JP2010188229A - 塗布装置及び塗布方法 - Google Patents

塗布装置及び塗布方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010188229A
JP2010188229A JP2009032891A JP2009032891A JP2010188229A JP 2010188229 A JP2010188229 A JP 2010188229A JP 2009032891 A JP2009032891 A JP 2009032891A JP 2009032891 A JP2009032891 A JP 2009032891A JP 2010188229 A JP2010188229 A JP 2010188229A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating
web
backup roller
roller
coating apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009032891A
Other languages
English (en)
Inventor
Masataka Hasegawa
昌孝 長谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2009032891A priority Critical patent/JP2010188229A/ja
Publication of JP2010188229A publication Critical patent/JP2010188229A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Coating Apparatus (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)

Abstract

【課題】 膜の厚さ精度が高く、かつ、表面が平滑で塗布ムラのない塗布膜を得ることができる塗布装置及び塗布方法を提供する。
【解決手段】
長手方向に走行する長尺状のウエブ16を外周面で支持するバックアップローラ20と、バックアップローラ20と対向配置され、塗布液をウエブ16に供給する塗布ヘッド18と、を備え、塗布ヘッド18とバックアップローラを支持する支柱15の両方が1つの架台30上に支持され、架台30が能動型除振装置32上に固定される。バックアップローラ20にウエブ16を案内するパスローラ14の位置が調整できるよう構成される。
【選択図】 図2

