JP2006266387A - 防振装置 - Google Patents

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光雄 葛川
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Abstract

【課題】 交通振動等の振動が建物に伝わるのを抑制でき、小型化し易く、しかも、容易に設置することができる防振装置を提供する。
【解決手段】 被防振体側8に固定される第1ベース部11と、第1ベース部11に対向して配置され、振動源側9に固定される第2ベース部12と、第1ベース部11と第2ベース部12との間に配置され、被防振体側8の荷重を支持するコイルスプリング13と、第1ベース部11と第2ベース部12との間に水平方向に対向して配置され、第1ベース部11と第2ベース部12との上下方向の相対移動に従動して摺動可能な上下方向摺動部32及び上下方向被摺動部34からなる上下振動減衰手段14とを備え、コイルスプリング13と上下振動減衰手段14とが並列状、かつ、同軸状に配置されている。
【選択図】 図1a

Description

この発明は、例えば、戸建て住宅用建物のような比較的軽量な構造物等と基礎との間に設置されて、当該構造物等の荷重を支持しながら交通振動等による振動が当該構造物等に伝わるのを抑制するのに好適な防振装置に関する。
従来、戸建て住宅用建物などの比較的軽量な構造物の地震による振動を減衰する免震装置としては、積層ゴム構造を用いたもの、鋼球を用いた支承構造によるもの、或いは、摺動子による摩擦を用いたものなどが知られている。これらの免震装置では、構造物の水平方向の振動を抑制するものであって、上下方向の振動を吸収する機能は有していない。
地震による構造物の水平方向の振動のみならず、上下方向の振動を減衰することができる免震装置としては、例えば、下記特許文献1に記載のものが知られている。
この免震装置では、上下方向の振動を絶縁するために、スプリング手段が設けられるとともに、この上下方向の振動を減衰するために、円柱表面を摺動する摩擦力発生手段を用いている。また、水平方向の振動を減衰するために、水平に配置された円板部を摺動する摩擦力発生手段を用いている。このような構造の免震装置では、地震による水平方向の振動と上下方向の振動とを減衰することができる。
また、例えば、鉄道の軌道等から伝達される振動を低減する免振装置として、例えば下記特許文献2のような免振装置が提案されている。
この免振装置では、振動源側と被免震体側との間に、コイルスプリングからなる上下振動減衰機構と、粘弾性体を備えた水平振動減衰機構とが設けられている。このような免振装置では、粘弾性体により水平方向の振動を絶縁又は吸収することができるとともに、コイルスプリング及び粘弾性体により上下方向の振動をも絶縁又は吸収することができるようになっている。
特開2000−161430号公報 特開平8−82339号公報
しかしながら、これらの免震装置は、上下方向の振動を減衰させることはできるが、ビル等の重量の大きな構造物を対象とし、しかも、振動エネルギーも大きなものを想定した装置であり、例えば、幹線道路や鉄道路線の沿線に建築された戸建住宅等の比較的軽量な構造物で問題とされる交通振動等のように、比較的軽量な構造物を対象としたものではなく、また、比較的小さな振動エネルギーによる振動を減衰させるものではなかった。
このため、従来の免震装置を戸建住宅等の比較的軽量な構造物には適用することはできず、また、従来の免震装置は、重量の大きな構造物を対象とし、しかも、大きな振動を減衰するために各部品が大きくなり易く、それらの部品が別々に装着される結果、装置全体が大型化し易いという問題点があった。
例えば、上記特許文献1の免震装置では、構造物の荷重を弾性的に支持するスプリング手段と、上下振動に対して摩擦力を発生して上下の振動を減衰させる摩擦力発生手段とが上下方向に直列的に配設されており、更に、これらとは別に、水平方向の振動を絶縁するための摩擦力発生手段が上部に配設されている。そのため、免震装置の上下方向の高さが大型化し易く、例えば、戸建住宅等の建物と基礎との間のような上下方向に狭い空間に配置することが困難であった。
また、上記特許文献2の免振装置では、コイルスプリングを複数配置し、これとは別に粘弾性体を配置するため、一つの免振装置に必要な面積が大きくなり、やはり、戸建住宅等の建物と基礎との間のような上下方向に狭い空間に配置することが困難であった。
さらに、これらの装置では、個々に弾性変形可能な部品や相対移動可能な部品を、別々に振動源側と被防振体側とに固定しなければならず、位置合わせや固定等、装置を設置する際の施工の手間が煩雑であるなどの問題点もあった。
そこで、この発明は、戸建住宅等のような比較的軽量な構造物に好適で、しかも、交通振動等のような比較的小さな振動が当該構造物に伝わるのを抑制でき、しかも、振動減衰効果が図れ、小型化し易く、しかも、容易に設置することが可能な防振装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する請求項1に記載の発明は、振動源側と被防振体側との間に配置される防振装置において、前記振動源側又は前記被防振体側の一方に固定される第1ベース部と、前記第1ベース部に対向して配置され、前記振動源側又は前記被防振体側の他方に固定される第2ベース部と、前記第1ベース部と前記第2ベース部との間に配置され、前記被防振体側の荷重を支持するコイルスプリングと、前記第1ベース部と前記第2ベース部との間に水平方向に対向して配置され、前記第1ベース部と前記第2ベース部との上下方向の相対移動に従動して摺動可能な上下方向摺動部及び上下方向被摺動部からなる上下振動減衰手段とを備え、前記コイルスプリングと前記上下振動減衰手段とが同軸状に配置されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記第1ベース部又は前記第2ベース部のいずれか一方が、前記上下振動減衰手段に対し、水平方向に相対移動可能であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の構成に加え、前記第1ベース部と前記第2ベース部との間に上下方向に対向して配置され、前記第1ベース部と前記第2ベース部との水平方向の相対移動に従動して摺動可能な水平方向摺動部及び水平方向被摺動部からなる水平振動減衰手段を備えたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の構成に加え、前記水平振動減衰手段の水平方向摺動部及び水平方向被摺動部が、上下方向に拡径及び縮径した円錐面形状を呈していることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか一つに記載の構成に加え、上下方向に圧縮変形可能で、かつ、水平方向にせん断変形可能なゴム状弾性部材を介して、前記第1ベース部又は前記第2ベース部の何れか一方が、前記振動源側に固定されることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、振動源側と被防振体側との間に配置される防振装置において、前記振動源側又は前記被防振体側の一方に固定される第1ベース部と、
