JP5059414B2 - 蓄圧器特に脈動減衰装置 - Google Patents

Description

本発明は、蓄圧器ハウジング及びその内部に設置されたピストン部品と、ベローズ状の隔離要素とを備えた蓄圧器、特に脈動減衰装置に関するものであって、隔離要素は、一方の端部が前記ピストン部品に支持され、そして他方の端部が蓄圧器ハウジングに支持されていて、そして蓄圧器ハウジング内部における二つの作動チャンバであるガススペースと流体スペースとをお互いに流体密封に、実質的には気密に隔離していて、一方の作動チャンバが流体と、限定可能な作動ガスの容積部分とにより充満されている。

特許文献１において、いわゆる油圧空気圧蓄圧器が公知であって、その蓄圧器は、蓄圧器内部においてガススペースとオイルスペースとを隔離しているベローズを備えていて、そのベローズは一方の端部が蓄圧器ハウジングに取り付けられている金属ベローズであって、オイルスペースがベローズの内面に隣接するようになっており、ベローズは他方の自由端部において、閉じたボデーによりシールされていて、そのボデーは蓄圧器の二つの作動チャンバとしてのガススペースとオイルスペースとの体積変化により移動するようになっており、そして油圧流体をオイルスペースから流出及びオイルスペースの中へ流入するバルブを備えていて、所定の最大値を超過するガススペースの体積の増加に一致する閉じたボデーの移動において、閉じたボデーはブロック位置に移動され、閉じたボデーは、底部がバルブの可動バルブ部材となっていて油圧流体媒体の流れを制御するようになっている、容器形状である。

ゴムベローズ又は金属ベローズを備えたベローズタイプの蓄圧器においては、ベローズの過負荷を回避するべく注意しなければならない。別の公知の蓄圧器（特許文献２）において、この問題に関して、所望する端部位置に達し、バルブのブロック位置に移動する場合、オイルスペースに接続されたバルブのバルブステムは、金属ベローズの閉じたボデーに対して、金属ベローズのフラットな端部プレートとして作られた閉じたボデーがバルブステムとして作用するような位置関係に形成されている。従って、オイルスペースからの油圧流体の流出流れは、金属ベローズのエンドプレートの端部位置に達すると停止するようになっている。閉じたバルブを用いて、従って接続された油圧システムは加圧されていない場合、蓄圧器におけるオイルスペースの圧力は金属ベローズの両側の圧力が等しくなるようなガス圧力に維持されている。

このことが、蓄圧器の作動時におけるベローズの過負荷を防止していて、オイル側に接続された油圧システムの圧力は減少する。しかし、オイル側の超過圧あるいはガスサイドにおける事前加圧がない場合ベローズ損傷の危険がある。公知の前述の蓄圧器において、ガススペースの最大体積は、金属ベローズの膨脹収縮によって生じるエンドプレートの移動により形成されるストローク体積にほぼ一致していて、もし蓄圧器の作動に十分なガススペース体積が可能ならば、蓄圧器ハウジング内部においてエンドプレートが移動できるストローク長さは、比較的長く選択されている。ガスの事前加圧又はオイル側の超過圧がない場合、圧力勾配は完全な伸張をもたらし金属ベローズに対して最も大きな機械的荷重を及ぼす。従って厚い金属ベローズ又は多層の金属ベローズが必要となる。前述の不利な点は、ばね剛性が非常に増大し、従って作動時における応答が相対的に悪くなることである。多層ベローズは重量の増大及び高コストをもたらす。さらにベローズ一山ごとのストロークが小さなものとなる。

前述の特許文献１において、バルブステムは容器の底部に取り付けられ、そして蓄圧器から突出し長手軸に同心に延伸していて、そして第二可動バルブ要素に接続されており、その第二可動バルブ要素は、容器の移動が所定のガススペース体積の最小値を超過すると、オイルスペースへの油圧流体流れをブロックする第二バルブシートと相互作用する。従って、オイル側バルブを使用しているガススペースの最小体積に一致する容器の端部位置を調節できる利点がある。前述の解決方法において、容器の内部全体がガススペース一部分として利用可能であるので、この点に関してさらなる流体としての油圧流体用の脈動減衰として吸収及び調節用のガススペースに特定される体積はもはや利用できないけれども、最適比は、蓄圧器の全体サイズとガススペースの体積との間で達成されている。前述の解決方法において、蓄圧器ハウジングは容器の短ストローク移動後に機械式停止板を形成するように形状化されている。なぜなら、容器の内部全体がガススペース体積として利用可能であり、この点に関して金属ベローズ全体は著しい膨脹に対して保護されているだけでなく、ベローズが容器の外側を囲んでいるので、ガススペースにおける超過圧力におけるベローズは容器の全長にわたって機械的に支持されるからである。このような状況にもかかわらず、および容器とベローズとの間に非常に小さな“デッドスペース”があるにもかかわらず、金属ベローズの個々の折り曲げ部分は応力にさらされそして引きさかれ破損する。さらに、バルブ要素部分と、長手方向に移動する容器及び蓄圧器ハウジングの内壁面の間のトリガポイント部分との両方において、シールが必要となっていて、そのシールは損耗し公知の油圧式空気式蓄圧器の損傷をもたらすことになる。
国際公開第０１／５５６０２号パンフレット 国際公開第９７／４６８２３号パンフレット

