JP2007209831A - アスベストの処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来提案されているアスベストの変質による処理方法として、溶融固化処理法があるが、融点以上の高温に加熱処理するには処理コストが高く、装置の耐久性に問題がある。
【解決手段】アスベストに、融点を低下させる効果がある化学成分を含有する添加物を混合して加熱処理を行う。添加物として、石炭、竹材、ASR、鶏糞、可燃性廃棄物等の可燃性物質とアスベストを混合してそのまま燃焼処理する方法も類似の効果が得られる。
【選択図】 図1
【解決手段】アスベストに、融点を低下させる効果がある化学成分を含有する添加物を混合して加熱処理を行う。添加物として、石炭、竹材、ASR、鶏糞、可燃性廃棄物等の可燃性物質とアスベストを混合してそのまま燃焼処理する方法も類似の効果が得られる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、アスベスト(石綿)またはアスベストを含有する廃棄物に添加物を混合して処理することにより、融点を低下させて処理する方法に関する。
アスベスト(石綿)は、天然に産出する繊維状ケイ酸塩鉱物であり、耐熱性、薬品性、絶縁性等に優れているため、電気製品、建設資材、自動車用部品、家庭用品等広範囲にしかも生活に密接した場所で使用されてきた。ところが、日本では最近健康に害する物質として指摘され、平成16年10月1日からは、一部の例外的な使用を除いて、製造・使用が禁止された。とくに、公共の場所ではアスベストの撤去作業を開始したが、作業員への影響検討や、作業時に発生する粉塵の飛散による二次公害対策検討等が行われている。
アスベストの単繊維は、細いものでは約0.02〜0.03ミクロンであるが、一般に繊維束を形成しており、約1〜2ミクロンの太さである。アスベストは、通常の環境条件下では分解・変質せず、融点は約1200〜1500℃の高温である。
このアスベストを吸い込むことによって発生する健康への影響として、石綿肺、肺がん、悪性中皮腫などが報告されている。
そこで、このアスベストの溶融処理方法として、特許第3085958号「アスベストの溶融処理法」では、水処理汚泥の脱水処理ケーキをバインダーとしてアスベストとの成形混合物を高温炉床で溶融処理する方法が提案されている。
またクリソタイルは、他のアスベストと比較して酸に対して反応性が高いため、硝酸/クロム酸混合廃液等を用いて繊維状の形態変化を発生させる方法が報告されている(非特許文献1)。
廃棄物学会、廃棄物ハンドブック、オーム社(平成8年)
気相中に浮遊するアスベスト粉塵の捕集方法としては、繊維フィルター、布フィルター、多孔質膜フィルター等で捕集する方法がある。しかしながら、捕集したアスベストは、他の方法で処理する必要がある。
アスベストは、クリソタイル(白石綿) Mg6Si4O10(OH)8、クロシドライト(青石綿) Na2(Fe2+>Mg)3(Fe3+)2Si8O22(OH)2等の化学式で示されるようなケイ酸塩化合物である。このアスベスト廃棄物(廃石綿等)の処理方法として、改正廃棄物処理法では、中間処理としての溶融を行う場合を除き、二重梱包か固型化を経た後に最終処分することが求められている。この固型化は「廃石綿等」の中間処理として認められておらず、固型化物も特別管理廃棄物として最終処分される。
そこで、アスベストの変質による処理方法として、現在は溶融固化処理がもっとも広く開発されている。アスベスト単体の融点は、クリソタイル 1521℃,クロシドライト 1193℃,アモサイト 1399℃であるため、これらの融点以上の高温に加熱処理する必要がある。
前述のように、廃棄されたアスベストの処理方法については溶融処理法が一般に検討されているが、現状では大型の実用プラントは稼働されていない。そこで本発明は、多量に廃棄されたアスベストについて、実用規模で処理する方法を提案する。
現状では、実用規模でアスベストを処理する方法として、アスベストの融点以上に加熱処理する方法が検討されている。そこで、本発明は、アスベストに添加物を混合して加熱処理することにより、融点を低下させて、現状より低コストで安全に溶融処理する方法を提案する。
