JP5064298B2 - 液圧緩衝器 - Google Patents

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Description

本発明は、液圧緩衝器の改良に関する。
従来、片ロッド型に設定される液圧緩衝器は、ピストンロッドがシリンダから出入りする際に、シリンダ内でピストンロッドが出入りする体積分の液体に過不足が生じるため、この過不足分の液体をシリンダに給排して体積補償を行うリザーバを搭載している。
そして、このような片ロッド型の液圧緩衝器としては、シリンダの外方にシリンダを覆う外筒を設けてシリンダと外筒との間にリザーバを形成したいわゆる複筒型の液圧緩衝器が知られており、この液圧緩衝器は、伸長作動時にはシリンダの端部を閉塞する蓋に設けたチェックバルブを介してリザーバから液体を吸込んでシリンダ内に供給し、圧縮作動時には同じく蓋に設けた減衰バルブを介してシリンダから液体をリザーバへ排出するようにしている。
ところで、この液圧緩衝器を、たとえば、ピストンロッドを上方配置しシリンダを下方配置する正立型で使用することを考えると、シリンダ内にピストンを境に上方配置されるロッド側室内に気泡が紛れ込むと排出し難い構造となっているため、何ら手立てを講じないと、気泡がロッド側室内の上方に蓄積し、気体の圧縮性によって液圧緩衝器の発生減衰力や減衰力発生の応答性に悪影響を与える事態を招いてしまう。
そこで、特に、鉄道車両用などの大型であって縦置き正立型で使用される液圧緩衝器の場合、シリンダおよび外筒の開口端に嵌合してこれら開口端を閉塞するとともにピストンロッドを軸支するロッドガイドにエア抜き通路を形成するものがあり、当該エア抜き通路を介して気泡混じりの液体をロッド側室から直接的にリザーバへ排出させる配慮がなされ、当該エア抜き通路の途中にはオリフィスを設けて、当該エア抜き通路によってロッド側室とリザーバとが連通されてもロッド側室の圧力の上昇を可能とし伸側減衰力の発生を可能としている。
このようなエア抜き通路を形成する場合、ロッドガイドのリザーバに臨む端部から直接リザーバへ液体を排出するようにすると、リザーバの上方から排出される流速の速い液体がリザーバ内の油面に向けて射出される格好となり、射出された液体が上記油面を掻き乱してリザーバ内の液体中への気体の混入を促進してしまう。
これに対して、ユニフロー型に設定される液圧緩衝器の中には、ロッド側室とリザーバとを連通する通路の途中に設けた減衰弁を通過した液体をロッドガイドに嵌合したパイプを通してリザーバへ排出するようにしたものがあり、このようにすることで気体の巻き込みを防止することができるようになっている(たとえば、特許文献1参照)。
したがって、特許文献1の技術と同様に、上記エア抜き通路をリザーバ内の油面より下方まで延長するパイプを上記したロッドガイドに取付けるようにすれば、上記不具合の解消を期待できる。
特開2002−349629号公報(図2)
上述のようにすれば、パイプを設けることで気体の巻き込みを防止できる点で良いのであるが、鉄道車両の車軸と台車との間のように長期間にわたり頻繁に振動入力されるとともに縦置きで使用されるような箇所に用いる場合、以下のような危惧がある。
すなわち、リザーバ内の気体巻き込みを防止するため、ロッドガイドにパイプをぶら下げる格好で取付けるようにするので、振動入力が繰り返されるとパイプがロッドガイドから脱落して、気体の巻き込みを阻止できなくなってしまう可能性がある。
これを回避するべく、パイプをロッドガイドに螺子結合するとともに、螺子結合部に嫌気性接着剤を塗布する方策もあるが、激しい振動が継続的に入力され続けるとやはり上記のように脱落してしまうことを完全に防止しきれないのではないかとの不安も残ることになる。
そこで、本発明は上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、シリンダからリザーバへの液体排出時にリザーバ内の気体巻き込みを確実に防止できる緩衝器を提供することである。
