JP5065137B2 - ダンパーの取付構造 - Google Patents

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本発明は、地震時に建築物、工作機械、大型設備機器等の水平方向の振動を低減するダンパーの取付構造に関する。
建築物、工作機械、大型設備機器等(以下構造体と記す)の多くは、地震時の水平方向の振動を減衰させ、構造体の破壊を防止するため、設置部に設けられた積層ゴムで構造体を支持し、積層ゴムの弾性で水平方向及び鉛直方向の振動を吸収する構成が採用されている。
このとき、地震時の構造体の水平方向の振動を抑え、構造体の振動を早く収束させるため、振動を低減させるダンパーを設置部と構造体の間に水平方向に配置している。
しかし、従来のダンパーの取付構造では、ダンパーと設置部及びダンパーと構造体の連結部がいずれも剛に連結されているため、例えば列車や車両等の走行振動や機械類の運転振動等の、生活環境で日常的に発生する鉛直方向の振動が、ダンパーを経由して構造体に伝播し、構造体が振動するという問題があった。
このため、生活環境で日常的に発生する鉛直方向の振動が構造体に伝播するのを抑制する技術として、例えば、ダンパーと上階の梁及びダンパーと下階の梁との連結部に、振動を吸収する緩衝材を設けたものがある(特許文献1)。
しかし、特許文献1は、図16(A)(B)に示すように、連結部材19にボルト25を使用し、ボルト25で天然ゴムの緩衝材27a、27b、27cを挟む構成である。このため、ダンパー1が緩衝材27a、27b、27cを介して梁5a等と連結されることによる連結剛性が存在する。この結果、生活環境で日常的に発生する鉛直方向の振動が、ダンパー1を経由して梁5aに伝播するのを防止できない。また、緩衝材27a、27b、27cがダンパー1の伸縮方向に配置されているため、緩衝材27a、27b、27cが優先して振動を吸収する結果、ダンパーの伸縮機能が損なわれ、免震性能が低下する可能性がある。
特開2000−240710号公報
請求項1に記載の発明に係るダンパーの取付構造は、第1部材と第2部材との水平方向の相対移動により減衰力を発揮して、免震装置に支持された構造体の振動を抑えるダンパーを備え、前記第1部材は前記構造体に連結され、前記第2部材は前記免震装置が設置された設置部に連結され、前記構造体又は前記設置部に鉛直方向に設けられた連結部材と、前記第1部材又は前記第2部材の少なくとも一方に設けられ、前記連結部材を水平方向に所定の隙間を空けて囲む筒体とを備えた連結手段と、前記連結部材を支持する受け台に設けられ前記筒体を支える支持部材と、を有することを特徴としている。
請求項1に記載の発明に係るダンパーの取付構造は、第1部材と第2部材との水平方向の相対移動により減衰力を発揮して、免震装置に支持された構造体の振動を抑えるダンパーを備え、前記第1部材は前記構造体に連結され、前記第2部材は前記免震装置が設置された設置部に連結され、前記第1部材又は前記第2部材の少なくとも一方が、水平方向に隙間を空けて連結する連結手段を有することを特徴としている。
また、請求項に記載の発明では、構造体又は設置部に鉛直方向に設けられた連結部材が、ダンパーの第1部材又は第2部材に設けられた筒体に、水平方向に所定の隙間を空けて囲まれている。
このように、筒体で、水平方向に所定の隙間を空けて連結部材を囲むことで、ダンパーを経由して構造体又は設置部に伝播していた鉛直方向の振動を抑制できる。
このとき、筒体は連結部材を水平方向に囲んでいるため、水平方向の振動は抑制されず、地震時のダンパーの免震機能が損なわれることはない。
更に、請求項に記載の発明では、連結部材を支持する受け台に筒体を支える支持部材を設けている。これにより、支持部材で筒体の位置を一定に維持し、ダンパーの第1部材及び第2部材を水平に保つことができる。
請求項に記載の発明は、請求項に記載のダンパーの取付構造において、前記連結部材を支持する受け台に、前記筒体を支え、鉛直方向の振動を吸収する第1緩衝材を設けたことを特徴としている。
請求項に記載の発明では、支持部材の替わりに、鉛直方向の振動を吸収する第1緩衝材で、筒体4が支持されている。
