JP5058245B2 - 空気調和システム - Google Patents
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図1は実施の形態1に係る空気調和システムの概略構成を示す模式図である。
図1において、オフィスビルなど建物内の空調エリア101には、天井に照明器具10が配置され、床上に並べられた机7の上のパソコン12に向かって在室者8が作業を行っている。天井裏102には換気装置1と冷暖房用の室内機2が配置され、建物の屋上104には冷暖房用の室外機3が設置されて空調エリア101内の温度調節や換気が行われている。室内機2と室外機3は冷媒配管50を介して接続され、換気装置1、室内機2および室外機3は、空調システム伝送線51を介して空調コントローラー4と接続されている。換気装置1は、空調コントローラー4からの運転指令信号が入力されたときに、予め設定された機種情報を空調コントローラー4を介して演算装置9に出力するように構成されている。
前述した分電盤13は、EPS103内に引き込まれた電源幹線53と接続された主ブレーカーおよび主ブレーカーから分岐された複数の分岐用ブレーカーを備えている。換気装置1、室内機2、空調コントローラー4、照明器具10、コンセント14の各電気機器は、それぞれ電源線54を介して分電盤13の分岐用ブレーカーと接続されている。電力計6は、電源幹線53および各負荷の電源線54と接続され、電源幹線53を介して電気機器の合計の消費電力を計測し、電源線54を介して各回路の電気機器の消費電力を計測する。
換気装置1、室内機2、空調コントローラー4、照明器具10、コンセント14は、分電盤13から給電され、OA機器のパソコン12はコンセント14を介して給電される。電力計6は、各負荷の瞬時電力や積算の消費電力を測定する。オフィスビルのように多数の在室者8がパソコン12を使用する環境では、コンセント14の電力Poがパソコン12の使用台数に比例する。電源の入っているパソコン12の台数と在室者8の人数は同程度と考えられるため、コンセント14の消費電力Poをパソコン12の1台当たりの消費電力Pp(ディスプレイ含む)で除算して在室人数Nを算出する(式1)。なお、パソコン12がデスクトップ型の場合は本体が約70Wでディスプレイが約30Wと見積もり、1台当たりの消費電力Ppを100Wとする。
N=Po/Pp …(式1)
N:在室人数
Po:コンセント14の消費電力
Pp:パソコン12の1台当たりの平均的な消費電力
Q=N×Q1 …(式2)
Q:必要換気量
N:在室人数
Q1:1人当たりの必要換気量
図3は実施の形態1の空気調和システムにおける演算装置の動作を示すフローチャートである。
空調コントローラー4は、運転のボタン操作を検知すると換気装置1に運転指令信号を出力し、換気装置1は、運転指令信号の入力を検知したときに運転を開始し、予め設定された自己の機種情報を空調コントローラー4を介して演算装置9に出力する。演算装置9は、機種情報の入力を検知すると、換気装置1が運転を開始したと判定して、その機種情報に対応して設定された風量強のQHIGH、風力弱のQLOW をそれぞれ取得し(ステップ1)、次いで、コンセント14の消費電力Poを電力計6から取得する(ステップ2)。その後、演算装置9は、コンセント14の消費電力Poをパソコン12の1台当たりの消費電力Ppで除算して在室人数Nを算出し(ステップ3)、次いで、その在室人数Nに1人当たりの必要換気量Q1を乗算して空調エリア101の必要換気量Qを算出する(ステップ4)。
実施の形態2は、実施の形態1の空気調和システムにおいて、空調エリア101の容積Vに応じて定められる下限の必要換気量を換気装置1の制御に取り入れたものである。オフィスビルの室内では、在室者1人あたりの換気量20m3 /hの他に換気回数nk(0.3回/h)を確保することが義務付けられているため、空調エリア101の容積Vに応じて下限の必要換気量を算出し、在室人数から得られる必要換気量と比較するようにしている。その演算と比較は演算装置9によって行われる。演算装置9には、予め換気回数nkと空調エリア101の容積Vとがデータとして設定されている。
図4は実施の形態2の空気調和システムにおける演算装置の動作を示すフローチャートである。なお、空気調和システムの構成は、実施の形態1と同様である。
空調コントローラー4は、運転のボタン操作を検知すると換気装置1に運転指令信号を出力し、換気装置1は、運転指令信号の入力を検知したときに運転を開始し、予め設定された自己の機種情報を空調コントローラー4を介して演算装置9に出力する。演算装置9は、機種情報の入力を検知すると、その機種情報に対応して設定された風量強のQHIGH、風力弱のQLOW をそれぞれ取得すると共に、予め設定された空調エリア101の容積Vを取得する(ステップ21,22)。
実施の形態1,2では、1台の換気装置1で空調エリア101の換気を行う例を示したが、実施の形態3は、複数台の換気装置で空調エリアの換気を行うようにしたものである。
図5は実施の形態3に係る空気調和システムの概略構成を示す平面図である。なお、実施の形態1,2と同様な部分には同じ符号を付している。
図5において、空調エリア101の天井裏102には換気装置1と冷暖房用の室内機2が設置され、空調エリア101aの天井裏には、例えば2台の換気装置1a、1bと6台の冷暖房用の室内機2a〜2fが配置されている。室内機2a〜2fの室外機は屋上に設置されている(図示せず)。
図6は実施の形態3の空気調和システムにおける演算装置の動作を示すフローチャートである。
なお、風量設定の組み合わせは、前述した組み合わせに限らず、必要換気量QB より多い風量で出来るだけ必要換気量QB に近い風量設定を選択すればよい。
実施の形態1〜3では式1、式2から必要換気量を算出するようにしたが、実施の形態4は、電力の使用比率によって必要換気量を算出するようにしたものである。なお、実施の形態4における空気調和システムの構成は、図1、図2で説明した実施の形態1と同様である。
コンセント14の消費電力Poを過去数日間の最大電力Pomax と比較し、消費電力Poが最大電力Pomax より大きい場合は、消費電力Poを最大電力Pomax と設定する。最大電力Pomax を100(%)として現在の電力使用比率(%)が在室人数の割合と同等と考え、必要換気量Qを式3のように表す。
Q=(Po/Pomax )×QHIGH …(式3)
Po:コンセント14の消費電力
Pomax :過去数日間のコンセント14の最大消費電力
QHIGH:換気装置の合計最大換気量
Q=(Pl/Plmax )×QHIGH …(式4)
Pl:照明器具10の消費電力
Plmax :過去数日間の最大照明電力
QHIGH:換気装置の合計最大換気量
Q=(P/Pmax )×QHIGH …(式5)
P:エリア101の全消費電力
Pmax :過去数日間の最大電力
QHIGH:換気装置の合計最大換気量
実施の形態1〜4では、電力計6により測定された電気機器の消費電力から必要換気量を算出するようにしたが、実施の形態5は、パソコン12の稼働状況をネットワーク越しに監視するようにしたものである。
図7は実施の形態5に係る空気調和システムの概略構成を示す模式図である。なお、図1、図2および図5で説明した実施の形態1,2と同様の部分には同じ符号を付している。
図7において、パソコン12a、12b、12cは、全てLANケーブルなどの通信線52を介してハブ(ルーター)5と接続されている。パソコン12aは、換気装置1の運転/停止や風量調節などの設定を空調コントローラー4に指令を出し、実施の形態1,3での演算装置9の機能を有している。パソコン12aは、LAN内のパソコン12b、12cの状態を監視し、電源が入っているパソコンの台数Npをカウントする。電源の入っているパソコンの台数Npと在室人数Nが同等と仮定して必要換気量Qを下記に示す式6を用いて算出する。パソコン12b、12cは、例えば電源が入ったときその旨の情報をパソコン12aに送信するようになっている。
Q=Np×Q1 …(式6)
Q:必要換気量
Np:電源ONのパソコン台数
Q1:1人当たりの必要換気量(約20m3 /h)
実施の形態6は、空調エリア101内の騒音から人数を検知するようにしたものである。
図8は実施の形態6に係る空気調和システムの概略構成を示す模式図である。なお、図1、図2で説明した実施の形態1と同様の部分には同じ符号を付している。
図8において、騒音計15は、空調エリア101内の壁などに設置され、通信線52を介して演算装置9と接続されている。演算装置9は、騒音計15の測定値が予め設定された閾値以上のときに換気装置1の風量を強に設定し、測定値が閾値未満になったら風量を弱に設定し、その設定情報を空調コントローラー4に出力して換気装置1を制御させる。
実施の形態7は、パソコン12のディスプレイから発せられる赤外線から人数を検知するようにしたものである。
図9は実施の形態7に係る空気調和システムの概略構成を示す模式図である。なお、図1、図2で説明した実施の形態1と同様の部分には同じ符号を付している。
図9において、赤外線センサー16aは、空調エリア101内の天井に設置され、通信線52を介して演算装置9と接続されている。なお、赤外線センサー16aをハブ(ルーター)5を介して演算装置9と接続されるようにしてもよい。赤外線センサー16aは、複数のパソコン12のディスプレイから発せられる赤外線を測定し、その情報を演算装置9に送信する。演算装置9は、赤外線センサー16aにより測定された赤外線量からディスプレイのオン/オフを判定し、ディスプレイの点いている台数Ndから在室人数Nを算出し、下記に示す式7を用いて必要換気量Qを算出する。そして、演算装置9は、算出した必要換気量Qに基づいて風量を設定し、空調コントローラー4に出力して換気装置1を制御させる。
Q=Nd×Q1 …(式7)
Q:必要換気量
Nd:電源ONのディスプレイ台数
Q1:1人当たりの必要換気量(約20m3 /h)
実施の形態1〜7では過剰な換気量を抑制して省エネを実施するようにしたが、冷房の場合、室温よりも外気温が低いときには換気量を増加させたほうが省エネになる場合がある。最近のオフィスビル内の環境は、パソコンやサーバーなどのOA機器が増加して空調エリア内の発熱が多く室温が上昇しやすいため、外気温が低くても冷房運転をしていることが多く、空調の消費電力量を増加させている。
図10は実施の形態8の空気調和システムにおける演算装置の動作を示すフローチャートである。
空調コントローラー4は、連動運転のボタン操作を検知すると、換気装置1と室内機2に運転指令信号を出力して運転を開始させると共に、演算装置9に連動設定情報を出力する。一方、演算装置9は、連動設定情報の入力を検知すると、その連動設定情報から換気装置1と室内機2の連動運転と判定する(ステップ61)。次いで、演算装置9は、換気装置1からの機種情報が入力されたときに、その機種情報に対応して設定された風量強のQHIGH、風力弱のQLOW をそれぞれ取得する(ステップ62)。その後、演算装置9は、コンセント14の消費電力Poと照明器具10の消費電力Plを電力計6から取得し(ステップ63)、コンセント14の消費電力Poをパソコン12の1台当たりの消費電力Ppで除算して在室人数Nを算出する(ステップ64)。
Q=(Po+Pl+N・SH)/{Cpa・ρa(TRA−TOA)} …(式8)
Po:コンセントの消費電力
Pl:照明器具の消費電力
N:在室人数
SH:1人あたりの顕熱負荷(約70W)
Cpa:空気比熱
ρa:空気密度
102 天井裏、103 EPS、104 屋上。
Claims (6)
- 建物の空調エリア内を換気する換気装置と、
前記空調エリア内の温度調節をする冷暖房機と、
前記換気装置および前記冷暖房機を除く前記空調エリア内で使用される電気機器の総消費電力を測定する電力計と、
前記電力計により測定された前記空調エリア内の総消費電力と過去数日間の最大消費電力との比率を算出し、かつその比率と前記換気装置の最大風量とに応じて前記空調エリア内の必要換気量を演算し、その必要換気量に基づいて前記換気装置の風量を設定する制御手段と、
前記制御手段により設定された風量が得られるように前記換気装置を制御する換気制御手段と
を備えたことを特徴とする空気調和システム。 - 前記電気機器である複数のコンセントと各コンセントにそれぞれ接続された複数のパソコンとを備え、
前記制御手段は、前記電力計により測定された前記コンセントの消費電力と過去数日間のコンセントの最大消費電力との比率を算出し、かつその比率と前記換気装置の最大風量とに応じて前記空調エリア内の必要換気量を演算し、その必要換気量に基づいて前記換気装置の風量を設定することを特徴とする請求項1記載の空気調和システム。 - 前記電気機器である照明器具を備え、
前記制御手段は、前記電力計により測定された前記照明器具の消費電力と過去数日間の照明器具の最大消費電力との比率を算出し、かつその比率と前記換気装置の最大風量とに応じて前記空調エリア内の必要換気量を演算し、その必要換気量に基づいて前記換気装置の風量を設定することを特徴とする請求項1記載の空気調和システム。 - 前記制御手段は、前記換気装置の風量を設定した場合と設定しない場合のそれぞれにおいて、前記空調エリア内に設置された各電気機器の消費電力を前記電力計から測定し、風量を設定したときの省エネの効果を演算して出力することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の空気調和システム。
- 前記制御手段は、演算した前記必要換気量と、前記空調エリアの容積と予め定められた換気回数から演算した必要換気量とを比較し、多い方の換気量を満たすように前記換気装置の風量を設定することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の空気調和システム。
- 1つの空調エリア内に複数の換気装置を備え、
前記制御手段は、複数の換気装置の合計風量が前記空調エリア内の必要換気量以上となるように風量を設定することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の空気調和システム。
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