JP5065690B2 - バー塗布方法 - Google Patents

バー塗布方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5065690B2
JP5065690B2 JP2007006032A JP2007006032A JP5065690B2 JP 5065690 B2 JP5065690 B2 JP 5065690B2 JP 2007006032 A JP2007006032 A JP 2007006032A JP 2007006032 A JP2007006032 A JP 2007006032A JP 5065690 B2 JP5065690 B2 JP 5065690B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bar
coating
drive shaft
rotation
web
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007006032A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008168268A (ja
Inventor
俊哉 三田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2007006032A priority Critical patent/JP5065690B2/ja
Publication of JP2008168268A publication Critical patent/JP2008168268A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5065690B2 publication Critical patent/JP5065690B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Coating Apparatus (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Description

本発明はバー塗布方法及び装置に係り、特に、可撓性支持体(以下「ウエブ」という)に塗布液を塗布して光学補償フィルム等の光学フィルムや写真感光材料、磁気記録媒体等を製造するのに好適なバー塗布方法及び装置に関する。
ウエブ表面に塗布液を塗布する塗布装置としては、バー塗布装置(バーコータ)、リバースロール塗布装置、グラビアロール塗布装置、エクストルージョン塗布装置等がある。この中でもバー塗布装置は、設備が簡便で薄層塗布が可能であることから、光学フィルムや磁気記録媒体の製造における塗布装置として採用されている。
このバー塗布装置は、大別すると次の2つの種類がある。第1の種類は、連続走行するウエブを回転する塗工用バーに接触させて、このウエブに塗布液の転移塗布と所望の塗布量の計量とを同時に行う塗布・計量一体型の方式である。
第2の種類は、プレコート装置で過剰の塗布液をウエブに塗布しておいて、これに回転する塗工用バーを接触させて塗布液の過剰分を掻き落とすことにより所望の塗布量の計量を行う塗布・計量別体型の方式である。
いずれの方式のバー塗布装置においても、従来は、フラットバー、ワイヤーバー、溝付バー等の塗工用バーを、撓みが発生しないようにバー支持台の支持溝に支持するとともに塗工用バーの両側を回転駆動装置の回転軸に直接連結していた。そして、回転駆動装置で塗工用バーを回転させることにより、塗工用バーとウエブとの間に異物がトラップされるのを防止し、これにより異物による塗布スジの発生を防止している。
ところで、近年、光学フィルム等において層厚さが2μm以下の極薄い層を精密に塗布する塗布技術が求められ、塗工用バーの外径が1mm以上10mm以下という細径のものを使用するようになってきている。
従来のように塗工用バーの径が太い場合には、塗工用バーと回転駆動装置との芯ズレによって、塗工用バーが支持溝に均等に支持されないという不具合が生じても、回転ムラ及び振動を発生させるほどに塗工用バーが撓んでしまうことはなかった。
ところが、塗工用バーが細くなって剛性が小さくなると、塗工用バーと回転駆動装置との僅かな芯ズレによって塗工用バーが支持溝に均等に支持されないという不具合が生じ、これにより塗工用バーが撓んでしまうという問題が発生する。
その結果、塗工用バーに回転ムラ及び振動を生じ、ウエブに塗布された塗布層に塗布ムラが生じてしまう。
これに対し、塗工用バーの回転ムラ及び振動をなくすために、塗工用バーと回転駆動装置との軸芯合わせを高精度に行って、塗工用バーの全長が支持溝に対して均等に支持されるように調整することが必要であるが、芯出しに長時間を要してしまい、生産性の点で問題がある。