Description

本発明は塗布装置及び塗布方法に関し、特に連続して走行するウエブ(帯状支持体)上に、塗布液を塗布して、均一な厚さの塗布膜面を形成する塗布装置及び塗布方法に関する。
写真感光材料や磁気記録媒体等の分野において、連続走行する帯状の可撓性支持体(以下、「ウエブ」という)上に所定の塗布液を塗布して塗布膜を形成する塗布工程が採用されている。近年、これらの分野において、塗布膜の厚さ精度が高く、かつ、表面が平滑で塗布ムラのない塗布膜を得ることのできる塗布技術が求められている。
同様に、光学補償フィルム、反射防止フィルム、防眩性フィルム等の各種の機能を有する光学フィルムの製造に適用される塗布工程においても、上記のような塗布技術が求められている。
塗布液をウエブ面に塗布する塗布装置としては、たとえば、ロールコータ型、グラビアコート型、ロールコートプラスドクター型、リバースロールコータ型、エクストルージョン型、スライドコート型等があり、用途に応じて使い分けられているのが現状である。
これらのいずれの塗布装置においても、塗布膜の厚さ精度が高く、表面が平滑で塗布ムラのない塗布膜を得るために、塗布時の振動を除去することが重要である。
塗布時の振動の除去方法として特許文献1には、能動型除振装置を塗布部に適用することが開示されている。また、特許文献2には、塗布ヘッドに振動を与えることにより、ウエブと塗布ヘッドとの距離を一定に保つ塗布装置が開示されている。
特開2005−319385号公報 特開2004−89896号公報
しかしながら、特許文献1および2の塗布装置では、バックアップローラへのウエブ進入角度は、特に考慮されておらず、水平振動、鉛直振動の大きさが初期に設定されたウエブ進入角度によって決まってしまう恐れがあった。すなわち、塗布液の品種、例えば液の粘度の違いによっても、水平振動、鉛直振動に対する塗布ムラの耐性が異なるため、多品種生産には不向きであった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、同じ塗布装置で、液の粘度が異なる品種を生産する場合でも、膜の厚さ精度が高く、かつ、表面が平滑で塗布ムラのない塗布膜を得ることができる塗布装置及び塗布方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の塗布装置は、長手方向に走行するウエブを外周面で支持するバックアップローラと、前記バックアップローラと対向配置され、塗布液をウエブに供給する塗布液供給部と、前記塗布液供給部と前記バックアップローラとを上面で支持する一の架台と、前記架台の底面に設けられた能動型除振装置と、走行するウエブを前記バックアップローラに案内する、位置調整可能なパスローラと、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、塗布前に配置されたパスローラの位置を調整することで、バックアップローラへのウエブの進入角度を変更することができる。進入角度を変更することで、水平振動もしくは鉛直振動を優先的に抑制することが可能となる。
ウエブの進入角度を変更することで、バックアップローラがウエブを介して受ける張力方向の力、つまり、ウエブ上流側と下流側の張力のベクトル和の力、の水平方向に対する角度を任意に変更することが可能となる。
これにより、塗布液の粘度に依存して、メニスカス変動とクリアランス変動の塗布ムラへの影響度が異なる場合にも充分に振動を抑制することができる。したがって、本発明によれば、液粘度によって、振動状態を変えることができるため、多品種対応が可能であり、各品種の液粘度に応じて、膜の厚さ精度が高く、かつ、表面が平滑で塗布ムラのない塗布膜を得ることができる塗布装置を実現することができる。
本発明の塗布装置は、前記発明において、前記能動型除振装置が、センサで検知した振動成分に基づきフィードバック制御してアクチュエータを作動させ、能動的に除振を行う装置であることが好ましい。
センサで検知した振動成分をフィードバック制御してアクチュエータを作動させ、能動的に除振を行う構成の能動型除振装置であれば、各種の振動が抑制され、塗布膜へ悪影響が及びにくくすることができる。
本発明の塗布装置は、前記発明において、前記能動型除振装置が、センサで検知した振動成分に基づきフィードバック制御及びフィードフォワード制御してアクチュエータを作動させ、能動的に除振を行う装置であることが好ましい。
センサで検知した振動成分をフィードバック制御及びフィードフォワード制御してアクチュエータを作動させ、能動的に除振を行う構成の能動型除振装置であれば、更に、各種の振動が抑制され、塗布膜へ悪影響が及びにくくすることができる。
本発明の塗布装置は、前記発明において、前記架台の一次固有振動数が80Hz以上であることが好ましい。
架台の一次固有振動数を80Hz以上とした場合、加振があった際に塗布装置が強く振動するのが、この一次固有振動数の周波数域となる。そして、塗布時に生じる段ムラ等のピッチは、この周波数に対応する。ところが、光学フィルム(光学補償フィルム、反射防止フィルム、等)の塗布膜は、この周波数であれば段ムラを生じにくく、塗布膜へ悪影響が及びにくい。従って、表面が平滑で塗布ムラのない塗布膜を得ることができる。尚、共振を回避する意味では、架台の1次固有振動数は80Hz以上となっていることが好ましく、100Hz以上となっていることがより好ましく、120Hz以上となっていることが更に好ましい。
本発明の塗布装置は、前記発明において、前記バックアップローラ前後のパスローラの一次固有振動数が20Hz以上であることが好ましい。
バックアップローラ前後のパスローラの1次固有振動数を20Hz以下とした場合、パスローラに振動入力があった際に、強く振動するのが、この1次固有振動数の周波数域となる。この時、前記パスローラの振動がウエブを伝わりバックアップローラに入力されると、架台が振動し、能動型除振装置の固有振動数と共振を起す。そこで、共振を回避する意味では、パスローラの1次固有振動数は20Hz以上となっていることが好ましく、30Hz以上となっていることがより好ましく、50Hz以上となっていることが更に好ましい。したがって、表面が平滑で塗布ムラのない塗布膜を得ることができる。
本発明の塗布装置は、前記発明において、前記架台の底面から前記バックアップローラの中心までの高さが1500mm以下であることが好ましい。
架台の底面からバックアップローラの中心までの高さHが長いほど、ウエブのテンション変動に対してモーメントが発生しやすくなるため、塗布装置の振動が大きくなる。この振動を抑えるには、架台の底面からバックアップローラの中心までの高さHは1500mm以下であることが好ましく、1250mm以下となっていることがより好ましく、1000mm以下となっていることが更に好ましい。膜の厚さ精度が高く、かつ、表面が平滑で塗布ムラのない塗布膜を得ることができる。
本発明の塗布装置は、前記発明において、前記架台の前記ウエブ搬送方向の幅が750mm以上であることが好ましい。
ウエブのテンション変動に対して塗布装置はロッキング振動(ウエブ進行方向軸と重力方向軸に垂直な軸回りの振動)を起す。この振動を抑えるためには、架台の前記ウエブ搬送方向の幅Lが750mm以上であることが好ましく、1000mm以上となっていることがより好ましく、1500mm以上となっていることが更に好ましい。膜の厚さ精度が高く、かつ、表面が平滑で塗布ムラのない塗布膜を得ることができる。
前記目的を達成するために、本発明の塗布方法は、前記塗布装置を使用した塗布方法であって、前記塗布装置が設置される床面の一次固有振動数を10Hz以上とすることを特徴とする。
能動型除振装置を使用した場合、床面の1次固有振動数が10Hz未満であれば、殆ど除振効果が得られない。たとえば、振動周波数が100Hzの振動であれば、約1/100に減衰させることができるが、振動周波数が10Hz未満の振動になると、わずかに減衰させる効果しか得られない。その意味では、塗布装置が設置される床面の1次固有振動数が10Hz以上となっていることが好ましく、20Hz以上となっていることがより好ましく、30Hz以上となっていることが更に好ましい。このような一次固有振動数の床面上に塗布装置を設置することにより、膜の厚さ精度が高く、かつ、表面が平滑で塗布ムラのない塗布膜を得ることができる。
本発明によれば、塗布前のパスローラ位置を調整することによってバックアップローラへのベース進入角度を塗布液の種類に応じて変えることで、膜の厚さ精度が高く、かつ、表面が平滑で塗布ムラのない塗布膜を得ることができる塗布装置及び塗布方法を得ることができる。
本発明に係る塗布装置が適用される光学補償シートの製造ラインを説明する説明図 塗布装置の設置された状態を示す斜視図 パスローラの位置とウエブの入射角を示す説明図 パスローラの位置とウエブの入射角を示す説明図 パスローラの位置とウエブの入射角を示す説明図 塗布ヘッドの一部を切り欠いた斜視図 能動型除振装置のシステム構成を説明する概念図
以下添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について説明する。本発明は以下の好ましい実施の形態により説明されるが、本発明の範囲を逸脱すること無く、多くの手法により変更を行うことができ、本実施の形態以外の他の実施の形態を利用することができる。従って、本発明の範囲内における全ての変更が特許請求の範囲に含まれる。
図1は、本発明に係る塗布装置を適用する好ましい一例である光学補償シートの製造ラインを説明する説明図である。
光学補償シートの製造ラインは、図1に示されるように、送り出し機66から予め配向膜形成用のポリマー層が形成された透明支持体であるウエブ16が送り出されるよう構成されている。ウエブ16はガイドローラ68によってガイドされてラビング処理装置70に送り込まれる。ラビングローラ72は、ポリマー層にラビング処理を施すために設けられている。
その下流には能動型除振装置32に設置された塗布装置10が配置されている。ディスコネマティック液晶を含む塗布液がウエブ16に塗布できるようになっている。この下流には、乾燥ゾーン76、加熱ゾーン78が順次設けられており、ウエブ16上に液晶層が形成できるようになっている。更に、この下流には紫外線ランプ80が設けられており、紫外線照射により、液晶を架橋させ、所望のポリマーを形成できるようになっている。そして、この下流に設けられた巻取り機82により、ポリマーが形成されたウエブ16が巻き取られるようになっている。
図2に示されるように、塗布装置10は、塗布液タンクからポンプ等により送液された塗布液をウエブ16に塗布する塗布液供給部(以下、塗布ヘッドと云う。)塗布ヘッド18と、塗布ヘッド18に対向して配置され設けられ、塗布時のウエブ16を外周面で支持する円筒状のバックアップローラ20と、バックアップローラ20の回転軸を、軸受け19を介して回転自在に保持する支柱15と、バックアップローラ20に走行中のウエブ16を導くために、塗布ヘッド18及びバックアップローラ20から所定間隔をあけて配置されたパスローラ14により、構成されている。尚、バックアップローラ20、軸受19、及び支柱15によりバックアップローラ部が構成される。塗布装置10の塗布ヘッド18とバックアップローラ20の回転軸を保持する支柱15が、後述する能動型除振装置32のアクチュエータ33で支持される架台30に固定されている。尚、図2においては、塗布ヘッド18は塗布ヘッド架台31を介して架台30に固定されている。
