JP2007160223A - 溶融スラグを利用した排ガス中和剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶融スラグを有効利用する方法を提供すること。
【解決手段】廃棄物焼却設備に付設の溶融炉から排出された溶融スラグに、水酸化カルシウム、硫酸カルシウム、および水を添加し、湿式粉砕機を用いて粉砕しながら水和反応して得た懸濁液を乾燥することにより得られる排ガス中和剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、廃棄物焼却設備付設の灰溶融設備から排出された溶融スラグを有効利用した排ガス中和剤、ならびに廃棄物焼却設備の排ガス処理装置などにおいて、排ガス中に含まれる塩化水素ガス、硫黄酸化物などの酸性ガスを処理する方法に関する。
一般ごみの焼却設備は、通常、焼却炉、高温排ガスの冷却用熱交換器、水噴霧装置、塩酸ガス、硫黄酸化物等の酸性ガスの中和、窒素酸化物の処理装置、ダイオキシン類等の有害成分除去装置、集塵機から構成されている。
酸性ガスの中和剤としては、消石灰が主流で、その他、水酸化アルカリ、炭酸アルカリ、炭酸水素アルカリ、セメント水和物、生コンクリートスラッジ等を利用する技術が開示されている。
一方、焼却後に排出される焼却灰は、昨今の埋め立て処分地の逼迫により減容化が望まれ、ごみ焼却設備に付設した溶融炉で溶かして、冷却・スラグ化する技術が導入されてきている。高温下で溶融しガラス化するため、スラグ化後の容積は、溶融前の1/2程度の体積に減容化できる。
焼却灰から得られた溶融スラグは、高温下で処理されるためダイオキシン類等をほとんど含まず、さらに重金属類は溶融時に溶融炉の炉底部から分離できる利点もある。しかし、このような溶融スラグは、一部が路盤材等の骨材に利用されているが、廃棄物由来の材料であること、長期的に見た安全性が不明瞭なことを理由に、有効利用率は低く、ほとんどがそのまま埋立て処分されているのが現状である。
埋立て処分ではなく溶融スラグを有効利用する技術として、路盤材等の骨材用に破砕機で破砕された際に発生する細粒スラグを、ごみ焼却炉及び付設溶融炉の排ガス処理設備であるバグフィルタで反応助剤として使用する方法及びその装置が開示されている(特許文献1)。
特開2004−216303号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているように中和剤として消石灰を利用し、その反応助剤として、路盤材等骨材製造時に発生する細粒の溶融スラグを利用するだけでは、有効利用される量が少ない。また、この場合、中和処理できる排ガス量は消石灰の量に左右され、消石灰量を多くすると排ガス中和能が高くなるが、反応後に残存する消石灰量が多くなり、中和処理後の飛灰のアルカリ性が高くなる。飛灰が高アルカリ性であると、セメント固化処理など安定化処理をして埋め立て処分をした時に、鉛等の重金属が溶出するという問題を引き起こす。したがって、高い排ガス中和能と低アルカリ性が両立した排ガス中和剤が望まれている。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、焼却灰から得られた溶融スラグに、水酸化カルシウム、硫酸カルシウム、および水を添加し、湿式粉砕しながら水和反応して得た懸濁液を乾燥することにより、高い排ガス中和能と低アルカリ性が両立した排ガス中和剤が得られることを見出し、溶融スラグの有効利用に関する本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1)廃棄物焼却設備に付設の溶融炉から排出された溶融スラグに、(a)水酸化カルシウム、(b)硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルカリ及び炭酸アルカリから選ばれる1種以上、および(c)水を添加し、湿式粉砕機を用いて粉砕しながら水和反応して得た懸濁液を乾燥することにより得られる排ガス中和剤;
(2)溶融スラグを30〜94重量部、(a)水酸化カルシウムを5〜60重量部、(b)硫酸カルシウム硫酸マグネシウム、硫酸アルカリ及び炭酸アルカリから選ばれる1種以上を無水換算で1〜10重量部、および(c)水100〜1800重量部を添加して湿式粉砕する上記(1)の排ガス中和剤;