一方、本出願人により、塗布膜の厚さを極薄にするために塗工用バーを細径にしても、回転ムラ及び振動に伴う塗布ムラを発生することがなく、しかも塗工用バーと回転駆動装置との間の芯出しを行う必要がないバー塗布装置の提案がなされている(特許文献1)。
この提案は、回転駆動装置と塗工用バーとの間を、自由度を備えたカップリング部材で連結し、これにより、回転駆動装置と塗工用バーとの間に多少の軸芯ズレがあっても、塗工用バーが支持溝に均等に支持される構成のバー塗布装置に関するものであり、所定の効果が確認されている。
特開2003−175358号公報
しかしながら、塗布バーの回転時の振動が大きくなると、支持体の塗布面に段状の塗布ムラや、泡スジ(泡の発生によって生じるスジ)等の塗布面故障が発生することがある。特に、塗布バーを高速回転させたときには、塗布面故障が発生しやすい。
本発明は、上記事実を考慮し、塗布バーの振動を抑制して塗布面故障の発生を防止可能なバー塗布装置と、このバー塗布装置を使用したバー塗布方法を得ることを課題とする。
本発明の請求項1に記載の発明は前記目的を達成するために、回転駆動力を発生させる回転駆動源と、前記回転駆動源の回転を前記塗布バーに伝達するためのバー駆動シャフトと、前記回転駆動源の回転駆動力を前記バー駆動シャフトに伝達するベルトと、を備え、走行する支持体上に塗布バーにより塗布液を塗布するバー塗布装置を用いたバー塗布方法であって、前記バー駆動シャフトの前記塗布バーと接続される先端の振れ回りの最大値を100μmとし、且つ前記バー駆動シャフトの回転軸芯と前記塗布バーの回転軸芯との交差角度の最大値を1°とした前記バー塗布装置を用いて塗布することを特徴とするバー塗布方法を提供する。
請求項1に記載の発明によれば、回転駆動源で発生する回転駆動力を、ベルトを介してバー駆動シャフトに伝達することから、回転駆動源が回転駆動力を発生させる際に生じる回転ムラや振動がバー駆動シャフトを介して塗布バーに伝達されることがない。このため、バー塗布の際に塗布バーが振れ回ることがなく、支持体上に形成される塗布膜に塗布ムラが発生することがない。
請求項1に記載の発明によれば、バー塗布時におけるバー駆動シャフトの先端の振れ回りが規制されているので、塗布バーに回転ムラや振動が発生せず、支持体上に形成される塗布膜に塗布ムラが発生することがない。
また請求項1に記載の発明によれば、回転駆動源の回転軸芯と塗布バーの回転軸芯のズレによる振動が塗布バーに伝わりにくくなり、塗布バーが振れ回ることがなく、バー塗布の際に支持体上に形成される塗布膜に塗布ムラが発生することがない。
請求項2に記載の発明は請求項1において、前記バー駆動シャフトは、2点以上で支持されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、バー駆動シャフトは2点以上で確実に支持されているので、回転駆動源からバー駆動シャフトに回転動力が伝達される際に、バー駆動シャフトにヒネリ等の外力が作用してもバー駆動シャフトの回転軸に回転ムラや振動が発生することがない。このため、バー塗布の際に塗布バーが振れ回ることがなく、支持体上に形成される塗布膜に塗布ムラが発生することがない。
請求項3に記載の発明は請求項1又は2において、前記バー駆動シャフトは、前記塗布バーとカップリングを介して結合されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、バー駆動シャフトと塗布バーとの間に多少の軸芯のズレがあっても、この軸芯のズレに起因する振動が塗布バーに伝わりにくくなり、支持体上に形成される塗布膜に塗布ムラが発生することがない。
請求項4に記載の発明は請求項3において、前記カップリングの静的ねじりばね定数は、3400N・m/rad以下であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、回転駆動源の軸芯と塗布バーの軸芯とのズレによる振動が塗布バーに伝わりにくくなり、塗布バーの振動を一層抑制し、バー塗布の際に支持体上に形成される塗布膜に塗布ムラが発生することがない。
本発明によれば、塗布バーの振動を抑制して塗布面故障の発生を防止できる。
以下、添付図面に従って本発明に係るバー塗布装置の好ましい実施形態について説明する。図1は、本発明に係るバー塗布装置の第1の実施形態を示す概略構成図である。図2は、本実施の形態に係るバー塗布装置の塗布バー付近の拡大概略構成図である。図3は、本実施の形態に係るバー塗布装置のバー駆動シャフト付近の拡大概略構成図である。
図1及び図2に示すように、本実施の形態に係るバー塗布装置10は、連続走行するウエブ12に対し下方から接触し塗布液を塗布するように配置された塗布バー14を有している。この塗布バー14は、略円柱状(又は略円筒状)に形成されており、その長手方向が、ウエブ12の幅方向と一致する向きとなるように、支持部材16に支持されている。
