JP2000247988A - 光学活性なビニルホスフィンオキシドの製造方法 - Google Patents

光学活性なビニルホスフィンオキシドの製造方法

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JP2000247988A
JP2000247988A JP11053003A JP5300399A JP2000247988A JP 2000247988 A JP2000247988 A JP 2000247988A JP 11053003 A JP11053003 A JP 11053003A JP 5300399 A JP5300399 A JP 5300399A JP 2000247988 A JP2000247988 A JP 2000247988A
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carboxyethyl
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 光学純度の高い光学活性なビニルホスフィン
オキシドを工業的に有利な方法で容易に得る。 【解決手段】 一般式1 (R、RはR、Rは互いに異なり、C1〜18
の直鎖または分岐状のアルキル基、置換もしくは無置換
のフェニル基を示す。P*は不斉リン原子を示す。)の
光学活性なホスフィンオキシドカルボン酸と四酢酸鉛と
を反応させて一般式2 (R、R及びP*は前記と同義である。)の光学活
性なビニルホスフィンオキシドを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学活性な化合物
を製造する場合の原料として有用な、高い光学活性を有
するビニルホスフィンオキシドの新規な製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、上市されている医薬品に占める光
学活性な医薬品の割合は年々増加する傾向にあり、最近
5年間では、光学活性な医薬品の品目は、実に39%に
も達する。また、光学活性体に求められるものは、医薬
品に限らず、農薬、香料、甘味量、調味料、更には、強
誘電性液晶、高速液体クロマトグラフィーの充填剤など
の機能性材料の分野にまで展開されている。
【0003】ビニル結合は、反応性の高い官能基である
ことから不斉中心をリン原子上に持つ新規な光学活性な
化合物を製造する上で、ビルディングブロックとして特
に有用であることが知られている(K.M.Pietrusiewicz,
M. Zablocka, and W. Wiesniewski, Phosphorus, Sulf
ur, and Silicon, 1990, 49/50, 263-266)。これまでに
知られている光学活性なビニルホスフィンオキシドの製
造方法としては、例えば、下記反応式:
【0004】
【化3】
【0005】で示されるように、フェニルジクロロホス
ファンにトリエチルアミンの存在下でブタノールを反応
させ、さらにビニルマグネシウムブロマイドでグリニャ
ール反応させる。次いで、生成物と(−)−メンチルブ
ロモ酢酸エステルを反応させた後、ベンゼンで再結晶化
させ光学活性体を分別結晶させ光学活性な(−)−(メ
ントキシカルボニルメチル)フェニルビニルホスフィン
オキシドを得、更に含水ジメチルスルフォキシド中で塩
化リチウム存在下180℃で2時間還流させて、目的と
する(−)−メチルフェニルビニルホスフィンオキシド
を得る方法{(Ryszard Bodalski, Ewa rutkowska-Olma,
Tetrahedron, 36, 2353-2355)、(K. Michal Pietrusie
wicz, Maria Zablocka, and Jaroslaw Monkiewicz, J.
Org. Chem., 1984, 49, 1522-1526)}等が提案されてい
る。
【0006】また、光学純度の極めて高い光学活性なビ
ニルホスフィンオキシド類の製造方法として、特開昭6
4−75495号公報には、下記一般式(3):
【0007】
【化4】
【0008】(式中、Arはアリール基、R1及びR
2は、相異なる炭素数1〜6の低級炭化水素基であり、
ビニル基の例示あり。)で表されるホスフィンオキシド
類のラセミ体と2,2−ジヒドロキシ−1,1−ビナフチ
ルと有機溶媒中で接触させ、次に生成した包接錯体を分
離後、分割する製造方法が提案されている。また本発明
者等は特願平10−29803号発明において、次式
(4):
【0009】
【化5】
【0010】(式中、R1、R2は炭素数1〜18の直鎖
または分岐状のアルキル基、置換もしくは無置換のフェ
ニル基を示す。Aはアルキレン基を示す。R1、R2はお
互いに異なる基を示す。)で表されるラセミ体のホスフ
ィンオキシドカルボン酸に光学活性な1−フェニルエチ
ルアミンを反応させ、生成したジアステレオマー塩を溶
媒に対する溶解度の差を利用して分離し、次いで酸を分
解して光学活性なホスフィンオキシドカルボン酸を製造
することを提案した。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、光学活
性なビニルホスフィンオキシドの新規な製造する方法に
ついて鋭意研究を重ねた結果、本発明者らが先に提案し
た上記特願平10−29803号記載の光学活性なホス
フィンオキシドカルボン酸を反応原料として用いたとこ
ろ、不斉構造を維持したまま全くラセミ化することな
く、光学純度の高いビニルホスフィンオキシドを得るこ
とができることを知見し本発明を完成させるに至った。
【0012】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、下記一
般式(1):
【0013】
【化6】
【0014】(式中、R1、R2は炭素数1〜18の直鎖
または分岐状のアルキル基、置換もしくは無置換のフェ
ニル基を示す。R1、R2は互いに異なる基を示し、P*
は不斉なリン原子を示す。)で表される光学活性なホス
フィンオキシドカルボン酸と四酢酸鉛とを反応させるこ
とを特徴とする下記一般式(2):
【0015】
【化7】
【0016】(式中、 R1、R2及びP*は、前記と同義
である。)で示される光学活性なビニルホスフィンオキ
シドの製造方法を提供するものである。また、上記の反
応は、酢酸銅及びピリジン、トリエチルアミン等の塩基
の存在下で行うことが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。 (光学活性なホスフィンオキシドカルボン酸)本発明の
反応原料となる光学活性なホスフィンオキシドカルボン
酸は、上記一般式(1)で表されるものである。ここで
1、R2は、上記に定義したとおりであるが、具体的な
アルキル基の種類としては、メチル基、エチル基、n−
プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチ
ル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル
基、イソヘキシル基、n−ヘプチル、イソヘプチル、n
−オクチル、イソオクチル基、n−ドデシル基、イソド
デシル基等が挙げられる。
【0018】前記一般式(1)で表わされる光学活性な
ホスフィンオキシドカルボン酸の具体的な化合物として
は、例えば、(−)−(S)−[(2−カルボキシエチル)(1,
1,3,3-テトラメチルブチル)メチル]ホスフィンオキシ
ド、(+)−(R)−[(2−カルボキシエチル)(1,1,3,3-テ
トラメチルブチル)メチル]ホスフィンオキシド、(−)−
(S)−[(2−カルボキシエチル)( 1,1,-ジメチルエチ
ル)メチル]ホスフィンオキシド、(+)−(R)−[(2−カ
ルボキシエチル)( 1,1,-ジメチルエチル)メチル]ホスフ
ィンオキシド、(−)−(S)−[(2−カルボキシエチル)
(1,1,3,3-テトラメチルブチル)エチル]ホスフィンオキ
シド、(+)−(R)−[(2−カルボキシエチル)(1,1,3,3-
テトラメチルブチル)エチル]ホスフィンオキシド、(−)
−(S)−[(2−カルボキシエチル)(1,1,3,3-テトラメチ
ルブチル)(1,1,-ジメチルエチル)]ホスフィンオキシ
ド、(+)−(R)−[(2−カルボキシエチル)(1,1,3,3-テ
トラメチルブチル)(1,1,-ジメチルエチル)]ホスフィ
ンオキシド、(−)−(S)−[(2−カルボキシエチル)(o-
メトキシフェニル)フェニル]ホスフィンオキシド、
(+)−(R)−[(2−カルボキシエチル) (o-メトキシフ
ェニル)フェニル]ホスフィンオキシド、(−)−(S)−
[(2−カルボキシエチル)(o-エチルフェニル)フェニ
ル]ホスフィンオキシド、(+)−(R)−[(2−カルボキ
シエチル)(o-エチルフェニル)フェニル]ホスフィンオ
キシドなどが挙げられる。
【0019】これら光学活性なホスフィンオキシドカル
ボン酸の製造方法は、特に、限定されないが、その一例
を示すと、先に本発明者らが提案した特願平10−29
803号記載の発明のように、下記一般式(5):
【0020】
【化8】
【0021】(式中、R1及びR2は前記と同義)で表さ
れるラセミ混合物を、光学活性な1−フェニルエチルア
ミンなどのアミンを用いて、ジアステレオマー塩を形成
させ、溶媒への溶解度差を利用して、光学活性体に分割
する方法が好適に用いられる。具体的には、前記一般式
(4)で示されるホスフィンオキシドカルボン酸のラセ
ミ体混合物に、光学分割剤である光学活性な1−フェニ
ルエチルアミンを、ホスフィンオキシドカルボン酸に対
して0.7〜1.0モルの割合で添加すればよい。
【0022】反応溶媒は、アセトン、メチルエチルケト
ン、MIBK等のケトン類が適しており、特にアセト
ン、メチルエチルケトンが望ましい。該溶媒の使用量
は、溶解度によって異なるが、一般に溶質の5〜10倍
量(重量比)が適当である。 両者の反応は、中和反応
であるので、特別な反応条件を必要としない。混合する
方法も、任意であり、直接溶媒中に混合しても、それぞ
れの溶液を混合しても差し支えない。反応温度は、室温
ないしは加熱した場合は溶媒の沸点以下の温度において
均一な溶液とし、静置して難溶性なジアステレオマー塩
として析出させる。静置させる温度は、室温もしくは冷
蔵庫または冷凍庫などで冷却した温度でも構わない。こ
のとき、析出させようとする塩の種結晶を接種すること
も通常行われる。
【0023】析出した塩は、濾過または遠心分離により
溶媒から分離し、必要に応じて再結晶・精製する。得ら
れた塩は、塩酸、硫酸などの強酸で処理して塩を分解さ
せ、ホスフィンオキシドカルボン酸が可溶な水と混合し
ない溶媒で抽出することにより光学活性なホスフィンオ
キシドカルボン酸が得られる。また必要に応じて再結精
製して用いることができる
【0024】(四酢酸鉛)本発明の製造方法に使用する
もう一方の反応原料である四酢酸鉛は、工業的に入手で
きるものであれば特に限定はなく、含水物であっても無
水物であってもよい。本発明の前記一般式(2)で表わ
される光学活性なビニルホスフィンオキシドの製造方法
は、前記一般式(1)で表わされる光学活性なホスフィ
ンオキシドカルボン酸を溶媒中で四酢酸鉛で酸化反応す
るもので、反応原料の前記一般式(1)で表わされる光
学活性なホスフィンオキシドカルボン酸の(+)体、又
は(−)体を選択して、四酢酸鉛と反応させることによ
り目的とする前記一般式(2)で表される光学活性なビ
ニルホスフィンオキシドを所望の(+)体、又は(−)
体を得るところに特徴がある。
【0025】本発明の製造方法で得られる具体的な化合
物としては、例えば、(−)−[(1,1,3,3-テトラメチル
ブチル)メチルビニル]ホスフィンオキシド、(+)−
[(1,1,3,3-テトラメチルブチル)メチルビニル]ホスフ
ィンオキシド、(−)−[( 1,1,-ジメチルエチル)メチル
ビニル]ホスフィンオキシド、(+)−[( 1,1,-ジメチ
ルエチル)メチルビニル]ホスフィンオキシド、(−)−
[(1,1,3,3-テトラメチルブチル)エチルビニル]ホスフ
ィンオキシド、(+)−[(1,1,3,3-テトラメチルブチル)
エチルビニル]ホスフィンオキシド、(−)−[(o-メト
キシフェニル)フェニルビニル]ホスフィンオキシド、
(+)−[(o-メトキシフェニル)フェニルビニル]ホス
フィンオキシド、(−)−[(o-エチルフェニル)フェニ
ルビニル]ホスフィンオキシド、(+)−[(o-エチルフ
ェニル)フェニルビニル]ホスフィンオキシドなどが挙
げられる。
【0026】四酢酸鉛の使用量は、ホスフィンオキシド
カルボン酸に対して、0.1〜2.0倍モル、好ましく
は、0.5〜1.5倍モルである。また、酢酸銅を、四
酢酸鉛に対して、0.01〜1.0倍モル、好ましくは
0.1〜0.5倍モル使用する。ホスフィンオキシドカ
ルボン酸が、四酢酸鉛により酸化、脱炭酸されて生成し
たラジカルイオンから、水素カチオンを引き抜いて不飽
和エチレンを生成させるのに、酢酸銅が手助けとなる。
なお、酢酸銅は、無水物であっても含水物であってもよ
い。
【0027】さらに、本発明の製造方法において、所望
により触媒としてピリジン、トリエチルアミンなどの塩
基を用いてもよい。この場合、使用量は、ごく微量で、
例えば、四酢酸鉛に対して、0.001〜0.5倍モ
ル、好ましくは、0.05〜0.2倍モルである。
【0028】反応溶媒としては、ベンゼン、トルエン、
キシレンなどの芳香族炭化水素や、クロロベンゼン、o
−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p−ジク
ロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、o−
クロロトルエン、p−クロロトルエン、ブロモベンゼ
ン、o−ジブロモベンゼン、m−ジブロモベンゼン、p
−ジブロモベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素
や、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水
素や、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロ
ロエタン、トリクロロエチレンなどのハロゲン化脂肪族
炭化水素などが好ましい。
【0029】なお、原料の四酢酸鉛は、光により褐色に
着色するので、光を遮断した容器や、装置を用いるのが
好まく、また、空気により酸化するので、窒素などの不
活性なガスを一定量通気させながら反応させことが好ま
しい。反応温度は、用いる溶媒の沸点により異なるが、
溶媒の沸点以下の温度で、通常20〜150℃、好まし
くは、50〜100℃であり、反応時間は、通常0.5
〜24時間、好ましくは1〜5時間である。かくするこ
とにより得られる前記一般式(2)で表わされる光学活
性なビニルホスフィンオキシドは光学純度が高く、光学
活性な化合物の反応原料として有用である。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明する
が本発明はこれらに限定されるものではない。 (参考例 1) [(2−カルボキシエチル)(1,1,3,3-テトラメチルブチ
ル)メチル]ホスフィンオキシドラセミ混合物の合成 攪拌機、温度計、滴下ロート、コンデンサーを備えた3
00mlの四つ口フラスコを十分に窒素置換し、(1、
1、3、3−テトラメチルブチル)メチルホスフィン1
6.0g(0.1モル)、濃塩酸15.6g(0.15
モル)を仕込み、20〜25℃に冷却して保ちながらア
クリル酸7.2g(0.1モル)を滴下した。滴下後、
40℃で2時間熟成し、エバポレーターで濃縮して、過
剰の塩酸を除去した。純水100mlを添加し、80℃
まで昇温し、35%過酸化水素水10.7g(0.11
モル)を温度を保ちながら徐々に滴下した。さらに、同
温度で3時間熟成させた。濃縮することにより得られた
粘性固体をアセトンで再結晶・精製することにより、融
点100〜103℃の白色結晶15.8g(収率63.
8%)を得た。分析の結果、[(2−カルボキシエチル)
(1,1,3,3-テトラメチルブチル)メチル]ホスフィンオキ
シドのラセミ混合物であった。
【0031】1H-NMR(ppm,CDCl3): 1.06(s,9H,CH3), 1.
35(d,6H,JPCCH=17.6Hz,CH3), 1.50(d,2H, C
H2,JPCCH=8.6Hz), 1.59(d,3H,P-CH3,JPCH=11.7Hz), 1.9
2-2.27(m,2H,P- CH2-), 2.57-2.80(m,2H,-CH2
-COO), 11.81(s,1H,COOH) FAB-MASS(Pos.): m/z = 249 [M+H+] FT-IR(KBr,cm-1): 2953, 2918, 1735, 1422, 1233, 11
71, 1112, 964, 903 UV-VIS(MeOH): εmax = 140.1、 λmax=218.1nm
【0032】(光学分割 その1)50mlのフラスコ
に、上記の参考例1で得られた[(2−カルボキシエチ
ル)(1,1,3,3-テトラメチルブチル)メチル]ホスフィンオ
キシドのラセミ混合物3.03g(12.2mモル)、
アセトン4.5mlを入れ、(+)−(R)−1−フェニル
エチルアミン1.48g(12.2mモル)を添加し
た。わずかに発熱して完全に溶解した。0℃で一昼夜静
置させ結晶を析出させた。結晶を濾別し、真空乾燥させ
て、0.83gの白色結晶を得た。融点135−138
℃、旋光度[α]25 D=+3.42(c 1.072 CH3OH)であっ
た。塩酸で遊離させ、ジクロロメタンで抽出することに
より0.11gの白色結晶を得た。融点145−146
℃、旋光度[α]25 D=−8.17(c=1.04、メタ
ノール)で、(−)−(S)−[(2−カルボキシエチル)(1,
1,3,3-テトラメチルブチル)メチル]ホスフィンオキシド
であった。
【0033】1H-NMR(ppm,CDCl3):1.06(s,9H,CH3), 1.3
3(d,6H,JPCCH=17.0Hz,CH3), 1.50(d,2H, CH2,
JPCCH=8.4Hz), 1.49(d,3H,P-CH3,JPCH=11.7Hz), 1.78-
2.16(m,2H,P- CH2-), 2.46-2.71(m,2H,-CH2-C
OO), 10.34(s,1H,COOH) FAB-MASS(Pos.):m/z=249[M+H+]
【0034】(光学分割 その2)50mlのフラスコ
に、上記の参考例1で得られた[(2−カルボキシエチ
ル)(1,1,3,3-テトラメチルブチル)メチル]ホスフィンオ
キシドのラセミ混合物3.05g(12.3mモル)、
アセトン4.5mlを入れ、(−)−(S)−1−フェニル
エチルアミン1.48g(12.2mモル)を添加し、
0℃で一昼夜静置させ結晶を析出させた。結晶を濾別
し、真空乾燥させて、0.32gの白色結晶を得た。融
点126−131℃であった。塩酸で遊離させ、ジクロ
ロメタンで抽出することにより、0.18gの白色結晶
を得た。融点は144−146℃、旋光度[α]25 D=+
6.30(c=0.238、メタノール)で、(+)−
(R)−[(2−カルボキシエチル)(1,1,3,3-テトラメチル
ブチル)メチル]ホスフィンオキシドであった。
【0035】1H-NMR(ppm,CDCl3):1.06(s,9H,CH3), 1.3
3(d,6H,JPCCH=17.0Hz,CH3), 1.50(d,2H,C H2,
JPCCH=8.4Hz), 1.49(d,3H,P-CH3,JPCH=11.7Hz), 1.83-
2.22(m,2H,P-C H2-), 2.53-2.76(m,2H,-CH2-C
OO), 10.72(s,1H,COOH) FAB-MASS(Pos.):m/z=249[M+H+]
【0036】(実施例 1) (+)−[(1,1,3,3-テトラメチルブチル)メチルビニル]
ホスフィンオキシドの合成 攪拌機、温度計、コンデンサーを備えた300mlの四
つ口フラスコに、光学分割その1により得られた(−)−
(S)−[(2−カルボキシエチル)(1,1,3,3-テトラメチル
ブチル)メチル]ホスフィンオキシド5.03g(20.
3mモル)、無水酢酸銅0.65g(3.6mモル)、
ピリジン0.13g(1.5mモル)、クロロベンゼン
30mlを添加して30分間、室温で攪拌溶解させた。
さらに、窒素気流下で、四酢酸鉛8.9g(20.1m
モル)を添加し、冷暗所で1時間攪拌溶解させた。窒素
気流下で、80℃に加熱し、7時間30分反応させた。
冷却後、エバポレーターで溶媒を濃縮し、クロロホルム
と水を添加し、クロロホルム層を分液し、無水硫酸ナト
リウムで脱水後、エバポレーターで濃縮することによ
り、緑色液体4.64gを得た。粗生成物を減圧蒸留
し、80〜85℃/3〜4mmHgの留分を分取するこ
とにより、無色透明液体1.20gを得た。ガスクロマ
トグラフィーで分析したところ、純度85.5%で、蒸
留収率は、25.0%であった。光学活性カラムCHI
RALCEL OD−RH(ダイセル化学工業製)、溶
離液にアセトニトリル:水=4:1、0.5ml/分、
UV検出器(215nm)、温度30℃で、光学純度を
測定したところ、光学純度は、97.0% e.e.であっ
た。また、旋光度は、[α]24 D = +26.37(c=
1.86、CHCl3)であった。
【0037】(実施例 2) (−)−[(1,1,3,3-テトラメチルブチル)メチルビニル]
ホスフィンオキシドの合成 光学分割その2により得られた(+)−(R)−[(2−カル
ボキシエチル)(1,1,3,3-テトラメチルブチル)メチル]ホ
スフィンオキシドを用いて、実施例1と同様に反応させ
た。攪拌機、温度計、コンデンサーを備えた300ml
の四つ口フラスコに、(+)−(R)−[(2−カルボキシエ
チル)(1,1,3,3-テトラメチルブチル)メチル]ホスフィン
オキシド7.30g(29.4mモル)、無水酢酸銅
0.74g(4.0mモル)、ピリジン0.15g
(1.9mモル)、クロロベンゼン30mlを添加して
30分間、室温で攪拌溶解させた。さらに、窒素気流下
で、四酢酸鉛13.25g(29.9mモル)を添加
し、冷暗所で1時間攪拌溶解させた。窒素気流下で、8
0℃に加熱し、3時間反応させた。冷却後、クロロホル
ムと水を添加し、クロロホルム層を分液し、無水硫酸ナ
トリウムで脱水後、エバポレーターで濃縮することによ
り、緑色液体7.73gを得た。粗生成物を減圧蒸留
し、68〜71℃/3mmHgの留分を分取することに
より、無色透明液体2.12gを得た。ガスクロマトグ
ラフィーで分析したところ、純度91.5%で、蒸留収
率は、32.6%であった。光学活性カラムCHIRA
LCEL OD−RH(ダイセル化学工業製)、溶離液
にアセトニトリル:水=4:1、0.5ml/分、UV
検出器(215nm)、温度30℃で、光学純度を測定
したところ、光学純度は、99.0% e.e.であった。
また、旋光度は、[α]23 D = −30.07(c=0.
798、CHCl3)であった。
【0038】(比較例) [(1,1,3,3-テトラメチルブチル)メチルビニル]ホスフ
ィンオキシドラセミ混合物の合成 攪拌機、温度計、コンデンサーを備えた300mlの四
つ口フラスコに、前記参考例1で得たラセミ混合物であ
る[(2−カルボキシエチル)(1,1,3,3-テトラメチルブチ
ル)メチル]ホスフィンオキシド24.8g(100.0
mモル)、無水酢酸銅455mg(2.5mモル)、ピ
リジン54.5mg(6.6mモル)、クロロベンゼン
30mlを添加して30分間、攪拌溶解させた。さら
に、窒素気流下で、四酢酸鉛21.5g(46.5mモ
ル)を添加し、冷暗所で1時間攪拌溶解させた。窒素気
流下で、85℃に加熱し、1時間30分反応させた。冷
却後、トルエン200mlを添加し希釈後、容量の純水
で洗浄し、さらに飽和重炭酸ナトリウム水溶液で2回洗
浄した。有機溶媒層を分液し、無水硫酸ナトリウムで脱
水後エバポレーターで濃縮することにより、黄緑色液体
12.2gを得た。
【0039】粗生成物を減圧蒸留し、109〜112℃
/4mmHgの留分を分取することにより、無色透明液
体6.4gを得た。ガスクロマトグラフィーで分析した
ところ、純度93.4%で、蒸留収率は、31.6%で
あった。また、得られた黄緑色液体を1H−NMR、31
P−NMR、FT−IR、GC−MS及びUV分析によ
り同定分析したところ、(1,1,3,3-テトラメチルブチル)
ビニルホスフィンオキシドのラセミ混合物であることが
確認された。
【0040】<同定データ>1 H-NMR(δ、CDCl3):1.052 ( s, 9H), 1.305 (d, J = 1
6.31Hz, J = 2.37Hz,6H), 1.451 (d, J = 11.
17 Hz, 3H), 1.564 (d, J = 4.78 Hz, 2H), 6.147-6.33
9 (m, 3H)31 P-NMR (δ、CDCl3, Internal Standard; H3PO4):46.
95(s) FT-IR (液膜、cm-1):2953.5 (C-H伸縮), 1474.3, 138
9.5, 1366.3 (C-H面内変角), 1180.2 (P=O伸縮), 989.
3, 882.3 (C-H面外変角) GC-MASS(Pos.):m/z = 202 [M+] UV-VIS(MeOH):εmax = 2300.6、 λmax=199.2nm
【0041】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、光学純度の
高い光学活性なビニルホスフィンオキシドを工業的に有
利な方法で容易に得ることができる。また、本発明で得
られる光学活性なビニルホスフィンオキシドは、光学純
度が高いものが要求される化合物の反応原料として利用
価値は極めて大である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA02 AC26 AC81 BA05 BA32 BA51 BA69 4H039 CA21 CG40 CG90 4H050 AA02 AC20 BA05 BA32 BA51 BA69

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1): 【化1】 (式中、R1、R2は炭素数1〜18の直鎖または分岐状
    のアルキル基、置換もしくは無置換のフェニル基を示
    す。R1、R2は互いに異なる基を示し、P*は不斉リン
    原子を示す。)で表される光学活性なホスフィンオキシ
    ドカルボン酸と四酢酸鉛とを反応させることを特徴とす
    る下記一般式(2): 【化2】 (式中、 R1、R2及びP*は、前記と同義である。)で
    示される光学活性なビニルホスフィンオキシドの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 反応を、酢酸銅の存在下に行う請求項1
    記載の光学活性なビニルホスフィンオキシドの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 反応を、塩基の存在下で行う請求項1又
    は2記載の光学活性なビニルホスフィンオキシドの製造
    方法。
  4. 【請求項4】 反応を、ピリジン、トリエチルアミンか
    ら選ばれる塩基の存在下で行う請求項1乃至3のいずれ
    かに記載の光学活性なビニルホスフィンオキシドの製造
    方法。
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