前記第1ベース部に対向して配置され、前記振動源側又は前記被防振体側の他方に固定される第2ベース部と、前記第1ベース部と前記第2ベース部との間に配置され、前記被防振体側の荷重を支持するコイルスプリングと、前記第1ベース部と前記第2ベース部との間に水平方向に対向して配置され、前記第1ベース部と前記第2ベース部との上下方向の相対移動に従動して摺動可能な上下方向摺動部及び上下方向被摺動部からなる上下振動減衰手段と、前記第1ベース部と前記第2ベース部との間に配置され、前記第1ベース部と前記第2ベース部との上下方向の相対移動により圧縮変形可能で、かつ、前記第1ベース部と前記第2ベース部との水平方向の相対移動によりせん断変形可能なゴム状弾性体とを備え、前記コイルスプリング、前記上下振動減衰手段及び前記ゴム状弾性体とが同軸状に配置されていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の構成に加え、前記ゴム状弾性体が中空部を有する筒形状を呈し、前記中空部に前記コイルスプリング及び前記上下振動減衰手段が収容されていることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の構成に加え、前記コイルスプリングの前記第1ベース部側の端部は、前記第1ベース部に対して水平方向に相対移動が可能なスプリング受け部材に保持され、前記上下振動減衰手段の上下方向摺動部又は上下方向被摺動部の何れか一方が、前記スプリング受け部材に一体的に設けられるとともに、他方が前記第2ベース部側に固定され、前記スプリング受け部材が、前記第1ベース部に対して水平方向に相対移動することにより、前記上下振動減衰手段が、前記第1ベース部に対して水平方向に相対移動可能に構成されていることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の構成に加え、前記スプリング受け部材の前記第1ベース部側の端面が、前記端面と対向して前記第1ベース部側に設けられた対向面と当接し、前記スプリング受け部材端面及び前記対向面に、前記第1ベース部と前記第2ベース部との水平方向の相対移動に従動して摺動可能な水平方向摺動部及び水平方向被摺動部からなる水平振動減衰手段が設けられていることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項8又は9に記載の構成に加え、前記スプリング受け部材の周縁部には、前記ゴム状弾性体の前記中空部の内面と当接して、前記第1ベース部に対する前記スプリング受け部材の水平方向の相対移動を規制する水平方向ストッパ部を有することを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項8乃至10の何れか一つに記載の構成に加え、前記コイルスプリングの内側に配置されて前記スプリング受け部材に固定され、かつ、上下方向に延びる断面円形の周面を有する支持部と、前記支持部の周面と同軸状に配置されて、前記第2ベース部の上下方向の移動に従動する円筒部とを備え、前記支持部の周面及び前記円筒部の内面に、前記上下方向摺動部及び前記上下方向被摺動部が設けられていることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の構成に加え、前記支持部と前記円筒部との間に、前記支持部に対する前記円筒部の水平方向の動きを規制するジャーナルベアリングを配設したことを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項11又は12に記載の構成に加え、前記支持部の前記第2ベース部側の頂部には、前記頂部と離間して対向する前記第2ベース部側の対向部と当接することにより、前記第2ベース部の上下方向の移動を規制する上下方向ストッパ部を有することを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、請求項8乃至10の何れか一つに記載の構成に加え、前記スプリング受け部材が前記コイルスプリングの外側に配置されて上下方向に延びる筒状の側壁部を有すると共に、前記側壁部と同軸に配置されて上下方向に延びる筒状体が前記第2ベース部に固定され、前記スプリング受け部材の前記側壁部及び前記筒状体に、前記上下方向摺動部及び前記上下方向被摺動部が設けられていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、振動源側及び被防振体側にそれぞれ固定された第1ベース部及び第2ベース部との間に、被防振体側の荷重を支持するコイルスプリングと、第1ベース部と第2ベース部との上下方向の相対移動に従動して摺動可能な上下方向摺動部及び上下方向被摺動部からなる上下振動減衰手段とが配置されているので、交通振動等の上下方向の振動をコイルスプリングの弾性により絶縁するとともに、上下振動減衰手段により上下方向の振動エネルギーを散逸させることができ、これらにより振動源側の振動が被防振体側に伝わるのを抑制することができ、また、被防振体側の振動を速やかに減衰させることができる。
そして、このようなコイルスプリングと上下振動減衰手段とが同軸状に配置されているので、コイルスプリングと上下振動減衰手段とを一体的に組み込んで上下方向の小型化が図り易く、また、コイルスプリングと上下振動減衰手段とが一体的に組み込まれているため、設置の際には、第1ベース部と第2ベース部とをそれぞれ振動源側と被防振体側とに固定することにより、容易に設置することができる。
請求項2に記載の発明によれば、第1ベース部又は第2ベース部のいずれか一方が、上下振動減衰手段に対し、水平方向に相対移動可能であるので、第1ベース部と第2ベース部とが上下方向に振動するとともに、水平方向の振動を受けても、上下振動減衰手段が水平方向に移動するため、上下方向摺動部と上下方向被摺動部との水平方向の相対位置が変動し難く、上下方向摺動部と上下方向被摺動部とが最適な摺動可能状態を維持することができる。そのため、振動源側の振動に水平方向の振動が含まれていても、上下方向の振動減衰効果が損なわれるのを防止することができる。
請求項3に記載の発明によれば、第1ベース部と第2ベース部との間に上下方向に対向して配置され、第1ベース部と第2ベース部との水平方向の相対移動に従動して摺動可能な水平方向摺動部及び水平方向被摺動部からなる水平振動減衰手段を備えているので、第1ベース部と第2ベース部との間の水平方向の振動を水平振動減衰手段により速やかに減衰することができる。
請求項4に記載の発明によれば、水平振動減衰手段の水平方向摺動部及び水平方向被摺動部が、上下方向に拡径及び縮径した円錐面形状を呈しているので、水平方向の振動により水平方向摺動部と水平方向被摺動部とが円錐面形状に沿って摺動するため、水平方向の振動の大きさに応じて水平方向摺動部と水平方向被摺動部との接触圧を大きくでき、水平方向の振動の大きさに比例して減衰効果を大きくし易い。しかも、水平方向の振動の際、水平方向摺動部と水平方向被摺動部とが、円錐面に沿って円錐面形状の軸心位置に位置合わせされるため、水平方向の振動を受けても、第1ベース部と第2ベース部の水平方向の相対位置を当初位置に復元させることが容易である。
請求項5に記載の発明によれば、上下方向に圧縮変形可能で、かつ、水平方向にせん断変形可能なゴム状弾性部材を介して、第1ベース部又は第2ベース部の何れか一方が振動源側に固定されているため、防振効果に優れ、かつ、ゴム状弾性部材においても、上下方向の振動及び水平方向の振動を吸収することができる。
また、コイルスプリングのバネ定数とゴム状弾性部材のバネ定数を調整することにより、交通振動等のような比較的振幅の小さな振動をコイルスプリングで吸収し、それ以上の大きな振幅の振動をゴム状弾性部材で吸収するように構成することにより、第1ベース部と第2ベース部との上下方向の変位を抑えることができる。このため、防振装置を複数用いて建物等の被防振体を支持した場合に生じ易い被防振体側が傾斜(揺動)するロッキング現象を抑制することできる。
また、水平方向の大きな入力が加わり、第1ベース部と第2ベース部とが水平方向に大きく相対移動しようとする場合でも、水平方向の入力の一部をゴム状弾性部材で吸収することができるため、水平方向摺動部と水平方向被摺動部とからなる水平振動減衰手段に過度の水平方向の負荷が加わるのを防止できる。