ウエブ16に塗布する塗布液の種類、また塗布液の膜厚を最適に調整できるようにするため、バックアップローラ20と塗布ヘッド18は、両者の間隔を調整できるよう移動可能に構成されている。したがって、架台30に固定とは、ウエブ16への塗布中においてバックアップローラ20と塗布ヘッド18が所定間隔を保持するよう架台30に設置されていること意味する。
本実施の形態において、塗布前に配置されたパスローラ14の回転軸94は、位置調整できるよう支柱92に支持されている。回転軸94を支持する位置を鉛直方向に調整するため、支柱92には溝96が形成されている。さらに、支柱92の下には直動ガイド98が設けられており、支柱92は水平方向に移動することができる。これにより、支柱92と架台30までの水平距離を調整することができる。
次に、上述の塗布装置10及びバックアップローラ部を支持する架台30が設置される能動型除振装置32に関する構成について説明する。この構成において、塗布ヘッド18及びバックアップローラ部が架台30の上に固定される。上述したように、塗布ヘッド18は塗布ヘッド架台31を介して架台30に固定されている。更に、バックアップローラ部も架台30に固定されている。
この架台30は、ウエブ16の幅等によっては大型サイズのものとなり、たとえば、総重量で6.5トンにもなるものである。このような架台30上に固定された塗布ヘッド18及び支柱15に対して、能動型除振装置32のアクチュエータ33,33,…が配されることにより、各種の振動が抑制され、塗布膜へ悪影響が及びにくい。
次いで塗布装置10による塗布方法について説明する。ウエブ16は、送り出し機から送り出されパスローラ14を介してバックアップローラ20に導かれる。導かれたウエブ16は、バックアップローラ20の外周面の一部を取り巻いている。ウエブ16は、図示矢印方向へ一定速度で連続的に走行される。このときバックアップローラ20は回転しながら、ウエブ16の非塗膜面を支持する。
バックアップローラ20の上流側には、パスローラ14が配置されている。パスローラ14はその回転軸94が支柱92に保持される。支柱92は、アクチュエータ33で支持されている架台30とは異なる別の架台上に設置される。ウエブ16の走行中、パスローラ14は回転しながらウエブ16の裏面を支持し、バックアップローラ20にウエブ16を導く。
塗布ヘッド18は、塗布ヘッド先端が連続走行するウエブ16と近接され非接触の状態で対向配置される。上述したように塗布ヘッド18とウエブ16の間隔を調整できるよう構成されている。塗布ヘッド18は塗布液タンクからポンプにより送液される。図示しないが、ポンプとしては、塗布液の供給流量が安定化することより、定量ポンプを使用することが好ましい。定量ポンプとしては、たとえば、ギアポンプ、ローラポンプ等、各種のポンプが使用される。
次に、図3を参照して、パスローラ14の位置とウエブ16のバックアップローラ20への進入角度との関係、及びバックアップローラ20の張力方向の角度(β)の関係を説明する。なお、図1及び図2で示したのと同様の構成には同一符号を付して説明を省略する場合がある。
図3(a)に示されるように、塗布装置10では、ウエブ16が、パスローラ14にガイドされ、所定の角度でバックアップローラ20に進入する。ウエブ16は、塗布ヘッド18で塗布液を塗布された後、進入方向と反対方向に搬送される。このとき、ウエブ16にテンションが加えられているので、バックアップローラ20には、ウエブ16を介して、上流側方向の張力F1と下流側方向の張力F2が加えられる。最終的に、バックアップローラ20には、張力F1と張力F2のベクトルの和である力Fが加えられる。この力Fと水平線とがなす角度をβとする。
図3(a)では、パスローラ14の回転軸94が、支柱92の最高位置で保持されている。これにより、ウエブ16がバックアップローラ20の上方向から進入する。したがって、バックアップローラ20に加えられる力Fの角度βは約70°程度となる。
角度βが70°〜90°の範囲である場合、バックアップローラ20には、水平方向より鉛直方向の張力が加えられることなる。これにより、バックアップローラ20への水平方向の力が弱くなるので、バックアップローラ20と塗布ヘッド18のクリアランス変動が抑制される。
図3(b)では、パスローラ14の回転軸94が溝96をスライドし、支柱92の中間位置で保持されている。これにより、ウエブ16がバックアップローラ20の水平位置より少し上方向から進入する。したがって、バックアップローラ20に加えられる力Fの角度βは約50°程度となる。
角度βが50°〜70°の範囲である場合、バックアップローラ20には、水平方向と鉛直方向の張力がほぼ均等に加えられることなる。これにより、バックアップローラ20と塗布ヘッド18のクリアランス変動、メニスカス変動に対して同程度に抑制される。
図3(c)では、パスローラ14の回転軸94が溝96をスライドし、支柱92の最低位置で保持されている。これにより、ウエブ16がバックアップローラ20のほぼ水平位置から進入する。したがって、バックアップローラ20に加えられる力Fの角度βは約30°程度となる。
角度βが0°〜50°の範囲である場合、バックアップローラ20には、鉛直方向より水平方向の張力が加えられることなる。これにより、バックアップローラ20への鉛直方向の力が弱くなるので、バックアップローラ20と塗布ヘッド18のメニスカス変動が抑制される。
図4は、図3のパスローラ14の位置調整機構とは別の態様を示す説明図である。なお、図1〜図3で示したのと同様の構成には同一符号を付して説明を省略する場合がある。
図4は、図3(a)と同様に、パスローラ14の回転軸94が支柱92の最高位置で保持されている。一方、図3(a)とは異なり、図4では、支柱92は直動ガイド98上を図中の最も右方向に水平に移動した位置で固定されている。これにより、パスローラ14の回転軸94の鉛直方向の位置を変えずに、パスローラ14の回転軸94の水平方向の位置を変えることで、バックアップローラ20に加えられる力Fの角度βを変更することができる。
図5は、図3及び図4のパスローラ14の位置調整機構とは別の態様を示す説明図である。なお、図1〜図3で示したのと同様の構成には同一符号を付して説明を省略する場合がある。
図5では、複数のパスローラ14が支柱92に各回転軸94により固定される。予め水平出しされた複数のパスローラ14を固定し、それらを選択的に使用することで、短時間で進入角度を変えることができる。パスローラ14を移動させることによって、ウエブ16の進入角度を変える場合、進入角度を変更するごとに回転軸94の水平出し等が必要となる。
本発明によれば、例えば、液粘度によって、振動状態を変えることができるため、多品種対応が可能であり、各品種の液粘度に応じて、膜の厚さ精度が高く、かつ、表面が平滑で塗布ムラのない塗布膜を得ることができる塗布装置を実現することができる。
図6に示されるように、塗布ヘッド18内には、筒状のポケット部18Bがウエブ16の幅方向に平行に形成される。その塗布用のポケット部18Bは供給ライン18Aに接続される。また、塗布ヘッド18内には、塗布ヘッド先端に吐出口を有する塗布用スリット18Cが形成される。塗布用スリット18Cが塗布用ポケット部18Bに連通される。
塗布用スリット18Cは、ポケット部18Bと塗布ヘッド先端とを繋ぐ狭隘な流路であり、ウエブ16の幅方向に延長される。そして、供給ライン18Aからウエブ16に塗布する所望の塗布量の塗布液が塗布ヘッド18の塗布用ポケット部18Bに供給され、ウエブ16に塗布膜が形成される。
塗布液が塗布されたウエブ16は、下流に設けられた乾燥ゾーン、加熱ゾーンに送り出され、ウエブ16上に液晶層が形成される。また、図示は省略したが、ウエブ16のテンションをコントローラするテンションローラや、ウエブ16の搬送を制御する駆動ローラが光学補償シートの製造ラインに設けられる。
図7は、能動型除振装置32のシステム構成を説明する概念図である。能動型除振装置32のベース40上にエアアクチュエータ42を介して荷重受け部44が支持されている。尚、本発明において、アクチュエータは、振動を打ち消すのであれば、空気バネに限らず、油圧式、機械式、等のアクチュエータでも良い。この荷重受け部44上には加速度が検出可能な加速度センサ46が固定されており、また、ベース40と荷重受け部44との間には、荷重受け部44の変位が測定可能な変位センサ48が設けられており、更に、ベース40上にも、加速度が検出可能な加速度センサ50が固定されている。
荷重受け部44の制御は、エア源52より供給される圧縮空気の流量をサーボバルブ54で調整してエアアクチュエータ42に供給することにより行う。このサーボバルブ54には、加速度センサ46からの信号が振動コントローラ56を介してフィードバックされ、また、変位センサ48からの信号が位置コントローラ58を介してフィードバックされる。尚、既述の加速度センサ50はフィードフォワード制御に使用される。
このような系に外乱Fが加わった場合、質量M、減衰Z、ばねKで代表される制御対象がエアアクチュエータ42で制御され、床からの振動除去と同時に、荷重受け部44に加えられる外乱Fに対しても制振効果を有するアクティブ除振系が構成される。
その結果、膜の厚さ精度が高く、かつ、表面が平滑で塗布ムラのない塗布膜を得ることができる。
次に、架台30の一次固有振動数が80Hz以上となっていることが好ましい理由について説明する。塗布時に振動が抑制され、塗布膜へ悪影響が及びにくくするには、架台30の振動加速度を極力抑制することが好ましい。その際、架台30の一次固有振動数が80Hz未満であっても、振動加速度を小さくすることはできる。但し、架台30の一次固有振動数を80Hz以上とした場合、加振があった際に塗布装置10が強く振動するのがこの一次固有振動数の周波数域となる。そして、塗布時に生じる段ムラ等のピッチは、この周波数に対応する。ところが、光学フィルム(光学補償フィルム、反射防止フィルム、等)の塗布膜は、この周波数であれば段ムラを生じにくく、塗布膜へ悪影響が及びにくい。その意味では、架台30の一次固有振動数が100Hz以上となっていることがより好ましく、120Hz以上となっていることが更に好ましい。
更に、バックアップローラ20前後のパスローラ14、17の一次固有振動数が20Hz以上となっていることが好ましい(図1参照)。バックアップローラ20前後のパスローラ14、17の一次固有振動数が20Hz以上であることで、表面が平滑で塗布ムラのない塗布膜を得ることができる。尚、共振を回避する意味では、パスローラの1次固有振動数は20Hz以上となっていることが好ましく、30Hz以上となっていることがより好ましく、50Hz以上となっていることが更に好ましい。
