JP5272156B2 - 廃アスベストの無害化処理方法並びにゼオライトの製造方法及びその製造中間体 - Google Patents

廃アスベストの無害化処理方法並びにゼオライトの製造方法及びその製造中間体 Download PDF

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Description

本発明は、廃アスベストの無害化処理方法、並びに廃アスベストを利用したゼオライトの製造方法、及びその製造中間体であるケイ素含有固溶体及びケイ素・アルミニウム含有固溶体に関する。
アスベストは、針状結晶構造を有する鉱物繊維であり、その粉塵を人が吸い込むと悪性中皮腫等の重篤な疾病を引き起こす。我が国での1930年から2002年の間に消費されたアスベストは1000万トンにも及び、輸入アスベストの約9割は建築資材に使用されてきた。含アスベスト建材が用いられている建造物の解体が今後ピークを迎えることから、アスベスト暴露と廃棄処理の問題が深刻化し、社会問題となっている。
また、アスベストの廃棄処理については、ほとんどの廃アスベストを、そのまま袋詰めにして特別管理廃棄物として最終処分場に埋め立てられているのが現状である。しかし、埋め立てによるのみでは、今後増大が予想されるアスベストの廃棄量に対応できず、かつ有害な廃アスベストはそのままの状態で地中に残ることになり、将来水災害による流出等で再度環境問題を引き起こす危険性があった。かかる問題を解消するため、最近、廃アスベストを無害化し、他の廃棄物と同様に再資源化して再利用する試みがなされている。
例えば、アスベスト廃棄物と珪酸カルシウム廃材の処理方法として、アスベストと珪酸カルシウム又はアルミナとを混合し、1300℃付近の温度で溶融して無害化する方法(特許文献1参照)や、廃アスベスト材の処理方法等として、廃アスベストと酸化アルミとを混合し、1220℃以上で処理して無害化し、窯業製品の原材料として再利用する方法(特許文献2参照)、及び廃アスベストとアルミニウム精錬時の副生成物であるアルミドロスとを混合し、800℃以上で焼成・粉砕した後に再度1230℃以上で処理して無害化し、窯業製品の原材料として再利用する方法(特許文献3参照)が知られている。
一方、ゼオライトは、結晶中に微細孔を持つアルミノ珪酸塩の総称であり、ケイ素とアルミニウムが酸素を介して結合した構造(Si−O−Al−O−Si)を基本骨格とし、それが三次元的に組合わさることによって形成されている。一般的にゼオライトは、ケイ酸ナトリウム溶液とアルミン酸ナトリウム溶液とを混合して焼成・粉砕して製造されるが、再資源化の一環として、焼却灰、鋳物廃砂、石炭灰等の可燃性廃棄物を利用してゼオライトを製造する方法が検討され(例えば、特許文献4及び5参照)、近年実用化されつつある。
特開平4−180879号公報 特開平5−138147号公報 特開平6−134438号公報 特開平11−199225号公報 特開2000−159517号公報
しかしながら、廃アスベストを再利用してゼオライトを製造する方法については知られていない。
また、文献1及び2に開示されている廃アスベストの無害化方法では、珪酸カルシウム廃材や酸化アルミニウムを溶融点降下物質として添加しても、1200℃以上の温度で溶融する必要があるので、高温溶融炉設備や安全管理等への経済的負担が増加するという問題が生じていた。また、上記の無害化方法によって得られる生成物は硬い岩石状であるので、これをゼオライトの原材料として用いる場合には、運搬性に問題があり、さらに運搬しやすいように粉砕すると製造工程が増えてコスト性も問題になるので、好ましくない。
さらに、文献3に開示されている廃アスベストの再利用方法では、アルミニウム精錬時の副生成物であるアルミドロスを用いているが、このアルミドロスには金属アルミニウムが含有されており、ゼオライトの製造に必要なアルカリ処理において、水素ガスを発生して爆発を起こすので、ゼオライトの原材料として利用することができなかった。
従って、本発明の目的は、無害化した廃アスベストを利用したゼオライトの製造方法、及びその製造中間体を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、低コストで簡便かつ安全に再利用可能なゼオライトの製造方法、及びその製造中間体を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、有害な廃アスベストを簡便かつ低コストで無害化処理する方法を提供することにある。
本願発明者は、斯かる従来技術の問題点に鑑み、ゼオライトの原材料について鋭意研究を重ねた結果、所定条件下で得られる廃アスベスト固溶体が、ゼオライトの原材料の代替として用いることが極めて有用であることを見出し、本発明を完成した。
(1)すなわち、本発明は、廃アスベストとアルミン酸又はその塩とを混合した後、700〜1000℃で加熱処理してケイ素・アルミニウム含有固溶体とすることを特徴とする、廃アスベストの無害化処理方法である。
)また、本発明は、アスベストとアルミン酸エステル、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、アルミン酸及びアルミン酸塩からなる群より選択される少なくとも1つのアルミニウム含有物質とを混合した後加熱処理してケイ素・アルミニウム含有固溶体とし、次いで前記ケイ素・アルミニウム含有固溶体をアルカリ処理することを特徴とする、ゼオライトの製造方法である。
