JP5030467B2 - 導光部材及び照明ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、導光部材及び照明ユニットに関する。さらに詳しくは、特定の構造を有するポリカーボネート共重合体を用いて得られた導光板などの導光部材、及びこの導光部材と光源を備えてなる照明ユニットに関するものである。
導光板は、各種表示装置のバックライトユニットに使用される光学部材の一つである。1〜7インチといった小型サイズの導光板の材料には、ビスフェノールAから製造されるポリカーボネート樹脂が使用されている。ビスフェノールAから製造されるポリカーボネート樹脂(以下、PCと略すことがある。)は、透明性、耐熱性、低吸湿性、機械特性に優れることから、携帯電話、携帯ゲーム機、カーナビ等に搭載される導光板用途に適している(例えば特許文献1参照。)。
また、ハンダリフローへの耐性に優れた光学用ポリカーボネートが知られており、その用途として、導光板が提案されている。(例えば、特許文献2参照。)。しかし、特許文献1や、特許文献2に記載のPC組成物を用い、射出成形により導光板を成形しようとすると、流動性が低いため目的とする導光板の薄肉化が困難である。
一方、近年、エッジライト式のバックライトに用いられる光源の薄型化、小型化により、導光板自体にも薄肉化による省スペース化が望まれている。
一方で、α,α'−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼンと2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)からなる共重合体が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
該共重合体は、低吸水、低複屈折であることから、その共重合体の用途として光学レンズ(例えば、特許文献4及び5参照。)、光ディスク基板(例えば、特許文献6参照。)が知られている。しかし、未だ、導光板用途に用いられたことはない。
導光板材料としてビスフェノールAから製造されるPCを用いた場合、薄肉化のためには、射出成形時のシリンダー温度を非常に高くしたり、射出速度を非常に速くしたりする必要があるが、この場合、樹脂の温度やせん断焼けにより得られる導光板の色調が黄色味を帯びる、ガスが発生する等のため、満足する性能の導光板を得ることが困難である。
また、導光板材料としてPMMAを用いた場合には、強度不足により成形や組付け時の割れといった問題が生じる。
また、PMMAは、仮に成形できたとしても、吸湿性が高いため、吸湿変形を起こすという問題がある。
このように、上述の問題を克服できる、より薄肉化できるポリカーボネート樹脂材料による導光板等の導光部材が求められている。
特開平11−158364号公報 特開2005−60628号公報 特開昭63−89539号公報 特開2003−192780号公報 特開2003−96179号公報 特開2002−348367号公報
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであって、特に、薄肉な形状で、熱劣化(黄変)、ガス発生による性能低下のない、ポリカーボネート系材料からなる導光板などの導光部材、及びそれを用いた照明ユニットを提供することにある。
上記目的を達成すべく、本発明者らは鋭意研究した結果、導光板等の導光部材として、特定の繰返し単位を有するポリカーボネート共重合体が、透明性に優れ、低吸水性、高屈折率、低複屈折であって、樹脂の熱劣化による黄変がなく、色調が良好で、且つ十分な強度を有する薄肉の導光板等の導光部材を得ることができることを見出した。
すなわち、本発明は、
(1)下記式(I)及び式(II)で表される繰り返し単位を有するポリカーボネート共重合体を用いて得られた導光部材、
Figure 0005030467
(2)ポリカーボネート共重合体の粘度数が30〜70である前記(1)記載の導光部材、
(3)上記式(I)で表される繰返し単位と、式(II)で表される繰返し単位とのモル比率が1:99〜50:50である前記1又は2記載の導光部材、
(4)導光板である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の導光部材、及び
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の導光部材と光源とを備えてなる照明ユニット