上記した目的を達成するため、本発明の一つの手段は、シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されてシリンダ内を上方配置されるロッド側室と下方配置される反ロッド側室とに区画するピストンと、シリンダ内に移動自在に挿入されるとともにピストンに連結されるロッドと、シリンダの外方に配置されシリンダとの間にリザーバを形成する外筒と、シリンダと外筒の開口端に嵌合しこれら開口端を閉塞するとともにロッドを軸支するロッドガイドを備えた液圧緩衝器において、ロッドガイドに形成されてロッド側室とリザーバとを連通するとともに複数の屈曲部を備えてなるエア抜き通路と、当該エア抜き通路の途中に設けたオリフィスとを備え、エア抜き通路は、シリンダ内周に対向するロッドガイド外周に少なくとも半周以上に亘って形成したシリンダ対向溝と、ロッド側室とシリンダ対向溝とを連通するL字状の吸込通路と、ロッドガイドの上端に少なくとも半周以上に亘って形成した上端溝と、シリンダ対向溝の吸込通路接続部から半周以上離れた位置から開口して上端溝に連通するL字状の連絡通路と、上端溝をリザーバに連通する排出通路とを備えたことを特徴とする。
同じく、他の手段は、シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されてシリンダ内を上方配置されるロッド側室と下方配置される反ロッド側室とに区画するピストンと、シリンダ内に移動自在に挿入されるとともにピストンに連結されるロッドと、シリンダの外方に配置されシリンダとの間にリザーバを形成する外筒と、シリンダと外筒の開口端に嵌合しこれら開口端を閉塞するとともにロッドを軸支するロッドガイドを備えた液圧緩衝器において、ロッドガイドに形成されてロッド側室とリザーバとを連通するとともに複数の屈曲部を備えてなるエア抜き通路と、当該エア抜き通路の途中に設けたオリフィスとを備え、エア抜き通路は、シリンダ内周に対向するロッドガイド外周に少なくとも半周以上に亘って形成したシリンダ対向溝と、ロッド側室とシリンダ対向溝とを連通するL字状の吸込通路と、外筒内周に対向するロッドガイド外周に少なくとも半周以上に亘って形成した外筒対向溝と、シリンダ対向溝の吸込通路接続部から半周以上離れた位置から開口して外筒対向溝に連通するコ字状の連絡通路と、外筒対向溝をリザーバに連通する排出通路とを備えたことを特徴とする。




本発明の液圧緩衝器によれば、エア抜き通路を通過する液体の流速を低減できるので、シリンダからリザーバへの液体排出時にリザーバ内の気体巻き込みを確実に防止でき、また、パイプを省略できるので、製造コストを低減して異音発生を防止することができる。
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。図1は、一実施の形態における液圧緩衝器の縦断面図である。図2は、一実施の形態の液圧緩衝器におけるロッドガイドの拡大断面図である。図3は、一実施の形態の変形例の液圧緩衝器におけるロッドガイドの拡大断面図である。
一実施の形態における液圧緩衝器D1は、図1に示すように、シリンダ1と、シリンダ1内に摺動自在に挿入されてシリンダ1内を上方配置されるロッド側室R1と下方配置される反ロッド側室R2とに区画するピストン2と、シリンダ1内に移動自在に挿入されるとともにピストン2に連結されるロッド3と、シリンダ1の外方に配置されシリンダ1を覆ってシリンダ1との間にリザーバRを形成する外筒4と、シリンダ1と外筒4の開口端に嵌合してこれら開口端を閉塞するとともにロッド3を軸支するロッドガイド6と、ロッドガイド6に形成されてロッド側室R1とリザーバRとを連通するとともに複数の屈曲部を備えて通過する液体の流速を低減するエア抜き通路7と、当該エア抜き通路7の途中に設けたオリフィス5とを備えて構成され、縦置き正立型に設定されている。
さらに、この液圧緩衝器D1にあっては、シリンダ1の図1中下端を閉塞するバルブディスク8と、外筒4の図1中下端に固定されて外筒4の下端を閉塞するロアキャップ9とを備えており、ロッド側室R1と反ロッド側室R2には作動油等の液体が充填されるとともに、リザーバRには、液体のほかに気体が充填されている。
