JP5053242B2 - 銅合金材の製造方法及びその装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車用ワイヤーハーネスやロボット用ケーブルやその他の信号用線などの銅合金線材若しくはコネクタ等の電気電子部品用の銅合金条材や銅合金板材(以下、総称して銅合金材という)を製造するための方法および装置に関する。
銅合金線材若しくは銅合金条の銅合金材の製造において、まず、溶解技術として最も一般的な方法(A)として、以下の工程が知られている。まず、溶解炉(電気炉、ガス炉)に銅原料・スクラップ及び添加元素もしくはそれを含有する母合金固体を投入し、溶解を行う。その後炉内の材料が全て溶解後、炉内から分析用サンプルを採取して化学分析もしくは機器分析によって成分・組成を測定・確認し成分調整を行う。所定の成分・組成を確認後に水冷鋳造にてスラブやビレットを鋳造し、その室温まで冷却された鋳塊を再加熱し熱間圧延・押出しを行って線材若しくは条材とする。
なお、上記溶解工程においては一般に誘導加熱方式が採用されており、エネルギー効率が悪いことは広く知られている。
次に、別の技術として、SCRなどのベルト&ホイール方式での連続鋳造が知られており(例えば、特許文献1参照)、ビレット鋳造に比較して安価な方式である。ここでは、溶解炉と鋳造機の間で添加元素を投入することで所定の合金組成にして鋳造するものである。製造コストを下げるために連続溶解鋳造を行うことが望ましいが、溶解能力が鋳造能力よりも劣るケースでは、連続鋳造時間が短くなりスタート・停止時に一定量発生する不良の比率が相対的に多くなり不良率が高くなり製造コストがかえって高くなる。そこで、鋳造能力に見合う大型溶解炉の導入が必要となり、初期設備投資が膨大なものとなる。そのために、設備投資も少なく、鋳造能力と同等な溶解設備が望まれている。なお、特許文献1記載の技術では、溶解炉として専らシャフト炉を活用する為にエネルギー効率は良いが、この方式では希薄銅合金(例えば、最も高濃度なものとしてCu−0.7%Sn合金など挙げられる)が溶解される程度である。
そのために、流れている溶銅に直接添加元素もしくはそれを含有する母合金固体を投入し、添加物の連続溶解により成分を調製したり、溶湯が通過する部位に加熱手段を有する溶湯貯留部を設け、そこに合金元素を添加配合したりする方法(B)が知られている。
更に、連続鋳造中の溶湯移送工程において、溶融金属を直接添加し成分調製をする方法(C)が知られている(例えば、特許文献2、3、4を参照)。これらは、合金元素を半溶融または溶融状態にして排出するヒーターを連続鋳造のタンディッシュ直上に設置し、タンディッシュ内の溶融金属内に合金元素を滴下して攪拌し、均質溶湯を得る(特許文献2)、溶銅をタンディッシュ内に収容すると共に、そのタンディッシュ内溶銅中に、NiおよびPをNi−P化合物の形態にて添加する(特許文献3)、添加合金成分からなる線材をアーク放電により連続的に溶融または半溶融し、或いは溶融または半溶融された前記添加合金成分を、流動する基本合金成分の溶湯に添加して、前記添加合金成分が溶解された溶湯を得る(特許文献4)ものである。
また、連続鋳造時の成分調整方法として、連続鋳造圧延で製造された荒引線の導電率を連続的に測定し、その結果をフィードバックし、合金元素添加量を連続的に制御する方法(D)が知られている(例えば、特許文献5参照)。
しかし、実用化されているものは、単純な固溶硬化型の合金のみであり、Cu−Ni−Si系など析出型合金では、熱間圧延時の析出状態によって導電率が変化する為に、荒引線の導電率からは成分判定を行うことは不可能である。
ところで、溶融金属に電気を通電して抵抗を測定することは既に知られている。例えば、日本機械学会編集「金属データー・ブック」には純金属の比抵抗値が示されており、その値は室温での比抵抗よりも大きな値である(表1参照)。しかし、銅合金、特にコルソン合金における溶融状態での抵抗については未だ知られていない。この合金系の成分と溶融状態での比抵抗の関係が明らかになれば、何らかの制御が可能となると思われるが未だ実現していない。
Figure 0005053242
また、この溶融金属の電気特性に着目し、溶融金属の性状の評価に活用したものとして溶融金属(特にアルミニウム合金)中の介在物を検出する方法(E)が知られている(例えば、特許文献6参照)。これは、介在物による電流経路の断面積減少分をモニターする手法である。電流経路内の電流を1〜500Aとし、経路内の電気抵抗を連続的に測定し、電流経路内を介在物粒子が通過する際の電気信号の変化を検出するものであり、電流経路内の溶融金属の組成的変化に伴う抵抗値の変化を検出するものではない。
特開昭55−128353号公報 特開昭59−169654号公報、 特開平8−300119号公報 特開2002−86251号公報 特開昭58−65554号公報 特開昭59−171834号公報
方法(A)のような一般的な屑を溶解するような炉(コアレス炉)では、原料となるNiと共にSi又はSi−Cu母合金を溶解する際には、融点が高いNiは初期に投入し、酸素と活性なSiまたはSi−Cu母合金は溶解後期に投入される。これらの投入原料の比熱と潜熱分の熱を吸収しながら溶解が進んでいくことで多くの熱エネルギーを必要とする。また、当然のことながら大型溶解設備が必要となる。
また、方法(B)のようにSiのような軽元素で酸素との親和力が高い元素と比重の大きいNiを、溶銅中に添加・溶融する際には、例えばSi粒が容易に溶解するように表面酸化が無視できる前処理をすることが必要になる場合があり、さらに以下の1〜3のような現象が発生し、溶解しない、添加歩留が悪い、長時間の添加を行うと添加部周辺のSiまたはSi母合金が滞積していき、新たな添加を阻害していく、混合熱が活用できない等の不都合が生じる。
1.比重差によってSiは溶銅表面に浮遊し、Niは溶銅液面深く沈んでしまう、
2.溶銅上面の雰囲気中の微量酸素とSiは反応して添加材表面に酸化膜が形成される(COガスによるシールにおいても、高温下ではSiにとっては酸化性ガスとなっている)、3.溶銅中に残存する微量酸素(10ppm以上)と反応して、溶銅接触界面で酸化膜を形成し、溶解が停滞する。
方法(C)では、高濃度合金を連続製造する上で固体・融体添加方法が知られているが、その添加においてノロの付着等々で添加量が安定せず成分変化が発生しやすい欠点があり、調製された合金溶湯を得ることが困難である。
また先に記載したように、方法(D)では、Cu−Ni−Si系など析出型合金では、導電率から成分判定を行なうことは不可能であり、調製された合金溶湯を得ることはできなく、方法(E)では溶融金属の組成的変化に伴う電気抵抗値の変化を検出するものではないので、同様に成分調製された合金溶湯を得ることは不可能である。
前述の析出強化型の銅合金の連続鋳造圧延を行う上で、移動鋳型内面のアセチレンガスを不完全燃焼下で発生させた煤を繰り返し吹き付け奪熱量の安定化を試みたが、たとえばCu−Ni−Si系合金のようにSiを含有する合金を製造する場合には、主成分であるSiと煤とが反応してSiCが形成されてしまい、鋳型内面に断熱効果の高い安定した煤の層が形成できなかった。その為に、タフピッチ銅と同じ鋳造・冷却条件を採用しても約150℃も低い温度の鋳塊しか得ることができなかった。その結果、連続圧延中に析出が促進し、溶体化状態の荒引線が得られず時効処理を施しても所定の性能を有する線材を製造することができなかった。また、連続圧延中の析出を抑制するため、鋳造直後の鋳塊に誘導加熱を施したが、鋳塊の断面積が小さいことから膨大な電気量を投入することになった。
更に、前述の析出強化型の銅合金をベルト&ホイール式若しくは双ベルト式の移動鋳型を用いて連続鋳造した際に、ベルトと銅ブロックとの接触部位に僅かながらのバリが発生したために、一般的に使用されている切削刃(材質はステライト等)でバリの除去を試みた。しかし、この切削刃の刃先にこの銅合金が固着(焼付き)し、切削を行うことができなくなった。そのために、このまま熱間圧延を施したが、線の表面にカブリ欠陥が多発した。これらの課題についても、解決することがきわめて重要である。
そこで、本発明の目的は、連続鋳造能と同等の溶解能力の溶解炉を少ない設備投資で提供する、高濃度の添加合金成分を少ない熱エネルギーで溶融し高濃度融体を作成する、Siの酸化膜の形成を防ぐ、及び高濃度融体の添加量を制御し所定の成分組成をもつ合金溶湯を得る。そして、析出強化型の銅合金材を高速度で、低コストで製造する方法及び装置を提供することにある。
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意研究し、以下の知見を得、これに基づき本発明に至った。
異種元素融体を混合するとエントロピーの増大に伴い混合熱が生成することはよく知られているが、この現象は銅合金の溶融関係には利用されていない。これを積極的に活用して省エネルギーで高濃度融体の作成を達成できる。
また、高濃度融体を純銅溶湯へ合流した場合に、溶銅中の残存酸素とSiなどが反応して酸化膜を形成するが、攪拌動力を与えることで融体表面に形成された酸化膜は容易に破壊されて安定なブレンドが可能となる。更に、合金組成の安定化を図る上で、一般的に採用されている単なる傾動制御または圧力制御による出湯量の調整では湯道へのノロの付着などによって大きく合金溶湯の成分が変化し信頼性が低いので、2つのフィードバック制御とこれらの併用を採用する。
すなわち本発明は、
(1)純銅溶解工程と、添加元素若しくはそれを含有する母合金を溶解する合金溶解工程とを別々に有し、さらにベルト&ホイール式若しくは双ベルト式の移動鋳型を用いて連続鋳造圧延する工程または縦型連続鋳造にてスラブ若しくはビレットを鋳造する工程を有する、析出強化型の銅合金から銅合金材を製造する方法であって、前記合金溶解工程で、NiまたはCoの少なくとも一方およびSiを高濃度で含む高濃度融体を作成する際に、Ni、Co、Si、Ni−Cu母合金、Co−Cu母合金、Si−Cu母合金、Ni−Si−Cu母合金、Co−Si−Cu母合金、Ni−Si母合金、Co−Si母合金、およびNi−Co−Si母合金から選択される元素又は母合金を組み合わせて同時に高濃度溶解炉へ投入し、混合熱の発生下で溶解させ、Ni、CoまたはNiとCoの合計の含有量が最大80質量%で、Si含有量がNi、CoまたはNiとCoの合計の含有量の0.2から0.4倍となる高濃度融体を作成し、これを前記純銅溶解工程で得られた純銅溶湯に添加し、所定の成分組成を有する合金溶湯とすることを特徴とする銅合金材の製造方法、
(2)前記高濃度融体を傾動式高濃度溶解炉から出湯する際に、高濃度溶解炉の下流側に設置した堰を有する計測樋で溶湯量を計測し、「予め把握していた炉傾動角度と出湯量との関係」へ「計測樋中の溶湯量から算出される溶湯通過量」をフィードバックさせて前記高濃度融体の所定量の高濃度融体を純銅溶湯に添加することを特徴とする(1)記載の銅合金材の製造方法、
(3)前記高濃度融体を圧力出湯式高濃度溶解炉から出湯する際に、高濃度溶解炉の下流側に設置した堰を有する計測樋で溶湯量を計測し、「予め把握していた加圧ガス注入量と出湯量との関係」へ「計測樋中の溶湯量から算出される溶湯通過量」をフィードバックさせて前記高濃度融体の出湯量を制御し、所定量の高濃度融体を純銅溶湯に添加することを特徴とする(1)記載の銅合金材の製造方法、
(4)前記出湯される高濃度融体を純銅溶湯(V:kg/分)に添加する合流部において、ガス・バブリングを行い、それにより総攪拌動力を30W/m以上付与し、その合流部から鋳造スパウトまでの総湯溜り質量を9×V(kg)以上とすることを特徴とする(2)又は(3)記載の銅合金材の製造方法、
(5)前記出湯される高濃度融体を純銅溶湯(V:kg/分)に添加する合流部において、機械式攪拌又は回転脱ガス攪拌を行い、それにより総攪拌動力を20W/m以上付与し、その合流部から鋳造スパウトまでの総湯溜り質量が9×V(kg)以上であることを特徴とする(2)又は(3)記載の銅合金材の製造方法、
(6)前記析出強化型の銅合金が、Niを1.0〜5.0質量%、Siを0.25〜1.5質量%含有し、残部がCuおよび不可避的な不純物元素から構成されるか、またはNiを1.0〜5.0質量%、Siを0.25〜1.5質量%含有し、Ag、Mg、Mn、Zn、Sn、P、Fe、In、ミッシュ・メタルおよびCrからなる群から選択される少なくとも1つの元素を0.01〜1.0質量%含有し、残部がCuおよび不可避的な不純物元素から構成されることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の銅合金材の製造方法、
(7)前記析出強化型の銅合金が、NiとCoとを合計で1.0〜5.0質量%、Siを0.25〜1.5質量%含有し、残部がCuおよび不可避的な不純物元素から構成されるか、またはNiとCoとを合計で1.0〜5.0質量%、Siを0.25〜1.5質量%含有し、Ag、Mg、Mn、Zn、Sn、P、Fe、In、ミッシュ・メタルおよびCrからなる群から選択される少なくとも1つの元素を0.01〜1.0質量%含有し、残部がCuおよび不可避的な不純物元素から構成されることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の銅合金材の製造方法、
(8)銅合金を鋳造するにあたって、前記移動鋳型内面に窒化ホウ素を塗布することを特徴する(1)〜(7)のいずれか1項に記載の銅合金材の製造方法、
(9)前記移動鋳型で鋳造された鋳塊のコーナー部を、主成分が窒化チタン(TiN)で溶射を施した切削刃で切削することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の銅合金材の製造方法、
を提供するものである。
さらに本発明は、
(10)純銅溶解と添加元素若しくはそれを含有する母合金溶解を別々に行う工程及びベルト&ホイール式若しくは双ベルト式の移動鋳型を用いて連続鋳造圧延するまたは縦型連続鋳造にてスラブ若しくはビレットを鋳造する工程を有する、析出強化型の銅合金から銅合金材を製造する銅合金材の製造装置であって、
純銅溶解炉、Ni若しくはCoの少なくとも一方およびSi元素またはそれを含有する母合金からNi、CoまたはNiとCoの合計の含有量が最大80質量%でSi含有量がNiとCo含有量の合計の0.2から0.4倍となる高濃度融体を作成する高濃度溶解炉、純銅溶湯へ高濃度融体を添加・混合する混合槽を設け、Ni、Co、Si、Ni−Cu母合金、Co−Cu母合金、Si−Cu母合金、Ni−Si−Cu母合金、Co−Si−Cu母合金、Ni−Si母合金、Co−Si母合金、およびNi−Co−Si母合金から選択される元素又は母合金を組み合わせて同時に高濃度溶解炉へ投入し、混合熱の発生下で溶解させ高濃度融体を作成し、純銅溶解炉から供給される純銅溶湯に高濃度融体を添加・混合し所定の成分組成を有する合金溶湯とすることを特徴する銅合金材の製造装置。
(11)前記高濃度溶解炉が傾動式であり、高濃度溶解炉の下流側に堰を有する計測樋及び樋に付設した溶湯量測定器を設置し、「予め把握していた炉傾動角度と出湯量との関係」へ「計測樋中の溶湯量から算出される溶湯通過量」をフィードバックさせる制御機構を設け、前記高濃度溶解炉からの高濃度融体の出湯量を制御し、所定量の高濃度融体を純銅溶湯に添加・混合することを特徴とする(10)記載の銅合金材の製造装置、
(12)前記高濃度溶解炉が圧力出湯式であり、高濃度溶解炉の下流側に堰を有する計測樋及び樋に付設した溶湯量測定器を設置し、「予め把握していた高濃度溶解炉へのガス注入量と出湯量との関係」へ「計測樋中の溶湯量から算出される溶湯通過量」をフィードバックさせる制御機構を設け、前記高濃度溶解炉からの高濃度融体の出湯量を制御し、所定量の高濃度融体を純銅溶湯に添加・混合することを特徴とする(10)記載の銅合金材の製造装置、
(13)前記出湯される高濃度融体を純銅溶湯(V:kg/分)に添加・混合する混合槽に気泡攪拌機を設け、ガス・バブリングによる総攪拌動力を30W/m以上付与し、その混合槽から鋳造スパウトまでの総湯溜り質量が9×V(kg)以上であることを特徴とする(11)又は(12)記載の銅合金材の製造装置、
(14)前記出湯される高濃度融体を純銅溶湯(V:kg/分)に添加する混合槽に機械式攪拌装置又は回転脱ガス装置を設け、それにより総攪拌動力を20W/m以上を付与し、その混合槽から鋳造スパウトまでの総湯溜り質量が9×V(kg)以上であることを特徴とする(11)又は(12)記載の銅合金材の製造装置、
(15)前記析出強化型の銅合金が、Niを1.0〜5.0質量%、Siを0.25〜1.5質量%含有し、残部がCuおよび不可避的な不純物元素から構成されるか、またはNiを1.0〜5.0質量%、Siを0.25〜1.5質量%含有し、Ag,Mg、Mn、Zn、Sn、P、Fe、In、ミッシュ・メタルおよびCrからなる群から選択される少なくとも1つの元素を0.1〜1.0質量%含有し、残部がCuおよび不可避的な不純物元素から構成されることを特徴とする(10)〜(14)のいずれか1項に記載の銅合金材の製造装置、
(16)前記析出強化型の銅合金が、NiとCoとを合計で1.0〜5.0質量%、Siを0.25〜1.5質量%含有し、残部がCuおよび不可避的な不純物元素から構成されるか、またはNiとCoとを合計で1.0〜5.0質量%、Siを0.25〜1.5質量%含有し、Ag、Mg、Mn、Zn、Sn、P、Fe、In、ミッシュ・メタルおよびCrからなる群から選択される少なくとも1つの元素を0.01〜1.0質量%含有し、残部がCuおよび不可避的な不純物元素から構成されることを特徴とする(10)〜(14)のいずれか1項に記載の銅合金材の製造装置、
を提供するものである。
本発明によれば、既存のSCRやContirodなどの移動鋳型を有する工場でも、溶解設備の小型化で設備投資も小さくなる。そして、溶解炉で得られた純銅溶湯の移送工程において連続的若しくは間歇的に高濃度融体(Ni、Co、Si等を含有)を添加し、大量に安価に簡便に所望の成分組成を有する析出強化型の合金溶湯を安定的に製作することができる。また、その添加をフィードバック制御で行うことで、合金溶湯をさらに安定的に製作することができる。
そしてSiなどの使用原料も大きな制限を設ける必要が無く安価な原料の使用が可能であり、混合熱の利用で省エネルギーができ溶解原単位を低減できる。また、溶湯移送工程における炉洗い等が極めて少なくて済み、品種変更などが容易である。
また、鋳造時の冷却条件の最適化により誘導加熱を施すことなく高温鋳塊を用いて溶体化状態の荒引線を得ることができ、省エネルギーができ溶解原単位を低減できる。更に、表面品質に優れた銅合金材を安定的に製造することができる。
このように析出強化型の銅合金材を短時間に大量かつ低コストで製造でき安定的に供給できる。その結果の一例として、従来に比べ安価なワイヤーハーネスを大量に供給することができる。
本発明の銅合金線材の製造方法及びその装置の実施形態の種々の例について、添付図面に基づき説明する。尚、各図において同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
まず、本発明の実施形態の前提について説明する。銅及び希薄銅合金をベルト&ホイール式または双ベルト式の移動鋳型を用いて、連続鋳造圧延する際の鋳型内面にはアセチレンガスを不完全燃焼下で発生させた煤を繰り返し吹き付け奪熱量の安定化及び鋳型への焼付けを防止しておおよそ800℃以上の高温鋳塊を鋳造し、熱間圧延機にて連続圧延を行っている。ここで、前記析出強化型の銅合金の連続鋳造圧延においても溶体化状態を維持する上で、鋳塊温度を高くすることが極めて重要である。鋳塊温度が低い場合には誘導加熱装置を用いて熱間圧延機の前または途中で昇温を試みている。このことは、本発明者らが特願2007−146226号等で既に提案済みである。以下、本発明の実施形態を具体的に説明する。
図1及び図2は本発明の実施形態の一例を示すもので、ベルト&ホイール式移動鋳型を用いた連続鋳造の一例の概略図である(後続する熱間圧延機、焼入れ装置等は図示せず)。図1及び図2に示すように、シャフト炉1において原料銅を1090〜1150℃で溶解させ、純銅溶湯をシャフト炉1から保持炉2へ出湯させた後、保持炉2内において1100〜1200℃で滞留させながら保持炉2内の溶銅を、合流部(混合槽)4へ出湯させる。保持炉2と合流部4との間に脱酸・脱水素ユニット3を設けるのが好ましい。
その後、合流部4にて、傾動式高濃度溶解炉10(図1)又は加圧式高濃度溶解炉11(図2)から出湯した合金元素成分を含む高濃度融体を純銅溶湯に添加して、所定の合金組成となるように調整する。Ag、Mg、Mn、Zn、Sn、P、Fe、In、ミッシュ・メタル(MM)およびCrからなる群から選択される少なくとも1つの元素などの単体若しくは母合金を溶銅移送工程で別添加しても良いが、より好ましくはこれらを高濃度溶解炉にて同時に溶解する。更に、高濃度溶解炉は1基で所定量の合金を製造することができるが、より好ましくは2基以上設置し交互に出湯することで大量の合金を製造することができる。なお、この高濃度溶解炉で溶解される原料にスクラップを使用することは、何ら問題は無い。
合流部4からの合金溶湯は、フィルター5付の樋6を通って鋳造ポット7内に連続的に移送され、その鋳造ポット7内の合金溶湯を不活性ガス又は還元性ガスでシールされた状態で鋳造スパウト8から回転移動鋳型であるベルト&ホイール鋳造機9へ注湯し、凝固させる。この凝固した鋳塊の温度をできるだけ低下させない状態(好ましくは900℃以上、この鋳塊の温度の上限値には特に制限はないが、通常950℃以下である。)で、連続熱間圧延機(図示せず)で所定の線径まで圧延を行い、焼入れを施し、ほぼ溶体化状態の銅合金材を製造することができる。この銅合金材は、線材に限らず、条材、板材等の任意の形状とすることもできる。
なお、上記脱酸処理は周知の方法、例えば赤熱化した木炭と溶湯を接触させる方法で行う。この方法では、溶湯中の酸素は粒状木炭と反応して、炭酸ガスとなり、溶湯中を浮上し、放出される。脱水素処理は周知の方法、例えば溶湯を非酸化ガス、不活性ガス又は還元ガスと接触させて行うことができる。脱水素は、脱酸処理後に行っても、脱酸処理と同時に行ってもよい。
また、縦型連続鋳造機並びにSCR等のベルト&ホイール式及びContirodなど双ベルト式の移動鋳型を有する連続鋳造機の鋳造能力と同等な溶解能力を持つ溶解炉を備えることで中断することなく長時間の連続鋳造が可能となる。例えば、SCRでは専ら15〜50トン/時の鋳造能力を有しており、これと同等な電気溶解炉を有することは大変大きな設備投資が必要である。また、全てを電気で溶解する場合には溶解原単位も悪く、加工費増大やCO排出増大などのデメリットが発生する。そのために、銅合金の溶銅を得る上で、屑リサイクル分を除く銅分相当分をガス炉(反射炉・シャフト炉)で溶解することで溶解原単位の改善を図ることができる。
また、添加元素については、専用の電気溶解炉である高濃度溶解炉(図1の10、図2の11)にて溶解を行い、高濃度融体を得る。
本発明において、高濃度溶解炉、高濃度融体等における「高濃度」とは、Ni、CoまたはNiとCoの合計の含有量が最大80質量%で、残りをSi等が占め、Si含有量がNi、CoまたはNiとCoの合計の含有量の0.2から0.4倍であることをいう。下限としては、工業的には特に制約は無いが、経済的には鋳塊成分の5倍以上であることが好ましい。
NiまたはCoの少なくとも一方およびSiを含有する高濃度融体を製造する際には、Ni、Co、Si、Ni−Cu母合金、Co−Cu母合金、Si−Cu母合金、Ni−Si−Cu母合金、Co−Si−Cu母合金、Ni−Si母合金、Co−Si母合金、およびNi−Co−Si母合金から選択される元素又は母合金を組み合わせて同時に高濃度溶解炉に添加する。さらに、析出強化型の銅合金は、Ag、Mg、Mn、Zn、Sn、P、Fe、In、ミッシュ・メタル(MM)およびCrからなる群から選択される少なくとも1つの元素を含有していても良いので、これを高濃度融体に含有するようこの溶解炉に加えても良い。
高濃度溶解炉内で高濃度融体を製造する際、約1100℃以上に加熱すると急激な混合熱が生成し、局所的に1600℃以上にもなる。この熱を隣接するSi等にも伝播して熱膨張により表面酸化膜が破壊されて容易に溶解が進んでいく。このことから、Siの還元処理などが不要となり安価なSiが使用できる。また、この混合熱が連鎖的に周辺のNiやSiの溶解に利用されることで大幅な省エネルギーで溶解が可能となる。
上記元素又は母合金が完全に溶解した後に成分調整を行い、その後、高濃度融体を出湯し、純銅溶湯とブレンドすることで析出強化型の合金溶湯の製作を行うことができる。
この高濃度融体の成分のNi、CoまたはNi+Coの含有量は高濃度融体全量の最高80質量%として残りをSi等が占めるが、Si含有量がNi、CoまたはNi+Coの含有量の0.2倍から0.4倍が好ましい。但し、湯流れ性を考慮すると、Ni、CoまたはNi+Coの含有量は60質量%以下、残りをSi、銅及びその他添加元素が望ましい。また、屑のリサイクルを図る上でこの溶解炉を活用する場合には、Niは20〜40質量%、Siは5〜11質量%、残り銅及びその他添加元素が望ましい。
この高濃度融体を高濃度溶解炉から出湯する際において、その出湯量の制御の精度向上のために、(1)その下流の合流部(混合槽)までに三角堰又は四角堰のような堰を設けた計測樋を設置し、その堰を乗り越えて融体が流れていくようにし、樋内を通過する溶湯量を利用する、(2)その高濃度融体と純銅溶湯とが合流する合流部において、機械攪拌又は気泡攪拌により攪拌動力を与えて均一化し、高濃度融体と純銅溶湯が均一に混合した合金溶湯の電気抵抗値を合金溶湯の構成元素の成分組成の代用特性として利用する。この2つの値を用いて高濃度融体の出湯量制御へのフィードバックとする。
出湯し、計測樋12中の溶湯量はどのような手段で求めても良いが、例えば図3に示すようなロードセル又は図4に示すような液面レベル計での計測値に基づいて知ることができる。この溶湯量から日本工業規格(JIS)K0094の8に該当する方法等によって溶湯通過量を算出する。傾動式高濃度溶解炉の傾動角度とそこからの出湯量の関係はこれまでの操業実績から、予め把握することができる。また、圧力出湯式高濃度溶解炉への加圧ガス注入量とそこからの出湯量の関係はテスト操業により、予め把握することができる。
また、合金溶湯の電気抵抗については、事前に各種の成分比率に調整された高濃度融体を純銅溶湯に添加し、電気抵抗を計測することで、合金溶湯の電気抵抗値で銅合金の成分組成の把握ができる。合金溶湯はNiまたはCoの少なくとも一方およびSiを含有することから、これらの成分組成と電気抵抗値との関係は直線性が強いからである。
図3に示すように、制御機構を介して計測樋12に付設したロードセルと傾動式高濃度溶解炉10の傾動角度変更機構と接続し、フィードバック制御によりロードセルで得られる値で傾動角度(θ)を変更し、高濃度溶解炉からの出湯量を制御する。あるいは、前記と同様に、図4に示すように、制御機構を介して計測樋12に付設した液面レベル計と加圧式高濃度溶解炉11の加圧ガス注入量変更機構と接続し、フィードバック制御により液面レベル計で得られる値でガス注入量を変更し、高濃度溶解炉からの出湯量を制御することもできる。なお、構造物が増える為に、好ましくは無いが高濃度溶解炉から出湯された高濃度融体をトリベ等に溜め、ニードル・バルブやスライディング・ゲートなどで流量制御を施すことも問題ない。
また、図3、4に示すように、制御機構を介して合流部(混合層)に付設した電気抵抗検出用の測定器13と傾動式高濃度溶解炉10の傾動角度変更機構又は加圧式高濃度溶解炉11の加圧ガス注入量変更機構と接続し、フィードバック制御により抵抗値で傾動角度(θ)又はガス注入量を変更し、高濃度溶解炉からの出湯量を制御することもできる。なお、電気抵抗検出用の測定器13を合流部(混合層)に付設するのに代えて、図6、図7に示すように合金溶湯の流動する樋6に付設して、同様に抵抗値をフィードバックし、高濃度溶解炉からの出湯量を制御してもよい。
さらに、計測樋12中の溶湯量に基づくフィードバック制御と電気抵抗値に基づくフィードバック制御とを併用して高濃度溶解炉からの出湯量を制御することもできる。
フィードバック制御機構は、傾動式高濃度溶解炉10の傾動サイクル時間内で、計測樋12で測定される重量若しくは体積から通過重量を測定・積算する。この重量が所定重量と乖離する場合には、次回の炉傾動量を増加若しくは減少すべく炉の傾動装置の稼動量を変更する。なお、ここで炉の傾動を制御する為の関係式は、炉傾動角度と炉内高濃度融体の出湯量の関係を予め数学的に算出して求めておく。次に、傾動サイクル時間の2倍以上の期間に測定器13で検出された電気抵抗から成分を算出したものを平均化し、その値が目標値と乖離する場合には、次回の炉傾動量を増加若しくは減少すべく炉の傾動装置の稼動量を変更する。
図6及び図7に溶湯中の電気抵抗の検出用の測定器の形態の一例について示す。図6は、測定器13のうち検出部13aの構造が一端閉となっている円筒状のものであり、図7は、溶融金属の流れの経路自体(たとえば樋6の一部)を測定器13にしたものである。図7の14は測定器13の構造物でアルミナのような絶縁性に優れる耐火材であるが、必ずしも焼成品(アルミナ管、石英管等)である必要はない。このような溶湯中の電気抵抗は直流電流若しくはパルス電流を用いた4端子法で測定することが望ましいが、渦電流を用いて測定しても良い。測定器13は合流部4に付設してもよく、合金溶湯の流れる樋6に付設してもよい。ここで、銅合金はアルミニウムとは異なり高温であり電圧印加用端子並びに電流測定用端子及びその絶縁物などの設置を考慮すると、電流の経路断面の直径は8mm以上が好ましく、より好ましくは15mm以上であると安定して長時間測定することが可能となる。この経路断面の直径の上限値には特に制限はないが、通常20mm以下である。合金溶湯はNiまたはCoの少なくとも一方およびSiを含有し、これらの成分組成と電気抵抗値との関係は直線性が強く、十分に電気抵抗値からフィードバックし、高濃度融体の出湯量を制御することができることが判明した。なお、図6の電気抵抗の検出用の測定器では、測定器内の合金溶湯を入れ替えるために窒素ガスなどの不活性ガスによる加圧・減圧を周期的に行う。
ここで合流部を攪拌するのは、(1)2種類の溶湯を混合し測定される電気抵抗値が溶湯全体の値を表すことと、(2)酸素との親和力の強いSiなどが純銅溶湯中の酸素と結合して酸化膜を形成するが、これを破壊することを目的としている。特に、上記(1)のために、ガス・バブリングを行なうが、30W/m以上の総攪拌動力が必要であり、より好ましくは100W/m以上が良く、多くても400W/m程度までである。ここで言うガス・バブリングによる総攪拌動力(ε:W/m)は、「森、佐野ら、『鉄と鋼』、Vol.67(1981)P.672−695」にて報告されている下記の式(1)から算出した。
Figure 0005053242
また、機械攪拌では、20W/m以上の総攪拌動力が必要であり、より好ましくは100W/m以上が良く、多くても400W/m程度である。ここでの総攪拌動力は下記の式(2)から算出した。
Figure 0005053242
このように攪拌動力を付与することで、純銅溶湯に添加時に生成する高濃度融体の表面の酸化膜は破壊される。高濃度融体を添加する前の純銅溶湯中の酸素を脱酸処理にて10ppm以下にすることが望ましいが、攪拌動力を付与することで、事前の脱酸処理を施さずに酸素濃度300ppm以下であれば安定したブレンドが可能である。このことから更に小型設備を構築することができる。
この合流部(混合槽)から鋳造機スパウトまでの総湯溜り量(kg)を混合前の純銅溶湯量(V:kg/分)の9倍以上とすることで、高濃度融体の添加が間欠出湯であっても安定した成分・組成の合金溶湯を作成することができるが、更に好ましくは15倍以上にすることでより成分変動が小さくなるが、多くても25倍程度である。
次に、本発明の銅合金材の製造方法及び製造装置に使用する析出強化型銅合金について詳細に説明する。ここで、代表例として以下にコルソン合金(Cu−Ni−Si系銅合金)について示すが、析出強化型銅合金であれば他の合金系についても同様に採用することができる。
本発明の製造方法及び製造装置により得られる合金材はコルソン系銅合金等の析出強化型合金からなる。例えば、コルソン系銅合金は、Niを1.0〜5.0質量%、Siを0.25〜1.5質量%含有し、残部がCuおよび不可避的な不純物元素を含有するものが一般的である。また、コルソン系銅合金のNiの一部または全部をCoで置換した銅合金も同様に取り扱われる。
Ni(またはNiとCoの含有量の合計)を1.0〜5.0質量%に規定する理由は、強度を向上させるため、及び連続鋳造圧延工程のうち圧延工程の中間または圧延工程の直後の銅合金材の中間材について焼入れを行った場合に溶体化処理後の状態(溶体化状態)若しくはそれに近い状態の銅合金材を得られるようにするためである。Ni(またはNiとCoの含有量の合計)が1.0質量%未満では十分な強度が得られず、5.0質量%を超えると、圧延工程の中間または圧延工程の直後に焼入れを行っても溶体化状態若しくはそれに近い状態にすることが困難となる。Ni(またはNiとCoの含有量の合計)は、好ましくは1.5〜4.5質量%、より好ましくは1.5〜2.0質量%である。
また、Siを0.25〜1.5質量%に規定する理由は、NiとCoとの化合物を形成して強度を向上させること、及び上記Niと同様に、圧延工程の中間または圧延工程の直後の銅合金材の中間材について焼入れを行った場合に溶体化状態若しくはそれに近い状態の銅合金材を得られるようにするためである。0.25質量%未満では十分な強度が得られず、1.5質量%を超えると、圧延工程の中間または圧延工程の直後に焼入れを行っても溶体化状態若しくはそれに近い状態にすることが困難となる。Siの含有量は、好ましくは0.35〜1.25質量%、より好ましくは0.35〜0.65質量%である。
さらに、前記の銅合金は、Ag、Mg、Mn、Zn、Sn、P、Fe、In、ミッシュ・メタル(MM)およびCrからなる群から選択される少なくとも1つの元素を0.01〜1.0質量%含有していても良い。これらの金属元素が0.01〜1.0質量%含有されていると、強度が優れるためである。0.01質量%未満ではその効果が十分現れず、1.0質量%を超えると、圧延工程の中間または圧延工程の直後の銅合金材の中間材について焼入れを行った場合に溶体化状態若しくはそれに近い状態にすることが困難となる。これらの元素の含有量は、好ましくは0.02〜0.8質量%、より好ましくは0.05〜0.2質量%である。
前述の析出強化型の銅合金に連続鋳造圧延を行う上で、従来技術のように高温鋳塊を製出する為に移動鋳型内面にアセチレンガスを不完全燃焼下で発生させた煤を繰り返し吹き付け煤の固着層の形成を試みた。しかし、主成分であるSiと煤とが反応してこの層が形成できなかった。そのために、本実施形態では、移動鋳型内面に窒化ホウ素(ボロン・ナイトライド:BN)を塗布若しくはスプレーすることにより誘導加熱を施すことなく800℃以上の高温鋳塊を安定的に鋳造できるように鋳型内面に10μm以上、より好ましくは50μm以上の断熱層を形成させる。その結果、鋳塊と鋳造リングとの接触面での熱伝達率は図9に示すように低減し、高温鋳塊を製出することができた。この断熱層の厚みの上限値には特に制限はないが、通常60μm以下である。
前述の析出強化型の銅合金をベルト&ホイール式若しくは双ベルト式の移動鋳型を用いて連続鋳造した際、ベルトと銅ブロックとの接触部位に僅かなバリが発生する。このバリを切削する切削刃に固着物(焼付き)が固着するのを防止する為に、切削刃に窒化チタン(TiN)を主成分とする溶射を2μm以上、より好ましくは5μm以上の厚さで施したものを使用するのが好ましい。この溶射の厚さの上限値には特に制限はないが、通常50μm以下である。TiNを主成分とする溶射層を形成した切削刃は、鋳塊の固着が少なく、安定してバリの除去ができる。
以下に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれに制限されるものではない。
20トン/時の鋳造能力を有するSCR(連続鋳造圧延装置)でコルソン合金線材の連続鋳造圧延を実施した。高濃度融体を高濃度溶解炉として3トンのコアレス炉2基を用いて交互出湯することで完全連続鋳造を実施した。ここで使用するコアレス炉に使用する耐火材は銅合金の溶解で使用する一般的なものである。
原料にはNi板とSi塊と20%Si−Cuを用いて、図5に示すような関係を利用してNi:50質量%、Si:13質量%、残部銅となる高濃度融体(融点:1110℃)を作成した。溶解は予め、20%Si−Cuを溶解し、その後Ni板とSi塊を一緒に投入した。混合熱により目も眩むばかりの光が発生し、投入原料は一気に溶解した。このように、ガスによるシャフト炉及び電気による高濃度溶解炉で原料を溶解することで、Cu、Ni、20%Si−Cu、Si各々を一般的な溶解手順によりコアレス炉で溶解する際のエネルギーの総和に対して、溶解エネルギーを約14%節約することができた。
この高濃度溶解炉で溶解後にボタンサンプルを採取し、このサンプルを蛍光X線分析し、目標組成となるように調整を施した。なお、ここで採取されたサンプルにはNiSiの金属間化合物が多く含有されており、このような高濃度材を伸線してワイヤーにすることは不可能であり、特開2002−86251号公報(特許文献4)に記載された技術を採用することはできないと判断された。
次に、このコアレス炉から傾動制御にて高濃度融体の出湯を行った。予め、炉内形状から傾動角度と出湯量の関係は把握しておき、この関係式に則って30秒/サイクル(出湯・停止)の間隔で8.7kg/回(=鋳造レート×目標成分÷高濃度融体中の成分÷単位時間当りのサイクル数)の出湯を施した。しかし、炉壁へのノロの付着により、予め把握しておいた出湯量とは異なる出湯量となった。そのために、この下流側にロードセルの上に設置した計測樋に三角堰を設けて、この質量測定を行った。この堰をオーバー・フローする瞬間の樋の全質量をゼロとみなし、それからの増加量からサイクル毎の溶湯通過質量の試算を行った。
この出力結果から特に出湯の後期において出湯量が減少する傾向が見られ、不足分を次回のサイクルの傾動時間へフィードバックし、不足分の補正を行った。このフィードバック制御によって、安定した成分を得ることができた。
しかし、上記の樋の三角堰の部分にノロが付着し、鋳塊の合金成分が低下する事例が一部でみられた(発生頻度(=異常発生ロット÷全鋳造ロット):6%)。この異常を補正するために、高濃度融体と純銅溶湯との混合部(合流部4)に300kgの湯溜りを設置し、この湯溜り部の炉床のポーラス・プラグから窒素ガス:10リッター/分を吹込み、108W/mの攪拌動力を与えた。この合流部4の湯溜りに4端子法で測定するための電極4本を設置し、その抵抗測定の結果からを稀に発生する異常を早期検出し、そのフィードバック制御を行い異常発生の防止を行った。
本実施例では、合流部4の湯溜りの上部から内径φ16mmのアルミナ管を用いた測定器13の検出部13aを浸漬させ、5秒間隔で管内に窒素ガスによる加圧及び排気(大気圧に戻す)を繰り返すことで、検出部13a内の合金溶湯の入替えを行った。なお、このアルミナ管は、その他の絶縁特性に優れる耐火材(例えば、石英管)を使用しても何ら問題はない。特開昭59−171834号公報(特許文献6)に記載された技術のように最大直径φ5mmでは吸引が必要となり、計測器の構成・保守が複雑になるが、この測定器13は加圧のみで済むことから簡便な取り扱いができた。
これらの組合せによって、Ni:2.6質量%、Si:0.65質量%含有のコルソン合金の荒引線(φ8mm)を安定に製造(20トン/時)することができた。
この高濃度融体と純銅溶湯の合流部の下流で、計測樋での溶湯通過質量による出湯量制御はオン、電気抵抗によるフィードバックをオフとして、ガス・バブリングによる攪拌動力を変化させて溶湯から分析用サンプルを採取・分析を行った。その結果を図8に示すが、攪拌動力が30W/mを下回る条件下ではNi分析値の偏差(最高濃度−最低濃度)が大きくなり不十分であるが、この実施例の条件では十分安定している結果を得た。
この線材の連続操業を実施している際に、熱間圧延時の冷却装置が故障し所定量以上の冷却水が噴霧された。そのために、焼入れ温度が低下し、析出が進んだ荒引線が得られた。この部分の導電率は35%と通常部分の22%と大きく乖離した値となり、特開昭58−65554公報(特許文献5)に記載された制御技術では管理できないことが判明した。
鋳造リング内面に対向するようにスプレーノズル3本を設置し、鋳造ベルトに対向してスプレーノズル1本を設置し、窒化ホウ素をスプレーし安定層の形成を行った。アセチレン不完全燃焼下で作成した煤では690℃の鋳塊が製出されたが、窒化ホウ素を塗布することで835℃の鋳塊を得ることができた。この際の安定層は75μmであった。
また、例えば、図1、図2図示される移動鋳型9とそれに後続する図示しない圧延機との間に、鋳塊15のバリを除去する図示しないバリ除去器を設けてもよい。このバリ除去器の切削刃に窒化チタンを主成分とする溶射を15μm施した刃を使用し、図10に示すように、鋳塊15のコーナー部のバリ16を切削により除去した。5時間もの連続鋳造を行っても切削刃には固着物は生成せず、安定してバリを除去することができた。
本発明の溶解工程及び連続鋳造圧延工程の一例を示す概略図である。 本発明の溶解工程及び連続鋳造圧延工程の他の例を示す概略図である。 傾動式高濃度溶解炉からの出湯量を制御する方法を示す説明図である。 圧力出湯式高濃度溶解炉からの出湯量を制御する方法を示す説明図である。 高濃度融体の成分と融点との関係を示すグラフである。 溶湯中に設置した電気抵抗を検出する測定器の一例の概略説明図である。 溶湯中に設置した電気抵抗を検出する測定器の他の例の概略説明図である。 攪拌動力と溶湯中のNi分析値の偏差の関係を示すグラフである。 鋳塊と鋳造リングとの熱伝達率の関係を示すグラフである。 鋳塊のバリ発生部の除去位置を示す断面図である。
符号の説明
1 シャフト炉
2 保持炉
3 脱酸・脱水素ユニット
4 合流部(混合槽)
5 フィルター
6 樋
7 鋳造ポット
8 鋳造スパウト
9 ベルト&ホイール式移動鋳型
10 傾動式高濃度溶解炉
11 圧力出湯式高濃度溶解炉
12 計測樋
13 測定器
13a 検出部
14 耐火材(アルミナ管)
15 鋳塊
16 バリ

Claims (16)

  1. 純銅溶解と添加元素若しくはそれを含有する母合金溶解とを別々に行う工程を有し、さらにベルト&ホイール式若しくは双ベルト式の移動鋳型を用いて連続鋳造圧延する工程または縦型連続鋳造にてスラブ若しくはビレットを鋳造する工程を有する、析出強化型の銅合金から銅合金材を製造する方法であって、添加元素若しくはそれを含有する母合金を溶解し、NiまたはCoの少なくとも一方およびSiを高濃度で含む高濃度融体を作成する際に、Ni、Co、Si、Ni−Cu母合金、Co−Cu母合金、Si−Cu母合金、Ni−Si−Cu母合金、Co−Si−Cu母合金、Ni−Si母合金、Co−Si母合金、およびNi−Co−Si母合金から選択される元素又は母合金を組み合わせて同時に高濃度溶解炉へ投入し、混合熱の発生下で溶解させ、Ni、CoまたはNiとCoの合計の含有量が最大80質量%で、Si含有量が前記Ni、CoまたはNiとCoの合計の含有量の0.2倍から0.4倍となる高濃度融体を作成し、これを他の溶解炉から供給される純銅溶湯に添加し、所定の成分組成を有する合金溶湯とすることを特徴とする銅合金材の製造方法。
  2. 前記高濃度融体を傾動式高濃度溶解炉から出湯する際において、高濃度溶解炉の下流側に設置した堰を有する計測樋で溶湯量を計測し、「予め把握していた炉傾動角度と出湯量との関係」へ「計測樋中の溶湯量から算出される溶湯通過量」をフィードバックさせて出湯量を制御し、所定量の高濃度融体を純銅溶湯に添加することを特徴とする請求項1記載の銅合金材の製造方法。
  3. 高濃度融体を圧力出湯式高濃度溶解炉から出湯する際において、高濃度溶解炉の下流側に設置した堰を有する計測樋で溶湯量を計測し、「予め把握していた加圧ガス注入量と出湯量との関係」へ「計測樋中の溶湯量から算出される溶湯通過量」をフィードバックさせて出湯量を制御し、所定量の高濃度融体を純銅溶湯に添加することを特徴とする請求項1記載の銅合金材の製造方法。
  4. 前記出湯される高濃度融体を純銅溶湯(V:kg/分)に添加する合流部において、ガス・バブリングを行い、それにより総攪拌動力を30W/m以上付与し、その合流部から鋳造スパウトまでの総湯溜り質量を9×V(kg)以上とすることを特徴とする請求項2又は3記載の銅合金材の製造方法。
  5. 前記出湯される高濃度融体を純銅溶湯(V:kg/分)に添加する合流部において、機械式攪拌又は回転脱ガス攪拌を行い、それにより総攪拌動力を20W/m以上付与し、その合流部から鋳造スパウトまでの総湯溜り質量が9×V(kg)以上であることを特徴とする請求項2又は3記載の銅合金材の製造方法。
  6. 前記析出強化型の銅合金が、Niを1.0〜5.0質量%、Siを0.25〜1.5質量%含有し、残部がCuおよび不可避的な不純物元素から構成されるか、またはNiを1.0〜5.0質量%、Siを0.25〜1.5質量%含有し、Ag、Mg、Mn、Zn、Sn、P、Fe、In、ミッシュ・メタルおよびCrからなる群から選択される少なくとも1つの元素を0.01〜1.0質量%含有し、残部がCuおよび不可避的な不純物元素から構成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の銅合金材の製造方法。
  7. 前記析出強化型の銅合金が、NiとCoとを合計で1.0〜5.0質量%、Siを0.25〜1.5質量%含有し、残部がCuおよび不可避的な不純物元素から構成されるか、またはNiとCoとを合計で1.0〜5.0質量%、Siを0.25〜1.5質量%含有し、Ag、Mg、Mn、Zn、Sn、P、Fe、In、ミッシュ・メタルおよびCrからなる群から選択される少なくとも1つの元素を0.01〜1.0質量%含有し、残部がCuおよび不可避的な不純物元素から構成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の銅合金材の製造方法。
  8. 銅合金を鋳造するにあたって、前記移動鋳型内面に窒化ホウ素を塗布することを特徴する請求項1〜7のいずれか1項に記載の銅合金材の製造方法。
  9. 前記移動鋳型で鋳造された鋳塊のコーナー部を、主成分が窒化チタンで溶射を施した切削刃で切削することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の銅合金材の製造方法。
  10. 純銅溶解と添加元素若しくはそれを含有する母合金溶解を別々に行う工程及びベルト&ホイール式若しくは双ベルト式の移動鋳型を用いて連続鋳造圧延するまたは縦型連続鋳造にてスラブ若しくはビレットを鋳造する工程を有する、析出強化型の銅合金から銅合金材を製造する銅合金材の製造装置であって、
    純銅溶解炉、Ni若しくはCoの少なくとも一方およびSi元素またはそれを含有する母合金からNi、CoまたはNiとCoの合計の含有量が最大80質量%でSi含有量が前記NiとCo含有量の合計の0.2倍から0.4倍となる高濃度融体を作成する高濃度溶解炉、純銅溶湯へ高濃度融体を添加・混合する混合槽を設け、Ni、Co、Si、Ni−Cu母合金、Co−Cu母合金、Si−Cu母合金、Ni−Si−Cu母合金、Co−Si−Cu母合金、Ni−Si母合金、Co−Si母合金、およびNi−Co−Si母合金から選択される元素又は母合金を組み合わせて同時に高濃度溶解炉へ投入し、混合熱の発生下で溶解させ高濃度融体を作成し、純銅溶解炉から供給される純銅溶湯に高濃度融体を添加・混合し所定の成分組成を有する合金溶湯とすることを特徴する銅合金材の製造装置。
  11. 前記高濃度溶解炉が傾動式であり、高濃度溶解炉の下流側に堰を有する計測樋及び樋に付設した溶湯量測定器を設置し、「予め把握していた炉傾動角度と出湯量との関係」へ「計測樋中の溶湯量から算出される溶湯通過量」をフィードバックさせる制御機構を設け、出湯量を制御し、所定量の高濃度融体を純銅溶湯に添加・混合することを特徴とする請求項10記載の銅合金材の製造装置。
  12. 前記高濃度溶解炉が圧力出湯式であり、高濃度溶解炉の下流側に堰を有する計測樋及び樋に付設した溶湯量測定器を設置し、「予め把握していた高濃度溶解炉へのガス注入量と出湯量との関係」へ「計測樋中の溶湯量から算出される溶湯通過量」をフィードバックさせる制御機構を設け、出湯量を制御し、所定量の高濃度融体を純銅溶湯に添加・混合することを特徴とする請求項10記載の銅合金材の製造装置。
  13. 前記出湯される高濃度融体を純銅溶湯(V:kg/分)に添加・混合する混合槽に気泡攪拌機を設け、ガス・バブリングによる総攪拌動力を30W/m以上付与し、その混合槽から鋳造スパウトまでの総湯溜り質量が9×V(kg)以上であることを特徴とする請求項11又は12記載の銅合金材の製造装置。
  14. 前記出湯される高濃度融体を純銅溶湯(V:kg/分)に添加する混合槽に機械式攪拌装置又は回転脱ガス装置を設け、それにより総攪拌動力を20W/m以上を付与し、その混合槽から鋳造スパウトまでの総湯溜り質量が9×V(kg)以上であることを特徴とする請求項11又は12記載の銅合金材の製造装置。
  15. 前記析出強化型の銅合金が、Niを1.0〜5.0質量%、Siを0.25〜1.5質量%含有し、残部がCuおよび不可避的な不純物元素から構成されるか、またはNiを1.0〜5.0質量%、Siを0.25〜1.5質量%含有し、Ag,Mg、Mn、Zn、Sn、P、Fe、In、ミッシュ・メタルおよびCrからなる群から選択される少なくとも1つの元素を0.1〜1.0質量%含有し、残部がCuおよび不可避的な不純物元素から構成されることを特徴とする請求項10〜14のいずれか1項に記載の銅合金材の製造装置。
  16. 前記析出強化型の銅合金が、NiとCoとを合計で1.0〜5.0質量%、Siを0.25〜1.5質量%含有し、残部がCuおよび不可避的な不純物元素から構成されるか、またはNiとCoとを合計で1.0〜5.0質量%、Siを0.25〜1.5質量%含有し、Ag、Mg、Mn、Zn、Sn、P、Fe、In、ミッシュ・メタルおよびCrからなる群から選択される少なくとも1つの元素を0.01〜1.0質量%含有し、残部がCuおよび不可避的な不純物元素から構成されることを特徴とする請求項10〜14のいずれか1項に記載の銅合金材の製造装置。
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