JP5064720B2 - ポリカーボネート系樹脂組成物、それを用いた光学成形体及び照明ユニット - Google Patents
ポリカーボネート系樹脂組成物、それを用いた光学成形体及び照明ユニット Download PDFInfo
- Publication number
- JP5064720B2 JP5064720B2 JP2006132978A JP2006132978A JP5064720B2 JP 5064720 B2 JP5064720 B2 JP 5064720B2 JP 2006132978 A JP2006132978 A JP 2006132978A JP 2006132978 A JP2006132978 A JP 2006132978A JP 5064720 B2 JP5064720 B2 JP 5064720B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polycarbonate
- resin composition
- polycarbonate resin
- light guide
- mass
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Liquid Crystal (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
近年、エッジライト式のバックライトに用いられる光源の薄型化、小型化により、導光板自体にも薄肉化による省スペース化が望まれている。しかしながら、特許文献1に記載のポリカーボネート樹脂組成物を導光板に用いた場合、成形温度が低いときには色相がよい導光板が得られるが、導光板の薄肉化のために、十分な溶融流動性を確保するために成形温度を高くすると、該カーボネート樹脂の熱劣化により、得られる導光板の、特に反入光側の色調が黄色味を帯びたり、高温成形時にガスが発生する等により満足する性能の導光板を得ることが困難である。このため、より薄肉化、大画面化でき、且つ導光性能に優れた成形樹脂材料が求められている。
(1)下記式(I)及び(II)で表される繰り返し構造単位を有するポリカーボネート共重合体(A)を含有するポリカーボネート系樹脂100質量部に対して、ポリオルガノシロキサン(B)0.01〜1質量部を配合してなることを特徴とするポリカーボネート系樹脂組成物、
(3)上記式(I)で表される繰り返し構造単位と、上記式(II)で表される繰り返し構造単位のモル比が1:99〜99:1であるポリカーボネート共重合体(A)を用いる上記(1)又は(2)に記載のポリカーボネート系樹脂組成物、
(4)上記ポリカーボネート系樹脂100質量部に対して、更に、リン系安定剤(C)0.001〜0.5質量部を配合してなる上記(1)〜(3)のいずれかに記載のポリカーボネート系樹脂組成物、
(5)上記ポリカーボネート系樹脂100質量部に対して、更に、脂環式エポキシ化合物(D)0.001〜1質量部を配合してなる上記(1)〜(4)のいずれかに記載のポリカーボネート系樹脂組成物、
(6)更に、上記ポリカーボネート共重合体(A)以外の芳香族ポリカーボネート樹脂を配合してなる上記(1)〜(5)のいずれかに記載のポリカーボネート系樹脂組成物、
(7)上記ポリカーボネート系樹脂組成物の粘度数が30〜70である上記(1)〜(6)のいずれかに記載のポリカーボネート系樹脂組成物、
(9)導光部材である上記(8)に記載の光学成形体、
(10)導光部材が導光板である上記(9)に記載の光学成形体、
(11)導光板の厚みが0.1〜3mmである、上記(10)に記載の光学成形体、
(12)上記(9)〜(11)のいずれかに記載の光学成形体と光源とを備えてなる照明ユニット、
である。
ポリカーボネート共重合体(A)
本発明のポリカーボネート系樹脂組成物を構成するポリカーボネート共重合体(A)は、下記式(I)及び(II)
具体的には、例えば、塩化メチレン等の溶媒中において、公知の酸受容体、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等や末端停止剤の存在下に、更に、必要により、分岐剤を添加し、下記式(III)
ポリカーボネート共重合体(A)において、該モル比がこの範囲であれば、機械的物性と所望の溶融流動性を満足することができ、薄肉または大型の導光板等の導光部材を良好に成形することができる。
また、本発明で得られるポリカーボネート系樹脂組成物においても同様の粘度数である30〜70、好ましくは34〜62であることが望ましい。
なお、粘度数は、ISO1628−4(1999)に準拠して測定した値である。
該芳香族ポリカーボネート樹脂は、慣用された製造方法、すなわち、通常、二価フェノールと、ホスゲンまたは炭酸エステル化合物等のポリカーボネート前駆体とを反応させることにより製造したものを挙げることができる。具体的には、例えば、塩化メチレン等の溶媒中において、公知の酸受容体や末端停止剤の存在下、更に、必要により分岐剤を添加し、二価フェノールとホスゲンのようなカーボネート前駆体との反応により、あるいは二価フェノールとジフェニルカーボネートのようなカーボネート前駆体とのエステル交換反応等によって製造されたものである。
末端停止剤としては、通常、ポリカーボネートの重合に用いられるものなら、各種のものを用いることができる。
また、本発明のポリカーボネート系樹脂におけるポリカーボネート共重合体(A)と該ポリカーボネート共重合体(A)以外の芳香族ポリカーボネート樹脂の配合割合は、混合後のポリカーボネート系樹脂において、式(I)で表される繰り返し構造単位の含有量が1〜99モル%になるように調整できる比率であればよく、質量比で100:0〜30:70が好ましく、100:0〜40:60がより好ましい。
本発明に用いられるポリオルガノシロキサンは、フェニル基、ジフェニル基、ビニル基、アルコキシ基の中から選ばれる少なくとも一種の基を有し、且つ25℃における動粘度が1〜1000mm2/秒のポリオルガノシロキサンが好ましい。更には、より高い導光性能が求められる場合は、25℃における粘度が1〜150mm2/秒のポリオルガノシロキサンが好ましい。動粘度が小さ過ぎると、ポリオルガノシロキサンに含まれる低分子量成分が増えるため成形時にガス発生による成形不良、例えば、未充填、ガスやけ、転写不良を発生する可能性がある。動粘度が1000mm2/秒を超える場合、ポリカーボネート系樹脂への分散が難しくなり、得られる樹脂組成物の導光性能、拡散性能を向上の効果が得られない。
ポリオルガノシロキサンの添加量は、ポリカーボネート系樹脂100質量部に対して、0.01〜1質量部、好ましくは0.02〜0.8質量部、より好ましくは0.03〜0.3質量部である。配合割合が1質量部を超えると、樹脂の耐衝撃性低下への影響が大きくなる。ポリオルガノシロキサンの配合量がこの範囲内であると、成形時の熱安定性が向上し、得られる成形体の色相が良好となる。
リン系安定剤(C)
本発明に用いられるリン系安定剤としては、リン酸系化合物及び/又は芳香族ホスフィン化合物が挙げられる。
リン酸系化合物としては、亜リン酸、リン酸、亜ホスホン酸、ホスホン酸及びこれらのエステル等が挙げられ、具体的には、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ジフェニルモノオルソキセニルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェート、4,4’−ビフェニレンジホスホスフィン酸テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチル、ベンゼンホスホン酸ジプロピル等が挙げられる。
トリスノニルフェニルホスファイト、トリメチルホスフェート、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト及びベンゼンホスホン酸ジメチルが好ましい。
P−(X)3 (P)
(式中、Xは炭化水素基であり、少なくともその1つは置換基を有していてもよい炭素数6〜18のアリール基である。)で表わされるアリールホスフィン化合物が挙げられる。
式(P)のアリールホスフィン化合物としては、例えば、トリフェニルホスフィン、ジフェニルブチルホスフィン、ジフェニルオクタデシルホスフィン、トリス−(p−トリル)ホスフィン、トリス−(p−ノニルフェニル)ホスフィン、トリス−(ナフチル)ホスフィン、ジフェニル−(ヒドロキシメチル)−ホスフィン、ジフェニル−(アセトキシメチル)−ホスフィン、ジフェニル−(β−エチルカルボキシエチル)−ホスフィン、トリス−(p−クロロフェニル)ホスフィン、トリス−(p−フルオロフェニル)ホスフィン、ジフェニルベンジルホスフィン、ジフェニル−β−シアノエチルホスフィン、ジフェニル−(p−ヒドロキシフェニル)−ホスフィン、ジフェニル−1,4−ジヒドロキシフェニル−2−ホスフィン、フェニルナフチルベンジルホスフィン等が挙げられる。なかでも、特にトリフェニルホスフィンを好適に用いることができる。
上記リン系安定剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明で用いられるリン系安定剤の配合量は、ポリカーボネート系樹脂100質量部に対して、好ましくは0.001〜0.5質量部、より好ましくは0.005〜0.3質量部、更に好ましくは0.01〜0.1質量部である。リン系安定化剤の配合量がこの範囲内であると、成形時の熱安定性が向上する。
本発明に用いられる脂環式エポキシ化合物は、脂環式エポキシ基、即ち、脂肪族環内のエチレン結合に酸素1原子が付加したエポキシ基をもつ環状脂肪族化合物を意味し、具体的には下記式(V)〜(XIV)で表される化合物が好適に用いられる。
脂環式エポキシ化合物の配合量は、ポリカーボネート系樹脂100質量部に対して、好ましくは0.001〜1質量部、より好ましくは0.005〜0.8質量部、更に好ましくは0.01〜0.5質量部配合される。配合量が0.01質量部以上であると、透明性及び耐スチーム性が向上する。また、1質量部以下では、相分離が起こることなく、透明性も良好である。
本発明のポリカーボネート系樹脂組成物には、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で各種添加剤を配合してもよい。例えば、ヒンダードフェノール系、エステル系、アミン系等の酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、マロン酸エステル系、オキサリルアニリド系等の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系等の光安定剤、脂肪族カルボン酸エステル系、パラフィン系、シリコーンオイル、ポリエチレンワックス等の内部潤滑剤、スチレンとアクリル系化合物の共重合体からなる流動性改質材、常用の難燃化剤、難燃助剤、離型剤、帯電防止剤、着色剤等が挙げられる。
このポリカーボネート系樹脂組成物は、樹脂の溶融流動性が著しく向上し、かつ、射出成形機等での滞留安定性が向上しているので、導光板を始めとする導光部材等の光学成形体等の材料として好適である。
前記ポリカーボネート系樹脂組成物を成形してなる本発明の光学成形体は、液晶ディスプレー分野、光学部品の用途、ガラス代替用途等に用いられる。光学部品としては、例えば、光学レンズ、導光部材等の光学素子等が挙げられ、ガラス代替用途としては、街路灯カバー、車両用及び建材用合わせガラス等が挙げられる。
本発明の光学成形体としては、例えば導光部材を好ましく挙げることができる。導光部材には、板状、棒状、球状等の形状を有するものがあるが、これらの中で板状の導光板を好ましく挙げることができる。該導光部材に、光源として、例えば、発光ダイオード(以下、LEDということがある)を用いて導光させることで、板状、棒状、球状等の照明ユニットを構成することができる。この照明ユニットは、液晶表示装置、車両、ハウジング、インテリアにおける照明、意匠部品として好適に使用することができる。
導光板
前記導光部材における板状の導光板は、前記ポリカーボネート系樹脂組成物を、好ましくは、射出成形することにより作製される。射出成形する場合、射出成形機のシリンダー温度を、240〜400℃程度、好ましくは280〜380℃程度とし、金型温度を50〜130℃程度で行うのが好ましい。
導光板としての形状は、特に制限はなく、厚さ0.1〜3mm程度、好ましくは0.5〜3mm程度の平板、曲面板等を成形すればよい。導光板成形時に、板の表面及び裏面の一方又は両面にプリズム転写することで均一な面状発光体を得ることができる。
本発明は、また、前記本発明の光学成形体における導光板等の導光部材と光源とを備えた照明ユニットをも提供する。例えば、楔形の導光板の厚肉部に光源を配置して、液晶テレビ、パーソナルコンピューター、ディスプレー等のエッジ式の面光源体からなる照明ユニットが構成される。光源としては、蛍光ランプの他、冷陰極管、LED,その他有機電界発光素子等の自己発光体を用いることができる。本発明の照明ユニットを液晶表示装置に採用する場合は、バックライト方式又はフロントライト方式のいずれも採用することができる。
(1)粘度数の測定
ISO1628−4(1999)に準拠して測定した。
(2)溶融流動性(Q値)の測定
高架式フローテスターを用い、JISK7210に準拠して、280℃、15.7MPaの圧力下で、直径1mm、長さ10mmのノズルより流出する溶融樹脂量(mL/秒)を測定した。
(3)色度の測定
測定装置:底面に反射フィルム、端部にLEDを4個配置したエッジ式の面光源の評価装置を構成し、ここにプリズムパターンが下面側になるように成形した導光板を配置し、拡散フィルム1枚、輝度向上フィルム2枚を順に重ね面発光体を構成した。
LED1個あたり3.25ボルトの電圧をかけ、電流値10mAでLEDを点灯させた。
色度差(x,y)は反入光側から5mmでの測定値と入光側から5mmの測定値との差により求めた。この色度差が小さい方が入光部と反入光部における色度差が小さく好ましい。
色度の測定は輝度色度測定機としてEyeScale3を用いて実施した。
(4)透過率及びヘイズの測定
射出成形法により縦35mm、横25mm、厚さ2.0mmの成形品を作製し、スガ試験機製直読ヘーズメーターHGM−20DPを用いてD65光源で測定した。
(5)YIの測定
射出成形法により縦35mm、横25mm、厚さ2.0mmの成形品を作製し、日本電色製分光測色計Σ90で測定面積30φ、C2光源の反射法で測定した。
(6)輝度の測定
上記(3)において輝度色度測定機としてEyeScale3を用いて測定した。
ポリカーボネートオリゴマーの合成工程
5.6質量%の水酸化ナトリウム水溶液に、後から溶解するビスフェノールA(以下、BPAいうことがある)に対して2000ppmの亜二チオン酸ナトリウムを加え、これにBPA濃度が13.5質量%になるようにBPAを溶解し、BPAの水酸化ナトリウム水溶液を調製した。
このBPAの水酸化ナトリウム水溶液を40リットル/hr、塩化メチレンを15リットル/hrの流量で、ホスゲンを4.0kg/hrの流量で、内径6mm、管長30mの管型反応器に連続的に通した。用いた管型反応器はジャケット部分を有しており、ジャケットに冷却水を通して反応液の温度を40℃以下に保った。
管型反応器を出た反応液は、後退翼を備えた内容積40リットルのバッフル付き槽型反応器へ連続的に導入され、ここにさらにBPAの水酸化ナトリウム水溶液2.8リットル/hr、25質量%の水酸化ナトリウム水溶液0.07リットル/hr、水17リットル/hr、1質量%のトリエチルアミン水溶液を0.64リットル/hr添加して反応を行なった。槽型反応器から溢れ出る反応液を連続的に抜き出し、静置することで水相を分離除去し、塩化メチレン相を採取した。