を提供する。
本発明によれば、特定の構造を有するポリカーボネート共重合体を用いることにより、樹脂の熱劣化による黄変がなく色調が良好で、且つ十分な強度を有する薄肉の導光板等の導光部材を提供できる。また、本発明の導光板等の導光部材と光源を組み合わせることによって薄肉の照明ユニットを構成でき、この照明ユニットを用いることで、液晶表示装置等の薄肉化を図ることができる。
ポリカーボネート共重合体
本発明の導光部材に使用されるポリカーボネート共重合体は、下記式(I)及び(II)
Figure 0005030467
で表される繰返し単位を有するものであって、慣用の製造方法、すなわち界面重合法又はエステル交換法と呼ばれる製造方法で製造することができる。
例えば、塩化メチレンなどの溶媒中において、公知の酸受容体の存在下、式(III)
Figure 0005030467
で表される2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニルプロパン(以下、ビスフェノールAという。)とホスゲン等のカーボネート前駆体との反応により得られるポリカーボネートオリゴマーと、下記式(IV)
Figure 0005030467
で表される、α,α'−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン(以下、ビスフェノールMという。)を反応させて重合させる界面重合法、あるいはジフェニルカーボネートのようなカーボネート前駆体とビスフェノールA及びビスフェノールMとのエステル交換反応による重合方法等によって製造できる。
式(I)の繰返し単位と式(II)の繰返し単位とのモル比
本発明の導光部材に用いられるポリカーボネート共重合体において、式(I)の繰返し単位と式(II)の繰返し単位とのモル比率は、1:99〜50:50が好ましく、1:99〜30:70が特に好ましい。
ポリカーボネート共重合体において式(I)の繰返し単位と式(II)の繰返し単位とのモル比が、1:99〜50:50の範囲であれば、機械的物性と薄肉化が可能な流動性を満足でき、薄肉または大型の導光板を良好に成形することができる。
よって、ポリカーボネート共重合体の重合に際しては、ビスフェノールMとビスフェノールAを、それぞれの繰返し単位のモル比が上記の範囲となるように、共重合反応を行えばよい。
また、ポリカーボネート共重合体の重合に際して、上記一般式(I)及び一般式(II)で表される繰返し単位以外の繰返し単位を導入することができる。具体的には、下記式(V)〜(VIII)で示される繰返し単位を導入することが可能である。
Figure 0005030467
(nは、1〜60の数。)
Figure 0005030467
Figure 0005030467
(Rは、Hまたは炭素数1〜12のアルキル基)
Figure 0005030467
上記、一般式又は式(V)〜(VIII)の繰返し単位は、上記式(I)及び式(II)で表される繰返し単位に、単独で又は2種以上を組合せて導入しても良い。一般式(V)のシリコーン化合物残基を繰返し単位とする場合は、耐汚染性と耐磨耗性が付加され、式(VI)の4,4'−ジヒドロキシビフェニルに由来する繰返し単位を導入した場合は、難燃性が向上する。また、一般式(VII)で表されるアダマンタン骨格を有する繰返し単位を導入した場合は、耐熱性が向上する。式(VIII)で表されるビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタンに由来する繰返し単位を導入した場合は、耐熱性を向上することができる。
カルボニル源
本発明に用いられるポリカーボネートのカルボニル源としては、一般的なポリカーボネートの界面重縮合で用いられるホスゲンを始め、トリホスゲン、ブロモホスゲン等を用いることができる。なお、エステル交換法の場合は、ジアリルカーボネート等が、酸化的カルボニル化法の場合は一酸化炭素等を用いることができる。
末端停止剤
本発明の導光部材に用いられるポリカーボネート共重合体の末端停止剤としては、通常ポリカーボネートの重合に用いられるものなら、各種のものを用いることができる。一般には、一価フェノール類を用いることができる。一価フェノール類としては、フェノール、直鎖又は分岐状の(長鎖)アルキル基、脂肪族ポリエステル基、及び置換基に芳香族化合物を有するフェノール類が用いられる。