添加物としてFe、K、Na、Ca、B、Al、Liのうちいずれかの成分を含有する物質を使用する。もちとん、前記成分をすべて含む物質でもよい。アスベストは、SiおよびMgを主成分とするケイ酸塩である。そこで、前記添加物とアスベストとを適正な割合に混合処理する。その後、当該混合物を加熱処理する。その結果、アスベスト単体の融点(約1200〜1500℃)より約200〜300℃以下の温度で溶融することができる。その結果、従来よりも加熱に必要なエネルギーを削減することができる。
この融点降下に効果的な化学成分としてはFe、K、Na、Ca、B、Al、Li等があげられる。これらの化学成分を含む添加物として、化学薬品の他に、表1に示すような廃棄物、焼却灰、焼却飛廃、高炉の溶融スラグ等が利用できる。もちろん、これらの混合物も使用することができる。
これらの添加物を利用したアスベストの処理方法として、以下の操作手順がある。
1)添加物を混合したアスベストを間接加熱処理する。
2)添加物を混合したアスベストを高温に保持された炉内に投入して直接加熱処理する。
3)添加物の化学成分を多量に含有する可燃性物質(石炭、竹材、カーシュレッダーダスト、鶏糞、可燃性廃棄物等)とアスベストを混合してそのまま燃焼処理する。
1)添加物を混合したアスベストを間接加熱処理する。
2)添加物を混合したアスベストを高温に保持された炉内に投入して直接加熱処理する。
3)添加物の化学成分を多量に含有する可燃性物質(石炭、竹材、カーシュレッダーダスト、鶏糞、可燃性廃棄物等)とアスベストを混合してそのまま燃焼処理する。
アスベストに、化学成分としてFe、K、Na、Ca、B、Al、Liのうちいずれかの成分を含有する物質を混合して加熱処理を行うことにより、アスベスト単体の融点以下で溶融処理をすることができる。その結果、繊維状のアスベストを塊状や柱状の形態の固形物に変形処理し、安全に廃棄処理することができる。
本発明の実施の形態を、図1の実施例に基づいて以下に説明する。アスベスト1と、化学成分としてFe、K、Na、Ca、B、Al、Liのうちいずれかの成分を含有する添加物2とを混合処理装置3で混合処理する。アスベスト1は、アスベスト単独ではなく、アスベストを含有する廃棄物の場合も同じ実施形態となる。この混合物を溶融処理装置4に入れて、間接加熱処理または直接加熱処理を行う。直接加熱処理を行う場合には、アスベストと添加物との混合物の中にさらに可燃物5を供給する。
この可燃物を直接燃焼させて、当該混合物を溶融する温度まで昇温させるために必要な熱,および混合物の融解熱として発生した燃焼熱を利用する。この時に使用する溶融処理装置4の型式としては、固定床炉、流動床炉、ロータリーキルン炉、ストーカー炉等、型式には限定されない。
また、可燃物を添加しないで、アーク炉やプラズマ炉のような方法で加熱エネルギーを供給する場合もある。
間接加熱処理を行う場合には、アスベストが溶融状態となるように、添加物の性状、添加量を適正に調整し多混合物を内側の容器に供給し、当該容器の外側を加熱処理する。次に、これらの方法で高温に加熱溶融処理された混合物を冷却処理装置6すると、塊状固形物7が得られる。前記の方法で得られた塊状固形物7は、埋め立て処理された場合でも、粉塵として飛散することはない。また、当該塊状固形物7は、溶融により安定した性状に成っており、例えば道路の路盤材等として使用しても、雨水等により有害成分が溶出することはない。
溶融処理温度は、添加物が前記化学成分を含有する適量の化学薬品であれば、アスベスト単体の融点より約200〜350℃程度低下させることができる。しかしながら、前記の化学成分が混合している焼却灰を添加物として使用した場合、融点降下温度は約200〜350℃程度よりも減少する場合がある。
Caを含む物質としては、石灰石(CaCO3)、生石灰(CaO)、消石灰Ca(OH)2、石膏CaSO4等が利用できる。また、牡蛎殻や貝殻を添加してもよい。製鉄所から排出されている製鋼ダストや溶融スラグ、鋳物工場から排出されている鋳物ダスト等には、Fe、Ca、Mg、Al、K等が多く含まれており、添加物として利用できる。
直接加熱処理を行う場合に供給する燃料としては、前記化学成分を多く含有するものとして、石炭などの化石燃料、自動車系可燃廃棄物(ASR)、竹材、家畜糞等が使用できる。廃自動車を処理したシュレダーダスト焼却灰中には、Fe、Ca、Mg、AlのほかにNa、B、Cu等も含まれている。竹材の中には、Fe、Si、Mn、Ca、Na、K、Mg等が含まれている。鶏糞の中には、Na、K、Ca、P等が含まれている。