支持部材16の上面は、塗布バー14の外周面を支持する凹状の支持面16Sとされており、この塗布バー14は、この支持面16Sに接触した状態で、回転可能に支持されている。
支持部材16の上流側及び下流側には、図2に示すように、それぞれ、堰板18、20が配置されている。それぞれの堰板18、20と支持部材16との間には、所定の間隙が構成されており、特に、上流側の堰板18と支持部材16との間隙は塗布液供給路22とされている。図示しない塗布液供給装置から送られた塗布液は、塗布液供給路22を通り、塗布バー14の回転によって、塗布液が順次掻き上げられて、ウエブ12に移転される。また、ウエブ12と塗布バー14との接触部分の上流側において、ウエブ12と堰板20と塗布バー14との間で塗布液の液溜まり24が形成される。
支持部材16の側方には、モータ(回転駆動源)26が配置されている。モータ26のシャフト26Sは、図2に示すように、ベルト28を介してバー駆動シャフト30の回転シャフト30Sと結合されている。ここで、ベルト28としては、モータ26の振動をバー駆動シャフト30に伝達させないための観点から、シームレスベルトが好適に用いられる。
ここで、モータ26としては、一定の回転数で回転駆動できるものであればよく、公知の各種モータが使用できる。たとえば、DCモータ(2相、3相、5相)、ACモータ、インバータモータ、ステッピングモータ、サーボモータ等が使用でき、目的により速度制御モータ、トルク制御モータ等が使用できる。
バー駆動シャフト30は、図2に示すように、その両端部の付近において、固定部材30A、30Bを用いて2点で支持台32に固定されている。
図4は、バー駆動シャフト30の設置位置を塗布バー14の中心線との関係で表した平面図である。図4に示すように、バー駆動シャフト30の回転軸芯と塗布バー14の回転軸芯とのなす角度θは1°以内であることが好ましい。その理由としては、バー駆動シャフト30回転軸芯と塗布バー14の回転軸芯とのなす角が1°を超えた位置には、バーの振れ回りが大きくなり、ウエブ12上に形成される塗布膜に段状ムラが発生してしまうからである。なお、バー駆動シャフト30の回転シャフト30Sの外径は、塗布バー14の外径より若干大きいサイズとするのが好ましい。
バー駆動シャフト30と塗布バー14との間には、カップリング34が設けられている。このカップリング34により、モータ26からバー駆動シャフト30に伝わってきた駆動力を塗布バー14に供給できるとともに、バー駆動シャフト30の回転軸芯と塗布バー14の回転軸芯とのわずかな軸芯のずれを吸収し、塗布バー14に回転ムラや振動が発生するのを防止することができる。
ここで、カップリング34としては、静的ねじりばね定数が3400N・m/rad以下のものが好ましく使用できる。その理由としては、静的ねじりばね定数が3400N・m/radを超えると、塗布バー14の回転軸芯とモータ26の回転軸芯とのズレによる回転ムラや振動が塗布バー14に伝わり易くなり、塗布バー14の回転ムラや振動を防止することができなくなるからである。より好ましくは、980N・m/rad以下である。
このうち、金属ばねカップリングとは、円筒材にスリットを入れた完全一体構造のカップリングであり、市販のものとしては、たとえば鍋谷バイテック社製のもの(製品名:カプリコン・ミニ MSX)を使用することができる。この金属ばねカップリングの静的ねじりばね定数は、200N・m/rad〜2200N・m/rad程度である。
ベローズタイプフレキシブルカップリンとは、円筒材の両端のハブの間を金属製のベローズで連結したカップリングであり、市販のものとしては、たとえば鍋屋バイテック社製のもの(製品名:カプリコン・ミニ MFB)が採用できる。このベローズタイプフレキシブルカップリングの静的ねじりばね定数は、82N・m/rad〜490N・m/rad程度である。
樹脂かみ合いタイプフレキシブルカップリングとは、円筒材の両端のハブの間に樹脂製のスリーブを配し、このスリーブが両端のハブとそれぞれかみ合うようになっているカップリングであり、市販のものとしては、たとえば鍋屋バイテック社製のもの(製品名:カプリコン・ミニ MSF)が採用できる。このベローズタイプフレキシブルカップリングの静的ねじりばね定数は、4.4N・m/rad〜85N・m/rad程度である。
なお、カップリングとは、連続しない軸を締結し、回転を伝える機能を持つもので、上記のもの以外として、ヘリカルカップリング、パラフレックスカップリング、バウマンフレックスカップリング、サーボフレックスカップリング、センタフレックスカップリング、スパフレックスカップリング、センタックスカップリング、センタマックスカップリング、マグネットカップリング等があり、別表現として、ディスク型、スリット型、オルダム型、スリープ型、ジョー型、ベローズ型、リジット型等がある。これらも必要に応じて使用できる。
