JP4899060B2 - アスベスト含有廃棄物の加熱処理システム - Google Patents

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Description

本発明は、アスベスト含有廃棄物を過熱蒸気により加熱して無害化する加熱処理システムに関する。
アスベスト(石綿)は、蛇紋石や角閃石が繊維状に変形した天然の鉱石であり、蛇紋石系のクリソタイルと、角閃石系のクロシドライト、アモサイト等とに分けられる。アスベストは、軽量性、耐久性、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性に優れ、安価であるため、これまで、建設資材、電気製品、自動車、家庭用品等の様々な用途に広く使用されてきた。
近年、アスベストは、その繊維が空中に飛散しやすいことから、肺ガンや中皮種等の病気を引き起こすことが問題となっている。そこで現在では、アスベストを全重量の0.1%を超えて含有する製品の出荷は、原則禁止されている。また、使用済みのアスベスト含有廃棄物の処理では、廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則において、アスベストを全重量の0.1%を超えるものはアスベスト含有廃棄物とされるため、その廃棄物中のアスベストを全重量の0.1%以下となるまで非石綿化することが求められている。
アスベストを無害化する技術としては、溶融処理技術が知られている。溶融処理技術は、アスベストの融点、すなわち1500℃以上の温度まで加熱し、アスベストを溶融することにより無害化する技術である。この技術に採用される処理装置は、投入されたアスベストを収容し、そのアスベストを1500℃以上に加熱し熔融するための熔融炉を備える。
この装置は、運転時に多大なエネルギーを必要とし、また、1500℃以上の温度に耐えうる材料で作らなければならず、設備コストおよび運転コストがかかるという問題があった。この装置から排出される溶融物は、再利用されておらず、その大部分が最終処分場で埋め立て処理されているのが現状である。その結果、溶融物を埋め立て処理するための処理コストもかかっている。
そこで、低設備コストおよび低運転コストでアスベスト含有廃棄物を無害化する技術として、加熱処理する方法が提案されている(非特許文献1参照)。この方法は、加熱によりアスベストの構造を変化させ、無害化する方法である。この加熱処理は、溶融処理に比較して低温で行うことができるため、低設備コストおよび低運転コストでアスベストの無害化を実現することができる。
なお、非特許文献1には、JIS A 1481に準拠する位相差顕微鏡法によってアスベストが含まれないと評価される加熱条件として「1000℃で3時間加熱すること」が必要であること、800℃および900℃では、前記の基準に照らした無害化を行うことができないことが記載されている。これは、1000℃より低い800℃や900℃の温度ではアスベストの熱伝導率が低いことから、アスベストの内部にまで温度が伝わらず、温度分布が一様にならないため、1000℃で3時間程度加熱しないと、反応しないクリソタイルが存在することを示すものである。
橋本忍、奥田篤史、上林晃、本多沢雄、淡路英夫、福田功一郎、「位相差顕微鏡法による加熱クリソタイルの評価」、日本セラミックス協会学術論文誌、114[8]716−718、2006年8月1日
上記の加熱処理する方法では、クリソタイルをアルミナるつぼに入れ、電気炉で600℃〜1100℃、3時間加熱し、加熱保持後、電気炉の電源を切り、室温まで自然冷却させている。しかしながら、これでは、室温から600℃〜1100℃まで加熱するための時間と、その温度で保持する時間と、電気炉内で室温まで自然冷却する時間とを要し、処理効率が著しく低いという問題がある。
そこで、加熱処理方法を実現するとともに、高い処理効率のアスベスト含有廃棄物処理装置の提供が望まれている。
本発明の発明者らは、鋭意検討の結果、アスベスト含有廃棄物を過熱蒸気雰囲気で加熱することにより、アスベスト中の結晶水が800℃や900℃といった1000℃より低い温度で、しかも30分程度といった短い時間で脱水してクリソタイルが完全に消失し、主に2CaO・SiOとCaOになることを見出した。
これに基づき、複数の板状のアスベスト含有廃棄物を、過熱蒸気が流通可能なようにスペーサ等によってそれぞれを離間させ、離間させた状態のままで複数の孔を有する容器に収容し、その容器ごと加熱手段を備える加熱器に入れ、過熱蒸気発生装置から過熱蒸気を供給して加熱器内を過熱蒸気雰囲気にしつつ加熱手段で約900℃に加熱し、30分程度保持した後、容器ごと取り出し、アスベストが含まれるか否かを評価するために位相差顕微鏡写真を用いた分散染色法による定性分析とX線回折分析法による定量分析とを行ったところ、複数の板状のアスベスト含有廃棄物中にはクリソタイルが存在せず、アスベストを一度に低温かつ短時間で無害化することができることを見出した。
本発明は、前記のことを見出すことによりなされたものであり、前記の課題は、本発明の加熱処理システムを提供することにより解決することができる。
すなわち、本発明によれば、複数のアスベスト含有廃棄物を互いに離間させて収容し、側面および底面に複数の孔を有する容器と、
過熱蒸気を生成する過熱蒸気生成装置と、
複数のアスベスト含有廃棄物を加熱する加熱手段を備え、容器を収容し、過熱蒸気生成装置から過熱蒸気を受け入れて、過熱蒸気雰囲気の下、加熱手段により複数のアスベスト含有廃棄物を加熱することにより、アスベスト中の結晶水を脱水してアスベストを無害化する加熱器とを含む、加熱処理システムが提供される。
この容器には、それぞれの間にスペーサが挟み込まれて互いが離間した複数のアスベスト含有廃棄物を収容することができる。スペーサとして、アスベスト含有建材を剥離する段階で小片となったものを用いることができる。なお、この小片もアスベストを含有するが、過熱蒸気雰囲気で加熱することによりアスベスト中の結晶水を脱水して無害化することができる。
加熱器は、複数の容器を収容し、複数の容器内に収容された複数のアスベスト含有廃棄物を一度に加熱処理することもできる。これにより、一度に多くのアスベスト含有廃棄物を加熱処理することができ、処理効率をさらに向上させることができる。
加熱手段は、加熱器の内部もしくは外部に取り付けられる電気ヒータとすることができる。また、加熱器の外部からガスの燃焼によって加熱することもできる。
加熱器では、過熱蒸気雰囲気の下、約800℃〜1100℃の温度で複数のアスベスト含有廃棄物を約10分〜120分加熱することができる。
前記の加熱処理システムは、さらに、加熱器の後段に設置され、容器を収容し、加熱された複数のアスベスト含有廃棄物に向けて水を噴霧して複数のアスベスト含有廃棄物を冷却し、加熱された複数のアスベスト含有廃棄物により生成された過熱蒸気を排出する冷却器と、加熱器の前段に設置され、容器を収容し、冷却器から排出された過熱蒸気により容器内に収容された複数のアスベスト含有廃棄物を予熱する予熱器とを含むことができる。これらを含むことにより、熱効率を向上させ、低エネルギーで加熱処理を実現することができる。
また、加熱温度が異なる複数の予熱器と、冷却温度が異なる冷却器とを含むことができ、加熱器に向けて加熱温度が高くなるように予熱器を設置し、加熱器から離れるにつれて冷却温度が低くなるように冷却器を設置することができる。この場合、加熱器の直前に設置される予熱器が、加熱器の直後に設置される冷却器あるいは加熱器から排出される過熱蒸気によって所望の温度に加熱することができないこともありうる。予熱器で約800℃まで加熱したいが、加熱器から排出される過熱蒸気が約900℃である場合、約900℃の温度の過熱蒸気では、アスベスト含有廃棄物を約800℃まで加熱することは困難である。こういった場合、加熱器の直前に設置される予熱器は、加熱器と同様、電気ヒータ等の加熱手段を備え、その加熱手段により所望の温度に加熱することができる。
加熱器は、アスベスト含有廃棄物を受け入れる受入口と、加熱処理された廃棄物を排出する排出口とを備えることができる。この場合、加熱器内に設置され、容器を受入口から排出口へと搬送する搬送装置と、複数のアスベスト含有廃棄物が入れられる籠を備え、その籠を移動させて複数のアスベスト含有廃棄物を運搬し、搬送装置上に配置された容器内へ受入口を介して投入する廃棄物投入装置とを含むことができる。アスベスト含有廃棄物を1枚ごと搬送するのではなく、複数枚を同時に搬送することで、作業効率を向上させ、短時間で処理を行うことができる。
また、加熱処理システムは、加熱器から排出される過熱蒸気とアスベスト含有廃棄物から発生した揮発性有機化合物とを反応させ、揮発性有機化合物を分解する反応装置をさらに含むことができる。アスベスト含有建材には、ホルムアルデヒド等の揮発性有機化合物が含まれている場合があり、人体に影響を及ぼす等から大気中に放出することはできない。このため、何らかの処理が必要となるが、この反応装置を用いることで、過熱蒸気と反応させ、低分子の炭酸ガス等の無害化ガスへ分解することができる。
本発明の加熱処理システムを提供することで、短時間かつ低エネルギーで、より多くのアスベスト含有廃棄物を無害化することができる。
また、低温かつ短時間の加熱で無害化することができるため、安全性や信頼性を十分に担保することができる。
本発明の加熱処理システムについて説明する前に、アスベストおよびアスベスト含有廃棄物について、また、それらを過熱蒸気雰囲気下で加熱した場合の効果を説明する。
アスベストは、天然に存在するケイ酸塩水和物の鉱物繊維であり、蛇紋石系のクリソタイルと、角閃石系のクロシドライト、アモサイトがある。アスベストは、高温で加熱することにより、結晶水が脱水する。ここで、アスベストの結晶水が脱水する際の化学式を、クリソタイルについて式(1)に、アモサイトについて式(2)に、クロシドライトについて式(3)に示す。
Figure 0004899060
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前記式1〜3で示されるように、クリソタイルおよびアモサイトは、脱水して、無害のフォルステライト(MgSiO)へ変化し、クロシドライトは、脱水して、無害のケイ酸ナトリウム(NaSiO)へ変化する。このことから、高温で加熱することにより、アスベストを無害化することができる。
このアスベストを含有する廃棄物には、発塵量が著しく多い、あるいは発塵しやすい飛散性アスベスト含有廃棄物と、発塵性が比較的低い非飛散性アスベスト含有廃棄物とがある。飛散性アスベスト含有廃棄物には、アスベスト吹付材、アスベストを含有する保温材、断熱材、耐火被覆材等があり、非飛散性アスベスト含有廃棄物には、住宅屋根用化粧スレート等の成形板がある。ここに例示したアスベスト含有廃棄物は、いずれも板状のものである。
過熱蒸気は、空気の2倍の比熱を有し、空気より対流伝熱効果が大きく、かつ、熱放射および凝縮水による伝熱効果が得られるため、空気中で加熱するよりも、低温かつ短時間で必要な熱量を被加熱物に与えることができる。
実際に、クリソタイル100%のアスベストを過熱蒸気雰囲気下で加熱した後、X線回折分析法による定量分析を行うと、空気中で加熱する場合と同様、700℃以上の温度では、約30分の加熱で、クリソタイルのピークは検出されなかった。そのかわりに、フォルステライトのピークが検出され、フォルステライトが生成することが示された。
位相差顕微鏡写真を用いた分散染色法による定性分析を行うと、加熱温度700℃では、赤紫〜青色分散色を示す繊維が存在し、この分散染色法による定性分析結果では、アスベストを無害化することはできないことが示された。しかしながら、加熱温度を800℃にすると、赤紫〜青色分散色を示す繊維が完全に消失し、アスベストを無害化することができたことが示された。
なお、この分散染色法による定性分析結果では、700℃で180分間加熱しても、赤紫〜青色分散色を示す繊維が存在し、アスベストを無害化することはできないことが示された。これに対し、800℃にすると、10分間の加熱であっても、赤紫〜青色分散色を示す繊維は完全に消失し、アスベストを無害化することができたことが示された。
吹付材や住宅屋根用化粧スレートについて、アスベストの無害化を評価するための定性分析および定量分析を行ってみると、過熱蒸気雰囲気下では、約800℃〜1100℃、約10分〜120分の加熱でクリソタイルが完全に消失した。このことから、アスベスト吹付材やスレート等のアスベスト含有廃棄物は、過熱蒸気雰囲気下、約800℃〜1100℃の温度で加熱することにより、約10分〜120分という短い時間ですべてのクリソタイルを消失させ、無害化することができる。
加熱に必要な過熱蒸気の量であるが、例えば、0.3Lの容器にクリソタイル100%のアスベストを5g入れて800℃に加熱する場合、クリソタイルは、原子量277.1(kg/kmol)であり、加熱により約0.65g(約3.2L)の過熱蒸気を生成する。この3.2Lの過熱蒸気は、容器の容量0.3Lに対し、十分に満たすことができる量である。このことから、アスベストから脱水した結晶水から過熱蒸気雰囲気を形成することができる。しかしながら、廃棄物中におけるアスベストの含有量や容器の容量等によっては十分に満たすことができない場合があり、また、過熱蒸気の量が多いほど、加熱に要する時間を短縮することができるため、過熱蒸気を別途供給するほうが好ましい。
図1を参照して、アスベスト含有廃棄物の加熱処理システムについて詳細に説明する。建物の解体時に剥離されるアスベスト含有建材等のアスベスト含有廃棄物は、その多くが板状のものとして回収される。この板状のアスベスト含有廃棄物は、粉砕することなく解体現場から、加熱処理システムに近隣して設けられる保管庫へと搬送され、加熱処理されるまで保管される。
加熱処理システムは、複数のアスベスト含有廃棄物1を収容する容器10と、過熱蒸気を生成する過熱蒸気発生装置20と、容器10を収容し、過熱蒸気生成装置20から過熱蒸気を受け入れて、過熱蒸気雰囲気の下、複数のアスベスト含有廃棄物1を加熱する加熱器30とを含む。
複数のアスベスト含有廃棄物1は、板状のものであり、互いに離間させて容器10内に収容される。複数のアスベスト含有廃棄物1は、一方の面が容器10の底面に向くように、鉛直方向に積み重ねて配置することもできるし、水平方向に配列するように配置することもできる。また、地面に対して傾斜させるように配置することもできる。なお、図1では、鉛直方向に積み重ねて配置されているのが示されている。
このように鉛直方向に重ねて配置する場合、アスベスト含有廃棄物1を互いに離間させるために、図2(a)に示すように、1枚のアスベスト含有廃棄物1aを配置した後、そのアスベスト含有廃棄物1a上に複数のスペーサ2を配置し、その上に別のアスベスト含有廃棄物1bを配置することができる。スペーサ2は、過熱蒸気がアスベスト含有廃棄物1aとアスベスト含有廃棄物1bとの間を流通することができる間隔を形成することができればいかなる形状のものであってもよい。
スペーサ2の1つの例としては、アスベスト含有廃棄物1の厚さが約6.5mmであれば、それと同じ6.5mm程度離間させることができる厚さの立方体あるいは直方体といった形状または球状のものとすることができる。スペーサ2の材質は、加熱温度である約800℃〜1100℃に耐えうるものであればいかなる材質であってもよく、例えば、鉄等の金属、ガラスやセラミックを挙げることができる。ガラスやセラミックは、セメント材料として使用することができるため好ましい。また、約800℃〜1100℃で揮発する材料であればいかなる材料であってもよいが、この材料を使用することで、加熱処理後は無害化された廃棄物のみとなり、その後の再利用等においてスペーサ2を回収する作業が不要となり、作業効率や作業コスト等の点で有利になるため好ましい。
また、スペーサ2として、アスベスト含有建材を剥離する段階で小片となったものを採用することもできる。この小片も、アスベスト含有廃棄物であり、板状のものと同様に加熱処理することにより無害化することができる。
アスベスト含有廃棄物1を配置し、その上にスペーサ2を配置する作業を繰り返すことにより、図2(b)に示すような複数のアスベスト含有廃棄物1が互いに離間した状態にされる。なお、スペーサ2を挟んで形成した複数のアスベスト含有廃棄物からなる1組の廃棄物を細長い金属板等で結び、ばらばらにならないように固定することにより、傾斜させて配置したり、水平方向に配列するように配置することもできる。
容器10は、上部が開放され、側面および底面に複数の孔11を有するものとされる。また、容器10は、加熱温度である約800℃〜1100℃に耐えうる材料から作製される。例えば、セラミック、煉瓦、ステンレス鋼、チタン、ニッケル合金等を使用して製造することができる。エキスパンドメタル等を使用して作製してもよい。
ここで、図3に容器10を例示する。図3に示す容器10は、側面および底面に複数のスリット状の孔11が設けられていて、その孔11を通して過熱蒸気が流通することができるようになっている。なお、孔11を通して容器10内に流入した過熱蒸気は、2つのアスベスト含有廃棄物1の間に形成された隙間へと入り、アスベスト含有廃棄物1の両面を同時に加熱する。容器10は、同じ大きさおよび形状の容器を、その上に複数重ねることができる。このように、複数の容器10を重ねたものを加熱器30へ入れることにより、同時により多くのアスベスト含有廃棄物の加熱処理を行うことができる。
容器10の別の実施形態として、図4に示すように、アスベスト含有廃棄物1を立て掛けて配置することができる、底面から鉛直方向へと延びる複数の板からなる支持部12を備える構成にすることもできる。この場合は、スペーサ2は不要となり、支持部12によって各アスベスト含有廃棄物1を離間させることができる。
容器10は、底部に車輪を備えることができる。これにより、容易に移動させることができる。また、コンベア等の搬送装置を加熱器30内に設置し、その上に配置することもできる。この場合、搬送装置に容器10が載置されるのみであっても、固定されていてもよい。
搬送装置に固定される場合、図5に示すような構成にすることができる。すなわち、容器10は、底板13と、鉛直方向に対して傾斜した側板14と、底板13から突出する突出部15とから構成され、搬送装置であるコンベア40に固定される。図5に示す構成は、複数の容器10がコンベア40に固定されていて、矢線Aで示された方向から連続して複数のアスベスト含有廃棄物1が投入され、矢線Bで示された方向に連続して加熱処理された廃棄物が排出されるような場合に適用することができる。この構成では、側板14が傾斜し、突出部15を備えているため、アスベスト含有廃棄物1を立て掛けて配置することができる。
図5に示す構成では、1つの容器に複数のアスベスト含有廃棄物1を収容している間もコンベア40が稼働しており、連続して容器10内にアスベスト含有廃棄物1が投入され、連続して加熱処理される。加熱器30内は、過熱蒸気雰囲気とされており、移動速度が調整されたコンベア40により所定時間加熱される。所定時間加熱後は、廃棄物を排出する位置に到達しており、容器10はコンベア40に固定されているため、容器10内の加熱処理された廃棄物のみが排出口を介して排出される。
過熱蒸気生成装置20は、図6に示すように、水を貯留する貯水タンク21と、水を蒸発させるためのボイラ22と、貯水タンク21からボイラ22へ給水する給水ポンプ23と、過熱蒸気を生成させる蒸気過熱器24とから構成される。
蒸気過熱器24は、燃料を燃焼させ、高温の燃焼ガスにより過熱するものであってもよいが、電磁誘導過熱によるものであってもよい。ここで、電磁誘導過熱とは、コイルに強い電流を流して強力な磁場を発生させ、その上に電気を通しやすい鉄やステンレス鋼等の金属を置き、電磁誘導により渦電流を発生させ、その抵抗により金属が発熱するという原理を利用した加熱方法である。電磁誘導過熱により蒸気を加熱する場合、鉄あるいはステンレス鋼等で作製された円筒管と、その外周に導線を巻いたもの電磁誘導過熱装置として用いることができる。
過熱蒸気生成装置20により生成される過熱蒸気は、ほぼ大気圧で、100℃を超える温度の蒸気とされる。しかしながら、800℃より低い300℃や400℃等の温度で加熱器30に供給した場合、一度約800℃〜1100℃に加熱した加熱器30内の温度を低下させてしまい、再びその温度にまで加熱するには時間がかかる。それに加えて、その温度にまで加熱するためのエネルギーが消費される。したがって、一度加熱した加熱器30内の温度を低下させないために、約800℃〜1100℃に加熱して供給することが好ましい。
図1を再び参照して、加熱器30は、容器10に収容された複数のアスベスト含有廃棄物を加熱する加熱手段31とを備え、過熱蒸気生成装置20から過熱蒸気を受け入れ、過熱蒸気雰囲気の下、加熱手段31により複数のアスベスト含有廃棄物を加熱することにより、アスベスト中の結晶水を脱水してそのアスベストを無害化する。したがって、加熱器30は、容器10を収容するために中空で、受け入れた過熱蒸気が洩れないように密閉性が高く、加熱して約10分〜120分保持することができるように保温性も高い構造とされる。加熱器30の壁体は、セラミック、煉瓦、ステンレス鋼、チタン、ニッケル合金等で作製することができる。これらの周りに断熱材を包囲するように取り付けることにより保温性を高めることができる。
加熱手段31は、約800℃〜1100℃の温度に加熱することができる電気ヒータや加熱炉等とすることができる。電気ヒータは、加熱器30の内部の床、天井、側壁のいずれか1つ、あるいは2つまたはそのすべてに取り付けることができる。また、電気ヒータは、加熱器30の壁体が高熱伝導率のステンレス鋼等で作製される場合、その外周に巻き付けるように取り付けることもできる。加熱炉を設置する場合、加熱炉内に加熱器30を設置し、加熱器30の外部から燃焼ガスにより加熱したり、加熱器30の内部に配管を設け、その配管内に、加熱炉により発生する高温の燃焼ガスを通すことにより加熱することができる。
加熱器30は、過熱蒸気生成装置20により生成した過熱蒸気を受け入れるための蒸気受入ノズル32を有する。この蒸気受入ノズル32を通して供給された過熱蒸気は、加熱器30内を拡散し、アスベスト含有廃棄物1間の隙間へも入り込み、アスベスト含有廃棄物1の両面に熱を与える。この過熱蒸気と加熱手段31とにより、加熱器30内は、約800℃〜1100℃に加熱され、約10分〜120分間、その温度で保持される。これは、加熱器30が温度計および温度コントローラを備えることにより、内部温度をその温度に制御することができる。
加熱器30内での加熱および温度保持の間、アスベスト含有廃棄物1内では、過熱蒸気に接する外表面から内部へと温度が伝わり、内部が徐々に約800℃〜1100℃に近づいていく。これに伴い、内部においても、上記化式1に示す反応が起こり、アスベストから結晶水が脱水し、無害のフォルステライトへ変化して無害化される。なお、本発明では、過熱蒸気雰囲気で加熱すると、さらに分解して、主に2CaO・SiOとCaOとからなる固形物となる。
図1では、より多くのアスベスト含有廃棄物1を加熱処理するために、加熱器30内に複数の容器10が積み重ねられて収容され、天井と両側壁とに加熱手段31が取り付けられている。最下部の容器10は、2本のレール33上に配置され、その容器10上に9個の容器が積み重なっている。各容器10には、大きさの異なる板状のアスベスト含有廃棄物1がスペーサ2を介して積み重ねられている。
図7は、加熱処理システムの第2実施形態を示した図である。図7に示す加熱処理システムは、加熱器30内に、図5に示すコンベア40とそのコンベア40に複数の容器10が固定されていて、アスベスト含有廃棄物1を受け入れる受入口と排出口とを備えている。また、その受入口を通して容器10内に複数のアスベスト含有廃棄物1を投入するための廃棄物投入装置50と、加熱器30から排出された廃棄物を冷却するための冷却装置60と、冷却した廃棄物を粉砕するための粉砕装置70とをさらに含んで構成されている。
廃棄物投入装置50は、複数のアスベスト含有廃棄物1を入れるための籠51と、籠51を上方へと運搬し、頂部で籠51をひっくり返し、籠51に入れられた複数のアスベスト含有廃棄物1を、シュート52を通して受入口へ送り、容器10内へ投入する籠運搬装置53とを備える。籠51は、上部のみが開放されたものとされ、アスベスト含有廃棄物1が、例えば10枚入れられるサイズとされる。籠運搬装置53としては、籠51を上方へと運搬するために、荷揚機、スライダ等を用いることができる。
アスベスト含有廃棄物1は、鉛直方向に対して傾斜した側板14に沿って容器10内へ投入され、その傾斜した側板14によって底板13上を滑るが、端部が突出部15に当接して停止し、容器10内へ収容される。突出部15は、所定間隔で設けられており、アスベスト含有廃棄物1を互いに離間させる。複数の容器10がコンベア40に固定されており、コンベア40は稼働しているため、1つの籠51に入れられた1組の複数のアスベスト含有廃棄物1が1つの容器10に収容されると、その容器10は移動し、受入口の下には、次の容器が位置し、次の組の複数のアスベスト含有廃棄物が投入される。
コンベア40は、加熱温度である約800℃〜1100℃に加熱した後、約10分〜120分間、その温度で保持されるような速度で容器10を移動させる。これにより、連続して加熱処理を行うことができる。
図7に示すシステムでは、無害化されて排出された廃棄物を冷却するための冷却装置60を備えており、この冷却装置60は、冷却水を貯留する貯水槽61と、冷却水を供給する冷却水ポンプ62と、廃棄物を収容する冷却槽63と、冷却槽63に取り付けられ、冷却水を廃棄物に向けて噴射する噴射ノズル64とから構成されている。
加熱器30から排出された廃棄物は、約800℃〜1100℃の温度であり、これに噴射ノズル64から冷却水を噴射すると、冷却水は廃棄物から顕熱および蒸発潜熱を受け取って気化し、さらに顕熱を受け取って過熱蒸気となる。廃棄物は、冷却水に顕熱および蒸発潜熱を与えて冷却される。なお、冷却後の廃棄物が湿った状態になったのでは、セメント等として再利用することが困難となるため、湿らない程度に冷却水を供給し、廃棄物を冷却する。
冷却水により冷却された廃棄物は、粉砕装置70へ送られる。図7では、冷却器60から自重により下部の粉砕装置70へ送られている。なお、冷却装置60と粉砕装置70との間には、弁が設けられ、冷却装置60で冷却した後に弁を開き、廃棄物を粉砕装置70へ入れることができるようにされている。粉砕装置70は、ロールクラッシャやチューブクラッシャ等とすることができる。廃棄物は、すでに無害化され、主に2CaO・SiOとCaOとからなるものであるため、セメントとして再利用することができる。この粉砕装置70による粉砕後、コンベア等によりトラックへと運ばれ、その後再利用のために、キルン等で焼成してセメント化される。
図7に示す実施形態では、冷却水により廃棄物を冷却し、生成した過熱蒸気は利用していない。このため、熱効率が低いものとなっている。そこで、過熱蒸気を有効に利用し、熱効率を向上させ、消費エネルギーを低減させて運転コストを安価にするため、以下のようにシステムを構築することができる。
図8は、加熱処理システムの第3実施形態を示した図である。図8に示す実施形態では、加熱温度が異なる複数の予熱器80、81、冷却温度が異なる複数の冷却器90、91を備えている。また、1つの加熱炉82を備えている。これらは、7つのゲート100〜106で仕切られており、ゲート100〜106を降下させることにより、隣接する予熱器、加熱炉あるいは加熱器または冷却器へと容器10を移動させることができるようにされている。例えば、容器10は、車輪を備え、床あるいはレール上を移動可能にされている。ゲート100〜106は、地下へと降下させることにより開き、再び上昇させることにより閉じるものとされている。
図8に示す実施形態では、まず、ゲート100を開き、容器10が予熱器80に入れられる。予熱器80は、冷却器91により生成された過熱蒸気が供給され、その過熱蒸気により容器10内に収容されている複数のアスベスト含有廃棄物1を予熱する。冷却器91では、約250℃〜450℃の過熱蒸気が発生しており、これにより、予熱器80では、約150℃〜300℃に予熱される。この温度に予熱されたところで、予熱器80と予熱器81との間を仕切るゲート101を開き、予熱器81へ容器10を移動させ、そのゲート101を閉じる。
予熱器81は、冷却器90により生成された過熱蒸気が供給され、その過熱蒸気により容器10内に収容されている複数のアスベスト含有廃棄物1を予熱する。冷却器90では、約500℃〜700℃の過熱蒸気が発生しており、これにより、予熱器81では、約300℃〜500℃に予熱される。この温度に予熱されたところで、予熱器81と予熱器82との間を仕切るゲート102を開き、加熱炉82へ容器10を移動させ、そのゲート102を閉じる。
加熱炉82は、電気ヒータまたは燃焼ガスによって容器10内に収容された複数のアスベスト含有廃棄物1を約800℃〜1100℃に加熱する。この温度に加熱されたところで、加熱炉82と加熱器30とを仕切るゲート103を開き、加熱器30へ容器10を移動させ、そのゲート103を閉じる。
加熱器30は、過熱蒸気生成装置20から予め過熱蒸気を受け入れ、加熱手段31によって内部を約800℃〜1100℃に加熱する。加熱炉82から送られるアスベスト含有廃棄物1は、加熱処理に必要な温度に達しており、加熱器30では、容器10が入れられてから約10分〜120分経過するのを待ち、その間に温度降下があった場合にその降下分だけ加熱される。加熱炉82および加熱器30による加熱により、アスベスト中の結晶水は脱水し、クリソタイルがフォルステライトへ変化し、さらに分解して、主に2CaO・SiOとCaOとからなる固形物となる。
上記の約10分〜120分経過後、ゲート104を開き、冷却器90へ移動させ、そのゲート104を閉じる。無害化された廃棄物は、水が噴射され、水に顕熱および蒸発潜熱を与えて冷却される。ここでは、廃棄物は、約650℃〜900℃に冷却され、約500℃〜700℃の過熱蒸気を生成する。この温度まで冷却されたところで、冷却器90と冷却器91とを仕切るゲート105を開き、冷却器91へ容器10を移動させ、そのゲート105を閉じる。
冷却器90で冷却された廃棄物は、再び水が噴射され、水に顕熱および蒸発潜熱を与えて冷却される。ここでは、廃棄物は、約400℃〜600℃に冷却され、約250℃〜450℃の過熱蒸気を生成する。この温度まで冷却されたところで、冷却器91を仕切るゲート106を開き、冷却器91から取り出し、そのゲート106を閉じ、その後は自然冷却される。
なお、上記では、廃棄物の温度、過熱蒸気の温度を例示したが、これはあくまで例示であり、給水量等によって、これ以上の温度、これ以下の温度にもなりうるものである。
図9は、加熱処理システムの第4実施形態を示した図である。図9に示す実施形態は、図1に示す構成に、さらに、反応装置110を備える構成とされている。アスベスト含有廃棄物1中には、塗料や接着剤として揮発性有機化合物(VOC)等の有機化合物が含まれている。このVOCには、ベンゼン、トルエン、キシレン、ホルムアルデヒド、パラジクロルベンゼン、エチルベンゼン等が含まれる。これらの有機化合物は、光化学オキシダントによる健康被害の要因の1つで、大気汚染物質であり、そのまま大気中へ放散することはできない。
そこで、この有機化合物を反応装置110により炭酸ガスや水等へ分解した後、大気放散する。なお、反応装置110に加えて、分解ガスを冷却する冷却装置、分解ガス中に含まれるアスベスト未反応物等の浮遊物を除去するフィルタ、分解ガス中の塩素やSOを回収する洗浄装置を備えることもできる。
反応装置110には、加熱器30で発生する揮発性有機化合物のほか、過熱蒸気が供給され、また、必要に応じて空気も供給される。反応装置110では、これらを所定温度に加熱し、揮発性有機化合物を過熱蒸気と反応させ、加水分解、熱分解により水素、一酸化炭素等まで分解する。また、空気を供給することにより酸化させ、二酸化炭素、水を生成させる。反応装置110では、約900℃〜1200℃の温度に加熱される。反応装置110としては、円筒管内に電気ヒータを備えるものや、円筒管の外周に導線を巻いた電磁誘導加熱装置等を挙げることができる。
冷却装置、フィルタ、洗浄装置を備える場合、冷却装置は、低分子とされた分解ガスを急冷する。分解ガス中には、アスベスト未反応物が浮遊物として含まれるため、フィルタでこの浮遊物を捕集し、分解ガス中から浮遊物を除去する。フィルタは、目の粗い、不織布からなるプレフィルタと、目の細かいメインフィルタとして用いられるHEPAフィルタとから構成することができる。
洗浄装置は、スクラバーとすることができ、容器内にアルカリ性の水溶液を収容していて、分解ガスを、水溶液内を通過させることによりアルカリと反応させ、塩化水素中の塩素といったハロゲン、二酸化炭素の一部、SO等を回収・除去する。アルカリとしては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムを用いることができる。洗浄装置では、アルカリと反応しなかった二酸化炭素、反応装置110で反応に使用されなかった空気が、アルカリ水溶液中に気泡となって洗浄装置の容器上部へと移動し、ブロワによって吸引されて大気中へ放散される。
アスベスト含有廃棄物1は、アスベストの主成分であるクリソタイル(MgSi(OH))と、セメントの成分である、二酸化ケイ素(SiO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化第二鉄(Fe)、酸化カルシウム(CaO)等が含まれる。全重量の約25%のクリソタイルを含む廃棄物を過熱蒸気雰囲気下で、800℃以上の温度で加熱すると、クリソタイルは消失し、フォルステライトが生成するが、この過熱蒸気を用いた加熱処理では、フォルストライトも消失し、加熱処理後の成分は、主に2CaO・SiO(ビーライト)とCaO(生石灰)となる。これは、セメントの主成分である、石灰質原料のCaOと、粘土質原料のSiOとである。
このため、過熱蒸気雰囲気下で加熱処理された廃棄物は、冷却後、特に添加物を添加したり、不要な成分の除去を行うことなく、そのままロールクラッシャやチューブクラッシャ等の粉砕装置70で粉砕し、その後、キルン等で焼成することにより、クリンカーを形成することができる。クリンカーは、セメント原料をキルンで高温焼成して得られる焼結物塊であり、ビーライト、アルミネート相(3CaO・Al)、フェライト相(4CaO・Al・Fe)、エーライト(3CaO・SiO)といった水硬性化合物を含み、これら水硬性化合物によりセメントの強度を発現するものである。なお、ビーライト、アルミネート相、フェライト相、エーライトは、セメント原料であるCaO、SiO、Al、Feを粉砕および焼成することにより生成される。セメントは、クリンカーに石膏を約3%〜約5%添加することにより製造することができる。ここで石膏を添加するのは、アルミネート相と水との反応を抑制するためである。
これまで本発明の加熱処理システムを図面に示した実施形態を参照しながら詳細に説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態や、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
加熱処理システムの第1実施形態を示した図。 複数のアスベスト含有廃棄物を、スペーサを挟んで重ね合わせたところを示した図。 容器を例示した図。 容器の別の実施形態を示した図。 コンベアが加熱器内に設置され、複数の容器がコンベアに固定されている構成を示した図。 過熱蒸気生成装置の構成を例示した図。 加熱処理システムの第2実施形態を示した図。 加熱処理システムの第3実施形態を示した図。 加熱処理システムの第4実施形態を示した図。
符号の説明
1、1a、1b…アスベスト含有廃棄物、2…スペーサ、10…容器、11…孔、12…支持部、13…底板、14…側板、15…突出部、20…過熱蒸気生成装置、21…貯水タンク、22…ボイラ、23…給水ポンプ、24…蒸気過熱器、30…加熱器、31…加熱手段、32…蒸気受入ノズル、33…レール、40…コンベア、50…廃棄物投入装置、51…籠、52…シュート、53…籠運搬装置、60…冷却装置、61…貯水槽、62…冷却水ポンプ、63…冷却槽、64…噴射ノズル、70…粉砕装置、80、81…予熱器、82…加熱炉、90、91…冷却器、100〜106…ゲート、110…反応装置








Claims (8)

  1. アスベスト含有廃棄物を加熱して無害化するための加熱処理システムであって、
    複数の前記アスベスト含有廃棄物を互いに離間させて収容し、側面および底面に複数の孔を有する容器と、
    過熱蒸気を生成する過熱蒸気生成装置と、
    前記複数のアスベスト含有廃棄物を加熱する加熱手段を備え、前記容器を収容し、前記過熱蒸気生成装置から前記過熱蒸気を受け入れて、過熱蒸気雰囲気の下、前記加熱手段により前記複数のアスベスト含有廃棄物を加熱することにより、アスベスト中の結晶水を脱水して該アスベストを無害化する加熱器と
    前記加熱器の後段に設置され、前記容器を収容し、加熱された前記複数のアスベスト含有廃棄物に向けて水を噴霧して該複数のアスベスト含有廃棄物を冷却し、前記加熱された複数のアスベスト含有廃棄物により生成された過熱蒸気を排出する冷却器と、
    前記加熱器の前段に設置され、前記容器を収容し、前記冷却器から排出された前記過熱蒸気により前記容器内に収容された前記複数のアスベスト含有廃棄物を予熱する予熱器とを含む、加熱処理システム。
  2. 前記容器は、それぞれの間にスペーサが挟み込まれて互いが離間した前記複数のアスベスト含有廃棄物を収容する、請求項1に記載の加熱処理システム。
  3. 前記加熱器は、複数の前記容器を収容し、前記複数の容器内に収容された複数の前記アスベスト含有廃棄物を一度に加熱処理する、請求項1または2に記載の加熱処理システム。
  4. 前記加熱手段は、前記加熱器の内部もしくは外部に取り付けられる電気ヒータである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の加熱処理システム。
  5. 前記加熱器は、前記過熱蒸気雰囲気の下、800℃〜1100℃の温度で前記複数のアスベスト含有廃棄物を10分〜120分加熱する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の加熱処理システム。
  6. 前記加熱処理システムは、加熱温度が異なる複数の前記予熱器と、冷却温度が異なる複数の前記冷却器とを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の加熱処理システム。
  7. 前記加熱器は、前記アスベスト含有廃棄物を受け入れる受入口と、加熱処理された廃棄物を排出する排出口とを備え、
    前記加熱器内に設置され、前記容器を前記受入口から前記排出口へと搬送する搬送装置と、
    前記複数のアスベスト含有廃棄物が入れられる籠を備え、前記籠を移動させて前記複数のアスベスト含有廃棄物を運搬し、前記搬送装置上に配置された前記容器内へ前記受入口を介して投入する廃棄物投入装置とをさらに含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の加熱処理システム。
  8. 前記加熱器から排出される前記過熱蒸気と前記アスベスト含有廃棄物から発生した揮発性有機化合物とを反応させ、前記揮発性有機化合物を分解する反応装置をさらに含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の加熱処理システム。
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