JP2006282587A - 3−アミノフェニルアセチレンの製造方法 - Google Patents

3−アミノフェニルアセチレンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 可能な限り廃棄物を削減し、工業的規模で経済的に実施可能な3−アミノフェニルアセチレンの製造方法を提供すること。
【解決手段】 1)パラジウム化合物、銅化合物及び下記一般式(3)で表される化合物の存在下で、下記一般式(1)で表される化合物と下記一般式(2)で表される化合物とを反応させ反応生成物を得る工程と、2)前記反応生成物を晶析して、下記一般式(4)で表される化合物を結晶として析出させ、これを固液分離によって単離する工程と、3)前記一般式(4)で表される化合物と塩基とを反応させる工程と、を有する下記一般式(5)で表される3−アミノフェニルアセチレン化合物の製造方法。
Figure 2006282587

Yはハロゲン原子を表し、R1〜R5は各々独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基等を表す。
【選択図】 なし

Description

本発明は医農薬、熱硬化性樹脂、非線形光学材料などの合成原料として有用な3−アミノフェニルアセチレンの製造方法に関する。
3−アミノフェニルアセチレンはポリイミド、ポリイミンなどを構成しうるアミノ基と、重合性を有するアセチレン基が同一分子内に共存する興味深い化合物であり、様々な分野における研究対象として注目されている。例えば熱硬化性樹脂(例えば、特許文献1〜4参照。)、非線形光学材料(例えば、特許文献5、6参照。)、医農薬(例えば、特許文献7〜9参照。)等の合成中間体として有用である。
このように種々の用途が存在する3−アミノフェニルアセチレンの製造方法についても種々開示されている。これまで開示されている製造方法は、(1)アセチレン基とニトロ基がともに存在する前駆体のニトロ基還元を経由する方法、(2)ニトロ体を中間体として経由しない方法の2種に大別することができる。
(1)の経路による製造方法としては、3−ニトロフェニルアセチレンをいったんアセトンと縮合した誘導体に変換し、これをRu触媒で還元する方法(例えば、非特許文献1参照。)、コバルトポリスルフィド(CoSx)やルテニウム(IV)スルフィドを用いる還元方法(例えば、非特許文献2参照。)、鉄あるいは鉄塩を用いて還元する方法(例えば、特許文献10参照。)が知られている。
(2)のニトロ体を中間体として経由しない方法としては、有機スズ化合物であるトリアルキルスタニルアセチレンと3−ヨードアニリンをパラジウム触媒の存在下にカップリングする方法(例えば、非特許文献3参照。)、その他に3−ハロアニリンと保護されたアセチレン化合物を強塩基、パラジウム化合物及び銅化合物の存在下に反応させる工程を含む方法(例えば、特許文献11参照。)が知られている。
特許文献11に記載の方法では、3−ハロアニリンとアセチレン化合物の反応における好ましい強塩基としてジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロウンデカン、1,1,3,3−テトラメチルグアニジンが例示されている。
一方、近年化学製造プロセスの環境に対する負荷が問題になってきており、廃棄物が少なく、有害な溶剤や反応剤等を可能な限り使用しないクリーンな化学反応が求められるようになってきている(例えば、非特許文献4参照。)。
(1)の経路による製造方法においては、アセチレン基とニトロ基がともに存在する系においてニトロ基のみを還元することが重要であるが、現実には完全な選択性を実現することは困難である。またコバルトポリスルフィド(CoSx)といった特殊な触媒の調整が必要であったり、還元剤として使用した鉄化合物の除去が煩雑であるなど、コストアップの要因となるばかりでなく廃棄物処理を含めた作業の煩雑さにもつながっていた。
一方、(2)のニトロ体を中間体として経由しない方法では還元に関する問題は回避されるが、例えば非特許文献3に開示されている方法では有毒な有機スズ化合物を用いており、環境面から工業スケールの製造には不向きである。
また特許文献11におけるジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロウンデカン、1,1,3,3−テトラメチルグアニジンといった強塩基は比較的高価である。加えて、特許文献11の製造方法は、反応生成物を塩化メチレンで抽出した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製を行う方法であり、操作が煩雑なため工業スケールの製造には不向きなうえに廃棄物の観点からも問題があった。
米国特許第4,485,231号明細書 米国特許第4,442,278号明細書 米国特許第5,138,028号明細書 特開平4−275259号公報 特開平1−2332631号公報 特開昭63−68549号公報 米国特許第5,360,802号明細書 特開昭57−118568号公報 特開昭59−164160号公報 特開平10−36325号公報 米国特許第5,902,902号明細書 J.Org.Chem.,44巻,1233頁(1979) J.Org.Chem.,44巻,3671頁(1979) Macromoleculus,19巻,2093頁(1986) 化学フロンティア4「グリーンケミストリー」,化学同人,GSCネットワーク訳,2001年11月30日
