第1の発明は、調理物を加熱する加熱手段と、加熱開始の操作を行い動作中の状態を表示する操作表示部と、前記加熱手段や前記操作表示部を制御する制御部とを各々複数備え、複数の前記加熱手段と複数の前記制御部は各々同一の構成とし、複数の前記操作表示部のうち少なくとも1つは最大火力設定が異なり、複数の前記加熱手段を各々の前記操作表示部の最大火力設定で同時に加熱しても住居の系統電流容量を超えないように設定できる複数の前記操作表示部のうちから各々いずれか1つを選択して接続できるように構成した加熱調理器とするものである。これにより、加熱手段や制御部を変更することなく、操作表示部のみを変更することが容易にでき、複数の加熱手段間における操作表示仕様の配置を変更することが容易にでき、多岐に亘る市場ニーズにも細かく対応できる加熱調理器を安価にて実現できる。すなわち、単純な構成により生産性の高さを保ちつつ、ニーズに応じて操作表示部の変更が簡単にでき、複数の加熱手段の最大火力の合計が給電系統の容量を超えないように設定することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明において、前記操作表示部は、前記加熱手段および前記制御部の有する機能の一部の機能のみ操作または表示できる前記操作表示部を選択できる構成としたことにより、複数の加熱手段のうち一部を通常加熱専用や湯沸し専用などのように機能を単純化でき、使い勝手のよい加熱調理器を容易に実現できる。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明において、複数の前記加熱手段および前記制御部に各々独立した前記操作表示部を備えたことにより、一部の加熱手段の機能を変更するときには該当の加熱手段に対応する操作表示部のみを変更することで対応でき、複数
の加熱手段に対応する複数の操作表示部の組み合わせや配置を自由に設定でき、多岐に亘る市場ニーズに対してより細かく且つ安価に対応できる。
第4の発明は、特に、第3の発明において、前記制御部は接続する前記操作表示部の構成に応じて各々の前記加熱手段の火力や前記制御部の機能を変えることができる構成としたことにより、複数の加熱手段の配置に対する機能配分を自由に設定でき、設置環境や使用者の事情や好みに応じて複数の加熱手段における各々の機能を選択でき、複数の加熱手段の最大火力合計が給電系統の容量を超えないように設定することができ、使いやすく機能的で安全な加熱調理器を安価にて提供することができる。
第5の発明は、特に、第3または第4の発明において、前記制御部および前記加熱手段と接続した前記操作表示部は他の前記制御部および前記加熱手段と接続した前記操作表示部と相互に入れ替えができる構成としたことにより、使用者の事情や好みの変化、使用環境の変化に応じて各々の加熱手段毎に使用者が自由に操作表示部を変更でき、機能の追加や削除なども使用者によって変更することができる。
第6の発明は、特に、第1〜第5のいずれか1つの発明において、前記操作表示部は前記加熱開始の操作を受け付ける操作部と動作中の状態を表示する表示部とを有し、前記操作部は前記制御部に操作入力情報を伝達し、前記表示部は前記制御部からの指示により表示をする構成とし、前記操作部および前記表示部は電源投入時または随時前記制御部に前記操作部および前記表示部の固有識別信号または操作仕様および表示仕様を伝達し、前記制御部は前記操作部および前記表示部の仕様に基づいて前記操作部からの情報を受け取り、前記表示部へ表示指示をする構成としたことにより、操作表示部は単純な構成とすることができ、操作表示部を変更する場合でも安価にて別の操作表示部を提供することができ、制御部は操作表示部の操作仕様や表示仕様に応じて多彩な仕様や機能の中から必要な仕様や機能を簡単な構成で選択したり変更したりすることができる。