)また、本発明は、前記アルミニウム含有物質、アルミン酸又はその塩であることを特徴とする、()に記載のゼオライトの製造方法である。
)また、本発明は、前記加熱処理、700℃以上で行われることを特徴とする、(2)又は(3)に記載のゼオライトの製造方法である。
)また、本発明は、前記加熱処理、700〜900℃で行われることを特徴とする、()〜()のいずれか1に記載のゼオライトの製造方法である。
)また、本発明は、アスベストとアルミン酸又はその塩とを混合した後、700〜1000℃で加熱処理して得られることを特徴とする、ケイ素・アルミニウム含有固溶体である。
)また、本発明は、アスベストとアルミン酸又はその塩とを混合した後、800〜900℃で加熱処理して得られることを特徴とする、ケイ素・アルミニウム含有固溶体である。
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
本発明のゼオライトの製造方法によれば、従来法に比べて極めて低温で廃アスベストを含む原料混合物を溶融固溶化し、アスベストの針状結晶構造を消失させ無害化することができるので、経済的負担をかけることなく、それを有効に再利用して簡易にゼオライトを製造することができる。
また、本発明のゼオライトの製造方法によれば、従来法に比べて極めて低温で廃アスベストを無害化することができ、その生成物が粉末状であるので、取り扱いが容易で運搬性に優れた原材料を用いてゼオライトを製造することができる。
さらに、本発明のゼオライトの製造方法によれば、従来法に比べて極めて低温で廃アスベストを無害化することができ、かつ廃アスベストを含む原料混合物中に有害ガスの発生源となり得る物質を含まないので、安全性に優れた原材料を用いてゼオライトを製造することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の第1の実施形態は、アスベストとアルミニウム含有物質とを混合した後加熱処理してケイ素・アルミニウム含有固溶体とし、次いで前記ケイ素・アルミニウム含有固溶体をアルカリ処理することを特徴とするゼオライトの製造方法である。
本実施形態のゼオライトの製造に用いられるアスベストは特に限定されるものではなく、蛇紋石族のクリソタイル(温石綿・白石綿、MgSi10(OH))、角閃石族のクロシドライト(青石綿、Na(Fe2+>Mg)(Fe3+Si22(OH))、アモサイト((Mg<Fe2+Si22(OH))、アンソフィライト((Mg>Fe2+Si22(OH))、トレモライト(CaMgSi22(OH))、アクチノライト(Ca(Mg,Fe2+Si22(OH))等の各種アスベストを含有する廃棄物を無害化処理することが可能である。
本実施形態で利用されるアルミニウム含有物質は、ゼオライトの原材料となり得るものであって、水素ガスを発生させなければ特に限定されるものではなく、例えば、アルミン酸エステル、アランダム、γ−アルミナ、α−アルミナ等の酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、アルミン酸、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、アルミン酸カルシウム、アルミン酸コバルト、アルミン酸ストロンチウム、アルミン酸バリウム、アルミン酸ベリリウム、アルミン酸マグネシウム等のアルミン酸塩等を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中では、アルミン酸又はその塩が好ましく、本発明においては、アルミン酸ナトリウムが好適に利用される。
本実施形態にかかるゼオライトの製造方法では、まず、廃アスベストとアルミニウム含有物質をよく混合する。廃アスベストとアルミニウム含有物質の混合比率は、原料中のケイ素とアルミニウムのモル比が10:1〜1:4、好ましくは2:1〜1:2となる範囲である。原料の混合方法としては、混合機や粉砕機等を利用して直接原料を粉砕混合する方法や水等の溶媒を用いて原料を溶解、懸濁等させ撹拌混合する方法等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
次に、得られた廃アスベストとアルミニウム含有物質の混合物を加熱処理する。加熱処理の方法としては、電気炉による方法、マイクロウエーブ照射による方法、マイクロ波、高周波、低周波、マイクロプラズマ、高周波プラズマ等を利用する方法等が挙げられる。これらの中では、処理時間の短縮化や装置の小型化の観点から、電気炉による方法が特に好ましい。
また、加熱処理の温度は、700℃以上、好ましくは700℃〜1000℃の範囲であり、さらに好ましくは800℃〜900℃の範囲である。処理温度が700℃未満では、アスベストの針状結晶構造が残存し完全な無害化が図れず、1000℃以上では、無害化が達成され、これ以上処理温度を上げることはかえってコスト高を招くからである。さらに、生成したケイ素・アルミニウム含有固溶体は硬い岩石状であるので粉砕が必要となり、製造工程が煩雑になるので好ましくない。ここで、アスベスト単独の溶融温度は約1500℃である。従って、廃アスベストを単独で加熱処理して無害化する従来法に比べ、本発明の方法によれば、極めて低温で廃アスベストを含む原料混合物を溶融固溶化し、アスベストの針状結晶構造を消失させ無害化することができるので、無害化処理の低コスト化を図ることができる。なお、処理時間は、前記処理温度で原料混合物が溶融固溶化するのに十分な時間であり、処理温度及び原料混合物の量により適宜決定される。