この結果、第1緩衝材で鉛直方向の振動が吸収される。このため、支持部材を設置した場合、設置部からダンパーに伝播され、さらに支持部材を経由して構造体に伝播される、鉛直方向の振動を減少させることができる。
請求項に記載の発明は、請求項に記載のダンパーの取付構造において、前記連結部材を支持する受け台と前記筒体との間には、前記連結部材に受け金物が接合され、前記受け金物と前記筒体の間に、鉛直方向の振動を吸収する第2緩衝材を設けたことを特徴としている。
請求項に記載の発明では、第2緩衝材を、連結部材に接合された受け金物と筒体の間に配置している。
この結果、第2緩衝材で鉛直方向の振動が吸収され、設置部からダンパーを経由して構造体に伝播される、鉛直方向の振動を減少させることができる。
請求項に記載の発明は、請求項又はのいずれか1項に記載のダンパーの取付構造において、前記筒体の上部に、鉛直方向の振動を吸収し、前記筒体の上方向への移動を抑制する第3緩衝材を設けたことを特徴としている。
請求項に記載の発明では、第3緩衝材を、筒体の上部に配置している。
この結果、第1緩衝材又は第2緩衝材と第3緩衝材で、筒体を上下から挟むことができ、筒体の位置が安定する。
請求項に記載の発明は、請求項に記載のダンパーの取付構造において、前記設置部に、鉛直方向の振動を吸収し、前記第1部材又は前記第2部材を支える第4緩衝材を設けたことを特徴としている。
請求項に記載の発明では、第4緩衝材で、ダンパーの第1部材又は第2部材を水平に支持している。これにより、筒体を直接支持しなくても、筒体の位置を一定に維持できる。
この結果、設置部からダンパーを経由して構造体に伝播する、鉛直方向の振動を減少させることができる。
請求項7に記載の発明では、第4緩衝材で、ダンパーの第1部材又は第2部材を水平に支持している。これにより、筒体を直接支持しなくても、筒体の位置を一定に維持できる。
この結果、設置部からダンパーを経由して構造体に伝播する、鉛直方向の振動を減少させることができる。
本発明は上記構成としたので、免震機能を損なうことなく、設置部からダンパーを経由して構造体に伝播する、鉛直方向の振動を低減できる。
(第1の実施の形態)
図1に示すように、設置部22には、免震装置としての積層ゴム支承体30が設けられ、積層ゴム支承体30が建築物20を支持している。
設置部22と建築物20との間には、オイルダンパー10が水平方向に伸縮可能に配置されている。ここに、オイルダンパー10の第1部材であるロッド12は建築物20に設けられた取付金具16と連結手段で連結され、第2部材であるシリンダー14は設置部22に設けられた取付金具18と連結されている。
建築物20の近くの路面23には線路が敷かれており、電車40が走行する立地条件である。電車40の走行時には路面23に縦波の振動波Pが発生し、振動波Pは周囲に拡散しながら減衰する。このとき、設置部22には振動波Qが伝播される。
この振動波Qは、積層ゴム支承体30及びオイルダンパー10を経由して建築物20に伝播され、建築物20は振動波Rで振動する。この振動波Rは、柱、梁を経由して建築物20の各階に拡散する(矢印V)。
次に、オイルダンパー10のロッド12と取付金具16との連結手段について、図2を用いて説明する。
図2に示すように、取付金具16の側面からは、上部受け部19と下部受け部17が、所定の空間Wを開けてオイルダンパー10の方向に延出されている。
上部受け部19と下部受け部17には、それぞれを鉛直方向に貫通する貫通孔25が設けられ、貫通孔25には、連結部材である鉛直ピン26が鉛直方向に挿入、固定されている。
また、空間Wには、ロッド12の先端部のクレビス32が配置されている。クレビス32の内部には球面軸受34が設けられ、球面軸受け34の内部には鉛直方向に開口した筒体36が設けられている。この球面軸受け34でクレビス32の多少の傾きを吸収できる。また、筒体36の内部には、鉛直ピン26が鉛直方向に挿入されている。