具体的には、フェノール、o−、m−、p−クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、p−tert−アミルフェノール、p−tert−オクチルフェノール、p−クミルフェノール、p−メトキシフェノール、p−フェニルフェノール、イソオクチルフェノール、平均炭素数12〜35の直鎖又は分岐状のアルキル基をオルト位、メタ位、又はパラ位に有するモノアルキルフェノール、9−(4−ヒドロキシフェニル)−9−(4−メトキシフェニル)フルオレン、9−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−9−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−9−(4−メトキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、及び4−(1−アダマンチル)フェノール等が挙げられる。なかでもp−tert−ブチルフェノール、p−クミルフェノール、p−tert−オクチルフェノール、フェノールが好ましい。
分岐剤
本発明において、分岐剤としては、例えば、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン;4,4'−[1−[4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール;α,α',α"−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン;1−[α−メチル−α−(4'−ヒドロキシフェニル)エチル]−4−[α',α'−ビス(4"−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン;フロログリシン,トリメリト酸,イサチンビス(o−クレゾール)等の官能基を3つ以上有する化合物を用いることもできる。
ポリカーボネート共重合体の粘度数
本発明の導光部材に用いられるポリカーボネート共重合体の粘度数は、30〜70、すなわち、粘度平均分子量(Mv)に換算して10000〜28000が好ましい。粘度数が30〜70であれば、機械的物性と薄肉化が可能な流動性を満足でき、大型の導光板等を良好に成形することができる。
粘度数は、ISO 1628−4(1999)に準拠して測定した値である。
各種添加剤
本発明に用いられるポリカーボネート共重合体には、性能を損なわない程度で、各種添加剤を配合してもよい。添加剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系、エステル系、リン酸エステル系、アミン系等の酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、マロン酸エステル系、オキサリルアニリド系等の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系等の光安定剤、脂肪族カルボン酸エステル系、パラフィン系、シリコーンオイル、ポリエチレンワックス等の内部潤滑剤、常用の難燃化剤、難燃助剤、着色剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、離型剤、滑剤等が挙げられる。
本発明の導光部材を製造するためには、まず当該ポリカーボネート共重合体を含む成形用材料を調製する。この成形用材料は、当該ポリカーボネート共重合体と、所望により用いられる前記各種添加剤を公知の方法、例えば、リボンブレンダー,ドラムタンブラー,ヘンシェルミキサー,バンバリミキサー,単軸スクリュー押出機,二軸スクリュー押出機,コニーダ,多軸スクリュー押出機等を用いて溶融混練することにより調製することができる。混練に際しての加熱温度は通常250〜320℃が適当である。
このようにして調製された成形材料を、例えばシリンダー温度240〜400℃程度、好ましくは280〜380℃、金型温度60〜130℃程度にて射出成形することにより、本発明の導光部材を製造することができる。
本発明の導光部材としては、板状、棒状、球状等形状を有するものを挙げることができるが、これらの中で、板状の導光板を好ましく挙げることができる。本発明の導光部材に、光源としてLEDを用い、導光させることで、板状、棒状、球状等の照明ユニットを構成することができる。この照明ユニットは、液晶表示装置のバックライト、車両、ハウジング、インテリアにおける照明、意匠部品として好適に使用することができる。
導光板