このように従来の製造方法は、操作性、安全性、製造コスト、反応1回あたりの処理量、目的物の分離精製、環境への配慮等などを考慮すると決して有利な方法とは言えなかった。
従って本発明の目的は、上記問題点を克服し、環境に対して好ましくない化合物や溶剤を使用することなく、可能な限り廃棄物を削減し、工業的規模で経済的に実施可能な3−アミノフェニルアセチレンの製造方法を提供することにある。
本発明者等は上記の事情に鑑み、3−アミノフェニルアセチレンの製造方法について鋭意研究した結果、以下の新規な手段によって上述の課題が解決されることを確認し、本発明を完成するに至ったものである。
<1> 下記1)〜3)の工程を含むことを特徴とする下記一般式(5)で表される3−アミノフェニルアセチレン化合物の製造方法。
1) パラジウム化合物、銅化合物及び下記一般式(3)で表されるアミン化合物の存在下で、下記一般式(1)で表される3−ハロアニリン化合物と下記一般式(2)で表されるアセチレン化合物とを反応させ、反応生成物を得る工程、
2) 前記反応生成物を晶析して、下記一般式(4)で表されるアニリン化合物を結晶として析出させ、これを固液分離によって単離する工程、
3) 前記一般式(4)で表されるアニリン化合物と塩基とを反応させて、下記一般式(5)で表される3−アミノフェニルアセチレンを得る工程。
Figure 2006282587
一般式(1)〜(4)において、Yはハロゲン原子を表し、R1及びR2は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表し、R3は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R4及びR5は各々独立に、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表す。ここで、R1とR2とが互いに結合して環を形成してもよく、R4とR5とが互いに結合して環を形成していてもよい。
<2> 前記一般式(3)で表されるアミン化合物が、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ピペリジン、ピロリジン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジン、トリエチルアミン、トリn−プロピルアミン、トリn−ブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、及びN,N−ジエチルアニリンからなる群より選択されることを特徴とする前記<1>に記載の製造方法。
<3> 前記パラジウム化合物が、ホスフィン化合物が配位したPdX2(Xは塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、酢酸イオン、アセチルアセトネート又はジベンジルアセトネートを表す。)で表されるパラジウム化合物であることを特徴とする前記<1>又は<2>に記載の製造方法。
本発明によれば、環境に対して好ましくない化合物や溶剤を使用することなく、可能な限り廃棄物を削減し、工業的規模で経済的に実施可能な3−アミノフェニルアセチレンの製造方法を提供できる。
まず一般式(1)で表される3−ハロアニリン化合物について説明する。
Figure 2006282587
一般式(1)中、Yはハロゲン原子を表す。ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられるが、好ましくは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、より好ましくは臭素原子、ヨウ素原子であり、さらに好ましくは臭素原子である。
次に一般式(2)で表されるアセチレン化合物について説明する。
Figure 2006282587
一般式(2)中、R1及びR2は各々独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表す。
1及びR2が、炭素数1〜6のアルキル基を表す場合、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、イソブチル、t−ブチル、n−ヘキシル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル、シクロブチル、シクロヘキシル等が挙げられる。これらのなかでもメチル、エチル、イソブチル、シクロプロピルが好ましい。なお、R1とR2が互いに結合して環を形成していてもよく、該環は、好ましくは3〜7員環で、脂環が好ましく、その例としてはシクロプロパン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環等が挙げられる。
1、R2が炭素数6〜12のアリール基を表す場合、該アリール基としては置換あるいは無置換の芳香族炭化水素基が挙げられる。アリール基の具体的な例としてはフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、p−トリル、2,4,6−トリメチルフェニル(メシチル)等が挙げられるが、これらの中でもフェニル、1−ナフチル、p−トリルが好ましく、フェニル、p−トリルがより好ましく、フェニルが特に好ましい。
1及びR2は、ともに炭素数1〜6のアルキル基である場合が好ましく、これらがともにメチル基である場合がより好ましい。
以下に一般式(2)で表されるアセチレン化合物の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2006282587
一般式(2)で表されるアセチレン化合物は、例えば、J.Org.Chem.,63巻,3515頁(1998)などの文献記載の方法によって得ることができる。
次に一般式(4)で表されるアニリン化合物について説明する。
Figure 2006282587
一般式(4)中、R1及びR2は前記一般式(2)において説明したものと同義であり、好ましい範囲も同一である。またR1とR2が互いに結合して環を形成してもよく、該環の好ましい範囲も前記一般式(2)において説明したものと同一である。
以下に一般式(4)で表わされるアニリン化合物の好ましい具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2006282587
次に、本発明の製造方法における各工程1)〜3)及びその反応もしくは操作条件について詳述する。
本発明の製造方法の工程1)は、一般式(1)で表される3−ハロアニリン化合物と一般式(2)で表されるアセチレン化合物をパラジウム化合物、銅化合物、及び下記一般式(3)で表されるアミン化合物の存在下で反応して、一般式(4)で表されるアニリン化合物を生成させる工程である。
Figure 2006282587
一般式(3)中、R3は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
3が炭素数1〜4のアルキル基を表す場合、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル等が挙げられる。
3としては、水素原子、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチルが好ましい。
4及びR5は、各々独立に炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表す。
4及びR5で表される炭素数1〜4のアルキル基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、シクロプロピル、シクロプロピルメチル等が挙げられ、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチルが好ましい。
4及びR5で表される炭素数1〜4のアルキル基は、無置換であっても置換基を有していてもよい。該置換基としては、水酸基、メトキシ基、エトキシ基、シアノ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、フェノキシ基などが挙げられるが、なかでもメトキシ基、エトキシ基、シアノ基、フェノキシ基などが好ましく、より好ましくはメトキシ基、エトキシ基等を挙げることができる。
4及びR5で表される炭素数6〜12のアリール基は、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等が挙げられ、フェニル、1−ナフチルが好ましく、フェニルが特に好ましい。
4及びR5で表される炭素数6〜12のアリール基は、無置換であっても置換基を有していてもよい。該置換基としては、メチル基、エチル基、ニトロ基、メトキシ基、塩素原子、フッ素原子などが挙げられるが、なかでもメチル基、ニトロ基、メトキシ基、塩素原子が好ましく、より好ましくはメチル基、ニトロ基等を挙げることができる。
4とR5は互いに結合して環を形成してもよく、該環は脂環でもヘテロ環でもよく、芳香環でも芳香環以外の不飽和環でもよく、3〜7員環が好ましく、より好ましくは5〜6員環である。該環の好ましい環としては、含窒素5員環(例えばピロリジン環)あるいは6員環(例えばピペリジン環)、若しくは酸素原子を含んだ6員環(例えばモルホリン環)が挙げられる。
一般式(3)で表されるアミン化合物の具体例としては、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ピペリジン、ピロリジン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジン、トリエチルアミン、トリn−プロピルアミン、トリn−ブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、及びN,N−ジエチルアニリン等を挙げることができ、より具体的には、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、トリn−ブチルアミン、トリn−プロピルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジン、ジブチルアミン等が挙げられる。これらの中でもN,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N−メチルアニリン、トリn−ブチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジン、ジブチルアミンが好ましく、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、トリn−ブチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジンがより好ましい。最も好ましいアミン化合物は、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、N−メチルモルホリン、あるいはこれらの中から選択される2〜3種のアミン化合物の併用系である。
本発明においては、ジアザビシクロウンデカン、1,1,3,3−テトラメチルグアニジンといった高価な強塩基を用いる必要はない。
一般式(3)で表されるアミン化合物の使用量は、一般式(1)で表される3−ハロアニリン化合物に対して、1.0〜20.0当量の範囲が好ましく、2.0〜10当量がより好ましく、さらに好ましくは2.5〜6.0当量である。
本発明における工程1)で用いられるパラジウム化合物としては、2価又は0価のパラジウム化合物が挙げられる。
2価又は0価のパラジウム化合物の例としては、ホスフィン化合物が配位したPdX2(Xは塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、酢酸イオン、アセチルアセトネート又はジベンジルアセトネートを表す)で表されるパラジウム化合物が好ましい。
さらに好ましくは、後述する一般式(P1)、(P2)又は(P3)で表されるパラジウム化合物である。
一般式(P1): L2PdX2
一般式(P1)中、Lは1座配位のホスフィン化合物を表し、好ましくはP(R6)(R7)(R8)で表されるホスフィン化合物である。ここでR6〜R8は各々独立に、アリール基又はアルキル基などの炭化水素基を表し、これらの少なくとも2個が互いに結合して環を形成していてもよい。R6〜R8の基の具体例は、メチル、エチル、プロピル、n−ブチル、tert−ブチル、シクロヘキシル、エチルヘキシル、オクチル、ベンジル、o−トルイル、m−トルイル、フェニル、ナフチルなどが挙げられるが、好ましくはn−ブチル、シクロヘキシル、オクチル、o−トルイル、フェニル、ナフチルであり、より好ましくはシクロヘキシル、オクチル、o−トルイル、フェニルであり、さらに好ましくはo−トルイル、フェニルである。
Xは、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、酢酸イオン、アセチルアセトネート又はジベンジルアセトネートを表し、好ましくは、塩化物イオン、酢酸イオン、又はアセチルアセトネートである。
一般式(P1)の具体例としては、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリドが挙げられる。
一般式(P2): (L−L)PdX2
一般式(P2)中、(L−L)は2座配位ホスフィン化合物又は2座配位窒素化合物を表す。
2座配位ホスフィン化合物の例としては、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エチレン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,1’−(ジフェニルホスフィノ)フェロセン等が挙げられる。
2座配位窒素化合物としては1,10−フェナントロリンが好ましく例示される。
Xは、一般式(P1)におけるXと同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(P3): PdL4
一般式(P3)中、Lは一般式(P1)におけるLと同義であり、好ましい範囲も同様である。
従来報告されているアリールハライドとアセチレン化合物のパラジウムカップリング反応では、一般式(P1)で表されるパラジウム化合物、例えばビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド等を触媒用いる例が多い(例えば特許文献10や、Synthesis,364頁(1981))。しかし、一般式(P1)で表されるパラジウム化合物は非常に高価である。
そこで、本発明の製造方法では、一般式(P1)で表されるパラジウム化合物を反応系内で混合して用いる。
すなわち、PdX2で表されるパラジウム化合物とこれに配位するホスフィン化合物とを反応系内に添加し、系内において一般式(P1)で表されるパラジウム化合物となるように調製する。これにより、安価なPdX2で表されるパラジウム化合物とホスフィン化合物とを用いて製造することが可能となる。
具体的には、PdX2で表されるパラジウム化合物と組み合わせるホスフィン化合物の例としては、前述のP(R6)(R7)(R8)で表される1座配位ホスフィン化合物や2座配位ホスフィン化合物が挙げられ、その具体例、好ましい範囲は先に説明した内容と同一であるが、より好ましいホスフィン化合物はトリ(o−トルイル)ホスフィン、トリフェニルホスフィンである。また、PdX2としても、一般式(P1)で説明したものと同義であるが、酢酸パラジウム(II)が特に好ましい。
一般式(P1)〜(P3)で表されるパラジウム化合物の使用量は、一般式(1)で表される3−ハロアニリン化合物に対して1.0×10-8〜5.0×10-2当量の範囲であルことが好ましく、より好ましくは、1.0×10-6〜5.0×10-3当量の範囲である。
この範囲を超えてパラジウム化合物を使用しても、反応速度は向上するが最終的な生成率、単離収率はそれほど向上しない。むしろ反応混合物/生成物の着色増大やコストアップにつながり、工業スケールでの製造ではかえって障害となる。逆にパラジウム化合物の使用量がこの範囲以下だと、反応速度が著しく低下する。
また、PdX2で表されるパラジウム化合物とホスフィン化合物を反応系内に添加して、一般式(P1)又は(P2)で表されるホスフィン化合物が配位したパラジウム化合物を調製し反応を実施する場合、PdX2で表されるパラジウム化合物に対するホスフィン化合物の使用量は、1.0〜100当量の範囲が好ましく、より好ましくは、1.0〜40当量であり、更に好ましくは2.0〜25当量、特に好ましくは4.0〜15当量である。
上記範囲を超えて大過剰に使用しても、反応速度、生成率、目的物にはそれほど影響しない。逆にあまり過剰にホスフィン化合物を使用すると後の除去操作が煩雑になり、かえって廃棄物量の増大やコストアップにつながるため工業スケールでの製造では障害となる。
工程1)における銅化合物としては、1価の銅化合物が好ましい。
具体的な銅(I)化合物の例としては塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)、酢酸銅(I)、シアン化銅(I)等を好ましく挙げることができる。より好ましくは塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅(I)であり、これらは複数種を併用することも可能である。
銅化合物の使用量は、一般式(1)で表される3−ハロアニリン化合物に対して1.0×10-5〜5.0×10-1当量の範囲が好ましく、1.0×10-4〜5.0×10-1当量がより好ましく、さらに好ましくは1.0×10-3〜2.0×10-1当量である。
工程1)において、4級アンモニウム塩を更に用いることもできる。
4級アンモニウム塩としては、臭化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、塩化ベンジルトリブチルアンモニウム、ヨウ化ベンジルトリブチルアンモニウム、臭化ベンジルトリエチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、臭化ベンジルトリメチルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム等が挙げられる。4級アンモニウム塩の使用量は、一般式(1)で表される3−ハロアニリン化合物に対して1.01×10-2〜5.0×10-1当量の範囲が好ましい。
一般式(2)で表されるアセチレン化合物は、一般式(1)で表される3−ハロアニリン化合物に対して、0.8〜3.0当量の範囲で反応させることが好ましく、1.0〜2.0当量がより好ましく、さらに好ましくは1.1〜1.5当量である。
工程1)における反応溶媒は、反応基質/反応中間体/反応生成物の析出等で攪拌不能になる等の工程操作上の問題を引き起こさず、反応の進行を妨げず、かつ本発明の製造条件において分解して反応に悪影響を与えない限り特に制限はないが、例えばエタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、エチレングリコール等のアルコール系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン等の非プロトン性極性溶媒、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、アニソール等のエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶剤、ヘキサン、へプタン、デカンに代表される脂肪族系炭化水素溶剤、トルエン、キシレン(o−体、m−体、p−体あるいはこれらの任意の割合の混合物のいずれであってもよい)、メシチレン、エチルベンゼン、t−ブチルベンゼン、イソプロピルベンゼン(クメン)、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素溶剤、アセトニトリル、プロピオニトリル等が挙げられる。これらの中でもアセトニトリル、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、トルエン、エチルベンゼン、ヘプタン、デカン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、スルホラン、ジメチルスルホキシドが好ましく、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドがより好ましい。
これらの溶媒は単独でも、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。また先に説明した一般式(3)で表されるアミン化合物を溶媒として使用することも可能である。
溶媒を用いる場合には、一般式(1)で表される3−ハロアニリン化合物1kgに対して、0.1〜100kgの範囲で使用することが好ましく、0.5〜10kgがより好ましく、さらに好ましくは0.8〜5kgである。
工程1)の反応温度は、通常20〜200℃の範囲であるが、好ましくは50〜150℃、より好ましくは60〜130℃の範囲である。反応時間は仕込み量、反応温度により異なるが通常0.5〜20時間であり、3〜10時間の範囲がより好ましい。反応時はアルゴン又は窒素気流等の不活性な雰囲気にすることが好ましい。
なお、パラジウム化合物、銅化合物及び下記一般式(3)で表されるアミン化合物、一般式(1)で表される3−ハロアニリン化合物、及び一般式(2)で表されるアセチレン化合物の添加の順序は特に制限はないが、パラジウム化合物、銅化合物及び下記一般式(3)で表されるアミン化合物、及び一般式(1)で表される3−ハロアニリン化合物を混合したものに、一般式(2)で表されるアセチレン化合物を上記反応温度で加熱して滴下することが、一般式(2)で表されるアセチレン化合物が酸化反応によりジイン化合物に変換される反応を制御する観点から好ましい。
次に工程2)を説明する。
工程2)では、一般式(4)で表されるアニリン化合物を結晶として析出せしめ、これを固液分離によって単離する。
工程1)の反応後、得られた反応生成物を単離するため、まず副生物として生成した塩化合物、触媒も含めた反応系中の不溶解物を固液分離によって除去することによって行う。固液分離の方法は特に制限されず、公知の方法を適用することができる。
次に、不溶解物を除去した反応混合物を濃縮、又は適当な有機溶剤で希釈した後、液液分離(いわゆる分液操作)、必要ならば濃縮等の化学工学的操作を行い、その後適当な溶剤系から晶析する。
一般式(4)で表されるアニリン化合物を晶析する溶剤系としては、例えばエタノール、2−プロパノール等のアルコール系溶媒、ジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル等のエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶剤、アセトニトリル、プロピオニトリル、あるいはこれらの有機溶剤と非極性有機溶剤(具体的にはヘキサン、へプタンに代表される脂肪族系炭化水素溶剤、トルエン等の芳香族炭化水素溶剤)との混合系が挙げられる。晶析溶剤としては、アセトニトリル単独、プロピオニトリル単独、トルエン/2−プロパノール混合系、ヘキサン/2−プロパノール混合系、ヘプタン/2−プロパノール混合系、ヘプタン/メチル−t−ブチルエーテル混合系、ヘキサン/アセトニトリル混合系等を挙げることができる。
晶析溶剤の量は、一般式(4)で表されるアニリン化合物1kgに対して通常3〜50倍容量であるが、好ましくは3〜20倍容量である。
結晶を析出させる際の温度は50℃以下、好ましくは5〜30℃である。
晶析した一般式(4)で表されるアニリン化合物は、通常の固液分離により容易に単離することができる。
これらの操作により反応工程に由来する不純物や着色成分を効果的に除去することができ、一般式(4)で表されるアニリン化合物を高い純度で得ることができる。
次に工程3)を説明する。
工程3)は、得られた一般式(4)で表されるアニリン化合物と塩基とを反応させて、一般式(5)で表される3−アミノフェニルアセチレンを得る工程である。
一般式(4)で表されるアニリン化合物は末端アセチレン化合物とケトン化合物がアルドール縮合した骨格を有しており、塩基処理することにより逆アルドール反応で末端アセチレン構造を再生することができる。その手法は合成化学的に公知であり、例えば特許文献10、非特許文献1、あるいはSynthesis,364頁(1981)に記載の方法等が代表例として適用される。
一般式(4)で表されるアニリン化合物を塩基と反応して、3−アミノフェニルアセチレンに誘導する際に用いる反応溶剤は、攪拌不能になる等の工程操作上の問題を引き起こさず、反応の進行を妨げず、かつ本発明の反応条件において安定である限り特に制限はなく、例えばジイソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、アニソール等のエーテル系溶媒、ヘキサン、へプタン、デカンに代表される脂肪族系炭化水素溶剤、トルエン、キシレン(o−体、m−体、p−体あるいはこれらの任意の割合の混合物のいずれであってもよい)、メシチレン、エチルベンゼン、t−ブチルベンゼン、イソプロピルベンゼン(クメン)、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素溶剤等を挙げることができる。
反応溶剤は、一般式(4)で表されるアニリン化合物1kgに対して、2〜50Lの範囲で用いることが好ましく、2.5〜20Lがより好ましく、さらに好ましくは3〜10Lである。
工程3)における塩基としては、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、アルコキシド、あるいはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、アルコキシド等が挙げられるが、好ましくはアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ土類金属アルコキシドであり、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウム−t−ブトキシド、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、マグネシウムメトキシドである。
これらの中でも工業的規模での大量製造適性、入手の容易さ、価格等の観点から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムに代表されるアルカリ金属水酸化物が特に好ましい。これらはフレーク状、ペレット状のものを使用してもよいし、任意の濃度の水溶液として使用してもよい。水溶液として使用する場合は反応媒体が有機溶剤と水からなる2層系となるが、2層系媒体中でも一般式(4)で表されるアニリン化合物から3−アミノフェニルアセチレンへの変換は容易に進行し、本発明の製造方法の好ましい実施形態の1つである。
工程3)における塩基は、一般式(4)で表されるアニリン化合物に対して、0.05〜3.0当量の範囲で用いることが好ましく、0.1〜2当量がより好ましく、さらに好ましくは0.2〜1.2当量である。
工程3)における反応温度は、通常60〜200℃の範囲であるが、好ましくは60〜150℃、より好ましくは70〜140℃の範囲である。
反応時間は仕込み量、反応温度により異なるが、通常0.5〜8時間であり、1〜6時間の範囲がより好ましい。
反応はアルゴン又は窒素気流等の不活性な雰囲気下で実施し、反応進行に伴い副生するケトン化合物を形外に除去することが好ましい。
反応終了後は、目的とする3−アミノフェニルアセチレンが溶解した有機層を水洗、濃縮することで3−アミノフェニルアセチレンを容易に得ることができる。かかる方法で得られる3−アミノフェニルアセチレンは、通常これ以上精製を行うことなく以降の工程に使用できる程の純度を有する。必要に応じて蒸留、あるいは特許文献10に記載の方法に準じて造塩することにより精製し、以降の工程に使用することも可能である。
本発明によって得ることのできる、下記一般式(5)で表される3−アミノフェニルアセチレン化合物は、熱硬化性樹脂、非線形光学材料、発光材料、光応答性素子、接着剤、医薬または農薬等の合成中間体、及び架橋剤として有用である。
また、本発明の製造方法を用いることによって、特殊な触媒の調製を必要とせず、環境上有害な反応剤を使用することなく有用な一般式(5)で表される3−アミノフェニルアセチレン化合物を製造することができるため、生産性に極めて優れている。よって、一般式(5)で表される3−アミノフェニルアセチレンを工業スケールで、経済的に製造することができる。
Figure 2006282587
以下実施例、比較例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
(中間体1を経由する3−アミノフェニルアセチレンの合成(その1))
以下の反応式により合成した。
Figure 2006282587
3−ブロモアニリン(172g)、トリフェニルホスフィン(8.5g)、酢酸パラジウム(II)(600mg)、ヨウ化銅(I)(1.2g)及びトリエチルアミン(500g)からなる混合物に、還流条件下に加熱攪拌しながら2−メチル−3−ブチン−2−オール(100g)を滴下した。反応混合物を7時間攪拌した後、冷却し、濾過して析出した不溶解成分を除去した。濾液を濃縮、残渣に2−プロパノール(150ml)、ヘキサン(400ml)を加えて加熱溶解し、攪拌しながら20℃まで冷却すると結晶が析出した。
晶析液を10℃まで冷却した後、濾過して結晶を集め、洗浄、乾燥して132gの中間体1を淡褐色針状結晶として得た。3−ブロモアニリンを基準として収率は75%であった。下記に、得られた中間体1の分析結果を示す。
・融点:117.2〜118.0℃
11H−NMR(CDCl3,TMS)及びマススペクトルデータは、非特許文献1に記載の値と一致した。
次に、中間体1(105g)、水酸化ナトリウム(7g)、トルエン(250ml)からなる混合物を、窒素気流下に3時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却した後、濾過し、濾液をエチレンジアミン4酢酸2ナトリウム塩(EDTA−2ナトリウム塩)の水溶液、次いで水で洗浄後、トルエンを留去した。残渣を蒸留し、62gの3−アミノフェニルアセチレンを無色液体として得た。収率は88%であった。下記に、得られた無色液体の3−アミノフェニルアセチレンの分析結果を示す。
・沸点: 128〜132℃/5mmHg
・GC純度: 99.2%
・MS: m/z117(M+)、89、69、59
1H−NMR(CDCl3,TMS): 測定結果のチャートを図1に示す。
GC測定条件は以下の通りである。
カラム:Chrompack WCOT FUSED SILICA CP−SIL 8CB for AMINES 0.25mm×30m
キャリアーガス:ヘリウム、50kPa
検出:FID
温度:130℃(20分)→180℃(昇温10℃/分)
<実施例2>
(中間体1を経由する3−アミノフェニルアセチレンの合成(その2))
反応スキームは実施例1に記載の反応スキームと同一である。
3−ブロモアニリン(172g)、トリフェニルホスフィン(8.5g)、酢酸パラジウム(II)(600mg)、ヨウ化銅(I)(1.2g)、テトラn−ブチルアンモニウムブロミド(9g)、2−メチル−3−ブチン−2−オール(100g)及びトリエチルアミン(500g)からなる混合物を、還流条件下に6時間攪拌した。反応混合物を冷却した後、濾過して析出した不溶解成分を除去した。濾液を濃縮し酢酸エチルで希釈し、エチレンジアミン4酢酸2ナトリウム塩(EDTA−2ナトリウム塩)の水溶液、次いで水で洗浄し、濃縮した。残渣を2−プロパノール/ヘキサン(体積比1/3)からなる混合系から晶析し、析出した結晶を濾過して集め、洗浄、乾燥して128gの中間体1を淡褐色針状結晶として得た。3−ブロモアニリンを基準として、収率は73.1%であった。
物性値は実施例1、非特許文献1に記載の値と一致した。
以下実施例1に記載の方法に従い、3−アミノフェニルアセチレンを無色液体として得た。収率は87%であった。
GC純度は、99.3%であった。測定条件は実施例1に記載の測定条件と同一とした。
また、各種スペクトルデータは実施例1で得られたデータと一致した。
<実施例3>
(中間体1を経由する3−アミノフェニルアセチレンの合成(その3))
反応スキームは実施例1に記載の反応スキームと同一である。
実施例2に記載の方法で合成した中間体1(50g)、トルエン(150ml)、水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム5g/水50ml)からなる混合物を、窒素気流下に90℃で3時間加熱攪拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、有機層を分取し、水洗後、トルエンを留去した。残渣を蒸留し、29gの3−アミノフェニルアセチレンを無色液体として得た。収率は83%であった。
GC純度は、99.0%であった。なお測定条件は実施例1に記載の測定条件と同一とした。
また、各種スペクトルデータは実施例1で得られたデータと一致した。
以上説明した実施例より、本発明の製造方法は特殊な触媒の調製や環境上有害な反応剤を使用する必要がなく、クロマトグラフィーといった煩雑な操作も不要である。目的物の純度も高く、3−アミノフェニルアセチレンを工業スケールで、経済的に製造することができる。
実施例1で得られた3−アミノフェニルアセチレンの1H−NMRチャートである。

Claims (3)

  1. 下記1)〜3)の工程を含むことを特徴とする下記一般式(5)で表される3−アミノフェニルアセチレン化合物の製造方法。
    1) パラジウム化合物、銅化合物及び下記一般式(3)で表されるアミン化合物の存在下で、下記一般式(1)で表される3−ハロアニリン化合物と下記一般式(2)で表されるアセチレン化合物とを反応させ、反応生成物を得る工程、
    2) 前記反応生成物を晶析して、下記一般式(4)で表されるアニリン化合物を結晶として析出させ、これを固液分離によって単離する工程、
    3) 前記一般式(4)で表されるアニリン化合物と塩基とを反応させて、下記一般式(5)で表される3−アミノフェニルアセチレンを得る工程。
    Figure 2006282587
    〔一般式(1)〜(4)において、Yはハロゲン原子を表し、R1及びR2は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表し、R3は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、R4及びR5は各々独立に、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表す。ここで、R1とR2とが互いに結合して環を形成してもよく、R4とR5とが互いに結合して環を形成していてもよい。〕
  2. 前記一般式(3)で表されるアミン化合物が、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ピペリジン、ピロリジン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジン、トリエチルアミン、トリn−プロピルアミン、トリn−ブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、及びN,N−ジエチルアニリンからなる群より選択されることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記パラジウム化合物が、ホスフィン化合物が配位したPdX2(Xは塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、酢酸イオン、アセチルアセトネート又はジベンジルアセトネートを表す。)で表されるパラジウム化合物であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の製造方法。
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