筒体36の内径は、鉛直ピン26の外径より2dだけ大きい径とされ、鉛直ピン26に挿入された状態で、クレビス32が鉛直ピン26と接触せずに鉛直方向に移動可能とされている。また、下部受け部17とクレビス32の間には、支持部材としての金属製のカラー28が鉛直ピン26に挿通して配置され、クレビス32を受けている。
このような構成とすることにより、ロッド12と取付金具16が、水平方向の移動は許容せず(2dのガタは許容する)、鉛直方向の移動は許容する連結となる。
これにより、後述するように、地震による水平方向の振動に対しては、ロッド12と取付金具16の連結部で水平方向の振動が伝播される。この結果、オイルダンパー10が伸縮され、ロッド12とシリンダー14が相対的に移動することで減衰力が生じ、建築物20の振動を減衰させることができる。
一方、例えば、電車40の走行による鉛直方向の振動に対しては、ロッド12と取付金具16の連結部で鉛直方向の移動が許容され、鉛直方向の振動が伝播されない。この結果、オイルダンパー10を経由して建築物20に伝播する鉛直方向の振動を低減できる。
なお、オイルダンパー10のシリンダー14と設置部22との連結手段は、従来と同じ構成である。振動の伝播経路のいずれか1ヶ所を遮断すれば、鉛直方向の振動を低減できるためである。
また、本実施の形態では、ロッド側の鉛直方向の移動を許容したが、シリンダー側の鉛直方向の移動を許容してもよい。
次に、本実施の形態の防振特性について図3を用いて説明する。図3の横軸は周波数(Hz)で、縦軸は振動伝達率を示す。ここに、振動伝達率とは、設置部22の振動波Qに対する建築物20に伝播された振動波Rの割合(R/Q)をいう。
図3に示すように、特性A(一点鎖線)は、積層ゴム支承体30で建築物20を支持したのみで、オイルダンパー10は設けていない場合の特性である。
特性Aは、周波数の低い領域で振動伝達率が急激に上昇する共振点faが見られ、共振点faの前後で、振動伝達率は1.0以上となっている。振動伝達率が1.0以上の範囲は、設置部22の振動波Qより建築物20に伝播された振動波Rの方が大きく、設置部22の振動が増幅されたことを示している。
共振点faより周波数が高くなるに従い、振動伝達率は低下し、設置部22から建築物20へ伝播する振動は減少する。振動伝達率は最小値aに収束する。
特性Aは、オイルダンパー10を設けていないため、オイルダンパー10を経由した振動の伝播が生じない。このため、共振点を除き振動伝達率は小さな値となる。しかし、オイルダンパー10は、地震時に建築物20の水平方向の振動を減少させるのに必要な装置であり、なくすことはできない。
特性B(二点鎖線)は、積層ゴム支承体30の横にオイルダンパー10を従来の方法で取付けた場合の特性である。このとき、オイルダンパー10と設置部22及び建築物20との連結は従来の方法でなされており、水平、鉛直方向共に剛に連結されている。
特性Bにおいて、共振点の周波数はfbで、オイルダンパー10がないときの周波数faより高い。また、共振点より周波数が大きい範囲の振動伝達率は、最小値bに向けて減少している。最小値bは、最小値aより大きい。
このように、特性Bが特性Aに比べ、共振点の周波数が高く、振動伝達率の最小値が大きいのは、オイルダンパー10を経由して、設置部22の振動が建築物20に伝播されるためである。
特性C(破線)は、第1の実施の形態の特性である。
特性Cは、オイルダンパー10のロッド12と建築物20との連結部における鉛直方向の移動が許容され、鉛直方向の振動がオイルダンパー10から伝播されない。この結果、共振点の周波数fcは、周波数faに近い値となり、周波数fbより低い。また、振動伝達率は、最小値cに向けて減少している。この最小値cは、最小値aより大きく、最小値bより小さい値である。
なお、特性Cでは、多くの共振点のピークc1〜c4が発生している。これは、金属製のカラー28でクレビス32を受けているため、特定周波数の振動がカラー28を経由して建築物20に伝播されるためである。
第1の実施の形態に係る構成とすることで、積層ゴム支承体30の横にオイルダンパー10を設けても、鉛直方向の振動を減少させ、特性Aに近づけることができる。
次に、地震時の水平方向の振動の低減について、図4、5を用いて説明する。