本発明の目的は、公知の蓄圧器の利点を保ちつつ改善することであって、非常に小さな設置スペースで蓄圧器の流体スペースにおける別の流体としてのディーゼル燃料のような燃料を含んでいる油圧流体の脈動における減衰を達成することであり、同時に複数の負荷サイクルを伴なった長期間のサイクルにわたって確実な作動を保証するために、ベローズの個々の折り曲げ部分を効果的に保護することである。この目的は、請求項１における蓄圧器により達成されている。

請求項１の特徴部分に規定したように、作動チャンバは、作動ガスが圧縮を可能なものにし、蓄圧器の流体側において発生する関連する流体媒体の脈動を減衰し緩和する限定可能な量まで、流体と、限定可能な作動ガスの容積部分とにより充満されている。

蓄圧器の作動ガスの入る一方のチャンバの側に流体を加えることにより、このようにして形成されたガススペースは流体の充填により容積が減少し、そして作動ガスから流体への分離が生じ、減衰促進媒体としての流体がベローズ状隔離要素の曲り部分及びたわみの内側の間に流入するようになり、従って、蓄圧器の作動におけるベローズの膨脹・収縮プロセスにおいて、関連するベローズの折り曲げられた壁面が対向サポートとしての流体に支持されるようになり、このことが蓄圧器の耐用年数を著しく増加させ、従って運転の信頼性を向上させている。蓄圧器は急激な脈動および高速の圧力変動に対して適用可能である。ある時点において想定されるピストン部品の位置と、接続されているベローズ状の接続要素の位置とに応じて、流体は別の作動ガスと共に作動チャンバに移動することができ、又はそこからサポートプロセスのために折り曲げ部分の間の中間スペースにもどることもできる。

好ましくは、作動チャンバ内において濃度の低い液体として作動ガスと共に迅速に流れる流体が使用されていて、流体は蓄圧器が機能を達成するための設計温度範囲例えば１０°−１６０℃において適切なものでなければならない。さらに、流体充填は利点があって、圧力脈動の減衰用の作動ガスの有効容積部分を不必要に減少しないためにも、流体中におけるわずかな作動ガスが解決をもたらしている。蓄圧器のガス側において、作動ガスとしての窒素と、流体としてのエチレンアルコールとの組合わせが流体充填として特に利点のあることが判明した。例示の蓄圧器の作動チャンバにおいて、好ましくは、作動ガスの容積部分と流体とは同等に選択されるか、又は流体の方が作動ガスよりわずかに大きくなっている。別の例示の実施形態において、スペース及び／又は充填量を違えることも可能である。ガススペースは最ばね長さとなる前に流体で手短かに充填すると利点があることが判明した。

もう一つの利点は、以下のとおりである。蓄圧器の実際の流体側におけるピストンは、別の流体を充填するキャビティを備えていてもよくて、従って脈動減衰用の蓄圧器の効果を改善するために蓄圧器の流体側において、燃料を含んでいる油圧流体の収容容量が増加される。このように、蓄圧器の作動容量を改善するために従来技術に比して異なるアプローチを取ることができ、ピストン部品のキャビティが作動チャンバの作動ガス側に設置されたようになっている（例えば特許文献１）。当業者においては以下のことは驚きであった。ガス比率を低減し、同時に蓄圧器のガス側において流体を充填することが蓄圧器に流入する流体の減衰値を改善し、同時に運転の信頼性を向上している。蓄圧器の可動部品はシールの必要はないことから、連続運転における損耗も発生しない。

本発明における蓄圧器の別の利点のある実施形態は従属請求項に規定されている。

金属ベローズを使用した例示の実施形態を用いて本発明を以下に詳述する。

蓄圧器の例示の実施形態は、主に燃料装置又は重油装置に使用することを意図しているものであって、関連する媒体の圧力脈動を減衰しあるいは緩和するためのものである。燃料分野においても、特にディーゼル燃料等を意味している。さらに、蓄圧器は例えば車両の電気油圧ブレーキ装置に使用されてもよい。例示の蓄圧器は、ほぼ円筒状のポット状主要部分１２を備えた蓄圧器ハウジング１０を有している。主要部分１２は最上部にカバー部分１４を有していて、そのカバー部分はねじ山区画１６によりポット状主要部分１２と接続されていて、蓄圧器ハウジング１０の内部はガスケット１８のシール手段により外部に対してシールされている。軽量化のためにカバー部分１４は凹部２０を備えていて、カバー部分１４には蓄圧器の長手軸２２に沿ってシール用ねじ２４が貫通していて、そのねじをはずすと、例えば窒素ガスのような作動ガス及び／又は例えばエチレングリコールのような流体を適切な装置（図示せず）により蓄圧器の作動チャンバ２６の中に流すことが可能になる。なお作動チャンバ２６は従来の蓄圧器におけるガス空間に対応している。

蓄圧器ハウジング１０の中にあるピストン部品２８は蓄圧器の長手軸２２に沿って可動になっている。さらに、ベローズ状の隔離要素３０がピストン部品２８の外周側面に沿って延在していて、その一方の端部３２はピストン部品２８に支持され、他方の端部３４はカバー部品１４の下向きに突出している環状延伸部分３６に支持されている。隔離要素３０は、好ましくは金属ベローズとして設計されていて、金属ベローズは、円筒状のピストン部品２８の外周側面を限定した間隔でプリーツ形状のジグザグ状におおって延在している、複数の環状折り曲げ部分３８又はたわみ部分を備えている。さらに、ピストン部品２８も第一作動チャンバ２６と第二作動チャンバ４０とを流体気密的に隔離していて、第一作動チャンバ２６はガス空間２６に対応するものであり、第二作動チャンバ４０は蓄圧器における流体空間に対応するものである。

カバー部分１４の環状延伸部分３６は、蓄圧器ハウジング１０のコンポーネントとして見なされるべきものであり、内側には円筒状ガイド表面４２を有していて、そのガイド表面には、ピストン部品２８の最上端が環状ギャップ４４の半径方向間隔を保って長手方向に可動にガイドされている。さらに、蓄圧器ハウジング１０は最下部に円筒状パイプユニオン４６を有していて、そのユニオン４６はユニオン４６の内部における共通のアンティチャンバ５２に吐出する二つの流体継手４８，５０を備えている。二つの流体継手４８，５０は、蓄圧器の長手軸に対して直角にパイプユニオン４６に入っていて、上方に出てゆく。流体のガイドを最適化するために、もし、流体のガイドが偏向点５４でこのように行なわれれば有効であることが証明されている。なお偏向点５４は流体継手４８，５０のアラインメントに対して直交的に直角になっている。もし作動チャンバ４０におけるアンティチャンバ５２をおおって流体があれば、蓄圧器の作動に十分なものとなっていて、流体通路は必ずしも必要ではなく流体のコラムを用いて、発生する定常振動及び圧力脈動は緩和され減衰される。もしパイプユニオン４６におけるパイプ継手４８，５０が同一高さで入り、出てゆき、そして共に同一通路をおおって偏向点５４への作用にもとずいてアンティチャンバ５２に吐出すれば利点のあることである。

蓄圧器の作動チャンバ４０側における流体スペースの体積を増加するために、ピストン部品２８がピストン部品２８用の壁面の厚さを低減した円筒状キャビティ５６を有している。ベローズ状隔離要素３０とピストン部品２８との間の接続部分において、ピストン部品２８は端部３２に環状の拡大停止板５８を有していて、その停止板５８は蓄圧器ハウジング１０の隣接する内壁面６０に当接するようになっており、その内壁面にパイプユニオン４６のアンティチャンバ５２が吐出するようになっている。ピストン部品２８は、停止板５８の反対側に停止面６２を有していて、その停止面６２は蓄圧器の長手軸に対して直交するようになっており、蓄圧器ハウジング１０の好ましくはカバー部分１４で形成されている内壁面６４に当接するようになっている。このように形成された停止面を用いて、金属ベローズの圧迫又は引きはなしによる損傷をもたらす広げ過ぎとなる過負荷が防止されている。

前述の環状ギャップ４４により、作動チャンバ２６において個々の折り曲げ部分３８とピストン部品２８の外周囲との間のキャビティ間に、折り曲げ部分３８の移動により流体の部分的な充填が可能となり、折り曲げ部分３８の隣接している二つの壁面がお互いに向かって移動する圧縮プロセスにおいて、収容された流体は作動チャンバ２６の方向に押しもどされていて；このことは例えばピストン部品２８が初期状態から内壁面６４の方向に上に移動する場合であって、そしてピストン部品２８の反対方向の移動に関して折り曲げ部分２８が引きはなされ、対応する流体体積は、もし中間スペースが環状ギャップ４４及び作動チャンバ２６に接続され流体を移動するようになっているなら、作動チャンバ４６から環状ギャップ４４を介して折り曲げ部分の中間スペースに流れる。

この作動チャンバ２６は、緩和あるいは減衰目的のために、蓄圧器の流体側４０に伝達される圧力脈動を吸収する作動ガス例えば窒素で充満されている。作動チャンバ２６に吐出されたエチレングリコールのような流体を用いてベローズ状隔離要素３０を容易に制御するように、金属ベローズ部分における加熱が可能であって、さもなければ蓄圧器の減衰作用に必要とされるわずかな液体媒体のインフロー及びアウトフローさらに作動ガスの溶け込みがない。ベローズ状隔離要素３０としてゴムベローズの使用は同様な意味をもっている。

図１は、例示の実施形態である蓄圧器の縦断面図である。

Claims (8)

1. 蓄圧器ハウジング（１０）及びその内部に設置されたピストン部品（２８）を備えた蓄圧器であって、
   ベローズ状の隔離要素（３０）は、一方の端部（３２）が前記ピストン部品（２８）に支持され、そして他方の端部（３４）が前記蓄圧器ハウジング（１０）に支持されていて、
   そして前記隔離要素（３０）が、前記蓄圧器ハウジング（１０）内部における二つの作動チャンバ（２６，４０）であるガススペース（２６）と流体スペース（４０）とをお互いに流体密封に隔離している蓄圧器において、
   一方の作動チャンバ（２６）が第一の流体と、空間部分を画成する作動ガスとにより充満されており、
   前記ピストン部品（２８）が、前記ベローズ状の隔離要素（３０）との接続領域である第一の端部（３２）において、前記蓄圧器ハウジング（１０）の第一の内壁面（６０）に当接する停止板（５８）を有していて、前記停止板（５８）と反対側の第二の端部において、前記蓄圧器ハウジング（１０）の第二の内壁面（６４）に当接する停止面（６２）を有しており、
   前記第二の内壁面を囲んでいる環状延伸部分（３６）が前記蓄圧器ハウジング（１０）の内部に円筒状のガイド面（４２）を画成していて、長手方向に可動にガイドされている前記ピストン部品（２８）の前記第二の端部が前記円筒状のガイド面（４２）との間に半径方向に環状ギャップ（４４）を形成している蓄圧器において、
   前記ベローズ状の隔離要素（３０）が、前記ピストン部品（２８）の外周側面に沿って、前記蓄圧器ハウジング（１０）の前記環状延伸部分（３６）から前記ピストン部品（２８）の前記第一の端部（３２）における前記停止板（５８）まで延在していることと、
   一方の作動チャンバ（２６）に作動ガスと共に充満されている前記第一の流体がアルコールであることと、を特徴とする蓄圧器。
2. 他方の作動チャンバ（４０）が、前記蓄圧器ハウジング（１０）の内部に第二の流体を吐出することのできる流体継手（４８，５０）を備えている、請求項１に記載の蓄圧器。
3. 前記ピストン部品（２８）が、前記他方の作動チャンバ（４０）に対面している側面に、前記第二の流体を保持するようになっているキャビティ（５６）を有している、請求項２に記載の蓄圧器。
4. 前記ピストン部品（２８）が、前記流体継手（４８，５０）に対面している側面に、前記蓄圧器ハウジング（１０）の内壁面（６０）に当接するようになっている停止板（５８）を備えている、請求項２又は３に記載の蓄圧器。
5. 前記ピストン部品（２８）が、前記停止板（５８）と反対側の前記第二の端部に停止面（６２）を備えていて、前記停止面（６２）は前記蓄圧器ハウジング（１０）の別の内壁面（６４）と当接するようになっている、請求項４に記載の蓄圧器。
6. 前記ベローズ状の隔離壁（３０）が、折り重なっている複数の折り曲げ部分（３８）を備えた金属ベローズからなる、請求項２−５のいずれか一項に記載の蓄圧器。
7. 前記流体継手（４８，５０）は前記蓄圧器ハウジング（１０）のパイプユニオン（４６）内部を通過し、そしてこのパイプユニオン（４６）内部において共通のアンティチャンバ（５２）の中へ吐出するようになっている、請求項２−６のいずれか一項に記載の蓄圧器。
8. 前記ピストン部品（２８）が、少なくとも前記円筒状のガイド面（４２）の一部分に沿って前記ピストン部品（２８）と前記円筒状ガイド面（４２）との間に、環状ギャップ（４４）を形成していて、前記作動ガスが前記第一の流体と共に前記環状ギャップを介してベローズ状の隔離要素（３０）の中へ移動するようになっている、請求項４−７のいずれか一項に記載の蓄圧器。

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