なお、バー駆動シャフト30の塗布バー14と接続される先端の振れ回りは、100μm以下であることが好ましい。その理由としては、振れ回りが100μmを超えると、バー塗布時にウエブ12上に形成される塗布膜に塗布ムラが発生してしまうからである。好ましくは、50μm以下であり、より好ましくは10μm以下である。
このような構成とされた本実施の形態のバー塗布装置10によって、ウエブ12に塗布液を塗布する場合には、図示しない搬送装置により、ウエブ12を一定の搬送速度で搬送する。
また、塗布バー14をウエブ12に接触させた状態で、図示しない塗布液供給装置から塗布液を供給する。そして、モータ26からの回転駆動力により、塗布バー14を回転させて、ウエブ12に塗布液を塗布する。
以上説明したように本実施の形態によれば、バー駆動シャフト30とモータ26との間にベルト28を介在させてモータ26で発生する動力を塗布バー14に伝達させていることから、モータ26における振動が塗布バー14に直接伝達することがない。このため、バー塗布の際に塗布バー14の振れ回りを抑えることができ、ウエブ12上に形成される塗布膜に段状ムラが発生することがない。
また、本実施の形態によれば、モータ26とバー駆動シャフト30が直結されていないので、モータ26の設置位置を自由に選択することができる。このため、バー塗布装置10の設計における自由度を向上させることができる。
なお、本発明は、上記構成に限られず、塗布バーによって塗布液を塗布して液状膜を構成するあらゆる装置に適用できる。
図5は、本発明の他の実施の形態に係るバー塗布装置の概略構成図である。
以下、上記実施の形態と共通する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図5に示すように、本実施の形態に係るバー塗布装置10Aにおいては、バー駆動シャフト30は支持台32の上に支持固定され、モータ26は支持台36の上に支持固定されている。
本実施の形態に係るバー塗布装置10Aによれば、バー駆動シャフト30とモータ26とは別々の支持体上に支持固定されているので、モータ26の稼動時に発生する振動が塗布バー14に伝わりにくく、バー塗布の際に塗布バー14に回転ムラや振動が伝わることがない。このため、塗布バー14の回転ムラや振動に起因する塗布ムラがウエブ12上に発生することがない。
その他の構成及び作用効果については上述の実施の形態と同一であるので、その詳細な説明は省略する。
次に、バー塗布装置10の他の構成要素について説明する。
本発明で使用するウエブ12としては、一般に、その幅が0.3m以上2m以下、長さが45m以上10000m以下、厚さが2μm以上200μm以下のポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレート、セルロースダイアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド等のプラスチックフィルム、紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンブテン共重合体等の炭素数が2〜10のα−ポリオレフィン類を塗布又はラミネートした紙等からなる可撓性帯状物あるいは該帯状物を基材としてその表面に加工層を形成した帯状物が含まれる。
ウエブ12の搬送速度としては、10m/分以上100m/分以下の範囲が好ましく採用できる。また、塗布バー14の周速度とウエブ12の搬送速度との比である異周速比(バー周速度/ウエブ速度)は、0.1以上1.5以下の範囲が好ましく採用できる。
ウエブ12への塗布液の塗布量としては、2mL/m2以上15mL/m2 以下の範囲が好ましく採用できる。また、ウエブ12への塗布液の塗布幅としては、500mm以上2000mm以下の範囲が好ましく採用できる。ウエブ12への塗布液の塗布時の張力(テンション)としては、70N/m以上1500N/m以下の範囲が好ましく採用できる。
また、塗布液としては、光学フィルムや磁気テープの塗布液のような非ニュートン流体にかぎらず、写真感光層の比較的低粘度のゼラチン溶液をバインダとしてなるようなニュートン流体であってもよい。塗布液の粘度としては、0.8cp以上10cp以下(0.8×10−3Pa・s以上10×10−3Pa・s以下)の範囲が好ましく採用できる。
なお、本発明は上述の実施の形態に限られることなく、種々の変更を行なうことができる。
例えば、上記実施の形態においては、モータ26の回転駆動力をベルトを介してバー駆動シャフト30に伝達させるようにしたが、本発明はこれに限られず、モータ26の回転駆動力を遊星ギヤを介してバー駆動シャフト30に伝達させることもできる。
また、上記実施の形態においては、バー塗布の塗布バーを回転駆動する例を説明したが、本発明はこれに限られず、掻取装置の掻き取りバーを回転駆動する際にも適用することができる。