本発明の導光部材における導光板については、その寸法、形状は、特に制限はなく、厚さ0.1〜3mm程度の平板、曲面板等を成形すればよい。すなわち、形状は平板状に必ずしも限定されず、レンズ効果を有する曲面板でもよく、目的・用途に応じて適宜選定すればよい。例えば、導光板の厚さが光源から遠くなるにつれて次第に薄くなる楔型形状の断面を有する構造でもよい。また、面状発光体の前面に別部材からなる表示部を一体化して設けた構造にしてもよい。
導光板成形時に、スタンパーを使用して光散乱層を形成するために、板の表面または裏面の一方又は両面にマイクロプリズム転写をすることで均一な面状発光体を得ることが可能となる。
上記のマイクロプリズムは、特に限定されないが、V溝状、逆V凸状、半球状のものが好ましい。また、その高さは10〜300μmのものが好ましく、より好ましくは20〜200μm、特に好ましくは50〜100μmである。
なお、前記光散乱層を形成するために、ドットパターン印刷を施したり、円錐ドリルの切削を施したりすることもできる。
本発明はまた、前記本発明の導光部材と光源とを備えてなる照明ユニットをも提供する。
例えば、楔形の導光板の厚肉部に光源を配置して、液晶テレビ、パソコン、ディスプレイ等のエッジ式の面光源体からなる照明ユニットが構成される。光源としては、蛍光ランプの他、冷陰極管、LED、その他有機EL等の自己発光体を用いることができる。本発明の照明ユニットを、液晶表示装置に採用する場合は、バックライト方式又はフロントライト方式の何れも採用することができる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
製造例1
オリゴマーの合成工程
5.6質量%の水酸化ナトリウム水溶液に、後に溶解するビスフェノールA(以下BPAと略すことがある。)に対して2000ppmの亜二チオン酸ナトリウムを加え、これにBPA濃度が13.5質量%になるようにBPAを溶解し、BPAの水酸化ナトリウム水溶液を調製した。
このBPAの水酸化ナトリウム水溶液を40L(リットル)/時間の流量で、塩化メチレンを15L/時間の流量で、ホスゲンを4.0kg/時間の流量で、内径6mm,管長30mの管型反応器に連続的に通した。
ここで用いた管型反応器は二重管によるジャケット部分を有しており、ジャケット部分には冷却水を通して反応液の排出温度を40℃以下に保った。
管型反応器を出た反応液は、後退翼を備えた内容積40Lのバッフル付き槽型反応器へ連続的に導入され、ここにさらに、BPAの水酸化ナトリウム水溶液2.8L/時間、25質量%水酸化ナトリウム水溶液0.07L/時間、水17L/時間、1質量%トリエチルアミン水溶液を0.64L/時間で添加して反応を行った。槽型反応器から溢れ出る反応液を連続的に抜き出し、静置することで水相を分離除去し、塩化メチレン相を採取した。
このようにして得られたポリカーボネートオリゴマーは、濃度320g/L、クロロホーメイト基の濃度は0.75mol/Lであった。
重合工程
邪魔板、バトル型撹拌翼及び冷却用ジャケットを備えた50L槽型反応器に、上記オリゴマー溶液15L、塩化メチレン9.0L、p−tert−ブチルフェノール(以下、PTBPと略す。)191g、トリエチルアミン3.0mLを仕込み、撹拌下に、ビスフェノールM(以下、BPMと略すことがある。)の水酸化カリウム溶液(KOH520gと亜二チオン酸ナトリウム1.9gを、水5.5Lに溶解した水溶液に、BPM:973gを溶解させたもの)を加え、10分間ポリカーボネートオリゴマーとビスフェノールMの反応を行った。
この重合液に、BPAの水酸化ナトリウム水溶液(NaOH 306gと亜二チオン酸ナトリウム 1.0gを水4.5Lに溶解した水溶液にBPA513gを溶解させたもの)を添加し、50分間重合反応を実施した。
希釈のための塩化メチレン10Lを加え、10分間撹拌した後、ポリカーボネートを含む有機相と過剰のBPA及びNaOHを含む水相を分離し、有機相を単離した。
こうして得られたポリカーボネート共重合体の塩化メチレン溶液を、その溶液に対して順次、15vol%の0.03mol/L NaOH水溶液、0.2mol/L 塩酸で洗浄し、次いで洗浄後の水相中の電気伝導度が0.01μS/m以下になるまで純水で洗浄を繰り返した。
洗浄により得られたポリカーボネートの塩化メチレン溶液を濃縮・粉砕し、得られたフレークを減圧下、100℃で乾燥した。
NMRにより求めたBPMに由来する繰返し単位とBPAに由来する繰返し単位のモル比は12:88であった。
この共重合体100質量部にリン系酸化防止剤(旭電化社製;商品名 アデカスタブ PEP36)0.05質量部を配合し、ベント付40mmφの押出機によって樹脂温度250℃で造粒し、ペレットAを得た。
製造例2
ビスフェノールMの水酸化カリウム水溶液の添加量を、次のように変更し、ビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液の添加を行わなかった以外は、製造例1と同様にしてペレット(B)を得た。
NMRより求めたビスフェノールM由来の繰返し単位とビスフェノールA由来の繰返し単位のモル比は22:78であった。
(ビスフェノールMの水酸化カリウム水溶液)
KOH 957gと亜ニチオン酸ナトリウム1.9gを水5.5Lに溶解した水溶液にビスフェノールM 1738gを溶解させたもの。
製造例3
PTBPの添加量を191gから160gに変更した以外は、製造例2と同様にしてペレット(C)を得た。
NMRより求めたビスフェノールM由来の繰返し単位とビスフェノールA由来の繰返し単位のモル比は22:78であった。
比較製造例1
BPAのみからなる粘度数39.4のポリカーボネート樹脂(出光興産株式会社製、タフロンFN1500)100質量部に、アデカスタブ PEP36〔商品名、旭電化(株)製〕0.05質量部を配合し、ベント付き40mmφの押出機によって樹脂温度250℃で造粒し、ペレット(D)を得た。
比較製造例2
BPAのみからなる粘度数44.0のポリカーボネート樹脂(出光興産(株)製、タフロンFN1600)100質量部に、アデカスタブ PEP36〔商品名、旭電化(株)製〕0.05質量部を配合し、ベント付き40mmφの押出機によって樹脂温度250℃で造粒し、ペレット(E)を得た。
実施例1〜4及び比較例1〜3
上記の製造例及び比較製造例で得られたペレット(A)〜(E)を用い、以下の条件で射出成形し、導光板を成形した。
射出成形機:住友重機械工業(株)製、SG100M−HP
導光板形状:長さ54mm、幅39mm、厚み0.30mm、0.35mm、又は0.50mm
プリズム:V溝
評価
(1)粘度数
ISO 1628−4(1999)に準拠して測定した。
(2)色度の測定
測定装置:底面に反射フィルム、端部にLEDを4個配置したエッジ式の面光源を形成し、ここにプリズムパターンが下面側になるように導光板を配置し、拡散フィルム、輝度向上フィルム2枚を順に重ね、面発光体を構成した。
LED1個当たり3.25ボルトの電圧をかけ、電流値10mAでLEDを点灯させた。色度差(x,y)は、反入光側から5mmの測定値と入光側から5mmの測定値の差により求めた。この色度差が小さい方が、反入光部と入光部における色度差が小さく好ましい。色度の測定は輝度色度測定機としてEyeScale3を用いて実施した。
評価結果をまとめて表1に示す。
Figure 0005030467
表1に示すように、本発明のポリカーボネート系樹脂組成物による実施例の結果から、射出成形において、BPAによる芳香族PCのみを用いた場合よりも、流動性がよく、低いシリンダー温度、射出速度で、厚み0.30mmと薄肉の成形も可能である。また、色度差は0.01以下と小さく、高い導光板性能を有している。
本発明によれば、特定の構造を有するポリカーボネート共重合体を用いることにより、樹脂の熱劣化による黄変がなく色調が良好で、且つ十分な強度を有する薄肉の導光板等の導光部材を得ることができる。
これらの導光部材と光源を組み合わせることによって薄肉の照明ユニットを構成でき、薄肉化された液晶表示装置のバックライト、車両、ハウジング、インテリアにおける照明、意匠部品等として好適に利用することができる。

Claims (4)

  1. 下記式(I)及び式(II)で表される繰り返し単位を有し、式(I)で表される繰り返し単位と式(II)で表される繰り返し単位とのモル比率が1:99〜50:50であるポリカーボネート共重合体を用いて得られた導光部材。
    Figure 0005030467
  2. ポリカーボネート共重合体の粘度数が30〜70である請求項1記載の導光部材。
  3. 導光板である請求項1又は2に記載の導光部材。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載の導光部材と光源とを備えてなる照明ユニット。
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