本実施形態の製造方法では、加熱処理後冷却固化して得られたケイ素・アルミニウム含有固溶体に対してアルカリ処理を施してゼオライトを生成する。アルカリ処理に用いるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等が挙げられるが、特にこれに限定されるものではない。処理条件は、常圧では、アルカリ濃度が0.5〜5N、好ましくは1.5〜3.5N、処理温度が80〜100℃、好ましくは90〜95℃、処理時間が0.5〜48時間、好ましくは1〜24時間である。なお、アルカリ処理は、1〜5atm、好ましくは1.25〜2atmの加圧下で行ってもよく、その場合のアルカリ濃度は0.5〜5N、好ましくは1.5〜3.5N、処理温度は120〜230℃、好ましくは130〜150℃、処理時間は0.5〜24時間、好ましくは1〜10時間である。これらの処理条件が上記下限未満では十分なゼオライト化が得られず、上記上限を超えると、過剰条件となり容器を損傷する等の弊害を招くので好ましくない。
上記アルカリ処理で得られた生成物をろ過または遠心分離等により取得し乾燥することにより、目的のゼオライトが得られる。
本発明の第2の実施形態は、アスベストとケイ素含有物質とを混合した後加熱処理してケイ素含有固溶体とし、次いで前記ケイ素含有固溶体とアルミニウム含有物質とを混合した後アルカリ処理することを特徴とするゼオライトの製造方法である。
本実施形態で利用されるケイ素含有物質は、ケイ素を含有する物質であれば特に限定されるものではなく、例えば、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等のケイ酸塩、ケイ酸硝子、ソーダ石灰硝子、カリ石灰硝子等のケイ酸塩硝子、珪藻土、カオリン、メタカオリン等が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中では、ケイ酸又はその塩が好ましく、本発明においては、ケイ酸ナトリウムが好適に利用される。
なお、本実施形態で利用される原料の廃アスベスト、アルミニウム含有物質、原料の混合方法、加熱処理の方法、温度、時間等は、前記第1の実施形態における場合と同様である。
本実施形態の製造方法では、加熱処理後冷却固化して得られたケイ素含有固溶体にアルミニウム含有物質を混合し、得られた混合物をアルカリ処理することによりゼオライトを生成する。ケイ素含有固溶体とアルミニウム含有物質の混合比率は、原料中のケイ素とアルミニウムのモル比が10:1〜1:4、好ましくは2:1〜1:2となる範囲である。混合方法、アルカリ処理の方法及び条件等は前記前記第1の実施形態における場合と同様である。
本発明の第3の実施形態は、アスベストを加熱処理して溶融スラグとし、次いで前記溶融スラグとアルミニウム含有物質とを混合した後アルカリ処理することを特徴とするゼオライトの製造方法である。
本実施形態で利用されるアスベスト及びアルミニウム含有物質は、前記第1の実施形態におけるものと同様である。
本実施形態の製造方法では、まず、アスベストを約1500℃で加熱処理して溶融スラグとする。加熱処理の方法及び条件等は前記第1の実施形態における場合と同様である。ついで、溶融スラグとアルミニウム含有物質を混合し、得られた混合物をアルカリ処理してゼオライトを得る。原料の混合方法、アルカリ処理の方法及び条件等は前記第1の実施形態における場合と同様である。
本発明の製造方法では、原料中のケイ素とアルミニウムの比率、アルカリ処理の圧力等の諸条件を適宜調整することにより、ソーダライト、ゼオライトA、ゼオライトP等の各種ゼオライトを製造することができる。
本発明の第四の実施形態は、アスベストとケイ素含有物質とを混合した後、700〜1000℃で加熱処理して得られることを特徴とするケイ素含有固溶体である。
本実施形態のケイ素含有固溶体の製造方法は、前記第二の実施形態における場合と同様である。
本発明の第五の実施形態は、アスベストとアルミン酸ナトリウムとを混合した後、700〜1000℃で加熱処理して得られるケイ素・アルミニウム含有固溶体である。
本実施形態のケイ素・アルミニウム含有固溶体の製造方法は、前記第一の実施形態における場合と同様である。
本発明のケイ素含有固溶体及びケイ素・アルミニウム含有固溶体を用いることにより、ことにより、前記各種ゼオライトを製造することができる。
次に、本発明の無害化廃アスベストを用いたゼオライトの製造方法及びその製造中間体を、実施例によりさらに詳細に説明するが、これは本発明の実施態様を例示したものであり、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。よって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
なお、以下の実験は、特に明記したものを除き下記の機器及び条件ならびに試薬を用いて行った。
(1)測定機器
(a)粉末X線回折装置(リガク社製RINT2200−V型)、倍率:200倍
(b)電子顕微鏡(日立製作所社製S−2150型又は日本電子株式会社製JSM−6330F)、倍率:4000倍
(2)加熱機器