請求項6に記載の発明によれば、振動源側及び被防振体側にそれぞれ固定された第1ベース部及び第2ベース部との間に、被防振体側の荷重を支持するコイルスプリングと、第1ベース部と第2ベース部との上下方向の相対移動に従動して摺動可能な上下方向摺動部及び上下方向被摺動部からなる上下振動減衰手段と、第1ベース部と第2ベース部との上下方向の相対移動により圧縮変形可能で、かつ、第1ベース部と第2ベース部との水平方向の相対移動によりせん断変形可能なゴム状弾性体とが配置されているので、交通振動等の上下方向の振動をコイルスプリング及びゴム状弾性体の弾性により絶縁するとともに、上下振動減衰手段により上下方向の振動エネルギーを散逸させることができ、これらにより振動源側の振動が被防振体側に伝わるのを抑制することができ、また、被防振体側の振動を速やかに減衰させることができる。
そして、このようなコイルスプリング、上下振動減衰手段及びゴム状弾性体とが同軸状に配置されているので、コイルスプリング、上下振動減衰手段及びゴム状弾性体とを一体的に組み込んで上下方向の小型化が図り易く、また、コイルスプリング、上下振動減衰手段及びゴム状弾性体とが一体的に組み込まれているため、設置の際には、第1ベース部と第2ベース部とをそれぞれ振動源側と被防振体側とに固定することにより、容易に設置することができる。
請求項7に記載の発明によれば、ゴム状弾性体が中空部を有する筒形状を呈し、中空部にコイルスプリング及び上下振動減衰手段が収容されているので、コイルスプリング及び上下振動減衰手段が外部からの異物等の影響を受けることがなく、
特に、上下振動減衰手段を構成する上下方向摺動部及び上下方向被摺動部に外気中のほこりやゴミ等の異物が付着し難いため、上下方向摺動部と上下方向被摺動部との良好な摺動状態を維持することができる。
また、ゴム状弾性体の中空部にコイルスプリング及び上下振動減衰手段が収容されているので、デッドスペースの有効利用による小型化が図り易い。
請求項8に記載の発明によれば、コイルスプリングの第1ベース部側の端部は、第1ベース部に対して水平方向に相対移動が可能なスプリング受け部材に保持され、上下振動減衰手段の上下方向摺動部又は上下方向被摺動部の何れか一方が、スプリング受け部材に一体に設けられるとともに、他方が第2ベース部側に固定され、スプリング受け部材が水平方向に移動することにより上下振動減衰手段が水平方向に移動可能に構成されているので、第1ベース部と第2ベース部とが上下方向の振動に伴なって水平方向の振動を受けた際、スプリング受け部材が水平方向に移動することにより、上下振動減衰手段も一体となって水平方向に移動するため、上下方向摺動部と上下方向被摺動部との水平方向の相対位置の変動を防止することができ、上下方向摺動部と上下方向被摺動部とが最適な摺動可能状態を維持することができる。そのため、振動源側の振動に水平方向の振動が含まれていても、上下方向の振動減衰効果が損なわれるのを防止することができる。
請求項9に記載の発明によれば、スプリング受け部材の第1ベース部側の端面が、端面と対向して第1ベース部側に設けられた対向面と当接し、スプリング受け部材端面及び対向面に、第1ベース部と第2ベース部との水平方向の相対移動に従動して摺動可能な水平方向摺動部及び水平方向被摺動部からなる水平振動減衰手段を備えているので、第1ベース部と第2ベース部との間の水平方向の振動を水平振動減衰手段により速やかに減衰することができる。
請求項10に記載の発明によれば、スプリング受け部材の周縁部には、ゴム状弾性体の中空部の内面と当接して、スプリング受け部材の水平方向の移動を規制する水平方向ストッパ部を有するので、水平方向の振動が大きくても、第1ベース部と第2ベース部とが過剰に水平方向に相対移動することがなく、防振装置の破損を防止することができる。しかも、ゴム状弾性体とスプリング受け部材とを水平方向の移動を規制するストッパ部として利用することができるため、部品点数の増加を招くことがなく、装置の構成が複雑化することがない。
請求項11に記載の発明によれば、コイルスプリングの内側に配置されてスプリング受け部材に固定され、かつ、上下方向に延びる断面円形の周面を有する支持部と、この支持部の周面と同軸状に配置されて、第2ベース部の上下動に従動する円筒部とを備え、支持部の周面及び円筒部に、上下方向摺動部及び上下方向被摺動部が設けられているので、コイルスプリングの内側の空間を有効に利用することができ、さらに小型化が図り易い。
請求項12に記載の発明によれば、支持部と円筒部との間に、支持部に対する円筒部の水平方向の動きを規制するジャーナルベアリングが配設されているので、第1ベース部と第2ベース部とが上下方向に相対移動する際、支持部に対する円筒部の偏角(傾き)がジャーナルベアリングにより規制されるため、第1ベース部に対して第2ベースが傾斜し難い。このため、第1ベース部と第2ベース部との平行状態を維持することができ、防振装置を複数用いて建物等の被防振体を支持した場合に生じ易い被防振体側が傾斜(揺動)するロッキング現象を抑制することできる。
請求項13に記載の発明によれば、支持部の第2ベース部側の頂部には、頂部と離間して対向する第2ベース部側の対向部と当接することにより、第2ベース部の下動を規制する上下方向ストッパ部を有するので、第1ベース部に対して、第2ベース部が上下方向に振動する際に、第2ベース部の所定量以上の下動を規制することができ、防振装置の破損を防止できる。
請求項14に記載の発明によれば、スプリング受け部材が前記コイルスプリングの外側に配置されて上下方向に延びる筒状の側壁部を有すると共に、側壁部と同軸に配置されて上下方向に延びる筒状体が第2ベース部に固定されて設けられ、スプリング受け部材の側壁部及び筒状体に、上下方向摺動部及び上下方向被摺動部が設けられているので、上下方向摺動部と上下方向被摺動部とをコイルスプリングの内側に配置する場合に比べて、上下方向摺動部及び上下方向被摺動部との周方向の接触長さを長く設けることが可能であり、上限振動減衰手段による上下振動の減衰効果をより大きく確保することが容易である。
以下、この発明の実施の形態について説明する。
[実施の形態1]
図1は実施の形態1の防振装置を示す。
この防振装置10は、振動源側としての戸建て住宅用建物(以下、「建物」という。)8の基礎9と、この基礎9と離間して上方に建築された被防振体側としての建物8との間に、建物8の床面積や荷重等に応じて複数個配置されており、この複数個の防振装置10により建物8が基礎9の上方に支持されている。
この防振装置10では、基礎9に第1ベース部11側が固定されると共に、建物8に第2ベース部12側が固定され、第1ベース部11と第2ベース部12との間に、コイルスプリング13及び上下振動減衰手段14が設けられている。
第1ベース部11は、基礎9に固定孔15aを用いて固定された基部固定板15と、リング状に成形されて基部固定板15に固着されたゴム状弾性部材16とを介して基礎9に固定されている。
また、第2ベース部12は、固定板17を介してボルト18により建物8に固定されている。
第1ベース部11側のゴム状弾性部材16は、上下方向に圧縮変形可能であると共に、水平方向にせん断変形可能となっており、また、ゴム状弾性部材16の上下方向のバネ定数は、コイルスプリング13のバネ定数よりも大きく設定されている。
第1ベース部11と第2ベース部12との間に配置されたコイルスプリング13は、基礎9と建物8が接近・離間する上下方向に軸線が沿うように設置されており、下端部13aが第1ベース部本体11の底面に当接し、上端部13bが第2ベース部12が固定された建物8に直接当接した状態となっている。
このコイルスプリング13は、第1ベース部11と第2ベース部12とが上下方向の相対移動することにより弾性変形可能であり、そのバネ定数は、建物8の荷重(複数個の防振装置で支持する場合の一個の防振装置の分担分)を支持可能であると共に、建物8或いは基礎9に交通振動等が負荷された際、その振動により圧縮変形可能な程度に設定されている。
次に、上下振動減衰手段14について説明する。
