JP5066697B2 - アスベスト含有廃棄物の再生処理方法 - Google Patents

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本発明は、アスベスト含有廃棄物を無害化して再資源化するための再生処理方法に関する。
アスベスト(石綿)は、蛇紋石や角閃石が繊維状に変形した天然の鉱石で、蛇紋石系のクリソタイルと、角閃石系のクロシドライト、アモサイト等とに大別される。アスベストは、軽量性、耐久性、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性に優れ、安価であるため、これまで、建設資材、電気製品、自動車、家庭用品等の様々な用途に広く使用されてきた。
アスベストの繊維は、空中に飛散しやすく、それが肺へ吸入されると、肺ガンや中皮種等の病気を引き起こすことが問題となっている。そこで現在では、アスベストを全重量の0.1%以上含有する製品の出荷は、原則禁止されている。また、使用済みのアスベスト含有廃棄物の処理では、その廃棄物中のアスベストを全重量の0.1%以下となるまで無害化することが求められている。
アスベストを無害化する技術としては、溶融処理技術が知られている。溶融処理技術は、アスベストの融点以上の温度まで加熱し、アスベストを溶融することにより無害化する技術である。アスベストの溶融処理は、一般に、アスベストを1500℃以上に加熱することにより行われている。このため、1500℃以上の高温に耐えうる設備が必要で、運転時には多大なエネルギーを必要とし、設備コストおよび消費電力がかかるという問題があった。溶融物は、再利用されず、その大部分が最終処分場で埋め立て処理されているのが現状である。この結果、溶融物を埋め立て処理するための処理コストも必要である。
そこで、低コストおよび低エネルギーでアスベスト含有廃棄物を無害化する技術として、加熱処理する方法が提案されている(非特許文献1参照)。この方法は、加熱によりアスベストの構造を変化させ、無害化する方法である。この加熱処理は、溶融処理に比較して低温で行うことができるため、低コストおよび低エネルギーでアスベストの無害化を実現することができる。
なお、非特許文献1には、JIS A 1481に準拠する位相差顕微鏡法によってアスベストが含まれないと評価される加熱条件として「1000℃で3時間加熱すること」が必要であること、800℃および900℃では、前記の基準に照らした無害化を行うことができないことが記載されている。これは、1000℃より低い800℃や900℃ではアスベストの熱伝導率が低いことから、アスベストの内部にまで温度が伝わらず、温度分布が一様にならないため、1000℃で3時間程度加熱しないと、反応しないクリソタイルが存在することを示すものである。
この加熱処理する方法では、さらに低温でアスベストの無害化を実現するために、フロン分解無害化処理によって生成されたフロン分解物をアスベストに混合し、その混合物を加熱する方法が提案されている(特許文献1参照)。この方法では、600℃以下(例えば、575℃)の低温で所定時間(例えば、2時間)加熱することによりアスベストを無害化することができる。
無害化されたアスベストの再利用も試みられている。例えば、アスベストを加熱処理して非アスベスト化し、それをセメントに変換することが提案されている(特許文献2参照)。この特許文献2に記載の技術では、まず、アスベストを含有する無機質系材料の廃材を、最大寸法が200mm未満であり、かつ粒径が1mm未満である微粉の含有比率が5%以下であるように粒度調整する。そして、その含水率を2〜20%に調整し、その廃材の乾燥状態における質量として5〜30kg/袋の範囲で袋詰めする。その袋詰めされた廃材を、その廃材とセメント原料との合計量に占める廃材の比率が、乾燥状態における質量比率で1〜20%の範囲となるよう調整し、その廃材を袋詰めしたままの状態でセメント原料とともにセメント製造用キルン内にキルンの窯尻から投入する。そして、1000〜1500℃で30〜60分間加熱処理して焼結体を得、その焼結体を粉末化して、セメント化している。
特開2005−168632号公報 特開2006−43672号公報 橋本忍、奥田篤史、上林晃、本多沢雄、淡路英夫、福田功一郎、「位相差顕微鏡法による加熱クリソタイルの評価」、日本セラミックス協会学術論文誌、114[8]716−718、2006年8月1日
上述した従来の方法では、フロン分解物と混合するために、また、キルン内でアスベストを低温かつ短時間で加熱するために、アスベスト含有廃棄物を加熱処理する前に粉砕しなければならない。これでは、アスベストの繊維が空中へ飛散してしまい、人体への影響が問題となる。
上述した従来の方法では、大気中でアスベスト含有廃棄物を加熱処理している。すなわち、主に空気からの対流伝熱効果だけで廃棄物に対して熱量を与えている。
ここで、アスベストの無害化処理の基準は、X線回折分析法による定量分析と、位相差顕微鏡を用いた分散染色法による定性分析とを行い、いずれにおいてもアスベストが検出されないことが確実であることとされている。
図1に、大気雰囲気中で30分加熱した場合のX線回折分析法による定量分析を行った結果を示す。横軸は、入射するX線と回折線とのなす角度2θ(°)であり、縦軸は、X線強度(a.u.)である。加熱処理がされていないクリソタイル、600℃の温度で加熱したクリソタイルについての分析結果では、白抜きの菱形で示されるように、クリソタイルのピークが検出され、クリソタイルが存在することを示した。
しかしながら、700℃〜1000℃の温度で加熱すると、クリソタイルのピークは検出されなかった。このため、700℃以上の温度で加熱すると、X線回折分析法による定量分析では、クリソタイルのピークは見られなくなる。
図2に、大気雰囲気中で30分加熱した場合の位相差顕微鏡写真を用いた分散染色法による定性分析を行った結果を示す。図2(a)〜(d)は、600℃〜1000℃の温度で加熱した場合の結果を示した図である。600℃〜1000℃のいずれにおいても、赤紫〜青色分散色を示す繊維が存在し、分散染色法による定性分析では、アスベストを無害化することはできないことが示された。なお、この分散染色法による定性分析では、加熱時間を60分、120分にしても、赤紫〜青色分散色を示す繊維数は減るものの、赤紫〜青色分散色を示す繊維が存在し、完全に無害化することはできないことが示された。
これらのことから、アスベストを高温加熱することにより無害化する場合、非特許文献1に記載のように、少なくとも約1000℃で3時間程度加熱しなければならないことが確認された。
約1000℃で3時間程度加熱処理する場合、加熱処理する前に、アスベスト含有廃棄物を粉砕する必要はないものの、内部のアスベストまで十分に加熱するためには、多くのエネルギーが必要で、まだ実用的レベルではない。また、約1000℃という高温で、3時間という長時間の加熱は、安全性や信頼性においても十分担保できるものではない。
そこで、加熱処理する前にアスベスト含有廃棄物を粉砕することなく、低温かつ短時間の加熱で無害化することができ、さらには、それを再資源化するためのアスベスト含有廃棄物の処理方法の提供が望まれている。
本発明の発明者らは、鋭意検討の結果、アスベストとセメントとを含有するアスベスト含有廃棄物を用い、粉砕していないその廃棄物を過熱蒸気で加熱し、アスベスト中の結晶水を脱水することにより、800℃や900℃といった1000℃より低い温度で、しかも30分程度といった短い時間で、クリソタイルが完全に消失し、主に2CaO・SiOとCaOになることを見出した。普通ポルトランドセメントは、SiOとCaOが主成分であり、加熱処理された廃棄物は、主成分がSiO、CaOであり、セメント化に不適切な成分を含まないことから、それを粉砕し、焼成することにより、セメントとして再資源化できることを見出した。
本発明は、前記のことを見出すことによりなされたものであり、前記課題は、本発明のアスベスト含有廃棄物の再生処理方法を提供することにより解決することができる。
すなわち、本発明の再生処理方法は、アスベスト含有廃棄物を過熱蒸気で加熱し、アスベスト中の結晶水を脱水する加熱工程と、アスベスト中の結晶水が脱水された廃棄物を粉砕する粉砕工程と、粉砕された廃棄物を焼成する焼成工程とを含む。
この廃棄物には、アスベストおよびセメント原料のほか、接着剤や塗料等の有機化合物が含まれており、前記加熱により揮発させ、過熱蒸気と反応させ、有機化合物を分解する反応工程をさらに含み、加熱処理において発生するガスを無害化することができる。
したがって、反応工程後、有機化合物を分解して生成された分解ガスを冷却する冷却工程と、分解ガス中に含まれるアスベスト未反応物を除去する除去工程と、分解ガス中に含まれる塩素等のハロゲンおよびSO等を回収・除去する排ガス洗浄工程とをさらに含むことができる。
前記加熱工程では、廃棄物を、約800℃〜1100℃の過熱蒸気雰囲気下で約10分〜120分加熱する。この過熱蒸気は、アスベストから脱水された結晶水からなるものとすることができる。また、過熱蒸気は、適宜供給することができ、例えば、連続的または間欠的に供給することができる。
本発明のアスベスト含有廃棄物の再生処理方法を提供することで、アスベストおよびセメントを含有する廃棄物を再資源化して再利用することが可能となる。このため、加熱処理後、埋め立て処理するためのコストが不要となる。
また、低温かつ短時間の加熱で無害化することができるため、低コストおよび低エネルギーで実現することができ、安全性や信頼性を十分に担保することができる。
本発明は、アスベストとセメントとを含有する廃棄物を加熱して無害化し、その無害化した廃棄物をセメント等として再利用するためのアスベスト含有廃棄物の再生処理方法である。
アスベストは、天然に存在するケイ酸塩水和物の鉱物繊維であり、蛇紋石系のクリソタイルと、角閃石系のクロシドライト、アモサイトがある。アスベストは、高温で加熱することにより、結晶水が脱水する。ここで、アスベストの結晶水が脱水する際の化学式を、クリソタイルについて式(1)に、アモサイトについて式(2)に、クロシドライトについて式(3)に示す。
Figure 0005066697
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前記式1〜3で示されるように、クリソタイルおよびアモサイトは、脱水して、無害のフォルステライト(MgSiO)へ変化し、クロシドライトは、脱水して、無害のケイ酸ナトリウム(NaSiO)へ変化する。このことから、高温で加熱することにより、アスベストを無害化することができる。
本発明では、過熱蒸気雰囲気下で被加熱物であるアスベスト含有廃棄物を加熱する。これは、過熱蒸気が空気の2倍の比熱を有し、空気より対流伝熱効果が大きく、かつ、熱放射および凝縮水による伝熱効果が得られるため、従来の空気中で加熱するよりも、低温かつ短時間で必要な熱量を被加熱物に与えることができるからである。
ここで、クリソタイル100%のアスベストを過熱蒸気雰囲気下で加熱した後、X線回折分析法による定量分析を行うと、空気中で加熱する場合と同様、700℃以上の温度では、約30分の加熱で、クリソタイルのピークは検出されなかった。そのかわりに、フォルステライトのピークが検出され、フォルステライトが生成することが示された。
図3は、過熱蒸気雰囲気下で30分加熱した場合の位相差顕微鏡写真を用いた分散染色法による定性分析を行った結果を示した図である。図3(a)、(b)は、加熱温度を700℃、800℃に加熱した場合の結果を示した図である。加熱温度700℃では、赤紫〜青色分散色を示す繊維が存在し、この分散染色法による定性分析結果では、アスベストを無害化することはできないことが示された。しかしながら、加熱温度を800℃にすると、赤紫〜青色分散色を示す繊維が完全に消失し、アスベストを無害化することができたことが示された。
なお、この分散染色法による定性分析結果では、700℃で180分間加熱しても、赤紫〜青色分散色を示す繊維が存在し、アスベストを無害化することはできないことが示された。これに対し、800℃にすると、10分間の加熱であっても、赤紫〜青色分散色を示す繊維は完全に消失し、アスベストを無害化することができたことが示された。
アスベスト含有廃棄物には、発塵量が著しく多い、あるいは発塵しやすい飛散性アスベスト含有廃棄物と、発塵性が比較的低い非飛散性アスベスト含有廃棄物とがある。飛散性アスベスト含有廃棄物には、アスベスト吹付材、アスベストを含有する保温材、断熱材、耐火被覆材等があり、非飛散性アスベスト含有廃棄物には、住宅屋根用化粧スレート等の成形板がある。なお、これら吹付材、保温材、断熱材、耐火被覆材、成形板は、その成分としてセメントを含み、アスベストとセメントとを含有するアスベスト含有廃棄物である。吹付材や住宅屋根用化粧スレートについて定性分析および定量分析を行ってみると、過熱蒸気雰囲気下では、約800℃〜1100℃、約10分〜120分の加熱でクリソタイルが完全に消失した。このことから、本発明では、アスベスト吹付材やスレート等のアスベストおよびセメントを含有する廃棄物を、過熱蒸気雰囲気下、約800℃〜1100℃の温度で加熱することにより、約10分〜120分という短い時間ですべてのクリソタイルを消失させ、無害化することができる。
アスベスト含有廃棄物は、アスベストの主成分であるクリソタイル(MgSi(OH))と、セメントの成分である、二酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化第二鉄(Fe)、酸化カルシウム(CaO)等を含む。例えば、全重量の約25%のクリソタイルを含む廃棄物を過熱蒸気雰囲気下で、800℃以上の温度で加熱すると、上述したようにクリソタイルは消失し、前記式1によればフォルステライトが生成する。しかしながら、この加熱処理では、フォルストライトも消失し、加熱処理後の成分は、主に2CaO・SiO(ビーライト)とCaO(生石灰)となった。すなわち、セメントの主成分である、石灰質原料のCaOと、粘土質原料のSiOとになることが見出された。
このため、過熱蒸気雰囲気下で加熱処理された廃棄物は、特に添加物を添加したり、不要な成分の除去を行うことなく、そのままロールクラッシャやチューブクラッシャ等へ投入して粉砕し、キルン等で焼成することにより、クリンカーを形成することができる。クリンカーは、セメント原料をキルンで高温焼成して得られる焼結物塊であり、ビーライト、アルミネート相(3CaO・Al)、フェライト相(4CaO・Al・Fe)、エーライト(3CaO・SiO)といった水硬性化合物を含み、これら水硬性化合物によりセメントの強度を発現するものである。なお、ビーライト、アルミネート相、フェライト相、エーライトは、セメント原料であるCaO、SiO、Al、Feを粉砕および焼成することにより生成される。セメントは、クリンカーに石膏を約3%〜約5%添加することにより製造することができる。ここで石膏を添加するのは、アルミネート相と水との反応を抑制するためである。
ここで、アスベスト含有廃棄物の再生処理方法を実現するための処理システムを、図4に例示する。この処理システムは、粉砕していないアスベスト含有廃棄物1を搬送容器2に載せ、搬送容器2ごと収容し、密閉して所定温度に加熱し、過熱蒸気を受け入れて過熱蒸気雰囲気とすることができる加熱炉10と、過熱蒸気を発生させる過熱蒸気発生装置20とを備えている。ここでは図示していないが、この処理システムは、加熱処理後に粉砕するための粉砕装置と、粉砕物を焼成するための焼成装置とをさらに備える。
加熱炉10は、図5に示すように、所定の容量の空間を有し、廃棄物1を載せた搬送容器2を搬出入可能な出入口11を有し、出入口11を密閉するための開閉蓋12を備えている。また、加熱炉10の炉壁13は、外部への熱の放散量を抑制するために保温材で覆われている。加熱炉10は、内部を加熱するために電気ヒータ14を備え、また、過熱蒸気を供給するための蒸気供給パイプ15が設けられている。この蒸気供給パイプ15は、複数の穴を備えており、それらの穴から過熱蒸気を供給することができるようになっている。また、加熱炉10は、内部の温度を制御するために、温度計および温度コントローラを備えている。
搬送容器2の底には、車輪2aが設けられ、車輪2aにより容易に加熱炉10内に移動させ、搬送容器2を収容することができる。また、搬送容器2は、ボード状の廃棄物の場合、ボード同士を離間させて支持する支持部を備える。なお、ボード状の廃棄物は、離間して設置されることにより、表面および裏面の両方から熱を与えることができる。
図4を再び参照して、過熱蒸気発生装置20は、水を収容したタンク21と、水を加熱して蒸発させるボイラ22と、タンク21からボイラ22へ水を供給する給水ポンプ23と、ボイラ22で発生した蒸気を所定温度に過熱する蒸気過熱器24とを備えている。
加熱炉10内は、電気ヒータ14により約800℃〜1100℃に加熱されるとともに、蒸気過熱器24で約800℃〜1100℃に過熱された過熱蒸気が供給され、過熱蒸気雰囲気とされる。廃棄物1は、搬送容器2に載せられたまま、過熱蒸気雰囲気とされた加熱炉10内に入れられる。廃棄物1は、この過熱蒸気によって熱が与えられ、短時間で内部まで十分に加熱される。
前記では、炉内を電気ヒータ14で約800℃〜1100℃に加熱するとともに、約800℃〜1100℃に過熱した過熱蒸気を供給する。電気ヒータおよび蒸気過熱器24により連続的に昇温し、加熱炉10内を約800℃〜1100℃に加熱することもできる。また、電気ヒータ14での昇温を連続的に行い、過熱蒸気の供給は間欠的に行うこともできる。
加熱炉10へ供給する過熱蒸気の量は、その量が多いほど、廃棄物を短時間で加熱することができる。例えば、0.3Lの容器にクリソタイル100%のアスベストを5g入れて800℃に加熱する場合、クリソタイルは、原子量277.1(kg/kmol)である。加熱により、約0.65g(約3.2L)の過熱蒸気を生成する。この3.2Lの過熱蒸気は、容器の容量0.3Lに対し、十分に満たすことができる量である。したがって、本発明では、アスベストから脱水した結晶水を、過熱蒸気として用いることができ、過熱蒸気発生装置20を備えなくても、過熱蒸気雰囲気を形成することができる。
加熱炉10では、アスベスト(クリソタイル)の加熱により、前記式1のように分解して、フォルステライトを生成し、結晶水が脱水する。廃棄物1は、アスベストとセメントとを含むため、約800℃〜1100℃の温度で加熱すると、フォルステライトも消失し、主に2CaO・SiOとCaOを生成する。加熱炉10では、このようにして廃棄物1が無害化された後、電気ヒータ14が停止され、過熱蒸気の供給が停止される。無害化された廃棄物は、搬送容器2ごと取り出され、図示しないロールクラッシャやチューブクラッシャ等で粉砕され、キルン等で焼成してセメント化される。
廃棄物1中には、塗料や接着剤として揮発性有機化合物(VOC)等の有機化合物が含まれる。VOCには、ベンゼン、トルエン、キシレン、ホルムアルデヒド、パラジクロルベンゼン、エチルベンゼン等が含まれる。これらの有機化合物は、光化学オキシダントによる健康被害の要因の1つで、大気汚染物質であり、そのまま大気中へ放散することはできない。
そこで、この有機化合物を炭酸ガスや水等へ分解した後、大気放散する。このため、この処理システムは、有機化合物を分解する反応装置30と、分解ガスを冷却する冷却装置31と、分解ガス中に含まれるアスベスト未反応物等の浮遊物を除去するフィルタ32と、分解ガス中の塩素やSOを回収する洗浄装置33とを備える。
反応装置30には、加熱炉10で発生する有機化合物のほか、過熱蒸気が供給され、また、必要に応じて空気も供給される。反応装置30では、これらを所定温度に加熱し、有機化合物を過熱蒸気と反応させ、加水分解、熱分解により水素、一酸化炭素等まで分解する。さらに空気を供給することにより酸化させ、二酸化炭素、水を生成させる。加熱温度は、約900℃〜1200℃とされる。反応装置30としては、円筒管内に電気ヒータを備えるものや、円筒管の外周に導線を巻いた電磁誘導加熱装置等を挙げることができる。
冷却装置31は、低分子とされた分解ガスを急冷する。分解ガス中には、アスベスト未反応物が浮遊物として含まれる。フィルタ32でこの浮遊物を捕集し、分解ガス中から浮遊物を除去する。フィルタ32は、目の粗い、不織布からなるプレフィルタと、目の細かいメインフィルタとして用いられるHEPAフィルタとから構成することができる。
洗浄装置33は、スクラバーとすることができ、容器内にアルカリ性の水溶液を収容していて、分解ガスを、水溶液内を通過させることによりアルカリと反応させ、塩化水素中の塩素といったハロゲン、二酸化炭素の一部、SO等を回収・除去する。アルカリとしては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムが用いられる。洗浄装置33では、アルカリと反応しなかった二酸化炭素、反応装置30で反応に使用されなかった空気が、アルカリ水溶液中に気泡となって洗浄装置33の容器上部へと移動し、ブロワ34によって吸引されて大気中へ放散される。
洗浄装置33において回収・除去されたハロゲン等は、水溶液中に塩として存在し、冷却ポンプ35によって吸引され、冷却水が循環されるクーラー36によって冷却された後、凝集槽37へ送られる。凝集槽37では、所定量の凝集剤が添加され、撹拌翼38によって撹拌された後、供給ポンプ39によって脱水装置40へ送られる。脱水装置40では、液体である排水と、凝集物である残渣とに分離される。
加熱炉10は、図4および図5ではバッチ式の加熱炉としたが、上部に電気ヒータ、下部に搬送ベルトを備え、廃棄物を搬送ベルト上に載せて移動させつつ電気ヒータで加熱する構成とし、連続的に加熱することができるものであってもよい。また、加熱炉10に続いて配設され、無害化された廃棄物を空冷するための、下部に搬送ベルトを備える空冷装置を備えていてもよい。
図6を参照して、アスベスト含有廃棄物の処理の流れを詳細に説明する。まず、アスベスト吹付材やスレート等のアスベスト含有廃棄物を搬入する(S600)。加熱処理を行うまでの間、搬入した廃棄物を保管庫で保管する(S610)。次に、加熱炉内を電気ヒータで加熱し、ボイラで蒸気を発生させ、その蒸気を過熱して過熱蒸気を生成し、加熱炉へ供給する(S620)。加熱処理を行うために、搬送容器に廃棄物を粉砕せずにそのまま載せ、加熱炉へ搬送容器ごと投入する(S630)。このため、アスベスト繊維の飛散は生じない。
約800℃〜1100℃に加熱された炉内において、搬送容器に載せたアスベスト含有廃棄物を約10分〜120分間加熱する。炉内は、対流伝熱効果が大きく、かつ、熱放射および凝縮水による伝熱効果が得られる過熱蒸気雰囲気であるため、廃棄物の内部にまで効率良く熱が伝えられる。このため、前記の約10分〜120分といった短時間で廃棄物中のすべてのアスベストは脱水し、クリソタイルがフォルステライトへ変化し、さらに分解して、主に2CaO・SiOとCaOとからなる固形物となる(S640)。
廃棄物中には、接着剤や塗料等が含まれ、これらの中には、VOC等の有機化合物が含まれる。加熱炉での加熱処理の間、廃棄物中に含まれる有機化合物は、揮発して過熱蒸気とともに、ガスとして連続的に反応装置へと移動する。なお、約800℃〜1100℃の炉内では、廃棄物中のほとんどの有機化合物が揮発し、加熱処理後の廃棄物中には、有機化合物はほとんど存在しない。約10分〜120分間加熱された後の固形物を、開閉蓋を開いて取り出し、空冷等し、無害化することができているか確認する(S650)。無害化の確認は、上述した定性分析および定量分析により行う。
反応装置へ移動したガスには、一酸化炭素、水素、C(nは自然数)といった有機化合物、過熱蒸気、塩化水素、SO、アスベスト未反応物等が含まれる。反応装置では、Cを過熱蒸気と反応させて分解し、水素および一酸化炭素を空気中の酸素と反応させて酸化する(S660)。反応装置を出た分解ガスは、ダイオキシンを合成しないように冷却装置で急冷され(S670)、フィルタへ送られる。
フィルタでは、ガス中を浮遊するアスベスト未反応物を捕集する(S680)。フィルタを出たガスには、二酸化炭素、蒸気、塩化水素、SOが含まれており、塩化水素中の塩素およびSOは、大気中へ放散することができないため、洗浄装置で回収される。
洗浄装置では、水酸化カルシウムをアルカリとして使用し、水酸化カルシウム水溶液中に分解ガスを通し、二酸化炭素の一部、塩化水素およびSOを溶解させ、塩として回収する(S690)。アルカリ水溶液中では、アルカリと反応して、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウムといった塩を生成する。なお、生成した硫酸カルシウムの二水和物は、石膏であり、この石膏は、前記のアルミネート相が水と急激に反応するのを調節するために使用することができる。塩化カルシウムは、硬化剤や防水剤等の添加剤として使用されるものである。炭酸カルシウムは、焼成することで、炭酸ガスを放出し、セメント原料である酸化カルシウムとなる。このように、生成した塩はいずれも、セメントの製造に使用されるものであり、セメント材料として不適切なものは存在しない。
洗浄装置においてアルカリ水溶液に溶解しない二酸化炭素、窒素や酸素は、ブロワにより吸引され、大気放散される(S700)。洗浄装置内のアルカリ水溶液中には、塩が蓄積するため、水溶液の一部抜き出し、凝集槽へ送り、塩を凝集させる(S710)。脱水装置で脱水し、残渣として塩を分離する(S720)。この塩は、セメント材料として利用することができる。塩を分離して残った排水は、排水処理設備へ送られ、処理される(S730)。なお、排水処理により浄化された水は、河川等に排出したり、ボイラ水として再利用することができる。
無害化が確認された固形物および残渣として分離された塩を、ロールクラッシャやチューブクラッシャ等へ投入し、粉砕する(S740)。粉砕して得られた粉末をキルンへ投入し、焼成してセメントを製造する(S750)。
これまで本発明のアスベスト含有廃棄物の再生処理方法について、それを処理するための処理システムを例示して詳細に説明してきたが、本発明の再生処理方法を実現することができれば例示した処理システムの構成に限定されるものではない。また、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施の形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
大気雰囲気中で30分加熱した場合のX線回折分析法により定量分析を行った結果を示した図。 大気雰囲気中で30分加熱した場合の位相差顕微鏡写真を用いた分散染色法による定性分析を行った結果を示した図。 過熱蒸気雰囲気下で30分加熱した場合の位相差顕微鏡写真を用いた分散染色法による定性分析を行った結果を示した図。 アスベスト含有廃棄物の処理システムを例示した図。 加熱炉を例示した図。 アスベスト含有廃棄物の処理の流れを示したフローチャート図。
符号の説明
1…アスベスト含有廃棄物、2…搬送容器、2a…車輪、10…加熱炉、11…出入口、12…開閉蓋、13…炉壁、14…電気ヒータ、15…蒸気供給パイプ、20…過熱蒸気発生装置、21…タンク、22…ボイラ、23…給水ポンプ、24…蒸気過熱器、30…反応装置、31…冷却装置、32…フィルタ、33…洗浄装置、34…ブロワ、35…冷却ポンプ、36…クーラー、37…凝集槽、38…撹拌翼、39…供給ポンプ、40…脱水装置
























Claims (6)

  1. アスベスト含有廃棄物の再生処理方法であって、
    前記廃棄物を過熱蒸気で加熱してアスベスト中の結晶水を脱水することにより無害化物を生成し、続いて過熱蒸気雰囲気下で加熱処理することによりセメント原料としての主に2CaO・SiO (ビーライト)とCaO(生石灰)とからなる加熱処理物を生成する加熱工程と、
    前記加熱処理物を粉砕する粉砕工程と、
    粉砕された前記加熱処理物を焼成する焼成工程とを含む、再生処理方法。
  2. 前記廃棄物に含まれる有機化合物を前記加熱工程において揮発させ、前記過熱蒸気と反応させ、前記有機化合物を分解する反応工程を含む、請求項1に記載の再生処理方法。
  3. 前記有機化合物を分解して生成された分解ガスを冷却する冷却工程と、前記分解ガス中に含まれるアスベスト未反応物を除去する除去工程と、前記分解ガス中に含まれるハロゲンおよびSOを回収・除去する排ガス洗浄工程とを含む、請求項2に記載の再生処理方法。
  4. 前記加熱工程では、800℃〜1100℃の前記過熱蒸気の雰囲気下で前記廃棄物を10分〜120分加熱する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の再生処理方法。
  5. 前記加熱工程では、前記アスベストから脱水された前記結晶水からなる800℃〜1100℃の前記過熱蒸気の雰囲気下で前記廃棄物を10分〜120分加熱する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の再生処理方法。
  6. 前記加熱工程では、前記過熱蒸気を連続的または間欠的に供給して、800℃〜1100℃の前記過熱蒸気の雰囲気下で前記廃棄物を10分〜120分加熱する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の再生処理方法。
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