(a)無酸化雰囲気焼入炉(サーマル社製SAD330型)、使用温度:600〜1060℃、加熱炉有効寸法:φ270×H200、処理量:25kg/gross(治具・トレー含む)、油槽:約250リットル、窒素気流下で実施
(b)高温電気炉(ネムス社製B4S−1Z10−17型)、有効炉内寸法:300W×300W×350H、温度コントローラー付、ヒーター:スーパーカンタル1800×10本、大気中で実施
(c)卓上小型電気炉(日陶科学株式会社製NHK−170型)、使用温度:800〜1200℃
(3)試薬
(a)アルミン酸ナトリウム(和光純薬工業製 試薬1級)
(b)水酸化ナトリウム(東ソー製「トーソパール」、水酸化ナトリウム99%)
(c)ケイ酸カルシウム(和光純薬工業製 試薬1級)
(d)酸化アルミニウム(和光純薬工業製 試薬特級)
[参考例1]廃アスベストの分析
使用した廃アスベストの光学顕微鏡(落射簡易偏光)写真及び電子顕微鏡写真を、それぞれ図1及び図2に示した。また、使用した廃アスベストの粉末X線回折によるJCPDSカードチャートとのマッチングピークによる同定結果を、図3に示した。
図1及び図2より、使用した廃アスベストは、有害とされるアスベストに特有の針状の結晶構造が認められた。また、図3より、使用した廃アスベストは、アンソフィライト(融点1468℃)とクロシドライト(融点1193℃)の混合物にアモサイト(融点1397℃)がわずかに混じったものであることがわかった。
[実施例1]廃アスベストとアルミン酸ナトリウムからのケイ素・アルミニウム含有固溶体の調製
参考例1の廃アスベスト100gとアルミン酸ナトリウム100gに水250mlを加えてよく混合し、水分を蒸発させて廃アスベストとアルミン酸ナトリウムの混合物とした。得られた混合物10gを無酸化雰囲気焼入炉で、1000℃、1時間加熱後冷却して、ケイ素・アルミニウム含有固溶体5.7gを得た。得られた固溶体の電子顕微鏡写真を図4に、粉末X線回折の結果を図6(a)に、及び外観写真を図8(a)にそれぞれ示した。なお、比較のため、参考例1の廃アスベストの粉末X線回折の結果を図6(c)に示した。
図4及び図6より、廃アスベストはアルミン酸ナトリウムと混合することにより低温(1000℃)で固溶体となり、針状結晶構造は消失して無害化することがわかった。また、図8より、この固溶体は粉末状で得られることがわかった。
[実施例2]ケイ素・アルミニウム含有固溶体からのゼオライトの調製
実施例1で得られた固溶体5gを3.5N水酸化ナトリウム溶液100mlに加え、100℃で24時間加熱後、水で数回洗浄し、ろ紙でろ過後、100℃で乾燥して黄土色砂状の最終生成物2.3g(ケイ素源に対する収率46%)を得た。得られた最終生成物の電子顕微鏡写真を図5に、粉末X線回折の結果を図6(b)に、粉末X線回折によるJCPDSカードチャートとのマッチングピークによる同定結果を図7に、及び外観写真を図8(b)にそれぞれ示した。
図5及び図6より、廃アスベストとアルミン酸ナトリウムの固溶体をアルカリ処理することによりゼオライトの結晶が生成することがわかった。また、図7より、生成したゼオライトは主としてソーダライトであることがわかった。さらに、図8より、このゼオライトは上記固溶体と同様に粉末状で得られることがわかった。
[実施例3]ゼオライトの吸着能力の評価
JISK1474活性炭試験方法5.1.2.2(メチレンブルー吸着性能)に準じ、ゼオライトの吸着能力の評価試験を行った。実施例2で得られた最終生成物、ならびに比較のため鋳物廃砂由来のゼオライト(ニチモウ製ゼオキャスト)及び石炭灰由来のゼオライト(九電産業製Ca型人工ゼオライト)を0.25gずつそれぞれ共栓付容器に入れ、メチレンブルー溶液25mlを加えて30分振とう後ろ過した。結果を図9に示した。
図9より、実施例2で得られたゼオライトは、鋳物廃砂由来ゼオライト及び石炭灰由来ゼオライトと同様の優れた吸着能を有することがわかった。
[実施例4]各種加熱処理温度で調製したケイ素・アルミニウム含有固溶体からのゼオライトの調製
加熱処理温度を700℃、800℃及び900℃とした以外は実施例1と同様に処理して、それぞれケイ素・アルミニウム固溶体5.8g、5.7g及び5.6gを得た。得られた各固溶体の外観写真を図10(a)、図11(a)及び図12(a)に、また、得られた固溶体の電子顕微鏡写真を図13〜図15にそれぞれ示した。図10〜図12より、これらの固溶体は粉末状で得られ、また、図13〜図15より、廃アスベストは700〜900℃の低温でも固溶体となり、針状結晶構造は消失して無害化することがわかった。なお、加熱処理温度700℃では、わずかにアスベストの針状結晶構造が認められるが、ほとんど無害化していると考えられる。
上記でそれぞれ得られた固溶体5.5gを用いた以外は実施例2と同様に処理して、それぞれ最終生成物3.8g、3.7g及び3.6gを得た。得られた最終生成物の電子顕微鏡写真を図16〜図18に、粉末X線回折の結果を図19(a)、(b)及び(c)に、並びに外観写真を図10(b)、図11(b)及び図12(b)にそれぞれ示した。
また、固溶体の代わりに、参考例1の廃アスベストとアルミン酸ナトリウムに水を加えてよく混合し、水分を蒸発させて得られた混合物を用いた以外は実施例2と同様に処理して最終生成物を得た。得られた最終生成物(未加熱)の電子顕微鏡写真を図20に、粉末X線回折の結果を図19(d)に示した。なお、比較のため、実施例2の最終生成物(1000℃)及び参考例1の廃アスベストの粉末X線回折の結果を図19(e)及び(f)にそれぞれ示した。
