JPH11335487A - 抗菌・抗カビ性を有する有機重合体 - Google Patents

抗菌・抗カビ性を有する有機重合体

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JPH11335487A
JPH11335487A JP10158501A JP15850198A JPH11335487A JP H11335487 A JPH11335487 A JP H11335487A JP 10158501 A JP10158501 A JP 10158501A JP 15850198 A JP15850198 A JP 15850198A JP H11335487 A JPH11335487 A JP H11335487A
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bismuth compound
organic
organic bismuth
antibacterial
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JP10158501A
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Kazutoshi Terada
和俊 寺田
Hitomi Suzuki
仁美 鈴木
Toru Ikegami
亨 池上
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安全性が高く、時間の経過や長期使用後も高
い抗菌・抗カビ効果を維持し、水等の溶剤によって除か
れにくくて抗菌・抗カビ効果の低減の少ない有機重合
体、並びにそれに有効に用い得る抗菌・抗カビ剤の提
供。 【解決手段】 下記の一般式(I)及び/又は(II)で
表される有機ビスマス化合物を有効成分とする抗菌・抗
カビ剤を含有又は付着した有機重合体により上記課題が
解決される。 【化1】 (式中、D1はメチレン基又は単結合、E1はモノアルキ
ルイミノ基、スルホン基、スルホキシド基、炭素数1〜
3のアルキレン基、酸素原子及びイオウ原子より選ばれ
る2価の基又は単結合、R1及びR2は水素原子又はアル
コキシ基、X1はハロゲン原子又はアシロキシ基、R3
置換基を有していてもよいフェニル基、X2はハロゲン
原子、トルエンスルホニル基、アシロキシ基又は1級ア
ミノ基を示し、mは1〜4の整数、nは0〜4の整数で
且つm+nは3又は5であり、mが3のときにnは2で
ある。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、特定の有機ビスマ
ス化合物を添加含有するか又は付着した抗菌・抗カビ性
に優れる有機重合体、それに有効に用い得る有機ビスマ
ス化合物、および有機ビスマス化合物よりなる抗菌・抗
カビ剤に関する。
【0002】
【従来の技術】人間の生活環境下には種々の細菌類やカ
ビなどが棲息しており、人体、家庭用品、衣類、家屋や
車両などの内装材、家具、寝具などに付着して繁殖し、
皮膚障害やゼンソクなどの種々の疾病を引き起こした
り、前記した製品の変質や劣化、悪臭の発生などをもた
らしている。
【0003】我々の身の回りにある上記した製品は、近
年、プラスチック、ゴム、合成繊維などの有機重合体を
用いて形成されている場合が多く、そのため有機重合体
に抗菌性や抗カビ性を付与して細菌やカビなどによる被
害を防ぐ技術が従来から求められており、多くの研究が
なされてきた。
【0004】例えば、抗菌性を付与するために、有機錫
化合物や有機水銀化合物を有機重合体に添加したり、有
機重合体の表面に付着させていた時期があるが、これら
の化合物自体の毒性が問題となり、その大半が使用中止
となっている。また、抗菌性を有する銀や銅などの金属
イオンを保持させたゼオライト、セラミックスを練り込
んだ有機重合体材料なども提案されている(特公昭63
−54013号公報、特開昭63−175117号公報
など)。しかしながら、これらの従来技術による場合
は、有機重合体成形品の表面に存在する金属イオンの量
が、時間の経過や使用に伴って低減してゆき、耐久性の
ある抗菌作用を発揮できず、実用性の点で十分に満足に
ゆくものではない。
【0005】また、安全性が高いと言われているシリコ
ーン系の第4級アンモニウム塩などからなる抗菌・抗カ
ビ剤を付着させた繊維を用いて抗菌・抗カビ性のカーペ
ットを製造する方法も提案されている(特開昭57−5
1874号公報)。しかし、ここで用いているシリコー
ン系の第4級アンモニウム塩は、水に代表される溶剤に
よって除かれ易く、抗菌・抗カビ効果が実使用条件にお
いて長期間にわたって持続しないという問題点を有して
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、人体
に対する安全性が高く、時間が経過したり長期間使用し
ても高い抗菌・抗カビ効果を維持し、しかも水などの溶
剤によって除かれにくくて抗菌・抗カビ効果の低減の少
ない、抗菌・抗カビ性に優れる有機重合体を提供するこ
とである。そして、本発明の目的は、前記した抗菌・抗
カビ性に優れる有機重合体の製造に有効に使用できる、
抗菌・抗カビ剤、およびそのための化合物を提供するこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
を達成すべく、抗菌・抗カビ剤の金属原子種や化学構
造、抗菌・抗カビ剤と有機重合体との間の親和性、有機
重合体に抗菌・抗カビ剤を混合したり付着させた際の抗
菌・抗カビ剤の物性低下や変質などの種々の点について
検討を行ってきた。その結果、特定の有機ビスマス化合
物が良好な抗菌・抗カビ特性を有すること、しかも有機
重合体と親和性が高くて、有機重合体中に均一に混合・
分散させたり、有機重合体表面に強固に付着させ得るこ
と、そして高温下で有機重合体中に練り込んだり、混合
・分散させた場合にも分解や変質が生じず、高い抗菌・
抗カビ性能を維持し、実使用条件下において長期にわた
って抗菌・抗カビ性に優れる各種の有機重合体製品を提
供できることを見出した。そして、本発明者らが更に調
査・検討を重ねたところ、その際に用いた有機ビスマス
化合物のうちの特定のものは、従来知られていない新規
な化合物であることが判明し、それらの種々の知見に基
づいて本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、下記の一般式
(I);
【0009】
【化8】 (式中、D1はメチレン基または単結合を示し、E1はモ
ノアルキルイミノ基、スルホン基、スルホキシド基、炭
素数1〜3のアルキレン基、酸素原子およびイオウ原子
より選ばれる2価の基または単結合を示し、R1および
2はそれぞれ独立して水素原子またはアルコキシ基を
示し、X1はハロゲン原子またはアシロキシ基を示
す。)で表される有機ビスマス化合物[以下これを「有
機ビスマス化合物(I)」という];及び、下記の一般
式(II);
【0010】
【化9】 (式中、R3は置換基を有していてもよいフェニル基を
示し、X2はハロゲン原子、トルエンスルホニル基、ア
シロキシ基または1級アミノ基を示し、mは1〜4の整
数、nは0〜4の整数であって、且つm+nは3または
5であり、mが3のときにnは2である。)で表される
有機ビスマス化合物[以下これを「有機ビスマス化合物
(II)」という);から選ばれる有機ビスマス化合物の
少なくとも1種を含有するか又は付着したことを特徴と
する有機重合体である。
【0011】さらに、本発明は、下記の一般式(I−
A);
【0012】
【化10】 (式中、D2はメチレン基または単結合を示し、E2は、
2がメチレン基のときにスルホン基、スルホキシド
基、炭素数1〜3のアルキレン基およびイオウ原子から
選ばれる2価の基であり、またD2が単結合のときにモ
ノアルキルイミノ基、スルホン基、スルホキシド基、炭
素数1〜3のアルキレン基、酸素原子およびイオウ原子
より選ばれる2価の基または単結合であり、R1aおよび
2aはそれぞれ独立して水素原子またはアルコキシ基を
示し、X1aはハロゲン原子またはアシロキシ基を示
す。)で表される新規な有機ビスマス化合物を包含す
る。
【0013】そして、本発明は、下記の一般式(II−
A);
【0014】
【化11】 (式中、R3aは炭素数3〜7のオキサゾリル基で置換さ
れているフェニル基を示し、R3bは置換基を有していて
もよいフェニル基を示し、X2aはハロゲン原子、トルエ
ンスルホニル基、アシロキシ基または1級アミノ基を示
し、m1は0〜4の整数、n1は0〜4の整数であり、且
つm1+n1は2または4である。)で表される新規な有
機ビスマス化合物またはその塩を包含する。
【0015】そして、本発明は、上記の有機ビスマス化
合物(I)および有機ビスマス化合物(II)から選ばれ
る有機ビスマス化合物の少なくとも1種を有効成分とす
ることを特徴とする抗菌・抗カビ剤である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。まず、本発明で用いる有機ビスマス化合物(I)
について説明する。上記の一般式(I)で表される有機
ビスマス化合物(I)において、D1はメチレン基また
は単結合(−)を示す。また、有機ビスマス化合物
(I)において、E1は、モノアルキルイミノ基(−N
4−;式中R4はアルキル基を示す)、スルホン基、ス
ルホキシド基、炭素数1〜3のアルキレン基(メチレン
基、エチレン基またはプロピレン基)、酸素原子および
イオウ原子より選ばれる2価の基または単結合を示す。
1がモノアルキルイミノ基(−NR4−)である場合
に、そのアルキル基R4は、炭素数1〜4の低級アルキ
ル基であることが好ましく、したがってモノアルキルイ
ミノ基の好ましい具体例としては、メチルイミノ基、エ
チルイミノ基、n−プロピルイミノ基、イソプロピルイ
ミノ基、n−ブチルイミノ基、t−ブチルイミノ基など
を挙げることができる。
【0017】そして、有機ビスマス化合物(I)におい
て、R1およびR2はそれぞれ独立して水素原子またはア
ルコキシ基であり、アルコキシ基である場合はメトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのよう
な炭素数1〜4のアルコキシ基であることが好ましい。
【0018】また、有機ビスマス化合物(I)におい
て、X1はハロゲン原子またはアシロキシ基である。そ
の際のハロゲン原子の具体例としては、塩素、ヨウ素、
臭素またはフッ素を挙げることができ、塩素またはヨウ
素であることが好ましい。X1がアシロキシ基である場
合は、脂肪族アシロキシ基または芳香族アシロキシ基の
いずれであってもよく、具体例としては、アセチルオキ
シ基(アセトキシ基)、プロピオニルオキシ基、ブチリ
ルオキシ基、イソブチリルオキシ基、バレリルオキシ
基、イソバレルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ラウロ
イルオキシ基、ミリストイルオキシ基、パルミトイルオ
キシ基、ステアロイルオキシ基、アクリロイルオキシ
基、ベンゾイルオキシ基、トルオイルオキシ基、サリチ
ロイルオキシ基などを挙げることができ、これらのうち
でも、炭素数が2〜5の飽和脂肪族アシロキシ基、ベン
ゾイルオキシ基またはトルオイルオキシ基であることが
好ましい。
【0019】本発明で用いる有機ビスマス化合物(I)
の例としては、下記に記載する一般式(I−a)〜(I
−l)で表される有機ビスマス化合物を挙げることがで
きる。
【0020】
【化12】 (式中、R1、R2、R4およびX1は上記したのと同じ基
を示す。)
【0021】次に、本発明で用いる上記の一般式(II)
で表される有機ビスマス化合物(II)について説明す
る。有機ビスマス化合物(II)において、R3は置換基
を有していてもよいフェニル基である。R3が置換基を
有するフェニル基である場合に、置換基の例としては、
炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜7のオキサゾリ
ニル基、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基な
どを挙げることができ、そのうちでもメチル基、エチル
基、プロピレン基、ブチル基などの炭素数1〜4のアル
キル基、炭素数3〜7のオキサゾリニル基であることが
好ましい。
【0022】また、有機ビスマス化合物(II)におい
て、X2はハロゲン原子、トルエンスルホニル基、アシ
ロキシ基または1級アミノ基である。X2がハロゲン原
子である場合は塩素、ヨウ素、臭素またはフッ素を挙げ
ることができ、特に塩素またはヨウ素であることが好ま
しい。Xがアシロキシ基である場合は、脂肪族アシロキ
シ基または芳香族アシロキシ基のいずれであってもよ
く、具体例としては、アセチルオキシ基(アセトキシ
基)、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソ
ブチリルオキシ基、バレリルオキシ基、イソバレルオキ
シ基、ピバロイルオキシ基、ラウロイルオキシ基、ミリ
ストイルオキシ基、パルミトイルオキシ基、ステアロイ
ルオキシ基、アクリロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ
基、トルオイルオキシ基、サリチロイルオキシ基などを
挙げることができ、これらのうちでも、炭素数が2〜5
の飽和脂肪族アシロキシ基、ベンゾイルオキシ基または
トルオイルオキシ基であることが好ましい。
