JP7209454B2 - カップリング化合物の製造方法 - Google Patents

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本発明は、カップリング化合物の製造方法に係り、特に-SF基を有する化合物を反応基質として用いて、遷移金属触媒の存在下にクロスカップリング反応を行ってカップリング化合物を製造する方法に関する。
クロスカップリング反応は、遷移金属を触媒とする位置選択的な炭素-炭素又は炭素-窒素結合形成反応として知られており、医薬品・先端材料の原料合成に極めて有用な有機合成反応である(非特許文献1)。
一般的に、クロスカップリング反応では、反応基質としてハロゲン原子を有するアリール化合物類(X-Ar(X:I,Br,Cl原子、Ar:アリール基))や-OSOCF基を有する化合物が主に使用されている。
従来、これらの反応基質以外は、クロスカップリング反応の基質として知られておらず、以下の通り、新たな反応基質の開発が望まれていた。
即ち、例えば、多ハロゲン化物を基質としたクロスカップリング反応においては、下記スキーム1に示されるような伸長反応が行われているが、沃素化合物は不安定であるため沃素ラジカルとなって分解してしまい、塩素化合物は、反応副生物として生成する化合物の毒性が強いという欠点がある。また、-OSOCF基を有する基質は、臭素原子を有する基質と反応性が同等であるため、多種類の生成物が生成してしまい、目的とする生成物の選択性が低い。
このようなことから、これらに代わる新たなクロスカップリング反応の基質が求められていた。
Figure 0007209454000001
Miyaura, N.; Suzuki, A. Chem. ReV. 1995, 95, 2457.
本発明は、上記実情に鑑みて、新規な反応基質を用いたクロスカップリング反応によるカップリング化合物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、遷移金属触媒の存在下における、-SF基を有する反応基質の炭素-炭素結合反応を経るクロスカップリング反応により、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下を要旨とする。
[1] 下記式(1)で示されるカップリング反応で、化合物(A)と化合物(B)から化合物(C)を製造することを特徴とするカップリング化合物の製造方法。
Figure 0007209454000002
(式(1)中、R、Rは各々独立に任意の1価の原子団基を表し、Zは脱離基を表し、Mは遷移金属触媒を表す。)
[2] Mが長周期型周期表第8族~第10族元素を含む[1]に記載のカップリング化合物の製造方法。
[3] Rが任意の置換基を有していてもよい1価の芳香族炭化水素基である[1]又は[2]に記載のカップリング化合物の製造方法。
[4] 化合物(B)が下記式(2-1)~(2-4)のいずれかで表される[1]ないし[3]のいずれかに記載のカップリング化合物の製造方法。
-B(OR (2-1)
(式(2-1)中、Rは式(1)におけると同義であり、Rは、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し、2個のRは、互いに同一であってもよく異なるものであってもよく、2個のRが互いに結合して環を形成していてもよい。)
-Sn(R (2-2)
(式(2-2)中、Rは式(1)におけると同義であり、Rは、置換基を有していてもよいアルキル基を表し、3個のRは、互いに同一であってもよく異なるものであってもよい。)
-Zn-R (2-3)
(式(2-3)中、Rは式(1)におけると同義であり、Rは、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。)
-Mg-X (2-4)
(式(2-4)中、Rは式(1)におけると同義であり、Xは、ハロゲン原子を表す。)
[5] 反応温度が0℃から200℃である[1]ないし[4]のいずれかに記載のカップリング化合物の製造方法。
[6] Mが長周期型周期表第8族~第10族元素とリン原子を含む[1]ないし[5]のいずれかに記載のカップリング化合物の製造方法。
[7] Mが長周期型周期表第10族元素を含む[1]ないし[6]のいずれかに記載のカップリング化合物の製造方法。
本発明によれば、クロスカップリング反応の反応基質として、安定性に優れ、また副生物の毒性の問題も少ない-SF基を有する化合物を用いて、種々のカップリング化合物を高選択率かつ高収率で製造することができる。