実施例により本発明の効果を更に説明する。
(実施例1)
図6に示した本発明のバー塗布装置10を組み込んだ光学補償フィルムの製造ライン80により光学補償フィルムを以下の条件で製造した。
ウエブ12は、厚さ100μmのトリアセチルセルロース(フジタック、富士写真フィルム(株)製)の表面に長鎖アルキル変性ポバールの2重量%溶液をフィルム1m2 当たり25mlになるように塗布後、60℃で1分間乾燥させて配向膜用樹脂層を形成したものを使用した。このウエブ12を、送出機82から送り出すと共に50m/分で搬送しながらラビング処理装置86によって配向膜用樹脂層表面にラビング処理を行って配向膜を形成した。ラビング処理におけるラビングローラ88の押し付け圧力を、配向膜樹脂層の1cm2 あたり9.8×10Paにすると共に、回転周速を5.0m/秒にした。
そして、配向膜用樹脂層をラビング処理して得られた配向膜上に、本発明のバー塗布装置10を使用して塗布液を塗布した。塗布液は、下記に示すディスコティック化合物TE−8のR(1)とR(2)の重量比で4:1の混合物に対し、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V♯360、大阪有機科学(株)製)を10重量%、セルロースアセテートブチレート(CAB531−1、イーストマンケミカル社製)を0.6重量%、光重合開始剤(イルガキュア907、日本チバガイギー(株)製)を3重量%、増感剤(カヤキュアーDET−X、日本化薬(株)製)を1重量%、添加し、最終的にその混合物の32重量%メチルエチルケトン溶液とした。その液晶性化合物を含む液に、さらにフッ素系界面活性剤(フルオロ脂肪族基含有共重合体、メガファックF780、大日本インキ(株)製)を0.3重量%添加し、塗布液として使用した。
Figure 0005065690
そして、真直度がバー1m当たり0.1mmのバー支持面46に、バー径:10mm、ワイヤー径:100μmのワイヤーバー14を支持すると共に、ウエブ12を走行速度20m/分で走行させながらワイヤーバー14も同速で順回転させ、バー塗布ヘッドから塗布液をウエブ1m2 当たり5ml(湿潤膜厚5μm)になるように配向膜上に塗布した。
このとき、モータ26の回転駆動力は、ベルト28を介してバー駆動シャフト30に伝達した後、ワイヤーバー14に供給した。バー駆動シャフト30とワイヤーバー14はカップリング(MCGLC32−10−10:ミスミ製)介して結合した。また、バー駆動シャフト30の回転軸芯とワイヤーバー14の回転軸芯との間の角度は0°であり、バー駆動シャフト30のワイヤーバー14と接続される先端の振れ回りは0.12mmであった。なお、バー駆動シャフト30のワイヤーバー14と接続される先端の振れ回りの測定にあたっては、先端2mmのところを、テストインジケータ(TI−113H:ミツトヨ製)で測定した。
バー駆動シャフト30の回転シャフトSの外径はφ40mmであった。
塗布液が塗布されたウエブ12は、100℃に調整された乾燥ゾーン92及び、130℃に調整された加熱ゾーン94を通過させてネマチック相を形成した後、この配向膜及び液晶性化合物相が塗布されたウエブ12を連続搬送しながら、液晶層の表面に紫外線ランプ96により紫外線を照射した。これにより、光学補償フィルムを製造した。
(実施例2)
バー駆動シャフト30のワイヤーバー14と接続される先端の振れ回りが0.11mmであること以外は、実施例1と同一の条件で光学補償フィルムを製造した。
(実施例3)
バー駆動シャフト30のワイヤーバー14と接続される先端の振れ回りが0.10mmであること以外は、実施例1と同一の条件で光学補償フィルムを製造した。
(実施例4)
バー駆動シャフト30のワイヤーバー14と接続される先端の振れ回りが0.09mmであること以外は、実施例1と同一の条件で光学補償フィルムを製造した。
(実施例5)
バー駆動シャフト30のワイヤーバー14と接続される先端の振れ回りが0.05mmであること以外は、実施例1と同一の条件で光学補償フィルムを製造した。
(実施例6)
バー駆動シャフト30のワイヤーバー14と接続される先端の振れ回りが0.01mmであること以外は、実施例1と同一の条件で光学補償フィルムを製造した。
(実施例7)
バー駆動シャフト30の回転軸芯とワイヤーバー14の回転軸芯との間の角度は1°であり、バー駆動シャフト30のワイヤーバー14と接続される先端の振れ回りが0.01mmであること以外は、実施例1と同一の条件で光学補償フィルムを製造した。
(実施例8)
バー駆動シャフト30の回転軸芯とワイヤーバー14の回転軸芯との間の角度は1°であり、バー駆動シャフト30のワイヤーバー14と接続される先端の振れ回りが0.10mmであること以外は、実施例1と同一の条件で光学補償フィルムを製造した。