【0023】そして、有機ビスマス化合物(II)におい
て、mは1〜4の整数、nは0〜4の整数であり、且つ
m+nは3または5であり、mが3のときにnは2であ
る。そのうちでも、有機ビスマス化合物(II)として
は、m+nが3である有機ビスマス化合物が、製造の容
易性、熱安定性、長期保存性などの点から好ましい。上
記の一般式(II)において、mが3のときにnが0であ
る有機ビスマス化合物のうちで、特にトリフェニルビス
マス、トリ(2−メトキシフェニル)ビスマスなどの有
機ビスマス化合物は、抗菌・抗カビ性能を有しておら
ず、そのため、本発明で用いる上記の有機ビスマス化合
物(II)の範疇には含まれない。
【0024】有機ビスマス化合物(II)の例としては、
下記の一般式(II−a)〜(II−d)で表される有機ビ
スマス化合物を挙げることができる。
【0025】
【化13】 (式中、R3およびX2は前記したのと同じ基を示す。)
上記したうちでも、有機ビスマス化合物(II)として
は、一般式(II−a)および(II−b)で表される有機
ビスマス化合物が、製造の容易性、安定性などの点から
好ましい。
【0026】上記した有機ビスマス化合物(I)および
有機ビスマス化合物(II)のいずれもが、抗菌・抗カビ
剤として有効であり、特に有機重合体への抗菌・抗カビ
性の付与の目的で有効に使用することができる。有機ビ
スマス化合物(I)および/または有機ビスマス化合物
(II)よりなる本発明の抗菌・抗カビ剤、並びにそれら
の有機ビスマス化合物の少なくとも1種を添加含有する
かまたは付着した本発明の有機重合体は、黒カビ、青カ
ビ、枯草菌、緑膿菌、大腸菌、腸炎ビブリオ菌、サルモ
ネラ菌、白鮮菌、肺炎棹菌、MRSAなどの種々の菌類
やカビ類に対して、良好な抗菌および/または抗カビ作
用を示す。本発明では、上記した有機ビスマス化合物
(I)および有機ビスマス化合物(II)は、単独で用い
てもまたは2種類以上を併用してもよい。
【0027】本発明では、上記した有機ビスマス化合物
(I)および有機ビスマス化合物(II)のうちでも、抗
菌・抗カビ性能、有機ビスマス化合物の製造の容易性、
耐熱性、有機重合体への混合の容易性、均一分散性など
の点から、上記の一般式(I)において、D1がメチレ
ン基、E1がモノアルキルイミノ基、X1がハロゲン原子
である環状構造を有する有機ビスマス化合物(I)が好
ましく用いられ、特に下記の一般式(III)で表される
有機ビスマス化合物[以下これを「有機ビスマス化合物
(III)」という]がより好ましく用いられる。
【0028】
【化14】 (式中、X3は塩素原子またはヨウ素原子を示す。)
【0029】有機ビスマス化合物(III)は、280℃
以上の高い熱分解温度を有していて耐熱性に優れてお
り、そのため有機重合体に添加して高温下に混合、分
散、混練を行っても、熱分解されることなく有機重合体
中に均一に分散して、その抗菌・抗カビ性能を良好に発
揮する。しかも、有機ビスマス化合物(III)は、製造
が比較的容易であり、また種々の細菌類やカビ類に対し
て共通して良好な抗菌・抗カビ性能を示し、さらに有機
重合体からの脱落や水などの溶媒による除去が生じにく
く、有機重合体に持続性、耐久性のある抗菌・抗カビ効
果を付与することができる。特に、上記の一般式(II
I)において、X3が塩素原子である有機ビスマス化合物
(III)は、上記した特性、即ち熱安定性、均一分散
性、抗菌・抗カビ性、抗菌・抗カビ効果の持続性に特に
優れ、そのため有機重合体への抗菌・抗カビ性の付与の
ために一層好ましく用いられる。
【0030】有機ビスマス化合物(I)および/または
有機ビスマス化合物(II)からなる抗菌・抗カビ剤の形
態やサイズなどはいずれでもよく、例えば、比較的粒径
の大きなペレット状(粒径1〜5mm程度)、比較的粒
径の小さい粒子状(粒径0.01〜1mm程度)、微粒
子状(粒径0.01〜10μm程度)などのいずれであ
ってもよい。また、場合によっては有機ビスマス化合物
の種類や構造などによっては、液状であってもよい。取
り扱い性、有機重合体への混合容易性、均一分散性など
の点からは、一般に粒径0.1〜10μm程度の微粒子
状のものが好ましく用いられる。
【0031】有機ビスマス化合物(I)および/または
有機ビスマス化合物(II)を有機重合体に適用して抗菌
・抗カビ性を付与するに当たっては、有機重合体の種類
は特に制限されず、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマ
ー、熱硬化性樹脂、ゴム類などのいずれであってもよ
い。何ら限定されるものではないが、有機ビスマス化合
物(I)および/または有機ビスマス化合物(II)を適
用し得る有機重合体の具体例としては、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−酢酸ビニル共
重合体などのオレフィン系重合体;ポリスチレンなどの
芳香族ビニル系重合体;SBS樹脂;AS樹脂;ポリ
(メタ)アクリレート、ポリアクリロニトリルなどのア
クリル系重合体;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデ
ンなどのハロゲン含有重合体;ポリビニルアルコールな
どのビニルアルコール系重合体:ポリエチレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステ
ル類;ナイロン6、ナイロン6,6などのポリアミド
類;シリコーン樹脂、シリコーンゴムなどのシリコーン
系重合体;熱可塑性エラストマー類(例えばポリオレフ
ィン系、ポリウレタン系、ポリスチレン系、ポリエチレ
ン系、ポリアミド系などの各種熱可塑性エラストマー
類);天然ゴムまたはジエン系ゴムなどのゴム類;フェ
ノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキ
ッド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹
脂;前記した有機重合体の2種以上のブレンド物などを
挙げることができる。
【0032】有機ビスマス化合物(I)および/または
有機ビスマス化合物(II)(以下これらを総称して単に
「有機ビスマス化合物」ということがある)を有機重合
体に適用するに当たっては、抗菌・抗カビ性能を発揮さ
せるに足る量の有機ビスマス化合物を有機重合体の少な
くとも表面近傍に存在させることのできる任意の方法を
採用することができる。有機重合体への有機ビスマス化
合物の適用方法の具体例としては、 (i)有機重合体に有機ビスマス化合物を添加して溶融
下に混合する方法; (ii)有機重合体を溶媒に溶かした溶液中に有機ビスマ
ス化合物を添加して混合し、必要に応じて溶媒を除去す