以下に本発明について詳細に説明するが、以下の説明は、本発明の実施の形態の一例であり、本発明はその要旨を超えない限り、以下の記載内容に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変形して実施することができる。
本発明のカップリング化合物の製造方法は、下記式(1)で示されるカップリング反応で、-SF基を有する化合物(A)(以下「基質(A)」と称す場合がある。)と、脱離基を有する化合物(B)(以下「基質(B)」と称す場合がある。)からカップリング化合物(C)を製造することを特徴とする。
Figure 0007209454000003
(式(1)中、R、Rは各々独立に任意の1価の原子団基を表し、Zは脱離基を表し、Mは遷移金属触媒を表す。)
即ち、本発明は、ハロゲン化アリール化合物や-OSOCF基含有化合物といった従来の反応基質に替えて、-SF基(ペンタフルオロスルファニル基)を有する化合物を反応基質として用いて、炭素-炭素結合反応を経るクロスカップリング反応により対応するカップリング化合物を製造するものである。
本発明で用いる-SF基を有する基質(A)は、安定性に優れ、従来の多ハロゲン化物のように分解による減量の問題や、毒性の強い副生物を生成させる問題もなく、-SF基の高い反応性から、目的のカップリング化合物を高選択率かつ高収率で得ることができる。
<遷移金属触媒>
本発明で用いる遷移金属触媒Mは、遷移金属単体又は、遷移金属と配位子が結合してなる触媒である。
遷移金属としては、長周期型周期表第8族~第10族元素、中でも第10族元素が好ましく、特に好ましくはニッケル、パラジウムであり、最も好ましくはパラジウムである。遷移金属触媒Mは、これらの遷移金属の1種のみを含むものであってもよく、2種以上を含むものであってもよい。
これらの遷移金属は、一般的には、ニッケルアセチルアセトン錯体、酢酸パラジウム、ジベンジリデンアセトンパラジウム等の金属錯体と後述のホスフィンを有する配位子を溶媒中で混合して反応活性な触媒を形成させて反応に用いる。従って、本発明で用いる遷移金属触媒Mは、長周期型周期表第8族~第10族元素とリン原子を含むことが好ましい。
配位子は、孤立電子対を持つ金属と配位結合し、錯体を形成する基を有する化合物であり、好ましくは、トリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、ジアルキルアリールホスフィン、アルキルジアリールホスフィン、より好ましくは、トリアルキルホスフィン、ジアルキルアリールホスフィンが用いられる。
これらのホスフィン配位子は置換基を有していても良く、単結合、酸素原子、窒素原子、鉄原子、アルキル基等により2量化していてもよい。
トリアリールホスフィンの例としては、トリフェニルホスフィン、トリ(オルトトリル)ホスフィン等が挙げられる。
トリアルキルホスフィンの例としては、トリ(n-ブチル)ホスフィン、トリ(t-ブチル)ホスフィン、トリ(シクロヘキシル)ホスフィン等が挙げられる。
ジアルキルアリールホスフィンの例としては、下記表1に示すXPhos、SPhos、BrettPhos、RuPhos、tBuXphos、MePhos等が挙げられる。
Figure 0007209454000004
アルキルジアリールホスフィンの例としてはビス(ジフェニルホスフィノ)メタン等が挙げられる。
これの配位子は、遷移金属錯体に対して、1~100モル当量、より好ましくは1~10モル当量用いる事が、反応収率や反応速度の観点から好ましい
これらの配位子は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
また、遷移金属触媒としては、1種を単独で用いてもよく、遷移金属や配位子の異なるものの2種以上を混合して用いてもよい。
遷移金属触媒の使用量は特に制限はないが、基質(A)に対する遷移金属換算の使用量として0.1~30モル%程度用いることが、反応活性と反応終了後の後処理の簡便さの観点から好ましい。
<基質(A)>
基質(A)はR-SFによって表され、Rは1価の原子団基であり、特に限定はされない。好ましくは炭素数1~60の有機基であり、特に好ましくは炭素数1~40の有機基である。
より具体的には、Rとしては、置換基を有していてもよい、フェニル基、ナフチル基、フェナンチル基等の芳香族炭化水素基、置換基を有していてもよいピリジン、ピラジン、キノリン、キノキサリン由来の基等の芳香族複素環基や、ビフェニル基、フェニルピリジン由来の基等のこれらの芳香族炭化水素基及び/又は芳香族複素環基が2~10個単結合で連結された基、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基、エチニル基、シクロヘキセニル基等の飽和又は不飽和の脂肪族又は脂環族炭化水素基等が挙げられ、好ましくは芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、これら芳香族炭化水素基及び/又は芳香族複素環基が2~10個単結合で連結された基であり、特に好ましくは芳香族炭化水素基である。
が置換基を有する場合、置換基としては-SF基の反応性を阻害しなければ特に限定はしないが、例えばハロゲン原子、重水素原子、カルコゲン原子、炭素数1~60の有機基が挙げられる。ハロゲン原子の中でも、沃素原子、臭素原子は-SF基より活性が高いため、好ましくないが、他の置換基の立体障害で守られている場合は、これら沃素、臭素原子の反応活性は-SF基の反応活性より減少するため、置換されていてもよい。炭素数1~60の有機基としては、好ましくは飽和又は不飽和の脂肪族又は脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、カルボニル基、チオカルボニル基が挙げられる。
なお、Rが置換基を有する場合、Rの炭素数は、この置換基の炭素数を含めた合計の炭素数として1~60、特に1~40であることが好ましい。
これらの基質(A)は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いることもできるが、目的のカップリング化合物を、高選択率、高収率で得るために通常は1種のみが用いられる。
<基質(B)>
基質(B)はZ-Rによって表され、脱離基Zは以下の通りである。
としては基質(A)におけるRとして例示したものが挙げられ、好ましいものも同様である。ただし、RはRと同一である必要はなく、異なっていてもよい。
脱離基Zは、1価の原子団基Rが脱離基Zから遷移金属触媒へトランスメタル化し得るものであれば特に限定しない。
好ましくは、下記に示す(2-1)’~(2-4)’で表される脱離基が挙げられる。
-B(OR (2-1)’
(式(2-1)’中、Rは、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し、2個のRは、互いに同一であってもよく異なるものであってもよく、2個のRが互いに結合して環を形成していてもよい。)
上記式(2-1)’におけるRは、好ましくは、各々独立に水素原子、又は炭素数1~10のアルキル基、或いはこれらが結合して-O-B-O-を含む環を形成するものであり、環を形成するものとしては、例えば、*-C(CH-C(CH-*、*-CH-C(CH-CH-*(*は酸素原子に対しての結合手を表す)等が挙げられる。
また、Rが置換基を有する場合、置換基としては芳香族炭化水素基が挙げられる。
-Sn(R (2-2)’
(式(2-2)’中、Rは、置換基を有していてもよいアルキル基を表し、3個のRは、互いに同一であってもよく異なるものであってもよい。)
上記式(2-2)’におけるRとしては、各々独立に炭素数1~10のアルキル基が好ましい。
-Zn-R (2-3)’
(式(2-3)’中、Rは、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。)
上記式(2-3)’におけるRとしては、塩素原子、臭素原子、沃素原子、又は炭素数1~10のアルキル基が好ましい。
-Mg-X (2-4)’
(式(2-4)’中、Xは、ハロゲン原子を表す。)
上記式(2-4)’におけるXとしては、塩素原子、臭素原子、又は沃素原子が好ましい。
従って、本発明で用いる基質(B)としては、下記式(2-1)~(2-4)で表されるものが好ましい。
-B(OR (2-1)
(式(2-1)中、Rは式(1)におけると同義であり、Rは、式(2-1)’におけると同義である。)
-Sn(R (2-2)
(式(2-2)中、Rは式(1)におけると同義であり、Rは、式(2-2)’におけると同義である。)
-Zn-R (2-3)
(式(2-3)中、Rは式(1)におけると同義であり、Rは、式(2-3)’におけると同義である。)
-Mg-X (2-4)
(式(2-4)中、Rは式(1)におけると同義であり、Xは、式(2-4)’におけると同義である。)
更に、基質(B)としては、下記式(2-5)又は下記式(2-6)で表される化合物を用いることもできる。
C=CH-R (2-5)
(式(2-5)中、Rは式(1)におけるRと同義である。)
H≡CH-R (2-6)
(式(2-6)中、Rは式(1)におけるRと同義である。)
即ち、式(2-5)で表される末端に二重結合を有するオレフィン系化合物は、遷移金属触媒と結合し安定な中間体を形成し、βヒドリド脱離により水素原子が脱離基として機能し、また、末端に三重結合を有するアセチレン系化合物は、金属触媒により、アセチリド形成しやすいため、水素原子が脱離基として機能することから、基質(B)として用いることができる。
これらの基質(B)は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いることもできるが、目的のカップリング化合物を高選択率、高収率で得るために、通常は1種のみが用いられる。
<塩基性化合物>
本発明のカップリング化合物の製造方法では、反応活性を高めるために、反応系に塩基性化合物を存在させて反応を行ってもよい。
塩基性化合物としては、プロトンを受容する又は塩基対を与える化学種であって、溶媒に溶解又は懸濁させて使用できるものであればよく、特に限定されない。
塩基性化合物の好ましい例としては、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属等の水酸化物、炭酸ナトリウム、リン酸三カリウム等の弱酸とアルカリ金属やアルカリ土類金属との塩、トリエチルアミン、ジアザビシクロウンデセン、グアニジンなどの有機アミン、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム等のアンモニウム塩、水酸化トリメチルスルホニウム等のアルキルスルホニウム塩、水酸化ジフェニルヨードニウム等のアルキル(アリール)ヨードニウム塩、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt-ブトキシド等の金属アルコキシド等が挙げられる。
これらの塩基性化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用い手もよい。
塩基性化合物を用いる場合、その使用量は、基質(A)に対して1~10モル当量、好ましくは2~5モル当量程度とすることが、塩基性化合物を用いることによる反応活性の向上効果と、反応収率、反応時間の観点から好ましい。
<溶媒>
本発明のカップリング反応は、溶媒の存在下に行うことが好ましい。
溶媒としては、基質(A)を溶解させ、前述の塩基性化合物により著しく分解されるようなものでなければよく、特に限定されない。基質(A)、塩基性化合物又は基質(B)を溶媒として用いてもよい。
溶媒としては、好ましくは、水、炭化水素系溶媒、芳香族系溶媒、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、アミド系溶媒、ケトン系溶媒、アミン系溶媒、ハロゲン系溶媒、エステル系溶媒、スルホキシド系溶媒等が挙げられる。
これらのうち、反応条件における安定性が高いことから、特に好ましくは、水、芳香族系溶媒、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、アミド系溶媒、アミン系溶媒、スルホキシド系溶媒である。
炭化水素系溶媒の例としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等が挙げられる。
芳香族系溶媒の例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
アルコール系溶媒の例としては、メタノール、エタノール、ブタノール等が挙げられる。
エーテル系溶媒の例としては、テトラヒドロフラン、アニソール、エチレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
アミド系溶媒の例としては、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド等が挙げられる。
ケトン系溶媒の例としては、アセトン、メチルエチルケトン、アセトフェノン等が挙げられる。
アミン系溶媒の例としては、トリエチルアミン、N,N-ジエチルアニリン等が挙げられる。
ハロゲン系溶媒としては、トリフルオロメチルベンゼン等が挙げられる。
エステル系溶媒の例としては、酢酸エチル、安息香酸ブチル等が挙げられる。
スルホキシド系溶媒の例としては、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
これらの溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。2種以上の混合溶媒とする場合は、相溶性のある溶媒であっても、相溶性の無い溶媒でもよい。
溶媒は、反応系を過大とすることなく、均一な反応系を形成できる程度に使用することが好ましく、基質(A)の重量に対して0.01~1000倍量が好ましく、特に好ましくは、1~500倍量程度である。
なお、塩基性化合物を効率よく反応させるために、溶媒に対する任意の比率で界面活性剤を反応系に添加してもよく、界面活性剤自体を溶媒として用いてもよい。
<製造方法>
本発明のカップリング化合物の製造方法の手順としては特に制限されず、遷移金属触媒もしくは遷移金属錯体と配位子、必要に応じて用いられる塩基性化合物、溶媒、基質(A)、及び基質(B)を混合し反応させる。
反応の仕込み例としては、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下に、基質(A)、基質(B)、溶媒を混合した後、塩基性化合物を添加した混合溶液に、別の容器に遷移金属錯体、配位子、溶媒を添加して得られる遷移金属触媒溶液を添加して反応させる方法が挙げられる。
ここで、不活性ガス雰囲気とするのは、遷移金属触媒が酸素に弱い場合が多く、触媒の失活を抑制するためである。
反応温度は特に制限されないが、生成物の収率がより優れる点で0℃~200℃が好ましく、50℃~150℃がより好ましく、70℃~120℃が特に好ましい。
反応時間は、特に制限されないが、生成物の収率がより優れる点で、0.5時間~7日が好ましく、より好ましくは0.5時間~24時間、特に好ましくは1時間~12時間である。
基質(A)と基質(B)の混合モル比(基質(A)/基質(B))は特に制限されないが、生成物の収率がより優れる点で、0.1~10が好ましく、0.5~2がより好ましく、0.8~1.2が特に好ましい。
得られたカップリング化合物は、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィー、昇華などの分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製することができる。
<カップリング反応例>
本発明におけるカップリング反応の具体例を以下に示すが、本発明のカップリング化合物の製造方法は、何ら以下のカップリング反応に限定されるものではない。
Figure 0007209454000005
(上記例示式中、Rは式(2-1)におけると同義であり、Buはブチル基を表し、Xは式(2-4)におけると同義であり、Rは式(2-5)におけると同義であり、Rは式(2-6)におけると同義である。)
以下、実施例により本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものでは無い。
[実施例1]
Figure 0007209454000006
窒素気流下、3-ペンタフルオロスルファニルビフェニルである化合物1(0.8g)、フェニルボロン酸である化合物2(1.0g)、リン酸三カリウム(KPO、3.4g、16.10mmol)、テトラヒドロフラン(70ml)、脱イオン水(20ml)、酢酸パラジウム(II)(Pd(OAc)、0.12g、0.54mmol)、及び2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,’-ジメトキシ-1,1’-ビフェニル(SPhos、0.44g、1.08mmol)を混合して80℃で3時間反応させた。生成物をヘキサン/塩化メチレン(=500/1)の混合溶媒でシリカゲルカラムクトマトグラフィーにより精製して、無色固体のm-ターフェニルである化合物3(0.6g、収率91%)を得た。
化合物3はLC及びNMRにより標準品と比較し、同定した。
この結果から、本発明によれば、-SF基を有する反応基質を用いて、遷移金属触媒の存在下のカップリング反応で、カップリング化合物を高選択率かつ高収率で得ることができることが分かる。

Claims (3)

  1. 下記式(1)で示されるカップリング反応で、化合物(A)と化合物(B)から化合物(C)を製造するカップリング化合物の製造方法であって、化合物(B)が下記式(2-1)で表されることを特徴とするカップリング化合物の製造方法。
    Figure 0007209454000007
    (式(1)中、R、Rは各々独立に任意の置換基を有していてもよい炭素数~40の1価の芳香族炭化水素基を表し、R、Rが置換基を有する場合、該置換基としては重水素原子、カルコゲン原子、炭素数1~60の有機基のいずれかである。Zは脱離基を表し、Mはパラジウムとリンを含む配位子とからなる触媒を表す。)
    -B(OR (2-1)
    (式(2-1)中、Rは式(1)におけると同義であり、Rは、水素原子又は炭素数1~10のアルキル基を表し、2個のRは、互いに同一であってもよく異なるものであってもよく、2個のRが互いに結合して環を形成していてもよい。)
  2. 反応温度が0℃から200℃である請求項1に記載のカップリング化合物の製造方法。
  3. 記触媒の使用量が、前記化合物(A)に対するパラジウム換算の使用量として0.1~30モル%である請求項1又は2に記載のカップリング化合物の製造方法。
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