JP5067243B2 - 駆動力伝達装置、駆動力伝達装置の制御方法及び差動制限装置 - Google Patents

駆動力伝達装置、駆動力伝達装置の制御方法及び差動制限装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5067243B2
JP5067243B2 JP2008091291A JP2008091291A JP5067243B2 JP 5067243 B2 JP5067243 B2 JP 5067243B2 JP 2008091291 A JP2008091291 A JP 2008091291A JP 2008091291 A JP2008091291 A JP 2008091291A JP 5067243 B2 JP5067243 B2 JP 5067243B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
steering angle
predetermined
wheel
turning radius
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008091291A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009241766A (ja
Inventor
良平 繁田
明浩 大野
宏幸 安藤
将貴 三田
知宏 野津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JTEKT Corp
Original Assignee
JTEKT Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JTEKT Corp filed Critical JTEKT Corp
Priority to JP2008091291A priority Critical patent/JP5067243B2/ja
Priority to US12/408,851 priority patent/US8229640B2/en
Priority to EP09156178A priority patent/EP2106953B1/en
Publication of JP2009241766A publication Critical patent/JP2009241766A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5067243B2 publication Critical patent/JP5067243B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60KARRANGEMENT OR MOUNTING OF PROPULSION UNITS OR OF TRANSMISSIONS IN VEHICLES; ARRANGEMENT OR MOUNTING OF PLURAL DIVERSE PRIME-MOVERS IN VEHICLES; AUXILIARY DRIVES FOR VEHICLES; INSTRUMENTATION OR DASHBOARDS FOR VEHICLES; ARRANGEMENTS IN CONNECTION WITH COOLING, AIR INTAKE, GAS EXHAUST OR FUEL SUPPLY OF PROPULSION UNITS IN VEHICLES
    • B60K23/00Arrangement or mounting of control devices for vehicle transmissions, or parts thereof, not otherwise provided for
    • B60K23/08Arrangement or mounting of control devices for vehicle transmissions, or parts thereof, not otherwise provided for for changing number of driven wheels, for switching from driving one axle to driving two or more axles
    • B60K23/0808Arrangement or mounting of control devices for vehicle transmissions, or parts thereof, not otherwise provided for for changing number of driven wheels, for switching from driving one axle to driving two or more axles for varying torque distribution between driven axles, e.g. by transfer clutch

Description

本発明は、4輪駆動車における主駆動輪と補助駆動輪との間の駆動力配分特性を変更可能なトルクカップリングを備えた駆動力伝達装置、前輪側に連結された第1の駆動軸と後輪側に連結された第2の駆動軸とに配分するトルク配分装置及び第1の駆動軸と第2の駆動軸との差動を制限可能な差動制限機構を有する差動制限装置に関するものである。
従来、駆動源のトルクが常時伝達される主駆動輪と車両の状態に応じて必要時に駆動源のトルクが伝達される補助駆動輪とを備えた4輪駆動車における駆動源と補助駆動輪との間に設けられ、補助駆動輪へ伝達可能なトルク(以下、トルク伝達容量)を変更可能なトルクカップリングを備えた駆動力伝達装置がある。
車両の旋回時には前輪の旋回半径が後輪の旋回半径よりも大きくなるため、上記の駆動力伝達装置を備えた4輪駆動車において、トルク伝達容量が大きく設定された状態で車両の旋回半径が小さいと、前後輪間の回転差を吸収できず前後輪にブレーキがかかったような所謂タイトコーナブレーキング現象が発生してしまう。そこで、例えば特許文献1では、前輪外側輪と後輪内側輪との車輪速差を算出し、この車輪速差がタイトコーナブレーキング現象の発生する所定旋回半径において生じる車輪速差よりも大きい場合には、トルク伝達容量を小さくすることでタイトコーナブレーキング現象の発生を抑制している。
特開平8−2278号公報
ところで、上記特許文献1の構成では、例えば車両の停止時には車輪速差が生じないため、車両が発進する際の旋回半径(車輪速差)を算出することができない。そのため、例えば車両を直進状態で停止させた後にステアリングエンドまで据え切りして発進した場合などには、各車輪速に基づいて算出される旋回半径が所定旋回半径以下であると判定されるまでの間にタイトコーナブレーキング現象が発生する虞があった。なお、このような問題は、停止時に据え切りした場合に限らず、車速が車両の発進状態に相当する所定車速範囲の上限値(車輪速センサによって検出可能且つ演算誤差の少ない速度)よりも小さい場合に、車両の旋回半径が所定旋回半径よりも大きい状態から所定旋回半径以下の状態にステアリングを操舵した場合において同様に発生する。
そこで、ステアリングの操舵角に基づいて車両の発進時における旋回半径を推定することで、例えば停止時にステアリングエンドまで据え切りした場合等にも、車両の発進時にタイトコーナブレーキング現象を抑制することが考えられる。しかしながら、操舵角に基づいてトルク伝達容量を小さくすると、例えば凍結路等の低μ路において停止時にステアリングエンドまで据え切りしてから発進した場合などに車両がスリップしても、補助駆動輪に十分なトルクが伝達されず、トラクション性能が低下する虞があった。
なお、このような問題は、トルクカップリングを備えた駆動力伝達装置に限らず、前輪側に連結された第1の駆動軸と後輪側に連結された第2の駆動軸とに配分するトルク配分装置及び第1の駆動軸と第2の駆動軸との差動を制限可能な差動制限機構を有する差動制限装置においても同様に発生する。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、車速が車両の発進状態に相当する速度以下でステアリングを操舵した際においてもタイトコーナブレーキング現象の発生を抑制しつつ、低μ路でのトラクション性能の向上を図ることができる駆動力伝達装置、その制御方法及び差動制限装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、駆動源のトルクが常時伝達される主駆動輪と車両の状態に応じて必要時に前記駆動源のトルクが伝達される補助駆動輪とを備えた4輪駆動車における前記駆動源と前記補助駆動輪との間に設けられ、前記補助駆動輪へのトルク伝達容量を変更可能なトルクカップリングと、前記トルクカップリングの作動を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、各車輪速に基づいて車両の旋回半径を算出し、前記旋回半径がタイトコーナブレーキング現象の発生する所定旋回半径以下の場合には、該車両の旋回半径が前記所定旋回半径よりも大きい場合に比べて前記トルク伝達容量を小さくするタイトコーナ制御を実行する駆動力伝達装置であって、前記制御装置は、車速が前記車両の発進状態に相当する所定車速範囲の上限値よりも小さい場合には、ステアリングホイールの操舵角がタイトコーナブレーキング現象の発生する所定操舵角以上である場合に前記タイトコーナ制御を実行し、車速が前記上限値よりも小さく且つ前記操舵角が前記所定操舵角以上であっても、前記各車輪速に基づいて前記車両のスリップ状態を検出した場合には、前記タイトコーナ制御を実行せず、前記駆動源の始動時には、前記操舵角を示す操舵角信号に関わらず、前記タイトコーナ制御を実行することを要旨とする。
上記構成によれば、制御装置は、車両の発進状態において、ステアリングホイールの操舵角が所定操舵角以上である場合にタイトコーナ制御を実行するため、例えば停止時にステアリングエンドまで据え切りして発進した場合等に、速やかにタイトコーナブレーキング現象を抑制することができる。また、制御装置は、車両のスリップ状態を検出した場合には、車両の発進状態において操舵角が前記所定操舵角以上であっても、タイトコーナ制御を実行しないため、例えば凍結路等の低μ路において停止時にステアリングエンドまで据え切りしてから発進した場合に車両がスリップしても、補助駆動輪に十分なトルクが伝達され、トラクション性能の向上を図ることができる。
ここで、一般に、電気式の操舵装置における操舵角検出手段はステアリングホイールの操舵角が±180°の一回転分は絶対角を検出できるが、この角度範囲以上にステアリングホイールが操舵された状態で始動された場合には、操舵角信号が誤って出力される可能性がある。つまり、この角度範囲以上にステアリングホイールが操舵された状態で車両のイグニッションスイッチがオフに(駆動源が停止)され、若しくは車両のイグニッションスイッチがオフにされた後にこの角度範囲以上にステアリングホイールが操舵され、その後再度始動した場合には、操舵角信号が誤って出力される可能性がある。この点、上記構成によれば、始動直後である場合にタイトコーナ制御を実行するため、例えばステアリングホイールをステアリンクエンドまで操舵した状態で駆動源を始動させて発進する際等に、タイトコーナブレーキング現象を抑制できる。
請求項に記載の発明は、駆動源のトルクが常時伝達される主駆動輪と車両の状態に応じて必要時に前記駆動源のトルクが伝達される補助駆動輪とを備えた4輪駆動車における前記駆動源と前記補助駆動輪との間に設けられ、前記補助駆動輪へのトルク伝達容量を変更可能なトルクカップリングと、前記トルクカップリングの作動を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、各車輪速に基づいて車両の旋回半径を算出し、前記旋回半径がタイトコーナブレーキング現象の発生する所定旋回半径以下の場合には、該車両の旋回半径が前記所定旋回半径よりも大きい場合に比べて前記トルク伝達容量を小さくするタイトコーナ制御を実行する駆動力伝達装置の制御方法であって、車速が前記車両の発進状態に相当する所定車速範囲の上限値よりも小さい場合には、ステアリングホイールの操舵角がタイトコーナブレーキング現象の発生する所定操舵角以上である場合に前記タイトコーナ制御を実行し、車速が前記上限値よりも小さく且つ前記操舵角が前記所定操舵角以上であっても、前記各車輪速に基づいて前記車両のスリップ状態を検出した場合には、前記タイトコーナ制御を実行せず、前記駆動源の始動時には、前記操舵角を示す操舵角信号に関わらず、前記タイトコーナ制御を実行することを要旨とする。
上記構成によれば、例えば停止時にステアリングエンドまで据え切りして発進した場合に、タイトコーナブレーキング現象を抑制することができる。また、例えば凍結路等の低μ路において停止時にステアリングエンドまで据え切りしてから発進した場合に車両がスリップしても、トラクション性能の向上を図ることができる。さらに、始動直後である場合にタイトコーナ制御を実行するため、例えばステアリングホイールをステアリンクエンドまで操舵した状態で駆動源を始動させて発進する際等に、タイトコーナブレーキング現象を抑制できる。
請求項に記載の発明は、4輪駆動車の駆動源のトルクを前輪側に連結された第1の駆動軸と後輪側に連結された第2の駆動軸とに配分するトルク配分装置と、前記第1の駆動軸と前記第2の駆動軸との差動を制限可能な差動制限機構と、前記差動制限機構の作動を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、各車輪速に基づいて車両の旋回半径を算出し、前記旋回半径がタイトコーナブレーキング現象の発生する所定旋回半径以下の場合には、該車両の旋回半径が前記所定旋回半径よりも大きい場合に比べて前記差動制限機構の差動制限力を小さくするタイトコーナ制御を実行する差動制限装置であって、前記制御装置は、車速が前記車両の発進状態に相当する所定車速範囲の上限値よりも小さい場合には、ステアリングホイールの操舵角がタイトコーナブレーキング現象の発生する所定操舵角以上である場合に前記タイトコーナ制御を実行し、車速が前記上限値よりも小さく且つ前記操舵角が前記所定操舵角以上であっても、前記各車輪速に基づいて前記車両のスリップ状態を検出した場合には、前記タイトコーナ制御を実行せず、前記駆動源の始動時には、前記操舵角を示す操舵角信号に関わらず、前記タイトコーナ制御を実行することを要旨とする。
上記構成によれば、例えば停止時にステアリングエンドまで据え切りして発進した場合に、タイトコーナブレーキング現象を抑制することができる。また、例えば凍結路等の低μ路において停止時にステアリングエンドまで据え切りしてから発進した場合に車両がスリップしても、トラクション性能の向上を図ることができる。さらに、始動直後である場合にタイトコーナ制御を実行するため、例えばステアリングホイールをステアリンクエンドまで操舵した状態で駆動源を始動させて発進する際等に、タイトコーナブレーキング現象を抑制できる。
本発明によれば、車速が車両の発進状態に相当する速度以下でステアリングを操舵した際においてもタイトコーナブレーキング現象の発生を抑制しつつ、低μ路でのトラクション性能の向上を図ることが可能な駆動力伝達装置、その制御方法及び差動制限装置を提供することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、車両1は、前輪駆動車をベースとする4輪駆動車である。車両1の前部(図1において左側)には駆動源としてのエンジン2が搭載されるとともに、そのエンジン2に組み付けられたトランスアクスル3には、一対のフロントアクスル4が連結されている。また、トランスアクスル3には、上記各フロントアクスル4とともにプロペラシャフト5が連結されている。プロペラシャフト5は、トルクカップリング6を介してピニオンシャフト(ドライブピニオンシャフト)7と連結可能となっている。そして、ピニオンシャフト7は、リヤディファレンシャル8を介して一対のリヤアクスル9と連結されている。従って、エンジン2のトルクは、トランスアクスル3からフロントアクスル4を介して前輪10fに伝達されるとともに、トランスアクスル3からプロペラシャフト5、トルクカップリング6、ピニオンシャフト7、リヤディファレンシャル8及び各リヤアクスル9を介して後輪10rに伝達されるようになっている。また、車両1は、ステアリングホイール11を操舵することで前輪10fの舵角が変更され、その進行方向が変更されるようになっている。
トルクカップリング6は、電磁コイルに供給される電流量に応じてその摩擦係合力が変化する電磁クラッチ12を備えており、該電磁クラッチ12の摩擦系合力に基づいて後輪10rに伝達可能なトルク容量、即ちトルク伝達容量を変更可能に構成されている。また、トルクカップリング6には、制御装置としてのECU13が接続されている。ECU13は、車両の走行状態に応じてトルクカップリング6(電磁クラッチ)に駆動電流を供給し、この電流供給を通じてトルクカップリング6の作動を制御することにより、トルク伝達容量を制御する。つまり、トルクカップリング6及びECU13により駆動力伝達装置14が構成されている。
詳述すると、ECU13には、アクセル開度センサ15及び車輪速センサ16a〜16dが接続されている。ECU13は、各車輪速センサ16a〜16dにより検出された各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlに基づいて車速V及び前輪10fと後輪10rとの間の車輪速差ΔWを算出する。そして、ECU13は、これら車速V,車輪速差ΔW及びアクセル開度信号Saに基づいてトルク伝達容量の制御目標値(目標トルク)を演算する。
具体的には、ECU13は、車速V及びアクセル開度信号Saをパラメータとする第1通常マップ、並びに車速V及び車輪速差ΔWをパラメータとする第2通常マップからなる通常マップセット17aを備えている。なお、第1通常マップは、車速Vが低くアクセル開度信号Saが大きい程、目標トルクが大となるように設定されるとともに、第2通常マップは、車速Vが低く車輪速差ΔWが大きい程、目標トルクが大となるように設定されている。ECU13は、検出される車速V及びアクセル開度信号Sa、並びに車輪速差ΔWをマップセット17aに照合することにより、その車速V及びアクセル開度信号Sa、並びに車輪速差ΔWに応じた目標トルクを決定する。そして、ECU13は、その決定されたトルク伝達容量に応じた摩擦係合力を発生させるべく電磁クラッチ12に対する電流供給を行い、これによりトルクカップリング6の作動、即ち主駆動輪である前輪10fと補助駆動輪である後輪10rとの間の駆動力配分を制御する。
次に、駆動力伝達装置14のタイトコーナ制御について説明する。
上記駆動力伝達装置14を備えた車両1では、トルク伝達容量が大きく設定された場合に車両1の旋回半径が小さいと、前後輪間の回転差を吸収できず前輪10f及び後輪10rにブレーキがかかったような所謂タイトコーナブレーキング現象が発生してしまう。この点を踏まえ、ECU13は、車両1の旋回半径がタイトコーナブレーキング現象の発生する所定旋回半径以下の場合には、その旋回半径が所定旋回半径よりも大きい場合に比べトルク伝達容量を小さくするタイトコーナ制御を実行する。
具体的には、ECU13は通常マップセット17aに加え、該通常マップセット17aに比べて小さな目標トルクとなるように設定されたタイトコーナマップセット17bを備えている。タイトコーナマップセット17bは、車速V及びアクセル開度信号Saをパラメータとする第1タイトコーナマップ、並びに車速V及び車輪速差ΔWをパラメータとする第2タイトコーナマップから構成されている。なお、第1通常マップ及び第2通常マップと同様に、第1タイトコーナマップは、車速Vが低くアクセル開度信号Saが大きい程、目標トルクが大になるとともに、第2タイトコーナマップは、車速Vが低く車輪速差ΔWが大きい程、目標トルクが大となる。そして、ECU13は、タイトコーナ制御の実行中には、このタイトコーナマップセット17bを用いて目標トルクを決定することで、後輪10r側に伝達されるトルクを少なくし、タイトコーナブレーキング現象の発生を抑制している。なお、通常マップセット17aを用いて目標トルクを決定する制御モードを通常制御という。
次に、ECUにおける制御モードの移行について説明する。
ECU13は、各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlに基づいて車両1の旋回半径を算出し、算出された旋回半径が所定旋回半径以下であるか否かを判定し、旋回半径が所定旋回半径以下である場合にタイトコーナ制御を実行するようになっている。
本実施形態では、ECU13には、ステアリングホイール11に設けられたステアリングセンサ18から操舵角θsが入力され、操舵角θsがタイトコーナブレーキング現象の発生する旋回半径となる所定操舵角θs1以上か否かを判定する。そして、ECU13は、車速Vが車両1の発進状態に相当する所定車速範囲の上限値V1よりも小さい場合には、操舵角θsのみに基づいてタイトコーナ制御を実行する。本実施形態では、ECU13は、各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlの全てが上限値V1よりも小さい場合に、車速Vが上限値V1よりも小さいと判定する。なお、上限値V1とは、減速時に各車輪速センサ16a〜16dが検出可能かつ演算誤差が少ない速度をいい、本実施形態では0.8km/hである。さらに、ECU13は、各車輪速センサ16a〜16dの出力信号に基づいて車両1がスリップ状態であるか否かを判定し、車両1のスリップ状態を検出した場合には、車速Vが上限値V1よりも小さく且つ操舵角θsが所定操舵角θs1以上である場合であってもタイトコーナ制御への移行を禁止するようになっている。
また、ECU13は、エンジン始動直後(イグニッション(以下「IG」という)オン直後)であるか否かを判定し、IGオン直後である場合には、タイトコーナ制御を実行するようになっている。
次に、ECU13における制御モードの移行処理の手順について図2のフローチャートに従って詳細に説明する。なお、個々の処理内容に対応するフローチャート中のステップを「S〜」で表す。先ず、ECU13は車両状態量として上記各センサからセンサ値を取り込むと(S101)、車両1のスリップ状態を判定し(S102)、制御モードの移行判定を行う(S103)。次に、ECU13は、S103の判定結果に基づき、タイトコーナ制御へ移行するタイトコーナフラグがセットされたか否かを判定する(S104)。そして、ECU13は、タイトコーナフラグがセットされている場合(S104:YES)には、タイトコーナ制御ヘ移行(S105)し、タイトコーナフラグがセットされていない場合(S104:NO)には、IGオン直後であるか否かを判定する(S106)。IGオン直後である場合(S106:YES)には、S105に移行してタイトコーナ制御へ移行し、IGオン直後でない場合(S106:NO)には、通常制御ヘ移行する(S107)。なお、上記S103では、先ず通常制御であるか否かを判定(S103a)し、通常制御である場合(S103a:YES)には、タイトコーナ制御へ移行するか否かの判定(S103b)を行い、通常制御でない場合(S103a:NO)には、タイトコーナ制御を解除するか否かの判定(S103c)を行うようになっている。
次に、車両1のスリップ状態の判定について説明する。
本実施形態では、ECU13は、右前車輪速Vfr及び左前車輪速Vflの少なくとも一方が第2の所定車輪速V2(本実施形態では、4km/h)以上、且つ右後車輪速Vrr及び左後車輪速Vrlの少なくとも一方が第3の所定車輪速V3(本実施形態では、2km/h)より小さい場合に車両1がスリップ状態であると判定する。また、ECU13は、右前車輪速Vfr及び左前車輪速Vflの少なくとも一方が第4の所定車輪速V4(本実施形態では、3km/h)以上、且つ右後車輪速Vrr及び左後車輪速Vrlが第5の所定車輪速V5(本実施形態では、2km/h)よりも小さい場合にも車両1がスリップ状態であると判定する。そして、ECU13は、車両1がスリップ状態である場合には、操舵角θsのみに基づいてタイトコーナ制御へ移行することを禁止する舵角判定禁止フラグ(以下、禁止フラグ)をセットし、操舵角θsのみに基づいてタイトコーナ制御への移行を禁止する。
また、ECU13は、禁止フラグがセットされた状態、即ち車両1がスリップ状態であると判定された状態では、各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlが第6の所定車輪速V6(本実施形態では、2km/h)以上となった状態が所定時間T1以上継続しているか否かの判定を行う。そして、ECU13は、各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlの全てが第6の所定車輪速V6以上となった状態が所定時間T1以上継続している場合には、禁止フラグを解除する。
次に、ECU13におけるスリップ状態判定処理の手順について図3のフローチャートに従って詳細に説明する。ECU13は、先ず禁止フラグがクリアされているか否かを判定(S201)する。禁止フラグがクリアされている場合(S201:YES)には、右前車輪速Vfrが第2の所定車輪速V2以上か否かを判定し(S202)、右前車輪速Vfrが第2の所定車輪速V2より小さい場合(S202:NO)には、左前車輪速Vflが第2の所定車輪速V2以上であるか否かを判定する(S203)。続いて、右前車輪速Vfrが第2の所定車輪速V2以上である場合(S202:YES)、又は左前車輪速Vflが第2の所定車輪速V2以上である場合(S203:YES)には、右後車輪速Vrrが第3の所定車輪速V3より小さいか否かを判定する(S204)。続いて、右後車輪速Vrrが第3の所定車輪速V3以上である場合(S204:NO)には、左後車輪速Vrlが第3の所定車輪速V3より小さいか否かを判定する(S205)。そして、ECU13は、右後車輪速Vrrが第3の所定車輪速V3より小さい場合(S204:YES)、又は左後車輪速Vrlが第3の所定車輪速V3より小さい場合(S205:YES)には、禁止フラグをセットする(S206)。