第7の発明は、特に、第1〜第6のいずれか1つの発明において、前記制御部は前記加熱手段または前記制御部が備えていない機能の操作仕様または表示仕様が接続した前記操作表示部にあるときは使用できない操作および表示については動作しない構成としたことにより、加熱手段および制御部の製品展開ができ、操作表示部の操作仕様や表示仕様が加熱手段および制御部の持つ機能や性能に合っていなくても接続して一部使用できる構成とでき、操作表示部のバリエーションを削減してコストの低下を図ることができる。
第8の発明は、特に、第7の発明において、使用者に音または表示でお知らせする報知手段を備え、前記制御部は使用できない操作が前記操作部より伝達されたときには前記報知手段にて無効な操作であることを使用者にお知らせするようにしたことにより、加熱手段および制御部に該当の機能がない場合に操作表示部から誤って操作しても使用できない機能であることがすぐに使用者に伝えることができ、操作表示部と加熱手段および制御部との機能差があっても操作に支障をきたさないようにすることができる。
第9の発明は、特に、第1〜第8のいずれか1つの発明において、前記制御部は前記操作表示部との接続が外れたときには外れた接続に対応した前記加熱手段の加熱を強制的に停止する構成としたことにより、複数の制御部と各々に対応した操作表示部との接続のうちの1つが外れたときには接続の外れた制御部に対応した加熱手段を強制的に加熱停止して安全を確保でき、それ以外の加熱手段については使用を継続でき、安全で使い勝手のよい加熱調理器を提供できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態)
図1〜図5は、本発明の実施の形態における加熱調理器を示すものである。
図1に示すように、本実施の形態における加熱調理器は、調理物を入れる第1の鍋1と、第1の鍋1を載置した耐熱ガラスなどで構成したトッププレート2と、第1の鍋1、すなわち鍋内の調理物をトッププレート2越しに加熱するランプヒータ、電磁誘導加熱コイルなどの第1の加熱手段3と、第1の加熱手段3を制御するマイコンなどで構成する第1の制御部4と、加熱開始などの使用者の操作情報を第1の制御部4に伝達し、第1の制御部4からの表示指示を受けて動作中の状態などを表示する第1の操作表示部5と、第1の制御部4からの報知指示を受けて報知する第1の報知手段8を有する。また、第1の操作表示部5は、第1の加熱手段3に対する使用者の操作を受け付ける第1の操作部6と、第1の加熱手段3の制御状態などを表示する第1の表示部7とを有する。
さらに同様に、調理物を入れる第2の鍋11と、第2の鍋11をトッププレート2越しに加熱するランプヒータ、電磁誘導加熱コイルなどの第2の加熱手段13と、第2の加熱手段13を制御するマイコンなどで構成する第2の制御部14と、加熱開始などの使用者の操作情報を第2の制御部14に伝達し、第2の制御部14からの表示指示を受けて表示する第2の操作表示部15と、第2の制御部14からの報知指示を受けて報知する第2の報知手段18を有する。また、第2の操作表示部15は、第2の加熱手段13に対する使用者の操作を受け付ける第2の操作部16と、第2の加熱手段13の制御状態などを表示する第2の表示部17とを有する。
そして、第1、第2の操作表示部5、15は、異なる複数の操作表示部のうちから各々いずれか1つを選択して接続できるように構成している。
以上のように構成された加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
まず、調理物を入れた第1の鍋1をトッププレート2の所定の位置に載置する。その後、第1の操作部6の操作により加熱開始の指示を第1の制御部4に出すと、第1の制御部4は第1の加熱手段3に加熱の指示を出し、第1の加熱手段3はトッププレート2越しに第1の鍋1を加熱しその内部の調理物を加熱調理する。一方で第1の制御部4は第1の表示部7に加熱を開始したことを使用者に知らしめるための表示指示を出し、第1の表示部7は加熱を開始したことを示す表示を行うというように動作する。
ここで、第1の操作部6と第1の表示部7は第1の表示操作部5の構成要素であり、第1の操作表示部5として、ここでは図2の仕様のものを接続している。
図2は、本実施の形態における第1、第2の操作表示部5、15の一例であり、加熱、揚物、湯沸しの各機能と、火力調整、加熱タイマー機能の操作ができるもので、液晶表示などによりピクト表示できるディスプレイ素子も備えている。図2の操作表示仕様のユニットを第1の操作表示部5として接続した場合における具体的な動作を次に説明する。
機器の電源を投入すると、第1の制御部4は第1の操作表示部5から操作表示仕様情報を受信し、操作表示仕様に従って第1の操作部6からの操作情報受信と第1の表示部7への表示情報の送信を行うように動作する。ここで、第1の操作表示部5から第1の制御部4が受信する操作表示仕様情報は、第1の操作部6の仕様と第1の表示部7の仕様について具体的にキーやランプの情報を伝える方法の他に、予めパターンを決めておいて、パターン情報のみを伝える方法でもよい。
第1の制御部4に操作表示仕様情報を伝えた第1の操作表示部5において、加熱キー21を押すと第1の制御部4から第1の加熱手段3へ加熱の指示を出し、第1の加熱手段3は第1の鍋1の加熱を開始する。同時に第1の制御部4は第1の操作表示部5の加熱ランプ22を点灯するよう指示を出し、加熱ランプ22は点灯する。
さらに、第1の制御部4はディスプレイ23に火力5レベルの表示を行うよう指示を出し、第1の操作表示部5はディスプレイ23に火力5レベルの表示を行う。
次に、第1の操作表示部5にて火力アップキー24を操作すると、第1の制御部4は火力を1段階上げる指示を第1の加熱手段3に出して図2の表示状態とし、火力ダウンキー25を操作すると第1の制御部4は火力を1段階下げる指示を第1の加熱手段3に出して火力4レベルの表示を行う。また、タイマープラスキー26またはタイマーマイナスキー27を操作すると第1の制御部4の加熱タイマー機能が作動し、タイマープラスキー27操作時はタイマー時間の増加、タイマーマイナスキー27操作時はタイマー時間の減少を行い、都度、ディスプレイ23にタイマー時間を表示する。その後、設定したタイマー時間が経過するか、または加熱動作中に切キー28を操作すると、第1の制御部4は第1の加熱手段3へ加熱停止の指示を出し、同時に第1の操作表示部5へ加熱ランプ22およびディスプレイ23の消灯の指示を出す。
次に、揚物キー29を操作すると、第1の制御部4から第1の加熱手段3へ加熱の指示を出し、第1の加熱手段3は第1の鍋1の加熱を開始する。同時に第1の制御部4は第1の操作表示部5の揚物ランプ30を点灯するよう指示を出し、揚物ランプ30は点灯する。
さらに、第1の制御部4はディスプレイ23に揚物設定温度の表示を行うよう指示を出し、第1の操作表示部5はディスプレイ23に揚物設定温度の初期温度である180℃を示す「180」の表示を行う。以後、第1の制御部4は第1の鍋1内の油温度を約180℃に保つように第1の加熱手段3を制御する。
次に、第1の操作表示部5にて火力アップキー24を操作すると第1の制御部4は揚物設定温度を10deg上げる指示を第1の加熱手段3に出し、同時に第1の操作表示部5のディスプレイ23に「190」を表示する指示を出し、第1の鍋1内の油温度を約190℃に保つように第1の加熱手段3を制御する。また、火力ダウンキー25を操作すると第1の制御部4は揚物設定温度を10deg下げる指示を第1の加熱手段3に出し、同時に第1の操作表示部5のディスプレイ23に「170」を表示する指示を出し、第1の鍋1内の油温度を約170℃に保つように第1の加熱手段3を制御する。
また、湯沸しキー31を操作すると、第1の制御部4から第1の加熱手段3へ加熱の指示を出し、第1の加熱手段3は第1の鍋1の加熱を開始する。同時に第1の制御部4は第1の操作表示部5の湯沸しランプ32を点灯するよう指示を出し、湯沸しランプ32は点灯する。以後、第1の制御部4は第1の鍋1内のお湯が沸騰するまで第1の加熱手段3に加熱指示を出し続け、第1の鍋1内のお湯が沸騰すると、第1の加熱手段3へ加熱停止の指示を出し、同時に湯沸しランプ32へ消灯の指示を出し湯沸しランプ32は消灯する。