第1ベース部11には、コイルスプリング13の下端側の周囲を囲むようにリング状に上方に向けて突出する第1環状部24が設けられており、第2ベース部12には、コイルスプリング13の上端側の周囲を囲むようにリング状に下方に向けて突出すると共に、第1環状部24の外径より小さい外周を有する第2環状部26が設けられている。
そして、第2環状部26の周囲には、第2ベース部12に連結された筒体28が配置され、この筒体28が第1ベース部11の第1環状部24の外周と同軸状に配置され、この部分に上下振動減衰手段14が構成されている。
この上下振動減衰手段14は、筒体28の内周に設けられた上下方向摺動部32と、第1環状部24の外周面に設けられた上下方向被摺動部34とからなり、上下方向摺動部32と上下方向被摺動部34とが同軸状に対向して配置されて構成されている。上下方向被摺動部34は、第1環状部24の外周にゴム材料を加硫接着して形成されており、その外周面には上下方向に連続する凹凸部が形成されている。
そして、この上下方向摺動部32と上下方向被摺動部34とは第1ベース部11と第2ベース部12との上下方向の相対移動に従動して互いに摺動可能となっており、上下方向の振動エネルギーが、この上下振動減衰手段14によって熱エネルギーに変換されて大気中に散逸されることで、上下方向の振動が速やかに減衰して収束する構成となっている。
この実施の形態にあっては、コイルスプリング13は、上下振動減衰手段14の内側の空間に収容されて、コイルスプリング13と上下振動減衰手段14とが並列状、かつ、同軸状に配置されている。
また、筒体28の上端には、平板リング形状の内周鍔部30が中心方向に設けられ、この内周鍔部30が第2環状部26の上端に内周鍔部30の内径より小さく形成された小径部26bに配置されている。また、この筒体28の内径は、第2環状部26の外周面26aの外径より大きく形成されているため、筒体28の内周面は、外周面26aから外側に離間して配置されている。そのため、第2環状部26の大径部26cと固定板17との間で内周鍔部30が摺動することにより、内摺鍔部30の内径と第2環状部26の小径部26bの外径との差に応じて、
第2ベース部12が筒体28に対して水平方向に相対移動が可能となっている。
さらに、第1環状部24と第2環状部26との対向部分には、水平振動減衰手段38が設けられている。
この水平振動減衰手段38は、第2環状部26の下端に下方に突設された水平方向摺動部としての凸部40と、この凸部40の下方に離間して第1環状部24の上端に設けられた水平方向被摺動部としての凹部42とからなっており、凸部40の凸部対向面40aと凹部42の凹部対向面42aとは、何れも上下方向に拡開及び縮径する円錐面形状に形成されている。ここでは、凹部対向面42aは第1環状部24にゴム材料を加硫接着することによって形成されており、また、凹部対向面42aの表面には、径方向に連続する凹凸部が形成されている。
この凸部対向面40aと凹部対向面42aとは、防振装置10を建物8と基礎9との間に設置し、防振装置10に建物8の荷重が加わった状態において、上下方向及び水平方向に離間した状態で同心状に対向して配置され、第1ベース部11と第2ベース部12とが水平方向の相対移動することにより、凸部対向面40aと凹部対向面42aとが互いに当接して摺動可能となっている。
この凸部対向面40aと凹部対向面42aとのテーパ角度は適宜設定することができる。
この凸部対向面40aと凹部対向面42aとは、上下方向に所定間隔離間して配置されており、第1ベース部11と第2ベース部12との上下方向の相対移動により当接して、コイルスプリング13の所定量以上の圧縮変形が規制されるようになっている。
以上のような構成の防振装置10を設置するには、基礎9にゴム状弾性部材16を介して基部固定板17を固定し、第1ベース部11のリング状の第1環状部24の中心部にコイルスプリング13を配置するとともに、第2環状部26の周囲に筒体28を配置した状態で固定して、筒体28を第1環状部24の上下方向被摺動部34に嵌合させた後に、第2ベース部12を建物8にボルト18で固定する。
そして、このようにして防振装置10が設置された建物8では、基礎9或いは建物8に振動が負荷されない静止状態では、建物8の荷重がコイルスプリング13により支持される。
また、建物8は、防振装置10のコイルスプリング13によって上下方向に弾性的に支持されているため、交通振動等の振幅の比較的小さな振動に起因して基礎9側に上下方向の振動が発生しても、コイルスプリング13が圧縮及び復元されることにより、上下方向の振動が吸収されるため、上下方向の振動が建物8側に伝わるのを軽減する防振効果が得られる。
それと同時に、上下振動減衰手段14の上下方向摺動部32と上下方向被摺動部34とが上下方向に摺動することにより、その振動エネルギーが熱エネルギーに変換されて大気中に散逸されるため、建物8の上下方向の振動を速やかに減衰させて収束させることができる。
このとき、上下方向の振動と共に、基礎9と建物8とが水平方向に相対移動する水平方向の振動が含まれていても、第2ベース部12と筒体28とが水平方向の相対移動が可能に構成されているため、筒体28の内周に設けられた上下方向摺動部32と第1環状部24の外周面に設けられた上下方向被摺動部34とからなる上下振動減衰手段14は、建物8側に固定された第2ベース部12に対して
水平方向の相対移動が許容される。このため、上下方向摺動部32と上下方向被摺動部34とが同軸状に最適な嵌合状態が維持され、上下振動減衰手段14の上下方向の振動減衰効果が損なわれることはない。
また、第1ベース部11と第2ベース部12とが水平方向の振動により水平方向に相対移動すると、水平振動減衰手段38を構成する凸部40の凸部対向面40aと凹部42の凹部対向面42aとが当接して摺動することにより、水平方向の振動エネルギーが熱エネルギーに変換された大気中に散逸されるため、建物8の水平方向の振動を速やかに減衰させて収束させることができる。
さらに、基礎9と建物8との間に振幅の大きい上下振動が負荷された場合には、凸部40の凸部対向面40aと凹部42の凹部対向面42aとが当接するため、コイルスプリング13は、それ以上の弾性変形は生ずることがなく、第1ベース部11と第2ベース部12との所定量以上の相対変位は生じない。
そして、凸部対向面40aと凹部対向面42aとが当接した場合、コイルスプリング13の圧縮弾性変形は規制されるが、上下方向の振動エネルギーは、ゴム状弾性部材16が上下方向に圧縮弾性変形することにより、その上下方向の振動が吸収されることになる。
ここでは、コイルスプリング13として交通振動等を吸収できるようにバネ常数を小さく設定していても、上下方向の大きな変位は生じ難く、複数の防振装置10を配置した場合に建物8の一方側の防振装置10が他方側の防振装置10より大きく変位することにより生じる、所謂、ロッキング現象を防止することができる。
また、基礎9と建物8との間に振幅の大きい水平方向の振動が負荷された場合には、水平振動減衰手段38により、凸部40の凸部対向面40aと凹部42の凹部対向面42aとが所定量の水平方向の相対変位で当接される。その際、凸部対向面40aと凹部対向面42aとがテーパ形状を有し、テーパ形状の傾斜に沿って摺動可能に構成されているため、水平方向の振動を減衰しつつ水平方向の大きな変位を規制することができ、第1ベース部11と第2ベース部12との所定量以上の相対変位は生じない。そして、凸部対向面40aと凹部対向面42aとが水平方向に当接した場合にも、水平方向の振動エネルギーはゴム状弾性部材16の水平方向の弾性変形により吸収される。
以上のようなこの実施の形態1の防振装置10によれば、基礎9及び建物8にそれぞれ固定された第1ベース部11及び第2ベース部12との間に、建物8からの荷重を支持するコイルスプリング13と、第1ベース部11と第2ベース部12との上下方向の相対移動に従動して摺動可能な上下方向摺動部32及び上下方向被摺動部34からなる上下振動減衰手段14とが配置されているので、交通振動等の上下方向の振動をコイルスプリング13の弾性変形により絶縁するとともに、上下振動減衰手段14により減衰させることができる。