図16〜図19より、針状結晶構造は消失して完全に無害化しゼオライトが生成することがわかった。また、図10〜図12より、これらのゼオライトは上記の各固溶体と同様に粉末状で得られることがわかった。
[実施例5]各種ケイ素・アルミニウム比率で調製したケイ素・アルミニウム含有固溶体からのゼオライトの調製
アルミン酸ナトリウムを5.0g(廃アスベストとアルミン酸ナトリウムの重量比2:1)、2.5g(廃アスベストとアルミン酸ナトリウムの重量比4:1)及び1.0g(廃アスベストとアルミン酸ナトリウムの重量比10:1)とした以外は実施例1と同様に処理して、それぞれケイ素・アルミニウム固溶体12.5g、11.0g及び10.5gを得た。得られた固溶体の電子顕微鏡写真を図21〜図23に、粉末X線回折の結果を図24にそれぞれ示した。
上記でそれぞれ得られた固溶体10gを用いた以外は実施例2と同様に処理して、それぞれ最終生成物4.57g、4.11g及び3.36gを得た。得られた最終生成物の電子顕微鏡写真を図25〜図27にそれぞれ示した。
図21〜図24より、固溶体では、廃アスベストとアルミン酸ナトリウムの重量比4:1〜10:1(ケイ素とアルミニウムのモル比4:1〜10:1)では、アスベストの針状結晶構造が認められるが、廃アスベストとアルミン酸ナトリウムの重量比2:1〜1:1(ケイ素とアルミニウムのモル比2:1〜1:1)では、針状結晶構造は消失して完全に無害化することがわかった。
また、図25〜図27より、最終生成物では、廃アスベストとアルミン酸ナトリウムの重量比1:1〜10:1(ケイ素とアルミニウムのモル比1:1〜10:1)のすべてにおいてアスベストの針状結晶構造は認められず、完全に無害化してゼオライトが生成することがわかった。
[実施例6]廃アスベストと水酸化アルミニウムからのケイ素・アルミニウム含有固溶体の調製
水酸化アルミニウム20gと水酸化ナトリウム10gを乳鉢の中でよくすりつぶし、さらに参考例1の廃アスベスト30gを加えてよく混合した。得られた混合物20gを無酸化雰囲気焼入炉で1000℃で1時間加熱後冷却して、ケイ素・アルミニウム含有固溶体17gを得た。得られた固溶体の電子顕微鏡写真を図28に示した。また、粉末X線回折の結果を、図29に示した。
図28及び図29より、得られた固溶体ではアスベストの針状結晶構造は完全に消失しており、アルミン酸ナトリウムの代わりに水酸化アルミニウム及び水酸化ナトリウムを用いても実施例1と同様の結果が得られることがわかった。
[実施例7]廃アスベストと廃アルミニウムからのケイ素・アルミニウム含有固溶体の調製
廃アルミニウム3gと水酸化ナトリウム4gを乳鉢の中でよくすりつぶし、さらに参考例1の廃アスベスト7gを加えてよく混合した。得られた混合物10gを無酸化雰囲気焼入炉で1000℃で1時間加熱後冷却して、ケイ素・アルミニウム含有固溶体7.1gを得た。得られた固溶体の電子顕微鏡写真を図30に示した。また、粉末X線回折の結果を、図31に示した。
図30及び図31より、得られた固溶体ではアスベストの針状結晶構造は完全に消失しており、アルミン酸ナトリウムの代わりに廃アルミニウム及び水酸化ナトリウムを用いても実施例1と同様の結果が得られることがわかった。
[実施例8]ケイ素・アルミニウム含有固溶体からの他の型のゼオライトの調製
アルミン酸ナトリウム29gを水200mlに溶解してアルミン酸ナトリウム溶液とした。また、水酸化ナトリウム112gを水268gに溶解し、ケイ酸ナトリウム420gを加えてケイ酸ナトリウム溶液とした。得られたアルミン酸ナトリウム溶液とケイ酸ナトリウム溶液を混合して、15℃で16時間熟成しスラリーとした。
ケイ酸ナトリウム34gと水酸化ナトリウム12.3gを水112.2gに溶解してケイ酸ナトリウム溶液とした。得られたケイ酸ナトリウム溶液10.6gに実施例1と同様にして得られたケイ素・アルミニウム含有固溶体3.3gを混合して24時間熟成し、100℃に加熱し、ケイ酸35g、水酸化ナトリウム2g、水35g及びスラリー4mlを加えて105℃で36時間加熱した後、ろ過乾燥して、黄土色砂状の最終生成物を得た。得られた最終生成物の電子顕微鏡写真を図32に、粉末X線回折の結果を図33に、及び粉末X線回折によるJCPDSカードチャートとのマッチングピークによる同定結果を図34にそれぞれ示した。
図32及び図33より、アスベストの針状結晶構造は消失して無害化しゼオライトの結晶が生成することがわかった。また、図34より、生成したゼオライトは主としてソーダライトとゼオライトPの混合型であることがわかった。
[実施例9]ケイ素・アルミニウム含有固溶体からの他の型のゼオライトの調製
アルミン酸ナトリウム29gを水200mlに溶解してアルミン酸ナトリウム溶液とした。また、水酸化ナトリウム112gを水268gに溶解し、ケイ酸ナトリウム420gを加えてケイ酸ナトリウム溶液とした。得られたアルミン酸ナトリウム溶液とケイ酸ナトリウム溶液を混合して、15℃で16時間熟成しスラリーとした。実施例1と同様にして得られたケイ素・アルミニウム含有固溶体4.5gとアスベストの溶融スラグ3.3gをよく混合し、さらにケイ素・アルミニウム含有固溶体4.69g、水47ml及びスラリー2mlを加え、1.5atmの加圧下100℃で40時間加熱した後ろ過し、pHが10以下になるまで洗浄後105℃で16時間乾燥して、黄土色砂状の最終生成物9.6gを得た。得られた最終生成物の電子顕微鏡写真を図35に、粉末X線回折の結果を図36に、及び粉末X線回折によるJCPDSカードチャートとのマッチングピークによる同定結果を図37にそれぞれ示した。