図4に示すように、従来の連結手段で緩衝材を用いて鉛直方向の振動の低減を図ることも可能であるが、次のような問題がある。
図4(A)に示すように、クレビス32と鉛直ピン26の隙間N1には緩衝材56が設けられている。緩衝材56は水平方向の厚さはN1とされ、緩衝材56の緩衝作用でクレビス32が鉛直方向に振動(矢印U参照)しても、鉛直ピン26には振動Uを伝えない。
図4(B)に示すように、オイルダンパー10の長さL1は、標準設置した時のロッド12とシリンダー14の長さを合計した長さである。地震前には、ダンパー10に水平方向の力は作用していない。
図4(C)に示すように、緩衝材56とダンパー10は直列に配置されている。
一方、地震でオイルダンパー10が水平方向の圧縮力Pを受けた場合には、図4(D)(E)に示すように、圧縮力Pを受けて緩衝材56は圧縮され、厚さN2となり、オイルダンパー10の長さはL2となる。
即ち、図4(F)に示すように、地震で、設置部22と建築物20の距離がS1だけ相対移動した場合、緩衝材56の厚さN2と、オイルダンパー10の長さL2と、距離S1の合計が、地震前の緩衝材56の厚さN1と、オイルダンパー10の長さL1との合計と等しくなるよう変形する。
緩衝材56の厚さN2は、鉛直方向の移動を確保し、かつ緩衝作用を発揮する必要があり、ある程度の距離が必要である。このため、緩衝材56の厚さN2が相対変位した距離S1の大部分を占め、オイルダンパー10の収縮量S2の変位量は小さな値となる。
このとき、緩衝材56の方がオイルダンパー10より収縮時の剛性が低いため、緩衝材56が優先して収縮し、緩衝材56では吸収しきれない分がオイルダンパー10で吸収される。
この結果、オイルダンパー10の収縮量S2は小さく、ダンパー10の機能が発揮されないという問題がある。また、地震発生からオイルダンパー10に圧縮力が及ぶまでの時間は、緩衝材56が厚さN1から厚さN2まで圧縮される時間の経過が加算されるため、オイルダンパー10が機能するタイミングが遅れるという問題もある。
次に、本実施の形態の場合について、図5を用いて説明する。
図5(A)(B)に示すように、筒体36を鉛直ピン26が貫通している。このとき、筒体36の厚さはtであり、鉛直ピン26と筒体36の隙間はdである。また、オイルダンパー10の長さL1は、標準設置した時のロッド12とシリンダー14の長さを合計した長さである。
図5(C)に示すように、鉛直ピン26と筒体36の隙間dと、筒体36の板厚tと、オイルダンパー10は直列に配置されている。ここに、距離M1は筒体36の板厚tと、鉛直ピン26と筒体36の隙間dとを合計した距離である。
一方、地震でオイルダンパー10が水平方向の圧縮力Pを受けた場合には、図5(D)(E)に示すように、圧縮力Pを受けて隙間dはなくなり、筒体36の板厚tは変化しない。オイルダンパー10は収縮して長さL3となる。
即ち、図5(F)に示すように、地震で、設置部22と建築物20の距離がS1だけ相対移動した場合、筒体36の板厚tと、オイルダンパー10の長さL3と、距離S1の合計が、地震前の距離M1と、オイルダンパー10の長さL1との合計と等しくなるように変形する。鉛直ピン26と筒体36の隙間dは、鉛直方向の移動が確保できればよく、小さな値となる。このため、オイルダンパー10の収縮量S3は、相対変位した距離S1の大部分を占める値となる。
このとき、筒体36を形成する鋼材の剛性は、オイルダンパー10の伸縮剛性より高いため、オイルダンパー10が優先して収縮する。
即ち、図4で説明したオイルダンパー10の収縮量S2と、本発明のオイルダンパー10の収縮量S3を比較すると、本発明のオイルダンパー10の収縮量S3の方が大きい。この結果、オイルダンパー10の機能がより発揮される。
また、地震開始からオイルダンパー10に圧縮力が伝わるまでの時間は、本発明は隙間dだけのロスとなり、応答が早い。
以上より、筒体36と連結部材26とは水平方向には移動を許容しないよう連結されているため、地震時にオイルダンパー10の免震機能が損なわれることはない。