そして、このようなコイルスプリング13と上下振動減衰手段14とが、並列状、かつ、同軸状に配置されているので、コイルスプリング13と上下振動減衰手段14とを一体的に組み込み易く、小型化を図ることも容易である。
同時に、設置の際には、コイルスプリング13を上下振動減衰手段14の内側に収容することにより同軸状に配置して、第1ベース部11と第2ベース部12とをそれぞれ基礎9と建物8とに固定すれば、容易に設置することができる。
また、上下振動減衰手段14が、第2ベース部12に対し、水平方向に相対移動可能であるので、第1ベース部11と第2ベース部12とが上下方向の振動に伴なって水平方向の振動を受けても、上下振動減衰手段14が水平方向に移動することにより、上下方向摺動部32と上下方向被摺動部34との水平方向の相対位置が変動し難く、上下方向摺動部32と上下方向被摺動部34とが最適な摺動可能状態を維持することができる。このため、上下方向の振動に伴なって水平方向の振動が含まれていても、上下方向の振動減衰効果が損なわれるのを防止することができる。
さらに、第1ベース部11と第2ベース部12との間に上下方向に対向して配置され、第1ベース部11と第2ベース部12との水平方向の相対移動に従動して摺動可能な凸部40の凸部対向面40a及び凹部42の凹部対向面42aからなる水平振動減衰手段38を備えているので、第1ベース部11と第2ベース部12との間の水平方向の振動を減衰することができる。
また、水平振動減衰手段38の凸部40の凸部対向面40a及び凹部42の凹部対向面42aが、上下方向に拡径及び縮径した円錐面形状を呈しているので、水平方向の振動により凸部40の凸部対向面40aと凹部42の凹部対向面42aとが円錐面形状に沿って摺動するため、水平方向の振動の大きさに応じて凸部対向面40aと凹部対向面42aとの接触圧を大きくでき、水平方向の振動の大きさに比例して減衰効果を大きくし易い。しかも、水平方向の振動の際、凸部40の凸部対向面40aと凹部42の凹部対向面42aとが、円錐面に沿って円錐面形状の軸心位置に位置合わせされるため、水平方向の振動を受けても、第1ベース部11と第2ベース部12の水平方向の相対位置を当初の位置に復元させることが可能である。
さらに、第1ベース部11がゴム状弾性部材16を介して基礎9に固定されているため、防振効果に優れ、かつ、コイルスプリング13と共にゴム状弾性部材16においても上下方向の振動及び水平方向の振動を吸収することができる。
また、コイルスプリング13のバネ定数とゴム状弾性部材16のバネ定数を調整することにより、交通振動等のような比較的振幅の小さな振動をコイルスプリング13で吸収し、それ以上の大きな振幅の振動をゴム状弾性部材16で吸収するように構成することにより、第1ベース部11と第2ベース部12と上下方向の変位を抑えることができる。このため、防振装置10を複数用いて建物8を支持した場合に生じ易い建物8が傾斜(揺動)するロッキング現象を抑制することできる。
また、水平方向の大きな振動が負荷され、第1ベース部11と第2ベース部12とが水平方向に大きく相対移動しようとする場合でも、水平方向の入力の一部をゴム状弾性部材16で吸収することができるため、水平方向摺動部と水平方向被摺動部とからなる水平振動減衰手段38に過度の水平方向の負荷が加わるのを防止することができる。
[実施の形態2]
図2はこの実施の形態2の防振装置を示す。
この防振装置60は、上記実施の形態1と同様に、基礎9と建物8との間に配置されている。
防振装置60は、基礎9に板状の第1ベース部61が固定されるとともに、建物8に板状の第2ベース部62が固定され、この第1ベース部61と第2ベース部62との間に、コイルスプリング63と、コイルスプリング63の内側に配置された上下振動減衰手段64と、コイルスプリング63の外側に配置された略円筒形状のゴム状弾性体65とが配置されている。
ゴム状弾性体65は、第1ベース部61と第2ベース部62とが離接する上下方向に軸線を有する略円筒形状に形成されており、内部に中空部66が設けられており、下端65aが第1ベース部61に固着されるとともに、上端65bが第2ベース部62に固着されている。
このゴム状弾性体65は、コイルスプリング63と共に、建物8の荷重(の一部)を支持すると同時に、建物8或いは基礎9に交通振動が負荷された際、その振動により圧縮変形可能な程度のバネ定数(弾性力)を有しており、第1ベース部61と第2ベース部62とが上下方向に相対移動する際、或いは、水平方向に相対移動する際、その相対移動に応じて上下方法に圧縮変形可能であるとともに、水平方向にせん断変形可能となっている。
コイルスプリング63は、軸線が上下方向に沿うようにゴム状弾性体65の中空部66内に収容され、ゴム状弾性体65と並列状、かつ、同軸状に配置されている。
このコイルスプリング63は、ゴム状弾性体65と共に、建物8の荷重を支持すると同時に、建物8或いは基礎9に交通振動が負荷された際、第1ベース部61と第2ベース部62との上下方向の相対移動に応じて、圧縮変形可能な程度のバネ定数(弾性力)を有している。
このようなコイルスプリング63の下端部63aは、第1ベース部61の上面に載置されたスプリング受け部材67に保持されている。このスプリング受け部材67は、第1ベース部61の上部に載置されてコイルスプリング63の下端63aが上方から当接している底部67aと、この底部67aと一体に成形されて、コイルスプリング63の外周側に上下方向に配置された外側筒部67bと、後述する円筒部68を支持可能に、底部67aの略中心部分からコイルスプリング63の内側に上下方向に突設され、円形の外周面を有する支持部67cとを備えている。
スプリング受け部材67の外側筒部67bの外周形状は、ゴム状弾性体65の中空部66より小さく形成されており、また、スプリング受け部材67は、中空部66内で第1ベース部61上を水平方向に第1ベース部61に対して相対移動可能となっている。
また、スプリング受け部材67の底部67aは、コイルスプリング63により第1ベース部61側に付勢されており、常に、底部67aの底面67dが第1ベース部61側に当接された状態となっている。
一方、コイルスプリング63の上端部63bは、第2ベース部62に当接している。
この実施の形態2では、第2ベース部62のコイルスプリング63の上端部63bが当接している部位の内径側には、コイルスプリング63内に向けて突設された円筒部68が設けられており、この円筒部68は、支持部67cの周囲に同軸に配置されている。そして、このスプリング受け部材67の支持部67cと円筒部68との間に、上下振動減衰手段64が設けられている。
上下振動減衰手段64は、円筒部68の内周面に設けられた上下方向摺動部としての弾性リング部材71と、スプリング受け部材67の支持部67cの外周面からなる上下方向被摺動部72とが、摺動可能に配置されることにより構成されている。ここでは、第1ベース部61と第2ベース部62とが上下方向に相対移動するときに摺動して上下振動を減衰可能となっている。特に、弾性リング部材71の内周縁71aが第2ベース部62側、すなわち、上方に向けて傾斜しているため、第1ベース部61と第2ベース部62とが接近する際の上下方向被摺動部72の摺動抵抗が、第1ベース部61と第2ベース部62とが離間する際の摺動抵抗よりも小さくなり、クッション性を高めることができるようになっている。
また、このような支持部67cと円筒部68との間には、その間隙を埋めて両者間の水平方向の移動を規制するジャーナルベアリング69が配設されている。
ジャーナルベアリング69は、スプリング受け部材67の支持部67cに対して円筒部68が傾斜せずに上下方向に案内可能となっており、第1ベース部61と第2ベース部62とが平行状態を維持して上下方向に相対移動可能に構成されている。