図35及び図36より、アスベストの針状結晶構造は消失して無害化しゼオライトの結晶が生成することがわかった。また、図37より、生成したゼオライトは主としてソーダライトとゼオライトAの混合型であることがわかった。
[実施例10]マイクロウエーブ照射によるゼオライトの調製
参考例1の廃アスベスト100gとアルミン酸ナトリウム100gに水250mlを加えてよく混合し、水分を蒸発させて廃アスベストとアルミン酸ナトリウムの混合物とした。得られた混合物1.0gに同量のカーボンと水を添加し、家庭用電子レンジ(岩谷産業製IM575型、AC100V、定格消費電力900W、定格高周波出力500W)に入れマイクロウエーブを10分間照射して、ケイ素・アルミニウム含有固溶体0.78gを得た。得られた固溶体の電子顕微鏡写真を図38に示した。これより、わずかにアスベストの針状結晶構造が認められるが、ほとんど無害化していることが推察される。
上記で得られた固溶体を用いた以外は実施例2と同様に処理して、最終生成物0.42gを得た。得られた最終生成物の電子顕微鏡写真を図39に、粉末X線回折の結果を図40(a)にそれぞれ示した。なお、比較のため、実施例2の最終生成物(無酸化雰囲気焼入炉で加熱処理)の粉末X線回折の結果を図40(b)に示した。
図39及び図40より、得られた最終生成物では、針状結晶構造が完全に消失してオライトが生成しており、マイクロウエーブ照射による加熱処理によって極めて短時間で実施例2と同様のゼオライトを製造できることがわかった。
[実施例11]ケイ素含有固溶体からのゼオライトの調製
アルミン酸ナトリウムの代わりにケイ酸ナトリウム(ケイ酸ナトリウム5g、廃アスベスト5g)を用いた以外は実施例1と同様に処理して、ケイ素固溶体7.4gを得た。得られた固溶体の電子顕微鏡写真を図41に示した。これより、アスベストの針状結晶構造は消失し、無害化していることがわかった。
得られた固溶体0.5gとアルミン酸ナトリウム0.25gを混合し、3.5N水酸化ナトリウム溶液100mlに加え、100℃で24時間加熱後水で数回洗浄し、ろ紙でろ過後100℃で乾燥して、黄土色砂状の最終生成物0.49gを得た。得られた最終生成物の電子顕微鏡写真を図42に、粉末X線回折の結果を図43(a)にそれぞれ示した。なお、比較のため、実施例2の最終生成物(ケイ素・アルミニウム含有固溶体からの調整)の粉末X線回折の結果を図43(b)に示した。
図42及び図43より、得られた最終生成物では、針状結晶構造が完全に消失してゼオライトが生成しており、ケイ素含有固溶体からも実施例2と同様のゼオライトを製造できることがわかった。
[参考例2]廃アスベストの溶融スラグの調製
参考例1の廃アスベスト40gを、高温電気炉で平均1500℃で4時間加熱溶融した後室温まで冷却し、廃アスベストの溶融スラグ26.0gを得た。得られた溶融スラグの電子顕微鏡写真を図44に、粉末X線回折の結果を図46(a)にそれぞれ示した。なお、比較のため、参考例1の廃アスベストの粉末X線回折の結果を図46(c)に示した。
図44及び図46より、廃アスベストは加熱することにより塊状の溶融スラグとなり、針状結晶構造は消失して無害化することがわかった。
[実施例12]廃アスベストの溶融スラグ及びアルミン酸ナトリウムからのゼオライトの調製
参考例2で得られた溶融スラグ10g及びアルミン酸ナトリウム10gを3.5N水酸化ナトリウム溶液160mlに加え、100℃で24時間加熱後水で数回洗浄し、遠心分離機で分離後100℃で乾燥して、黄土色砂状の最終生成物13.9g(ケイ素源に対する収率139%)を得た。得られた最終生成物の電子顕微鏡写真を図45に、粉末X線回折の結果を図46(b)にそれぞれ示した。
図45及び図46より、廃アスベストの溶融スラグとアルミン酸ナトリウムをアルカリ処理することによりゼオライトの結晶が生成することがわかった。
[比較例1]廃アスベスト及びアルミン酸ナトリウムからのゼオライトの調製
溶融スラグの代わりに廃アスベスト10gを用いた以外は実施例12と同様に処理して、黄土色針状繊維状の最終生成物7.7g(ケイ素源に対する収率76.9%)を得た。得られた最終生成物の電子顕微鏡写真を図47に示した。
図47より、廃アスベストとアルミン酸ナトリウムをアルカリ処理しても、針状の結晶構造が残存し無害化しておらず、ゼオライトも生成しないことがわかった。
[比較例2]廃アスベストの溶融スラグからのゼオライトの調製
溶融スラグ及びアルミン酸ナトリウムの代わりに溶融スラグ20gを用いた以外は実施例12と同様に処理して、灰色粒状の最終生成物10.4g(ケイ素源に対する収率104.2%)を得た。得られた最終生成物の電子顕微鏡写真を図48に示した。
図48より、溶融スラグにアルミン酸ナトリウムを加えずにアルカリ処理しても、廃アスベストの形状はアモルファス状のまま変化せず、ゼオライトが生成しないことがわかった。
[実施例13]廃アスベストの溶融スラグ及び廃アルミニウムからのゼオライトの調製
アルミン酸ナトリウムの代わりに市販の清涼飲料水の蓋から採取した廃アルミニウムを用いた以外は実施例1と同様に処理して、黄土色砂状の最終生成物17.6g(ケイ素源に対する収率176.7%)を得た。得られた最終生成物の電子顕微鏡写真を図49に示した。
