JP5061600B2 - 走行制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、算出した走行軌跡に沿って所定の目標速度で車輌を緩速走行させる走行制御装置に関し、特に、運転者に不快感を与えることなく車輌を緩速走行させる走行制御装置に関する。
従来、駐車時の運転者による運転操作を補助し、運転フィーリングを悪化させることなく、停車に至る車輌の走行状態の制御を簡便かつ安全に行う駐車補助ブレーキ装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この駐車補助ブレーキ装置は、駐車アシスト制御により車輌を所定位置に駐車させる場合に利用され、駐車位置に接近するにつれ徐々に車速を低減させながら車輌を駐車させる。
特開2004−50925号公報
しかしながら、特許文献1に記載の駐車補助ブレーキ装置は、駐車スペースの広狭、隣接する駐車車輌の有無、駐車スペースに至る過程で接近する物体との間の距離等に関わらず所定の目標速度で車輌を走行させるので、目標速度が運転者の予想以上に大きい場合には他の駐車車輌に接触するのではと運転者に危うさを感じさせてしまい、一方で目標速度が予想以上に小さい場合にはより早く駐車させられないものかと運転者にもどかしさを感じさせてしまう場合がある。
上述の点に鑑み、本発明は、運転者に不快感を与えることなく車輌を緩速走行させる走行制御装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、第一の発明に係る走行制御装置は、算出した走行軌跡に沿って車輌を目標速度で緩速走行させる走行制御装置であって、前記目標速度に対し運転者が抱く警戒度を推定する警戒度推定手段と、前記警戒度推定手段の推定結果に基づいて前記目標速度を変更する目標速度決定手段と、を備えることを特徴とする。
また、第二の発明は、第一の発明に係る走行制御装置であって、前記警戒度推定手段は、前記算出した走行軌跡に沿って車輌を走行させた場合における周辺物と車輌との間の距離に基づいて警戒度を推定することを特徴とする。
また、第三の発明は、第一又は第二の発明に係る走行制御装置であって、駐車支援又は狭路通過支援で利用されることを特徴とする。
上述の手段により、本発明は、運転者に不快感を与えることなく車輌を緩速走行させる走行制御装置を提供することを目的とする。
以下、図面を参照しつつ、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
(1)実施例の概要
本実施例に係る走行制御装置は、例えば、カメラで撮像した駐車スペースの位置と車輌の現在位置とに基づいてその駐車スペースに至る走行軌跡を演算により導き出し、操舵角、ブレーキによる制動力、エンジンによる駆動力を自動制御して車輌を導出した走行軌跡に沿って緩速走行させる。
また、この走行制御装置は、導出した走行軌跡に沿って車輌を走行させる場合の走行速度を目標速度以下に制限する。
「目標速度」とは、走行制御装置に予め登録された速度の値であり、例えば、駐車スペースに接近するにつれて速度を減少させる関係を示す目標速度マップ(縦軸に速度、横軸に駐車スペースまでの距離を配したグラフ)の形で登録される。また、目標速度は、縦列駐車、並列駐車等の支援内容毎に一定の値が設定されていてもよい。
また、走行制御装置は、緩速走行に対し運転者が抱く警戒度を推定し、推定した警戒度に基づいて目標速度を決定する。
「警戒度」とは、走行制御装置が所定の目標速度で車輌を自動的に緩速走行させる場合に車輌の周囲環境によって運転者が抱くと思われる警戒の度合いを推定(算出)した値であり、例えば、狭い駐車スペースに車輌を駐車させる場合に増大し、一方で、広い駐車スペースに車輌を駐車させる場合に低減する。
狭い駐車スペースに車輌を駐車させる場合、車輌が他の駐車車輌や壁等に接触する可能性が比較的高く、運転者は、ブレーキペダルを直ぐに操作できるように準備しながら周囲を注意深く監視するものと考えられるからである。この場合、目標速度が高いと、運転者は、他車輌に接触してしまうのではないかという危うさを感じてしまう。