また、本発明においては、架台30の底面からバックアップローラ20の中心までの高さH(図1参照)が1500mm以下であることが好ましい。架台の底面からバックアップローラの中心までの高さHが長いほど、ウエブのテンション変動に対してモーメントが発生しやすくなるため、塗布装置の振動が大きくなる。この振動を抑えるには、架台の底面からバックアップローラの中心までの高さHは1500mm以下であることが好ましく、1250mm以下となっていることがより好ましく、1000mm以下となっていることが更に好ましい。
そして、本発明においては、架台30のウエブ搬送方向の幅L(図1参照)が750mm以上であることが好ましい。ウエブのテンション変動に対して塗布装置はロッキング振動(ウエブ進行方向軸と重力方向軸に垂直な軸回りの振動)を起す。この振動を抑えるためには、架台の前記ウエブ搬送方向の幅Lが750mm以上であることが好ましく、1000mm以上となっていることがより好ましく、1500mm以上となっていることが更に好ましい。
このようなH及び/又はLの範囲とすることで、更に膜の厚さ精度が高く、かつ、表面
が平滑で塗布ムラのない塗布膜を得ることができる。
塗布装置10を使用した塗布膜の形成について説明する。塗布液としては、たとえば、粘度が10mPa・s以下であり、有機溶剤が含まれるものが使用できる。但し、これ以外の粘度のもの、有機溶剤が含まれないものも使用できる。
ウエブ16としては、一般に、所定幅、所定長さで、厚さが2〜200μm程度のポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6 −ナフタレート、セルロースダイアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド等のプラスチックフイルム、紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンブテン共重合体等の炭素数が2〜10のα−ポリオレフィン類を塗布又はラミネートした紙、金属板等からなる可撓性帯状物又は該帯状物を基材としてその表面に加工層を形成した帯状物が使用できる。
図1の光学補償シートの製造ラインにおいて、送り出し機66よりウエブ16を繰出しながら、塗布装置10の塗布ヘッド18のスリット18C中における塗布液の平均流速を100〜500mm/秒となるようにポンプの流量を制御し、また、塗布直後の塗布膜28の膜厚が所定の厚みとなるようにウエブ16の搬送速度を制御して塗布を行なう。
塗布後の乾燥等において、塗布膜の厚さ精度が高く、かつ、表面が平滑な塗布膜28が得られるように乾燥ゾーン76、加熱ゾーン78、紫外線ランプ80等の設定を行なう。塗布、乾燥後のウエブ16は巻取り機82により巻取る。
上記一連の工程は、良好な無塵度及び最適な温湿度の環境下で実施されることが好ましい。したがって、クリーンルーム内で行なわれるのが好ましく、特に、塗布装置10は、クラス100以下の環境下に設置されるのが好ましい。
以上、本発明に係る塗布装置の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。
また、塗布装置10の用途としても、光学補償フィルム等の光学フィルムのみならず各種の塗布に適用できる。
以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明を、より詳細に説明する。
粘度1.5mPa・sである塗布液と粘度5.5mPa・sである塗布液とを準備した。塗布前のパスローラ位置を調整することによってバックアップローラへのベース進入角度を調整することができる塗布装置を用いて、ベース進入角度を変更しながら2種類の塗布液をウエブ上に塗布した。ウエブ上の塗布液の面上評価を人の目で行なった。
粘度1.5mPa・sの塗布液に関して、βが40°の場合、塗布ムラレベルは×でああった。βが60°の場合、塗布ムラレベルは○であった。βが80°の場合、塗布ムラレベルは△であった。また、粘度が5.5mPa・sの塗布液に関して、βが40°の場合、塗布ムラレベルは○であった。βが60°の場合、塗布ムラレベルは△であった。βが80°の場合、塗布ムラレベルは×であった。本発明によれば、塗布液の粘度により塗布ムラレベルが変化する場合であっても、βを変化させることができるので、常に安定した品質の塗布を行なうことができる。
なお、塗布液の粘度が1.5mPa・sの場合は、塗布液の粘度が5.5mPa・sの場合に比較して、βの角度を大きくする方が塗布ムラレベルを抑制することができた。
このことから、塗布液の粘度が低い:1.0mPa・s以下、粘度が中位:1.0〜5.0mPa・s、粘度が高い:5.0mPa・s以上とした場合、塗布液の粘度が低いときはβの角度を大きくした方が塗布ムラレベルを抑制することができ、塗布液の粘度が高いときはβの角度を小さくした方が塗布ムラレベルを抑制することができる傾向にあることが理解できる。
10…塗布装置、14、17…パスローラ、15、92…支柱、16…ウエブ、17…ガイドローラ、18…塗布ヘッド(塗布液供給部)、20…バックアップローラ、28…塗布膜、30…架台、31…塗布ヘッド架台、32…能動型除振装置、33,42…アクチュエータ、66…送り出し機、68…ガイドローラ、76…乾燥ゾーン、78…加熱ゾーン、80…紫外線ランプ、82…巻取り機、94…回転軸、96…溝、98…直動ガイド