図49より、アルミニウム源として廃アルミを用いた場合も、実施例12とほぼ同様の結果が得られることがわかった。
[実施例14]無害化廃アスベスト溶融物と溶融点降下物質との熱処理後の外観評価
廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)等の改正により、一般的な事業所等の設備ではアスベストの取り扱いが困難になったため、本発明においては、参考例1の廃アスベストを1500℃で加熱処理し、無害化した岩石状の廃アスベスト溶融物を粉状に粉砕したものを用いて実験を行った。なお、無害化した岩石状の廃アスベスト溶融物の外観写真を図50(a)に、これを粉状に粉砕したものの外観写真を図50(b)に示した。
アルミン酸ナトリウムと前記無害化廃アスベスト溶融物粉末とを重量比1:1で混合し、卓上小型電気炉を用いて800℃及び1200℃で熱処理を行った。得られた生成物の外観写真を図51及び図52にそれぞれ示した。図51より、800℃で熱処理を行った生成物の外観は粉末状であり、図52より、1200℃で熱処理を行った生成物の外観は塊状であることがわかった。
また、ケイ酸カルシウム又はケイ酸カルシウムに酸化アルミニウムを15%混合したものと、無害化廃アスベスト溶融物粉末とを重量比1:1で混合し、卓上小型電気炉を用いて1200℃で加熱処理を行った。得られた生成物の外観写真を図53及び図54にそれぞれ示した。また、無害化廃アスベスト溶融物粉末に酸化アルミニウムを15%混合し、上記と同様の条件で加熱処理を行った。得られた各生成物の外観写真を図55に示した。図53〜図55より、1200℃で熱処理を行った各生成物の外観は塊状であることがわかった。
実施例1、4及び14の結果より、本発明のゼオライトの製造工程における最適な熱処理温度は、熱処理後の生成物の外観が粉末状である1000℃以下であることがわかった。
本発明のゼオライトの製造方法によれば、従来法に比べて極めて低温で廃アスベストを含む原料混合物を溶融固溶化し、アスベストの針状結晶構造を消失させ無害化することができるので、経済的負担をかけることなく、それを有効に再利用して簡易にゼオライトを製造することができる。また、その生成物が粉末状であるので、取り扱いが容易で運搬性に優れた原材料を用いてゼオライトを製造することができる。さらに、廃アスベストを含む原料混合物中に有害ガスの発生源となり得る物質を含まないので、安全性に優れた原材料を用いてゼオライトを製造することができる。
従って、本発明のゼオライトの製造方法により得られるゼオライトは極めてすぐれた吸着能を有し、シックハウス症候群の原因とされるホルムアルデヒド等の吸着能力、調湿能力や吸湿能力を利用した建材への応用、美術館への応用、有害物質の吸着能力を利用した土壌改善剤への応用、環境ホルモンの吸着、汚水処理や浄水場での利用、におい、アンモニアの吸着能力を利用したペット用、車、家庭用消臭剤等として利用した場合、極めて有用である。
使用した廃アスベストの光学顕微鏡(落射簡易偏光)写真である(参考例1)。 使用した廃アスベストの電子顕微鏡写真である(参考例1)。 使用した廃アスベストの粉末X線回折によるJCPDSカードチャートとのマッチングピークによる同定結果である(参考例1)。 廃アスベストとアルミン酸ナトリウムから得られたケイ素・アルミニウム含有固溶体の電子顕微鏡写真である(実施例1)。 実施例1のケイ素・アルミニウム含有固溶体から得られた最終生成物の電子顕微鏡写真である(実施例2)。 実施例1の固溶体、実施例2の最終生成物及び参考例1の廃アスベストの粉末X線回折の結果である。 実施例2の最終生成物の粉末X線回折によるJCPDSカードチャートとのマッチングピークによる同定結果である。 実施例1のケイ素・アルミニウム含有固溶体、及び実施例2の最終生成物の外観写真である。 実施例2の最終生成物の吸着能力の評価試験結果である(実施例3)。 加熱処理温度700℃で得られたケイ素・アルミニウム含有固溶体(実施例4)、及びその最終生成物の外観写真である。 加熱処理温度800℃で得られたケイ素・アルミニウム含有固溶体(実施例4)、及びその最終生成物の外観の写真である。 加熱処理温度900℃で得られたケイ素・アルミニウム含有固溶体(実施例4)、及びその最終生成物の外観写真である。 加熱処理温度700℃で得られたケイ素・アルミニウム固溶体の電子顕微鏡写真である(実施例4)。 加熱処理温度800℃で得られたケイ素・アルミニウム固溶体の電子顕微鏡写真である(実施例4)。 加熱処理温度900℃で得られたケイ素・アルミニウム固溶体の電子顕微鏡写真である(実施例4)。 加熱処理温度700℃で得られた最終生成物の電子顕微鏡写真である(実施例4)。 加熱処理温度800℃で得られた最終生成物の電子顕微鏡写真である(実施例4)。 加熱処理温度900℃で得られた最終生成物の電子顕微鏡写真である(実施例4)。 加熱処理温度700℃、800℃、900℃、未加熱(実施例4)及び1000℃(実施例2)で得られた最終生成物ならびに廃アスベスト(参考例1)の粉末X線回折の結果である。 未加熱で得られた最終生成物の電子顕微鏡写真である(実施例4)。 廃アスベストとアルミン酸ナトリウムの重量比2:1で得られた固溶体の電子顕微鏡写真である(実施例5)。 廃アスベストとアルミン酸ナトリウムの重量比4:1で得られた固溶体の電子顕微鏡写真である(実施例5)。 