さらに、この支持部67には、第1ベース部61と第2ベース部62との上下方向の移動を規制する上下方向ストッパ部79が設けられている。この上下方向ストッパ部79は、スプリング受け部材67の支持部67cの頂部に、建物8の底面から離間して対向して配設された弾性ゴム等からなっている。この上下方向ストッパ部79は、第1ベース部61と第2ベース部62とが上下方向に所定量相対移動すると、上下方向ストッパ部79が建物8の底面に当接することにより上下方向の移動が規制されるように構成されている。
この実施の形態2の防振装置60では、さらに、水平方向ストッパ75が設けられている。この水平方向ストッパ75は、外側筒部67bの外周面からなり、スプリング受け部材67が第1ベース部61に対して水平方向に相対移動することにより、外側筒部67bがゴム状弾性体65の内周面65cに当接することにより、スプリング受け部材67の所定量以上の水平方向の移動が規制されるように構成されている。
さらに、この防振装置60には、スプリング受け部材67の底部67aの底面67dと、この底面67dに対向する第1ベース部61の対向面61aとに水平振動減衰手段77が設けられている。この対向面61aには、ゴム材料等が加硫接着されたゴム層61cが形成されており、このゴム層61cの上面は、同心円状の凹凸部が径方向に連続して形成されてスプリング受け部材67の底部67aの底面67dとの摺動抵抗が大きくなるように構成されている。
この水平振動減衰手段77では、第1ベース部61と第2ベース部62とが水平方向に振動して相対移動すると、円筒部68を介してスプリング受け部材67が第2ベース部62に従動し、水平方向摺動部としてのスプリング受け部材67の底面67dが、水平方向被摺動部としての第1ベース部61のゴム層61cの上面上を摺動することにより、水平方向の振動エネルギーを散逸させて水平方向の振動を減衰するように構成されている。
以上のような構成の防振装置60を設置するには、基礎9に第1ベース部61を固定して、ゴム状弾性体65を配置すると共に、その中空部66内にスプリング受け部材67及びコイルスプリング63を収容し、スプリング受け部材67の支持部67cに円筒部68を嵌合させた状態で第2ベース部62を建物8に固定することにより設置する。
そして、このようにして防振装置60が設置された建物8では、基礎9或いは建物8に振動が負荷されない静止状態では、建物8の荷重がゴム状弾性体65とコイルスプリング63とに分散して支持される。
また、交通振動等の比較的小さい振動が外部から基礎9や建物8に加わることにより、基礎9と建物8とに上下方向の振動が負荷されると、ゴム状弾性体65とコイルスプリング63が圧縮及び復元されることにより、その振動が絶縁される。その際、第1ベース部61と第2ベース部62とがジャーナルベアリング69により互いに平行状態を維持しつつ上下動する。それと同時に、上下振動減衰手段64の上下方向被摺動部72と弾性リング部材71とが上下方向に摺動することにより、その振動エネルギーが熱エネルギーに変換されて散逸され、交通振動等に起因する上下方向の振動が減衰される。
また、上下方向の振動と共に水平方向の振動が含まれると、第1ベース部61と第2ベース部62とに結合されたゴム状弾性体65が水平方向に弾性変形することにより、その水平方向の振動が絶縁される。また、スプリング受け部材67がコイルスプリング63により第1ベース部61側に付勢された状態で、円筒部68を介して第2ベース部62に従動するため、スプリング受け部材67の底部67aの底面67dが第1ベース部61上のゴム層61cと摺動して水平方向の振動が減衰される。
このとき、スプリング受け部材67が第1ベース部61に対して水平方向に摺動することにより、上下方向被摺動部72を構成する弾性リング部材71と支持部67cとは、同軸状の適切な嵌合状態を維持することができる。
さらに、基礎9と建物8との間に振幅の大きい上下方向の振動が負荷された場合には、ゴム状弾性体65とコイルスプリング63とが大きく上下方向に圧縮及び復元する。このとき、所定量の移動により、スプリング受け部材67の支持部67cの頂面に上下方向ストッパ部79が建物8に当接し、それ以上の上下方向の振動が規制される。
また、基礎9と建物8との間に振幅の大きい水平方向の振動が負荷された場合には、第1ベース部61と第2ベース部62とが水平方向に振動し、ゴム状弾性体65内でスプリング受け部材67が円筒部68を介して第2ベース部62に従動して水平方向に振動する。その際、ゴム状弾性体65が水平方向に弾性変形し、また、水平振動減衰手段77を構成するスプリング受け部材67の底面67dが第1ベース部61上に設けられたゴム層61c上を摺動することにより、その水平方向の振動のエネルギーが散逸される。さらに、水平方向に所定量相対移動することにより、スプリング受け部材67の外側筒部67bがゴム状弾性体65の内面に当接することにより、所定量以上の水平方向の振動が規制される。
以上のようなこの実施の形態2の防振装置60によれば、基礎9及び建物8にそれぞれ固定された第1ベース部61と第2ベース部62との間に、建物8の荷重を支持するコイルスプリング63と、第1ベース部61と第2ベース部62との上下方向の相対移動に従動して摺動可能な弾性リング部材71及び上下方向被摺動部72からなる上下振動減衰手段64と、第1ベース部61と第2ベース部62との上下方向の相対移動により圧縮変形可能で、かつ、第1ベース部61と第2ベース部62との水平方向の相対移動によりせん断変形可能なゴム状弾性体65とが配置されているので、交通振動等の上下方向の振動をコイルスプリング63及びゴム状弾性体65の弾性変形により絶縁するとともに、上下振動減衰手段64により上下方向の振動エネルギーを散逸させることができ、上下方向の振動を速やかに減衰することができる。
そして、このようなコイルスプリング63、上下振動減衰手段64及びゴム状弾性体65とが、並列状、かつ、同軸状に配置されているので、これらを一体的に組み込み易く、小型化が図り易い。
また、設置の際には、コイルスプリング63、上下振動減衰手段64及びゴム状弾性体65を順に収容して配置し、第1ベース部61と第2ベース部62とをそれぞれ基礎9と建物8とに固定すれば、容易に設置することができる。
また、ゴム状弾性体65が中空部66を有する筒形状を呈し、中空部66にコイルスプリング63及び上下振動減衰手段64が収容されているので、コイルスプリング63及び上下振動減衰手段64が外部からの異物等の影響を受けることがなく、特に、上下振動減衰手段64の互いに摺動する弾性リング部材71や上下方向被摺動部72に外気中のほこりやゴミ等の異物が付着し難いため、弾性リング部材71と上下方向被摺動部72との良好な摺動状態を維持することができる。
また、ゴム状弾性体65の中空部66にコイルスプリング63及び上下振動減衰手段64が収容されているので、デッドスペースの有効利用による小型化が図り易い。
さらに、コイルスプリング63の第1ベース部61側の下端部63aが、第1ベース部61に対して水平方向に相対移動可能なスプリング受け部材67に保持され、上下振動減衰手段64の上下方向被摺動部72が、スプリング受け部材67に一体に設けられるとともに、弾性リング部材71が第2ベース部62に固定された円筒部68に設けられているので、スプリング受け部材67が第1ベース部61に対して水平方向に相対移動することにより、上下振動減衰手段64も水平方向に相対移動可能である。
また、スプリング受け部材67の第1ベース部61側の底面67dが、第1ベース部61上に設けられたゴム層63cの上面と当接し、第1ベース部61と第2ベース部62との水平方向の相対移動に従動してスプリング受け部材67の底面67dが第1ベース部61に設けられたゴム層63c上を摺動するので、第1ベース部61及び第2ベース部62に上下方向の振動に伴なって水平方向の振動を受けても、コイルスプリング63により常に安定した力でスプリング受け部材67の底面67dを第1ベース部61側に付勢することができ、スプリング受け部材67の底面67dを第1ベース部61に設けられたゴム層63cの上面に安定した力で接触させて、水平方向の振動を効果的に減衰することができる。しかも、スプリング受け部材67を水平振動減衰手段77の一部として利用するため、より小型化を図ることができる。
また、ゴム状弾性体65が中空部66を有する筒形状を呈し、中空部66にスプリング受け部材67の底面67dと第1ベース部61のゴム層61cとからなる水平振動減衰手段77が収容されているので、水平振動減衰手段77が外部からの異物等の影響を受けることがなく、特に、水平振動減衰手段77のスプリング受け部材67の底面67dや第1ベース部61のゴム層61c上に外気中のほこりやゴミ等の異物が付着し難いため、スプリング受け部材67の底面67dと第1ベース部61のゴム層61cが良好な摺動状態を維持することができる。
さらに、スプリング受け部材67の外側筒部67bが、ゴム状弾性体65の中空部66の内面と当接して、スプリング受け部材67の第1ベース部61に対する水平方向の相対移動を規制する水平方向ストッパ75となっているので、水平方向の振動が大きくても、第1ベース部61と第2ベース部62とが過剰に水平方向に相対移動することがなく、防振装置60の破損を防止できる。しかも、スプリング受け部材67を水平方向ストッパ75として利用することができるため、装置の構成を簡単にすることができる。
また、コイルスプリング63の内側に配置されてスプリング受け部材67に固定され、かつ、上下方向に延びる断面円形の周面を有する支持部67cと、この支持部67cの周面と同軸に配置されて、第2ベース部62の上下動に従動する円筒部68とを備え、支持部67cの周面及び円筒部68に、弾性リング部材71及び上下方向被摺動部72からなる上下振動減衰手段64が設けられているので、コイルスプリング63の内側の空間を有効に利用することができ、さらに小型化を図ることができる。
さらに、支持部67cと円筒部68との間に、その間隙を埋めて支持部67cに対する円筒部68の水平方向の動きを規制するジャーナルベアリング69が配設されているので、第1ベース部61と第2ベース部62とが上下方向に振動する際、支持部67cと円筒部68とがジャーナルベアリング69により案内されるため、円筒部68が支持部67cに対して傾斜(偏角)し難く、第1ベース部61と第2ベース部62との平行状態を維持することができ、建物8が傾斜(揺動)するようなロッキング現象を抑制できる。
また、支持部67cの第2ベース部62側の頂部に、対向する第2ベース部62側の対向部分と当接することにより、第2ベース部62の上下方向の移動を規制する上下方向ストッパ部79を有するので、第1ベース部61と第2ベース部62とが上下方向に相対移動する際、所定量以上の上下方向の移動を規制することができ、防振装置の破損を防止することができる。
[実施の形態3]
図3はこの実施の形態3の防振装置を示す。
この防振装置90は、実施の形態2と同様に、基礎9と建物8との間に配置されており、基礎9に第1ベース部91が固定されると共に、建物8に第2ベース部92が固定され、第1ベース部91と第2ベース部92との間には、建物8側の荷重を支持するコイルスプリング93と、コイルスプリング93の外側に配置された上下振動減衰手段94と、この上下振動減衰手段94の外側に配置された略円筒状のゴム状弾性体95とが配置されている。
この防振装置90では、ゴム状弾性体95及びコイルスプリング93は実施の形態2と同様に構成され、コイルスプリング93の下端部93aはスプリング受け部材97に保持されている。
このスプリング受け部材97は、コイルスプリング93の下端部93aが当接する底部97aと、コイルスプリング93の外側に設けられて上下方向に延びる筒状の側壁部97bとを有している。また、このスプリング受け部材97の側壁部97bの内側には、第2ベース部92からコイルスプリング93の外側に上下方向に突設された筒状体98が同軸状に配置されている。また、筒状体98の外周面には、ゴム層98aが加硫接着されており、このゴム層98aの表面には、上下方向に連続する凹凸部が形成されて側壁部97bの内周面との摺動抵抗が大きくなるように構成されている。
そして、スプリング受け部材97の側壁部97bの内周面97cと筒状体98の外周面のゴム層98とから上下振動減衰部94が構成されており、第1ベース部91と第2ベース部92とが上下方向の振動を受けることにより、筒状体98のゴム層98aの表面が、スプリング受け部材97の側壁部97bと摺動して、上下方向の振動エネルギーを散逸させるように構成されている。
また、防振装置90には、スプリング受け部材97の底部97aの底面97dと、この底面97dに対向する第1ベース部91の対向面91aとに水平振動減衰手段99が設けられている。対向面91aには、ゴム材料等が加硫接着されたゴム層91cが形成されており、このゴム層91cの上面は、同心円状の凹凸部が径方向に連続して形成されてスプリング受け部材97の底面97dとの摺動抵抗が大きくなるように構成されている。
この水平振動減衰手段99では、第1ベース部91と第2ベース部92とが水平方向に振動して相対移動すると、水平方向摺動部としてのスプリング受け部材97の底面97dが、水平振動被摺動部としての第1ベース部91の対向面91a上を摺動して、水平方向の振動エネルギーを散逸するように構成されている。
さらに、このスプリング受け部材97には、実施の形態2と同様に、側壁部97bからなる水平方向ストッパ101が設けられており、第1ベース部91と第2ベース部92とが水平方向に相対移動した際、スプリング受け部材97の側壁部97bが、側壁部97bと径方向に離間して対向するゴム状弾性体95の中空部96の内周面に当接して、スプリング受け部材97の水平方向の移動が規制されるようになっている。
以上のような構成の防振装置90を設置するには、基礎9に第1ベース部91を固定して、ゴム状弾性体95を配置すると共に、その中空部96内にスプリング受け部材97及びコイルスプリング93を収容し、スプリング受け部材97の側壁部97bに筒状体98を嵌合させた状態で第2ベース部92を建物8に固定することにより設置する。
そして、このようにして防振装置60が設置された建物8では、実施の形態2と同様に、ゴム状弾性体95とコイルスプリング93とにより、建物8の荷重が支持され、また、上下方向の振動及び水平方向の振動が絶縁され、さらに、上下振動減衰手段94によって上下方向の振動エネルギーが散逸され、水平振動減衰手段99によって水平方向の振動エネルギーが散逸されることにより、上下方向の振動及び水平方向の振動が減衰される。
以上のようなこの実施の形態3の防振装置90によれば、スプリング受け部材97がコイルスプリング93の外側に配置されて上下方向に延びる筒状の側壁部97bを有すると共に、側壁部97bと同軸に配置されて上下方向に延びる筒状体98が第2ベース部92に固定されて設けられ、スプリング受け部材97の側壁部97b及び筒状体98に、上下振動減衰手段94が設けられているので、水平方向の振動により第1ベース部91と第2ベース部92とが水平方向に振動した際、筒状体98を介してスプリング受け部材97を第1ベース部91に対して水平方向に相対移動させることができ、上下振動減衰手段94の作動を維持することができ、また、コイルスプリング93に水平方向の力が作用することを防止することができる。
特に、コイルスプリング93の外側に配置されて上下方向に延びる筒状の側壁部97bと、側壁部97bと同軸に配置されて上下方向に延びる筒状体98とに、上下振動減衰手段94が設けられているので、実施の形態2のように、コイルスプリング63の内側に上下振動減衰手段64が設けられている場合に比べて、側壁部97bと筒状体98との周方向の接触長さを長く設けることができ、上下方向の振動減衰力を高めることが可能となる。
しかも、このようなスプリング受け部材97と筒状体98とを上下振動減衰手段94として利用し、また、スプリング受け部材97を水平方向ストッパ101として利用するので、部品点数の増加を招くことなく装置の構成をより簡単にすることができ、小型化を図り易い。
その他、実施の形態2と同様の構成については、同様の効果が得られる。
なお、上記実施の形態1乃至3では、何れも、第1ベース部11、61、91が基礎9に固定され、第2ベース部12、62、92が建物8に固定されたものについて説明したが、第1ベース部11、61、91が建物8に固定されると共に、第2ベース部12、62、92が基礎9に固定されていてもよい。
また、上述した実施の形態1乃至3の防振装置にあっては、振動源側として基礎9を、被防震体側として建物8を例示したが、振動源側や被防震体側はこれらに限定されるものではなく任意である。
この発明の実施の形態1の防振装置の縦断面図である。 同実施の形態1の防振装置の平面図である。 この発明の実施の形態2の防振装置の縦断面図である。 この発明の実施の形態3の防振装置の縦断面である。
符号の説明
8 建物(防振体側)
9 基礎(振動原側)
10、60、90 防振装置
11、61、91 第1ベース部
12、62、92 第2ベース部
13、63、93 コイルスプリング
14、64、94 上下振動減衰手段
16 ゴム状弾性部材
24 第1環状部
26 第2環状部
28 筒体
32 上下方向摺動部
34、72 上下方向被摺動部
38、77、99 水平振動減衰手段
65、95 ゴム状弾性体
66、96 中空部
67、97 スプリング受け部材
68 円筒部
67a、97a 底部
67b 外側筒部
67c 支持部
67d 底面
69 ジャーナルベアリング
71 弾性リング部材
75、101 水平方向ストッパ
79 上下方向ストッパ
97b 側壁部

Claims (14)

  1. 振動源側と被防振体側との間に配置される防振装置において、
    前記振動源側又は前記被防振体側の一方に固定される第1ベース部と、
    前記第1ベース部に対向して配置され、前記振動源側又は前記被防振体側の他方に固定される第2ベース部と、
    前記第1ベース部と前記第2ベース部との間に配置され、前記被防振体側の荷重を支持するコイルスプリングと、
    前記第1ベース部と前記第2ベース部との間に水平方向に対向して配置され、前記第1ベース部と前記第2ベース部との上下方向の相対移動に従動して摺動可能な上下方向摺動部及び上下方向被摺動部からなる上下振動減衰手段とを備え、
    前記コイルスプリングと前記上下振動減衰手段とが同軸状に配置されていることを特徴とする防振装置。
  2. 前記第1ベース部又は前記第2ベース部のいずれか一方が、前記上下振動減衰手段に対し、水平方向に相対移動可能であることを特徴とする請求項1に記載の防振装置。
  3. 前記第1ベース部と前記第2ベース部との間に上下方向に対向して配置され、前記第1ベース部と前記第2ベース部との水平方向の相対移動に従動して摺動可能な水平方向摺動部及び水平方向被摺動部からなる水平振動減衰手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の防振装置。
  4. 前記水平振動減衰手段の水平方向摺動部及び水平方向被摺動部が、上下方向に拡径及び縮径した円錐面形状を呈していることを特徴とする請求項3に記載の防振装置。
  5. 上下方向に圧縮変形可能で、かつ、水平方向にせん断変形可能なゴム状弾性部材を介して、前記第1ベース部又は前記第2ベース部の何れか一方が、前記振動源側に固定されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一つに記載の防振装置。
  6. 振動源側と被防振体側との間に配置される防振装置において、
    前記振動源側又は前記被防振体側の一方に固定される第1ベース部と、
    前記第1ベース部に対向して配置され、前記振動源側又は前記被防振体側の他方に固定される第2ベース部と、
    前記第1ベース部と前記第2ベース部との間に配置され、前記被防振体側の荷重を支持するコイルスプリングと、
    前記第1ベース部と前記第2ベース部との間に水平方向に対向して配置され、前記第1ベース部と前記第2ベース部との上下方向の相対移動に従動して摺動可能な上下方向摺動部及び上下方向被摺動部からなる上下振動減衰手段と、
    前記第1ベース部と前記第2ベース部との間に配置され、前記第1ベース部と前記第2ベース部との上下方向の相対移動により圧縮変形可能で、かつ、前記第1ベース部と前記第2ベース部との水平方向の相対移動によりせん断変形可能なゴム状弾性体とを備え、
    前記コイルスプリング、前記上下振動減衰手段及び前記ゴム状弾性体とが同軸状に配置されていることを特徴とする防振装置。
  7. 前記ゴム状弾性体が中空部を有する筒形状を呈し、前記中空部に前記コイルスプリング及び前記上下振動減衰手段が収容されていることを特徴とする請求項6に記載の防振装置。
  8. 前記コイルスプリングの前記第1ベース部側の端部は、前記第1ベース部に対して水平方向に相対移動が可能なスプリング受け部材に保持され、
    前記上下振動減衰手段の上下方向摺動部又は上下方向被摺動部の何れか一方が、前記スプリング受け部材に一体的に設けられるとともに、他方が前記第2ベース部側に固定され、
    前記スプリング受け部材が、前記第1ベース部に対して水平方向に相対移動することにより、前記上下振動減衰手段が、前記第1ベース部に対して水平方向に相対移動可能に構成されていることを特徴とする請求項7に記載の防振装置。
  9. 前記スプリング受け部材の前記第1ベース部側の端面が、前記端面と対向して前記第1ベース部側に設けられた対向面と当接し、
    前記スプリング受け部材端面及び前記対向面に、前記第1ベース部と前記第2ベース部との水平方向の相対移動に従動して摺動可能な水平方向摺動部及び水平方向被摺動部からなる水平振動減衰手段が設けられていることを特徴とする請求項8に記載の防振装置。
  10. 前記スプリング受け部材の周縁部には、前記ゴム状弾性体の前記中空部の内面と当接して、前記第1ベース部に対する前記スプリング受け部材の水平方向の相対移動を規制する水平方向ストッパ部を有することを特徴とする請求項8又は9に記載の防振装置。
  11. 前記コイルスプリングの内側に配置されて前記スプリング受け部材に固定され、かつ、上下方向に延びる断面円形の周面を有する支持部と、
    前記支持部の周面と同軸状に配置されて、前記第2ベース部の上下方向の移動に従動する円筒部とを備え、
    前記支持部の周面及び前記円筒部の内面に、前記上下方向摺動部及び前記上下方向被摺動部が設けられていることを特徴とする請求項8乃至10の何れか一つに記載の防振装置。
  12. 前記支持部と前記円筒部との間に、前記支持部に対する前記円筒部の水平方向の動きを規制するジャーナルベアリングを配設したことを特徴とする請求項11に記載の防振装置。
  13. 前記支持部の前記第2ベース部側の頂部には、前記頂部と離間して対向する前記第2ベース部側の対向部と当接することにより、前記第2ベース部の上下方向の移動を規制する上下方向ストッパ部を有することを特徴とする請求項11又は12に記載の防振装置。
  14. 前記スプリング受け部材が前記コイルスプリングの外側に配置されて上下方向に延びる筒状の側壁部を有すると共に、前記側壁部と同軸に配置されて上下方向に延びる筒状体が前記第2ベース部に固定され、
    前記スプリング受け部材の前記側壁部及び前記筒状体に、前記上下方向摺動部及び前記上下方向被摺動部が設けられていることを特徴とする請求項8乃至10の何れか一つに記載の防振装置。
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