは任意の方法によって合成したものでよい。例えばポリエチレンテレフタレートの場合について説明すると、テレフタル酸とエチレングリコールとを直接エステル化反応させるか、テレフタル酸ジメチルのごときテレフタル酸の低級アルキルエステルとエチレングリコールとをエステル交換反応させるかまたはテレフタル酸とエチレンオキサイドとを反応させるかしてテレフタル酸のグリコールエステルおよび/またはその低重合体を生成させる第1段階の反応と、第1段階の反応生成物を減圧下加熱して所望の重合度になるまで重縮合反応させる第2段階の反応によって製造されたものでよい。また、マテリアルリサイクルまたはケミカルリサイクルされたポリエステルであってもよい。さらには、特開2004−270097号公報や特開2004−211268号公報に記載されているような、特定のリン化合物およびチタン化合物を含む触媒を用いて得られたポリエステルも優れた鮮明性が得られ好ましい。
前記のポリエステルにおいて、ポリエステルポリマー中に有機系紫外線吸収剤を含有することが肝要である。ポリエステル中に含まれる有機系紫外線吸収剤の含有量としては、ポリエステルポリマー重量に対し0.5重量%以上(好ましくは0.5〜5.0重量%)であることが肝要である。有機系紫外線吸収剤の含有量が0.5重量%よりも小さいと、十分な紫外線吸収性能が得られず好ましくない。逆に、有機系紫外線吸収剤の含有量が5.0重量%よりも大きいと、有機系紫外線吸収剤を含む繊維形成性熱可塑性ポリマーを紡糸して繊維を得る際、紡糸の工程安定性が損なわれるおそれがある。
前記有機系紫外線吸収剤としては、ベンゾオキサジン系有機紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系有機紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系有機紫外線吸収剤、サリチル酸系有機紫外線吸収剤などが例示される。なかでも、褪色を抑制する上でベンゾオキサジン系有機紫外線吸収剤が特に好ましい。
かかるベンゾオキサジン系有機紫外線吸収剤としては、特開昭62−11744号公報に開示されたものが好適に例示される。すなわち、2−メチル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−ブチル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2−フェニル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、2,2’−エチレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−テトラメチレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)、1,3,5−トリ(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)ベンゼン、1,3,5−トリ(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン−2−イル)ナフタレンなどである。
また、前記ポリエステルにおいて、二酸化チタンなどの艶消し剤の含有量がポリエステルポリマー重量に対して1.5重量%以下(好ましくは0.5重量%以下)であることが肝要である。艶消し剤の含有量が1.5重量%よりも大きいと、艶消し剤が紫外線を受けて励起されることにより染料の分子構造を破壊し褪色が進むため好ましくない。さらには、艶消し剤により鮮明性が損われるため好ましくない。かかる艶消し剤の含有量は小さければ小さいほどよく、艶消し剤が含まれないことが最も好ましい。
本発明の製造方法において、ポリエステル繊維は、艶消し剤が1.5重量%以下含まれ、かつ有機系紫外線吸収剤が0.5重量%以上含まれるポリエステル(例えば、固有粘度が0.55〜0.80のポリエステルなど)を、常法により紡糸し、2000〜4300m/分の速度で未延伸糸(中間配向糸)として一旦巻き取り、延伸したマルチフィラメントでもよいし、巻き取る前に延伸したマルチフィラメントでもよい。また、中間配向糸を、180〜200℃に加熱されたヒーターを用いて、弛緩状態(オーバーフィード1.5〜10%)で熱処理することにより、加熱下で自己伸長性を有する未延伸糸(中間配向糸)であってもよい。
かかるポリエステル繊維の繊維形態は特に限定されず、長繊維(マルチフィラメント)、短繊維、これらの複合糸条、仮撚捲縮加工糸、空気加工糸、紡績糸などいずれでもよい。
また、かかるポリエステル繊維の総繊度としては、20〜170dtex(より好ましく40〜110dtex)の範囲内であることが好ましい。該総繊度が20dtexよりも小さいと布帛の厚みが薄くなり充分な紫外線遮蔽性が得られないおそれがある。逆に、該総繊度が170dtexよりも大きいと布帛の風合いが硬くなるおそれがある。また、ポリエステル繊維の単糸繊度、フィラメント数としては、単繊維繊度が0.1〜5.0dtex(好ましくは1.0〜3.0dtex)の範囲内であり、フィラメント数が10〜100本(好ましくは25〜90本)の範囲内であることが好ましい。
かかるポリエステル繊維には撚糸が施されていてもよいが、紫外線遮蔽性を高める上で無撚のマルチフィラメントであることが好ましい。マルチフィラメントに撚糸が施されていると、布帛の組織間空隙が大きくなり紫外線遮蔽性が低下するおそれがある。
また、単繊維の断面形状は特に限定されないが、布帛の組織間空隙を小さくし紫外線遮蔽性を高める上で通常の丸断面以外の異型であることが好ましい。特に、図1に模式的に示すような、2箇所以上のくびれ部を有する断面扁平度2〜6の扁平断面を採用すると、編物の紫外線遮蔽性が高くかつソフトな風合いが得られ好ましい。さらには、毛細管現象により編物の吸水性も高まり好ましい。なお、断面扁平度とは、図1に示す、長辺の長さ(B)と短辺の長さ(C1)との比(B/C1)である。また、くびれ部とは図1に模式的に示すように、短辺の長さが短くなっている部分のことである。かかるくびれ部において、凹部の深さとしては、短辺の長さの最大値と最小値の比(C1/C2)で、1.05以上(好ましくは1.1以上)となる深さであることが好ましい。なお、図1は、くびれ部が3個所の場合を例示するものである。
本発明において、前記ポリエステル繊維が布帛に布帛重量に対して30重量%以上(より好ましくは50重量%以上、特に好ましくは100重量%)含まれることが好ましい。該含有量が30重量%未満では、充分な紫外線遮蔽性が得られないおそれがある。なお、布帛を、前記のポリエステル繊維と他繊維とで構成する場合、該他繊維も前記のポリエステル繊維と同程度の総繊度、単繊度、フィラメント数を有するポリエステル糸条であることが好ましい。
前記の布帛において、布帛構造は特に限定されず、通常の織機または編機により製編織された織物、編物いずれでもよい。さらには不織布でもよい。例えば、織物の織組織としては、平織、綾織、朱子織等の三原組織、変化組織、たて二重織、よこ二重織等の片二重組織、たてビロードなどが例示される。編物の種類は、よこ編物であってもよいしたて編物であってもよい。よこ編組織としては、平編、ゴム編、両面編、パール編、タック編、浮き編、片畔編、レース編、添え毛編等が好ましく例示され、たて編組織としては、シングルデンビー編、シングルアトラス編、ダブルコード編、ハーフトリコット編、裏毛編、ジャガード編等が例示される。層数も単層でもよいし、2層以上の多層でもよい。
ここで、前記の布帛が織物である場合は、下記式により算出されるカバーファクター(CF)が1500〜3000であることが好ましい。該カバーファクターが1500よりも小さいと、織物の組織間空隙が大きくなり、紫外線遮蔽性が損なわれるおそれがある。紫外線遮蔽性の点では、該カバーファクターは大きいほどよいが、3000よりも大きいと布帛のソフト性が損なわれるおそれがある。
CF=(DWp/1.1)1/2×MWp+(DWf/1.1)1/2×MWf
ただし、DWpは経糸総繊度(dtex)、MWpは経糸織密度(本/2.54cm)、DWfは緯糸総繊度(dtex)、MWfは緯糸織密度(本/2.54cm)である。