(3)湿式粉砕機中で、常温〜100℃で0.5〜10時間、粉砕しながら水和反応させる上記(1)又は(2)の排ガス中和剤;
(4)粒子径が1.5〜5.0μmで、比表面積が50〜200m2/gである上記(1)〜(3)のいずれかの排ガス中和剤;
(5)廃棄物焼却設備の排ガス中和装置において、上記(1)〜(4)のいずれかの排ガス中和剤を使用する排ガスの処理方法;
を提供する。
焼却灰から得られた溶融スラグに、(a)水酸化カルシウム、(b)硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルカリ及び炭酸アルカリから選ばれる1種以上、および(c)水を添加し、湿式粉砕しながら水和反応して得た懸濁液を乾燥することにより得た粉体は、高い排ガス中和能と低アルカリ性が両立した排ガス中和剤であり、本発明の排ガス中和剤は、溶融スラグを多量に使用する有効利用方法となる。
本発明の排ガス中和剤は、焼却灰からの溶融スラグに、(a)水酸化カルシウム、(b)硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルカリ及び炭酸アルカリから選ばれる1種以上、および(c)水を添加し、湿式粉砕しながら水和反応して得た懸濁液を乾燥することにより得る。これら原料の混合割合は、溶融スラグ30〜94重量部、(a)水酸化カルシウムを5〜60重量部、(b)硫酸カルシウム硫酸マグネシウム、硫酸アルカリ及び炭酸アルカリから選ばれる1種以上1〜10重量部、および(c)水100〜1800重量部であることが好ましい。
本発明において、溶融スラグは、一般ごみや産業廃棄物の焼却設備に付設された焼却灰の溶融炉でスラグ化されたものであれば特に制限なく使用することができる。
溶融炉では焼却炉からの焼却灰が1200℃以上の高温で溶融され、その溶融物から重金属物質は炉底から抜き出され、他が冷却・固化されてガラス質のスラグとなる。溶融スラグは、通常、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化鉄などを構成成分とし、基本的に、酸化ケイ素(SiO2)、酸化アルミニウム(Al23)のガラス状ネットワーク(Si−O−Al−)がマトリックスとして形成され、その電荷のバランスをとるように内部にアルカリ金属、アルカリ土類金属を内在した構造である。
本発明の排ガス中和剤は、溶融スラグを、ボールミル、アトライター、タワーミル等の湿式粉砕機中に入れ、(a)水酸化カルシウム、(b)硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルカリ及び炭酸アルカリから選ばれる1種以上、および(c)水を添加し、常温〜100℃で0.5〜10時間、混合粉砕しながら溶融スラグを水和反応させ、得られた懸濁液を乾燥することにより得ることができる。
この湿式粉砕によって、溶融スラグは微粉化され、硫酸カルシウム等及び水酸化カルシウムを反応促進剤とする水和反応によって、溶融スラグのガラス状ネットワークのAl−O−Si結合が切断され、ネットワーク構造が破壊されて、内在されていたアルカリ分が遊離する。そのアルカリ分が、溶融スラグのネットワークを形成していたSi−O結合や,Al−O−Si結合を切断し、結果として次のような化合物を含む粉体が生成する。
非晶質のCaO・SiO2・H2O、CaO・Al23・SiO2・H2O(ケイ酸カルシウム水和物)、および結晶性の3CaO・Al23・3CaSO4・32H2O(エトリンガイト)、3CaO・Al23・CaSO4・12H2O(モノサルフェート水和物)、結晶性CaO・Al23・H2O化合物である。これらはいずれもアルカリ性物質であるが、非晶質のケイ酸カルシウム水和物(CaO・SiO2・H2O、CaO・Al23・SiO2・H2O)が、比表面積値が極めて大きいアルカリ性物質であり、酸と非常によく反応する。
すなわち、本発明の排ガス中和剤は、比表面積値が極めて大きい非晶質のケイ酸カルシウム水和物を主要成分とする溶融スラグ由来のアルカリ性物質からなる中和剤である。
なお、本発明の排ガス中和剤の製造において、添加した水酸化カルシウムのほとんどはケイ酸カルシウム水和物などの構成物質となるが、過剰分は、比表面積値が小さく効率の悪い排ガス中和剤である消石灰として残留するので、水酸化カルシウムの添加量は溶融スラグ中のカルシウム分の量に応じて決めるのが好ましい。
このようにして得た本発明の排ガス中和剤は、平均粒子径が1.5〜5.0μmで、比表面積が50〜200m2/gの粉体である。
本発明の排ガス中和剤は、廃棄物焼却設備の排ガス中和装置において、煙道吹き込み方式、煙道噴霧方式、湿式スクラバー方式などにより使用される。
本発明の排ガス中和剤は上記の如く、比表面積が非常に大きい微粉体であり、排ガス中和設備において、従来用いられてきた消石灰(比表面積:1〜15m2/g程度)に比してはるかに効率的に酸性排ガスと反応する。
また、本発明の排ガス中和剤は、排ガスとの反応後に生成する飛灰が、消石灰に比べてアルカリ性が低く、セメント固化処理などを行って埋め立てしても、鉛など重金属の溶出はほとんどない。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1
一般ごみ焼却設備から入手した溶融スラグ(化学組成を表1に示す。)100g、消石灰30g、セッコウ5gに水1300gを入れた懸濁液をボールミル(媒体:φ4mmの高クローム球)に入れ、ヒーターで80℃に加温しながら5時間粉砕した。得られたスラリーを真空乾燥機で減圧下にて100℃含水率が2%以下になるように乾燥させ、粉体を得た。粉体の物性値を表2に示す。
Figure 2007160223
得られた粉体を0.1g正確に秤り取り、10リットルのガスバッグに封入した。該ガスバッグに1000ppmHClガスを10リットル(2リットル/minで5分間)注入し、10秒間手で振とう後、静置し、静置後1、5分後のHCl残存ガス濃度をガス検知管にて測定した。
また、100mlビーカーに該粉体を1g加えてスターラーにて攪拌し、0.1N HCl水溶液をビュレットにて徐々に滴下し、水溶液中の水素イオン濃度(pH)が7となるのに要した滴下量を測定した。
試験結果を表3に示す。
比較例1
JIS特号消石灰(物性値を表2に示す。)を0.1g正確に秤り取り、10リットルのガスバッグに封入し、該ガスバッグに1000ppmHClガスを10リットル(2リットル/minで5分間)注入し、コックをした後10秒間手で振とう後、静置し、静置後1、5分後のHCl残存ガス濃度をガス検知管にて測定した。
また、100mlビーカーに該粉体を1g加えてスターラーにて攪拌し、0.1N HCl水溶液をビュレットにて徐々に滴下し、水溶液中の水素イオン濃度(pH)が7となるのに要した滴下量を測定した。
試験結果を表3に示す。
Figure 2007160223
Figure 2007160223

Claims (5)

  1. 廃棄物焼却設備に付設の溶融炉から排出された溶融スラグに、(a)水酸化カルシウム、(b)硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルカリ及び炭酸アルカリから選ばれる1種以上、および(c)水を添加し、湿式粉砕機を用いて粉砕しながら水和反応して得た懸濁液を乾燥することにより得られる排ガス中和剤。
  2. 溶融スラグを30〜94重量部、(a)水酸化カルシウムを5〜60重量部、(b)硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルカリ及び炭酸アルカリから選ばれる1種以上を無水換算で1〜10重量部、および(c)水100〜1800重量部を添加して湿式粉砕する請求項1に記載の排ガス中和剤。
  3. 湿式粉砕機中で、常温〜100℃で0.5〜10時間、粉砕しながら水和反応させる請求項1又は2に記載の排ガス中和剤。
  4. 粒子径が1.5〜5.0μmで、比表面積が50〜200m2/gである請求項1〜3のいずれかに記載の排ガス中和剤。
  5. 廃棄物焼却設備の排ガス処理装置において、請求項1〜4のいずれかに記載の排ガス中和剤を使用する排ガスの処理方法。
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