以上、第1の操作表示部5にて第1の鍋1を加熱し制御する一例の流れを示したが、同様に第2の操作表示部15にて第2の鍋11を加熱し制御する場合においても第2の操作部16からの加熱開始指示により第2の制御部14が第2の加熱手段13に加熱の指示を出し、同時に第2の制御部14は第2の表示部17に加熱中を示す表示をする指示を出すというように同じ流れとなる。
ところで、第1の操作表示部5および第2の操作表示部15は、図2に示す操作表示仕様のものとは異なる仕様の操作表示ユニットと交換することができる。
図3は、本実施の形態における第1、第2の操作表示部5、15の二例であり、湯沸しの機能のみを備えている。図3の操作表示仕様のユニットを第2の操作表示部15として接続した場合における具体的な動作を次に説明する。
機器の電源を投入すると、第2の制御部14は第2の操作表示部15から操作表示仕様情報を受信し、操作表示仕様に従って第2の操作部16からの操作情報受信と第2の表示部17への表示情報の送信を行うように動作することにより、第2の制御部14は第2の操作制御部15の機能として湯沸しキー41と切キー43と湯沸しランプ42のみを有しているという情報を受け取る。
第2の操作表示部15において、湯沸しキー41を押すと第2の制御部14から第2の加熱手段13へ加熱の指示を出し、第2の加熱手段13は第2の鍋11の加熱を開始する。同時に第2の制御部14は第2の操作表示部15の湯沸しランプ42を点灯するよう指示を出し、湯沸しランプ42は点灯する。以後、第2の制御部14は第2の鍋11内のお湯が沸騰するまで第2の加熱手段13に加熱指示を出し続け、第2の鍋11内のお湯が沸騰すると第2の加熱手段13へ加熱停止の指示を出し、同時に湯沸しランプ42へ消灯の指示を出し湯沸しランプ42は消灯する。
以上、図3の操作表示部にて第2の鍋11を加熱し湯沸し制御する一例の流れを示したが、第1の制御部4に接続する第1の操作表示部5として図2の操作表示部を接続している場合、第1の加熱手段3および第1の制御部4が有する火力や機能の殆どを使用できる状態となっているものの、操作スイッチが多く表示もやや複雑で扱いにくい面もある。これに対して、第2の制御部14に接続する第2の操作表示部15として図3の操作表示部を接続している場合、第2の加熱手段13および第2の制御部14の有する火力や機能のうち使用できるのは湯沸しの機能のみになるが、必要機能のみに絞っているので、使用者の使用環境に適合するのであれば非常に使いやすい構成となる。例えば、第1の加熱手段3はオールマイティーにメインの調理に使用しつつ、第2の加熱手段13は時間の掛かる湯沸しに専念させたり、または、普段のちょっとした湯沸しには第2の加熱手段13をメインで使用するようにしたりすれば、機器の操作に慣れていない方や目の不自由な方などにも分かりやすく使いやすい加熱調理器となる。
また、使用者の家族構成や好みの変化、転居などによる環境の変化などにより、加熱調理器の機能への要求が変化することがある。例えば、上記の図3の例では第2の加熱手段13は湯沸し専用となるように第2の操作表示部15を選択していたが、環境の変化によりメインの調理をしながら長時間の煮物をすることが増えてきたり、住居が変わったことで電源系統が変わり、第1の加熱手段3と第2の加熱手段13を共に最大火力で使用するとブレーカが作動することがあるなどの問題が出てきたりした場合の対応例を説明する。
第1の操作表示部5および第2の操作表示部15はコネクタなどの使用により使用者やサービスマンが比較的簡単な作業にて着脱できるように構成してあり、一方、操作表示部5、15のユニットは1つの加熱手段毎のユニットとして使用者の使用環境や好みに応じて複数のパターンのものが準備されている。複数の加熱手段および制御部における操作表示部との接続構成は各々同一の構成としており、操作表示部は複数の制御部の各々に1つずつ接続するようにしており、単独でも相互にでも入れ替えが可能にしてある。
また、上記の例でも示してきたように、第1の操作表示部5は第1の操作部6の操作情報をそのまま第1の制御部4に渡し、第1の制御部4から受けた表示指示により第1の表示部7に表示するようにしているので、第1の操作表示部5は単純な構成にでき、構成部品も少なく安価にすることができるので、操作表示部5を取り替える場合にも追加の費用は少なくて済む。もちろん、第2の操作表示部15についても同様である。
次に、前出の例において、第2の加熱手段13および第2の制御部14に接続される第2の操作表示部15として設置されていた図3の操作表示部ユニットを取り外して、別途準備した図4の操作表示部のユニットを代わりに取り付ける場合を考える。
図4は、本実施の形態における第1、第2の操作表示部5、15の三例であり、加熱、煮物の各機能と、火力調整の操作ができるもので、液晶表示などによりピクト表示できるディスプレイ素子も備えている。図4の操作表示仕様のユニットを第2の操作表示部15として接続した場合における具体的な動作を次に説明する。
加熱キー51、加熱ランプ52、火力アップキー54、火力ダウンキー55、切キー58の各動作は、図2の操作表示仕様のユニットと同じであるため詳細な動作の説明は割愛する。但し、加熱キー51操作後に火力アップキー54を操作したときに、火力は5段階までしか設定がなく火力6レベルには移行しないようにしている。これにより、第1の加熱手段3と第2の加熱手段13において双方の最大火力設定で同時に加熱しても住居の系統電流容量を超えないように設定している。
煮物キー59を操作すると第2の制御部14から第2の加熱手段13へ加熱の指示を出し、第2の加熱手段13は第2の鍋11の加熱を開始する。同時に第2の制御部14は第2の操作表示部15の煮物ランプ60を点灯するよう指示を出し、煮物ランプ60は点灯する。以後、第2の制御部14は第2の鍋11内の煮物が煮崩れしない程度の火力にて第2の鍋11の温度を制御して煮物調理を行うことができる。
次に、加熱手段や操作部が有していない火力や機能を操作したり表示したりする機能を備えている操作表示部を接続した場合について説明する。前出の例において、煮物の機能は必要だが加熱タイマー機能も必要になった場合を想定している。第2の加熱手段13および第2の制御部14に接続される第2の操作表示部15として付け替えた図4の操作表示部ユニットを取り外して、改めて別途準備した図5の操作表示部のユニットを代わりに取り付ける。
図5は本実施の形態における第1、第2の操作表示部5、15の四例であり、加熱、煮物、炊飯の各機能と、火力調整、加熱タイマー機能の操作ができるもので、液晶表示などによりピクト表示できるディスプレイ素子も備えている。図5の操作表示仕様のユニットを第2の操作表示部15として接続した場合における具体的な動作を次に説明する。
加熱キー71、加熱ランプ72、火力アップキー74、火力ダウンキー75、タイマープラスキー76、タイマーマイナスキー77、切キー78の各動作は図2の操作表示仕様のユニットと同じであり、煮物キー79の動作は図4の操作表示仕様のユニットと同じであるため詳細な動作の説明は割愛する。但し、ディスプレイ73の火力表示は7段階まで設定がある。
機器の電源を投入すると、第2の制御部14は第2の操作表示部15から操作表示仕様情報を受信し、操作表示仕様に従って第2の操作部16からの操作情報受信と第2の表示部17への表示情報の送信を行うように動作するのは、第2の操作表示部15を図5のものに取り替える前と同じである。但し、図5の操作表示仕様にある炊飯キー81、炊飯ランプ82の制御については第2の制御部14は機能を有しておらず、また、ディスプレイ73の火力7レベル表示については第2の加熱手段13にて該当の火力設定を有していない。この場合、第2の操作表示部15における全ての動作を停止してしまうと、第2の加熱手段13と第2の制御部14に対して、図5の仕様における第2の操作表示部15は使えないだけのものになってしまう。しかし、操作表示部の仕様として煮物と加熱タイマーの機能を有しているものが火力7レベルの火力設定を有する加熱手段と炊飯機能を有する制御部とを対象にした図5の仕様のものしか用意されていなかったときにも図5の仕様の操作表示部を使えるようにしたいので、第2の加熱手段13と第2の制御部14と第2の操作表示部15の全てで使用可能な仕様のみ動作するように構成する。
図5の操作表示仕様とした第2の操作表示部15において、加熱キー71を操作すると第2の制御部14から第2の加熱手段13へ加熱の指示を出し、第2の加熱手段13は第2の鍋11の加熱を開始する。同時に第2の制御部14は第2の操作表示部15の加熱ランプ72を点灯するよう指示を出し、加熱ランプ72は点灯する。
さらに、第2の制御部14はディスプレイ73に火力5レベルの表示を行うよう指示を出し、第2の操作表示部15はディスプレイ73に火力5レベルの表示を行う。
次に、第2の操作表示部15にて火力アップキー74を操作すると第2の制御部14は火力を1段階上げる指示を第2の加熱手段13に出し、第2の加熱手段13は火力6レベルで第2の鍋11を加熱する。さらに火力アップキー74を操作すると第2の制御部14は火力を1段階上げようにも第2の加熱手段13がその火力設定を有していないため火力を上げることはできない。そこで、第2の制御部14は第2の操作表示部15におけるディスプレイ73内の火力7レベルの表示を行わないで、ブザーなどの音を発する装置やランプなどの光を発する装置やまたは第2の表示部17のディスプレイ73を利用して特殊な表示を行うなどの第2の報知手段18にて使用者の操作が無効であることをお知らせして、無効な操作前の動作を継続する。
また、炊飯キー81を操作した場合も第2の制御部14は炊飯機能を有していないので第2の報知手段18にて炊飯キー81の操作が無効であることをお知らせする。
しかしながら、火力7レベルの火力設定と炊飯キー81と炊飯ランプ82の点灯以外の動作については問題なく動作するため、図5の操作表示仕様における第2の操作表示部15は使用可能である。
このように、操作表示部を選択可能または着脱可能に構成した加熱調理器において、その接続部となる第1の制御部4と第1の操作表示部5との接続部、および第2の制御部14と第2の操作表示部15との接続部が第1の加熱手段3または第2の加熱手段13が加熱動作中に万一外れたときにはそのまま加熱を継続しては切キーも受け付けず危険を伴う。このため、第1の操作表示部5または第2の操作表示部15を接続するコネクタなどの接続部が外れたときには、外れた接続部に対応した第1の制御部4または第2の制御部14は対応した第1の加熱手段3または第2の加熱手段13に加熱停止の指示を出すようにしている。
この場合、例えば、第1の制御部4と第1の操作表示部5間の接続が外れた場合には、第2の制御部14は第2の加熱手段13に対して特に加熱停止の指示は出さないため、第2の加熱手段13は加熱を継続できる。
なお、操作表示部の接続部が外れたことを検出する方法としては、コネクタの接続検出回路を設けたり、回路的に接続部が断線すると制御部に加熱停止の信号が印加される構成としたりするなどの方法がある。
以上のように、本実施の形態においては、操作表示部は異なる複数の操作表示部のうちから各々いずれか1つを選択して接続できるようにすることにより、加熱手段や制御部を変更することなく、操作表示部のみを変更することが容易にでき、複数の加熱手段間において操作表示仕様の配置を変更することが容易にでき、多岐に亘る市場ニーズにも細かく対応できる加熱調理器を安価にて実現できる。
また、操作表示部は、加熱手段および制御部の有する機能の殆どを操作し表示できる操作表示部と、一部の機能のみ操作または表示できる操作表示部とを選択できる構成としたことにより、複数の加熱手段のうち一部を通常加熱専用や湯沸し専用などのように機能を単純化でき、使い勝手のよい加熱調理器を容易に実現できる。
また、複数の加熱手段および制御部に各々独立した操作表示部を備えたことにより、一部の加熱手段の機能を変更するときには、該当の加熱手段に対応する操作表示部のみを変更することで対応でき、複数の加熱手段に対応する複数の操作表示部の組み合わせや配置を自由に設定でき、多岐に亘る市場ニーズに対してより細かく且つ安価に対応できる。
また、制御部は接続する操作表示部の構成に応じて各々の加熱手段の火力や制御部の機能などを変えることができる構成としたことにより、複数の加熱手段の配置に対する機能配分を自由に設定でき、設置環境や使用者の事情や好みに応じて複数の加熱手段における各々の機能を選択でき、複数の加熱手段の最大火力の合計が給電系統の容量を超えないように設定することができ、使いやすく機能的で安全な加熱調理器を安価にて提供することができる。
また、制御部および加熱手段と接続した操作表示部は他の制御部および加熱手段と接続した操作表示部との交換が容易にできる構成としたことにより、使用者の事情や好みの変化、使用環境の変化に応じて各々の加熱手段毎に使用者が自由に操作表示部を変更でき、機能の追加や削除なども使用者によって変更することができる。
また、操作表示部は加熱開始などの操作を受け付ける操作部と動作中の状態などを表示する表示部とを有し、操作部は制御部に操作入力情報を伝達し、表示部は制御部からの指示により表示をする構成とし、操作部および表示部は電源投入時または随時制御部に操作部および表示部の固有識別信号または操作仕様および表示仕様を伝達し、制御部は操作部および表示部の仕様に基づいて操作部からの情報を受け取り、表示部へ表示指示をする構成とした。これにより、操作表示部は単純な構成とすることができ、操作表示部を変更する場合でも安価にて別の操作表示部を提供することができ、制御部は操作表示部の操作仕様や表示仕様に応じて多彩な仕様や機能の中から必要な仕様や機能を簡単な構成で選択したり変更したりすることができる。
また、制御部は加熱手段または制御部が備えていない機能の操作仕様または表示仕様が接続した操作表示部にあるときは使用できない操作および表示については動作しない構成としたことにより、加熱手段および制御部の製品展開ができ、操作表示部の操作仕様や表示仕様が加熱手段および制御部の持つ機能や性能に合っていなくても接続して一部使用できる構成とでき、操作表示部のバリエーションを削減してコストの低下を図ることができる。
また、使用者に音または表示などでお知らせする報知手段を備え、制御部は使用できない操作が操作部より伝達されたときには報知手段にて無効な操作であることを使用者にお知らせするようにしたことにより、加熱手段および制御部に該当の機能がない場合に操作表示部から誤って操作しても使用できない機能であることがすぐに使用者に伝えることができ、操作表示部と加熱手段および制御部との機能差があっても操作に支障をきたさないようにすることができる。
また、制御部は操作表示部との接続が外れたときには外れた接続に対応した加熱手段の加熱を強制的に停止する構成としたことにより、複数の制御部と各々に対応した操作表示部との接続のうちの1つが外れたときには接続の外れた制御部に対応した加熱手段を強制的に加熱停止して安全を確保でき、それ以外の加熱手段については使用を継続でき、安全で使い勝手のよい加熱調理器を提供できる。
なお、本実施の形態において、加熱手段3は電磁誘導加熱のようなトッププレート2越しに加熱できる構成としていたが、電熱ヒータやガス火などトッププレート2を使用しないで直接第1の鍋1または第2の鍋11を加熱するような熱源を用いた場合でも、複数の加熱手段を備えて同様の構成とすれば同等の効果が得られる。
また、本実施の形態の入力手段として各種のキーを用いているが、これは使用者の意図を制御部5に伝える用を成す入力手段であれば何でもよい。
また、複数の加熱手段および複数の制御部は各々同一の構成としているが、同一の構成とは、最低限、制御部と操作表示部間の接続の仕様を共通化して相互に接続して使用できる場合であり、詳細な機能や火力などまで必ずしも同一である必要性はない。例えば、第1の加熱手段3はAC200V入力であり、第2の加熱手段13はAC100V入力であっても操作表示部の接続仕様が共通であれば同一の構成と考えてよい。
また、複数の加熱手段および複数の制御手段は本実施の形態においては各々2つの構成としたが、3つ以上の加熱手段および制御部を有する構成でもよく、トッププレート2は複数の加熱手段を1つでカバーしていたが、加熱手段毎にトッププレートがあっても何ら問題はない。