(実施例9)
バー駆動シャフト30の回転軸芯とワイヤーバー14の回転軸芯との間の角度は1°であり、バー駆動シャフト30のワイヤーバー14と接続される先端の振れ回りが0.11mmであること以外は、実施例1と同一の条件で光学補償フィルムを製造した。
(実施例10)
バー駆動シャフト30の回転軸芯とワイヤーバー14の回転軸芯との間の角度は0.5°であり、バー駆動シャフト30のワイヤーバー14と接続される先端の振れ回りが0.05mmであること以外は、実施例1と同一の条件で光学補償フィルムを製造した。
(実施例11)
バー駆動シャフト30の回転軸芯とワイヤーバー14の回転軸芯との間の角度は1°であり、バー駆動シャフト30のワイヤーバー14と接続される先端の振れ回りが0.05mmであること以外は、実施例1と同一の条件で光学補償フィルムを製造した。
(実施例12)
バー駆動シャフト30の回転軸芯とワイヤーバー14の回転軸芯との間の角度は2°であり、バー駆動シャフト30のワイヤーバー14と接続される先端の振れ回りが0.05mmであること以外は、実施例1と同一の条件で光学補償フィルムを製造した。
(比較例1)
モータ26とバー駆動シャフト30をベルトを介さずに直結させ、バー駆動シャフト30のワイヤーバー14と接続される先端の振れ回りが0.05mmであること以外は、実施例1と同一の条件で光学補償フィルムを製造した。
(まとめ)
評価項目はワイヤーバー14の1回転周期でウエブ12の幅方向に発生する塗布ムラを横段状ムラ、塗布液の流動に起因する不連続なムラを流動ムラ、ウエブ12の長手方向(搬送方向)に直線状に発生するスジムラを縦スジとして、目視により評価した。
評価レベルは、光学補償フィルムの品質評価において、製造品質レベルを十分に満たすレベルを◎、製造品質を満たすレベルを○、製品レベルを満たすが多少段ムラのあるレベルを△、製造品質を満たさず不合格となるレベルを×とした4段階評価を行なった。
評価結果を表1に示す。
Figure 0005065690
表1の実施例1〜12に示すように、モータ26の回転駆動力を、ベルト28を介してバー駆動シャフト30に伝達しワイヤーバー14を回転させることによりバー塗布を行なう場合には、いずれも製品レベルを満たす塗布膜が得られることがわかる。
一方、表1の比較例1に示すように、モータ26の回転駆動力を、ベルト28を介さずに直接バー駆動シャフト30に伝達しワイヤーバー14を回転させることによりバー塗布を行なう場合には、製品レベルを満たさない塗布膜しか得られないことがわかる。
また、実施例3〜8、及び実施例10及び11では、バー駆動シャフト30のワイヤーバー14と接続される先端の振れ回りが0.10mm(100μm)以下で、かつ、バー駆動シャフト30の回転軸芯とワイヤーバー14の回転軸芯との間の角度が1°以下である場合には、段ムラがなく製品レベルを満たす塗布膜が得られることがわかる。
実施例1、2及び9では、バー駆動シャフト30の回転軸芯とワイヤーバー14の回転軸芯との間の角度が1°以下であるが、バー駆動シャフト30のワイヤーバー14と接続される先端の振れ回りが0.10mm(100μm)を超えていることから、実施例3〜8、及び実施例10及び11で得られた塗布膜に比べて製品レベルとして若干劣る塗布膜しか得られないことがわかる。
実施例12では、バー駆動シャフト30のワイヤーバー14と接続される先端の振れ回りが0.10mm(100μm)以下であるが、バー駆動シャフト30の回転軸芯とワイヤーバー14の回転軸芯との間の角度が1°を超えていることから、実施例3〜8、及び実施例10及び11で得られた塗布膜に比べて製品レベルとして若干劣る塗布膜しか得られないことがわかる。
以上より、段ムラのない製品レベルとして問題のない塗布膜をバー塗布によりえるためには、モータ26の回転駆動力をベルト28を介してバー駆動シャフト30に伝達しワイヤーバー14を回転させるとともに、ワイバー駆動シャフト30のワイヤーバー14と接続される先端の振れ回りを0.10mm(100μm)以下とし、かつ、バー駆動シャフト30の回転軸芯とワイヤーバー14の回転軸芯との間の角度を1°以下とすることが、有効であることが示された。
本発明に係るバー塗布装置の第1の実施形態を示す概略構成図 本実施の形態に係るバー塗布装置の塗布バー付近の拡大概略図 本実施の形態に係るバー塗布装置のバー駆動シャフト付近の拡大概略図 バー駆動シャフトの設置位置を塗布バーの回転軸芯との関係で表した平面図 本実施の形態に係るバー塗布装置の概略構成図 本発明のバー塗布装置を組み込んだ光学補償シートの製造ラインの説明図
符号の説明
10…バー塗布装置、12…ウエブ、14…塗布バー、16…支持部材、18、20…堰板、22…塗布液供給路、24…液溜まり、26…モータ(回転駆動源)、28…ベルト、30…バー駆動シャフト、32…支持台、34…カップリング、36…支持台

