JP5057420B2 - 有機ビスマス化合物およびその製造方法 - Google Patents
有機ビスマス化合物およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5057420B2 JP5057420B2 JP2006025236A JP2006025236A JP5057420B2 JP 5057420 B2 JP5057420 B2 JP 5057420B2 JP 2006025236 A JP2006025236 A JP 2006025236A JP 2006025236 A JP2006025236 A JP 2006025236A JP 5057420 B2 JP5057420 B2 JP 5057420B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- general formula
- compound represented
- bismuth compound
- producing
- group
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
- 0 *C1C(*(*(*)(C2)C3)(C4=C2CC(O)=C(*)C(*)C4*)O)=C3C(*)=C(*)C1* Chemical compound *C1C(*(*(*)(C2)C3)(C4=C2CC(O)=C(*)C(*)C4*)O)=C3C(*)=C(*)C1* 0.000 description 1
Images
Description
一般式(II)
一般式(III)
また、一般式(II)で示される有機ビスマス化合物においては、R1〜R5は、前項と同じ意味を持つ。
次に、一般式(III)で示される有機ビスマスアルコキシドにおいて、R1〜R5は、前項と同じ意味を持ち、R6は炭素数1−20のアルキル基(該アルキル基は1位以外の部位が、フッ素原子、アミノ基(該アミノ基は炭素数1−10のアルキル基、フェニル基、ベンジル基で任意に置換されていてもよい)、炭素数1−10のアルコキシ基、炭素数1−10のアルキルチオ基、フェニルチオ基で任意に置換されていてもよい)、炭素数1−20のシクロアルキル基、アリール基(該アリール基は炭素数1−20のアルキル基、炭素数1−20のアルコキシ基、炭素数1−10のパーフルオロアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、アミノ基(該アミノ基は炭素数1−10のアルキル基、フェニル基、ベンジル基で任意に置換されていてもよい)、アセチル基、ベンゾイル基、炭素数1−20のアルコキシカルボニル基、炭素数1−20のアルキルチオ基、フェニルチオ基、シアノ基、ニトロ基、で任意に置換されていてもよい)であって、例えば、メチル、エチル、プロピル、t-ブチル、オクチル、ドデシル、ヘキサデシルなどのアルキル基、2,2,3,3,3−ペンタフロオロプロピル、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピルなどのフッ素置換アルキル基、2−アミノエチル、2−(ジメチルアミノ)エチル、2−(ジフェニルアミノ)エチル、2−(ジベンジルアミノ)エチル、3−アミノプロピル、5−アミノ−2,2−ジメチルペンチルなどのアミノ置換アルキル基、2−メトキシエチル、2,2−ジメトキシエチル、3−ブトキシプロピルなどのアルコキシ置換アルキル基、2−エチルチオエチル、3−メチルチオプロピルなどのアルキルチオ置換アルキル基、2−フェニルチオエチルなどのフェニルチオ置換アルキル基、シクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、シクロドデシルなどのシクロアルキル基、フェニル、4−t−ブチルフェニル、4−ドデシルフェニル、4−ブトキシフェニル、3,5−ジメトキシフェニル、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、ペンタフルオロフェニル、4−クロロフェニル、4−ブロモフェニル、4−ヨードフェニル、4−アミノフェニル、4−ジメチルアミノフェニル、4−ジフェニルアミノフェニル、4−ジベンジルアミノフェニル、4−アセチルフェニル、4−ベンゾイルフェニル、4−メトキシカルボニルフェニル、2−エトキシカルボニルフェニル、4−メチルチオフェニル、4−フェニルチオフェニル、4−シアノフェニル、4−ニトロフェニル、2,4−ジニトロフェニル、2,4,6−トリニトロフェニル、1−ナフチル、2−ナフチルなどのアリール基が挙げられる。
M(OH)n