そして、この液圧緩衝器D1の場合、ピストン2にロッド側室R1と反ロッド側室R2とを連通するとともに通過する液体の流れに抵抗を与える流路2aを備えるとともに、バルブディスク8には、反ロッド側室R2からリザーバRへ向かう液体の流れのみを許容するとともに当該流れに抵抗を与える流路8aと、反対に、リザーバRから反ロッド側室R2へ向かう液体の流れのみを許容する流路8bとを備えており、伸縮時にピストン速度に応じて所定の減衰力を発生するようになっている。
なお、伸長行程時においては、シリンダ1内からロッド3が退出する体積分の液体がリザーバRからシリンダ1内へ供給され、圧縮行程時には、シリンダ1内へ侵入するロッド3の体積分の液体がシリンダ1からリザーバRへ排出されることで体積補償が行われるようになっている。
つづいて、ロッドガイド6について詳細に説明すると、ロッドガイド6は、ロッド3の挿通を許容するために環状に設定されるとともに図1中下端外周が小径とされて、大径部6aと小径部6bが形成され、小径部6bをシリンダ1の上端に嵌合することでシリンダ1の上端開口端を閉塞するとともに、大径部6aを外筒4内に嵌合することで外筒4の上端開口端を閉塞し、ロッドガイド6によってシリンダ1と外筒4との間に形成されるリザーバRの上端が閉塞されている。
また、このロッドガイド6は、大径部6aの上端外周にテーパ部6cを備えるとともに、内周には、ロッド3の外周に摺接する筒状のベアリング10が圧入されて固定されている。
さらに、このロッドガイド6の図1中上方には、シールケース11が積層され、このシールケース11は、ロッド3の挿通を許容するために環状に設定されるとともに、図1中上端内周に形成される凹部11aと、図1中下端から軸方向に沿って形成されて上記凹部11aの底面に通じる複数のドレンポート11bとを備えて構成され、上記凹部11aには、ロッド3の外周に摺接してロッド3の外周をシールする環状のシール部材12が嵌合され固定されている。
また、凹部11aに装着されるシール部材12は、環状に設定されており、断面L字で環状の芯金12aと芯金12aの内周側に設けられてロッド3の外周に摺接してロッド外周をシールするリップ12bとを備えて構成されている。このシール部材12の芯金12aおよびリップ12bの形状は、シール部材12で保証するシリンダ内圧力等に応じて適する形状に設定されればよく、図示したものに限定されない。
そして、このシールケース11をロッドガイド6に積層して、ロッドガイド6の小径部6bをシリンダ1の図1中上端内に嵌合させつつ、これらシールケース11およびロッドガイド6を外筒4内に嵌合させた後、外筒4の図1中最上端の内周に環状のナット部材13の外周を螺着させると、当該ナット部材13とシリンダ1とで挟持されてシールケース11およびロッドガイド6とが積層状態に維持されて液圧緩衝器D1に組み付けられる。上記したナット部材13は、環状とされて下端を凹部11aに対向させてシール部材12の脱落を阻止しており、また、その内周にはロッド3の外周に摺接してロッド3外周に付着する塵や埃を掻き落とすダストシール18が装着されており、シリンダ1内への塵や埃の侵入を防止している。
なお、ロッドガイド6のテーパ部6cとシールケース11と外筒4との間に形成される空隙には、シールリング14が介装され、このシールリング14によってロッドガイド6と外筒4との間およびロッドガイド6とシールケース11との間がシールされるとともに、ロッドガイド6とロッド3との間がシール部材12によってシールされ、シリンダ1および外筒4内が液密に保たれる。
転じて、ロッドガイド6に形成されるエア抜き通路7は、ロッド側室R1とリザーバRとを連通して、液圧緩衝器D1が伸長作動を行う際に、圧縮されるロッド側室R1からリザーバRへと液体を排出するとともに、ロッド側室R1の上方に気泡が生じた場合、液体の排出時に気泡をリザーバRへ排出するために設置されている。