Claims (4)

  1. 回転駆動力を発生させる回転駆動源と、前記回転駆動源の回転を塗布バーに伝達するためのバー駆動シャフトと、前記回転駆動源の回転駆動力を前記バー駆動シャフトに伝達するベルトと、を備え、走行する支持体上に塗布バーにより塗布液を塗布するバー塗布装置を用いたバー塗布方法であって、
    前記バー駆動シャフトの前記塗布バーと接続される先端の振れ回りの最大値を100μmとし、且つ前記バー駆動シャフトの回転軸芯と前記塗布バーの回転軸芯との交差角度の最大値を1°とした前記バー塗布装置を用いて塗布することを特徴とするバー塗布方法
  2. 前記バー塗布装置は、前記バー駆動シャフトが、2点以上で支持されていることを特徴とする請求項1に記載のバー塗布方法。
  3. 前記バー塗布装置は、前記バー駆動シャフトが、前記塗布バーとカップリングを介して結合されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のバー塗布方法。
  4. 前記カップリングの静的ねじりばね定数は、3400N・m/rad以下であることを特徴とする請求項3に記載のバー塗布方法。
JP2007006032A 2007-01-15 2007-01-15 バー塗布方法 Active JP5065690B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007006032A JP5065690B2 (ja) 2007-01-15 2007-01-15 バー塗布方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007006032A JP5065690B2 (ja) 2007-01-15 2007-01-15 バー塗布方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008168268A JP2008168268A (ja) 2008-07-24
JP5065690B2 true JP5065690B2 (ja) 2012-11-07