本発明において、前記の布帛を、アゾ系分散染料を用いて染色加工することが肝要である。アゾ系分散染料を用いることにより優れた鮮明性が得られる。ここで、アゾ系分散染料としては、ベンゼンアゾ系(モノアゾ、ジシアゾ等)、複素環アゾ系(チアゾールアゾ、ベンゾチアゾールアゾ、キノリンアゾ、ピリジンアゾ、イミダゾールアゾ、チオフェノンアゾ等)の分散染料が例示される。
また、染色加工の方法としては、ビーム染色、チーズ染色、パッケージ染色、液流染色など従来公知の染色加工方法でよい。また、染色加工条件としては、温度130〜135℃、20〜40分間の範囲が好ましい。なお、染色加工の際、染色浴中に助剤や各種機能剤が含まれていてもよい。
なお、染色加工の前および/または後に、アルカリ減量加工、吸水加工、撥水加工、起毛加工、さらには、紫外線遮蔽あるいは制電剤、抗菌剤、消臭剤、防虫剤、蓄光剤、再帰反射剤、マイナスイオン発生剤等の機能を付与する各種加工を付加適用してもよい。
かくして得られた着色ポリエステル布帛は、布帛に含まれるポリエステル繊維は、艶消し剤を1.5重量%以下と少量しか含有せず、かつアゾ系染料を用いて染色加工されているので優れた鮮明性を呈する。さらに、ポリエステル繊維中に含まれる紫外線吸収剤により紫外線遮蔽性を呈すると同時に紫外線による褪色が抑制される。かかる紫外線遮蔽性としては、波長280〜400nmの紫外線の透過率が20%以下であることが好ましい。また、耐光性としては、JIS L 0842に記載の耐光性試験において、40時間照射後のグレースケールでの級判定が4級以上であることが好ましい。
また、本発明の衣料は、前記の着色ポリエステル布帛を用いてなる衣料である。該衣料としては、紳士衣料、婦人衣料、スポーツ衣料などが例示される。該衣料は前記の着色布帛を使用しているので、紫外線遮蔽性に優れ、かつ鮮明な色相を呈し、しかも紫外線による褪色が抑制される。
次に本発明の実施例及び比較例を詳述するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中の各測定項目は下記の方法で測定した。
<紫外線透過率>
島津製作所製分光光度計MPC−3100で透過率を測定し、280〜400nmの範囲の紫外線透過率を算出した。紫外線透過率が45%以下であると合格である。
<カバーファクター(CF)>
下記式により算出した。
CF=(DWp/1.1)1/2×MWp+(DWf/1.1)1/2×MWf
ただし、DWpは経糸総繊度(dtex)、MWpは経糸織密度(本/2.54cm)、
DWfは緯糸総繊度(dtex)、MWfは緯糸織密度(本/2.54cm)である。
<耐光性>
紫外線による褪色がどの程度抑制されか評価するため、JIS L 0842に記載されたカーボンアーク耐光性試験法にて40時間照射し、JIS L0804変退色用グレースケールで判定した。
<鮮明性>
試験者3人より目視判定で、3級:鮮明である、2級:やや鮮明である、1級:鮮明でない、の3段階に評価した。
[実施例1]
特開昭62−11744号公報に記載された方法で合成された2,2’−p−フェニレンビス(3,1−ベンゾオキサジン−4−オン)有機系紫外線吸収剤をポリマー重量に対して1.0重量%含み、艶消し剤をポリマー重量に対して0.5重量%含むポリエチレンテレフタレートを通常の溶融紡糸方法により、紡糸、延伸し、ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメント84dtex/30filを得た。
次いで、該ポリエチレンテレフタレートマルチフィラメントを無撚で経糸および緯糸に配し、平組織織物を製織した。該織物において、経密度120本/2.54cm、緯密度98本/2.54cm、カバーファクター(CF)1887であった。
次いで、該織物を常法により精錬(98℃で5分間)した後、水洗・乾燥後、180℃で1分間プレセットした。次いで、通常の液流染色機を使用して下記の染浴で130℃、45分間染色処理した。そして、還元洗浄後、水洗して乾燥、170℃で1分間ファイナルセットした。
・ジアゾ系分散染料B−79(日本化薬社製) 2.0%owf