このようにして得られたポリカーボネートオリゴマーは濃度320g/リットル、クロロホーメート基の濃度は、0.75モル/リットルであった。
邪魔板、パドル型攪拌翼及び冷却用ジャケットを備えた、内容積50リットル槽型反応器に上記オリゴマー溶液15リットル、塩化メチレン9.0リットル、p−tert−ブチルフェノール(以下、PTBPということがある)187g及びトリエチルアミン3.0ミリリットルを仕込み、攪拌下でここにビスフェノールM(以下、BPMということがある)の水酸化カリウム水溶液(KOH520gと亜二チオン酸ナトリウム1.9gを水5.5リットルに溶解した水溶液にビスフェノールM973gを溶解させたもの)を加え、10分間ポリカーボネートオリゴマーとビスフェノールMの反応を行った。
この重合液に、BPAの水酸化ナトリウム水溶液(NaOH306gと亜二チオン酸ナトリウム1.0gを水4.5リットルに溶解した水溶液にBPA 513gを溶解させたもの)を添加し50分間重合反応を実施した。
希釈のための塩化メチレン10リットルを加え、10分間攪拌した後、ポリカーボネートを含む有機相と過剰のBPA及びNaOHを含む水相に分離し、有機相を単離した。
洗浄により得られたポリカーボネートの塩化メチレン溶液を濃縮・粉砕し、得られたフレークを減圧下100℃で乾燥し、共重合体(a)を得た。13C−NMRにより求めた共重合体(a)のビスフェノールM由来の繰り返し構造単位とビスフェノールA由来の繰り返し構造単位のモル比は12:88であった。
ビスフェノールMの水酸化カリウム水溶液の添加量を次のように変更し、ビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液の添加を行わなかった以外は製造例1と同様にして共重合体(b)を得た。13C−NMRにより求めたビスフェノールM由来の繰り返し構造単位とビスフェノールA由来の繰り返し構造単位のモル比は22:78であった。
(ビスフェノールMの水酸化カリウム水溶液)
KOH957gと亜二チオン酸ナトリウム3.6gを水10.1リットルに溶解した水溶液に、ビスフェノールM1783gを溶解させたもの
PTBPの添加量を191gから160gに変更した以外は製造例2と同様にして共重合体(c)を得た。
13C−NMRにより求めたビスフェノールM由来の繰り返し構造単位とビスフェノールA由来の繰り返し構造単位のモル比は22:78であった。
ビスフェノールMの水酸化カリウム水溶液、ビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液、PTBPの添加量を次のように変更した以外は製造例1と同様にして共重合体(d)を得た。13C−NMRにより求めたビスフェノールM由来の繰り返し構造単位とビスフェノールA由来の繰り返し構造単位のモル比は8:92であった。
(ビスフェノールMの水酸化カリウム水溶液)
KOH347gと亜二チオン酸ナトリウム1.3gを水3.7リットルに溶解した水溶液にビスフェノールM649gを溶解させたもの。
(ビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液)
NaOH 432gと亜二チオン酸ナトリウム1.5gを水6.3リットルに溶解した水溶液にBPA 727gを溶解させたもの。
(PTBPの添加量)
200g。
表1に示す組成比で原料を配合し、ベント付き40mmφの単軸押出機によって樹脂温度280℃、スクリュー回転数100rpmで溶融混練押出しそれぞれのペレットを得た。使用したポリカーボネート系樹脂組成物の種類、ビスフェノールMのモル%、粘度数及びQ値の測定結果を表1に示した。また、得られた各ペレットを用いて、射出成形法により、長さ54mm、幅39mm、厚み0.03mm、0.35mm又は0.5mmで、プリズム:V溝を有する導光板を成形し、全光線透過率、YI値、輝度、色度差をそれぞれ評価した。その結果を表1に示した。
射出成形機:住友重機械工業製SG100M−HP
<導光板形状>
また、比較例1〜3として、表2に示す組成比で原料を配合し、実施例1〜9に準拠してそれぞれのペレットを得、得られた各ペレットを用い、実施例1〜9に準拠して導光板を成形し、全光線透過率、YI値、輝度、色度差をそれぞれ評価した。その結果を表2に示した。なお、表1,2中、FN1500は芳香族ポリカーボネート樹脂(出光興産株式会社製)を表す。
また、実施例、比較例では、以下のポリオルガノシロキサンを用いた。
(1)KF56(商品名,信越化学工業(株)製)
(2)SH556(商品名,東レ・ダウコーニング(株)製)
(3)DC3037(商品名,東レ・ダウコーニング(株)製)
Claims (11)
- ポリカーボネート共重合体(A)の粘度数が30〜70である請求項1に記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
- 上記式(I)で表される繰り返し構造単位と、上記式(II)で表される繰り返し構造単位のモル比が1:99〜99:1であるポリカーボネート共重合体(A)を用いる請求項1又は2に記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