また、ECU13は、左前車輪速Vflが第2の所定車輪速V2より小さい場合(S203:NO)、又は左後車輪速Vrlが第3の所定車輪速V3以上の場合(S205:NO)には、右前車輪速Vfrが第4の所定車輪速V4以上であるか否かを判定する(S207)。続いて、右前車輪速Vfrが第4の所定車輪速V4より小さい場合(S207:NO)には、左前車輪速Vflが第4の所定車輪速V4以上であるか否かを判定する(S208)。続いて、右前車輪速Vfrが第4の所定車輪速V4以上の場合(S207:YES)、又は左前車輪速Vflが第4の所定車輪速V4以上の場合(S208:YES)には、右後車輪速Vrrが第5の所定車輪速V5より小さいか否かを判定する(S209)。そして、ECU13は、右後車輪速Vrrが第5の所定車輪速V5より小さい場合(S209:YES)には、左後車輪速Vrlが第5の所定車輪速V5より小さいか否かを判定し(S210)、左後車輪速Vrlが第5の所定車輪速V5より小さい場合(S210:YES)には、S206に移行して禁止フラグをセットする。一方、ECU13は、左前車輪速Vflが第4の所定車輪速V4より小さい場合(S208:NO)、右後車輪速Vrrが第5の所定車輪速V5以上の場合(S209:NO)、及び左後車輪速Vrlが第5の所定車輪速V5以上の場合(S210:NO)には、禁止フラグをセットすることなくスリップ判定処理を終了する。
一方、ECU13は、禁止フラグがセットされている場合(S201:NO)には、各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlが第6の所定車輪速V6以上となった状態が所定時間T1以上継続しているか否かを判定する(S211)。なお、本実施形態では、ECU13は、禁止フラグがセットされている場合には、各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlが第6の所定車輪速V6以上になってからの時間を計測しており、この計測された時間をもとにしてS211の判定を行う。そして、ECU13は、各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlが第6の所定車輪速V6以上である状態が所定時間T1以上継続した場合(S211:YES)には、禁止フラグをクリアする(S212)。一方、ECU13は、各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlの全てが第6の所定車輪速V6以上である状態が所定時間T1以上継続しない場合(S211:NO)には、禁止フラグをクリアせずにスリップ判定処理を終了する。
次に、タイトコーナ制御への移行判定について説明する。
ECU13は、各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlの少なくとも1つが上限値V1よりも大きい場合に、車両1が所定旋回半径以下の旋回状態であるか否かを判定し、所定旋回半径以下の旋回状態である場合にタイトコーナ制御へ移行する移行フラグをセットする。
一方、ECU13は、各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlの全てが上限値V1よりも小さく、且つ車両1がスリップ状態でない場合には、操舵角θsのみに基づいてタイトコーナ制御への移行判定を行い、操舵角θsが所定操舵角θs1以上である場合に移行フラグをセットする。また、車両1がスリップ状態である場合には、ECU13は、車速Vが上限値V1よりも小さく且つ操舵角θsが所定操舵角θs1以上である場合であってもタイトコーナフラグをセットしない。
次に、ECU13におけるタイトコーナ制御への移行判定処理の手順について図4のフローチャートに従って詳細に説明する。ECU13は、先ず各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlの全てが上限値V1よりも小さいか否かを判定する(S301)。ECU13は、各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlの少なくとも1つが上限値V1以上の場合(S301:NO)には、車両1が左旋回であるか否かを判定する。具体的には、右前車輪速Vfrが左前車輪速Vflよりも大きいか否かを判定(S302)し、右前車輪速Vfrが左前車輪速Vflよりも大きい場合(S302:YES)には、右後車輪速Vrrが左後車輪速Vrlよりも大きいか否かを判定(S303)する。そして、ECU13は、右後車輪速Vrrが左後車輪速Vrlよりも大きい場合(S303:YES)、即ち車両1が左旋回である場合には、車両1がタイトコーナ制御の必要な旋回半径で左旋回中であるか否かの判定を行う(S304)。続いて、ECU13は、タイトコーナ制御の必要な旋回半径での左旋回が所定時間T2継続しているか否かを判定し(S305)、継続した場合(S305:YES)には、移行フラグをセットする(S306)。一方、ECU13は、所定時間T2継続していない場合(S305:NO)には、移行フラグをセットせずに移行判定の処理を終了する。なお、本実施形態では、ECU13は、タイトコーナ制御の必要な旋回半径での左旋回が継続する時間を計測しており、この計測された時間をもとにしてS305の判定を行う。
また、ECU13は、右前車輪速Vfrが左前車輪速Vfl以下の場合(S302:NO)、及び右後車輪速Vrrが左後車輪速Vrl以下の場合(S303:NO)には、車両1が右旋回であるか否かを判定する。具体的には、左前車輪速Vflが右前車輪速Vfrよりも大きいか否かを判定(S307)し、左前車輪速Vflが右前車輪速Vfrよりも大きい場合(S307:YES)には、左後車輪速Vrlが右後車輪速Vrrよりも大きいか否かを判定(S308)する。そして、ECU13は、左後車輪速Vrlが右後車輪速Vrrよりも大きい場合(S308:YES)、即ち車両1が右旋回である場合には、車両1がタイトコーナ制御の必要な旋回半径で右旋回中であるか否かの判定を行う(S309)。続いて、ECU13は、タイトコーナ制御の必要な旋回半径での右旋回が所定時間T2継続しているか否かを判定し(S310)、継続した場合(S310:YES)には、移行フラグをセットする(S311)。一方、ECU13は、所定時間T2継続してない場合(S310:NO)には、移行フラグをセットせずに移行判定の処理を終了する。なお、本実施形態では、ECU13は、左旋回の場合と同様に、タイトコーナ制御の必要な旋回半径での右旋回が継続する時間を計測しており、この計測された時間をもとにしてS310の判定を行う。また、ECU13は、左前車輪速Vflが右前車輪速Vfr以下の場合(S307:NO)、及び左後車輪速Vrlが右後車輪速Vrr以下の場合(S308:NO)には、車両1が直進状態であると推定されるため、移行フラグをセットせずに移行判定の処理を終了する。
一方、各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlの全てが上限値V1よりも小さい場合(S301:YES)には、禁止フラグがクリアされているか否かを判定する(S312)。続いて、ECU13は、禁止フラグがクリアされている場合(S312:YES)には、ステアリングセンサ18から出力される操舵角信号が正常であるか否かを判定し(S313)、正常である場合(S313:YES)には、操舵角θsの絶対値が第1の所定操舵角θs1以上である否かを判定する(S314)。そして、ECU13は、操舵角θsが第1の所定操舵角θs1以上の場合(S314:YES)には、移行フラグをセットして(S315)、移行判定の処理を終了する。一方、ECU13は、禁止フラグがセットされている場合(S312:NO)、操舵角信号が異常である場合(S313:NO)及び操舵角θsが第1の所定操舵角θs1より小さいの場合(S314:NO)には、移行フラグをセットせずに移行判定の処理を終了する。
次に、車両1がタイトコーナ制御の必要な旋回半径で左旋回中であるか否かの判定について説明する。
本実施形態では、ECU13は、前輪左側の旋回半径及び後輪左側の旋回半径がタイトコーナ制御の必要な旋回半径以下であるか否かを判定し、各旋回半径がタイトコーナ制御の必要な旋回半径以下である場合に車両1がタイトコーナ制御の必要な旋回中であると判定する。なお、判定に用いる車両の旋回半径は、演算の簡略化のため、前輪左側の旋回半径を等価的フロントトレッドで割った値及び後輪左側の旋回半径をリヤトレッドで割った値によって判定する。また、具体的な旋回半径の算出は、周知の算出方法であるため詳細な説明は省略するが、その算出方法の原理についての詳細は、例えば特許3551038号公報(段落[0047]〜[0051])の記述を参照されたい。
本実施形態では、ECU13は、旋回半径による判定に加え、操舵角θsが第2の所定操舵角θs2以上であるか否かを判定し、操舵角θsが第2の所定操舵角θs2以上である場合に旋回中であると判定する。なお、本実施形態では、第2の所定操舵角θs2は第1の所定操舵角θs1と同じ値である。また、ECU13は、車両1がスリップしているか否かを判定し、スリップ状態である場合には、タイトコーナ制御の必要な旋回中であると判定しない。さらに、ECU13は、車両1が第7の所定車輪速V7より小さい車速で走行しているか否かを判定し、第7の所定車輪速V7以上の場合には、車両1がタイトコーナ制御の必要な旋回中であると判定しない。なお、第7の所定車輪速V7とは、小さな旋回半径で旋回中に後輪10rへ伝達するトルクを小さくすると、車両1がスリップする車速をいう。
次に、車両1がタイトコーナ制御の必要な旋回半径で左旋回中であるか否かの判定処理の手順について図5のフローチャートに従って詳細に説明する。
ECU13は、先ず前輪左側の旋回半径Rflが最低旋回半径Rfmin以上、且つ所定旋回半径Rfth以下であるか否かを判定する(S401)。続いて、旋回半径Rflが最低旋回半径Rfmin以上、且つ所定旋回半径Rfth以下である場合(S401:YES)には、後輪左側の旋回半径Rrlが最低旋回半径Rrmin以上、且つ所定旋回半径Rrth以下であるか否かを判定する(S402)。ECU13は、旋回半径Rrlが最低旋回半径Rrmin以上、且つ所定旋回半径Rrth以下である場合(S402:YES)には、操舵角信号が正常であるか否かを判定し(S403)、正常である場合(S403:YES)には、操舵角θs(左方向を正とする)が第2の所定操舵角θs2以上であるか否かを判定する(S404)。ECU13は、操舵角θsが第2の所定操舵角θs2以上である場合(S404:YES)、及び操舵角信号が異常である場合(S403:NO)には、車両1がスリップしているか否か判定する。
具体的には、旋回半径Rflと旋回半径Rrlとの差の絶対値が閾値α以下である否かを判定する(S405)。続いて、ECU13は、旋回半径差が閾値α以下である場合(S405:YES)には、右後車輪速Vrrと右前車輪速Vfrとの差が閾値βより小さい否かを判定し(S:406)、この車輪速差が閾値βより小さい場合(S406:YES)には、左後車輪速Vrlと左前車輪速Vflとの差が閾値βより小さい否かを判定する(S407)。なお、ECU13は、旋回半径Rflと旋回半径Rrlとの差の絶対値が閾値αより大きい場合に、車両1がスリップしていると判定する。また、右後車輪速Vrrと右前車輪速Vfrとの差が閾値β以上の場合、及び左後車輪速Vrlと左前車輪速Vflとの差が閾値β以上の場合に車両1がスリップしていると判定する。
続いて、ECU13は、左後車輪速Vrlと左前車輪速Vflとの差が閾値βより小さい場合(S407:YES)には、車両1が第7の所定車輪速V7より小さい車速で走行しているか否かを判定する。具体的には、右後車輪速Vrrが第7の所定車輪速V7より小さいか否かを判定し(S408)、右後車輪速Vrrが第7の所定車輪速V7より小さい場合(S408:YES)には、左後車輪速Vrlが第7の所定車輪速V7より小さいか否かを判定する(S409)。そして、ECU13は、左後車輪速Vrlが第7の所定車輪速V7より小さい場合(S409:YES)には、車両1がタイトコーナ制御の必要な左旋回中であると判定する(S410)。
一方、ECU13は、上記S401,S402,S404〜S409の判定条件を満たさない場合(S402〜S409:NO)には、車両1がタイトコーナ制御の必要な左旋回中でないと判定する(S411)。
なお、右旋回中の判定については、S401,S402,S405において、前輪左側の旋回半径Rfl及び後輪左側の旋回半径Rrlに代えて前輪右側の旋回半径Rfr及び後輪右側の旋回半径Rrrを用い、S404において操舵角θs(右方向を正とする)が第3の所定操舵角θs3以上であるか否かを判定することのみ異なる。また、本実施形態では、第3の所定操舵角θs3は第1の所定操舵角θs1と同じ値である。そのため、ここでは詳細な説明を省略する。
次に、タイトコーナ制御の解除判定について説明する。
ECU13は、車両1が所定旋回半径以下の旋回半径で旋回中でなく、各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlが第1の車輪速V1以上の場合には、移行フラグをクリアする。ここで、一般にステアリングセンサ18は、加速時と減速時とで検出可能かつ演算誤差が少ない車輪速が異なる。そのため、本実施形態では、加速時には各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlが加速上限値V1a(加速時に検出可能かつ演算誤差が少ない速度)以上であり、減速時には各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlが減速上限値V1b(減速時に検出可能かつ演算誤差が少ない速度)以上である場合に、移行フラグをクリアする。また、ECU13は、操舵角θsが第4の所定操舵角θs4よりも小さい場合及び車両1がスリップ状態である場合には、移行フラグをクリアする。なお、本実施形態では、第4の所定操舵角θs4は第1の所定操舵角θs1と同じ値である。また、加速上限値V1aは上限値V1よりも小さく、減速上限値V1bは上限値V1と同じである。
次に、ECU13におけるタイトコーナ制御の解除判定処理の手順について図6のフローチャートに従って詳細に説明する。
ECU13は、先ず車両1が所定旋回半径以下の旋回半径で旋回中でないか否かを判定する(S501)。ECU13は、S501では、上記S103bと同様の判定を行い、車両1が所定旋回半径以下の旋回半径で旋回中でない場合(S501:YES)、即ちS103bで移行フラグがセットされない場合には、アクセル開度信号Saが所定アクセル開度信号Sath以上であるか否かを判定する(S502)。アクセル開度信号Saが所定アクセル開度信号Sath以上である場合(S502:YES)、即ち車両1の加速時には、各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlが加速上限値V1a以上であるか否かを判定する(S503)。そして、ECU13は、各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlが加速上限値V1a以上である場合(S503:YES)には、移行フラグをクリアする(S504)。一方、アクセル開度信号Saが所定アクセル開度信号Sathよりも小さい場合(S502:NO)、即ち車両1の減速時には、各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlが減速上限値V1b以上であるか否かを判定する(S505)。そして、ECU13は、各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlが減速上限値V1b以上である場合(S505:YES)には、移行フラグをクリアする(S504)。
一方、ECU13は、車両1が所定旋回半径以下の旋回半径で旋回中であると判定される場合(S501:NO)、各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlが加速上限値V1aより小さい場合(S503:NO)及び各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlが減速上限値V1bより小さい場合(S505:NO)場合には、ステアリングセンサ18から出力される操舵角信号が正常であるか否かを判定する(S506)。操舵角信号が正常である場合(S506:YES)には、操舵角θsの絶対値が第4の所定操舵角θs4よりも小さいか否かを判定する(S507)。そして、ECU13は、操舵角θsが第4の所定操舵角θs4よりも小さい場合(S507:YES)には、移行フラグをクリアして(S504)、解除判定の処理を終了する。これに対し、ECU13は、操舵角信号が異常である場合(S506:NO)及び操舵角θsの絶対値が第4の所定操舵角θs4以上の場合(S507:NO)には、車両1がスリップ状態であるか否かを判定する(S508)。なお、ECU13は、S508では、上記S102と同様の判定を行い、車両1がスリップ状態である場合(S508:YES)、即ちS102で禁止フラグがセットされる場合には、S504に移行して移行フラグをクリアする。一方、ECU13は、車両1がスリップ状態でない場合(S508:NO)、即ちS102で禁止フラグがセットされない場合には、移行して移行フラグをクリアせず、タイトコーナ制御の解除判定処理を終了する。
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)ECU13は、各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlに基づいて車両1の旋回半径を算出し、算出された車両1の旋回半径がタイトコーナブレーキング現象の発生する所定旋回半径以下の場合には、タイトコーナ制御を実行する。そして、ECU13は、車速Vが車両1の発進状態に相当する所定車速範囲の上限値V1よりも小さい場合には、ステアリングホイール11の操舵角θsがタイトコーナブレーキング現象の発生する所定操舵角θs1以上である場合にタイトコーナ制御を実行する。さらに、ECU13は、各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlに基づいて車両1のスリップ状態を検出した場合には、車速Vが上限値V1よりも小さく且つ操舵角θsが所定操舵角θs1以上である場合であっても、タイトコーナ制御を実行しない。そのため、例えば停止時にステアリングエンドまで据え切りして発進した場合などに、速やかにタイトコーナブレーキング現象を抑制することができる。また、ECU13は、車両1のスリップ状態を検出した場合には、車両1の発進状態において操舵角θsが所定操舵角θs1以上である場合であってもタイトコーナ制御を実行しないため、例えば凍結路等の低μ路において停止時にステアリングエンドまで据え切りしてから発進した場合等に車両1がスリップしても、後輪10rに十分なトルクが伝達され、トラクション性能の向上を図ることができる。
(2)一般に、ステアリングセンサ18はステアリングホイール11の操舵角が±180°の一回転分は絶対角を検出できるが、この角度範囲以上にステアリングホイール11が操舵された状態で始動された場合には、操舵角信号が誤って出力される可能性がある。つまり、この角度範囲以上にステアリングホイール11が操舵された状態で車両1のイグニッションスイッチがオフに(エンジン2が停止)され、若しくは車両1のイグニッションスイッチがオフにされた後にこの角度範囲以上にステアリングホイール11が操舵され、その後再度始動した場合には、操舵角信号が誤って出力される可能性がある。この点、本実施形態によれば、ECU13は、エンジン2の始動時には、タイトコーナ制御を実行するため、例えばステアリングホイール11をステアリンクエンドまで操舵した状態でエンジンを始動させて発進する際等に、タイトコーナブレーキング現象を抑制できる。
(3)ECU13は、各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlが上限値V1(加速上限値V1a又は減速上限値V1b)よりも小さい場合には、各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlに基づく旋回半径によりタイトコーナ制御の解除を禁止するようにした。車両1の発進状態で各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlに基づいて旋回半径を算出すると、発進状態では車輪速差が生じ難いため、車両1が発進すると旋回状態である場合であっても直進状態であると誤判定される虞がある。この点、本実施形態によれば、車両1の旋回半径が所定の旋回半径以下である場合に、直進状態であると誤判定してタイトコーナ制御を解除することを防止するため、確実にタイトコーナブレーキング現象を抑制できる。
(4)ECU13は、タイトコーナ制御の解除判定において、車両1が所定旋回半径以下の旋回半径で旋回中でなく、加速時には各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlが加速上限値V1a以上であり、減速時には各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlが減速上限値V1b以上である場合に、移行フラグをクリアするようにした。一般に、ステアリングセンサ18は、加速時と減速時とで検出可能かつ演算誤差が少ない車輪速が異なるため、車両1の加速度に基づいて各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlの閾値を変更することで、タイトコーナ制御の解除判定をより正確に行うことができる。
(5)ECU13は、車両1の旋回状態判定において、旋回半径による判定に加え、操舵角θsが第2の所定操舵角θs2以下であるか否かを判定し、操舵角θsが第2の所定操舵角θs2以下である場合に旋回中であると判定するようにした。これにより、旋回半径のみで旋回状態を判定する場合に比べ、正確な判定を行うことができる。
(6)ECU13は、車両1の旋回状態の判定において、車両1がスリップしているか否かを判定し、スリップ状態である場合には、タイトコーナ制御の必要な旋回中であると判定しないようにした。これにより、車両1がスリップしている状態でタイトコーナ制御を実行し、トラクション性能が低下することを防止できる。
(7)ECU13は、車両1の旋回状態判定において、車両1が第7の所定車輪速V7以上で走行しているか否かを判定し、第7の所定車輪速V7以上の場合には、車両1がタイトコーナ制御の必要な旋回中であると判定しないようにした。これにより、車両1が第7の所定車輪速V7以上で走行中に、タイトコーナ制御を実行し、車両1の挙動が乱れることを防止できる。
(第2実施形態)
以下、本発明を具体化した第2実施形態を図面に従って説明する。
なお、説明の便宜上、同一の構成については上記第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
図7に示すように、エンジン2には、トランスミッション21が組み付けられるとともに、トランスミッション21には、入力軸22を介してトランスファ23が連結されている。トランスファ23には、第1の駆動軸としての第1プロペラシャフト24及び第2の駆動軸としての第2プロペラシャフト25が連結されている。そして、第1プロペラシャフト24は、フロントディファレンシャル26を介して一対のフロントアクスル4に連結されている。また、第2プロペラシャフト25は、リヤディファレンシャル8を介して一対のリヤアクスル9と連結されている。従って、エンジン2のトルクは、先ずトランスミッション21から入力軸22を介してトランスファ23に伝達される。そして、トランスファ23から第1プロペラシャフト24、フロントディファレンシャル26及びフロントアクスル4を介して前輪10fに伝達されるとともに、第2プロペラシャフト25、リヤディファレンシャル8及び各リヤアクスル9を介して後輪10rに伝達されるようになっている。
トランスファ23は、第1プロペラシャフト24と第2プロペラシャフト25との差動を許容するとともに、入力軸22を介して伝達されるトルクを該差動に応じて第1及び第2プロペラシャフト24,25に配分するトルク配分装置としてのセンターディファレンシャル27を備えている。また、センターディファレンシャル27には、電磁コイルに供給される電流量に応じてその摩擦係合力が変化する電磁クラッチにより構成された差動制限機構28が設けられており、該差動制限機構28の差動制限力に基づいて第1プロペラシャフト24と第2プロペラシャフト25との差動を制限するように構成されている。また、トランスファ23には、制御装置としてのECU29が接続されている。ECU29は、車両1の走行状態に応じてトランスファ23(電磁クラッチ)に駆動電流を供給し、この電流供給を通じて差動制限機構28の作動を制御することにより、その差動制限力を制御する。つまり、センターディファレンシャル27、差動制限機構28及びECU29により差動制限装置30が構成されている。
ECU29には、アクセル開度センサ15及び車輪速センサ16a〜16dが接続されており、各車輪速センサ16a〜16dにより検出された各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlに基づいて車速V及び前輪10fと後輪10rとの間の車輪速差ΔWを算出する。そして、本実施形態では、ECU29は、車速V及びアクセル開度信号Saに基づいて差動制限力の制御目標値を演算する。具体的には、ECU29は、車速V及びアクセル開度信号Saをパラメータとする通常マップ31aを備えており、算出される車速V及びアクセル開度信号Saを通常マップ31aに照合することで目標差動制限力を演算する。なお、通常マップ31aは、車速Vが低くアクセル開度信号Saが大きい程、目標差動制限力が大きく設定されるようになっている。
ところで、上記差動制限装置30を備えた車両1では、差動制限力が強い場合に車両1の旋回半径が小さいと、前後輪間の回転差を吸収できず前輪10f及び後輪10rにブレーキがかかったような所謂タイトコーナブレーキング現象が発生してしまう。この点を踏まえ、ECU29は、車両1の旋回半径がタイトコーナブレーキング現象の発生する所定旋回半径以下の場合には、その旋回半径が所定旋回半径よりも大きい場合に比べ差動制限力を小さくするタイトコーナ制御を実行する。具体的には、ECU29は、通常マップ31aに加え、該通常マップ31aに比べて小さな差動制限力となるように設定されたタイトコーナマップ31bを備えている。なお、通常マップと同様に、タイトコーナマップ31bは、車速Vが低くアクセル開度信号Saが大きい程、目標差動制限力が大きく設定されるようになっている。そして、ECU29は、タイトコーナ制御の実行中には、このタイトコーナマップ31bを用いて目標差動制限力を決定することで、差動制限力を小さくし、タイトコーナブレーキング現象の発生を抑制している。なお、通常マップセット17aを用いて目標差動制限力を決定する制御モードを通常制御という。
そして、ECU29には、ステアリングホイール11に設けられたステアリングセンサ18から操舵角θsが入力されるようになっており、ECU29は、上記第1実施形態と同様に、その制御モードの移行を行う。
以上記述したように、本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。
なお、上記各実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・上記各実施形態では、ECU13は、各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlの少なくとも1つが上限値V1よりも大きい場合(S301)に、車両1の旋回半径が所定旋回半径以下であるか否かを判定した。しかしながら、これに限らず、各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlの全てが上限値V1よりも大きい場合に旋回半径による移行判定を行ってもよい。また、各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlの全てが第1の所定車輪速より小さい場合にも旋回半径による移行判定を行ってもよい。
・上記各実施形態では、ECU13は、各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlの全てが上限値V1よりも小さい場合に、車速Vが上限値V1よりも小さいと判定したが、これに限らない。例えば各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlの平均値が上限値V1よりも小さい場合に、車速Vが上限値V1よりも小さいと判定し、この場合に操舵角θsのみに基づいてタイトコーナ制御を実行するようにしてもよい。
・上記各実施形態では、アクセル開度信号Saに基づいて車両1が加速状態であるか減速状態であるかを簡易的に判断したが、これに限らず、ブレーキ信号に基づいて車両1の加減速を判定してもよい。また、車両1に加速度センサを設け、直接車両1の加速度を検出するようにしてもよい。
・上記各実施形態では、ECU13は、タイトコーナ制御の必要な旋回半径で旋回中であるか否かの判定において、旋回半径による判定に加え、操舵角θsが第2の所定操舵角θs2以下であるか否かの判定と、車両1がスリップしているか否かの判定と、車両1が第7の所定車輪速V7以上で走行しているか否かの判定を行った。しかしながら、これに限らず、これら全ての判定を行わずに、少なくとも旋回半径による判定を行えばよい。
・上記各実施形態では、ECU13は、右前車輪速Vfr及び左前車輪速Vflの少なくとも一方が第2の所定車輪速V2以上、且つ右後車輪速Vrr及び左後車輪速Vrlの少なくとも一方が第3の所定車輪速V3より小さい場合に車両1がスリップ状態であると判定するようにした。また、ECU13は、右前車輪速Vfr及び左前車輪速Vflの少なくとも一方が第4の所定車輪速V4以上、且つ右後車輪速Vrr及び左後車輪速Vrlが第5の所定車輪速V5よりも小さい場合に車両1がスリップ状態であると判定するようにした。しかしながら、これに限らず、各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlの車輪速差はその他の条件でもよい。また、車輪速に限らず、ヨーレート等その他の条件によってスリップを判定するようにしてもよい。
・上記各実施形態では、タイトコーナ制御への移行判定において、上限値V1を、減速時に車輪速センサ16a〜16dが検出可能且つ演算誤差の少ない車輪速としたが、これに限らず、加速時に車輪速センサ16a〜16dが検出可能且つ演算誤差の少ない車輪速としてもよい。また、タイトコーナ制御の解除判定のように、車両1の加速時と減速時とで第1の所定車輪速を異なる値にしてもよい。
・上記各実施形態では、タイトコーナ制御の解除判定において、車両1の加速時と減速時とで第1の所定車輪速を異なる値にしたが、これに限らず、加速時と減速時とで同じ値を用いてもよい。
・上記各実施形態では、第1〜第4の所定操舵角θs1〜θs4を同じ値にしたが、これに限らず、左旋回時と右旋回時とで異なるように第2の所定操舵角θs2と第3の所定操舵角θs3とを異なる値にしてもよい。また、ステアリングセンサ18にヒステリシス特性を持たせるために第4の所定操舵角θs4を第1の所定操舵角θs1と異なる値にしてもよい。
・上記各実施形態では、ECU13は、IGオン直後にタイトコーナ制御を実行するようにしたが、これに限らず、IGオン直後にタイトコーナ制御を実行しなくともよい。
・上記第1実施形態では、車速V,車輪速差ΔW及びアクセル開度信号Saに基づいて目標トルクを演算し、上記第2実施形態では、車速V及びアクセル開度信号Saに基づいて目標差動制限力を演算したが、これに限らず、その他のパラメータを用いて目標トルク又は目標差動制限力を演算してもよい。
・上記第1実施形態では、本発明を、前輪10fを主駆動輪とする車両1の駆動力伝達装置14に具体化したが、後輪10rを主駆動輪とする車両の駆動力伝達装置に具体化してもよい。
駆動力伝達装置を備えた車両の概略構成図。 制御モードの移行処理の手順を示すフローチャート。 スリップ判定処理の手順を示すフローチャート。 タイトコーナ制御への移行判定処理の手順を示すフローチャート。 車両の旋回状態判定処理の手順を示すフローチャート。 タイトコーナ制御の解除判定処理の手順を示すフローチャート。 差動制限装置を備えた車両の概略構成図。
符号の説明
1…車両、2…エンジン、6…トルクカップリング、10f…前輪、10r…後輪、11…ステアリングホイール、13,29…ECU、14…駆動力伝達装置、16a〜16d…車輪速センサ、27…フロントディファレンシャル、28…差動制限機構、30…差動制限装置、Rfl,Rfr,Rrl,Rrr…旋回半径、V1…上限値、Vfr…右前車輪速、Vfl…左前車輪速、Vrr…右後車輪速、Vrl…右後車輪速、θs…操舵角、θs1…第1の所定操舵角。

Claims (3)

  1. 駆動源のトルクが常時伝達される主駆動輪と車両の状態に応じて必要時に前記駆動源のトルクが伝達される補助駆動輪とを備えた4輪駆動車における前記駆動源と前記補助駆動輪との間に設けられ、前記補助駆動輪へのトルク伝達容量を変更可能なトルクカップリングと、前記トルクカップリングの作動を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、各車輪速に基づいて車両の旋回半径を算出し、前記旋回半径がタイトコーナブレーキング現象の発生する所定旋回半径以下の場合には、該車両の旋回半径が前記所定旋回半径よりも大きい場合に比べて前記トルク伝達容量を小さくするタイトコーナ制御を実行する駆動力伝達装置であって、
    前記制御装置は、
    車速が前記車両の発進状態に相当する所定車速範囲の上限値よりも小さい場合には、ステアリングホイールの操舵角がタイトコーナブレーキング現象の発生する所定操舵角以上である場合に前記タイトコーナ制御を実行し、
    車速が前記上限値よりも小さく且つ前記操舵角が前記所定操舵角以上であっても、前記各車輪速に基づいて前記車両のスリップ状態を検出した場合には、前記タイトコーナ制御を実行せず、
    前記駆動源の始動時には、前記操舵角を示す操舵角信号に関わらず、前記タイトコーナ制御を実行することを特徴とする駆動力伝達装置。
  2. 駆動源のトルクが常時伝達される主駆動輪と車両の状態に応じて必要時に前記駆動源のトルクが伝達される補助駆動輪とを備えた4輪駆動車における前記駆動源と前記補助駆動輪との間に設けられ、前記補助駆動輪へのトルク伝達容量を変更可能なトルクカップリングと、前記トルクカップリングの作動を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、各車輪速に基づいて車両の旋回半径を算出し、前記旋回半径がタイトコーナブレーキング現象の発生する所定旋回半径以下の場合には、該車両の旋回半径が前記所定旋回半径よりも大きい場合に比べて前記トルク伝達容量を小さくするタイトコーナ制御を実行する駆動力伝達装置の制御方法であって、
    車速が前記車両の発進状態に相当する所定車速範囲の上限値よりも小さい場合には、ステアリングホイールの操舵角がタイトコーナブレーキング現象の発生する所定操舵角以上である場合に前記タイトコーナ制御を実行し、
    車速が前記上限値よりも小さく且つ前記操舵角が前記所定操舵角以上であっても、前記各車輪速に基づいて前記車両のスリップ状態を検出した場合には、前記タイトコーナ制御を実行せず、
    前記駆動源の始動時には、前記操舵角を示す操舵角信号に関わらず、前記タイトコーナ制御を実行することを特徴とする駆動力伝達装置の制御方法。
  3. 4輪駆動車の駆動源のトルクを前輪側に連結された第1の駆動軸と後輪側に連結された第2の駆動軸とに配分するトルク配分装置と、前記第1の駆動軸と前記第2の駆動軸との差動を制限可能な差動制限機構と、前記差動制限機構の作動を制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、各車輪速に基づいて車両の旋回半径を算出し、前記旋回半径がタイトコーナブレーキング現象の発生する所定旋回半径以下の場合には、該車両の旋回半径が前記所定旋回半径よりも大きい場合に比べて前記差動制限機構の差動制限力を小さくするタイトコーナ制御を実行する差動制限装置であって、
    前記制御装置は、
    車速が前記車両の発進状態に相当する所定車速範囲の上限値よりも小さい場合には、ステアリングホイールの操舵角がタイトコーナブレーキング現象の発生する所定操舵角以上である場合に前記タイトコーナ制御を実行し、
    車速が前記上限値よりも小さく且つ前記操舵角が前記所定操舵角以上であっても、前記各車輪速に基づいて前記車両のスリップ状態を検出した場合には、前記タイトコーナ制御を実行せず、
    前記駆動源の始動時には、前記操舵角を示す操舵角信号に関わらず、前記タイトコーナ制御を実行することを特徴とする差動制限装置。
JP2008091291A 2008-03-31 2008-03-31 駆動力伝達装置、駆動力伝達装置の制御方法及び差動制限装置 Active JP5067243B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008091291A JP5067243B2 (ja) 2008-03-31 2008-03-31 駆動力伝達装置、駆動力伝達装置の制御方法及び差動制限装置
US12/408,851 US8229640B2 (en) 2008-03-31 2009-03-23 Drive force transmission apparatus, control method of drive force transmission apparatus, and limited slip differential
EP09156178A EP2106953B1 (en) 2008-03-31 2009-03-25 Drive force transmission apparatus, control method of drive force transmission apparatus, and limited slip differential

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008091291A JP5067243B2 (ja) 2008-03-31 2008-03-31 駆動力伝達装置、駆動力伝達装置の制御方法及び差動制限装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009241766A JP2009241766A (ja) 2009-10-22
JP5067243B2 true JP5067243B2 (ja) 2012-11-07

Family

ID=40786875

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008091291A Active JP5067243B2 (ja) 2008-03-31 2008-03-31 駆動力伝達装置、駆動力伝達装置の制御方法及び差動制限装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US8229640B2 (ja)
EP (1) EP2106953B1 (ja)
JP (1) JP5067243B2 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5267043B2 (ja) * 2008-10-23 2013-08-21 株式会社ジェイテクト 駆動力配分装置及びトルクカップリングの制御方法
JP5109101B2 (ja) * 2009-09-17 2012-12-26 日立オートモティブシステムズ株式会社 車両制御装置
DE102009055035A1 (de) * 2009-12-21 2011-06-22 Robert Bosch GmbH, 70469 Verfahren zum Stabilisieren eines Fahrzeugs in einer Fahrsituation, in der das Fahrzeug gleichzeitig gebremst und gelenkt wird
FR2958587B1 (fr) * 2010-04-12 2012-04-27 Renault Sa Procede de gestion d'un dispositif de repartition du couple moteur entre des trains de roues avant et arriere d'un vehicule.
JP5146496B2 (ja) * 2010-07-09 2013-02-20 トヨタ自動車株式会社 四輪駆動車の制御装置
GB2492765A (en) * 2011-07-11 2013-01-16 Jaguar Cars Hybrid vehicle controller verifies that engine torque corresponds to demanded torque
JP5849770B2 (ja) * 2012-02-29 2016-02-03 株式会社ジェイテクト 四輪駆動車、及び四輪駆動車の制御装置
CN103770763B (zh) * 2012-10-25 2016-08-17 博世汽车部件(苏州)有限公司 减少分离路面状态误判的方法、转弯判断方法、控制器和相应车辆
DE102013113872B4 (de) * 2013-12-11 2018-04-05 Audi Ag Vorrichtungen und Verfahren zum Ausgleichen einer fahrtrichtungsabhängigen Längsgeschwindigkeitsbeeinflussung
JP6056889B2 (ja) * 2015-02-27 2017-01-11 マツダ株式会社 四輪駆動車の制御装置
JP6787060B2 (ja) * 2016-11-11 2020-11-18 株式会社ジェイテクト 駆動力制御装置及び車両の制御方法
JP6601743B2 (ja) * 2017-04-06 2019-11-06 株式会社Subaru 車両の前後輪差動制限装置の制御装置
US10989258B1 (en) 2019-10-25 2021-04-27 The Hilliard Corporation Flexible armature plate for an electro-magnetic overrunning clutch
DE102020131494A1 (de) * 2020-11-27 2022-06-02 Claas Selbstfahrende Erntemaschinen Gmbh Verfahren zum Betrieb einer selbstfahrenden Erntemaschine

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6064033A (ja) * 1983-09-19 1985-04-12 Fuji Heavy Ind Ltd 4輪駆動車の自動切換制御方法
JPS6274718A (ja) * 1985-09-30 1987-04-06 Aisin Warner Ltd 4輪駆動車の制御装置
JPH082278A (ja) 1994-06-17 1996-01-09 Nippondenso Co Ltd 4輪駆動車の駆動力制御装置
US5819194A (en) * 1994-09-21 1998-10-06 Nissan Motor Co., Ltd. System for controlling four-wheel drive for motor vehicle
JP3467973B2 (ja) * 1996-06-20 2003-11-17 日産自動車株式会社 駆動力配分制御装置
JP3656502B2 (ja) * 2000-02-28 2005-06-08 豊田工機株式会社 4輪駆動車のトルク配分装置
JP2003312289A (ja) * 2002-04-23 2003-11-06 Toyoda Mach Works Ltd 4輪駆動車
JP4367131B2 (ja) * 2002-04-26 2009-11-18 株式会社ジェイテクト 駆動力伝達装置
EP1375231B1 (en) * 2002-06-19 2008-10-22 Jtekt Corporation Drive power distribution control method and device for four-wheel drive vehicle
JP4223255B2 (ja) * 2002-09-24 2009-02-12 富士重工業株式会社 4輪駆動車のスリップ制御装置
JP4120335B2 (ja) * 2002-09-26 2008-07-16 日産自動車株式会社 4輪駆動車の駆動力配分制御装置
JP4476742B2 (ja) * 2004-08-19 2010-06-09 本田技研工業株式会社 4輪駆動車両の制御方法
JP4542964B2 (ja) * 2005-08-02 2010-09-15 株式会社ジェイテクト 駆動力配分装置
JP4551291B2 (ja) * 2005-08-02 2010-09-22 株式会社ジェイテクト 駆動力配分装置

Also Published As

Publication number Publication date
US20090248268A1 (en) 2009-10-01
US8229640B2 (en) 2012-07-24
EP2106953A1 (en) 2009-10-07
EP2106953B1 (en) 2011-07-06
JP2009241766A (ja) 2009-10-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5067243B2 (ja) 駆動力伝達装置、駆動力伝達装置の制御方法及び差動制限装置
US9061685B2 (en) Drive state control apparatus for vehicle
JP4955482B2 (ja) 四輪駆動車の駆動力配分制御装置
JP4082549B2 (ja) 四輪駆動車両の駆動力制御装置
US7395142B2 (en) Counter steer detecting method
JP2013032059A (ja) 路面摩擦係数推定装置、駆動力配分制御装置、及び四輪駆動車
JPH0732905A (ja) 差動制限トルク制御装置
JP5684314B2 (ja) 四輪駆動車両の走行制御装置
KR20190143646A (ko) 차량용 조향 제어방법
US8938345B2 (en) Left-right wheel drive force distribution control apparatus for a vehicle
JP2013035516A (ja) 四輪駆動車両の駆動力制御装置
JP2008230465A (ja) 駆動力配分装置
JP2518444B2 (ja) 駆動力配分切換式4輪駆動自動車
JP2507608B2 (ja) 駆動力配分制御装置
JP2006111225A (ja) パワーステアリング装置
JP2018129890A (ja) 車両の出力制御装置
JP5130964B2 (ja) 車両の挙動制御装置
JP5206990B2 (ja) 車両の旋回挙動制御装置
JP2679302B2 (ja) 車両用差動制限制御装置
JP3551038B2 (ja) 4輪駆動車のトルク配分装置
JP5083526B2 (ja) 車両の駆動力制御装置
JP2007290634A (ja) 4輪駆動車の前後輪駆動力配分制御装置
JP3738749B2 (ja) 4輪駆動車のトルク分配制御装置
JP5024204B2 (ja) 車両のトラクション制御装置
JP2950070B2 (ja) 車両用差動制限制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110214

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110808

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120327

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120403

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120521

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120717

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120730

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150824

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5067243

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150