Family

ID=39696858

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007006032A Active JP5065690B2 (ja) 2007-01-15 2007-01-15 バー塗布方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5065690B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111036500A (zh) * 2019-12-30 2020-04-21 浙江亦阳新材料有限公司 一种经编涂层布的涂覆装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3940892B2 (ja) * 2001-12-13 2007-07-04 富士フイルム株式会社 バーコータ装置
JP4479555B2 (ja) * 2005-03-25 2010-06-09 富士フイルム株式会社 バー塗布方法及び装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008168268A (ja) 2008-07-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI450767B (zh) 塗布裝置及塗布膜的製造方法
US6815008B2 (en) Bar coating apparatus and bar coating method
JP4855993B2 (ja) 塗布装置及び塗布方法
JP5065690B2 (ja) バー塗布方法
JP4479555B2 (ja) バー塗布方法及び装置
JP5335319B2 (ja) 塗布装置及び塗布方法
JP4964630B2 (ja) 塗布装置及び塗布方法
JP2003251260A (ja) 塗布方法
JP5748364B2 (ja) 塗布方法
JP2006082059A (ja) バー塗布方法及び装置
JP5063028B2 (ja) 塗布方法及び装置並びに塗布ライン用ローラ
JP2008136884A (ja) バー塗布装置及び方法
JP2008212819A (ja) バー塗布方法及び装置
JP4743482B2 (ja) 塗布液の塗布方法、および塗布装置
JP4945291B2 (ja) 塗布方法及び塗布装置
JP2003080156A (ja) バー塗布装置及びバー塗布方法
JP4239215B2 (ja) バー塗布方法及び装置
JP2008200632A (ja) バー塗布装置およびバー塗布方法
JP2006231216A (ja) 塗布装置および磁気テープ製造装置
JP2009112923A (ja) バー塗布装置及び塗布方法
JP3940892B2 (ja) バーコータ装置
JP2009240996A (ja) バー塗布装置、塗布方法、及び光学フィルムの製造方法
JP2010188229A (ja) 塗布装置及び塗布方法
JP4996273B2 (ja) ラビング方法及び装置、それを用いた光学フィルムの製造方法及び装置
JP2005046656A (ja) 塗布方法及び装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090903

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110628

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110707

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110902

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120403

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120702

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20120709

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120807

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120810

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5065690

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150817

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250