- 上記ポリカーボネート系樹脂100質量部に対して、更に、リン系安定剤(C)0.001〜0.5質量部を配合してなる請求項1〜3のいずれかに記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
- 更に、上記ポリカーボネート共重合体(A)以外の芳香族ポリカーボネート樹脂を配合してなる請求項1〜4のいずれかに記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
- 上記ポリカーボネート系樹脂組成物の粘度数が30〜70である請求項1〜5のいずれかに記載のポリカーボネート系樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のポリカーボネート系樹脂組成物を成形してなる光学成形体。
- 導光部材である請求項7に記載の光学成形体。
- 導光部材が導光板である請求項8に記載の光学成形体。
- 導光板の厚みが0.1〜3mmである、請求項9に記載の光学成形体。
- 請求項8〜10のいずれかに記載の光学成形体と光源とを備えてなる照明ユニット。
Priority Applications (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006132978A JP5064720B2 (ja) | 2006-05-11 | 2006-05-11 | ポリカーボネート系樹脂組成物、それを用いた光学成形体及び照明ユニット |
PCT/JP2007/058712 WO2007129559A1 (ja) | 2006-05-01 | 2007-04-23 | ポリカーボネート系樹脂組成物、それを用いた光学成形体及び照明ユニット |
KR1020087026657A KR101393901B1 (ko) | 2006-05-01 | 2007-04-23 | 폴리카보네이트계 수지 조성물, 그것을 이용한 광학 성형체및 조명 유닛 |
DE112007001050T DE112007001050T5 (de) | 2006-05-01 | 2007-04-23 | Polycarbonatharz-Zusammensetzung, optischer Formkörper unter Verwendung derselben und Beleuchtungseinheit |
US12/299,121 US8119228B2 (en) | 2006-05-01 | 2007-04-23 | Polycarbonate resin composition, optical molded body using the same, and illumination unit |
CN2007800150806A CN101432361B (zh) | 2006-05-01 | 2007-04-23 | 聚碳酸酯系树脂组合物、使用该聚碳酸酯系树脂组合物的光学成形体及照明单元 |
TW096114847A TW200811242A (en) | 2006-05-01 | 2007-04-26 | Polycarbonate resin composition, optical molded body using the same, and illumination unit |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006132978A JP5064720B2 (ja) | 2006-05-11 | 2006-05-11 | ポリカーボネート系樹脂組成物、それを用いた光学成形体及び照明ユニット |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007302794A JP2007302794A (ja) | 2007-11-22 |
JP5064720B2 true JP5064720B2 (ja) | 2012-10-31 |
Family
ID=38836998
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006132978A Expired - Fee Related JP5064720B2 (ja) | 2006-05-01 | 2006-05-11 | ポリカーボネート系樹脂組成物、それを用いた光学成形体及び照明ユニット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5064720B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5357462B2 (ja) * | 2008-08-12 | 2013-12-04 | 住友化学株式会社 | 導光板 |
JP5879124B2 (ja) | 2011-12-28 | 2016-03-08 | 出光興産株式会社 | ポリカーボネート樹脂組成物ペレットの製造方法 |
JP6828954B2 (ja) | 2013-11-11 | 2021-02-10 | 出光興産株式会社 | ポリカーボネート樹脂成形材料 |