で表され、Mは金属を示し、nはその金属の価数であり、例えばリチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属(その際、nは1である)やマグネシウム、カルシウムなどのアルカリ度類金属(その際、nは2である)が挙げられる。
M(OR6)n (VI)
で示される化合物であり、R6は一般式(III)と同じ意味を示し、M、nは一般式(V)と同じ意味を示す。
また、請求項6の製造方法における一方の原料は一般式(I)で示されるビスマス化合物であり、もう一方の原料は一般式(VII )
R6OH (VII)
で示される化合物であり、R6は一般式(III)と同じ意味を示す。
また、請求項7の製造方法における一方の原料は一般式(II)で示されるビスマス化合物であり、もう一方の原料は一般式(VII)で示される化合物である。
請求項4の製造方法において、2つの原料の混合比は反応の経済性を考えると1:1であることが好ましいが、一方の原料を過剰に用いることもでき、一般式(IV)と一般式(V)で示される原料の比は1:2〜2:1の間で実施できる。反応温度は、−100℃から+150℃の間で実施できるが、経済性や反応の選択性を考慮すると−30℃から80℃の間で行うのが好ましい。本反応は、必ずしも溶媒を必要としないが、反応の効率を考えると溶媒を使用して実施することが好ましい。一般式(IV)で示されるビスマス化合物は有機溶媒に溶解して用いるのが好ましく、一般式(V)で示される水酸化物は水溶液として用いるのが好ましい。有機溶媒としては、エーテル系、塩素化炭化水素系、芳香族炭化水素系、アルコール系、脂肪族炭化水素系などが挙げられるが、エーテル系、塩素化炭化水素系、芳香族炭化水素系が好ましく、具体的にはジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、トルエン、キシレン等が例示される。
請求項5の製造方法において、2つの原料の混合比は反応の経済性を考えると1:1であることが好ましいが、一方の原料を過剰に用いることもでき、一般式(IV)と一般式(VI)で示される原料の比は1:2〜2:1の間で実施できる。反応温度は、−100℃から+150℃の間で実施できるが、経済性や反応の選択性を考慮すると−30℃から80℃の間で行うのが好ましい。本反応は、必ずしも溶媒を必要としないが、溶媒を使用して実施することもできる。用いることのできる溶媒としては、エーテル系、塩素化炭化水素系、芳香族炭化水素系、アルコール系、脂肪族炭化水素系などが挙げられるが、エーテル系、塩素化炭化水素系、芳香族炭化水素系が好ましく、具体的にはジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、トルエン、キシレン等が例示される。また、アルコール系溶媒を用いる際には、一般式(VI)で示される一方の原料と同一の有機基R6を持つアルコールを用いることができる(例示すると、一般式(VI)で示される一方の原料がNaOCH3の場合、メタノール(CH3OH)を溶媒として用いることができる)。
請求項6の製造方法において、2つの原料の混合比は反応の経済性を考えると1:1であることが好ましいが、一方の原料を過剰に用いることもでき、一般式(I)と一般式(VII)で示される原料の比は2:1〜1:1000の間で実施できるが、好ましくは1.5:1〜1:50の間であり、より好ましくは1:1〜1:5の間である。反応温度は、−100℃から+150℃の間で実施できるが、経済性や反応の選択性を考慮すると−30℃から80℃の間で行うのが好ましく、0℃から40℃の間で行うのがより好ましい。本反応は、必ずしも溶媒を必要としないが、溶媒を使用して実施することもできる。用いることのできる溶媒としては、エーテル系、塩素化炭化水素系、芳香族炭化水素系、脂肪族炭化水素系などが挙げられるが、エーテル系、塩素化炭化水素系、芳香族炭化水素系が好ましく、具体的にはジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、トルエン、キシレン等が例示される。
請求項7の製造方法において、一般式(II)で示される原料と一般式(VII)で示されるもう一方の原料の混合比は反応の経済性を考えると1:2であることが好ましいが、一方の原料を過剰に用いることもでき、一般式(II)と一般式(VII)で示される原料の比は1:1〜1:1000の間で実施できるが、好ましくは1:1.5〜1:100の間であり、より好ましくは1:2〜1:10の間である。反応温度は、−100℃から+150℃の間で実施できるが、経済性や反応の選択性を考慮すると−30℃から80℃の間で行うのが好ましく、0℃から40℃の間で行うのがより好ましい。本反応は、必ずしも溶媒を必要としないが、溶媒を使用して実施することもできる。用いることのできる溶媒としては、エーテル系、塩素化炭化水素系、芳香族炭化水素系、脂肪族炭化水素系などが挙げられるが、エーテル系、塩素化炭化水素系、芳香族炭化水素系が好ましく、具体的にはジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタン、トルエン、キシレン等が例示される。
6−t−ブチル−12−クロロ−5,6,7,12−テトラヒドロジベンゾ[c,f][1,5]アザビスモシン8.00g(16.1mmol)のジクロロメタン溶液(200mL)に窒素雰囲気下水酸化ナトリウム水溶液(1.0M、160mL、160mmol)を加え、室温で15時間撹拌した。有機層を分離し、水150mLで3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下、溶媒を留去することにより表題化合物とビス(6−t−ブチル−5,6,7,12−テトラヒドロジベンゾ[c,f][1,5]アザビスモシン)オキシドの混合物を得た(7.60g、100%;1H NMR分析により、表題化合物とビス(6−t−ブチル−5,6,7,12−テトラヒドロジベンゾ[c,f][1,5]アザビスモシン)オキシドのモル比は1:0.28であった)。得られた混合物34mgを重クロロホルム0.6mLに溶解し、水10μLを添加すると完全に表題化合物となることを1H NMR分析により確認した。また、水を添加した状態で結晶化させることにより、表題化合物を結晶として得た。
1H NMR (CDCl3, 499.1MHz): δ 0.89 (1H, br s), 1.23 (9H, s), 3.93 (2H, d, J = 15.5 Hz), 4.32 (2H, d, J = 15.5 Hz), 7.22 (2H, dt, J = 1.2, 7.3 Hz), 7.29 (2H, d, J = 7.3 Hz), 7.43 (2H, t, J = 7.3 Hz), 8.12 (2H, dd, J = 1.0, 7.3 Hz )
単結晶X線構造解析で得られた構造図を図1に示す(水素原子は省略してある)。
実施例1に記載の方法により得られた表題化合物と6−t−ブチル−12−ヒドロキシ−5,6,7,12−テトラヒドロジベンゾ[c,f][1,5]アザビスモシンの混合物をトルエンより再結晶させることにより純粋な表題化合物を得た。再結晶により得られた結晶は、1H NMR分析およびX線構造解析によりトルエンを1:1の割合で含む結晶であることが分かった。
融点:189-193℃
元素分析: 計算値(C36H42Bi2N2O・C7H8)C, 50.20; H, 4.90; N, 2.72. 実測値 C, 50.27; H, 4.75; N, 2.77.1H NMR (CDCl3, 499.1MHz): δ 1.21 (18, s), 3.87 (4H, d, J= 15.2 Hz), 4.27 (4H, d, J= 15.2 Hz), 7.16 (4H, dt, J= 1.2, 7.5 Hz), 7.26 (4H, d, J= 7.0 Hz), 7.34 (4H, dt, J= 0.9, 7.3 Hz), 8.50 (4H, dd, J= 0.9, 7.3 Hz). 13C NMR (CDCl3, 125.4MHz): δ 27.30, 57.85, 58.04, 127.05, 127.19, 128.70, 135.54, 150.07, 171.50.
単結晶X線構造解析で得られた構造図を図2に示す(水素原子は省略してある)。
6−t−ブチル−12−クロロ−5,6,7,12−テトラヒドロジベンゾ[c,f][1,5]アザビスモシン496mg(1.00mmol)に窒素雰囲気下カリウムt−ブトキシド(1.10mmol)のt−ブチルアルコール溶液(15mL)を加え、室温で24時間撹拌した。溶媒を減圧下留去後、トルエン(20mL)を加え窒素雰囲気下セライトを用いて不溶物を除いた。減圧下溶媒を留去し、生成した固体をトルエン/ヘキサン混合溶媒により再結晶することにより表題化合物を白色固体として得た(408mg、76%)。
1H NMR (C6D6, 499.1MHz): δ 0.85 (9H, s), 1.71 (9H, s), 3.51 (2H, d, J= 15.5 Hz), 3.83 (2H, d, J= 15.5 Hz), 7.03 (2H, d, J= 7.6 Hz), 7.14 (2H, dt, J= 1.2, 7.3 Hz), 7.43 ( 2H, dt, J= 0.9, 7.3 Hz), 8.86 (2H, dd, J= 1.2, 7.3 Hz).
ビス(6−t−ブチル−5,6,7,12−テトラヒドロジベンゾ[c,f][1,5]アザビスモシン)オキシド(1.50g、1.60mmol)をt−ブチルアルコール(10.0mL)及びトルエン(10mL)の混合物に溶解し、室温で24時間撹拌した。真空下溶媒を留去することにより白色固体を得た。1H NMRにより、原料のビスマス化合物が若干残っているが、90%以上の収率で表題化合物が生成していることを確認した。
6−t−ブチル−12−クロロ−5,6,7,12−テトラヒドロジベンゾ[c,f][1,5]アザビスモシン3.00g(6.05mmol)のジクロロメタン溶液(90mL)に窒素雰囲気下水酸化ナトリウム水溶液(1.0M、60mL、60mmol)を加え、室温で4時間激しく撹拌した。有機層を分離し、水30mLで3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。生成した6−t−ブチル−12−ヒドロキシ−5,6,7,12−テトラヒドロジベンゾ[c,f][1,5]アザビスモシンとビス(6−t−ブチル−5,6,7,12−テトラヒドロジベンゾ[c,f][1,5]アザビスモシン)オキシドの混合物をメタノール(100mL)に溶解し、室温で2日間撹拌した。溶媒を真空下留去後、残った固体をジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒で再結晶することにより表題化合物を白色結晶として得た(2.19g、収率74%)。
融点:159-160℃
元素分析: 計算値(C19H24BiNO)C, 46.44; H, 4.92; N, 2.85. 実測値 C, 46.35; H, 4.77; N, 2.66.1H NMR (CDCl3, 499.1MHz): δ 1.24 (9H, s), 3.89 (2H, d, J= 15.2 Hz), 4.24 (3H, s), 4.30 (2H, d, J= 15.2 Hz), 7.21 (2H, dt, J= 1.3, 7.4 Hz), 7.29 (2H, dd, J= 0.6, 7.6 Hz), 7.42 ( 2H, dt, J= 0.9, 7.3 Hz), 8.14 (2H, dd, J= 1.1, 7.5 Hz). 13C NMR (CDCl3, 125.4MHz): δ 27.34, 56.33, 58.53, 127.53, 127.58, 129.36, 135.55, 150.06, 171.06.
単結晶X線構造解析で得られた構造図を図3に示す(水素原子は省略してある)。
ビス(6−t−ブチル−5,6,7,12−テトラヒドロジベンゾ[c,f][1,5]アザビスモシン)オキシド(1.50g、1.60mmol)及びノナノール(2.0mL,11mmol)のトルエン溶液(2mL)を室温で2日間撹拌した。溶媒および過剰のノナノールを真空下加熱留去することにより表題化合物を定量的な収率で得た。
1H NMR (C6D6, 499.1MHz): δ 0.82 (9H, s), 0.94 (3H, t, J = 6.9 Hz), 1.55-1.62 (2H, m), 1.80-1.88 (2H, m), 2.10-2.16 (2H, m), 3.50 (2H, d, J= 15.2 Hz), 3.80 (2H, d, J= 15.2 Hz), 4.74 (2H, t, J = 6.5 Hz), 7.04 (2H, d, J= 7.0 Hz), 7.14 (2H, dt, J= 1.2, 7.3 Hz), 7.43 (2H, dt, J= 1.2, 7.3 Hz), 8.79 (2H, dd, J= 1.2, 7.3 Hz).
ビス(6−t−ブチル−5,6,7,12−テトラヒドロジベンゾ[c,f][1,5]アザビスモシン)オキシド(40mg、0.043mmol)及びドデカノール(32mg,0.17mmol)を重クロロホルム(0.6mL)に溶解し、室温で2時間放置した。1H NMR測定により、表題化合物が84%の収率で生成していることを確認した。
1H NMR (CDCl3, 499.1MHz): δ 0.88 (3H, t, J = 7.0 Hz), 1.22-1.40 (14H, m), 1.25-1.50 (8H, m), 1.25 (9H, s), 1.42-1.59 (4H, m), 1.74 (2H, quint, J = 7.3 Hz), 3.88 (2H, d, J= 15.2 Hz), 4.29 (2H, d, J= 15.2 Hz), 4.32 (2H, t, J = 6.7 Hz), 7.20 (2H, t, J= 7.3 Hz), 7.27 (2H, d, J= 7.3 Hz), 7.41 (2H, t, J= 7.3 Hz), 8.22 (2H, d, J= 7.3 Hz).
6−t−ブチル−12−クロロ−5,6,7,12−テトラヒドロジベンゾ[c,f][1,5]アザビスモシン3.00g(6.05mmol)のジクロロメタン溶液(90mL)に窒素雰囲気下水酸化ナトリウム水溶液(1.0M、60mL、60mmol)を加え、室温で4時間激しく撹拌した。有機層を分離し、水30mLで3回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。生成した6−t−ブチル−12−ヒドロキシ−5,6,7,12−テトラヒドロジベンゾ[c,f][1,5]アザビスモシンとビス(6−t−ブチル−5,6,7,12−テトラヒドロジベンゾ[c,f][1,5]アザビスモシン)オキシドの混合物をジクロロメタン(30mL)に溶解し、フェノール628mg(6.67mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。溶媒を真空下留去後、残った固体をジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒で再結晶することにより表題化合物を白色結晶として得た(2.84g。再結晶により得られた結晶は、表題化合物1分子に対しジクロロメタンを1/2分子の割合で含む結晶として得られ(1H−NMRおよびX線構造解析による)、これを考慮に入れると表題化合物の収率は79%である。また、真空乾燥後も1H−NMR分析によりジクロロメタンは完全には留去されず表題化合物に対し1/5の割合で残っていた。
融点:216-217℃
元素分析: 計算値(C24H26BiNO・1/5CH2Cl2)C, 50.95; H, 4.66; N, 2.46. 実測値 C, 51.14; H, 4.49; N, 2.63.1H NMR (CDCl3, 499.1MHz): δ 1.27 (9H, s), 4.02 (2H, d, J= 15.5 Hz), 4.41 (2H, d, J= 15.5 Hz), 6.71 (1H, t, J= 7.2 Hz), 6.90 (2H, dd, J= 0.9, 8.5 Hz), 7.20-7.24 (2H, m), 7.25 (2H, dt, J= 1.2, 7.3 Hz), 7.36 (2H, d, J= 7.3 Hz), 7.47 (2H, dt, J= 0.9, 7.3 Hz), 8.37 (2H, dd, J= 1.1, 7.5 Hz). 13C NMR (CDCl3, 125.4MHz): δ 27.49, 59.19, 59.40, 116.74, 120.40, 127.57, 127.92, 129.36, 129.98, 136.41, 150.48, 165.87, 173.26.
単結晶X線構造解析で得られた構造図を図4に示す(水素原子は省略してある)。
ビス(6−t−ブチル−5,6,7,12−テトラヒドロジベンゾ[c,f][1,5]アザビスモシン)オキシド(40mg、0.043mmol)及び4−tert−ブチルフェノール(13mg,0.087mmol)を重ベンゼン(1.0mL)中、室温で15時間撹拌した。1H NMR測定により、表題化合物が定量的に生成していることを確認した。
1H NMR (C6D6, 499.1MHz) d: 1.27 (9H, s), 1.31 (9H, s), 4.01 (2H, d, J = 15.2 Hz), 4.41 (2H, d, J = 15.2 Hz), 6.82-6.86 (2H, m), 7.22-7.27 (4H, m), 7.35 (2H, d,
J = 7.3 Hz), 7.47 (2H, t, J = 7.3 Hz), 8.37 (2H, dd, J = 1.0, 7.3 Hz). 13C-NMR (CDCl3) 27.51, 31.75, 33.84, 59.13, 59.36, 119.57, 126.07, 127.53, 127.89, 129.97, 136.45, 139.24, 150.42, 163.39, 173.24.
ビス(6−t−ブチル−5,6,7,12−テトラヒドロジベンゾ[c,f][1,5]アザビスモシン)オキシド(0.468mg、0.50mmol)及び2−アミノエタノール(0.061g,1.0mmol)のテトラヒドロフラン溶液(15mL)を室温で60時間撹拌した。溶媒を真空下留去後、生成物をエーテル/ヘキサン混合溶媒で再結晶することにより表題化合物を無色結晶として得た(0.47g、収率90%)。
1H NMR (C6D6, 499.1MHz): δ 0.83 (9H, s), 1.23 (2H, br), 3.12 (2H, br), 3.51 (2H, d, J = 15.2 Hz), 3.81 (2H, d, J = 15.2 Hz), 4.59 (2H, t, J = 5.0 Hz), 7.05 (2H, d, J = 7.6 Hz), 7.14 (2H, dt, J = 1.2, 7.3 Hz), 7.42 (2H, dt, J = 0.6, 7.3 Hz), 8.72 (2H, dd, J = 1.2, 7.3 Hz).
単結晶X線構造解析で得られた構造図を図5に示す(水素原子は省略してある)。
ビス(6−t−ブチル−5,6,7,12−テトラヒドロジベンゾ[c,f][1,5]アザビスモシン)オキシド(0.468mg、0.50mmol)及び2−メチルアミノエタノール(0.075g,1.0mmol)のテトラヒドロフラン溶液(15mL)を室温で48時間撹拌した。溶媒を真空下留去後、1H NMRで生成物を分析することにより、表題化合物が90%の収率で生成していることを確認した。
1H NMR (C6D6, 499.1MHz): δ 0.84 (9H, s), 2.17 (1H, br), 2.49 (3H, d, J = 6.1 Hz), 3.06 (2H, br q, J = 5.6 Hz), 3.52 (2H, d, J = 15.2 Hz), 3.82 (2H, d, J = 15.2 Hz), 4.74 (2H, t, J = 5.0 Hz), 7.06 (2H, d, J = 7.6 Hz), 7.14 (2H, dt, J = 1.2, 7.3 Hz), 7.43 (2H, dt, J = 0.6, 7.3 Hz), 8.72 (2H, dd, J = 1.0, 7.3 Hz).
ビス(6−t−ブチル−5,6,7,12−テトラヒドロジベンゾ[c,f][1,5]アザビスモシン)オキシド100mg(0.107mmol)をトルエン(7mL)に溶解し、空気中で室温下約4時間半激しく撹拌した。溶媒を留去し、1H NMR分析を行いビス(6−t−ブチル−5,6,7,12−テトラヒドロジベンゾ[c,f][1,5]アザビスモシン)カーボナートが定量的に生成していることを確認した。さらに、生成物をトルエンとジクロロメタンの混合溶媒により再結晶することにより無色透明な結晶を得た。再結晶により得られた結晶は、1H NMR分析によりビス(6−t−ブチル−5,6,7,12−テトラヒドロジベンゾ[c,f][1,5]アザビスモシン)カーボナート1分子に対しジクロロメタンを1分子およびトルエンを1/4分子の割合で含有することを確認した。
元素分析: 計算値(C37H42Bi2N2O3・CH2Cl2・1/4C7H8)C, 43.85; H, 4.26; N, 2.57. 実測値 C, 44.03; H, 4.07; N, 2.38.1H NMR (CDCl3, 499.1MHz): δ 1.29 (18H, s), 4.03 (4H, d, J= 15.2 Hz), 4.43 (4H, d, J= 15.2 Hz), 7.22 (4H, t, J= 7.3 Hz), 7.34 (4H, d, J= 7.6 Hz), 7.40 (4H, t, J= 7.3 Hz), 8.43 (4H, d, J= 7.3 Hz). 13C NMR (CDCl3, 125.4MHz): δ 27.41, 59.21, 59.72, 127.30, 127.46, 129.78, 137.70, 151.05, 166.88, 176.70.
単結晶X線構造解析で得られた構造図を図6に示す(水素原子は省略してある)。
ビス(6−t−ブチル−5,6,7,12−テトラヒドロジベンゾ[c,f][1,5]アザビスモシン)オキシド100mg(0.107mmol)を窒素雰囲気下シュレンク型ガラス器具に入れ、雰囲気を二酸化炭素に置換した。無水ジクロロメタン5mLを加え、1気圧の二酸化炭素雰囲気下10分間室温にて撹拌した。減圧下溶媒留去後、残った固体を1H−NMRにより分析し、定量的に表題化合物が生成していることを確認した。
ネジ式テフロン(登録商標)密閉栓付きのNMRサンプル管に6−t−ブチル−12−メトキシ−5,6,7,12−テトラヒドロジベンゾ[c,f][1,5]アザビスモシン25mg(0.051mmol)のテトラヒドロフラン−d8(0.6mL)を加え、約1.2気圧の二酸化炭素雰囲気下密閉した。室温で約1時間放置したのちNMR分析を行うと、(6−t−ブチル−5,6,7,12−テトラヒドロジベンゾ[c,f][1,5]アザビスモシン)(メチル)カーボナートが90%以上の収率で生成していることを確認した。二酸化炭素雰囲気下で結晶化させることにより単結晶として単離することが可能であり、X線構造解析に構造を確定した。
1H NMR (CD2Cl2, 499.1MHz): δ 1.33 (9H, s), 3.75 (3H, s), 4.14 (2H, d, J= 15.5 Hz), 4.56 (2H, d, J= 15.2 Hz), 7.32 (2H, dt, J= 1.2, 7.3 Hz), 7.45-7.52 (4H, m), 8.12 (2H, dd, J= 0.9, 7.3 Hz).
単結晶X線構造解析で得られた構造図を図7に示す(水素原子は省略してある)。
Claims (22)
- 請求項1に記載された一般式(I)で表されるビスマス化合物と
一般式(VII)
R6OH (VII)
(式中、R6は前項と同じ意味を示す)で表される化合物とを反応させることによる請求項3に記載された一般式(III)で表されるビスマス化合物の製造方法。 - 請求項2に記載された一般式(II)で表されるビスマス化合物と請求項6に記載された一般式(VII)で表される化合物とを反応させることによる請求項3に記載された一般式(III)で表されるビスマス化合物の製造方法。
- 一般式(IV)においてXがハロゲン原子である請求項4に記載の一般式(I)および(II)で表されるビスマス化合物の製造方法。
- 一般式(IV)においてXがハロゲン原子である請求項5に記載の一般式(III)で表されるビスマス化合物の製造方法。
- 一般式(V)においてMがアルカリ金属またはアルカリ土類金属である請求項4に記載の一般式(I)および(II)で表されるビスマス化合物の製造方法。
- 一般式(VI)においてMがアルカリ金属またはアルカリ土類金属である請求項5に記載の一般式(III)で表されるビスマス化合物の製造方法。
- 一般式(V)においてMがアルカリ金属またはアルカリ土類金属である請求項8に記載の一般式(I)および(II)で表されるビスマス化合物の製造方法。
- 一般式(VI)においてMがアルカリ金属またはアルカリ土類金属である請求項9に記載の一般式(III)で表されるビスマス化合物の製造方法。
- 一般式(IV)においてXがフッ素または塩素原子である請求項4に記載の一般式(I)および(II)で表されるビスマス化合物の製造方法。
- 一般式(IV)においてXがフッ素または塩素原子である請求項5に記載の一般式(III)で表されるビスマス化合物の製造方法。
- 一般式(V)においてMがアルカリ金属である請求項4に記載の一般式(I)および(II)で表されるビスマス化合物の製造方法。
- 一般式(VI)においてMがアルカリ金属である請求項5に記載の一般式(III)で表されるビスマス化合物の製造方法。
- 一般式(V)においてMがアルカリ金属である請求項8に記載の一般式(I)および(II)で表されるビスマス化合物の製造方法。
- 一般式(VI)においてMがアルカリ金属である請求項9に記載の一般式(III)で表されるビスマス化合物の製造方法。
- 一般式(V)においてMがアルカリ金属である請求項14に記載の一般式(I)および(II)で表されるビスマス化合物の製造方法。
- 一般式(VI)においてMがアルカリ金属である請求項15に記載の一般式(III)で表されるビスマス化合物の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のビスマス化合物を用いた二酸化炭素固定化材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006025236A JP5057420B2 (ja) | 2006-02-02 | 2006-02-02 | 有機ビスマス化合物およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006025236A JP5057420B2 (ja) | 2006-02-02 | 2006-02-02 | 有機ビスマス化合物およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007204427A JP2007204427A (ja) | 2007-08-16 |
JP5057420B2 true JP5057420B2 (ja) | 2012-10-24 |
Family
ID=38484201
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006025236A Expired - Fee Related JP5057420B2 (ja) | 2006-02-02 | 2006-02-02 | 有機ビスマス化合物およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5057420B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5019441B2 (ja) * | 2007-04-04 | 2012-09-05 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | 有機アンチモン化合物、その製造方法及びこれを用いたセンサー |
CN101508704B (zh) * | 2009-03-24 | 2014-04-09 | 湖南大学 | 含桥式氮原子配体的有机铋离子化合物及其制备与应用 |
CN101508703B (zh) * | 2009-03-24 | 2014-02-26 | 湖南大学 | 含桥式硫原子配体的有机铋离子化合物及其制备与应用 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11335487A (ja) * | 1998-05-22 | 1999-12-07 | Kuraray Co Ltd | 抗菌・抗カビ性を有する有機重合体 |
JP2000355511A (ja) * | 1999-04-13 | 2000-12-26 | Nissan Chem Ind Ltd | ビスモシン化合物を含有する工業用抗菌・抗カビ剤、殺藻剤及び生物付着防止剤 |
JP2004137165A (ja) * | 2002-10-16 | 2004-05-13 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 含窒素複素環化合物の製造方法 |
-
2006
- 2006-02-02 JP JP2006025236A patent/JP5057420B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2007204427A (ja) | 2007-08-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5057420B2 (ja) | 有機ビスマス化合物およびその製造方法 | |
JP5665041B2 (ja) | ヨードニウム化合物、その製造方法、及び官能基化スピロ環状化合物とその製造方法 | |
JP5019441B2 (ja) | 有機アンチモン化合物、その製造方法及びこれを用いたセンサー | |
JP2017530997A (ja) | ハロ置換トリフルオロアセトフェノンを調製する方法 | |
JP2586950B2 (ja) | p‐又はm‐tert―ブトキシベンズアルデヒドの製造法 | |
JP3477631B2 (ja) | 1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,3,3−テトラオルガノジシロキサンの精製方法 | |
JPS6232188B2 (ja) | ||
JP4635251B2 (ja) | 有機ビスマス化合物およびその製法 | |
US6667422B2 (en) | Process for the preparation of α-haloketones | |
FR2543547A1 (fr) | Nouveaux mono et bis-chlorosulfonates, utiles notamment comme intermediaires, et leurs procedes de preparation | |
RU2127258C1 (ru) | Способ получения сульфоксидов | |
EP0203195A1 (en) | Fluorine-substituted phenyl benzoates and process for their prep aration | |
JP2734646B2 (ja) | 2,2―ジフルオロカルボン酸誘導体の新規合成法 | |
JP3634874B2 (ja) | トリフルオロメチルアセチレン誘導体、その製造方法およびその中間体の製造方法 | |
JP4800933B2 (ja) | シクロプロパンモノアセタール誘導体の製造方法およびその中間体 | |
UA78876C2 (en) | Process for production of an acetylenic compound | |
JP2000063321A (ja) | 光学純度の高い長鎖β−ヒドロキシカルボン酸の製造方法 | |
JP2000247988A (ja) | 光学活性なビニルホスフィンオキシドの製造方法 | |
JP4641772B2 (ja) | フラノンの製造方法 | |
JP2021080211A (ja) | (メタ)アクリル酸無水物の製造方法 | |
JP2002069038A (ja) | トリフルオロメチル基含有ベンゾイルギ酸アルキル類、その製造方法およびトリフルオロメチル基含有フェニル酢酸の製造方法 | |
Bunce et al. | An improved Synthesis of Methyl (E)-5-Nitro-2-Pentenoate | |
JPH0940596A (ja) | 2,3,6,7,10,11−ヘキサアルコキシトリフェニレン類の製造法 | |
JPH11322663A (ja) | γ−フルオロアセト酢酸誘導体の製造方法 | |
JP2006052164A (ja) | (4e)−5−クロロ−2−(1−メチルエチル)−4−ペンテン酸エステルの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080905 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20111012 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20111025 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20111222 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120313 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120514 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120605 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120629 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120724 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120726 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150810 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |