JP5065137B2 - ダンパーの取付構造 - Google Patents
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しかし、従来のダンパーの取付構造では、ダンパーと設置部及びダンパーと構造体の連結部がいずれも剛に連結されているため、例えば列車や車両等の走行振動や機械類の運転振動等の、生活環境で日常的に発生する鉛直方向の振動が、ダンパーを経由して構造体に伝播し、構造体が振動するという問題があった。
このように、筒体で、水平方向に所定の隙間を空けて連結部材を囲むことで、ダンパーを経由して構造体又は設置部に伝播していた鉛直方向の振動を抑制できる。
このとき、筒体は連結部材を水平方向に囲んでいるため、水平方向の振動は抑制されず、地震時のダンパーの免震機能が損なわれることはない。
この結果、第1緩衝材で鉛直方向の振動が吸収される。このため、支持部材を設置した場合、設置部からダンパーに伝播され、さらに支持部材を経由して構造体に伝播される、鉛直方向の振動を減少させることができる。
この結果、第2緩衝材で鉛直方向の振動が吸収され、設置部からダンパーを経由して構造体に伝播される、鉛直方向の振動を減少させることができる。
請求項4に記載の発明では、第3緩衝材を、筒体の上部に配置している。
この結果、第1緩衝材又は第2緩衝材と第3緩衝材で、筒体を上下から挟むことができ、筒体の位置が安定する。
この結果、設置部からダンパーを経由して構造体に伝播する、鉛直方向の振動を減少させることができる。
この結果、設置部からダンパーを経由して構造体に伝播する、鉛直方向の振動を減少させることができる。
図1に示すように、設置部22には、免震装置としての積層ゴム支承体30が設けられ、積層ゴム支承体30が建築物20を支持している。
設置部22と建築物20との間には、オイルダンパー10が水平方向に伸縮可能に配置されている。ここに、オイルダンパー10の第1部材であるロッド12は建築物20に設けられた取付金具16と連結手段で連結され、第2部材であるシリンダー14は設置部22に設けられた取付金具18と連結されている。
図2に示すように、取付金具16の側面からは、上部受け部19と下部受け部17が、所定の空間Wを開けてオイルダンパー10の方向に延出されている。
上部受け部19と下部受け部17には、それぞれを鉛直方向に貫通する貫通孔25が設けられ、貫通孔25には、連結部材である鉛直ピン26が鉛直方向に挿入、固定されている。
これにより、後述するように、地震による水平方向の振動に対しては、ロッド12と取付金具16の連結部で水平方向の振動が伝播される。この結果、オイルダンパー10が伸縮され、ロッド12とシリンダー14が相対的に移動することで減衰力が生じ、建築物20の振動を減衰させることができる。
次に、本実施の形態の防振特性について図3を用いて説明する。図3の横軸は周波数(Hz)で、縦軸は振動伝達率を示す。ここに、振動伝達率とは、設置部22の振動波Qに対する建築物20に伝播された振動波Rの割合(R/Q)をいう。
特性Aは、周波数の低い領域で振動伝達率が急激に上昇する共振点faが見られ、共振点faの前後で、振動伝達率は1.0以上となっている。振動伝達率が1.0以上の範囲は、設置部22の振動波Qより建築物20に伝播された振動波Rの方が大きく、設置部22の振動が増幅されたことを示している。
特性Bにおいて、共振点の周波数はfbで、オイルダンパー10がないときの周波数faより高い。また、共振点より周波数が大きい範囲の振動伝達率は、最小値bに向けて減少している。最小値bは、最小値aより大きい。
特性Cは、オイルダンパー10のロッド12と建築物20との連結部における鉛直方向の移動が許容され、鉛直方向の振動がオイルダンパー10から伝播されない。この結果、共振点の周波数fcは、周波数faに近い値となり、周波数fbより低い。また、振動伝達率は、最小値cに向けて減少している。この最小値cは、最小値aより大きく、最小値bより小さい値である。
図4に示すように、従来の連結手段で緩衝材を用いて鉛直方向の振動の低減を図ることも可能であるが、次のような問題がある。
一方、地震でオイルダンパー10が水平方向の圧縮力Pを受けた場合には、図4(D)(E)に示すように、圧縮力Pを受けて緩衝材56は圧縮され、厚さN2となり、オイルダンパー10の長さはL2となる。
図5(A)(B)に示すように、筒体36を鉛直ピン26が貫通している。このとき、筒体36の厚さはtであり、鉛直ピン26と筒体36の隙間はdである。また、オイルダンパー10の長さL1は、標準設置した時のロッド12とシリンダー14の長さを合計した長さである。
即ち、図4で説明したオイルダンパー10の収縮量S2と、本発明のオイルダンパー10の収縮量S3を比較すると、本発明のオイルダンパー10の収縮量S3の方が大きい。この結果、オイルダンパー10の機能がより発揮される。
図6に示すように、建築物20の設置部74には積層ゴム支承体62が設けられ、積層ゴム支承体62の上には工作機械60が載せられ、面震化されている。なお、建築物20の構成は、上述した通りである。
このような構成とすることにより、例えば、工作機械60の近くを人が移動した場合に発生する、建築物20内の縦方向の振動を、ロッド72と取付金具68との連結部で減少させ、工作機械60へ伝播される鉛直方向の振動を低減できる。
図7に示すように、建築物20の屋上の設置部90には、積層ゴム支承体78が設けられている。積層ゴム支承体78の上には、大型設備機器76が載せられ、面震化されている。なお、建築物20の構成は、上述した通りである。
このような構成とすることにより、大型設備機器76の運転時に発生する縦方向の振動が、オイルダンパー80を経由して建築物20内に伝播されるのを低減できる。
図8に示すように、設置部22には設置部22側の取付金具18が設けられている。取付金具18には、粘弾性ダンパー98の第2部材94の端部が連結手段で連結されている。
なお、水平方向の振動については、第1部材96と第2部材94を相対的に移動させて減衰力を発揮させる。
図9に示すように、下側受け部17と上側受け部19との間の空間Wにクレビス32が配置されている。
また、下部受け部17とクレビス32の間には、第1緩衝材としてのコイルバネ42が設けられ、クレビス32を受けている。
このような構成とすることにより、コイルバネ42でクレビス32を受けることができ、コイルバネ42で鉛直方向の振動が吸収される。
図10において、特性Dが第2の実施の形態に係る特性である。なお、特性A〜Cは、既述した、図3に示した防振特性である。
なお、第1緩衝材としてのコイルバネ42は、緩衝作用を有すればよく、防振ゴムや高発泡ポリスチレンフォームで形成し、緩衝作用を持たせてもよい。
なお、鉛直ピン26との連結は、筒体36の場合について説明したが、ローラー軸受38でもよい。
図12に示すように、下側受け部17と上側受け部19との間の空間Wにクレビス32が配置されている。鉛直ピン26を支持する下側受け部17とクレビス32との間には、受け金物48が設けられている。
第4の実施の形態の他の部分の構成は、第3の実施の形態と同じである。重複する部分の説明は省略する。
なお、第2緩衝材としてのコイルバネ46は、緩衝作用を有すればよく、防振ゴム、高発泡ポリスチレンフォームで形成し、緩衝作用を持たせてもよい。
なお、連結部材26との連結は、筒体36を用いた場合で説明したが、ローラー軸受38でもよい。
図13に示すように、下側受け部17と上側受け部19との間の空間Wにクレビス32が配置されている。クレビス32の上と上側受け部19との間に、第3緩衝材としての防振ゴム50が設けられている。また、受け金物48とクレビス32との間には、第2緩衝材としてのコイルバネ46が設けられている。
このように、クレビス32を上下から防振ゴム50とコイルバネ46で挟んで維持する構成とした結果、クレビス32の位置を安定させることができる。
また、第3の実施の形態を用いて説明したが、第2の実施の形態にも適用できる。
図14に示すように、設置部22には第4緩衝材としてのコイルバネ52が配置されている。コイルバネ52は、オイルダンパー10のシリンダー14を水平に支持している。
この結果、設置部22からオイルダンパー10を経由して建築物20に伝播する、振動の伝播経路が遮断され、鉛直方向の振動を減少できる。
なお、鉛直ピン26との連結は筒体36の場合で説明したが、ローラー軸受38でもよい。
12 第1部材(ロッド)
14 第2部材(シリンダー)
20 構造体(建築物)
22 設置部
26 連結部材
28 支持部材(カラー)
30 免震装置(積層ゴム支承体)
32 クレビス
34 球面軸受
36 連結手段(筒体)
42 第1緩衝材(コイルバネ)
46 第2緩衝材(コイルバネ)
48 受け金物
50 第3緩衝材(防振ゴム)
52 第4緩衝材(コイルバネ)
60 構造体(工作機械)
64 ダンパー(オイルダンパー)
76 構造体(大型設備機器)
80 ダンパー(オイルダンパー)
98 ダンパー(粘弾性ダンパー)
Claims (5)
- 第1部材と第2部材との水平方向の相対移動により減衰力を発揮して、免震装置に支持された構造体の振動を抑えるダンパーを備え、
前記第1部材は前記構造体に連結され、前記第2部材は前記免震装置が設置された設置部に連結され、
前記構造体又は前記設置部に鉛直方向に設けられた連結部材と、前記第1部材又は前記第2部材の少なくとも一方に設けられ、前記連結部材を水平方向に所定の隙間を空けて囲む筒体とを備えた連結手段と、
前記連結部材を支持する受け台に設けられ前記筒体を支える支持部材と、
を有するダンパーの取付構造。 - 前記連結部材を支持する受け台に、前記筒体を支え、鉛直方向の振動を吸収する第1緩衝材を設けた請求項1に記載のダンパーの取付構造。
- 前記連結部材を支持する受け台と前記筒体の間には、前記連結部材に受け金物が接合され、前記受け金物と前記筒体の間に、鉛直方向の振動を吸収する第2緩衝材を設けた請求項1に記載のダンパーの取付構造。
- 前記筒体上部に、鉛直方向の振動を吸収し、前記筒体の上方向への移動を抑制する第3緩衝材を設けた請求項2又は3のいずれか1項に記載のダンパーの取付構造。
- 前記設置部に、鉛直方向の振動を吸収し、前記第1部材又は前記第2部材を支える第4緩衝材を設けた請求項1に記載のダンパーの取付構造。
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