る方法; (iii)有機重合体を分散媒に分散させた分散液中に有
機ビスマス化合物を添加して混合し、必要に応じて溶媒
を除去する方法; (iv)液状をなす硬化前の有機重合体(樹脂原料)中に
有機ビスマス化合物を添加、混合してから硬化させる方
法; (v)有機重合体またはそれからなる成形品やその他の
製品の表面に有機ビスマス化合物を含有する溶液または
分散液を塗布して乾燥する方法;などを挙げることがで
きる。
【0033】有機重合体の種類、有機重合体よりなる製
品(成形品)の種類や形態などに応じて、上記した方法
のうちから適当な方法を選択するのがよい。上記した方
法のうちで、上記(i)〜(iv)の方法を採用する場合
は、有機ビスマス化合物(I)および/または有機ビス
マス化合物(II)を含有する有機重合体組成物が製造さ
れるか、または該有機重合体組成物よりなる成形品や繊
維などが直接製造され、有機ビスマス化合物が有機重合
体中に均一に且つ強固に混合・分散されていることによ
り長期間にわたって良好な抗菌・抗カビ性能を維持する
ことができる。
【0034】特に、有機重合体が熱可塑性の重合体であ
る場合には、上記(i)の溶融・混合法を採用すると、
溶媒や分散媒などを用いることなく、簡単な操作で、有
機重合体中に有機ビスマス化合物(I)および/または
有機ビスマス化合物(II)を均一に分散、含有させるこ
とができる。本発明で用いる有機ビスマス化合物(I)
および有機ビスマス化合物(II)、そのうちでも特に有
機ビスマス化合物(III)は、上述のように、耐熱性に
優れていて有機重合体の溶融下に分解せず、その良好な
抗菌・抗カビ性能を維持することができる。そして、有
機ビスマス化合物(I)および/または有機ビスマス化
合物(II)が有機重合体の表面部分だけではなく、内部
にまで分散して含まれているので、有機重合体の表面で
の摩耗や擦過などが生じても、有機重合体の抗菌・抗カ
ビ性能が失われず、良好に保持される。
【0035】上記(i)〜(iv)の方法、特に上記
(i)の方法を採用して有機重合体に有機ビスマス化合
物を添加するに当たっては、有機重合体への有機ビスマ
ス化合物(I)および/または有機ビスマス化合物(I
I)の添加量(2種以上を併用する場合はその合計添加
量)は、有機重合体の重量に基づいて、0.001〜1
0重量%であることが好ましく、0.01〜1重量%で
あることがより好ましい。有機ビスマス化合物の添加量
が0.001重量%未満であると、有機重合体の表面近
傍における有機ビスマス化合物の存在量が不足して、抗
菌・抗カビ効果を発揮できない場合がある。また、有機
ビスマス化合物の添加量が1重量%を超えると、有機重
合体自体の力学的特性や成形加工性などが低下して、実
使用において問題となる場合がある。
【0036】有機ビスマス化合物(I)および/または
有機ビスマス化合物(II)を適用してなる本発明の有機
重合体(特に有機重合体組成物)の用途は特に制限され
ず、有機重合体の種類などに応じて適宜選択することが
できる。何ら限定されるものではないが、本発明の有機
重合体(特に有機重合体組成物)は、例えば、浴槽、洗
面台、調理台、バス用のマット、簀の子、洗い桶などの
水回り製品;ボトル、食品用の容器、フィルム、シート
などの各種包装材料;サッシ、ショーウインドウ、天窓
などの住宅建材;筆箱、ボールペン、各種キャップ、各
種ケースなどの雑貨類;糸、布帛、衣類、寝具、カーテ
ン、カーペット、壁紙、バスマット、タオル、包袋、ガ
ーゼ、マスクなどの各種繊維製品などを挙げることがで
きる。
【0037】そして、本発明で用いる上記した有機ビス
マス化合物(I)のうちで、上記の一般式(I−A)で
表される有機ビスマス化合物[以下「有機ビスマス化合
物(I−A)」という]は、上述のように新規な化合物
であり、有機ビスマス化合物(I)の範疇に包含される
他の有機ビスマス化合物と同様に、抗菌・抗カビ剤とし
て有効に使用できる。
【0038】この有機ビスマス化合物(I−A)におい
て、D2はメチレン基または単結合である。また、有機ビ
スマス化合物(I−A)において、E2は、D2がメチレ
ン基のときにスルホン基、スルホキシド基、炭素数1〜
3のアルキレン基(メチレン基、エチレン基またはプロ
ピレン基)およびイオウ原子から選ばれる2価の基であ
り、またD2が単結合のときにモノアルキルイミノ基
(−NR4−;式中R4はアルキル基を示す)、スルホン
基、スルホキシド基、炭素数1〜3のアルキレン基(メ
チレン基、エチレン基またはプロピレン基)、酸素原子
およびイオウ原子より選ばれる2価の基または単結合で
ある。E2がモノアルキイミノ基である場合には、その
アルキル基R4は、炭素数1〜4の低級アルキル基であ
ることが好ましく、したがってモノアルキルイミノ基の
好ましい具体例としては、メチルイミノ基、エチルイミ
ノ基、n−プロピルイミノ基、イソプロピルイミノ基、
n−ブチルイミノ基、t−ブチルイミノ基などを挙げる
ことができる。
【0039】また、有機ビスマス化合物(I−A)にお
いて、R1aおよびR2aはそれぞれ独立して水素原子また
はアルコキシ基であり、アルコキシ基である場合はメト
キシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などの
ような炭素数1〜4のアルコキシ基であることが好まし
い。また、有機ビスマス化合物(I−A)において、X
1aはハロゲン原子またはアシロキシ基である。その際の
ハロゲン原子の具体例としては、塩素、ヨウ素、臭素ま
たはフッ素を挙げることができ、塩素またはヨウ素であ
ることが好ましい。R1aがアシロキシ基である場合は、
脂肪族アシロキシ基または芳香族アシロキシ基のいずれ
であってもよい。アシロキシ基である場合の具体例とし
ては、アセチルオキシ基(アセトキシ基)、プロピオニ
ルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ
基、バレリルオキシ基、イソバレルオキシ基、ピバロイ
ルオキシ基、ラウロイルオキシ基、ミリストイルオキシ
基、パルミトイルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ア
クリロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、トルオイル
オキシ基、サリチロイルオキシ基などを挙げることがで
き、これらのうちでも、炭素数が2〜5の飽和脂肪族ア
シロキシ基、ベンゾイルオキシ基またはトルオイルオキ
シ基であることが好ましい。
【0040】さらに、本発明で用いる上記した有機ビス
マス化合物(II)のうちで、上記の一般式(II−A)で
表される有機ビスマス化合物[以下「有機ビスマス化合
物(II−A)」という]は、上述のように新規な化合物