詳しくは、エア抜き通路7は、図2に示すように、シリンダ1の内周に対向するロッドガイド6の小径部6bの外周に少なくとも半周以上に亘って形成されるシリンダ対向溝20と、ロッドガイド6の小径部6bの下端から開口してシリンダ対向溝20へ通じてロッド側室R1とシリンダ対向溝20とを連通するL字状の吸込通路21と、ロッドガイド6の上端に少なくとも半周以上に亘って形成される円形状の上端溝22と、シリンダ対向溝20の吸込通路21への接続部から半周以上離れた位置から開口して上端溝22に連通するL字状の連絡通路23と、上端溝22をリザーバRに連通する排出通路24とを備えて構成されている。
そして、液圧緩衝器D1が伸長作動する際、液体は、ロッド側室R1から吸込通路21、シリンダ対向溝20、連絡通路23、上端溝22および排出通路24を順に通過してリザーバRへ排出されるようになっている。
また、シリンダ対向溝20は、この実施の形態の場合、ロッドガイド6の小径部6bの全周に亘って形成されており、ロッドガイド6の小径部6bをシリンダ1の内周に嵌合すると、環状の通路を形成するようになっており、吸込通路21の接続部から半周離れた位置(角度にすると接続部から180度の位置)に連絡通路23が接続されている。
したがって、吸込通路21からシリンダ対向溝20を介して連絡通路23へ至る液体は、シリンダ対向溝20を右回りでも左回りでも半周を移動するようになっており、シリンダ対向溝20を通過する液体の流速を、液体にシリンダ対向溝20を半周させることによって減速させることができるようになっている。
なお、液体の流速を充分に減速するには、シリンダ対向溝20をロッドガイド6のシリンダ1に対向する外周の半周以上に亘って設けるようにすればよいが、上述したように、吸込通路21の接続部から半周離れた位置に連絡通路23を接続するようにしておくことで、シリンダ対向溝20を環状とすることができシリンダ対向溝20の切削が簡単となる。シリンダ対向溝20を環状としない場合には、シリンダ対向溝20における吸込通路21の接続部から半周以上離れた位置に連絡通路23を接続するようにすればよい。
さらに、吸込通路21は、ロッドガイド6の小径部6bの下端から開口する縦孔21aと、縦孔21aとシリンダ対向溝20とを連通する横孔21bとを備えており、L字状に形成されている。
そして、吸込通路21の途中にオリフィス5が設置されており、このオリフィス5によってエア抜き通路7を通過しようとする液体の流れに抵抗を与えるようになっており、エア抜き通路7によってロッド側室R1とリザーバRとが連通されてもロッド側室R1の圧力上昇を可能とし液圧緩衝器D1が伸側減衰力を発生できるようになっている。
なお、ロッドガイド6の小径部6bの外周であって、シリンダ対向溝20より下方には、シールリング15が装着されており、シリンダ対向溝20がオリフィス5を迂回して直接的にロッド側室R1へ連通してしまうことが無いように配慮されている。
詳しくは、オリフィス5は、ロッドガイド6に設けた吸込通路21を形成する穿孔である縦孔21a内に螺着されるプラグ25に設けた孔で形成されており、孔径の異なるプラグに差し替えることによって、伸側の減衰特性(ピストン速度に対する発生される減衰力の特性)を変更することができるようになっており、減衰特性の変更を容易に行うことができる。なお、オリフィス5は、プラグ25を用いずに縦孔21aの径を途中で小径として直接縦孔21aに設けるようにしてもよく、また、オリフィス5は、エア抜き通路7の途中に設ければよいので、縦孔21a以外にも横孔21bに設けてもよく、吸込通路21以外にも後述する連絡通路23の横孔23aに設けるようにしてもよい。
つづいて、上端溝22は、この実施の形態の場合、ロッドガイド6の図2中上端に全周に亘って形成されており、ロッドガイド6にシールケース11を積層すると、円形状の通路を形成するようになっており、連絡通路23の接続部から半周離れた位置に排出通路24が接続されている。
さらに、上端溝22は、シールケース11に設けたドレンポート11bにも接続され、シールケース11に設けた凹部11aは、この上端溝22および排出通路24を介してリザーバRへ連通されるようになっている。したがって、ロッド3の外周に付着してベアリング10を通過した液体が凹部11a内に侵入しても、当該ドレンポート11b、上端溝22および排出通路24を通じてリザーバRへ排出され、当該凹部11a内の蓄圧が阻止され、シール部材12へ過剰な圧力を作用させず、ロッド3を締め付ける緊迫力が過剰となることを阻止して、液圧緩衝器D1の円滑な伸縮を保証している。