Claims (8)

  1. 長手方向に走行するウエブを外周面で支持するバックアップローラと、
    前記バックアップローラと対向配置され、塗布液をウエブに供給する塗布液供給部と、
    前記塗布液供給部と前記バックアップローラとを上面で支持する一の架台と、
    前記架台の底面に設けられた能動型除振装置と、
    走行するウエブを前記バックアップローラに案内する、位置調整可能なパスローラと、
    を備えることを特徴とする塗布装置。
  2. 前記能動除振装置が、センサで検知した振動成分に基づきフィードバック制御してアクチュエータを作動させ、能動的に除振を行う装置である請求項1に記載の塗布装置。
  3. 前記能動除振装置が、センサで検知した振動成分に基づきフィードバック制御及びフィードフォワード制御してアクチュエータを作動させ、能動的に除振を行う装置である請求項1に記載の塗布装置。
  4. 前記架台の一次固有振動数が80Hz以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗布装置。
  5. 前記バックアップローラ前後のパスローラの一次固有振動数が20Hz以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載の塗布装置。
  6. 前記架台の底面から前記バックアップローラの中心までの高さが1500mm以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の塗布装置。
  7. 前記架台の前記ウエブ搬送方向の幅が750mm以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の塗布装置。
  8. 前記請求項1〜7のいずれか1項に記載の塗布装置を使用した塗布方法であって、
    前記塗布装置が設置される床面の一次固有振動数を10Hz以上とすることを特徴とする塗布方法。
JP2009032891A 2009-02-16 2009-02-16 塗布装置及び塗布方法 Pending JP2010188229A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009032891A JP2010188229A (ja) 2009-02-16 2009-02-16 塗布装置及び塗布方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009032891A JP2010188229A (ja) 2009-02-16 2009-02-16 塗布装置及び塗布方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013176721A Division JP5748364B2 (ja) 2013-08-28 2013-08-28 塗布方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010188229A true JP2010188229A (ja) 2010-09-02

Family

ID=42814877

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009032891A Pending JP2010188229A (ja) 2009-02-16 2009-02-16 塗布装置及び塗布方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010188229A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103521399A (zh) * 2013-10-18 2014-01-22 江苏海大印染机械有限公司 一种逆转辊涂布间隙调节装置
JP2015516500A (ja) * 2012-02-07 2015-06-11 ネダーランゼ・オルガニサティ・フォーア・トゥーゲパスト−ナトゥールヴェテンシャッペリーク・オンデルゾエク・ティーエヌオー 製造機構及び製造方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0531430A (ja) * 1991-07-26 1993-02-09 Konica Corp ウエブ塗布装置
US6364952B1 (en) * 1995-09-19 2002-04-02 Fuji Photo Film Co., Ltd. Coating apparatus for a traveling web

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0531430A (ja) * 1991-07-26 1993-02-09 Konica Corp ウエブ塗布装置
US6364952B1 (en) * 1995-09-19 2002-04-02 Fuji Photo Film Co., Ltd. Coating apparatus for a traveling web

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015516500A (ja) * 2012-02-07 2015-06-11 ネダーランゼ・オルガニサティ・フォーア・トゥーゲパスト−ナトゥールヴェテンシャッペリーク・オンデルゾエク・ティーエヌオー 製造機構及び製造方法
US9610602B2 (en) 2012-02-07 2017-04-04 Nederlandse Organisatie Voor Toegepast-Natuurwetenschappelijk Onderzoek Tno Manufacturing facility and method of manufacturing
CN103521399A (zh) * 2013-10-18 2014-01-22 江苏海大印染机械有限公司 一种逆转辊涂布间隙调节装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4879070B2 (ja) 塗布装置、及び塗布方法
KR101209619B1 (ko) 도포장치 및 도포방법
JP4855993B2 (ja) 塗布装置及び塗布方法
JP5748364B2 (ja) 塗布方法
JP5335319B2 (ja) 塗布装置及び塗布方法
JP2010188229A (ja) 塗布装置及び塗布方法
JP2003236434A (ja) 塗布方法及び装置
JP2007169797A (ja) 塗工シート製造装置および製造方法
JP2005081256A (ja) 塗布膜の乾燥方法及び装置
JP4964630B2 (ja) 塗布装置及び塗布方法
JP2010188254A (ja) 塗布装置及び塗布方法
JP2010063950A (ja) 塗布装置及び塗布方法
JP4764610B2 (ja) 塗工機及び塗工処理が施された基材の製造方法
JP2014188382A (ja) 塗工装置および塗工膜形成システム
JP4743482B2 (ja) 塗布液の塗布方法、および塗布装置
JP4945291B2 (ja) 塗布方法及び塗布装置
JP5063028B2 (ja) 塗布方法及び装置並びに塗布ライン用ローラ
JP2008212819A (ja) バー塗布方法及び装置
JP2003225604A (ja) 塗布装置
KR20090029636A (ko) 바 도포 장치, 바 도포 장치를 이용한 도포 방법 및 광학 필름의 제조 방법
JP2003211066A (ja) 塗布方法
JP2005169239A (ja) 可撓性帯状物への塗布方法および塗布装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20110705

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120919

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20121128

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130213

A02 Decision of refusal

Effective date: 20130529

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02