・Irgasol DAM(商標、チバガイギー社製) 1g/リットル
・酢酸 0.5g/リットル
・浴比 1:20
得られた織物において、紫外線透過率2%、耐光性5級と、紫外線遮蔽性と耐光性に優れるものであった。また、鮮明な色相を呈するものであった(3級)。
[比較例1]
実施例1において、ジアゾ系分散染料にかえて、アントラキノン系分散染料を用いて染色加工すること以外は同様にした。得られた織物において、鮮明性2級と、実施例1で得られたものより鮮明性に劣るものであった。
[比較例2]
実施例1において、艶消し剤の含有量を2.0重量%に変更すること以外は実施例1と同様にした。得られた織物において、紫外線透過率1%、耐光性2級と耐光性に劣るものであった。また、鮮明性も劣るものであった(1級)。
[比較例3]
実施例1において、ポリマー中に紫外線吸収剤を含ませないこと以外は同様にした。得られた織物において、紫外線透過率20%、耐光性3級と耐光性に劣るものであった。
本発明によれば、紫外線遮蔽性に優れ、かつ鮮明な色相を呈し、しかも紫外線による褪色が抑制された着色ポリエステル布帛の製造方法、および該製造方法により得られた着色ポリエステル布帛、および該着色ポリエステル布帛を用いた衣料が提供され、その工業的価値は極めて大である。
本発明において、ポリエステル繊維の単繊維の断面形状として採用することのできる、くびれ部を有する扁平断面形状を模式的に例示したものである。
符号の説明
1 くびれ部

Claims (12)

  1. ポリエステル繊維を含むポリエステル布帛を、分散染料を用いて染色加工する着色ポリエステル布帛の製造方法であって、
    前記のポリエステル繊維として、ポリエステル繊維を形成するポリエステル中に、有機系紫外線吸収剤が0.5重量%以上含まれ、かつ艶消し剤が含まれないか1.5重量%以下含まれるポリエステル繊維を用い、かつ前記分散染料としてアゾ系分散染料を用いることを特徴とする着色ポリエステル布帛の製造方法。
  2. 前記ポリエステル繊維の単繊維横断面形状が異型である、請求項1に記載の着色ポリエステル布帛の製造方法。
  3. 前記ポリエステル繊維の単繊維横断面形状が、2箇所以上のくびれ部を有する断面扁平度2〜6の扁平断面である、請求項2に記載の着色ポリエステル布帛の製造方法。
  4. 前記ポリエステル繊維の単繊維繊度が、0.1〜5.0dtexの範囲内である、請求項1〜3のいずれかに記載の着色ポリエステル布帛の製造方法。
  5. 前記ポリエステル繊維が無撚のマルチフィラメントである、請求項1〜4のいずれかに記載の着色ポリエステル布帛の製造方法。
  6. 前記有機系紫外線吸収剤がベンゾオキサジン系有機系紫外線吸収剤である、請求項1〜5のいずれかに記載の着色ポリエステル布帛の製造方法。
  7. 前記ポリエステル布帛が織物組織を有する、請求項1〜6のいずれかに記載の着色ポリエステル布帛の製造方法。
  8. 前記のポリエステル布帛において、下記式により算出されるカバーファクター(CF)が1500〜3000の範囲内である、請求項7に記載の着色ポリエステル布帛の製造方法。
    CF=(DWp/1.1)1/2×MWp+(DWf/1.1)1/2×MWf
    ただし、DWpは経糸総繊度(dtex)、MWpは経糸織密度(本/2.54cm)、
    DWfは緯糸総繊度(dtex)、MWfは緯糸織密度(本/2.54cm)である。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の着色ポリエステル布帛の製造方法により得られた着色ポリエステル布帛。
  10. JIS L 0842に記載の耐光性試験において、40時間照射後のグレースケールでの級判定が4級以上である、請求項9に記載の着色ポリエステル布帛。
  11. 波長280〜400nmの紫外線の透過率が20%以下である、請求項9または請求項10に記載の着色ポリエステル布帛。
  12. 請求項9〜11のいずれかに記載の着色ポリエステル布帛を用いてなる衣料。
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