また、連絡通路23から上端溝22を介して排出通路24へ至る液体は、上端溝22を右回りでも左回りでも半周を移動するようになっており、この実施の形態の場合、上端溝22を通過する液体の流速を、液体に上端溝22を半周させることによって減速させることができるようになっている。
なお、この実施の形態の場合、上端溝22でも液体の流速を減速させるようにしているので、上端溝22をロッドガイド6の上端に半周以上に亘って設けるようにしており、上述したように、連絡通路23の接続部から半周離れた位置に排出通路24を接続するようにしておくことで、上端溝22を円形状とすることができ上端溝22の切削を簡単にすることができる。特に、上端溝22にて流速を減速する必要が無い場合には、上端溝22を半周以上に亘って形成する必要は無い。
また、連絡通路23は、シリンダ対向溝20の底部から開口する横孔23aと、横孔23aと上端溝22とを連通する縦孔23bとを備えてL字状に形成されており、排出通路24は、ロッドガイド6の大径部6aを上下に貫いて上端溝22とリザーバRとを連通している。
このように構成されたエア抜き通路7にあっては、上端溝22内に侵入した液体は排出通路24によってリザーバRへ排出されるようになっており、液圧緩衝器D1の伸縮作動時の圧力変動や振動の影響があっても、液面が連絡通路23の縦孔23b内の途中に配置されるようになっている。
そして、このエア抜き通路7は、L字状の吸込通路21における縦孔21aと横孔21bとの接続部位、吸込通路21とシリンダ対向溝20との接続部位、シリンダ対向溝20と連絡通路23との接続部位、L字状の連絡通路23における横孔23aと縦孔23bとの接続部位の四つ屈曲部を備えており、エア抜き通路7を通過する液体の進行方向は、上記四つの屈曲部で進行方向が曲げられて、この屈曲部を液体が通過することでその流速が低減され、排出通路24からリザーバRへ排出される液体の流速は極低速となって、液体がリザーバRの液面に落ちても液面を殆ど乱すことがなく、リザーバR内の気体を巻き込む事態を阻止することができる。
したがって、この液圧緩衝器D1によれば、エア抜き通路7を通過する液体の流速を低減できるので、シリンダ1からリザーバRへの液体排出時にリザーバR内の気体巻き込みを確実に防止できるのである。
また、従来の液圧緩衝器に必要とされるリザーバR内へのパイプの設置の必要が無く、ロッドガイド6にエア抜き通路7が形成されるので、液圧緩衝器D1の製造が簡素化され、製造コストを低減できるとともに、パイプの設置を要しないので、ロッドガイドからのパイプ脱落の心配がなく、気体巻き込み防止機能が損なわれることがなく、リザーバR内で脱落したパイプが遊んで異音を発生するといった危惧も無い。
そして、さらに、この実施の形態の場合、シリンダ対向溝20がロッドガイド6のシリンダ1内周に対向する小径部6bの外周に半周以上に亘って設けられているので、シリンダ対向溝20を通過する液体の流速をより一層低減することができ、リザーバR内での気体巻き込み防止効果が高くなる。
また、この実施の形態の場合、上端溝22がロッドガイド6の上端に半周以上に亘って設けられているので、上端溝22を通過する液体の流速をより一層低減することができ、リザーバR内での気体巻き込み防止効果が高くなる。
なお、エア抜き通路17は、屈曲部を設けるようにすれば、たとえば、図3に示した液圧緩衝器D2におけるロッドガイド30に形成される構成とされてもよい。
ロッドガイド30は、ロッドガイド6と同様に、外筒4に嵌合する大径部30aと、シリンダ1の上端に嵌合する小径部30bとを備えて環状に形成され、内周にベアリング10が圧入されている。