なお、筒体36は、ロッド12若しくはシリンダー14のいずれか一方に設ければよい。いずれか一方で鉛直方向の振動を遮断すれば、振動の伝播が防げるためである。上記説明ではロッド12側に筒体36を設けた例について説明したが、筒体36をシリンダー14に設けてもよい。
次に、構造体が工作機械60の場合について説明する。
図6に示すように、建築物20の設置部74には積層ゴム支承体62が設けられ、積層ゴム支承体62の上には工作機械60が載せられ、面震化されている。なお、建築物20の構成は、上述した通りである。
また、設置部74と工作機械60の間には、オイルダンパー64が水平に配置されている。このとき、オイルダンパー64のロッド72は工作機械60側の取付金具68に連結手段で連結され、シリンダー70は設置部側の取付金具66に連結手段で連結されている。なお、積層ゴム支承体62は図5では1つだけ示しているが、実際は複数で支持している。
オイルダンパー64のロッド72と取付金具68との連結部の構造は、既述の建築物20に配置した場合と同じである。
このような構成とすることにより、例えば、工作機械60の近くを人が移動した場合に発生する、建築物20内の縦方向の振動を、ロッド72と取付金具68との連結部で減少させ、工作機械60へ伝播される鉛直方向の振動を低減できる。
また、工作機械60の稼動による鉛直方向の振動が、設置部74に伝播され、設置部74に伝播された振動が、建築物20の各階に伝播するのを低減できる。
次に、構造体が大型設備機器76の場合について説明する。
図7に示すように、建築物20の屋上の設置部90には、積層ゴム支承体78が設けられている。積層ゴム支承体78の上には、大型設備機器76が載せられ、面震化されている。なお、建築物20の構成は、上述した通りである。
設置部90と大型設備機器76の間には、オイルダンパー80が水平に配置されている。ここに、オイルダンパー80のロッド88は、大型設備機器側の取付金具84に連結手段で連結され、シリンダー86は、設置部側の取付金具82に連結手段で連結されている。なお、積層ゴム支承体78は図5では1つだけ示しているが、実際は複数で支持している。
オイルダンパー80のロッド88と取付金具84の連結手段は、既述の連結手段と同じである。
このような構成とすることにより、大型設備機器76の運転時に発生する縦方向の振動が、オイルダンパー80を経由して建築物20内に伝播されるのを低減できる。
次に、第1の実施の形態において、ダンパーが粘弾性ダンパー98の場合を説明する。
図8に示すように、設置部22には設置部22側の取付金具18が設けられている。取付金具18には、粘弾性ダンパー98の第2部材94の端部が連結手段で連結されている。
一方、第2部材94の他端部は、第1部材96の端部と共に、粘弾性体92を挟持している。第1部材96の他端部は、建築物20に設けられた建築物20側の取付金具16と連結手段で連結されている。
なお、第1部材96の端部と取付金具16との連結手段は、既述の連結手段と同じである。即ち、第2部材94の端部には、鉛直方向に貫通孔97が設けられ、貫通孔97には筒体95が設けられている。建築物20側の取付金具16と第2部材96の筒体95は、鉛直ピン26を貫通させることで連結され、鉛直方向の移動を許容する構成である。
このような構成とすることにより、粘弾性ダンパー98で、鉛直方向の振動を減少させることができる。
なお、水平方向の振動については、第1部材96と第2部材94を相対的に移動させて減衰力を発揮させる。
(第2の実施の形態)
図9に示すように、下側受け部17と上側受け部19との間の空間Wにクレビス32が配置されている。
また、下部受け部17とクレビス32の間には、第1緩衝材としてのコイルバネ42が設けられ、クレビス32を受けている。
第2の実施の形態の他の部分の構成は、第1の実施の形態と同じである。重複する部分の説明は省略する。
このような構成とすることにより、コイルバネ42でクレビス32を受けることができ、コイルバネ42で鉛直方向の振動が吸収される。
即ち、従来、設置部22からオイルダンパー10のカラー28を経由して建築物20に伝播されていた鉛直方向の振動を、カラー28をなくし、替わりにコイルバネ42を配置することで、鉛直方向の振動が吸収され、建築物20に伝播される振動を低減できる。
