JP5053339B2 - 締切用止水壁体 - Google Patents

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本発明は、水面下にある台座に立設されて水面上に突出した被作業構造物の周囲に間隔を介して囲壁状に設置され、その内側の水を排水して作業場を形成することにより、前記被作業構造物に関する各種作業を可能にする締切用止水壁体に関するものである。
地震国である我が国では、大地震時の安全確保の観点から、既存の大型構造物の耐震補強が急務とされている。例えばコンクリート製の橋脚の耐震補強方法としては、橋脚の周囲に鉄筋コンクリート又は鋼板等を外装して合成構造とする補強・補修方法が提案されている。
この種の補強・補修作業を行う現場が水上である場合、即ち、河川や海、湖等の水面下にある台座(基礎、フーチング)に橋脚等の被作業構造物が立設されて水面上に突出している場合には、この被作業構造物の周囲に締切用止水壁体を囲壁状に形成し、この締切用止水壁体の内周側の水を排水(ドライアップ)して、被作業構造物の周囲に乾燥した作業場を形成し、補強・補修作業を行う。
締切用止水壁体の形成例としては、被作業構造物の周囲に多数のシートパイルを打ち込んで取り囲むものが考えられる。しかし、シートパイル間やシートパイル継施工部、シートパイルと台座間の止水性に難がある上に、水圧や波浪等による変形の問題があり、採用が困難である。しかも、橋脚のように、シートパイルを建て込むための空頭が極端に少ない場合には適用し難い。また、継施工が多い場合にはシートパイルの再使用が困難であり、不経済となる。さらに、シートパイルの建て込みにバイブロハンマー等の振動機械を使用する場合には、周辺環境に悪影響を及ぼす虞がある。
その上、シートパイルを水底に打ち込む必要があるため、橋脚のように台座(基礎、フーチング)の上面が比較的広い面積を有している場合には、台座全体を取り囲むように広範囲に締切用止水壁体を形成しなければならず、これによりシートパイルを打ち込む本数や打ち込む範囲が増えて工数及び工期、締切のために占有する面積が増大し、上述した漏水や変形、河積を阻害する範囲の増大も顕著になるという問題があった。
そこで、特許文献1に開示されているように、複数に縦割りした浮力調整可能な分割函体の一方側をヒンジで開閉自在に連結したものを開閉操作して橋脚等の被作業構造物に外装して沈降し、この分割函体の下端部を台座上面に弾接させ、この部分に止水グラウトを充填して止水するようにした締切用ケーソンがある。
また、特許文献2に開示されているように、被作業構造物の鉛直方向および周方向に沿って分断され、円弧状に屈曲した同一構成の複数のプレキャストパネルを、被作業構造物に円筒状に外装して沈降させ、このプレキャストパネルの下端と台座上面との間に止水モルタルを充填して止水するようにした仮締切構造体がある。
特許第2829362号公報 特開平11-117315号公報
しかしながら、特許文献1の締切用ケーソン及び特許文献2の仮締切構造体にあっても、複数の分割函体やプレキャストパネルといった分割体の接合部、下端部、ヒンジ部の止水性が確立されていない。さらに、被作業構造物の、例えば橋脚の桁下の空頭や周囲の水深が充分に確保されていない場合には、水上における運搬・設置・撤去も困難で採用が難しい。
また、特許文献1の締切用ケーソンは、沈設時の注排水によるコントロールの方法が確立されていない。さらに、締切用ケーソンは重量物となり、製作・運搬・設置・撤去もコスト高で採用が難しい。一方、特許文献2の仮締切構造体は、着座部の設置工程が煩雑な上に、着座部を固定するコンクリートが水中に漏出して水質を汚濁する。さらに、特許文献1の場合と同様に、鋼製パネルが重量物となり、製作・運搬・設置・撤去もコスト高で採用が難しい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、水中に建造された被作業構造物の周囲を、空頭や水深に影響されることなく、簡易な工程で、しかも高い止水性を確保して締め切ることができる締切用止水壁体を提供することを目的とする。
かかる課題を解決するために、本発明の請求項1に係る発明は、水面下にある台座に立設されて水面上に突出した被作業構造物の周囲に間隔を介して囲壁状に設置され、その内側と前記被作業構造物との間の水を排水して作業場を形成することにより、前記被作業構造物に関する各種作業を可能にする締切用止水壁体において、水上に浮上可能な複数の分割止水函体の間を水平方向に着脱可能且つ水密的に連結して水面下に略水平状態で沈降させ、その底面を、前記台座の上面に止水構造を介して着座させて設置することにより、前記被作業構造物の周囲に間隔を介して形成される少なくとも段の締切用函体ユニットと、前記分割止水函体の内部に水を給水又は排水することにより、前記締切用函体ユニットを略水平状態で水中に沈降又は浮上可能に浮力調整する浮力調整手段と、複数の分割止水プレートの間を水平方向に着脱可能且つ水密的に連結し、その下部を、前記締切用函体ユニットの上部に着脱可能且つ水密的に連結することにより、前記締切用函体ユニットの上部に繋がるように形成した少なくとも1段の締切用壁体ユニットとを備え、前記浮力調整手段は、前記分割止水函体の内部に形成された貯水空間と、前記貯水空間に接続される給気通路排気通路とを兼用する給排気通路と、前記貯水空間に接続される給水通路排水通路とを兼用する給排水通路を備え、前記貯水空間のうち、上下方向に隣接する貯水空間同士を連結通路で連結して複数の独立した縦貯水系統を構成し、これら複数の縦貯水系統にそれぞれ、前記給排気通路を上部に配設し、前記給排水通路を下部に配設した締切用止水壁体としたことを特徴とする。
本発明の請求項2に係る発明は、水面下にある台座に立設されて水面上に突出した被作業構造物の周囲に間隔を介して囲壁状に設置され、その内側と前記被作業構造物との間の水を排水して作業場を形成することにより、前記被作業構造物に関する各種作業を可能にする締切用止水壁体において、水上に浮上可能な複数の分割止水函体の間を水平方向に着脱可能且つ水密的に連結して水面下に沈降させ、その底面を、前記台座の上面に止水構造を介して着座させて設置することにより、前記被作業構造物の周囲に間隔を介して形成される少なくとも1段の締切用函体ユニットと、前記分割止水函体の内部に水を給水又は排水することにより、前記締切用函体ユニットを略水平状態で水中に沈降又は浮上可能に浮力調整する浮力調整手段と、複数の分割止水プレートの間を水平方向に着脱可能且つ水密的に連結し、その下部を、前記締切用函体ユニットの上部に着脱可能且つ水密的に連結することにより、前記締切用函体ユニットの上部に繋がるように形成した少なくとも1段の締切用壁体ユニットとを備え、前記浮力調整手段は、前記分割止水函体の内部に形成された貯水空間と、前記貯水空間に接続される給気通路と、前記貯水空間に接続される排気通路と、前記貯水空間に接続される給水通路と、前記貯水空間に接続される排水通路とを備え、前記排気通路を前記貯水空間の上部に、前記排水通路を前記貯水空間の下部に、それぞれ接続しており、前記締切用函体ユニットを含んで縦割りに分割された複数の分割壁体同士をヒンジ連結機構により脱着可能且つ回動自在に連結し、平面視で前記各分割壁体を開閉可能な環状に形成し、前記ヒンジ連結機構は、前記各分割壁体の端部にそれぞれ固定され、互いのヒンジ孔が鉛直方向に重ねられる一対のヒンジアームと、前記ヒンジ孔に鉛直に上方から差し込まれるヒンジピンとを備えて構成され、前記ヒンジ孔は、上側に位置する円孔よりも下側に位置する円孔の方が小径にされ、このヒンジ孔の内径に対応して前記ヒンジピンは下端側が細くなるテーパーピンとされた締切用止水壁体としたことを特徴とする。
本発明の請求項3に係る発明は、水面下にある台座に立設されて水面上に突出した被作業構造物の周囲に間隔を介して囲壁状に設置され、その内側と前記被作業構造物との間の水を排水して作業場を形成することにより、前記被作業構造物に関する各種作業を可能にする締切用止水壁体において、水上に浮上可能な複数の分割止水函体の間を水平方向に着脱可能且つ水密的に連結して水面下に沈降させ、その底面を、前記台座の上面に止水構造を介して着座させて設置することにより、前記被作業構造物の周囲に間隔を介して形成される少なくとも2段の締切用函体ユニットと、前記分割止水函体の内部に水を給水又は排水することにより、前記締切用函体ユニットを略水平状態で水中に沈降又は浮上可能に浮力調整する浮力調整手段と、複数の分割止水プレートの間を水平方向に着脱可能且つ水密的に連結し、その下部を、前記締切用函体ユニットの上部に着脱可能且つ水密的に連結することにより、前記締切用函体ユニットの上部に繋がるように形成した少なくとも1段の締切用壁体ユニットとを備え、前記浮力調整手段は、前記分割止水函体の内部に形成された貯水空間と、前記貯水空間に接続される給気通路と排気通路とを兼用する給排気通路と、前記貯水空間に接続される給水通路と排水通路とを兼用する給排水通路を備え、前記貯水空間のうち、上下方向に隣接する貯水空間同士を連結通路で連結して複数の独立した縦貯水系統を構成し、これら複数の縦貯水系統にそれぞれ、前記給排気通路を上部に配設し、前記給排水通路を下部に配設し、前記締切用函体ユニットを含んで縦割りに分割された複数の分割壁体同士をヒンジ連結機構により脱着可能且つ回動自在に連結し、平面視で前記各分割壁体を開閉可能な環状に形成し、前記ヒンジ連結機構は、前記各分割壁体の端部にそれぞれ固定され、互いのヒンジ孔が鉛直方向に重ねられる一対のヒンジアームと、前記ヒンジ孔に鉛直に上方から差し込まれるヒンジピンとを備えて構成され、前記ヒンジ孔は、上側に位置する円孔よりも下側に位置する円孔の方が小径にされ、このヒンジ孔の内径に対応して前記ヒンジピンは下端側が細くなるテーパーピンとされた締切用止水壁体としたことを特徴とする。
請求項1乃至3の何れかの発明によれば、締切用止水壁体を構成する分割体を小型に形成できるため、締切用止水壁体の製作や陸上及び水上における運搬が容易になると同時に、空頭や水深に影響されることなく、簡易な工程と簡易なクレーンその他の荷役機械で、締切用止水壁体を構築することができる。また、簡素な構造により、高い止水性を確保しながら、分割止水函体を水中に沈降及び浮上可能にして、水上における分割止水函体の運搬及び設置・解体・撤去を容易に行うことができる。さらに、水中での設置時には締切用函体ユニットの姿勢を略水平に保ち、設置後には締切用函体ユニットの上面を水平面にして、その上に設置される締切用止水壁体の構築を容易にすることができる。
また、請求項1又は3の発明によれば、横方向に並ぶ複数の縦貯水系統に貯水する水の量を適宜調整することにより、水中における締切用函体ユニットの姿勢を水平に保つことができ、これにより、水中に建造された被作業構造物の周囲を、空頭や水深に影響されることなく、簡易な工程で、しかも高い止水性を確保して締切ることができる。また、水上における分割壁体の運搬・設置・解体・撤去を容易に行うことができる。
また、請求項2又は3の発明によれば、複数の分割止水函体を互いに連結して被作業構造物の周囲に締切用函体ユニットを環状に構築してから、この締切用函体ユニットを水中に沈降させて台座上面に着座、設置するため、被作業構造物の周囲の空頭や水深等に影響されることなく、簡易な工程で締切用止水壁体を構築することができる。
本発明の実施の形態1に係る締切用止水壁体の縦断面図である。 同実施の形態1に係る図1のII-II線に沿う締切用止水壁体の横断面図である。 同実施の形態1に係る図1のIII部を拡大した締切用止水壁体の拡大縦断面図である。 同実施の形態1に係る図3のIV矢視による締切用止水壁体の側面図である。 同実施の形態1に係る図3のV部を拡大してシール連結構造の詳細を示し、(A)は止水を要する二面間が離れた状態を示す縦断面図であり、(B)は上記二面間が加圧された状態を示す縦断面図である。 同実施の形態1に係る図3のVI部を拡大して止水構造の詳細を示し、(A)は止水を要する二面間が離れた状態を示す縦断面図であり、(B)は上記二面間が加圧された状態を示す縦断面図である。 同実施の形態1に係る図3のVII部を拡大してシール連結構造の詳細を示し、(A)は止水を要する二面間が離れた状態を示す縦断面図であり、(B)は上記二面間が加圧された状態を示す縦断面図であり、(C)は連結ガイドを取り付た例を示す縦断面図である。 同実施の形態1に係る図2のVIII矢視による締切用止水壁体の正面図である。 同実施の形態1に係る図8のIX矢視による締切用止水壁体の平面図である。 同実施の形態1に係る図9のX部拡大図である。 同実施の形態1に係る図10のXI-XI線に沿う部分縦断面図である。 2つの分割壁体が分割された状態を示す平面図である。 2つの分割壁体の一方のヒンジ連結機構が結合された状態を示す平面図である。 分割止水函体・分割止水プレート製造工程を示す図である。 掘削工程を示す図である。 締切用函体ユニット仮組立工程を示す図である。 締切用函体ユニット進水工程を示す図である。 締切用函体ユニット構築工程を示す図である。 締切用函体ユニット沈設工程を示す図である。 フーチングの上面に締切用函体ユニットが複数段載置された状態を示す図である。 締切用壁体ユニット構築工程を示す図である。 締切用止水壁体が完成した状態を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る締切用止水壁体の縦断面図である。 本発明の実施の形態3に係る締切用止水壁体の縦断面図である。
[発明の実施の形態1]
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る締切用止水壁体1の縦断面図であり、図2は同じく図1のII-II線に沿う締切用止水壁体1の横断面図であり、図3は同じく図1のIII部を拡大した締切用止水壁体1の拡大縦断面図であり、図4は同じく図3のIV矢視による締切用止水壁体1の側面図である。なお、本実施形態では締切用止水壁体1の平面形状が矩形を呈す場合について説明する。
締切用止水壁体1を用いて補強・補修作業がなされる被作業構造物としての橋脚2は、例えば鉄筋コンクリート構造であり、水面下の地盤中に埋設された複数の基礎杭3と、この基礎杭3の上に形成されて水面下に位置する台座としてのフーチング4と、フーチング4の上面4aに立設されて水面上に突出する、円柱、楕円柱、角柱状のピア部分5と、このピア部分5の上端に形成された張出し梁6とを備え、張出し梁6の上面には間隔梁部材7を介して道路や鉄道等の床部分となる橋脚上部工8が載置された一般的な構造のものである。
締切用止水壁体1は、フーチング上面4aに設置されてピア部分5の周囲に間隔を介して囲壁状に形成され、その内側の水を排水して乾燥した作業場を形成することにより、ピア部分5の耐震補強作業や塗装作業といった各種作業を容易に実施可能にするものである。
締切用止水壁体1は、ピア部分5の周囲を囲む数段の締切用函体ユニット11と、この締切用函体ユニット11を水中に沈降又は浮上可能に浮力調整する浮力調整手段と、締切用函体ユニット11の上に構築される数段の締切用壁体ユニット12とを備えて構成されている。浮力調整手段については後述する。
締切用函体ユニット11は、図2〜図4に示すように、複数の分割止水函体13,14を水平方向に配列し、これらを水密的に連結することにより構成される。締切用函体ユニット11の一段当たりの高さは、条件にもよるが、例えば1000mmから1500mm程度が好適である。図3に拡大して示すように、分割止水函体13は、例えば鋼板で形成された天板16と、底板17と、一対の妻板18と、一対の側板19とを溶接等により固着して中空の直方体状(又は立方体状)に形成され、必要に応じてその内部には図示されない通水孔を設けた補強板や補強リブ等を配設することがある。分割止水函体14は、同様な鋼板により、中空、且つ平面視で直角に曲がった箱状に形成されている。
分割止水函体13,14の内部は貯水空間21となっており、この貯水空間21に水が給水されていない時には分割止水函体13,14は水上に浮上可能な浮力を有し、貯水空間21に水が給水されると分割止水函体13,14は水面下に沈降する。この浮力の大きさは、後述する浮力調整手段によって貯水空間21への給水量を変化させることにより自在に調整することができる。
そして、締切用函体ユニット11の隅角部に分割止水函体14が配置され、その間に数基の分割止水函体13が配置され、全部の分割止水函体13,14の間が、後述するシール連結構造30を介して水平方向に連結され、且つ互いに着脱可能とされる。
各分割止水函体13,14の天板16と底板17と妻板18には、側板19よりも外方へはみ出す継手フランジ23(図3〜図5参照)が形成され、これらの継手フランジ23にはそれぞれボルト孔24が穿孔され、2つの継手フランジ23同士を対面させてボルト孔24にボルト25を挿通し、ナット26で締結することにより、各分割止水函体13,14間が連結される。なお、継手フランジ23と側板との間には、直角三角形の補強リブ27が複数固着されている。
また、各分割止水函体13,14の底面が、フーチング上面4aに、後述する止水構造34を介して着座されて設置される。これにより、締切用函体ユニット11がピア部分5の周囲を間隔を介して取り巻く環状に形成される。締切用函体ユニット11は、フーチング上面4aの水深に応じて1段〜数段積み重ねられる。
各分割止水函体13,14は、ピア部分5の周囲に浮かばせながら1個ずつ連結して締切用函体ユニット11を構成してもよいが、予め陸上等で半環状に部組みしてからピア部分5の周囲に浮かばせて連結すれば、非常に手際良く締切用函体ユニット11を組み立てることができる。この組み立て手順については後に詳述する。なお、分割止水函体13,14の形状を変更すれば、締切用函体ユニット11の平面視形状を円形や楕円形、多角形等、他の形状にすることもできる。
図5(A),(B)は、図3のV部を拡大してシール連結構造30の詳細を示す縦断面図である。ここでは、複数の分割止水函体13(14)の、上下に隣接する面の間のシール連結構造が示されているが、水平方向に隣接する面のシール連結構造も同様である。
図5(A)に示すように、隣接する分割止水函体13(14)の、互いに対面して止水を要する二面S1,S2間、例えば天板16と底板17との間や、妻板18同士の間には、これら二面S1,S2間の間隔を所定間隔に保つ非弾性の間隔保持部材31と、この間隔保持部材31よりも厚くて弾性があるシール部材32とが並設されている。
間隔保持部材31は、例えば鋼製の連続した角柱状に形成され、一定の間隔を空けて2本配置されている。この間隔保持部材31の厚みt1は例えば10mmである。一方、シール部材32は、ゴム、シリコン、軟質樹脂等の弾性素材により角柱状に形成され、2本の間隔保持部材31の間に配置されている。このシール部材32の厚みt2は例えば20mmで、t1<t2である。
間隔保持部材31とシール部材32は、分割止水函体13(14)の互いに対面する二面S1,S2のうちの一方の面に設けられるが、例えば間隔保持部材31とシール部材32を一方及び他方の面に振り分けて設けてもよい。また、間隔保持部材31は必ずしも連続した角柱状でなくても良く、止水を要する二面S1,S2の間隔を所定間隔に保つことができれば、他の形状でもよい。
そして、図5(B)に示すように、前述の継手フランジ23同士をボルト25とナット26で締結することにより、上記の互いに対面する二面S1,S2が近接する方向に加圧されるため、シール部材32が圧縮されて二面S1,S2間が水密的に止水される。しかし、止水を要する二面S1,S2間の距離が間隔保持部材31の厚みt1未満にならないため、シール部材32が過度に加圧されて耐久性が低下したり、破断、破損等する虞がない。
図6(A),(B)は、図3のVI部を拡大して止水構造34の詳細を示す縦断面図である。図6(A)に示すように、各分割止水函体13,14の下面、即ち締切用函体ユニット11の下面S3には、この下面S3と、フーチング上面4aとの間隔を所定間隔に保つ非弾性の間隔保持部材35と、この間隔保持部材35よりも厚くて弾性があるシール部材36とが並設して固着されている。間隔保持部材35は1本設けられ、その厚みt3は例えば50mmである。シール部材36の厚みt4は例えば100mmで、t3<t4である。間隔保持部材35とシール部材36の幅は、確実に止水できる大きさに設定され、締切用止水壁体1全体の重量に耐え得るように設計される。
図6(B)に示すように、締切用函体ユニット11をフーチング上面4aに降ろして着座させ、締切用函体ユニット11の各貯水空間21に注水して加重することにより、その重量で互いに対面する二面、即ちここでは締切用函体ユニット11の下面S3とフーチング上面4aとが、互いに近接する方向に加圧され、シール部材36が圧縮されて二面4a,S3間が水密的に止水される。この止水される二面4a,S3間の距離は間隔保持部材35の厚みt3未満にならないため、シール部材36への過度な加圧が阻止され、シール部材36の耐久性低下や破断等が防止される。
フーチング4は、一般に鉄筋コンクリート製であり、その上面4aは、コンクリート打設時における元々の表面の粗さに加えて、海や河川の水流による侵食等により相応の凹凸があるが、間隔保持部材35の厚みt3とシール部材36の厚みt4との差を大きくしたり、シール部材36の硬度、形状、又は弾性を変化させることにより、この凹凸にシール部材36を密着させて効果的にシールすることができる。なお、シール部材36を挟んで間隔保持部材35を2本設けてもよいし、シール部材36を複数設けてもよい。
なお、フーチング上面4aの粗さが許容限度を超えていてシール部材36によるシールのみでは充分に止水できない場合には、フーチング上面4aを人工的に水中コンクリートで平坦に均す場合もある。又は、間隔保持部材35に沿って水中モルタル、水中コンクリート、発泡ウレタン等の止水グラウトを注入し、シール部材36と止水グラウトとを協働させて止水する場合もある。
また、締切用函体ユニット11(分割止水函体13,14)の内側側面に、例えばL字形のアンカーブラケット37を所定の間隔で複数固設し、このアンカーブラケット37のボルト孔38の位置に対応してフーチング上面4aに複数のアンカーボルト39を埋設し、これらのアンカーボルト39を各アンカーブラケット37のボルト孔38に挿通させて、各アンカーボルト39の上端が各アンカーブラケット37から所定長さ突出するようにし、この突出した各アンカーボルト39の上端側からナット40を締結することにより、締切用函体ユニット11をフーチング上面4aに固定すれば、より確実である。
なお、図1に示すように、締切用止水壁体1の上端と橋脚2の張出し梁6との間に、例えば棒状、或いは板状の突張部材41を介装して、締切用止水壁体1に下方への押圧力を加えるようにすれば、アンカーボルト39による固定の必要がなくなり、フーチング上面4aにアンカーボルト孔を穿孔したり、締切用函体ユニット11の内側側面にアンカーブラケット37を設置しなくてもよくなるため、作業を簡易化することができる。
また、図3に示すように、例えばフーチング上面4aにワイヤーペグ41aを埋設して締切用函体ユニット11の内側側面にワイヤーブラケット41bを固設し、ワイヤーペグ41aとワイヤーブラケット41bとの間にアンカーワイヤー42aを掛け渡し、このアンカーワイヤー42aに設けたターンバックル42bによりアンカーワイヤー42aを張って締切用函体ユニット11をフーチング上面4aに固定してもよい。
一方、締切用壁体ユニット12は、図2〜図4に示すように、複数の分割止水プレート43,44を水平方向に配列し、これらを水密的に連結することにより構成される。締切用壁体ユニット12の一段当たりの高さは例えば1200mmとすれば、製作、運搬、構築、解体にも好適である。この締切用壁体ユニット12が、水深に応じて締切用函体ユニット11の上に1段〜数段、水密的に積み重ねられ、最上部の締切用壁体ユニット12の少なくとも上部が水面上に突出するように高さが設定される。
分割止水プレート43は、例えば鋼板で形成された上部接合板46と、下部接合板47と、一対の妻板48と、1枚の側板49とを溶接等により固着して略コの字形の縦断面形状を有するように形成され、必要に応じてその内部には図示されない補強板や補強リブを配設することがある。分割止水プレート44は、同様な鋼板により、平面視形状が直角に曲がった形状に形成されている。なお、上部接合板46と下部接合板47と妻板48と側板49とを一体に形成する等の変更を加えてもよい。
図2に示すように、締切用壁体ユニット12の隅角部に分割止水プレート44が配置され、その間に複数の分割止水プレート43が配置され、それぞれの分割止水プレート43,44の、互いに対面する妻板48同士の間が、後述するシール連結構造53を介して水平方向に連結され、且つ互いに着脱可能とされる。これにより、締切用壁体ユニット12がピア部分5の周囲を間隔を介して取り巻く環状に形成される。
また、1段目の締切用壁体ユニット12を構成する分割止水プレート43,44の下部接合板47が、最上段の締切用函体ユニット11を構成する分割止水函体13,14の天板16上の最外側部に固着された鉄骨状、且つ略Γ字形の断面形状を持つ接続部材51の上面に、同じくシール連結構造53を介して着脱可能に固定される。
さらに、下の段の分割止水プレート43,44の上部接合板46の上に、上の段の分割止水プレート43,44の下部接合板47が重ねられ、これら上下の接合板46,47の間が同じくシール連結構造53を介して連結され、且つ互いに着脱可能とされる。これらにより、上段の締切用函体ユニット11の上に2段の締切用壁体ユニット12が繋がって締切用止水壁体1が構築され、上段の締切用壁体ユニット12が水面から突出している。
図7(A),(B)は、図3のVII部を拡大してシール連結構造53の詳細を示す縦断面図である。ここでは、上下に隣接する分割止水プレート43(44)の上部接合板46と下部接合板47との間のシール連結構造が示されているが、水平方向に隣接する分割止水プレート43(44)の妻板48同士の間のシール連結構造、及び最上段の締切用函体ユニット11(接続部材51)と1段目の締切用壁体ユニット12(分割止水プレート43,44の下部接合板47)との間のシール連結構造についても同様な構造である。
分割止水プレート43(44)の上部接合板46と下部接合板47と妻板48と、接続部材51の上面には、それぞれボルト孔54が穿孔され、これらの接合板46,47,48,51を互いに対面させてボルト孔54にボルト55を挿通し、ナット56で締結することにより、各分割止水プレート43,44間及び、これらと接続部材51間が連結される。なお、図7(C)に示すように、各分割止水プレート43,44の四辺、又は必要な辺に、その連結作業を容易にするための連結ガイド57を取り付ければ好適である。連結ガイド57の形状は、この形状に限定されるものではなく、例えば各分割止水プレート43,44の接合面に凹凸を加える等したものでもよい。
図7(A)に示すように、互いに対面して止水を要する二面S4,S5間、例えば上部接合板46と下部接合板47との間、妻板48同士の間、そして下部接合板47と接続部材51との間には、図5(A),(B)に示すシール連結構造30と同様に、これら二面S4,S5間の間隔を所定間隔に保つ非弾性の間隔保持部材58と、この間隔保持部材58よりも厚くて弾性があるシール部材59とが並設されている。
例えば間隔保持部材58は鋼製の連続した角柱状に形成され、所定の間隔を空けて配置されている。間隔保持部材58の厚みt5は例えば10mmである。一方、シール部材59は弾性素材により角柱状に形成され、2本の間隔保持部材58の間に配置されている。シール部材59の厚みt2は例えば20mmで、t5<t2である。
そして、図7(B)に示すように、各接合板46,47,(48,51)の間をボルト55とナット56で締結することにより、互いに対面する二面S4,S5が近接する方向に加圧されるため、シール部材59が圧縮されて二面S4,S5間が水密的に止水される。間隔保持部材58が非弾性であるため、シール部材59の厚みはt1未満にならず、これによりシール部材59の耐久性低下や、破断、破損等の虞がない。
ところで、図1及び図2に示すように、ピア部分5と締切用函体ユニット11との間には数本の水平梁状のガイドスペーサー61、又は支保工62が介装され、ピア部分5と締切用壁体ユニット1、2との間には同じく数本の水平梁状の支保工62が介装されている。これにより、ピア部分5と、締切用函体ユニット11及び締切用壁体ユニット12との間隔が常時適正に保たれると共に、外部の水圧や波浪等による締切用止水壁体1の変形、破損等が防止される。
ガイドスペーサー61は、そのピア部分5に接する方の端部に、ローラーやキャスター、そり等の相対可動部材が設けられる場合がある。こうすることにより、後述する締切用函体ユニット沈設工程Fにおいて、締切用函体ユニット11とピア部分5との相対間隔を適正に保ちながら、締切用函体ユニット11を沈設することができる。
他方、先述の浮力調整手段は、図3及び図4に示すように、分割止水函体13,14の内部に形成された貯水空間21と、連結通路64と、給排気通路65と、給排水通路66とを備えて構成されている。
連結通路64は、複数の貯水空間21同士を連結させる管路であり、ここでは上側の分割止水函体13(14)の貯水空間21の下部と、下側の分割止水函体13(14)の貯水空間21の上部とを連通させるパイプ部材であって略コの字形状に形成され、その外部に露呈する部分が締切用止水壁体1の内側に突出するように配設されている。この部分には上下一対の連結フランジ64aが設けられ、上下の分割止水函体13(14)を切り離す際に連結通路64を分断できるようにされている。
また、給排気通路65は、貯水空間21に接続されるべき給気通路と排気通路とを兼用する管路であり、その下端部が上側の分割止水函体13(14)の天板16を貫通して上側の貯水空間21の最上部に接続され、先述の連結通路64により連通された上下の貯水空間21に外気を給気及び排気可能にするために、その上流端にバルブ67を介して図示しない空気供給手段としてのエアーコンプレッサーが接続されている。
さらに、給排水通路66は、貯水空間21に接続されるべき給水通路と排水通路とを兼用する管路であり、その下端部が下側の分割止水函体13(14)の下部側面を貫通して下側の貯水空間21の最下部に接続され、連結通路64により連通された上下の貯水空間21に給水及び排水可能にするために、その上流端にバルブ68を介して図示しない水供給手段としてのポンプが接続されている。
ここで、図4に示すように、連結通路64は、締切用函体ユニット11(分割止水函体13,14)の内部に設けられた複数の貯水空間21のうちの、上下方向に隣接する貯水空間21同士のみを連結しており、横方向に隣接する貯水空間21同士は連結しておらず、これによって複数の独立した縦貯水系統70が構成されている。
給排気通路65と給排水通路66は、複数の縦貯水系統70にそれぞれ1本ずつ設けられ、これらの給排気通路65と給排水通路66の、それぞれの上流端が図示しない分配器を通して1本にまとめられて先述のエアーコンプレッサーとポンプに接続されている。
エアーコンプレッサーを作動させると、外気が給排気通路65から各縦貯水系統70に分配器を通して給気され、これに伴い各縦貯水系統70内の水が給排水通路66から外部に排水されて締切用函体ユニット11の浮力が増大する。また、エアーコンプレッサーを停止させてポンプを作動させると、海水、河水等の外水が給排水通路66から各縦貯水系統70に分配器を通して給水され、これに伴い各縦貯水系統70内の空気が給排水通路66から外部に排気されて締切用函体ユニット11の浮力が減少する。このように、浮力調整手段によって貯水空間21への給水量をコントロールすることにより、締切用函体ユニット11の浮力を自在に調整することができる。
上記のように、横方向に隣接する貯水空間21同士を連結することなく、縦方向に隣接する貯水空間21同士を連結通路64により連結して複数の縦貯水系統70を構成し、これら複数の縦貯水系統70に分配器で定量的に給水又は排水させるようにしたことにより、締切用函体ユニット11を水中に沈降させる時や、水上に浮上させる時に、締切用函体ユニット11の内部の水が一側の貯水空間21に片寄って締切用函体ユニット11全体が傾斜してしまうことがなく、このため常に水平に近い安定した姿勢で締切用函体ユニット11を沈降、又は浮上させることができる。
図8は、図2のVIII矢視による締切用止水壁体1の正面図であり、図9は図8のIX矢視による締切用止水壁体1の平面図であり、図10は図9のX部拡大図であり、図11は図9のXI-XI線に沿う部分縦断面図である。
図8及び図9に示すように、締切用止水壁体1全体を中心線に沿って縦割りに分割して締切用函体ユニット11を含む2つの分割壁体1L,1Rを形成し、これら2つの分割壁体1L,1Rを、前面側及び背面側にそれぞれ1基又は2基ずつ設けたヒンジ連結機構71,72により脱着可能且つ回動自在に連結し、平面視で各分割壁体1L,1Rを開閉可能な環状に形成してもよい。例えばここでは4段の平面視コの字状の締切用函体ユニット11により一対の分割壁体1L,1Rが形成され、これらの分割壁体1L,1Rにより締切用止水壁体1が構築されている。
ヒンジ連結機構71,72は、例えば左右一対のヒンジアーム73,74と、ヒンジピン75とを備えて構成される。ヒンジアーム73,74は、例えば鉄板を溶接して組み立てたものであり、それぞれの基部が各分割壁体1L,1Rの端部に溶接等により固定される。一方のヒンジアーム73の先端形状は二股状とされ、他方のヒンジアーム74の先端形状は舟先状とされて両ヒンジアーム73,74間の嵌合が容易にされ、それぞれの先端にヒンジ孔76,77が形成されている。
ヒンジ連結機構71,72の連結時には、ヒンジアーム74の先端がヒンジアーム73の二股形状の間に挿入されて、両ヒンジアーム73,74のヒンジ孔76,77が鉛直方向に重ねられる。ヒンジ孔76,77は、上側に位置する孔よりも下側に位置する孔の方が小径に形成されている。つまり、ヒンジアーム73の先端部を構成する上下2枚の鋼板73a,73bと、ヒンジアーム74の先端部を構成する上下2枚の鋼板74a,74bとに、それぞれヒンジ孔76,77を形成する円孔76a,76b,77a,77bが穿設されており、これらの円孔76a,76b,77a,77bの内径サイズが、76a>77a>77b>76bとなっている。
ヒンジピン75は、ヒンジ孔76,77の内径に対応して下端側が細くなるテーパーピンとされ、このヒンジピン75がヒンジ孔76,77(円孔76a,76b,77a,77b)に鉛直に上方から差し込まれることにより、2つの分割壁体1L,1Rが脱着可能、且つ回動自在に連結される。なお、2つの分割壁体1L,1Rの接合面におけるシール連結構造は図5に示すシール連結構造30と同様であり、2つの分割壁体1L,1Rがヒンジ連結機構71,72により連結された後に、両接合面の継手フランジ23がボルト25とナット26で締結され、同時にシール連結構造30により水密的に止水がなされる。
ヒンジピン75をヒンジ孔76,77から抜けば、図12に示すように、2つの分割壁体1L,1Rを分割した状態にすることができる。また、図13に示すように、ヒンジピン75を一方のヒンジ連結機構72にのみ差し込めば、2つの分割壁体1L,1Rを略C字形状に開いた状態にすることもできる。
このように構成された締切用止水壁体1を用いた締切工法は、下記の通り、分割止水函体・分割止水プレート製造工程Aと、掘削工程Bと、締切用函体ユニット仮組立工程Cと、締切用函体ユニット進水工程Dと、締切用函体ユニット構築工程Eと、締切用函体ユニット沈設工程Fと、締切用壁体ユニット構築工程Gと、排水工程Hと、再注水工程Iと、締切用壁体ユニット解体工程Jと、締切用函体ユニット浮上工程Kと、締切用函体ユニット解体工程Lの、12の工程を有して施工される。以下、各工程を図14〜図22を参照しながら順に説明する。
A.分割止水函体・分割止水プレート製造工程
まず、工場、又は被作業構造物である橋脚2の近傍の陸地等において、図14に示すように、鋼板を切断及び溶接し、分割止水函体13,14と分割止水プレート43,44を個別に製造する。なお、条件により分割止水函体13,14と分割止水プレート43,44は、例えば図12に示す2つの半環状の締切用函体ユニット11(分割壁体1L,1R)と、同じく半環状に形成した締切用壁体ユニット12にまとめて製造してもよい。図8〜図11に示すヒンジ連結機構71,72は、この時点で特定の分割止水函体13又は分割止水壁体43にヒンジアーム73,74を接合しておく。
B.掘削工程
一方、図15に示すように、橋脚2のフーチング4が水底で地盤中に埋没している場合には、少なくともフーチング上面4aが水中に露呈するまで地盤を掘削する。図15中に示すクロスハッチングを施した部分が掘削される範囲である。その際、フーチング4の周囲の地面が斜面になる場合は、この斜面の勾配を1:2(50%)以下に設定するのが望ましい。
C.締切用函体ユニット仮組立工程
次に、図16に示すように、トラック81等で橋脚近傍の陸上に分割止水函体13,14を運搬し、クレーン82等を用いて、これらの分割止水函体13,14を連結し、締切用函体ユニット11の仮組立を行う。ここでは、まだ締切用函体ユニット11を環状に形成せずに、例えば図12に示す2つの半環状の分割壁体1L,1Rとして形成する。各分割止水函体13,14の間は、先述したシール連結構造30(図5参照)と、ボルト25、ナット26により固定及び止水がなされる。
D.締切用函体ユニット進水工程
次に、図17に示すように、例えば橋脚2上に設置したクレーン83によって、仮組立した締切用函体ユニット11(分割壁体1L,1R)を、ピア部分5の近くの水面上に進水させ、浮遊状態に保つ。この時の浮力は浮力調整手段により各分割止水函体13(14)内部の貯水空間21への給水量を変化させることにより適宜調整する。なお、水流の影響で、仮組みされた締切用函体ユニット11(又は分割壁体1L,1R)がピア部分5に対して過度に接近又は離反したり、締切用函体ユニット11同士が衝突するようなことがないよう、簡易的な位置決めを行うとよい。また、先述の締切用函体ユニット仮組立工程Cにおいて、締切用函体ユニット11の仮組立を行わずにおき、この締切用函体ユニット進水工程Dで複数の分割止水函体13(14)を単体のまま進水させることも考えられる。
E.締切用函体ユニット構築工程
次に、図18に示すように、複数の仮組立した締切用函体ユニット11(分割壁体1L,1R)を、水上に浮上させた状態で互いに連結し、ピア部分5の周囲に締切用函体ユニット11を環状に構築する。例えば、ピア部分5を挟んで2艘のフロート(台船)84を繋留し、これらのフロート84上に載置したクレーン85を用いて締切用函体ユニット11(分割壁体1L,1R)の連結作業を行ってもよい。
図13に示すように、分割壁体1L,1Rの一端に設けられたヒンジ連結機構72を連結し、他端に設けられたヒンジ連結機構71を開放することにより、締切用函体ユニット11を平面視で開閉可能な環状に形成し、これをピア部分5の周囲に浮かべてから、開放された側のヒンジ連結機構71を連結することにより、ピア部分5の周囲に締切用函体ユニット11を環状に構築する。
F.締切用函体ユニット沈設工程
次に、図19に示すように、ピア部分5を取り巻く環状に形成した締切用函体ユニット11を水中に沈降させ、フーチング上面4aに水密的に着座させる。この時には、浮力調整手段の給排気通路65と給排水通路66の各バルブ67,68を開き、給排水通路66からポンプで外水を各分割止水函体13(14)の内部に形成された貯水空間21(縦貯水系統70)に給水し、同時に給排気通路65から貯水空間21の空気を排気させ、これによって締切用函体ユニット11の浮力を低下させて水中に沈降させる。その沈降速度は浮力調整により任意に設定可能である。
なお、締切用函体ユニット11を水中に沈降させるにあたって、図1及び図2に示すガイドスペーサー61を用いて締切用函体ユニット11とピア部分5との間隔を一定に保ちながら沈降させれば、水流の影響で締切用函体ユニット11がピア部分5に対して変位することを防止でき、締切用函体ユニット11を安定的に沈降させることができる。この場合は、先述のように、ガイドスペーサー61の、ピア部分5に当接する部分に、例えばローラーやキャスター、そり等の相対可動部材を設ければ、ピア部分5に対する締切用函体ユニット11の相対移動をスムーズにすることができる。
締切用函体ユニット11の底面S3と、フーチング上面4aとの間は、先述した止水構造34(図6参照)により止水がなされると同時に、アンカーブラケット37及びアンカーボルト39、ナット40により固定される。なお、図1及び図2に示すガイドスペーサー61は、この時点で取り外してもよいが、締切用止水壁体1の剛性を高めたい場合には、一部のガイドスペーサー61が取り残される。或いは、ガイドスペーサー61を支保工(切梁材)62に交換してもよい。また、ガイドスペーサー61は、そのピア部分5に当接する部分のローラーやキャスター、そり等の相対可動部材を堅固な支持部材に取り替えることで、支保工(切梁材)として兼用することも可能である。図20に示すように、フーチング上面4aに締切用函体ユニット11を複数段載置する場合は、前記工程D〜Fを反復する。
G.締切用壁体ユニット構築工程
次に、図21に示すように、水没している締切用函体ユニット11の上部に分割止水プレート43,44を取り付けていき、締切用壁体ユニット12を構築する。各分割止水プレート43,44間と、各分割止水プレート43,44と締切用函体ユニット11(接続部材51)との間は、先述したシール連結構造53(図7参照)と、ボルト55、ナット56により固定及び止水がなされる。また、締切用壁体ユニット12とピア部分5との間には、図1及び図2に示す支保工62(切梁材、必要により腹起し材、火打ち梁材)を適宜取り付ける。
図22は、締切用壁体ユニット12が複数段設けられて締切用止水壁体1が完成した状態を示している。ここに示すように、最上段の締切用壁体ユニット12が水面上に突出している。なお、締切用函体ユニット11を沈設する前に、締切用函体ユニット11の上部に分割止水プレート43,44を設置して締切用壁体ユニット12を構築し、前記締切用函体ユニット沈設工程Fにおいて締切用函体ユニット11と締切用壁体ユニット12とを同時に沈設してもよい。これにより、水中で締切用函体ユニット11の上に締切用壁体ユニット12を構築しなくてもよくなり、締切用止水壁体1の設置工程を大幅に簡易化することができる。
或いは、各分割止水プレート43,44の上部付近に、空気室と空気供給手段とを、一体又若しくは別体に設け、分割止水プレート43,44の水中での搬送時や組み立て時に、上記空気室の浮力により分割止水プレート43,44の重量を減じれば、締切用壁体ユニット12の組立がより容易になる。
H.排水工程
次に、フーチング上面4aが水面上に露呈するまで、ポンプ等を用いて締切用止水壁体1の内側の水を排水し、フーチング4及びピア部分5の周囲に乾燥した作業場を形成する。これにより、橋脚2のピア部分5における耐震補強作業や塗装作業、あるいはフーチング4の補修作業といった各種作業を容易に実施することができる。
I.再注水工程
橋脚2の上記作業が完了したら、締切用止水壁体1の内側に外水を再注入して、締切用止水壁体1の内側と外側とに均一な水圧が加わるようにする。
J.締切用壁体ユニット解体工程
次に、締切用壁体ユニット12を支保工62と共に上の段から解体していく。この支保工62及び締切用壁体ユニット12の解体は水中作業となる。なお、ここで締切用壁体ユニット12を解体せずに、締切用函体ユニット11と締切用壁体ユニット12との接合部のみを分解して締切用壁体ユニット12を一括して陸上に吊り上げて陸上で解体してもよいし、次の締切用函体ユニット浮上工程Kで締切用壁体ユニット12を締切用函体ユニット11と共に水上に浮上させてから解体してもよい。
K.締切用函体ユニット浮上工程
次に、締切用函体ユニット11の下部をフーチング上面4aに固定しているアンカーボルト39とナット40の締結を解いた後、前述の締切用函体ユニット沈設工程Fとは逆に、締切用函体ユニット11を構成する各分割止水函体13(14)の内部の貯水空間21(縦貯水系統70)に給水された水を排水する。即ち、図示しないエアーコンプレッサーで給排気通路65から貯水空間21に外気を給気して給排水通路66から貯水空間21内部の水を排水し、所定量の排水が完了したら、給排気通路65と給排水通路66の各バルブ67,68を閉じる。これによって締切用函体ユニット11の浮力が増加し、締切用函体ユニット11が水上に浮上する。
L.締切用函体ユニット解体工程
最後に、水上に浮上した締切用函体ユニット11を分割壁体1L,1Rに分割して、再び図17に示すように橋脚2上に設置したクレーン83等により水上に引き上げ、これらの分割体をさらに個々の分割止水函体13,14等に分解して撤去する。なお、前述したように、締切用壁体ユニット解体工程Jで締切用壁体ユニット12の解体を行わずに、この締切用函体ユニット解体工程Lで締切用壁体ユニット12が取り付けたままの状態で締切用函体ユニット11を浮上させ、水上又は陸上で締切用函体ユニット11と締切用壁体ユニット12とを分解すれば、水中で締切用壁体ユニット12を分解する必要が無くなるため、締切用止水壁体1の撤去作業を大幅に簡易化することができる。
以上のように構成された締切用止水壁体1及びこれを用いた締切工法によれば、締切用止水壁体1を構成する分割体である分割止水函体13,14及び分割止水プレート43,44を小型に形成できるため、これらの部材の陸上又は水上における運搬が容易になると同時に、橋脚等の空頭が少ない場合や、水深が浅い場合でも、分割止水函体13,14を水上に浮上させた状態で沈設位置まで容易に運搬することができ、これにより、簡易な工程と、簡易なクレーンその他の荷役機械で締切用止水壁体1を構築することができ、その工期も目覚しく短縮することができる。
また、締切用止水壁体1の下部が函体状の分割止水函体13,14からなる締切用函体ユニット11により構成されるため、締切用函体ユニット11が組み立てられた時点で、その上面及び下面の平坦性が完全に出ている。このため、例えばフーチング4の上面4aが不均等であっても、このフーチング上面4aに対して1段目の締切用函体ユニット11を水密的に敷設してしまえば、この1段目の締切用函体ユニット11の上面が完全な平坦面となり、以後の締切用函体ユニット11及び締切用壁体ユニット12の建造を非常に容易にすることができる。
しかも、締切用止水壁体1の下部が丈夫な函体状であることから、高い水圧や分割止水プレート43,44等の重量圧、波浪等にも充分耐え得る強度を締切用止水壁体1に付与することができる。そして、締切用止水壁体1を構成する各部材は、分解して何度も再使用することができるため、材料の無駄が無くて経済的であり、その組立にバイブロハンマー等の振動機械を使用しないため、周辺環境に悪影響を及ぼすこともない。その上、フーチング4の上に構築するため、河積の阻害を最小限にすることができる。
さらに、締切用止水壁体1を構成する各部材間を止水するシール連結構造30,53及び、締切用止水壁体1の下面S3とフーチング上面4aとの間を止水する止水構造34を、互いに対面する二面間に、該二面間の間隔を所定間隔に保つ非弾性の間隔保持部材31,35,58と、この間隔保持部材31,35,58よりも厚く弾性があるシール部材32,36,59とを並設し、これら二面間を近接する方向に加圧することにより、シール部材32,36,59を圧縮させて止水する構造としたため、簡素な構造により、高い止水性を確保することができる。
特に、締切用止水壁体1の下面S3がフーチング上面4aに着座する着座部においては、フーチング上面4aが不均一な面であっても、確実に止水することができる。また、止水を要する二面間の距離が間隔保持部材31,35,58の厚みよりも小さくならないため、シール部材32,36,59が過度に加圧されて、破断、破損等する虞がなく、シール部材32,36,59を繰り返し使用することができる。
一方、浮力調整手段を、分割止水函体13,14の内部に外水を給水又は排水することにより、分割止水函体13,14の浮力を調整するように構成し、詳しくは、浮力調整手段を、分割止水函体13,14の内部に形成された貯水空間21と、これらの貯水空間21同士を連結させる連結通路64と、締切用函体ユニット11の上部に位置する貯水空間21に連通し、各貯水空間21に外気を給気及び排気可能にする給排気通路65と、締切用函体ユニット11の下部に位置する貯水空間21に連通し、各貯水空間21に給水及び排水可能にする給排水通路66とを備えて構成したため、非常に簡素な構造により、締切用函体ユニット11又は分割止水函体13,14を水中に沈降及び浮上可能にして、その水上における運搬及び設置・解体・撤去を容易に行うことができる。
この浮力調整手段においては、複数の貯水空間21のうちの、上下方向に隣接する貯水空間21同士を連結通路64で連結して複数の独立した縦貯水系統70を構成し、これら複数の縦貯水系統70にそれぞれ給排気通路65と給排水通路66とを設けたため、分割止水函体13,14を複数連結して構成された締切用函体ユニット11を水中に沈降させる時や、水上に浮上させる時に、締切用函体ユニット11の内部の水が一側の貯水空間21に片寄ることがなく、常に水平に近い安定した姿勢で締切用函体ユニット11を沈降、又は浮上させることができ、締切用函体ユニット11の沈設工程を簡易化することができる。
また、図8〜図13に示すように、縦割りに分割された複数の分割壁体1L,1R同士をヒンジ連結機構71,72により脱着可能且つ回動自在に連結し、平面視でこれらの分割壁体1L,1Rを開閉可能な環状に形成することにより、水中に建造されたピア部分5のような被作業構造物の周囲を、空頭や水深に影響されることなく、簡易な工程で、しかも高い止水性を確保して締切ることができる。
ヒンジ連結機構71,72は、各分割壁体1L,1Rの端部にそれぞれ固定され、互いのヒンジ孔76,77が鉛直方向に重ねられる一対のヒンジアーム73,74と、ヒンジ孔76,77に鉛直に上方から差し込まれるヒンジピン75とを備えて構成され、ヒンジ孔76,77は、上側に位置する円孔よりも下側に位置する円孔の方が小径にされ、このヒンジ孔76,77の内径に対応してヒンジピン75が下端側が細くなるテーパーピンとされているため、ヒンジ孔76,77にヒンジピン75を挿入する際には、各分割壁体1L,1Rの揺動・振動等により、ヒンジピン75を自由落下させてヒンジ孔76,77に嵌合させやすく、これにより、水上における分割壁体1L,1Rの設置・解体を容易にし、締切用止水壁体1の構築・解体工程を簡易化することができる。
また、この締切工法によれば、複数の分割止水函体13,14を互いに連結して、被作業構造物であるピア部分5の周囲の水上で締切用函体ユニット11を環状に構築してから、この締切用函体ユニット11を水中に沈降させてフーチング上面4aに固定するため、ピア部分5の周囲の空頭や水深等に影響されることなく、非常に簡易な工程で締切用止水壁体1を構築することができる。
さらに、締切用函体ユニット沈設工程Fでは、各分割止水函体13,14の内部に形成された貯水空間21に外水を給水して分割止水函体13,14の浮力を低下させる一方、締切用函体ユニット浮上工程Kでは、各貯水空間21の水を排水して各分割止水函体13,14の浮力を増加させるようにしたため、各分割止水函体13,14及び締切用函体ユニット11を容易に沈降、又は浮上させることができ、簡易な工程で締切用止水壁体1を形成することができる。
しかも、締切用函体ユニット構築工程Eにおいて、分割壁体1L,1Rの両端に設けられたヒンジ連結機構71,72の一方を連結し、他方を開放することにより、締切用函体ユニット11を平面視で開閉可能な環状に形成し、これをピア部分5の周囲に浮かべた状態で、開放された側のヒンジ連結機構を連結して、ピア部分5の周囲に締切用函体ユニット11を環状に構築するようにしたため、ピア部分5の周囲に締切用函体ユニット11を容易に構築することができ、締切用止水壁体1の構築工程を飛躍的に簡易化することができる。
[発明の実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2を、図23に基づいて説明する。ここでは、フーチング91以外の各部材が、図1に示す実施の形態1のものと同様であるため、各部に同符号を付して説明を省略する。
フーチング91は、図1に示すフーチング4よりも幅が狭いため、フーチング91の上面に締切用止水壁体1を構築するためのスペースを充分に確保することができない。このような場合には、例えばフーチング91の周囲に水中コンクリートを打設してフーチング延長部92を形成し、このフーチング延長部92の上に締切用止水壁体1を構築する。フーチング延長部92と締切用止水壁体1の下面との間は、図6に示す止水構造34により水密的に連結される。なお、アンカーボルト39をフーチング延長部92に埋設して締切用止水壁体1を固定すれば好適である。
これにより、フーチング91の上面の面積が小さくても締切用止水壁体1を構築することができる。
[発明の実施の形態3]
次に、本発明の実施の形態3を、図24に基づいて説明する。フーチング91及び締切用止水壁体1は図23に示す実施の形態2のものと同様である。
ここでは、フーチング91の幅が狭いため、締切用止水壁体1の下面に、フーチング91側に延びてフーチング91の上面に重なる延長材95が取り付けられている。延長材95は例えばH型鋼と鋼板とを使用して形成されている。そして、延長材95の下面と、フーチング91の上面との間が、図6に示す止水構造34により水密的に止水される。ここで、アンカーボルト39をフーチング91に埋設して延長材95と締切用止水壁体1をフーチング91に固定すれば好適である。
なお、延長材95を締切用止水壁体1の下面に取り付ける代わりにフーチング91の上面に取り付け、この延長材を締切用止水壁体1側に延ばし、その上面に締切用止水壁体1を載置するようにしてもよい。また、この場合の延長材は鋼板に限らず、例えば鉄筋コンクリート製でもよい。
なお、言うまでもなく、締切用止水壁体1及びこれを構成する各部分の形状は、上記実施の形態1〜3に記載されたものに限らず、異なる形状にしてもよい。また、本発明に係る締切用止水壁体、橋脚のピア部分に限らず、水中或いは地下に建造された他の構造物に適用してもよい。
1 締切用止水壁体
1L,1R 分割壁体
2 被作業構造物である橋脚
4 台座であるフーチング
5 ピア部分
11 締切用函体ユニット
12 締切用壁体ユニット
13,14 分割止水函体
21 浮力調整手段を構成する貯水空間
30,53 シール連結構造
31,35,58 間隔保持部材
32,36,59 シール部材
34 止水構造
39 アンカーボルト
43,44 分割止水プレート
64 浮力調整手段を構成する連結通路
65 浮力調整手段を構成する給排気通路
66 浮力調整手段を構成する給排水通路
70 縦貯水系統
71,72 ヒンジ連結機構
73,74 ヒンジアーム
75 ヒンジピン
76,77 ヒンジ孔
E 締切用函体ユニット構築工程
F 締切用函体ユニット沈設工程
G 締切用壁体ユニット構築工程
H 排水工程
J 締切用壁体ユニット解体工程
K 締切用函体ユニット浮上工程

Claims (3)

  1. 水面下にある台座に立設されて水面上に突出した被作業構造物の周囲に間隔を介して囲壁状に設置され、その内側と前記被作業構造物との間の水を排水して作業場を形成することにより、前記被作業構造物に関する各種作業を可能にする締切用止水壁体において、
    水上に浮上可能な複数の分割止水函体の間を水平方向に着脱可能且つ水密的に連結して水面下に沈降させ、その底面を、前記台座の上面に止水構造を介して着座させて設置することにより、前記被作業構造物の周囲に間隔を介して形成される少なくとも段の締切用函体ユニットと、
    前記分割止水函体の内部に水を給水又は排水することにより、前記締切用函体ユニットを略水平状態で水中に沈降又は浮上可能に浮力調整する浮力調整手段と、
    複数の分割止水プレートの間を水平方向に着脱可能且つ水密的に連結し、その下部を、前記締切用函体ユニットの上部に着脱可能且つ水密的に連結することにより、前記締切用函体ユニットの上部に繋がるように形成した少なくとも1段の締切用壁体ユニットとを備え、
    前記浮力調整手段は、
    前記分割止水函体の内部に形成された貯水空間と、
    前記貯水空間に接続される給気通路排気通路とを兼用する給排気通路と
    前記貯水空間に接続される給水通路排水通路とを兼用する給排水通路を備え、
    前記貯水空間のうち、上下方向に隣接する貯水空間同士を連結通路で連結して複数の独立した縦貯水系統を構成し、これら複数の縦貯水系統にそれぞれ、前記給排気通路を上部に配設し、前記給排水通路を下部に配設したことを特徴とする締切用止水壁体。
  2. 水面下にある台座に立設されて水面上に突出した被作業構造物の周囲に間隔を介して囲壁状に設置され、その内側と前記被作業構造物との間の水を排水して作業場を形成することにより、前記被作業構造物に関する各種作業を可能にする締切用止水壁体において、
    水上に浮上可能な複数の分割止水函体の間を水平方向に着脱可能且つ水密的に連結して水面下に沈降させ、その底面を、前記台座の上面に止水構造を介して着座させて設置することにより、前記被作業構造物の周囲に間隔を介して形成される少なくとも1段の締切用函体ユニットと、
    前記分割止水函体の内部に水を給水又は排水することにより、前記締切用函体ユニットを略水平状態で水中に沈降又は浮上可能に浮力調整する浮力調整手段と、
    複数の分割止水プレートの間を水平方向に着脱可能且つ水密的に連結し、その下部を、前記締切用函体ユニットの上部に着脱可能且つ水密的に連結することにより、前記締切用函体ユニットの上部に繋がるように形成した少なくとも1段の締切用壁体ユニットとを備え、
    前記浮力調整手段は、
    前記分割止水函体の内部に形成された貯水空間と、
    前記貯水空間に接続される給気通路と、
    前記貯水空間に接続される排気通路と、
    前記貯水空間に接続される給水通路と、
    前記貯水空間に接続される排水通路とを備え、
    前記排気通路を前記貯水空間の上部に、前記排水通路を前記貯水空間の下部に、それぞれ接続しており、
    前記締切用函体ユニットを含んで縦割りに分割された複数の分割壁体同士をヒンジ連結機構により脱着可能且つ回動自在に連結し、平面視で前記各分割壁体を開閉可能な環状に形成し、前記ヒンジ連結機構は、前記各分割壁体の端部にそれぞれ固定され、互いのヒンジ孔が鉛直方向に重ねられる一対のヒンジアームと、前記ヒンジ孔に鉛直に上方から差し込まれるヒンジピンとを備えて構成され、前記ヒンジ孔は、上側に位置する円孔よりも下側に位置する円孔の方が小径にされ、このヒンジ孔の内径に対応して前記ヒンジピンは下端側が細くなるテーパーピンとされたことを特徴とする締切用止水壁体。
  3. 水面下にある台座に立設されて水面上に突出した被作業構造物の周囲に間隔を介して囲壁状に設置され、その内側と前記被作業構造物との間の水を排水して作業場を形成することにより、前記被作業構造物に関する各種作業を可能にする締切用止水壁体において、
    水上に浮上可能な複数の分割止水函体の間を水平方向に着脱可能且つ水密的に連結して水面下に沈降させ、その底面を、前記台座の上面に止水構造を介して着座させて設置することにより、前記被作業構造物の周囲に間隔を介して形成される少なくとも2段の締切用函体ユニットと、
    前記分割止水函体の内部に水を給水又は排水することにより、前記締切用函体ユニットを略水平状態で水中に沈降又は浮上可能に浮力調整する浮力調整手段と、
    複数の分割止水プレートの間を水平方向に着脱可能且つ水密的に連結し、その下部を、前記締切用函体ユニットの上部に着脱可能且つ水密的に連結することにより、前記締切用函体ユニットの上部に繋がるように形成した少なくとも1段の締切用壁体ユニットとを備え、
    前記浮力調整手段は、
    前記分割止水函体の内部に形成された貯水空間と、
    前記貯水空間に接続される給気通路と排気通路とを兼用する給排気通路と、
    前記貯水空間に接続される給水通路と排水通路とを兼用する給排水通路を備え、
    前記貯水空間のうち、上下方向に隣接する貯水空間同士を連結通路で連結して複数の独立した縦貯水系統を構成し、これら複数の縦貯水系統にそれぞれ、前記給排気通路を上部に配設し、前記給排水通路を下部に配設し、
    前記締切用函体ユニットを含んで縦割りに分割された複数の分割壁体同士をヒンジ連結機構により脱着可能且つ回動自在に連結し、平面視で前記各分割壁体を開閉可能な環状に形成し、前記ヒンジ連結機構は、前記各分割壁体の端部にそれぞれ固定され、互いのヒンジ孔が鉛直方向に重ねられる一対のヒンジアームと、前記ヒンジ孔に鉛直に上方から差し込まれるヒンジピンとを備えて構成され、前記ヒンジ孔は、上側に位置する円孔よりも下側に位置する円孔の方が小径にされ、このヒンジ孔の内径に対応して前記ヒンジピンは下端側が細くなるテーパーピンとされたことを特徴とする締切用止水壁体。
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