であり、有機ビスマス化合物(II)の範疇に含まれる他
の有機ビスマス化合物と同様に、抗菌・抗カビ剤として
有効に用いることができる。
【0041】有機ビスマス化合物(II−A)において、
3aは炭素数3〜7のオキサゾリル基で置換されている
フェニル基であり、R3aの具体例としては、(4,4−
ジメチル−2−オキサゾリン−2−イル)フェニル基、
(4−メチル−2−オキサゾリン−2−イル)フェニル
基、(4,4−ジエチル−2−オキサゾリン−2−イ
ル)フェニル基などを挙げることができる。また、有機
ビスマス化合物(II−A)において、R3bは置換基を有
していてもよいフェニル基である。その場合の置換基と
しては、炭素数3〜7のオキサゾリル基、炭素数1〜4
のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン
原子、水酸基、ニトロ基などを挙げることができ、それ
らのうちでも炭素数1〜4のアルキル基(特にメチル
基、エチル基、イソプロピル基)、ハロゲン原子である
ことが好ましい。
【0042】また、有機ビスマス化合物(II−A)にお
いて、X2aはハロゲン原子、トルエンスルホニル基、ア
シロキシ基または1級アミノ基である。X2aがハロゲン
原子である場合は塩素、ヨウ素、臭素またはフッ素を挙
げることができ、特に塩素またはヨウ素であることが好
ましい。X2aがアシロキシ基である場合は、脂肪族アシ
ロキシ基または芳香族アシロキシ基のいずれであっても
よく、具体例としては、アセチルオキシ基(アセトキシ
基)、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソ
ブチリルオキシ基、バレリルオキシ基、イソバレルオキ
シ基、ピバロイルオキシ基、ラウロイルオキシ基、ミリ
ストイルオキシ基、パルミトイルオキシ基、ステアロイ
ルオキシ基、アクリロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ
基、トルオイルオキシ基、サリチロイルオキシ基などを
挙げることができ、これらのうちでも、炭素数が2〜5
の飽和脂肪族アシロキシ基、ベンゾイルオキシ基または
トルオイルオキシ基であることが好ましい。
【0043】また、有機ビスマス化合物(II−A)にお
いて、m1は0〜3の整数、n1は0〜4の整数であり、
且つm1+n1は2または4であり、2であることが好ま
しい。したがって有機ビスマス化合物(II−A)は、炭
素数3〜7のオキサゾリル基で置換されているフェニル
基(R3a)を少なくとも1個有している。
【0044】本発明では、上記した有機ビスマス化合物
(I)および有機ビスマス化合物(II)、並びに有機ビ
スマス化合物(I−A)および有機ビスマス化合物(II
−A)の製法は特に制限されず、いずれの方法で製造し
てもよい。何ら限定されるものではないが、有機ビスマ
ス化合物(I)は、下記の一般式(IV);
【0045】
【化15】 (式中、D1、E2、R1およびR2は上記したのと同じ基
を示し、Yはハロゲン原子を示す。)で表される化合物
と、三塩化ビスマスなどのようなトリハロゲン化ビスマ
スを、活性マグネシウム化合物(例えば塩化マグネシウ
ム、カリウムおよびヨウ化カリウムとの反応により得ら
れる活性マグネシウム化合物)の存在下に反応させるこ
とによって製造することができる。
【0046】有機ビスマス化合物(II)は、例えば、一
般式:R3Br(式中R3は上記したのと同じ基を示す)
で表される臭化フェニルと金属マグネシウムを反応させ
て、一般式:R3MgBrで表されるグリニヤール化合
物を生成させ、それとトリブロモビスマス(BiB
3)のようなトリハロゲン化ビスマスを反応させるこ
とによって製造することができる。また、別の方法とし
ては、一般式:R3Br(式中R3は上記したのと同じ基
を示す)で表される臭化フェニルと有機リチウム化合物
を反応させて、一般式:R3Liで表されるリチウム化
合物を生成させ、そのリチウム化合物とトリブロモビス
マス(BiBr3)のようなトリハロゲン化ビスマスを
反応させることによって製造することができる。
【0047】また、有機ビスマス化合物(II−a)は、例
えば、一般式:R3aBr(式中R3aは上記したのと同じ
基を示す)で表される臭化フェニルと金属マグネシウム
を反応させて、一般式:R3aMgBrで表されるグリニ
ヤール化合物を生成させ、それと一般式:(R3bp
i(X2q(式中R3bとX2は上記したのと同じ基を示
し、pおよびqはそれぞれ0〜5の整数であり且つp+
qは2または4である)で表されるビスマス化合物を反
応させることによって製造することができる。
【0048】
【実施例】以下に実施例などにより本発明について具体
的に説明するが、本発明はそれにより何ら制限されな
い。
【0049】《製造例1》〈抗菌・抗カビ剤「6−メチ
ル−12−ヨード−ジベンゾ[b,g][1,5]アザ
ビスモシン」の合成〉 (1) ガラス製反応器に塩化マグネシウム2.6g
(27mmol)、カリウム1.8g(46mmo
l)、ヨウ化カリウム3.3g(20mmol)および
テトラヒドロフラン30mlを仕込み、2時間還流し
て、活性マグネシウム懸濁液を調製した。 (2) 上記(1)で得られた黒色の活性マグネシウム懸
濁液に、テトラヒドロフラン10mlに溶解したビス
(o−クロロベンジル)モノメチルアミン2.79g(1
0mmol)を滴下し、1時間還流させた(ジグリニヤ
ール反応剤の調製)。 (3) 次いで、反応器を−20℃に冷却して、ジエチ
ルエーテル30mlに溶解した三塩化ビスマス3.2g
(10mmol)を滴下しながら−50℃に冷却した。
同温度で10時間反応させた後、0℃まで徐々に昇温
し、反応混合物を飽和食塩水/酢酸エチルからなる混合
溶媒を用いて抽出処理を行って、有機層(酢酸エチル
層)を水層から分離回収した。
【0050】(4) 上記(3)で回収した有機層を濃
縮し、それにより得られた油状物について、n−ヘキサ
ン/塩化メチレン(1:1重量比)混合溶媒を用いて再
結晶操作を行って、白色結晶3.16gを得た(収率5
8%)。これにより得られた結晶の物性は、以下の
(5)に示すとおりであり、その結果から、上記の一般
式(III)で表される有機ビスマス化合物(III)におい
て、X3がヨウ素原子である6−メチル−12−ヨード
−ジベンゾ[b,g][1,5]アザビスモシンである
ことが確認された。 (5)融点:246℃1 H−NMR(200MHz、CDCl3、TMS,ppm)δ:2.86(s,3
H)、4.06(d,2H)、4,22(d,2H)、7.30〜7.60(m,6
H)、8.99(d,2H)。
【0051】《製造例2》〈抗菌・抗カビ剤「6−メチ
ル−12−クロロ−ジベンゾ[b,g][1,5]アザ
ビスモシン」の合成〉 (1) 上記製造例1で得られた6−メチル−12−ヨ
ード−ジベンゾ[b,g][1,5]アザビスモシン3
82mg(0.7mmol)をテトラヒドロフラン5m
lに溶解して0℃に冷却した後、4−メチルフェニルマ
グネシウムブロミド1.5mmol(テトラヒドロフラ
ン溶液)を滴下した。 (2) 次いで、0℃で10分間反応させた後、飽和食
塩水/酢酸エチルからなる混合溶媒を用いて抽出処理を
行って、有機層(酢酸エチル層)を水層から分離回収し
た後、該有機層を濃縮し、それにより得られた油状物に
ついて、メタノール/ベンゼン(5:1重量比)混合溶
媒を用いて再結晶操作を行って粗反応混合物を得た。 (3) 上記(2)で得られた粗反応混合物約500m
g、塩化ベンゾイル196mg(1.4mmol)およ
びテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム115
mg(0.1mmol)を、ベンゼン5ml中に加え
て、8時間還流した後、それにより得られる反応混合物
を飽和食塩水/酢酸エチルからなる混合溶媒を用いて抽
出処理を行って、有機層(酢酸エチル層)を水層から分
離回収した。
【0052】(4) 上記(3)で回収した有機層を濃
縮し、それにより得られた油状物について、塩化メチレ
ン/酢酸エチル(1:5重量比)混合溶媒を用いて再結
晶操作を行って、白色結晶175mgを得た(収率55
%)。これにより得られた結晶の物性は、以下の(5)
に示すとおりであり、その結果から、上記の一般式(II
I)で表される有機ビスマス化合物(III)において、X
3が塩素原子である6−メチル−12−クロロ−ジベン
ゾ[b,g][1,5]アザビスモシンであることが確
認された。 (5)融点:196℃ IR(KBr,cm-1):1455、1439、1103、878、822、76
4、749、428。1 H−NMR(200MHz、CDCl3、TMS,ppm)δ:2.86(s,3
H)、4.12(d,2H)、4,27(d,2H)、7.30〜7.60(m,6
H)、8.66(d,2H)。
【0053】《製造例3》〈抗菌・抗カビ剤「クロロ
[2−(4,4−ジメチル−2−オキサゾリン−2−イ
ル)フェニル](4−メチルフェニル)ビスムチン」の
合成〉 (1) 金属マグネシウム0.267g(11.0mm
ol)を懸濁させたテトラヒドロフラン10mlに、
[2−(4,4−ジメチル−2−オキサゾリニル)フェ
ニル]ブロミド2.62g(10.3mmol)をテト
ラヒドロフラン10mlに溶解した溶液を滴下し、1時
間還流した(グリニヤール反応剤の調製)。 (2) 次いで、−20℃に冷却して、テトラヒドロフ
ラン10mlに溶解したビス(4−メチルフェニル)ビ
スマストリフレート4.76g(5.3mmol)を滴
下して、室温で30分間反応させた(グリニヤール反
応)。 (3) 上記(2)で得られた反応混合物を飽和食塩水
/ベンゼンからなる混合溶媒を用いて抽出処理を行っ
て、有機層(ベンゼン層)を水層から分離回収した後、
該有機層を濃縮し、それにより得られた油状物にメタノ
ール50mlを加えて−15℃に冷却し、1.89gの
粗生成物を得た。
【0054】(4) 上記(3)で得られた粗生成物を
クロロホルムに溶解してシリカゲルカラムを通過させた
後、濃縮して、無色の結晶生成物1.22gを得た(収
率80%)。これにより得られた生成物の物性は、以下
の(5)に示すとおりであり、その結果から、下記の化
学式(V)で表されるクロロ[2−(4,4−ジメチル
−2−オキサゾリン−2−イル)フェニル](4−メチ
ルフェニル)ビスムチンであることが確認された。 (5)融点:185℃ IR(KBr,cm-1):2970、1630、1375、1327、1088、93
8、793、733、687、478。1H−NMR(200MHz、CDCl3
TMS,ppm)δ:1.13(s,3H)、1.43(s,3H)、2.24(s,
3H)、4.24(d,1H)、4.30(d,1H)、7.27(d,2H)、7.
56(dt,1H)、7.86(dt,1H)、7.98(dd,1H)、8.01
(d,2H)、9.10(d,1H)。
【0055】
【化16】
【0056】《製造例4》〈抗菌・抗カビ剤「5−メチ
ル−1−ヨード−ジベンゾ[b,f][1,4]アザビ
スメピン」の合成〉 (1) ガラス製反応器にジエチルエーテル10mlと
(2−ブロモフェニル)(2−ブロモベンジル)メチル
アミン3.55g(10mmol)を仕込み、0℃に冷
却してブチルリチウム(n−ヘキサン溶液)20.5mm
olを滴下した。 (2) 室温で2時間反応させた後、−60℃まで冷却
し、三塩化ビスマス3.16g(10mmol)を添加
した。5〜6時間かけて室温まで昇温した後、ヨウ化ナ
トリウム7.5g(50mmol)を添加し、生成した
黄色固体を濾別した。 (3) 上記(2)で得られた黄色固体をクロロホルム
/エタノール(1/1重量比)混合溶媒を用いて再結晶
し、黄色結晶3.61g(収率68%)を得た。これに
より得られた黄色結晶の物性は、以下の(4)に示すと
おりであり、その結果から、下記の化学式(VI)で表さ
れる5−メチル−1−ヨード−ジベンゾ[b,f]
[1,4]アザビスメピンであることが確認された。 (4)融点:284℃1 H−NMR(200MHz、CDCl3、TMS,ppm)δ:3.14(s,
3H)、4.40(d,1H)、5.10(d,1H)、7.30〜7.35(m,3
H)、7.50〜7.60(m,3H)、8.89(d,1H)、9.02(d,1
H)。
【0057】
【化17】
【0058】《製造例5》〈抗菌性金属保持微粒子の製
造〉 市販の金属銀系セラミックス抗菌剤(株式会社サンギ製
「アパサイダーA」;ハイドロキシアパタイトと銀化合
物を焼成したもの)を微粉砕して平均粒径1.6μmの
微粒子にし、これを500℃で乾燥して抗菌性金属保持
微粒子を製造した。
【0059】《試験例1》〈抗菌性試験〉 上記の製造例1〜4で得られた有機ビスマス化合物、市
販のトリフェニルビスマス(関東化学株式会社製)およ
び上記の製造例5で得られた抗菌性金属保持微粒子の各
々について、試験菌として、アルカリゲネス・フェカリ
ス(Alcaligenes faecalis IF
O12669)、大腸菌(Esherichia co
li IFO3301)、肺炎棹菌(Klebsiel
la pneumoiae IFO13277)、緑膿
菌(Pseudomonas aeruginosa
IFO3080)を用いて抗菌性能の評価試験を行っ
た。すなわち、前記の有機ビスマス化合物または抗菌性
金属保持微粒子の各々をジメチルスルホキシドに溶解す
るか又は分散させて、400、200、100、50、
25、12.5、6.3、3.1、1.6、0.8、0.4、
0.2ppmになるように普通寒天培地に加えて固化し
た。次いで、これらの寒天培地上に上記試験菌の各々を
接種して、37℃で一夜培養した後、各々の試験菌の生
育の有無を目視にて観察し、そのMIC値(最小生育阻
止濃度)を測定した。その結果を下記の表1に示す。
【0060】《試験例2》〈熱安定性試験〉 上記の製造例1〜4で得られた有機ビスマス化合物、市
販のトリフェニルビスマス(関東化学株式会社製)およ
び上記の製造例5で得られた抗菌性金属保持微粒子の各
々について、熱重量分析装置(メトラー社製)を用い
て、窒素気流下で10℃/分の昇温速度で加熱して重量
の変化を測定し、重量が5重量%減少した温度を熱分解
温度として熱安定性を評価した。その結果を下記の表1
に示す。
【0061】
【表1】
【0062】上記の表1の結果から、製造例1で得られ
た6−メチル−12−ヨード−ジベンゾ[b,g]
[1,5]アザビスモシン、製造例2で得られた6−メ
チル−12−クロロ−ジベンゾ[b,g][1,5]ア
ザビスモシン、製造例3で得られたクロロ[2−(4,
4−ジメチル−2−オキサゾリン−2−イル)フェニ
ル](4−メチルフェニル)ビスムチン、および製造例
4で得られた5−メチル−1−ヨード−ジベンゾ[b,
f][1,4]アゾビスメピンは、アルカリゲネス・フ
ェカリス、大腸菌、肺炎棹菌および緑膿菌のいずれに対
しても、良好な抗菌作用を示し、しかも熱安定性にも優
れていることがわかる。そのうちでも、特に、6−メチ
ル−12−ヨード−ジベンゾ[b,g][1,5]アザ
ビスモシンおよび6−メチル−12−クロロ−ジベンゾ
[b,g][1,5]アザビスモシンは、上記した菌類
に対する抗菌作用に優れ、しかも280℃を超す熱分解
温度を有していて熱安定性に極めて優れていることがわ
かる。また、上記の表1の結果から、トリフェニルビス
マスは抗菌作用を示さないことがわかる。
【0063】《実施例1》 (1) 共重合ポリエステル[ナガセ産業株式会社製
「PETG−6763」;極限粘度0.85(フェノー
ル/四塩化エタンの1:1重量比混合溶媒中30℃で測
定)]のチップ100重量部に、上記の製造例1で得ら
れた6−メチル−12−ヨード−ジベンゾ[b,g]
[1,5]アザビスモシン1重量部を予備混合した後、
その混合物を単軸押出機に供給して押出温度190℃で
ストランド状に押し出した後、切断して、有機ビスマス
化合物を含有する共重合ポリエステル組成物のチップを
製造した。 (2) 上記(1)で得られた共重合ポリエステル組成
物のチップを80℃で熱風乾燥した後、190℃で溶融
熱プレスして、厚さ100μmの透明なフィルムを製造
し、そのフィルムから1cm×1cmの試験片(0.7
5g)を複数枚切り出した。
【0064】(3) 上記(2)で得られた試験片の1
枚をそのままリン酸緩衝液70ml中に入れ、そこに黄
色ブドウ球菌を105個/ml緩衝液の割合で入れて、
25℃で6時間振とうし、6時間後に生菌数を数えて、
下記の数式(1)に従って減菌率(%)を求めたところ、
下記の表2に示すとおりであった。 (4) 上記(2)で得られた試験片の1枚を80℃の
蒸留水1000ml中に入れて50時間撹拌して洗浄処
理を行った後に蒸留水から取り出し、その試験片を上記
(3)と同様にして、リン酸緩衝液70ml中に入れ、
そこに黄色ブドウ球菌を105個/ml緩衝液の割合で
入れて、25℃で6時間振とうし、6時間後に生菌数を
数えて、下記の数式(1)に従って減菌率(%)を求め
たところ、下記の表2に示すとおりであった。 (5) 上記(2)で得られた試験片の1枚を80℃の
蒸留水1000ml中に入れて100時間撹拌して洗浄
処理を行った後に蒸留水から取り出し、その試験片を上
記(3)と同様にして、リン酸緩衝液70ml中に入
れ、そこに黄色ブドウ球菌を105個/ml緩衝液の割
合で入れて、25℃で6時間振とうし、6時間後に生菌
数を数えて、下記の数式(1)に従って減菌率(%)を
求めたところ、下記の表2に示すとおりであった。
【0065】
【数1】減菌率(%)={(初期生菌数−振とう後生菌数)
/初期生菌数}×100 (1)
【0066】《実施例2〜4》 (1) 6−メチル−12−ヨード−ジベンゾ[b,
g][1,5]アザビスモシン1重量部の代わりに、上
記の製造例2で得られた6−メチル−12−クロロ−ジ
ベンゾ[b,g][1,5]アザビスモシン(実施例
2)、上記の製造例3で得られたクロロ[2−(4,4
−ジメチル−2−オキサゾリン−2−イル)フェニル]
(4−メチルフェニル)ビスムチン(実施例3)、また
は上記の製造例4で得られた5−メチル−1−ヨード−
ジベンゾ[b,f][1,4]アザビスメピンを1重量
部用いた以外は実施例1の(1)と同様にして、有機ビ
スマス化合物を含有する共重合ポリエステル組成物のチ
ップを製造した。 (2) 上記(1)で得られた共重合ポリエステル組成
物のチップを用いて実施例1の(2)と同様にしてフィ
ルムを製造し、そのフィルムから1cm×1cmの試験
片(0.75g)を複数枚切り出した。 (3) 上記(2)で得られた試験片を用いて、実施例
1の(3)〜(5)と同様にして滅菌試験を行い、上記
の数式(1)に従って減菌率(%)を求めたところ、下
記の表2に示すとおりであった。
【0067】《比較例1》 (1) 6−メチル−12−ヨード−ジベンゾ[b,
g][1,5]アザビスモシン1重量部の代わりに、市
販のトリフェニルビスマス(関東化学株式会社製)1重
量部を用いた以外は実施例1の(1)と同様にして、有
機ビスマス化合物を含有する共重合ポリエステル組成物
のチップを製造した。 (2) 上記(1)で得られた共重合ポリエステル組成
物のチップを用いて実施例1の(2)と同様にしてフィ
ルムを製造し、そのフィルムから1cm×1cmの試験
片(0.75g)を複数枚切り出した。 (3) 上記(2)で得られた試験片を用いて、実施例
1の(3)〜(5)と同様にして滅菌試験を行い、上記
の数式(1)に従って減菌率(%)を求めたところ、下
記の表2に示すとおりであった。
【0068】《比較例2》 (1) 6−メチル−12−ヨード−ジベンゾ[b,
g][1,5]アザビスモシン1重量部の代わりに、上
記の製造例5で得られた抗菌性金属保持微粒子1重量部
を用いた以外は実施例1の(1)と同様にして、有機ビ
スマス化合物を含有する共重合ポリエステル組成物のチ
ップを製造した。 (2) 上記(1)で得られた共重合ポリエステル組成
物のチップを用いて実施例1の(2)と同様にしてフィ
ルムを製造し、そのフィルムから1cm×1cmの試験
片(0.75g)を複数枚切り出した。 (3) 上記(2)で得られた試験片を用いて、実施例
1の(3)〜(5)と同様にして滅菌試験を行い、上記
の数式(1)に従って減菌率(%)を求めたところ、下
記の表2に示すとおりであった。
【0069】
【表2】
【0070】上記の表2における実施例1〜4の結果か
ら、上記した有機ビスマス化合物(I)および有機ビス
マス化合物(II)の範疇に包含される、製造例1で得ら
れた6−メチル−12−ヨード−ジベンゾ[b,g]
[1,5]アザビスモシン、製造例2で得られた6−メ
チル−12−クロロ−ジベンゾ[b,g][1,5]ア
ザビスモシン、製造例3で得られたクロロ[2−(4,
4−ジメチル−2−オキサゾリン−2−イル)フェニ
ル](4−メチルフェニル)ビスムチン、および製造例
4で得られた5−メチル−1−ヨード−ジベンゾ[b,
f][1,4]アザビスメピンをそれぞれ含有する実施
例1〜4の有機重合体組成物(共重合ポリエステル組成
物)から得られたフィルムは、減菌率が極めて高くて抗
菌性に優れていること、しかも温水中で長時間洗浄処理
した後でも高い抗菌作用を維持しており、抗菌性材料と
して高い実用性を有することがわかる。
【0071】それに対して、上記の表2における比較例
1の結果から、トリフェニルビスマスを含有する比較例
1の有機重合体組成物(共重合ポリエステル組成物)か
ら得られたフィルムは、殆ど抗菌作用を有しておらず、
抗菌性材料として有効でないことがわかる。さらに、上
記の表2の比較例2の結果から、抗菌性金属保持微粒子
を含有する比較例2の有機重合体組成物(共重合ポリエ
ステル組成物)から得られたフィルムは、温水で洗浄す
る前はある程度の抗菌作用を示すが、その減菌率は実施
例1〜4に比べると低いことがわかる。しかも、比較例
2のものは、温水中で洗浄後には、その減菌率がゼロま
たはそれに近い値まで低下し、抗菌作用が失われ、実使
用に耐え得る抗菌性材料とはならないことがわかる。
【0072】
【発明の効果】上記した有機ビスマス化合物(I)及び
有機ビスマス化合物(II)から選ばれる有機ビスマス化
合物の少なくとも1種を有効成分とする本発明の抗菌・
抗カビ剤、並びにそれらの有機ビスマス化合物の少なく
とも1種を含有するか又は付着した本発明の有機重合体
は、人体に対する安全性が高く、時間が経過したり長期
間使用しても高い抗菌・抗カビ効果を維持し、しかも水
などの溶剤によって除かれにくくて抗菌・抗カビ効果の
低減が少ないため、実用性に極めて優れている。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(I); 【化1】 (式中、D1はメチレン基または単結合を示し、E1はモ
    ノアルキルイミノ基、スルホン基、スルホキシド基、炭
    素数1〜3のアルキレン基、酸素原子およびイオウ原子
    より選ばれる2価の基または単結合を示し、R1および
    2はそれぞれ独立して水素原子またはアルコキシ基を
    示し、X1はハロゲン原子またはアシロキシ基を示
    す。)で表される有機ビスマス化合物;及び、下記の一
    般式(II); 【化2】 (式中、R3は置換基を有していてもよいフェニル基を
    示し、X2はハロゲン原子、トルエンスルホニル基、ア
    シロキシ基または1級アミノ基を示し、mは1〜4の整
    数、nは0〜4の整数であって、且つm+nは3または
    5であり、mが3のときにnは2である。)で表される
    有機ビスマス化合物;から選ばれる有機ビスマス化合物
    の少なくとも1種を含有するか又は付着したことを特徴
    とする有機重合体。
  2. 【請求項2】 下記の一般式(III); 【化3】 (式中、前記X3は塩素原子またはヨウ素原子を示
    す。)で表される有機ビスマス化合物を含有するか又は
    付着したことを特徴とする有機重合体。
  3. 【請求項3】 前記有機ビスマス化合物を添加含有して
    なる有機重合体組成物である請求項1または2記載の有
    機重合体。
  4. 【請求項4】 下記の一般式(I−A); 【化4】 (式中、D2はメチレン基または単結合を示し、E2は、
    2がメチレン基のときにスルホン基、スルホキシド
    基、炭素数1〜3のアルキレン基およびイオウ原子から
    選ばれる2価の基であり、またD2が単結合のときにモ
    ノアルキルイミノ基、スルホン基、スルホキシド基、炭
    素数1〜3のアルキレン基、酸素原子およびイオウ原子
    より選ばれる2価の基または単結合であり、R1aおよび
    2aはそれぞれ独立して水素原子またはアルコキシ基を
    示し、X1aはハロゲン原子またはアシロキシ基を示
    す。)で表される有機ビスマス化合物。
  5. 【請求項5】 下記の一般式(II−A); 【化5】 (式中、R3aは炭素数3〜7のオキサゾリル基で置換さ
    れているフェニル基を示し、R3bは置換基を有していて
    もよいフェニル基を示し、X2aはハロゲン原子、トルエ
    ンスルホニル基、アシロキシ基または1級アミノ基を示
    し、m1は0〜4の整数、n1は0〜4の整数であり、且
    つm1+n1は2または4である。)で表される有機ビス
    マス化合物。
  6. 【請求項6】 下記の一般式(I); 【化6】 (式中、D1はメチレン基または単結合を示し、E1はモ
    ノアルキルイミノ基、スルホン基、スルホキシド基、炭
    素数1〜3のアルキレン基、酸素原子およびイオウ原子
    より選ばれる2価の基または単結合を示し、R1および
    2はそれぞれ独立して水素原子またはアルコキシ基を
    示し、X1はハロゲン原子またはアシロキシ基を示
    す。)で表される有機ビスマス化合物;及び、下記の一
    般式(II); 【化7】 (式中、R3は置換基を有していてもよいフェニル基を
    示し、X2はハロゲン原子、トルエンスルホニル基、ア
    シロキシ基または1級アミノ基を示し、mは1〜4の整
    数、nは0〜4の整数であって、且つm+nは3または
    5であり、mが3のときにnは2である。)で表される
    有機ビスマス化合物;から選ばれる有機ビスマス化合物
    の少なくとも1種を有効成分とすることを特徴とする抗
    菌・抗カビ剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007204427A (ja) * 2006-02-02 2007-08-16 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 有機ビスマス化合物およびその製造方法
WO2022044962A1 (ja) * 2020-08-27 2022-03-03 株式会社トクヤマ 抗菌・抗ウイルス材料用硬化性組成物、抗菌・抗ウイルス材料、及び抗菌・抗ウイルス積層体

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