また、周囲に接触するようなものが無い広い駐車スペースに車輌を駐車させる場合、運転者は、車輌を壁や柱に接触させる心配もなく、ゆったりと推移を見守ることができるものと考えられるからである。この場合、目標速度が低いと、運転者は、自身で運転操作をしたほうが早いのではないかという焦れったさや煩わしさを感じてしまう。
従って、走行制御装置は、警戒度が高いとした場合、目標速度を低下させ運転者が周辺環境に応じてブレーキをより容易に操作できるようにし、一方で、警戒度が低いとした場合、目標速度を増大させ早期に駐車支援を完了させるようにする。
これにより、走行制御装置は、運転者に危うさや煩わしさを感じさせることなく駐車支援を完了させることができる。
(2)実施例の詳細
図1は、本発明に係る走行制御装置Sの構成例を示すブロック図である。走行制御装置Sは、制御部10、カメラ11、距離センサ12、アクセルペダルセンサ13、ブレーキペダルセンサ14、車速センサ15、GPS(Global Positioning System)16、記憶装置17、アクセル制御装置18、ブレーキ制御装置19及びステアリング制御装置20から構成される。
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備えたコンピュータであり、駐車支援手段100、狭路通過支援手段101、警戒度推定手段102、目標速度決定手段103に対応するプログラムをROMに記憶し、それらプログラムをRAM上に展開して対応する処理をCPUに実行させる。
カメラ11は、車輌周辺の画像を撮影するための装置であり、例えば、単数又は複数のCCD(Charge-Coupled Device)カメラが車室内外に設置される。また、カメラ11は、夜間撮影可能な赤外線カメラや距離を測定することが可能なステレオカメラであってもよい。なお、カメラ11は、撮影した画像データを制御部10に出力する。
距離センサ12は、車輌と車両周辺にある物体との間の距離を測定するためのセンサであり、例えば、レーザレーダ、ミリ波レーダ、超音波センサ又は赤外線センサ等であって、フェンダー、バンパー、ルーフ等、他の駐車車輌、柱、壁等と接触する可能性が高い車輌外縁部分に設置される。なお、距離センサ12は、測定データを制御部10に出力する。
アクセルペダルセンサ13、ブレーキペダルセンサ14は、それぞれ、アクセルペダル、ブレーキペダルの踏み込み度合いを測定するためのセンサであり、圧力センサ、ポテンショメータ等を用いて各ペダルの変位を測定する。なお、両センサは、測定データを制御部10に出力する。
車速センサ15は、車両の速度を測定するセンサであり、例えば、各車輪に取り付けられ各車輪とともに回転する磁石による磁界の変化をMR(Magnetic Resistance)素子が磁気抵抗として読み取り、これを回転速度に比例したパルス信号として取り出すことで車輪の回転速度および車両の速度を検出する。なお、車速センサ15は、測定データを制御部10に出力する。
GPS16は、GPS受信機によりGPSアンテナを介してGPS衛星が出力するGPS信号を受信して車輌の位置情報(緯度、経度、高度)を取得するための装置であり、単独測位又は相対測位(干渉測位を含む。)により車輌の位置情報を取得する。なお、GPS16は、取得した位置情報を制御部10に出力する。
また、制御部10は、舵角センサ若しくはジャイロセンサ等の各種センサの出力、又は、ビーコン受信機若しくはFM多重受信機を介して受信される各種情報に基づいて、取得した位置情報を補正するようにしてもよい。
記憶装置17は、走行制御装置Sが必要とする情報を記憶するための装置であり、例えば、地図情報データベースを格納したハードディスクやDVD(Digital Versatile Disc)等がある。記憶装置17は、制御部10からの要求に応じて各種情報を制御部10に出力する。
アクセル制御装置18は、エンジンによる駆動力を制御するための装置であり、例えば、制御部10からの制御信号に応じて電動モータやソレノイドアクチュエータ等を操作しスロットルバルブ開度や燃料噴射量を変化させてエンジンによる駆動力(車輌推進力)を制御する。
ブレーキ制御装置19は、ブレーキによる制動力を制御するための装置であり、アクセル制御装置18と同様、例えば、制御部10からの制御信号に応じて電動モータやソレノイドアクチュエータ等を操作しブレーキペダル踏み込み量やブレーキ圧を変化させてブレーキによる制動力を制御する。