そして、エア抜き通路17は、シリンダ1内周に対向するロッドガイド30の小径部30bの外周に少なくとも半周以上に亘って形成したシリンダ対向溝31と、ロッド側室R1とシリンダ対向溝31とを連通するL字状の吸込通路32と、外筒4の内周に対向するロッドガイド30の大径部30aの外周に少なくとも半周以上に亘って形成した外筒対向溝33と、シリンダ対向溝31の吸込通路32への接続部から半周離れた位置から開口して外筒対向溝33に連通するコ字状の連絡通路34と、外筒対向溝33をリザーバRに連通する排出通路35とを備えて構成されている。
また、吸込通路32は、ロッド側室R1に連通される縦孔32aと、縦孔32aとシリンダ対向溝31とを連通する横孔32bとで構成され、縦孔32a内にはオリフィス5を形成するプラグ25が螺着されている。また、連絡通路34は、シリンダ対向溝31に連通される図3中下方の横孔34aと、当該横孔34aに連通される縦孔34bと、縦孔34bを外筒対向溝33に連通する図3中上方の横孔34cとで構成されている。
さらに、シリンダ対向溝31はロッドガイド30の小径部30bをシリンダ1の上端内周に嵌合することで、外筒対向溝33はロッドガイド30の大径部30aを外筒4の内周に嵌合することで、それぞれ、環状の通路を形成するようになっている。
そして、このエア抜き通路17にあっては、連絡通路34を構成する縦孔34bの上方に接続される横孔34cおよび外筒対向溝33内に侵入した液体は排出通路35によってリザーバRへ排出されるようになっており、液圧緩衝器D2の伸縮作動時の圧力変動や振動の影響があっても、液面が連絡通路34における縦孔34b内の途中に配置されるようになっている。なお、シールケース11のドレンポート11bは、連絡通路34の縦孔34bに通じて、凹部11aがリザーバRへ連通されるようになっており、凹部11aの蓄圧が阻止されるようになっている。
上述したところから理解できるように、この一実施の変形例における液圧緩衝器D2にあっても、エア抜き通路17の途中には、L字状の吸込通路32における縦孔32aと横孔32bとの接続部位、吸込通路32とシリンダ対向溝31との接続部位、シリンダ対向溝31と連絡通路34との接続部位、連絡通路34における下方の横孔34aと縦孔34bとの接続部位の四つ屈曲部を備えており、エア抜き通路17を通過する液体の進行方向は、上記四つの屈曲部で進行方向が曲げられて、この屈曲部を液体が通過することでその流速が低減され、排出通路35からリザーバRへ排出される液体の流速は極低速となって、液体がリザーバRの液面に落ちても液面を殆ど乱すことがなく、リザーバR内の気体を巻き込む事態を阻止することができる。なお、排出通路35は、図示したところでは、縦孔と横孔とで構成されているが、ロッドガイド30の外周に設けられてリザーバRと外筒対向溝33とを連通する切欠とされてもよい。
したがって、この変形例における液圧緩衝器D2にあっても、エア抜き通路17を通過する液体の流速を低減できるので、シリンダ1からリザーバRへの液体排出時にリザーバR内の気体巻き込みを確実に防止でき、パイプを省略できるので、製造コストを低減して異音発生を防止することができるのである。
また、この実施の形態の場合、シリンダ対向溝32がロッドガイド30のシリンダ1内周に対向する小径部30bの外周に半周以上に亘って設けられているので、シリンダ対向溝31を通過する液体の流速をより一層低減することができ、リザーバR内での気体巻き込み防止効果が高くなる。
さらに、この実施の形態の場合、外筒対向溝33がロッドガイド30の大径部30bの外周に半周以上に亘って設けられているので、外筒対向溝33を通過する液体の流速をより一層低減することができ、リザーバR内での気体巻き込み防止効果が高くなる。
なお、エア抜き通路は、ロッドガイドに形成されてロッド側室とリザーバとを連通するとともに複数の屈曲部を備えていればよいので、その構成および構造は任意であり、上記実施の形態そのものの構造および構成に限定されるものではない。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
一実施の形態における液圧緩衝器の縦断面図である。 一実施の形態の液圧緩衝器におけるロッドガイドの拡大断面図である。 一実施の形態の変形例の液圧緩衝器におけるロッドガイドの拡大断面図である。
符号の説明
1 シリンダ
2 ピストン
2a,8a,8b 流路
3 ロッド
4 外筒
5 オリフィス
6,30 ロッドガイド
6a,30a ロッドガイドにおける大径部
6b,30b ロッドガイドにおける小径部
6c ロッドガイドにおけるテーパ部
7,17 エア抜き通路
8 バルブディスク
9 ロアキャップ
10 ベアリング
11 シールケース
11a シールケースにおける凹部
11b シールケースにおけるドレンポート
12 シール部材
12a シール部材における芯金
12b シール部材におけるリップ
13 ナット部材
14,15 シールリング
18 ダストシール
20,31 シリンダ対向溝
21,32 吸込通路
21a,32a 吸込通路における縦孔
21b,32b 吸込通路における横孔
22 上端溝
23,34 連絡通路
23a,34a,34c 連絡通路における横孔
23b,34b 連絡通路における縦孔
24,35 排出通路
25 プラグ
33 外筒対向溝
D1,D2 液圧緩衝器
R リザーバ
R1 ロッド側室
R2 反ロッド側室

Claims (4)

  1. シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されてシリンダ内を上方配置されるロッド側室と下方配置される反ロッド側室とに区画するピストンと、シリンダ内に移動自在に挿入されるとともにピストンに連結されるロッドと、シリンダの外方に配置されシリンダとの間にリザーバを形成する外筒と、シリンダと外筒の開口端に嵌合しこれら開口端を閉塞するとともにロッドを軸支するロッドガイドを備えた液圧緩衝器において、ロッドガイドに形成されてロッド側室とリザーバとを連通するとともに複数の屈曲部を備えてなるエア抜き通路と、当該エア抜き通路の途中に設けたオリフィスとを備え、エア抜き通路は、シリンダ内周に対向するロッドガイド外周に少なくとも半周以上に亘って形成したシリンダ対向溝と、ロッド側室とシリンダ対向溝とを連通するL字状の吸込通路と、ロッドガイドの上端に少なくとも半周以上に亘って形成した上端溝と、シリンダ対向溝の吸込通路接続部から半周以上離れた位置から開口して上端溝に連通するL字状の連絡通路と、上端溝をリザーバに連通する排出通路とを備えたことを特徴とする液圧緩衝器。
  2. シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されてシリンダ内を上方配置されるロッド側室と下方配置される反ロッド側室とに区画するピストンと、シリンダ内に移動自在に挿入されるとともにピストンに連結されるロッドと、シリンダの外方に配置されシリンダとの間にリザーバを形成する外筒と、シリンダと外筒の開口端に嵌合しこれら開口端を閉塞するとともにロッドを軸支するロッドガイドを備えた液圧緩衝器において、ロッドガイドに形成されてロッド側室とリザーバとを連通するとともに複数の屈曲部を備えてなるエア抜き通路と、当該エア抜き通路の途中に設けたオリフィスとを備え、エア抜き通路は、シリンダ内周に対向するロッドガイド外周に少なくとも半周以上に亘って形成したシリンダ対向溝と、ロッド側室とシリンダ対向溝とを連通するL字状の吸込通路と、外筒内周に対向するロッドガイド外周に少なくとも半周以上に亘って形成した外筒対向溝と、シリンダ対向溝の吸込通路接続部から半周以上離れた位置から開口して外筒対向溝に連通するコ字状の連絡通路と、外筒対向溝をリザーバに連通する排出通路とを備えたことを特徴とする液圧緩衝器。
  3. 吸込通路と連絡通路とが縦孔と横孔とからなり、吸込通路における縦孔と横孔との接続部位、吸込通路とシリンダ対向溝との接続部位、シリンダ対向溝と連絡通路との接続部位、連絡通路における横孔と縦孔との接続部位の四つ屈曲部を備えている請求項1又は2に記載の液圧緩衝器。
  4. オリフィスは、ロッドガイドに設けた吸込通路を形成する穿孔内に螺着されるプラグに設けた孔で形成されていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の液圧緩衝器。
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