廃アスベストとアルミン酸ナトリウムの重量比10:1で得られた固溶体の電子顕微鏡写真である(実施例5)。 廃アスベストとアルミン酸ナトリウムの重量比2:1、4:1及び10:1で得られた固溶体の粉末X線回折の結果である(実施例5)。 廃アスベストとアルミン酸ナトリウムの重量比2:1で得られた最終生成物の電子顕微鏡写真である(実施例5)。 廃アスベストとアルミン酸ナトリウムの重量比4:1で得られた最終生成物の電子顕微鏡写真である(実施例5)。 廃アスベストとアルミン酸ナトリウムの重量比10:1で得られた最終生成物の電子顕微鏡写真である(実施例5)。 廃アスベストと水酸化アルミニウムから得られたケイ素・アルミニウム含有固溶体の電子顕微鏡写真である(実施例6)。 廃アスベストと水酸化アルミニウムから得られたケイ素・アルミニウム含有固溶体の粉末X線回折の結果である。 廃アスベストと廃アルミニウムから得られたケイ素・アルミニウム含有固溶体の電子顕微鏡写真である(実施例7)。 廃アスベストと廃アルミニウムから得られたケイ素・アルミニウム含有固溶体の粉末X線回折の結果である。 ケイ素・アルミニウム含有固溶体から得られた他の型の最終生成物の電子顕微鏡写真である(実施例8)。 実施例8の最終生成物の粉末X線回折の結果である。 実施例8の最終生成物の粉末X線回折によるJCPDSカードチャートとのマッチングピークによる同定結果である。 ケイ素・アルミニウム含有固溶体から得られた他の型の最終生成物の電子顕微鏡写真である(実施例9)。 実施例9の最終生成物の粉末X線回折の結果である。 実施例9の最終生成物の粉末X線回折によるJCPDSカードチャートとのマッチングピークによる同定結果である。 マイクロウエーブ照射による加熱処理によって得られたケイ素・アルミニウム固溶体の電子顕微鏡写真である(実施例10)。 マイクロウエーブ照射による加熱処理によって得られた最終生成物の電子顕微鏡写真である(実施例10)。 実施例10及び実施例2の最終生成物の粉末X線回折の結果である。 ケイ素含有固溶体の電子顕微鏡写真である(実施例11)。 ケイ素含有固溶体から得られた最終生成物の電子顕微鏡写真である(実施例11)。 実施例11及び実施例2の最終生成物の粉末X線回折の結果である。 廃アスベストの溶融スラグの電子顕微鏡写真である(参考例2)。 参考例2の溶融スラグから得られた最終生成物の電子顕微鏡写真である(実施例12)。 参考例2の溶融スラグ、実施例12の最終生成物及び参考例1の廃アスベストの粉末X線回折の結果である。 廃アスベスト及びアルミン酸ナトリウムからの最終生成物の電子顕微鏡写真である(比較例1)。 廃アスベストの溶融スラグからの最終生成物の電子顕微鏡写真である(比較例2)。 廃アスベストの溶融スラグ及び廃アルミニウムからの最終生成物の電子顕微鏡写真である(実施例13)。 無害化した岩石状の廃アスベスト溶融物、及びこれを粉状に粉砕したものの外観写真である(実施例14)。 アルミン酸ナトリウムと無害化廃アスベスト溶融物粉末とを重量比1:1で混合し、800℃で加熱処理して得られた生成物の外観写真である(実施例14)。 アルミン酸ナトリウムと無害化廃アスベスト溶融物粉末とを重量比1:1で混合し、1200℃で加熱処理して得られた生成物の外観写真である(実施例14)。 ケイ酸カルシウムと無害化廃アスベスト溶融物粉末とを重量比1:1で混合し、1200℃で加熱処理して得られた生成物の外観写真である(実施例14)。 ケイ酸カルシウムに酸化アルミニウムを15%混合したものと、無害化廃アスベスト溶融物粉末とを重量比1:1で混合し、1200℃で加熱処理して得られた生成物の外観写真である(実施例14)。 無害化廃アスベスト溶融物粉末に酸化アルミニウムを15%混合し、1200℃で加熱処理して得られた生成物の外観写真である(実施例14)。

Claims (7)

  1. 廃アスベストとアルミン酸又はその塩とを混合した後、700〜1000℃で加熱処理してケイ素・アルミニウム含有固溶体とすることを特徴とする、廃アスベストの無害化処理方法。
  2. アスベストとアルミン酸エステル、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、アルミン酸及びアルミン酸塩からなる群より選択される少なくとも1つのアルミニウム含有物質とを混合した後加熱処理してケイ素・アルミニウム含有固溶体とし、次いで前記ケイ素・アルミニウム含有固溶体をアルカリ処理することを特徴とする、ゼオライトの製造方法。
  3. 前記アルミニウム含有物質は、アルミン酸又はその塩であることを特徴とする、請求項に記載のゼオライトの製造方法。
  4. 前記加熱処理は、700℃以上で行われることを特徴とする、請求項又はに記載のゼオライトの製造方法。
  5. 前記加熱処理は、700〜900℃で行われることを特徴とする、請求項のいずれか1項に記載のゼオライトの製造方法。
  6. アスベストとアルミン酸又はその塩とを混合した後、700〜1000℃で加熱処理して得られることを特徴とする、ケイ素・アルミニウム含有固溶体。
  7. アスベストとアルミン酸又はその塩とを混合した後、800〜900℃で加熱処理して得られることを特徴とする、ケイ素・アルミニウム含有固溶体。
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