JP6642295B2 (ja) * | 2016-06-20 | 2020-02-05 | 出光興産株式会社 | ポリカーボネート樹脂成形材料 |
JP7457483B2 (ja) * | 2019-10-30 | 2024-03-28 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 組成物、シート、セキュリティカード、および、組成物の製造方法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2552121B2 (ja) * | 1986-10-03 | 1996-11-06 | ダイセル化学工業株式会社 | 光学式デイスク |
JP2004027107A (ja) * | 2002-06-27 | 2004-01-29 | Teijin Chem Ltd | 被覆ポリカーボネート板状成形体 |
JP4220758B2 (ja) * | 2002-09-04 | 2009-02-04 | 帝人化成株式会社 | 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物及びそれを用いたミラー |
JP5230056B2 (ja) * | 2004-04-14 | 2013-07-10 | 出光興産株式会社 | 光拡散性樹脂組成物 |
-
2006
- 2006-05-11 JP JP2006132978A patent/JP5064720B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2007302794A (ja) | 2007-11-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5073226B2 (ja) | 光拡散性樹脂組成物及びそれを用いた光拡散板 | |
KR101393901B1 (ko) | 폴리카보네이트계 수지 조성물, 그것을 이용한 광학 성형체및 조명 유닛 | |
US10995213B2 (en) | Polycarbonate resin composition and molded polycarbonate resin | |
TWI381019B (zh) | A light diffusing polycarbonate resin composition, and a light diffusion plate using the resin composition | |
KR101419562B1 (ko) | 폴리카보네이트계 광확산성 수지 조성물 및 광확산판 | |
KR20080082967A (ko) | 도광판용 방향족 폴리카보네이트 수지 조성물 및 도광판 | |
JP5663659B2 (ja) | 導光体用ポリカーボネート樹脂組成物、並びにそれからなる導光体および面光源体 | |
TW201402690A (zh) | 光擴散性樹脂組成物 | |
JP5005949B2 (ja) | ポリカーボネート系樹脂組成物、光学成形品及び照明ユニット | |
KR20100034755A (ko) | 광 반사성 폴리카보네이트 수지 조성물 및 그 성형체 | |
JP5064720B2 (ja) | ポリカーボネート系樹脂組成物、それを用いた光学成形体及び照明ユニット | |
JP6483340B2 (ja) | 導光性能を有するポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる導光体 | |
WO2007055162A1 (ja) | 導光板 | |
JP5030467B2 (ja) | 導光部材及び照明ユニット | |
JP6927192B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂及びその製造方法 | |
JP2018044062A (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物並びにそれからなる導光体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090126 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120515 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120710 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120731 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120809 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5064720 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150817 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |