JP2004239461A - 空気調和装置及び空気調和システム - Google Patents
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Abstract
【課題】熱負荷が大きい場所の環境をできるだけ目標環境に近づけることができる空気調和装置を提供する。
【解決手段】空気調和部2、吹出口3、第1吸込口4、第2吸込口5、及びダンパ6を備える。第1吸込口4は第1空間R1から空気を取り込む。第2吸込口5は第1空間R1と異なる第2空間R2から空気を取り込む。ダンパ6は、第1吸込口4から空気を取り込む第1状態と第2吸込口5から空気を取り込む第2状態を切り替える。空気調和部2は、第1吸込口4または第2吸込口5から取り込まれた空気の空気調和を行う。吹出口3は、空気調和部2で空気調和された空気を第1空間R1へ供給する。
【選択図】 図1
【解決手段】空気調和部2、吹出口3、第1吸込口4、第2吸込口5、及びダンパ6を備える。第1吸込口4は第1空間R1から空気を取り込む。第2吸込口5は第1空間R1と異なる第2空間R2から空気を取り込む。ダンパ6は、第1吸込口4から空気を取り込む第1状態と第2吸込口5から空気を取り込む第2状態を切り替える。空気調和部2は、第1吸込口4または第2吸込口5から取り込まれた空気の空気調和を行う。吹出口3は、空気調和部2で空気調和された空気を第1空間R1へ供給する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気調和装置、特に熱負荷が大きい室内の空気調和を行う空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
空気調和装置は、対象となる空間の空気調和を行う装置である。空気調和を行う対象となる空間には、例えば住居、オフィス、店舗、工場など様々な空間がある。
ここで、空気調和の対象となる空間内に発熱源などがある厨房や工場などの空気調和を行う空気調和装置は、空気調和能力以上の過大な熱負荷が対象の空間内に生じる場合に、対象空間を目標環境に空気調和できない(例えば冷却できない)ことがある。このような一時的に過大な熱負荷が生じた場合にできるだけ温度上昇を抑えることが可能な空気調和装置が存在する(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に挙げられた空気調和装置では、加湿された外気を室内に吹き出すことにより気化熱を利用して冷却を行っている。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−19524号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
冬期には空気調和の対象となる空間の温度上昇が問題にならず目標環境に空気調和が可能である空気調和装置も、夏期においては全般的に温度が上昇するために、夏期に空気調和の対象空間の環境を適切に空気調和できない場合がある。このため、夏期には、一時的な熱負荷上昇であっても空気調和の対象となる空間に対する影響が大きくなり、温度上昇が一時的にならず、目標環境からの乖離が大きくなるおそれがある。
【0005】
また、特許文献1に挙げられた空気調和装置では、一時的な熱負荷の増加に対して対応できるが、熱負荷が大きい状態が長時間継続すると湿度が上昇するために空間内の環境を悪化させることになる。このため、この空気調和装置は、熱負荷が長時間継続する空間に対しては不適切である。
本発明の課題は、熱負荷が大きい場所の環境をできるだけ目標環境に近づけることができる空気調和装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の空気調和装置は、第1吸込口、第2吸込口、切替手段、空気調和部、及び吹出口を備える。第1吸込口は第1空間から空気を取り込む。第2吸込口は第1空間と異なる第2空間から空気を取り込む。切替手段は、第1吸込口から空気を取り込む第1状態と第2吸込口から空気を取り込む第2状態を切り替える。空気調和部は、第1吸込口または第2吸込口から取り込まれた空気の空気調和を行う。吹出口は、空気調和部で空気調和された空気を第1空間へ供給する。
【0007】
第1吸込口は、空気調和装置により空気調和がなされた空気が吹き出されている第1空間の空気を取り込む。このため、空気調和をする第1空間に例えば過大な熱負荷が存在する場合において、吹出口から吹き出される空気の空気調和が不十分(例えば高温多湿)であると、やはり第1吸込口から吸い込んだ空気を適切に空気調和できないまま吹出口から吹き出すことになり、結果として目標環境からの乖離がさらに大きくなるおそれがある。
【0008】
ここでは、空気調和装置が第2吸込口を備えている。第2吸込口は、第1空間とは異なる第2空間から空気を取り込む。このため、第1吸込口から吸い込む空気とは異なる状態の空気を取り込むことが可能となる。よって、切替手段により空気の取り込みを適切に切り替えることにより、空気調和を行う対象となる空間の環境をできるだけ目標環境に近づけることができる。例えば空気調和装置が空気調和を行う対象となる空間内に熱負荷が生じている場合に、第2空間の空気の状態が第1空間の空気の状態よりも低温低湿であるとすると、第2吸込口から空気を取り込むことによって空気調和をより行いやすくなる。よって、空気調和を行う対象となる空間(第1空間)の環境をできるだけ目標環境に近づけることができる。
【0009】
請求項2に記載の空気調和装置は、請求項1に記載の空気調和装置であって、切替手段の制御を行う切替選択部をさらに備える。
ここでは、空気を取り込む状態を変更する切替手段を切替選択部により制御する。これにより、切替手段の自動切替を行うことが可能となる。
請求項3に記載の空気調和装置は、請求項2に記載の空気調和装置であって、第1状態検知部をさらに備える。第1状態検知部は、第1空間における空気の状態である第1検出値を検知する。また、切替選択部は、第1検出値に基づいて切替手段の制御を行う。
【0010】
ここでは、第1空間の空気の状態、すなわち空気調和の対象となる空間における空気の状態を第1状態検知部により検知する。また、第1状態検知部で検知された第1検出値に基づいて切替手段の選択を変更する。これにより、第1空間における空気の状態に基づいて、空気の取込先を変更する。よって、第1空間における空気の状態が悪化した場合に、空気の取込先を第2吸込口とする第2状態へと切替手段の状態を変更することにより、第1空間の環境を目標環境により近づけることが可能となる。
【0011】
請求項4に記載の空気調和装置は、請求項2に記載の空気調和装置であって、切替選択部が第2空間における空気の状態である第2検出値に基づいて切替手段の制御を行う。
ここでは、第2空間の空気の状態である第2検出値に基づいて切替手段の選択を変更する。これにより、第2空間の空気の状態が良好になった場合に、空気の取込先を第2吸込口とする第2状態へと切替手段の状態を変更することにより、第1空間の環境を目標環境により近づけることが可能となる。
【0012】
なお、第2検出値は、第2空間に設けられた状態検知部から検出されても、気象情報提供会社などから提供される気象情報、またはそれに類する情報を用いてもよい。
請求項5に記載の空気調和装置は、請求項4に記載の空気調和装置であって、第1状態検知部をさらに備える。第1状態検知部は、第1空間における空気の状態である第1検出値を検知する。切替選択部は、第1検出値及び第2検出値に基づいて切替手段の制御を行う。
【0013】
ここでは、第1空間の空気の状態、すなわち空気調和の対象となる空間における空気の状態を第1状態検知部により検知する。また、第2検出値及び第1状態検知部で検知された第1検出値に基づいて切替手段の選択を変更する。これにより、両吸込口の周辺における空気の状態に基づいて切替手段の選択を行うことが可能となる。
【0014】
請求項6に記載の空気調和装置は、請求項5に記載の空気調和装置であって、切替選択部が第1検出値から導出される第1指標値と第2検出値から導出される第2指標値とを比較する。切替選択部は、第1指標値が第2指標値に対して所定の劣悪度条件より劣悪である場合に第2状態を選択するよう切替手段を制御する。また、切替選択部は、第1指標値が第2指標値に対して所定の良好度条件より良好である場合に第1状態を選択するよう切替手段を制御する。
【0015】
ここでは、第1指標値が第2指標値に対して劣悪度条件で指定される条件よりも劣悪な状態である場合に切替選択部が切替手段の状態を第2状態に切り替え、さらに第1指標値が第2指標値に対して良好度条件で指定される条件よりも良好な状態である場合に切替選択部が切替手段の状態を第1状態に切り替える。これにより、空気調和部が空気調和を行いやすい空間から空気を取り込むことになる。よって、第1空間の環境をできるだけ目標環境に近づけることができる。
【0016】
請求項7に記載の空気調和装置は、請求項2から6のいずれかに記載の空気調和装置であって、スケジュール部をさらに備える。スケジュール部は、スケジュールの設定を行う。切替選択部は、スケジュール部で設定されたスケジュールに基づいて切替手段を制御する。
例えばレストランの厨房などでは、レストランの営業時間において熱負荷が発生する。つまり、レストランの営業時間以外にはそれほど状態が悪化しない。このため、空気の取込先の切替は営業時間中の特定の時間において行えばよい場合が多い。
【0017】
ここでは、予め設定されたスケジュールに従って切替選択部が切替手段の制御を行う。これにより、熱負荷が増大する時間帯に空気の取込先を変更することができるため、やはり第1空間の環境をできるだけ目標環境に近づけることができる。
なお、対象となる空間内で熱負荷が増大する時間が明らかであればスケジュール設定入力を受け付けてスケジュールを設定したり、第1及び/または第2検出値を検知可能であればその検知結果に基づいて自動的にスケジュールを設定したりしてもよい。
【0018】
請求項8に記載の空気調和装置は、請求項1から7のいずれかに記載の空気調和装置であって、第2空間が屋外の空間であり、第2吸込口が外気を取り込む。第1空間の空気の状態が悪化すると、外気の方が良好な状態となる場合がある。
ここでは、第2空間が屋外の空間であるため、第2吸込口は外気を取り込む。これにより、外気がより良い状態である場合に、切替手段により外気を取り込むことが可能となる。よって、第1空間の空気よりも外気がより良好である場合に、第1空間の環境をできるだけ目標環境に近づけることができる。
【0019】
請求項9に記載の空気調和装置は、請求項1から7のいずれかに記載の空気調和装置であって、第2空間の空気が第1空間の空気よりも平均的に良好である。
ここでは、第1空間の空気よりも平均的に良好である第2空間から第2吸込口が空気を取り込む。このため、第1空間の空気よりも第2空間の空気がより良い場合に、切替手段を第2状態にして第2吸込口から空気を取り込むことにより、第1空間の環境をできるだけ目標環境に近づけることができる。
【0020】
請求項10に記載の空気調和装置は、請求項8または9に記載の空気調和装置であって、排気装置をさらに備える。排気装置は、第1空間の空気を排気する。
ここでは、第1空間の空気を排気装置により排気する。排気装置が排気を行うことにより、第1空間の気圧を周囲に比べて低下させることができる。このため、第1空間の環境が目的環境と異なる悪い環境である場合にも、この環境の空気が周囲に広がることを抑えることができる。
【0021】
請求項11に記載の空気調和システムは、請求項1から10のいずれかに記載の空気調和装置と、空気調和装置による効果を算出する効果算出部とを備える。
空気調和装置により空気調和を行うことにより、対象となる空間の状態が改善される。
ここでは、効果算出部を備える。この効果算出部は、切替手段により空気の取込先を変更したことによる環境改善度や省エネルギー効果などの効果を算出する。これにより、空気の取込先を切り替える切替手段を有する空気調和装置とその他の空気調和装置との差異を明確にすることができる。
【0022】
請求項12に記載の空気調和システムは、請求項11に記載の空気調和システムであって、表示部をさらに備える。表示部は、空気調和装置の運転状態及び/または効果算出部により算出された効果を表示可能である。
ここでは、表示部を備えているため、空気調和装置の運転状況を確認することができること、及び/または切替手段を有する空気調和装置による効果を確認することができる。効果算出部で算出された効果を表示可能である場合には、効果の確認が容易となる。
【0023】
請求項13に記載の空気調和システムは、請求項11または12に記載の空気調和システムであって、記憶蓄積部をさらに備える。記憶蓄積部は、空気調和装置の運転状態及び/または効果算出部により算出された効果を記憶する。
ここでは、運転状態及び/または効果を記憶する記憶蓄積部を備えているため、空気調和装置の運転状況の変化及び/または効果の変化を記録することができる。蓄積された運転状況や効果に基づいて、空気調和装置が正常動作しているか否かの確認を行うことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る空気調和装置1を図1に示す。この空気調和装置1は、室内または屋外から空気を取り込み、空気調和した空気を室内に供給する。
【0025】
<全体の構成>
空気調和装置1は、空気調和部2、吹出口3、第1吸込口4、第2吸込口5、ダンパ6、排気装置7、及びコントローラ8で構成されている。
空気調和部2は、取り込んだ空気を空気調和する。
吹出口3は、空気調和部2で空気調和された空気を室内に供給する。
【0026】
第1吸込口4は、空気調和を行う第1空間R1の、すなわち室内の空気を取り込む。第1吸込口4の近傍には、第1吸込口4で取り込む空気の状態(第1空間R1の空気の状態)を検知する第1センサ11が設けられている。第1センサ11は、少なくとも空気の乾球温度及び相対湿度を検出可能である。
第2吸込口5は、第2空間R2である屋外からの空気を取り込む。第2吸込口5の近傍には、第2吸込口5で取り込む空気の状態(第2空間R2の空気の状態)を検知する第2センサ12が設けられている。第2センサ12は、第1センサ11と同様に、少なくとも空気の乾球温度及び相対湿度を検出可能である。
【0027】
ダンパ6は、空気の取込先を第1吸込口4とする第1状態と空気の取込先を第2吸込口5とする第2状態とを切り替える。
排気装置7は、吹出口3の近傍に設けられており、空気調和を行う室内(第1空間R1)の空気を屋外に排気する。
コントローラ8は、空気調和部2、ダンパ6、及び排気装置7の制御を行い、また空気調和部2及び排気装置7からそれぞれの状態を受信する。さらに、コントローラ8は、第1センサ11及び第2センサ12の検知結果を受信する。コントローラ8は、切替選択部21、スケジュール部22、表示部23及び入力受付部24を備える。
【0028】
切替選択部21は、受信する各種情報に基づいて、ダンパ6の切替を制御する。
スケジュール部22は、予め設定されたスケジュールに従い、切替選択部21に対してダンパ6の切替を指示する。
表示部23は、受信する各種情報に基づいて空気調和装置1の状態を表示する。
【0029】
入力受付部24は、空気調和部2が行う空気調和に対する指示(温度設定など)、排気装置7の排気量設定、またスケジュール部22に対するスケジュール入力などの指示入力を受け付ける。
<動作>
空気調和について、第1吸込口4または第2吸込口5から取り込まれる空気の流れに沿って説明する。
【0030】
まず、ダンパ6が第1吸込口4から空気を取り込む第1状態である場合には、まず室内(第1空間R1)の空気が第1吸込口4から取り込まれる。第1吸込口4から取り込まれた空気は、配管及びダンパ6を経て空気調和部2に送られる。空気調和部2に送られた空気は、入力受付部24で指示された設定に従って空気調和がなされる。空気調和された空気は、吹出口3から室内(第1空間R1)に戻される。これを繰り返すことにより、室内(第1空間R1)の空気の空気調和を行う。
【0031】
また、ダンパ6が第2吸込口5から空気を取り込む第2状態である場合には、まず屋外(第2空間R2)の空気が第1吸込口4から取り込まれる。第2吸込口5から取り込まれた空気は、配管及びダンパ6を経て空気調和部2に送られる。空気調和部2に送られた空気は、入力受付部24で指示された設定に従って空気調和がなされる。空気調和された空気は、吹出口3から室内に供給される。これを繰り返すことにより、屋外(第2空間R2)の空気を室内(第1空間R1)に供給しつつ室内の空気の空気調和を行う。
【0032】
さらに、室内(第1空間R1)の空気は、排気装置7により屋外に排気される。
<ダンパ切替による空気の取込先の切替>
スケジュール部22においてダンパ6の切替期間が設定されている場合には、スケジュール部22の設定に従って切替選択部21がダンパの切替を行う。
【0033】
他方、スケジュール部22で切替期間が設定されていない場合において、切替選択部21によるダンパ6の切替について図2のフローチャートに従い説明する。切替選択部21は、このフローチャートに従って例えば1分に1回ダンパの切替の要否を確認する。
ステップS1では、第1センサ11及び第2センサ12で検知される検出値を取得する。
【0034】
ステップS2では、第1センサ11及び第2センサ12で検出される乾球温度及び相対湿度から、第1空間R1及び第2空間R2における空気のエンタルピーを算出する。なお高温多湿の環境下では、エンタルピーが大きいほど劣悪な環境であると言える。各センサ11、12の検出値から算出されたエンタルピーは、それぞれ第1吸込口4及び第2吸込口5から空気調和装置1に取り込まれる空気の状態に相当する。以下、各センサ11、12の検出値から算出されたエンタルピーである第1吸込口4のエンタルピー、及び第2吸込口5のエンタルピーを、それぞれ第1エンタルピー及び第2エンタルピーとする。
【0035】
なお、空気のエンタルピーは絶対湿度及び乾球温度から算出され、さらに絶対湿度は乾球温度及び相対湿度から算出可能である。
ステップS3では、ダンパ6の状態が第1状態であるか第2状態であるかを確認する。ダンパ6の状態が第1状態である場合にはステップS4へ、第2状態である場合にはステップS6へ移行する。
【0036】
ステップS4では、第1エンタルピーと第2エンタルピーに所定の劣悪度条件αを加算した値とを比較する。劣悪度条件αは、ダンパ6がハンチングを起こさないようにするための所定値であり、例えば1.0kJ/kgである。第1エンタルピーが後者(第2エンタルピー+劣悪度条件α)以上である場合には、ステップS5へ移行する。それ以外の場合にはダンパ6の状態を変更せずに終了する。
【0037】
ステップS5では、ダンパ6の状態を第1状態から第2状態へ変更する。また、排気装置7の能力を増加させて、室内から屋外へ空気を排出する量を増加させる。その後に終了する。
ステップS6では、第1エンタルピーと第2エンタルピーに所定の良好度条件βを加算した値とを比較する。良好度条件βは、ダンパ6がハンチングを起こさないようにするための所定値であり、例えば1.0kJ/kgである。第1エンタルピーが後者(第2エンタルピー−良好度条件β)未満である場合には、ステップS7へ移行する。それ以外の場合にはダンパ6の状態を変更せずに終了する。
【0038】
ステップS7では、ダンパ6の状態を第2状態から第1状態へ変更する。また、排気装置7の能力を抑制して、室内から屋外へ空気を排出する量を減少させる。その後に終了する。
<特徴>
第1実施形態に係る空気調和装置1では、空気調和を行う室内(第1空間R1)の空気を取り込む第1吸込口4に加えて、屋外(第2空間R2)の空気を取り込む第2吸込口5を備える。空気調和装置1が空気調和を行う第1空間R1の環境に基づいて、切替選択部21がダンパ6を制御して空気の取込先を変更する。
【0039】
室内(第1空間R1)の環境が不快になったために室内の空気を(第1吸込口4から)取り込んでも空気調和が不十分になり、また屋外の環境が室内よりもある程度快適である場合には、空気の取込先を屋外(第2吸込口5)に変更して屋外(第2空間R2)の空気を空気調和部2に送る。これにより、室内(第1空間R1)の環境を目的環境(できるだけ快適な環境)に近づけることが可能となる。
【0040】
また、例えば昼間など所定の期間に室内(第1空間R1)の環境が悪化することが分かっている場合には、スケジュール部22において設定された切替期間に従ってダンパ6の状態の変更を行う。これにより、室内環境をより良くすることが可能となる。
また、排気装置7が吹出口3の近傍に備えられており、第1空間R1の空気を排気する。第2吸込口5から屋外(第2空間R2)の空気を取り込む際には、室内(第1空間R1)に空気が供給されることになるため、第1空間R1における気圧が上昇することになる。第2吸込口5から屋外(第2空間R2)の空気を取り込む場合には、第1空間R1が不快な環境である場合に相当する。このため、第1空間R1における気圧が上昇することにより、第1空間R1における不快な状態の空気が周囲に拡散するおそれがある。ここでは、第2吸込口5から屋外(第2空間R2)の空気を取り込む際には、排気装置7の能力を増加させて第1空間R1における気圧上昇を抑える。これにより、第1空間R1における不快な状態の空気が周囲に拡散するおそれを抑制することができる。
【0041】
<第1実施形態における他の実施形態>
(a)
第1実施形態に係る空気調和装置1では、コントローラ8の切替選択部21がダンパ6の状態の切替を行う。ここで、室内の利用者が不快を感じた場合に、入力受付部26に空気の取込先の変更入力を受け付けることにより、ダンパ6の状態の切替を行えるようになっていても良い。また、空気調和装置1が切替選択部21及びスケジュール部22を有しておらず、常に手動でダンパ6の切替が行われるようになっていても良い。
【0042】
(b)
第1実施形態に係る空気調和装置1では、第2吸込口5の近傍に設けられている第2センサ12により、第2吸込口5で取り込む空気の状態(第2空間R2における空気の状態)を検知している。第2吸込口5からは外気が取り込まれるため、外気の状態を他の手段、例えば気象情報で取得して、気象情報を第2センサ12で検知される検出値の代わりに用いても良い。
【0043】
(c)
第1実施形態に係る空気調和装置1では、第1センサ11及び第2センサ12の検出値に基づいて空気の取込先の変更を行っている。しかし、センサ点数を減らして、第1センサ11の検出値のみ、又は第2センサ12の検出値のみに基づいてダンパ6の切替を行ってもよい。この場合には、センサの設置点数を減らすことができるので、安価な空気調和装置を提供することが可能となる。
【0044】
例えば、第2センサ12の検出値に含まれる乾球温度及び相対湿度からエンタルピーを算出し、このエンタルピーの値が16kJ/kg以下である場合にダンパ6を第2吸込口5に切り替えて外気を取り込むようにする、などである。
(d)
第1実施形態に係る空気調和装置1では、第2吸込口5が屋外に設けられており、第2空間R2である屋外の空気を取り込む。ここで、第2空間R2が第1空間R1と異なり且つ第1空間R1の空気よりも平均的に良好である箇所であるとし、この空間の空気を取り込む場所に第2吸込口5が設けられていても良い。この場合にも、室内環境を快適な環境に近づけることが容易になる。例えば、空気調和装置1の第1吸込口4が南側に窓がある部屋に設けられており、第2吸込口5が同一の建物の北側の部屋に設けられているとすると、夏期に第2吸込口5から空気を取り込むことにより、空気調和の対象となる部屋の環境を比較的容易に良くすることができる。
【0045】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る空気調和装置31を図3に示す。この空気調和装置31は、室内または屋外から空気を取り込み、空気調和した空気を室内に供給する。また、空気の取込先の変更による効果を表示及び記録可能である。
空気調和装置31は、基本的に空気調和装置1と同様であるため、差異のみを記載する。
【0046】
<全体の構成>
空気調和装置31は、第1実施形態の空気調和装置1と同様に、空気調和部2、吹出口3、第1吸込口4、第2吸込口5、ダンパ6、排気装置7、及びコントローラ8で構成されている。
吹出口3は、空気調和部2で空気調和された空気を室内に供給する。また、吹出口3には、供給される空気の状態を検知する吹出口センサ10が設けられている。
【0047】
コントローラ8は、空気調和部2、ダンパ6、及び排気装置7の制御を行い、また空気調和部2及び排気装置7からそれぞれの状態を受信する。さらに、コントローラ8は、各センサ10、11、12の検知結果を受信する。コントローラ8は、切替選択部21、スケジュール部22、表示部23、入力受付部24、効果算出部25、及び記憶蓄積部26を備える。
【0048】
表示部23は、受信する各種情報に基づいて空気調和装置1の状態を表示し、また効果算出部25で算出された環境改善度や省エネルギー効果を表示する。
効果算出部25は、ダンパ6の切替で空気の取込先を変更したことにより、室内の環境の改善度を算出したり、省エネルギー効果を算出したりする。
記憶蓄積部26は、受信する各種情報に基づいた空気調和装置1の状態の変化や、効果算出部25で算出された環境改善度や省エネルギー効果の変化を記憶蓄積する。
【0049】
<改善度の算出>
効果算出部25による環境の改善度の算出手順について以下に示す。
空気調和部2に対する設定温度、空気調和部2が取り込む空気のエンタルピー、及び室外温度(第2センサ12が検知する第2空間R2の空気の温度)が分かると、空気調和部2で空気調和されて吹出口3から室内に供給される空気の温度(吹き出し温度)を算出することが可能である。この吹き出し温度の変化に基づいて、改善度の算出を行う。
【0050】
第2吸込口5から外気を取り込んでいる際に、効果算出部25は、まず設定温度、第1センサ11から算出される第1エンタルピー、及び第2センサ12で検知される外気の乾球温度から第1吹き出し温度を算出する。一方、実際に吹出口3から供給される空気の温度であり、吹出口センサ10で検出される第2吹き出し温度を効果算出部25が取得する。そして、効果算出部25は、第1吹き出し温度と第2吹き出し温度とを比較し、第1吹き出し温度と第2吹き出し温度との差の温度を改善度とする。
【0051】
記憶蓄積部26は、この改善度の変化を記憶し蓄積する。また、表示部23は、効果算出部25で算出された改善度及び記憶蓄積部26に蓄積される過去の改善度を表示可能である。
<省エネルギー効果の算出>
効果算出部25による省エネルギー効果の算出手順について以下に示す。
【0052】
空気調和部2に対する設定温度、空気調和部2が取り込む空気のエンタルピー、及び室外温度(第2センサ12が検知する第2空間R2の空気の温度)が分かると、空気調和部2が消費する消費電力を算出することが可能である。算出される予想消費電力と実際に消費される消費電力とを比較することにより省エネルギー効果を算出する。
【0053】
第2吸込口5から外気を取り込んでいる際に、効果算出部25は、まず設定温度、第1センサ11から算出される第1エンタルピー、及び第2センサ12で検知される外気の乾球温度から空気調和部2の予測消費電力を算出する。一方、実際に空気調和部2で消費される実消費電力を空気調和部2から効果算出部25が取得する。効果算出部25は、予測消費電力と実消費電力とを比較し、予測消費電力と実消費電力との電力差を省エネルギー効果とする。
【0054】
記憶蓄積部26は、この省エネルギー効果の変化を記憶し蓄積する。また、表示部23は、効果算出部25で算出された省エネルギー効果及び記憶蓄積部26に蓄積される過去の省エネルギー効果(所定期間の積分値など)を表示可能である。
<特徴>
第2実施形態における空気調和装置31は、効果算出部25を備える。効果算出部25は、ダンパ6の状態を変更して空気の取込先を切り替えたことにより、環境の改善度や省エネルギー効果を算出することが可能となる。よって、空気調和装置31と、空気の取込先の変更が行えない他の空気調和装置との差異を明確にすることができる。
【0055】
また、効果算出部25で算出された環境の改善度や省エネルギー効果は、表示部23において表示可能となっている。これにより、空気調和装置31の利用者などに対して効果などを明示することが可能となっている。
さらに、効果算出部25で算出された環境の改善度や省エネルギー効果は、記憶蓄積部26において蓄積することが可能となっている。これにより、効果の経時変化などを確認することが可能となるため、例えば空気調和装置31の故障監視などを行うことが可能となる。
【0056】
<第2実施形態における他の実施形態>
第2実施形態に係る空気調和装置31では、コントローラ8の効果算出部25が算出した環境の改善度や省エネルギー効果を表示部23で表示している。ここで、コントローラ8がネットワークを介して遠隔監視センターに接続可能であり、効果算出部25の算出データを遠隔監視センターに送信可能であっても良い。この場合には、遠隔監視センターにおいて空気調和装置31の故障監視などを行うことが可能となる。
【0057】
【発明の効果】
請求項1に記載の空気調和装置では、空気調和を行う対象となる空間(第1空間)の環境をできるだけ目標環境に近づけることができる。
請求項2に記載の空気調和装置では、切替手段の自動切替を行うことが可能となる。
【0058】
請求項3に記載の空気調和装置では、第1空間における空気の状態が悪化した場合に、空気の取込先を第2吸込口とする第2状態へと切替手段の状態を変更することにより、第1空間の環境を目標環境により近づけることが可能となる。
請求項4に記載の空気調和装置では、第2空間の空気の状態が良好になった場合に、空気の取込先を第2吸込口とする第2状態へと切替手段の状態を変更することにより、第1空間の環境を目標環境により近づけることが可能となる。
【0059】
請求項5に記載の空気調和装置では、両吸込口の周辺における空気の状態に基づいて切替手段の選択を行うことが可能となる。
請求項6に記載の空気調和装置では、第1空間の環境をできるだけ目標環境に近づけることができる。
請求項7に記載の空気調和装置では、熱負荷が増大する時間帯に空気の取込先を変更することができるため、第1空間の環境をできるだけ目標環境に近づけることができる。
【0060】
請求項8に記載の空気調和装置では、第1空間の空気よりも外気がより良好である場合に、第1空間の環境をできるだけ目標環境に近づけることができる。
請求項9に記載の空気調和装置では、第1空間の空気よりも第2空間の空気がより良い場合に、切替手段を第2状態にして第2吸込口から空気を取り込むことにより、第1空間の環境をできるだけ目標環境に近づけることができる。
【0061】
請求項10に記載の空気調和装置では、第1空間の環境が目的環境と異なる悪い環境である場合に、この環境の空気が周囲に広がることを抑えることができる。
請求項11に記載の空気調和システムでは、切替手段による効果を算出するため、空気の取込先を切り替える切替手段を有する空気調和装置とその他の空気調和装置との差異を明確にすることができる。
【0062】
請求項12に記載の空気調和システムでは、空気調和装置の運転状況や切替手段による効果を確認することができる。
請求項13に記載の空気調和システムでは、蓄積された運転状況や効果に基づいて、空気調和装置が正常動作しているか否かの確認を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る空気調和装置の概要図。
【図2】切替選択部によるダンパの切替のフローチャート。
【図3】第2実施形態に係る空気調和装置の概要図。
【符号の説明】
1、31 空気調和装置
2 空気調和部
3 吹出口
4 第1吸込口
5 第2吸込口
6 ダンパ
7 排気装置
8 コントローラ
10 吹出口センサ
11 第1センサ
21 切替選択部
22 スケジュール部
23 表示部
25 効果算出部
26 記憶蓄積部
R1 第1空間
R2 第2空間
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気調和装置、特に熱負荷が大きい室内の空気調和を行う空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
空気調和装置は、対象となる空間の空気調和を行う装置である。空気調和を行う対象となる空間には、例えば住居、オフィス、店舗、工場など様々な空間がある。
ここで、空気調和の対象となる空間内に発熱源などがある厨房や工場などの空気調和を行う空気調和装置は、空気調和能力以上の過大な熱負荷が対象の空間内に生じる場合に、対象空間を目標環境に空気調和できない(例えば冷却できない)ことがある。このような一時的に過大な熱負荷が生じた場合にできるだけ温度上昇を抑えることが可能な空気調和装置が存在する(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に挙げられた空気調和装置では、加湿された外気を室内に吹き出すことにより気化熱を利用して冷却を行っている。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−19524号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
冬期には空気調和の対象となる空間の温度上昇が問題にならず目標環境に空気調和が可能である空気調和装置も、夏期においては全般的に温度が上昇するために、夏期に空気調和の対象空間の環境を適切に空気調和できない場合がある。このため、夏期には、一時的な熱負荷上昇であっても空気調和の対象となる空間に対する影響が大きくなり、温度上昇が一時的にならず、目標環境からの乖離が大きくなるおそれがある。
【0005】
また、特許文献1に挙げられた空気調和装置では、一時的な熱負荷の増加に対して対応できるが、熱負荷が大きい状態が長時間継続すると湿度が上昇するために空間内の環境を悪化させることになる。このため、この空気調和装置は、熱負荷が長時間継続する空間に対しては不適切である。
本発明の課題は、熱負荷が大きい場所の環境をできるだけ目標環境に近づけることができる空気調和装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の空気調和装置は、第1吸込口、第2吸込口、切替手段、空気調和部、及び吹出口を備える。第1吸込口は第1空間から空気を取り込む。第2吸込口は第1空間と異なる第2空間から空気を取り込む。切替手段は、第1吸込口から空気を取り込む第1状態と第2吸込口から空気を取り込む第2状態を切り替える。空気調和部は、第1吸込口または第2吸込口から取り込まれた空気の空気調和を行う。吹出口は、空気調和部で空気調和された空気を第1空間へ供給する。
【0007】
第1吸込口は、空気調和装置により空気調和がなされた空気が吹き出されている第1空間の空気を取り込む。このため、空気調和をする第1空間に例えば過大な熱負荷が存在する場合において、吹出口から吹き出される空気の空気調和が不十分(例えば高温多湿)であると、やはり第1吸込口から吸い込んだ空気を適切に空気調和できないまま吹出口から吹き出すことになり、結果として目標環境からの乖離がさらに大きくなるおそれがある。
【0008】
ここでは、空気調和装置が第2吸込口を備えている。第2吸込口は、第1空間とは異なる第2空間から空気を取り込む。このため、第1吸込口から吸い込む空気とは異なる状態の空気を取り込むことが可能となる。よって、切替手段により空気の取り込みを適切に切り替えることにより、空気調和を行う対象となる空間の環境をできるだけ目標環境に近づけることができる。例えば空気調和装置が空気調和を行う対象となる空間内に熱負荷が生じている場合に、第2空間の空気の状態が第1空間の空気の状態よりも低温低湿であるとすると、第2吸込口から空気を取り込むことによって空気調和をより行いやすくなる。よって、空気調和を行う対象となる空間(第1空間)の環境をできるだけ目標環境に近づけることができる。
【0009】
請求項2に記載の空気調和装置は、請求項1に記載の空気調和装置であって、切替手段の制御を行う切替選択部をさらに備える。
ここでは、空気を取り込む状態を変更する切替手段を切替選択部により制御する。これにより、切替手段の自動切替を行うことが可能となる。
請求項3に記載の空気調和装置は、請求項2に記載の空気調和装置であって、第1状態検知部をさらに備える。第1状態検知部は、第1空間における空気の状態である第1検出値を検知する。また、切替選択部は、第1検出値に基づいて切替手段の制御を行う。
【0010】
ここでは、第1空間の空気の状態、すなわち空気調和の対象となる空間における空気の状態を第1状態検知部により検知する。また、第1状態検知部で検知された第1検出値に基づいて切替手段の選択を変更する。これにより、第1空間における空気の状態に基づいて、空気の取込先を変更する。よって、第1空間における空気の状態が悪化した場合に、空気の取込先を第2吸込口とする第2状態へと切替手段の状態を変更することにより、第1空間の環境を目標環境により近づけることが可能となる。
【0011】
請求項4に記載の空気調和装置は、請求項2に記載の空気調和装置であって、切替選択部が第2空間における空気の状態である第2検出値に基づいて切替手段の制御を行う。
ここでは、第2空間の空気の状態である第2検出値に基づいて切替手段の選択を変更する。これにより、第2空間の空気の状態が良好になった場合に、空気の取込先を第2吸込口とする第2状態へと切替手段の状態を変更することにより、第1空間の環境を目標環境により近づけることが可能となる。
【0012】
なお、第2検出値は、第2空間に設けられた状態検知部から検出されても、気象情報提供会社などから提供される気象情報、またはそれに類する情報を用いてもよい。
請求項5に記載の空気調和装置は、請求項4に記載の空気調和装置であって、第1状態検知部をさらに備える。第1状態検知部は、第1空間における空気の状態である第1検出値を検知する。切替選択部は、第1検出値及び第2検出値に基づいて切替手段の制御を行う。
【0013】
ここでは、第1空間の空気の状態、すなわち空気調和の対象となる空間における空気の状態を第1状態検知部により検知する。また、第2検出値及び第1状態検知部で検知された第1検出値に基づいて切替手段の選択を変更する。これにより、両吸込口の周辺における空気の状態に基づいて切替手段の選択を行うことが可能となる。
【0014】
請求項6に記載の空気調和装置は、請求項5に記載の空気調和装置であって、切替選択部が第1検出値から導出される第1指標値と第2検出値から導出される第2指標値とを比較する。切替選択部は、第1指標値が第2指標値に対して所定の劣悪度条件より劣悪である場合に第2状態を選択するよう切替手段を制御する。また、切替選択部は、第1指標値が第2指標値に対して所定の良好度条件より良好である場合に第1状態を選択するよう切替手段を制御する。
【0015】
ここでは、第1指標値が第2指標値に対して劣悪度条件で指定される条件よりも劣悪な状態である場合に切替選択部が切替手段の状態を第2状態に切り替え、さらに第1指標値が第2指標値に対して良好度条件で指定される条件よりも良好な状態である場合に切替選択部が切替手段の状態を第1状態に切り替える。これにより、空気調和部が空気調和を行いやすい空間から空気を取り込むことになる。よって、第1空間の環境をできるだけ目標環境に近づけることができる。
【0016】
請求項7に記載の空気調和装置は、請求項2から6のいずれかに記載の空気調和装置であって、スケジュール部をさらに備える。スケジュール部は、スケジュールの設定を行う。切替選択部は、スケジュール部で設定されたスケジュールに基づいて切替手段を制御する。
例えばレストランの厨房などでは、レストランの営業時間において熱負荷が発生する。つまり、レストランの営業時間以外にはそれほど状態が悪化しない。このため、空気の取込先の切替は営業時間中の特定の時間において行えばよい場合が多い。
【0017】
ここでは、予め設定されたスケジュールに従って切替選択部が切替手段の制御を行う。これにより、熱負荷が増大する時間帯に空気の取込先を変更することができるため、やはり第1空間の環境をできるだけ目標環境に近づけることができる。
なお、対象となる空間内で熱負荷が増大する時間が明らかであればスケジュール設定入力を受け付けてスケジュールを設定したり、第1及び/または第2検出値を検知可能であればその検知結果に基づいて自動的にスケジュールを設定したりしてもよい。
【0018】
請求項8に記載の空気調和装置は、請求項1から7のいずれかに記載の空気調和装置であって、第2空間が屋外の空間であり、第2吸込口が外気を取り込む。第1空間の空気の状態が悪化すると、外気の方が良好な状態となる場合がある。
ここでは、第2空間が屋外の空間であるため、第2吸込口は外気を取り込む。これにより、外気がより良い状態である場合に、切替手段により外気を取り込むことが可能となる。よって、第1空間の空気よりも外気がより良好である場合に、第1空間の環境をできるだけ目標環境に近づけることができる。
【0019】
請求項9に記載の空気調和装置は、請求項1から7のいずれかに記載の空気調和装置であって、第2空間の空気が第1空間の空気よりも平均的に良好である。
ここでは、第1空間の空気よりも平均的に良好である第2空間から第2吸込口が空気を取り込む。このため、第1空間の空気よりも第2空間の空気がより良い場合に、切替手段を第2状態にして第2吸込口から空気を取り込むことにより、第1空間の環境をできるだけ目標環境に近づけることができる。
【0020】
請求項10に記載の空気調和装置は、請求項8または9に記載の空気調和装置であって、排気装置をさらに備える。排気装置は、第1空間の空気を排気する。
ここでは、第1空間の空気を排気装置により排気する。排気装置が排気を行うことにより、第1空間の気圧を周囲に比べて低下させることができる。このため、第1空間の環境が目的環境と異なる悪い環境である場合にも、この環境の空気が周囲に広がることを抑えることができる。
【0021】
請求項11に記載の空気調和システムは、請求項1から10のいずれかに記載の空気調和装置と、空気調和装置による効果を算出する効果算出部とを備える。
空気調和装置により空気調和を行うことにより、対象となる空間の状態が改善される。
ここでは、効果算出部を備える。この効果算出部は、切替手段により空気の取込先を変更したことによる環境改善度や省エネルギー効果などの効果を算出する。これにより、空気の取込先を切り替える切替手段を有する空気調和装置とその他の空気調和装置との差異を明確にすることができる。
【0022】
請求項12に記載の空気調和システムは、請求項11に記載の空気調和システムであって、表示部をさらに備える。表示部は、空気調和装置の運転状態及び/または効果算出部により算出された効果を表示可能である。
ここでは、表示部を備えているため、空気調和装置の運転状況を確認することができること、及び/または切替手段を有する空気調和装置による効果を確認することができる。効果算出部で算出された効果を表示可能である場合には、効果の確認が容易となる。
【0023】
請求項13に記載の空気調和システムは、請求項11または12に記載の空気調和システムであって、記憶蓄積部をさらに備える。記憶蓄積部は、空気調和装置の運転状態及び/または効果算出部により算出された効果を記憶する。
ここでは、運転状態及び/または効果を記憶する記憶蓄積部を備えているため、空気調和装置の運転状況の変化及び/または効果の変化を記録することができる。蓄積された運転状況や効果に基づいて、空気調和装置が正常動作しているか否かの確認を行うことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る空気調和装置1を図1に示す。この空気調和装置1は、室内または屋外から空気を取り込み、空気調和した空気を室内に供給する。
【0025】
<全体の構成>
空気調和装置1は、空気調和部2、吹出口3、第1吸込口4、第2吸込口5、ダンパ6、排気装置7、及びコントローラ8で構成されている。
空気調和部2は、取り込んだ空気を空気調和する。
吹出口3は、空気調和部2で空気調和された空気を室内に供給する。
【0026】
第1吸込口4は、空気調和を行う第1空間R1の、すなわち室内の空気を取り込む。第1吸込口4の近傍には、第1吸込口4で取り込む空気の状態(第1空間R1の空気の状態)を検知する第1センサ11が設けられている。第1センサ11は、少なくとも空気の乾球温度及び相対湿度を検出可能である。
第2吸込口5は、第2空間R2である屋外からの空気を取り込む。第2吸込口5の近傍には、第2吸込口5で取り込む空気の状態(第2空間R2の空気の状態)を検知する第2センサ12が設けられている。第2センサ12は、第1センサ11と同様に、少なくとも空気の乾球温度及び相対湿度を検出可能である。
【0027】
ダンパ6は、空気の取込先を第1吸込口4とする第1状態と空気の取込先を第2吸込口5とする第2状態とを切り替える。
排気装置7は、吹出口3の近傍に設けられており、空気調和を行う室内(第1空間R1)の空気を屋外に排気する。
コントローラ8は、空気調和部2、ダンパ6、及び排気装置7の制御を行い、また空気調和部2及び排気装置7からそれぞれの状態を受信する。さらに、コントローラ8は、第1センサ11及び第2センサ12の検知結果を受信する。コントローラ8は、切替選択部21、スケジュール部22、表示部23及び入力受付部24を備える。
【0028】
切替選択部21は、受信する各種情報に基づいて、ダンパ6の切替を制御する。
スケジュール部22は、予め設定されたスケジュールに従い、切替選択部21に対してダンパ6の切替を指示する。
表示部23は、受信する各種情報に基づいて空気調和装置1の状態を表示する。
【0029】
入力受付部24は、空気調和部2が行う空気調和に対する指示(温度設定など)、排気装置7の排気量設定、またスケジュール部22に対するスケジュール入力などの指示入力を受け付ける。
<動作>
空気調和について、第1吸込口4または第2吸込口5から取り込まれる空気の流れに沿って説明する。
【0030】
まず、ダンパ6が第1吸込口4から空気を取り込む第1状態である場合には、まず室内(第1空間R1)の空気が第1吸込口4から取り込まれる。第1吸込口4から取り込まれた空気は、配管及びダンパ6を経て空気調和部2に送られる。空気調和部2に送られた空気は、入力受付部24で指示された設定に従って空気調和がなされる。空気調和された空気は、吹出口3から室内(第1空間R1)に戻される。これを繰り返すことにより、室内(第1空間R1)の空気の空気調和を行う。
【0031】
また、ダンパ6が第2吸込口5から空気を取り込む第2状態である場合には、まず屋外(第2空間R2)の空気が第1吸込口4から取り込まれる。第2吸込口5から取り込まれた空気は、配管及びダンパ6を経て空気調和部2に送られる。空気調和部2に送られた空気は、入力受付部24で指示された設定に従って空気調和がなされる。空気調和された空気は、吹出口3から室内に供給される。これを繰り返すことにより、屋外(第2空間R2)の空気を室内(第1空間R1)に供給しつつ室内の空気の空気調和を行う。
【0032】
さらに、室内(第1空間R1)の空気は、排気装置7により屋外に排気される。
<ダンパ切替による空気の取込先の切替>
スケジュール部22においてダンパ6の切替期間が設定されている場合には、スケジュール部22の設定に従って切替選択部21がダンパの切替を行う。
【0033】
他方、スケジュール部22で切替期間が設定されていない場合において、切替選択部21によるダンパ6の切替について図2のフローチャートに従い説明する。切替選択部21は、このフローチャートに従って例えば1分に1回ダンパの切替の要否を確認する。
ステップS1では、第1センサ11及び第2センサ12で検知される検出値を取得する。
【0034】
ステップS2では、第1センサ11及び第2センサ12で検出される乾球温度及び相対湿度から、第1空間R1及び第2空間R2における空気のエンタルピーを算出する。なお高温多湿の環境下では、エンタルピーが大きいほど劣悪な環境であると言える。各センサ11、12の検出値から算出されたエンタルピーは、それぞれ第1吸込口4及び第2吸込口5から空気調和装置1に取り込まれる空気の状態に相当する。以下、各センサ11、12の検出値から算出されたエンタルピーである第1吸込口4のエンタルピー、及び第2吸込口5のエンタルピーを、それぞれ第1エンタルピー及び第2エンタルピーとする。
【0035】
なお、空気のエンタルピーは絶対湿度及び乾球温度から算出され、さらに絶対湿度は乾球温度及び相対湿度から算出可能である。
ステップS3では、ダンパ6の状態が第1状態であるか第2状態であるかを確認する。ダンパ6の状態が第1状態である場合にはステップS4へ、第2状態である場合にはステップS6へ移行する。
【0036】
ステップS4では、第1エンタルピーと第2エンタルピーに所定の劣悪度条件αを加算した値とを比較する。劣悪度条件αは、ダンパ6がハンチングを起こさないようにするための所定値であり、例えば1.0kJ/kgである。第1エンタルピーが後者(第2エンタルピー+劣悪度条件α)以上である場合には、ステップS5へ移行する。それ以外の場合にはダンパ6の状態を変更せずに終了する。
【0037】
ステップS5では、ダンパ6の状態を第1状態から第2状態へ変更する。また、排気装置7の能力を増加させて、室内から屋外へ空気を排出する量を増加させる。その後に終了する。
ステップS6では、第1エンタルピーと第2エンタルピーに所定の良好度条件βを加算した値とを比較する。良好度条件βは、ダンパ6がハンチングを起こさないようにするための所定値であり、例えば1.0kJ/kgである。第1エンタルピーが後者(第2エンタルピー−良好度条件β)未満である場合には、ステップS7へ移行する。それ以外の場合にはダンパ6の状態を変更せずに終了する。
【0038】
ステップS7では、ダンパ6の状態を第2状態から第1状態へ変更する。また、排気装置7の能力を抑制して、室内から屋外へ空気を排出する量を減少させる。その後に終了する。
<特徴>
第1実施形態に係る空気調和装置1では、空気調和を行う室内(第1空間R1)の空気を取り込む第1吸込口4に加えて、屋外(第2空間R2)の空気を取り込む第2吸込口5を備える。空気調和装置1が空気調和を行う第1空間R1の環境に基づいて、切替選択部21がダンパ6を制御して空気の取込先を変更する。
【0039】
室内(第1空間R1)の環境が不快になったために室内の空気を(第1吸込口4から)取り込んでも空気調和が不十分になり、また屋外の環境が室内よりもある程度快適である場合には、空気の取込先を屋外(第2吸込口5)に変更して屋外(第2空間R2)の空気を空気調和部2に送る。これにより、室内(第1空間R1)の環境を目的環境(できるだけ快適な環境)に近づけることが可能となる。
【0040】
また、例えば昼間など所定の期間に室内(第1空間R1)の環境が悪化することが分かっている場合には、スケジュール部22において設定された切替期間に従ってダンパ6の状態の変更を行う。これにより、室内環境をより良くすることが可能となる。
また、排気装置7が吹出口3の近傍に備えられており、第1空間R1の空気を排気する。第2吸込口5から屋外(第2空間R2)の空気を取り込む際には、室内(第1空間R1)に空気が供給されることになるため、第1空間R1における気圧が上昇することになる。第2吸込口5から屋外(第2空間R2)の空気を取り込む場合には、第1空間R1が不快な環境である場合に相当する。このため、第1空間R1における気圧が上昇することにより、第1空間R1における不快な状態の空気が周囲に拡散するおそれがある。ここでは、第2吸込口5から屋外(第2空間R2)の空気を取り込む際には、排気装置7の能力を増加させて第1空間R1における気圧上昇を抑える。これにより、第1空間R1における不快な状態の空気が周囲に拡散するおそれを抑制することができる。
【0041】
<第1実施形態における他の実施形態>
(a)
第1実施形態に係る空気調和装置1では、コントローラ8の切替選択部21がダンパ6の状態の切替を行う。ここで、室内の利用者が不快を感じた場合に、入力受付部26に空気の取込先の変更入力を受け付けることにより、ダンパ6の状態の切替を行えるようになっていても良い。また、空気調和装置1が切替選択部21及びスケジュール部22を有しておらず、常に手動でダンパ6の切替が行われるようになっていても良い。
【0042】
(b)
第1実施形態に係る空気調和装置1では、第2吸込口5の近傍に設けられている第2センサ12により、第2吸込口5で取り込む空気の状態(第2空間R2における空気の状態)を検知している。第2吸込口5からは外気が取り込まれるため、外気の状態を他の手段、例えば気象情報で取得して、気象情報を第2センサ12で検知される検出値の代わりに用いても良い。
【0043】
(c)
第1実施形態に係る空気調和装置1では、第1センサ11及び第2センサ12の検出値に基づいて空気の取込先の変更を行っている。しかし、センサ点数を減らして、第1センサ11の検出値のみ、又は第2センサ12の検出値のみに基づいてダンパ6の切替を行ってもよい。この場合には、センサの設置点数を減らすことができるので、安価な空気調和装置を提供することが可能となる。
【0044】
例えば、第2センサ12の検出値に含まれる乾球温度及び相対湿度からエンタルピーを算出し、このエンタルピーの値が16kJ/kg以下である場合にダンパ6を第2吸込口5に切り替えて外気を取り込むようにする、などである。
(d)
第1実施形態に係る空気調和装置1では、第2吸込口5が屋外に設けられており、第2空間R2である屋外の空気を取り込む。ここで、第2空間R2が第1空間R1と異なり且つ第1空間R1の空気よりも平均的に良好である箇所であるとし、この空間の空気を取り込む場所に第2吸込口5が設けられていても良い。この場合にも、室内環境を快適な環境に近づけることが容易になる。例えば、空気調和装置1の第1吸込口4が南側に窓がある部屋に設けられており、第2吸込口5が同一の建物の北側の部屋に設けられているとすると、夏期に第2吸込口5から空気を取り込むことにより、空気調和の対象となる部屋の環境を比較的容易に良くすることができる。
【0045】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係る空気調和装置31を図3に示す。この空気調和装置31は、室内または屋外から空気を取り込み、空気調和した空気を室内に供給する。また、空気の取込先の変更による効果を表示及び記録可能である。
空気調和装置31は、基本的に空気調和装置1と同様であるため、差異のみを記載する。
【0046】
<全体の構成>
空気調和装置31は、第1実施形態の空気調和装置1と同様に、空気調和部2、吹出口3、第1吸込口4、第2吸込口5、ダンパ6、排気装置7、及びコントローラ8で構成されている。
吹出口3は、空気調和部2で空気調和された空気を室内に供給する。また、吹出口3には、供給される空気の状態を検知する吹出口センサ10が設けられている。
【0047】
コントローラ8は、空気調和部2、ダンパ6、及び排気装置7の制御を行い、また空気調和部2及び排気装置7からそれぞれの状態を受信する。さらに、コントローラ8は、各センサ10、11、12の検知結果を受信する。コントローラ8は、切替選択部21、スケジュール部22、表示部23、入力受付部24、効果算出部25、及び記憶蓄積部26を備える。
【0048】
表示部23は、受信する各種情報に基づいて空気調和装置1の状態を表示し、また効果算出部25で算出された環境改善度や省エネルギー効果を表示する。
効果算出部25は、ダンパ6の切替で空気の取込先を変更したことにより、室内の環境の改善度を算出したり、省エネルギー効果を算出したりする。
記憶蓄積部26は、受信する各種情報に基づいた空気調和装置1の状態の変化や、効果算出部25で算出された環境改善度や省エネルギー効果の変化を記憶蓄積する。
【0049】
<改善度の算出>
効果算出部25による環境の改善度の算出手順について以下に示す。
空気調和部2に対する設定温度、空気調和部2が取り込む空気のエンタルピー、及び室外温度(第2センサ12が検知する第2空間R2の空気の温度)が分かると、空気調和部2で空気調和されて吹出口3から室内に供給される空気の温度(吹き出し温度)を算出することが可能である。この吹き出し温度の変化に基づいて、改善度の算出を行う。
【0050】
第2吸込口5から外気を取り込んでいる際に、効果算出部25は、まず設定温度、第1センサ11から算出される第1エンタルピー、及び第2センサ12で検知される外気の乾球温度から第1吹き出し温度を算出する。一方、実際に吹出口3から供給される空気の温度であり、吹出口センサ10で検出される第2吹き出し温度を効果算出部25が取得する。そして、効果算出部25は、第1吹き出し温度と第2吹き出し温度とを比較し、第1吹き出し温度と第2吹き出し温度との差の温度を改善度とする。
【0051】
記憶蓄積部26は、この改善度の変化を記憶し蓄積する。また、表示部23は、効果算出部25で算出された改善度及び記憶蓄積部26に蓄積される過去の改善度を表示可能である。
<省エネルギー効果の算出>
効果算出部25による省エネルギー効果の算出手順について以下に示す。
【0052】
空気調和部2に対する設定温度、空気調和部2が取り込む空気のエンタルピー、及び室外温度(第2センサ12が検知する第2空間R2の空気の温度)が分かると、空気調和部2が消費する消費電力を算出することが可能である。算出される予想消費電力と実際に消費される消費電力とを比較することにより省エネルギー効果を算出する。
【0053】
第2吸込口5から外気を取り込んでいる際に、効果算出部25は、まず設定温度、第1センサ11から算出される第1エンタルピー、及び第2センサ12で検知される外気の乾球温度から空気調和部2の予測消費電力を算出する。一方、実際に空気調和部2で消費される実消費電力を空気調和部2から効果算出部25が取得する。効果算出部25は、予測消費電力と実消費電力とを比較し、予測消費電力と実消費電力との電力差を省エネルギー効果とする。
【0054】
記憶蓄積部26は、この省エネルギー効果の変化を記憶し蓄積する。また、表示部23は、効果算出部25で算出された省エネルギー効果及び記憶蓄積部26に蓄積される過去の省エネルギー効果(所定期間の積分値など)を表示可能である。
<特徴>
第2実施形態における空気調和装置31は、効果算出部25を備える。効果算出部25は、ダンパ6の状態を変更して空気の取込先を切り替えたことにより、環境の改善度や省エネルギー効果を算出することが可能となる。よって、空気調和装置31と、空気の取込先の変更が行えない他の空気調和装置との差異を明確にすることができる。
【0055】
また、効果算出部25で算出された環境の改善度や省エネルギー効果は、表示部23において表示可能となっている。これにより、空気調和装置31の利用者などに対して効果などを明示することが可能となっている。
さらに、効果算出部25で算出された環境の改善度や省エネルギー効果は、記憶蓄積部26において蓄積することが可能となっている。これにより、効果の経時変化などを確認することが可能となるため、例えば空気調和装置31の故障監視などを行うことが可能となる。
【0056】
<第2実施形態における他の実施形態>
第2実施形態に係る空気調和装置31では、コントローラ8の効果算出部25が算出した環境の改善度や省エネルギー効果を表示部23で表示している。ここで、コントローラ8がネットワークを介して遠隔監視センターに接続可能であり、効果算出部25の算出データを遠隔監視センターに送信可能であっても良い。この場合には、遠隔監視センターにおいて空気調和装置31の故障監視などを行うことが可能となる。
【0057】
【発明の効果】
請求項1に記載の空気調和装置では、空気調和を行う対象となる空間(第1空間)の環境をできるだけ目標環境に近づけることができる。
請求項2に記載の空気調和装置では、切替手段の自動切替を行うことが可能となる。
【0058】
請求項3に記載の空気調和装置では、第1空間における空気の状態が悪化した場合に、空気の取込先を第2吸込口とする第2状態へと切替手段の状態を変更することにより、第1空間の環境を目標環境により近づけることが可能となる。
請求項4に記載の空気調和装置では、第2空間の空気の状態が良好になった場合に、空気の取込先を第2吸込口とする第2状態へと切替手段の状態を変更することにより、第1空間の環境を目標環境により近づけることが可能となる。
【0059】
請求項5に記載の空気調和装置では、両吸込口の周辺における空気の状態に基づいて切替手段の選択を行うことが可能となる。
請求項6に記載の空気調和装置では、第1空間の環境をできるだけ目標環境に近づけることができる。
請求項7に記載の空気調和装置では、熱負荷が増大する時間帯に空気の取込先を変更することができるため、第1空間の環境をできるだけ目標環境に近づけることができる。
【0060】
請求項8に記載の空気調和装置では、第1空間の空気よりも外気がより良好である場合に、第1空間の環境をできるだけ目標環境に近づけることができる。
請求項9に記載の空気調和装置では、第1空間の空気よりも第2空間の空気がより良い場合に、切替手段を第2状態にして第2吸込口から空気を取り込むことにより、第1空間の環境をできるだけ目標環境に近づけることができる。
【0061】
請求項10に記載の空気調和装置では、第1空間の環境が目的環境と異なる悪い環境である場合に、この環境の空気が周囲に広がることを抑えることができる。
請求項11に記載の空気調和システムでは、切替手段による効果を算出するため、空気の取込先を切り替える切替手段を有する空気調和装置とその他の空気調和装置との差異を明確にすることができる。
【0062】
請求項12に記載の空気調和システムでは、空気調和装置の運転状況や切替手段による効果を確認することができる。
請求項13に記載の空気調和システムでは、蓄積された運転状況や効果に基づいて、空気調和装置が正常動作しているか否かの確認を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る空気調和装置の概要図。
【図2】切替選択部によるダンパの切替のフローチャート。
【図3】第2実施形態に係る空気調和装置の概要図。
【符号の説明】
1、31 空気調和装置
2 空気調和部
3 吹出口
4 第1吸込口
5 第2吸込口
6 ダンパ
7 排気装置
8 コントローラ
10 吹出口センサ
11 第1センサ
21 切替選択部
22 スケジュール部
23 表示部
25 効果算出部
26 記憶蓄積部
R1 第1空間
R2 第2空間
Claims (13)
- 第1空間(R1)から空気を取り込む第1吸込口(4)と、
前記第1空間(R1)と異なる第2空間(R2)から空気を取り込む第2吸込口(5)と、
前記第1吸込口(4)から空気を取り込む第1状態と前記第2吸込口(5)から空気を取り込む第2状態とを切り替える切替手段(6)と、
前記第1吸込口(4)または前記第2吸込口(5)から取り込まれた空気の空気調和を行う空気調和部(2)と、
前記空気調和部(2)で空気調和された空気を前記第1空間(R1)に供給する吹出口(3)と、
を備える、空気調和装置(1)。 - 前記切替手段(6)の制御を行う切替選択部(21)をさらに備える、
請求項1に記載の空気調和装置(1)。 - 前記第1空間(R1)における空気の状態である第1検出値を検知する第1状態検知部(11)をさらに備え、
前記切替選択部(21)は、前記第1検出値に基づいて前記切替手段(6)の制御を行う、
請求項2に記載の空気調和装置(1)。 - 前記切替選択部(21)は、前記第2空間(R2)における空気の状態である第2検出値に基づいて前記切替手段(6)の制御を行う、
請求項2に記載の空気調和装置(1)。 - 前記第1空間(R1)における空気の状態である第1検出値を検知する第1状態検知部(11)をさらに備え、
前記切替選択部(21)は、前記第1検出値及び第2検出値に基づいて前記切替手段(6)の制御を行う
請求項4に記載の空気調和装置(1)。 - 前記切替選択部(21)は、前記第1検出値から導出される第1指標値と前記第2検出値から導出される第2指標値とを比較し、前記第1指標値が前記第2指標値に対して所定の劣悪度条件より劣悪である場合に前記第2状態を選択するよう前記切替手段(6)を制御し、前記第1指標値が前記第2指標値に対して所定の良好度条件より良好である場合に前記第1状態を選択するよう前記切替手段(6)を制御する、
請求項5に記載の空気調和装置(1)。 - スケジュールの設定を行うスケジュール部(22)をさらに備え、
前記切替選択部(21)は、前記スケジュール部で設定されたスケジュールに基づいて前記切替手段(6)を制御する、
請求項2から6のいずれかに記載の空気調和装置(1)。 - 前記第2空間(R2)は屋外の空間であり、
前記第2吸込口(5)は、外気を取り込む、
請求項1から7のいずれかに記載の空気調和装置(1)。 - 前記第2空間(R2)の空気は、前記第1空間(R1)の空気よりも平均的に良好である、
請求項1から7のいずれかに記載の空気調和装置(1)。 - 前記第1空間(R1)の空気を排気する排気装置をさらに備える、
請求項8または9に記載の空気調和装置(1)。 - 請求項1から10のいずれかに記載の空気調和装置(1)と、
前記空気調和装置(1)による効果を算出する効果算出部(25)と、
を備える、空気調和システム(31)。 - 前記空気調和装置(1)の運転状態及び/または前記効果算出部(25)により算出された効果を表示可能な表示部(23)をさらに備える、
請求項11に記載の空気調和システム(31)。 - 前記空気調和装置(1)の運転状態及び/または前記効果算出部(25)により算出された効果を記憶する記憶蓄積部(26)をさらに備える、
請求項11または12に記載の空気調和システム(31)。
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006053262A1 (en) * | 2004-11-10 | 2006-05-18 | Equatherm Inc. | An environmental balancing apparatus and method to do the same |
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-
2003
- 2003-02-04 JP JP2003026591A patent/JP2004239461A/ja active Pending
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