ステアリング制御装置20は、操舵角を制御するための装置であり、例えば、制御部10からの制御信号に応じて電動モータを操作して操舵トルクを発生させ操舵角を制御する。
次に制御部10が有する各種手段について説明する。
駐車支援手段100は、車輌の駐車を支援するための手段であり、例えば、カメラ11で撮影した車輌後方画像及び距離センサ12が測定した周辺物までの距離に基づいて、車輌を周辺物に接触させないようにしながら駐車スペースまで移動させる走行軌跡を演算により導き出し、アクセル制御装置18、ブレーキ制御装置19及びステアリング制御装置20に制御信号を出力して導出した走行軌跡に沿って車輌を走行させる。
ここで、「周辺物」とは、走行制御装置Sがカメラ11や距離センサ12を用いて車輌を緩速走行させる走行軌跡を導出する場合に、車輌との接触や走行の妨げになるとして認識する物体をいい、例えば、他の駐車車輌、柱、壁、側溝、縁石等をいう。
また、駐車支援手段100は、目標速度を記憶装置17又は制御部10のROMから読み出し、読み出した目標速度で車輌を緩速走行させる。
図2は、駐車支援手段100が駐車を支援する状況を説明するための図であり、図2(A)は、走行制御装置Sを搭載した車輌V1が駐車車両V2とV3との間に後退並列駐車をする場合を示し、図2(B)は、走行制御装置Sを搭載した車輌V4が後退縦列駐車をする場合を示す。また、点線は、駐車支援手段100が演算により導出した走行軌跡を示す。
なお、駐車支援手段100は、前進縦列駐車又は前進並列駐車の場合にも、車輌の駐車を支援するようにしてもよい。
狭路通過支援手段101は、車輌の狭路通過を支援するための手段であり、例えば、カメラ11で撮影した車輌前方画像及び距離センサ12が測定した周辺物までの距離に基づいて、車輌を周辺物に接触させないようにしながら狭路(S時カーブ、クランク等を含む。)を通過させるための走行軌跡を演算により導き出し、アクセル制御装置18、ブレーキ制御装置19及びステアリング制御装置20に制御信号を出力して導出した走行軌跡に沿って車輌を走行させる。
また、狭路通過支援手段101は、駐車支援手段100と同様に、目標速度を記憶装置17又は制御部10のROMから読み出し、読み出した目標速度で車輌を緩速走行させる。
図3は、狭路通過支援手段101が狭路通過を支援する状況を説明するための図であり、図3(A)は、走行制御装置Sを搭載した車輌V5がクランクを通過する場合、図3(B)は、走行制御装置Sを搭載した車輌V6が狭路で対向車V7と遭遇した場合をそれぞれ示す。なお、点線は、狭路通過支援手段101が演算により導出した走行軌跡を示す。
図4は、制御部10が走行速度を制御する処理の流れを示すフローチャートであり、この処理は、駐車支援手段100又は狭路通過支援手段101の何れかが実行されている間、繰り返し実行されるものとする。なお、走行軌跡は、駐車支援手段100又は狭路通過支援手段によって既に導出されているものとする。
最初に、制御部10は、付属のROM又は記憶装置17に記憶された目標速度を読み出して取得する(ステップS1)。
その後、制御部10は、勾配センサ(図示せず)が検出した道路勾配情報若しくは地図情報データベースの道路勾配情報、又は、カメラ11が撮影した走行軌跡内の路面情報(例えば、勾配、段差、溝の有無をいう。)等に基づいて目標速度を実現させるための値(エンジンによる駆動力及びブレーキによる制動力をいう。)を算出し、アクセル制御装置18、ブレーキ制御装置19及びステアリング制御装置20に制御信号を出力する(ステップS2:フィードフォワード制御)。
その後、制御部10は、緩速走行を開始させた車輌の速度を車速センサ15により監視し、現在速度と目標速度とを比較する(ステップS3)。
現在速度が目標速度を下回る場合(ステップS3のNO)、制御部10は、アクセル制御装置18に新たな制御信号を送信し、エンジンによる駆動力を増大させたり、ブレーキ制御装置19に新たな制御信号を送信し、ブレーキによる制動力を低減させたりする(ステップS24:フィードバック制御)。
反対に、現在速度が目標速度を上回る場合(ステップS3のNO)、制御部10は、エンジンによる駆動力を低減させたり、ブレーキによる制動力を増大させたりする(ステップS24:フィードバック制御)。
現在速度と目標速度とが等しい場合(ステップS3のYES)、制御部10は、アクセル制御装置18及びブレーキ制御装置19に新たな制御信号を送信することなく、現在速度を維持させながら処理を終了させる。
次に、図1を再度参照しながら、制御部10が有する各種手段についての説明を継続する。
警戒度推定手段102は、運転者が抱くと思われる警戒の度合いを推定するための手段であり、例えば、駐車支援手段100又は狭路通過支援手段101が導出した走行軌跡に沿って車輌を走行させる場合に変化する、車輌と周辺物との間の距離に基づいて警戒度を推定する。
警戒度推定手段102は、車輌と周辺物とが最も接近した場合の距離が小さい程、警戒度を増大させるようにし、例えば、駐車スペースが狭い(車輌を駐車スペースに駐車させた場合に、隣接する他の駐車車輌や壁との距離が小さい場合をいう。)程、警戒度を増大させるようにする。
また、警戒度推定手段102は、駐車スペースが広い場合(車輌を駐車スペースに駐車させた場合に、隣接する他の駐車車輌や壁との距離が大きい場合をいう。)であっても、駐車スペースに至るまでに、周辺物(例えば、電柱)との距離が所定距離より小さくなる場合には、警戒度を増大させるようにしてもよい。
このように、警戒度推定手段102は、走行制御装置Sが駐車支援又は狭路通過支援を実行する直前に一度だけ警戒度を推定するようにしてもよく、走行制御装置Sが駐車支援又は狭路通過支援を開始させた後も周囲の状況の変化に応じて繰り返し警戒度を推定し直すようにしてもよい。
例えば、警戒度推定手段102は、駐車支援又は狭路通過支援を実行させた後、運転者によるアクセルペダル又はブレーキペダルの操作をアクセルペダルセンサ13又はブレーキペダルセンサ14により監視し、アクセルペダル若しくはブレーキペダルの操作頻度、踏み込み量又は踏み込み時間等に基づいて警戒度を推定するようにしてもよい。
この場合、警戒度推定手段102は、ブレーキペダルの操作頻度が高い程、警戒度を増大させ、アクセルペダルの踏み込み量が大きい程、警戒度を低減させる。
なお、警戒度推定手段102は、例えば、所定の計算式に基づいて警戒度を無段階に設定するようにしてもよく、複数段階のレベルに区分するようにしてもよい。
目標速度決定手段103は、駐車支援手段100又は狭路通過支援手段101で使用される目標速度を決定するための手段であり、例えば、警戒度推定手段102が推定した警戒度に応じて目標速度を決定する。
目標速度決定手段103は、警戒度推定手段102が推定した警戒度が大きい程、駐車支援手段100又は狭路通過支援手段101で使用される目標速度を低減させるようにし、反対に、警戒度推定手段102が推定した警戒度が小さい程、駐車支援手段100又は狭路通過支援手段101で使用される目標速度を低減させるようにする。
ここで、図5を参照しながら、走行制御装置Sが目標速度を決定する処理について説明する。
最初に、走行制御装置Sは、駐車支援手段100又は狭路通過支援手段101による支援を開始し、導出した走行軌跡に沿って車輌を緩速走行させた場合、運転者によるブレーキペダルの操作をブレーキペダルセンサ14により監視する(ステップS11)。
その後、ブレーキペダルの操作回数が閾値T1を上回った場合(ステップS11のYES)、警戒度推定手段102は、運転者が現在の目標速度を速過ぎると感じているものと推定して警戒度を増大させ、目標速度決定手段103は、警戒度推定手段102が増大させた警戒度に基づいて目標速度を低減させる(ステップS12)。
また、ブレーキペダルの操作回数が閾値T1以下の場合(ステップS11のNO)、警戒度推定手段102は、運転者が現在の目標速度を速過ぎるとは感じていないものと推定して警戒度をそのまま維持させ、目標速度決定手段103に目標速度を維持させるようにする。
一方、走行制御装置Sは、駐車支援手段100又は狭路通過支援手段101による支援を開始し、導出した走行軌跡に沿って車輌を緩速走行させた場合、ブレーキペダル同様、運転者によるアクセルペダルの操作をアクセルペダルセンサ13により監視する(ステップS13)。
その後、アクセルペダルの操作回数が閾値T2を上回った場合(ステップS13のYES)、警戒度推定手段102は、運転者が現在の目標速度を遅過ぎると感じているものと推定して警戒度を低減させ、目標速度決定手段103は、警戒度推定手段102が低減させた警戒度に基づいて目標速度を増大させる(ステップS14)。
アクセルペダルの操作回数が閾値T2以下の場合(ステップS13のNO)、警戒度推定手段102は、運転者が現在の目標速度が遅すぎるとは感じていないものと推定して警戒度をそのまま維持させ、目標速度決定手段103に目標速度を維持させるようにする。
次に、図6を参照しながら、ブレーキペダル操作により目標速度が補正される処理について説明する。
図6は、縦軸に車輌の速度、横軸に時間の推移を示し、初期目標速度によって駐車支援を開始させた状態を示す。
また、図6は、運転者が二回ブレーキペダルを踏み込み、車輌の速度を二回低減させたことを示す。
走行制御装置Sは、ブレーキペダルセンサ14によりブレーキペダルが二回踏み込まれたことを検知し運転者が現在の目標速度を速過ぎると感じていると推定して、時刻tの時点で警戒度推定手段102により警戒度を増大させ、目標速度決定手段103により目標速度を補正後目標速度まで自動的に低下させる。走行制御装置Sは、制御信号をアクセル制御装置18又はブレーキ制御装置19に送信し、車輌の速度が補正後目標速度になるようエンジンによる駆動力又はブレーキによる制動力を制御する。
なお、目標速度決定手段103は、所定回数(例えば、2回)ブレーキペダルが踏み込まれることで変化した車輌速度の最低速度、平均速度、中間速度等の何れかを補正後目標速度として採用してもよく、予め登録された速度を補正後目標速度として採用してもよい。
また、走行制御装置Sは、目標速度を迅速(ステップ状)に補正後目標速度に変化させてもよく、所定の減速度(又は加速度)未満で徐々に補正後目標速度となるようにしてもよい。
このように、走行制御装置Sは、ブレーキペダル又はアクセルペダルの操作に応じて無段階に目標速度を変化させるようにし、駐車支援中又は狭路通過支援中の緩速走行によって運転者に不快感を与えることがないようにする。
ここでさらに、図7を参照しながら、走行制御装置Sが目標速度を決定する別の処理について説明する。
最初に、走行制御装置Sは、駐車支援手段100により後退並列駐車を支援する場合、カメラ11で車輌後方を撮影し、撮影した画像を画像処理することで駐車スペースの幅を測定する。
測定した駐車スペースの幅が閾値T3を下回った場合(ステップS21のYES)、警戒度推定手段102は、運転者が現在の目標速度を速過ぎると感じるだろうと推定して警戒度を増大させ、目標速度決定手段103は、警戒度推定手段102が増大させた警戒度に基づいて目標速度を低減させる(ステップS22)。
測定した駐車スペースの幅が閾値T3以上の場合(ステップS21のNO)で、かつ、閾値T4(T4>T3)を上回った場合(ステップS23のYES)、警戒度推定手段102は、運転者が現在の目標速度を遅過ぎると感じるだろうと推定して警戒度を低減させ、目標速度決定手段103は、警戒度推定手段102が低減させた警戒度に基づいて目標速度を増大させる(ステップS24)。
また、測定した駐車スペースの幅が閾値T3以上の場合(ステップS21のNO)で、かつ、閾値T4未満の場合(ステップS23のNO)、警戒度推定手段102は、運転者が現在の目標速度で不快を感じないだろうと推定して警戒度をそのまま維持させ、目標速度決定手段103に目標速度を維持させて処理を終了させる。
このように、走行制御装置Sは、三段階の目標速度設定を用意し、駐車スペースの幅に応じて目標速度を切り替えるようにして、駐車支援中の緩速走行によって運転者に不快感を与えることがないようにする。
また、走行制御装置Sは、駐車スペースの幅Lrと車輌の幅Lとの間の差Lr−Lの関数として目標速度を決定するようにしてもよく、予め用意された目標速度マップを用いて目標速度の決定を行うようにしてもよい。
図8は、目標速度マップの例を示す図であり、図8(A)は、駐車支援時に利用する目標速度マップを示し、図8(B)は、狭路通過支援時に利用する目標速度マップを示す。
図8(A)は、縦軸に車輌の速度、横軸に駐車スペースまでの距離を配し、車輌が駐車スペースに接近するにつれて目標速度が減少し、駐車スペースに到達したときに目標速度がゼロになる設定を実線で示す。
また、図8(A)は、駐車スペースの幅が大きく目標速度を増大させた場合を一点鎖線で示し、駐車スペースの幅が小さく目標速度を低減させた場合を点線で示す。
同様に、図8(B)は、縦軸に車輌の速度、横軸に周辺物までの距離を配し、車輌が周辺物に接近するにつれて目標速度が減少し、周辺物から遠ざかるときに目標速度が増大する設定を実線で示す。これにより、走行制御装置Sは、狭路で対向車とすれ違う場合、対向車に接近するまでは徐々に速度を低下させ、すれ違う間は最も低い状態で速度を維持させ、対向車から遠ざかるにつれて徐々に速度を増大させるといった制御が可能となる。
また、図8(B)は、周辺物に最も接近したときの距離が大きく目標速度を増大させた場合を一点鎖線で示し、周辺物に最も接近したときの距離が小さく目標速度を低減させた場合を点線で示す。
なお、走行制御装置Sは、周辺物に最も接近したときの距離Mに係数βを乗算し、現在の目標速度Vrからその積を差し引いた値(Vr―β・M)を新たな目標速度としてもよい。
以上の構成により、走行制御装置Sは、駐車支援手段100又は狭路通過支援手段101がなければ運転者が実際に採用したであろう速度で駐車支援又は狭路通過支援を実行させるので、運転者に危うさやもどかしさを感じさせてしまうことなく、運転者の感覚に合った円滑な支援を実現させることができる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなしに上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、上述の実施例では、警戒度推定手段102は、駐車スペースの幅、アクセルペダル若しくはブレーキペダルの操作頻度、又は、周辺物との距離等に基づいて警戒度を推定するが、運転車の熟練度に基づいて警戒度を推定するようにしてもよい。
例えば、警戒度推定手段102は、GPS16の出力と地図情報データベースとに基づいて駐車スペースが自宅の駐車場(何度も駐車支援を実行させた場所)であるか、或いは、初めて利用する駐車場であるかを判定し、初めて利用する駐車場である場合には、熟練度が低く警戒度が高いものと推定し、目標速度を低減させるようにしてもよい。
また、警戒度推定手段102は、照度計や車載時計に基づいて昼夜を判別し、周囲を視認し難い夜間には警戒度が高くなるものと推定し、目標速度を低減させるようにしてもよい。
また、警戒度推定手段102は、車輌を前進させて駐車支援を行う場合には、警戒度が低くなるものと推定し、目標速度を増大させるようにしてもよい。
本発明に係る走行制御装置の構成例を示すブロック図である。 駐車支援手段が駐車を支援する状況を説明するための図である。 狭路通過支援手段が狭路通過を支援する状況を説明するための図である。 制御部が走行速度を制御する処理の流れを示すフローチャートである。 目標速度を補正する処理の流れを示すフローチャート(その1)である。 ブレーキペダル操作と目標速度との関係を示す図である。 目標速度を補正する処理の流れを示すフローチャート(その2)である。 目標速度マップの例を示す図である。
符号の説明
10 制御部
11 カメラ
12 距離センサ
13 アクセルペダルセンサ
14 ブレーキペダルセンサ
15 車速センサ
16 GPS
17 記憶装置
18 アクセル制御装置
19 ブレーキ制御装置
20 ステアリング制御装置
100 駐車支援手段
101 狭路通過支援手段
102 警戒度推定手段
103 目標速度決定手段
S 走行制御装置
T1〜T4 閾値
V1〜V7 車輌

Claims (3)

  1. 算出した走行軌跡に沿って操舵角を自動制御し、車輌を目標速度で緩速走行させる走行制御装置であって、
    少なくとも前記緩速走行を開始させる前に前記緩速走行に対し運転者が抱く警戒度を推定する警戒度推定手段と、
    前記警戒度推定手段の推定結果に基づいて前記目標速度を決定する目標速度決定手段と、
    を備えることを特徴とする走行制御装置。
  2. 前記警戒度推定手段は、前記算出した走行軌跡に沿って車輌を走行させた場合における周辺物と車輌との間の距離に基づいて警戒度を推定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の走行制御装置。
  3. 駐車支援又は狭路通過支援で利用される、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の走行制御装置。
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