燃料以外でFe、またはK、またはNa、またはCa、またはB、またはAl、またはLi、またはこれらの混合物を含有する添加物としては、廃棄物の焼却灰、下水汚泥、製鉄所等から排出される溶融スラグ等が使用できる。
以上のように、本発明によるアスベストの処理方法は、添加物としてFe、K、Na、Ca、B、Al、Liのうちいずれかの成分を含む物質とアスベストとを混合して溶融処理することにより、従来の方法よりも低温で安全に処理することができる方法を提案する。
さらに、本発明では、特殊な化学成分を使用しなくても、前記化学成分を含有する廃棄物を有効に、しかも簡単に使用することが可能であり、溶融処理コストを削減することが可能である。
本発明による図1に示す処理方法により、以下の条件でアスベストの溶融処理運転を行った。
(1)運転条件
1)アスベスト原料…廃棄壁材
2)添加物 …表1に記載の物質
(1)運転条件
1)アスベスト原料…廃棄壁材
2)添加物 …表1に記載の物質
1…アスベスト
2…添加物
3…混合処理装置
4…溶融処理装置
5…可燃物
6…冷却処理装置
7…塊状固形物
2…添加物
3…混合処理装置
4…溶融処理装置
5…可燃物
6…冷却処理装置
7…塊状固形物
Claims (7)
- 鉄Fe、カリウムK、ナトリウムNa、カルシウムCa、ホウ素B、アルミニウムAl、リチウムLiのうちいずれかの成分を含有する物質とアスベストとを混合して、加熱処理することを特徴とするアスベストの処理方法。
- 請求項1において、Fe、K、Na、Ca、B、Al、Liのうちいずれかの成分を含む物質として、廃棄物または廃棄物を焼却処理して残留する焼却灰とアスベストとを混合して加熱処理することを特徴とするアスベストの処理方法。
- 請求項1において、Fe、K、Na、Ca、B、Al、Liのうちいずれかの成分を含む物質として、石炭、石油、木材、竹等の可燃物、当該可燃物を燃焼した後に残留する燃焼灰のうちいずれかとアスベストとを混合して加熱処理することを特徴とするアスベストの処理方法。
- 請求項1、請求項2、請求項3において、Fe、K、Na、Ca、B、Al、Liのうちいずれかの成分を含む物質とアスベストとの混合物を直接加熱することを特徴とするアスベストの処理方法。
- 請求項1、請求項2、請求項3において、Fe、K、Na、Ca、B、Al、Liのうちいずれかの成分を含む物質とアスベストとの混合物を間接加熱することを特徴とするアスベストの処理方法。
- 請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5において、Fe、K、Na、Ca、B、Al、Liの複数の成分を含む物質とアスベストとの混合物を加熱処理することを特徴とするアスベストの処理方法。
- 請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5において、加熱温度が800℃以上であることを特徴とするアスベストの処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005304234A JP2007209831A (ja) | 2005-10-19 | 2005-10-19 | アスベストの処理方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008271997A (ja) * | 2006-09-21 | 2008-11-13 | Tokyo Univ Of Science | ケイ酸塩鉱物の分解方法 |
CN109127657A (zh) * | 2018-08-01 | 2019-01-04 | 湘潭大学 | 一种铝电解大修渣中含钠、含氟化合物的机械化学转化与回收方法 |
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2005
- 2005-10-19 JP JP2005304234A patent/JP2007209831A/ja active Pending
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CN109127657A (zh) * | 2018-08-01 | 2019-01-04 | 湘潭大学 | 一种铝电解大修渣中含钠、含氟化合物的机械化学转化与回收方法 |
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