次に、第2の実施の形態における防振特性について図10を用いて説明する。なお、図10の横軸は周波数(Hz)を、縦軸は振動伝達率を示している。
図10において、特性Dが第2の実施の形態に係る特性である。なお、特性A〜Cは、既述した、図3に示した防振特性である。
特性Dにおける共振点の周波数fdは、特性Aの周波数faより高く、特性Bの周波数fbより低く、特性Cの周波数fcと同じである。また、振動伝達率は、特性Aに近い傾向で減少し、最小値dに収束する。ここに、最小値dは、特性Aの最小値aとほぼ同じ値であり、特性Bの最小値bや特性Cの最小値cより小さい。
これにより、オイルダンパー10を経由して、建築物20に伝播される鉛直方向の振動をより減衰できる。
なお、第1緩衝材としてのコイルバネ42は、緩衝作用を有すればよく、防振ゴムや高発泡ポリスチレンフォームで形成し、緩衝作用を持たせてもよい。
また、図11に示すように、緩衝材としてのコイルバネ44を、同じく緩衝材としてのコイルバネ45と並列に複数個並べた構成としてもよい。
なお、鉛直ピン26との連結は、筒体36の場合について説明したが、ローラー軸受38でもよい。
(第3の実施の形態)
図12に示すように、下側受け部17と上側受け部19との間の空間Wにクレビス32が配置されている。鉛直ピン26を支持する下側受け部17とクレビス32との間には、受け金物48が設けられている。
受け金物48は、リング状に形成され、鉛直ピン26に接合されている。受け金物48とクレビス32の間には、第2緩衝材としてのコイルバネ46が設けられている。
第4の実施の形態の他の部分の構成は、第3の実施の形態と同じである。重複する部分の説明は省略する。
このような構成とすることにより、コイルバネ46で鉛直方向の振動が吸収される。この結果、設置部22からオイルダンパー10を経由して建築物20に伝播される、鉛直方向の振動を低減できる。
なお、第2緩衝材としてのコイルバネ46は、緩衝作用を有すればよく、防振ゴム、高発泡ポリスチレンフォームで形成し、緩衝作用を持たせてもよい。
なお、連結部材26との連結は、筒体36を用いた場合で説明したが、ローラー軸受38でもよい。
(第4の実施の形態)
図13に示すように、下側受け部17と上側受け部19との間の空間Wにクレビス32が配置されている。クレビス32の上と上側受け部19との間に、第3緩衝材としての防振ゴム50が設けられている。また、受け金物48とクレビス32との間には、第2緩衝材としてのコイルバネ46が設けられている。
第4の実施の形態の他の部分の構成は、第3の実施の形態と同じである。重複する部分の説明は省略する。
このように、クレビス32を上下から防振ゴム50とコイルバネ46で挟んで維持する構成とした結果、クレビス32の位置を安定させることができる。
なお、防振ゴム50は、緩衝作用を有していればよく、コイルバネや高発泡ポリスチレンフォームで形成し、緩衝作用を持たせてもよい。
また、第3の実施の形態を用いて説明したが、第2の実施の形態にも適用できる。
(第5の実施の形態)
図14に示すように、設置部22には第4緩衝材としてのコイルバネ52が配置されている。コイルバネ52は、オイルダンパー10のシリンダー14を水平に支持している。
また、下側受け部17と上側受け部19との間の空間Wには、クレビス32が配置されている。下側受け部17とクレビス32の間には、第1〜第4緩衝材は配置していない。第1〜第4緩衝材で受けなくても、クレビス32の姿勢を一定に維持できるためである。
第5の実施の形態の他の部分の構成は、第1の実施の形態と同じである。重複する部分の説明は省略する。
この結果、設置部22からオイルダンパー10を経由して建築物20に伝播する、振動の伝播経路が遮断され、鉛直方向の振動を減少できる。
尚、コイルバネ52は、緩衝作用を有すればよく、図15に示す防振ゴム54でもよい。また、高発泡ポリスチレンフォームでもよい。
なお、鉛直ピン26との連結は筒体36の場合で説明したが、ローラー軸受38でもよい。
本発明の第1の実施形態に係るダンパーの取付構造を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係るダンパーの取付構造を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係るダンパーの防振性能を示す図である。 従来ダンパーの水平移動を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係るダンパーの水平移動を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係るダンパーの取付構造を工作機械に適用した例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係るダンパーの取付構造を大型設備機器に適用した例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係るダンパーの取付構造を粘弾性ダンパーに適用した例を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係るダンパーの取付構造を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係るダンパーの効果を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係るダンパーの取付構造を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係るダンパーの取付構造を示す図である。 本発明の第4の実施形態に係るダンパーの取付構造を示す図である。 本発明の第5の実施形態に係るダンパーの取付構造を示す図である。 本発明の第5の実施形態に係るダンパーの取付構造を示す図である。 従来のダンパーの取付構造を示す図である。
符号の説明
10 ダンパー(オイルダンパー)
12 第1部材(ロッド)
14 第2部材(シリンダー)
20 構造体(建築物)
22 設置部
26 連結部材
28 支持部材(カラー)
30 免震装置(積層ゴム支承体)
32 クレビス
34 球面軸受
36 連結手段(筒体)
42 第1緩衝材(コイルバネ)
46 第2緩衝材(コイルバネ)
48 受け金物
50 第3緩衝材(防振ゴム)
52 第4緩衝材(コイルバネ)
60 構造体(工作機械)
64 ダンパー(オイルダンパー)
76 構造体(大型設備機器)
80 ダンパー(オイルダンパー)
98 ダンパー(粘弾性ダンパー)

Claims (5)

  1. 第1部材と第2部材との水平方向の相対移動により減衰力を発揮して、免震装置に支持された構造体の振動を抑えるダンパーを備え、
    前記第1部材は前記構造体に連結され、前記第2部材は前記免震装置が設置された設置部に連結され、
    前記構造体又は前記設置部に鉛直方向に設けられた連結部材と、前記第1部材又は前記第2部材の少なくとも一方に設けられ、前記連結部材を水平方向に所定の隙間を空けて囲む筒体とを備えた連結手段と、
    前記連結部材を支持する受け台に設けられ前記筒体を支える支持部材と、
    を有するダンパーの取付構造。
  2. 前記連結部材を支持する受け台に、前記筒体を支え、鉛直方向の振動を吸収する第1緩衝材を設けた請求項1に記載のダンパーの取付構造。
  3. 前記連結部材を支持する受け台と前記筒体の間には、前記連結部材に受け金物が接合され、前記受け金物と前記筒体の間に、鉛直方向の振動を吸収する第2緩衝材を設けた請求項1に記載のダンパーの取付構造。
  4. 前記筒体上部に、鉛直方向の振動を吸収し、前記筒体の上方向への移動を抑制する第3緩衝材を設けた請求項2又は3のいずれか1項に記載のダンパーの取付構造
  5. 前記設置部に、鉛直方向の振動を吸収し、前記第1部材又は前記第2部材を支える第4緩衝材を設けた請求項1に記載のダンパーの取付構造。
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