JP4747689B2 - 銅合金の連続製造方法 - Google Patents

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本発明は、銅合金連続製造方法に関する。
従来、銅合金の製造では、溶解炉内に銅原料と合金元素を含有する添加材とを装入して溶解し、成分調整を行った上で鋳造を行なうバッチ式の溶解炉が採用されていた。しかしながら、バッチ式の溶解炉では、溶解炉からの出湯が終了した段階で、銅原料と添加材とを再度溶解炉内に装入して溶解する必要があるので、銅合金溶湯を連続して出湯できず、生産性が低いといった問題があった。
また、バッチ式の溶解炉では、合金の種類を変更するたびに、溶解炉内を洗浄する、いわゆる炉洗いを行なわなければならない。この炉洗いには多くの溶湯が必要であり、製品以外の用途で銅を溶解することになり、溶解に要するエネルギーが無駄となるとともに、炉洗い作業中に製品を製出できず、生産性がさらに悪くなり、その製造コストが大きくなるといった問題があった。さらに、炉洗いが不十分である場合には、直前に溶解した合金元素が銅合金中に混入し、銅合金の品質が劣化するといった問題があった。
そこで、連続的に銅合金の溶湯を製造する装置として、銅合金溶湯を一時保持して外部に排出するタンディシュの上流側に樋を設け、この樋に合金元素を含有する添加材を添加できる添加手段が設けられた銅合金溶湯の製造装置(特許文献1)や、タンディシュと樋の間に加熱炉を設けた銅合金溶湯の製造装置(特許文献2)が提案されている。これらの銅合金溶湯の製造装置においては、溶銅が移送される樋に合金元素として純金属の固体を添加し、加熱炉が設けられたものでは、合金元素が添加された溶湯を加熱してさらに溶解を促進し、タンディシュで合金成分を均一化するといったものである。
特開昭63−62829号公報 特開昭63−62830号公報
上記の銅合金溶湯の製造装置においては、合金元素の添加手段の下流側に加熱炉が設けられており、合金元素が添加される樋の中の溶銅温度を高くできず、合金元素が添加されても溶解しにくい状況であり、合金元素が未溶解のまま加熱炉内に流れ込んでいってしまうといった問題があった。また、この状態で加熱炉にて溶銅温度を上昇させても、加熱炉内での溶銅の流動は小さく、合金元素が溶銅と十分接触できず、溶解が促進されないといった問題があった。
また、上記の銅合金溶湯の製造装置では、樋の中を流れる溶銅中に合金元素を添加するものであるが、合金元素が溶銅に対して難溶解性元素、例えばFe、Ni、Crなどである場合には、樋の中で溶解しきれず、未溶解元素が樋の下流側に配置された加熱炉やタンディシュに混入してしまう虞があった。
タンディシュに未溶解元素が混入した場合には、タンディシュ内での溶湯の滞留時間は短いため、未溶解元素はタンディシュ内でも溶解されず、鋳型内に未溶解元素が流れ込んでしまうといった問題があった。
一方、未溶解元素が、加熱炉に混入した場合には、加熱炉内で溶湯が加熱されることにより未溶解元素の溶解が促進されるが、この未溶解元素が溶銅の比重より小さい元素、例えば、Ti、Alなどである場合には、加熱炉内の溶湯の表面に未溶解元素が浮いてしまい、溶解が促進されないといった問題があった。また、長時間の操業により加熱炉内の溶銅の表面に合金元素が多量に堆積してしまった場合には、操業を一時中断して堆積物を除去する必要があり、生産性が著しく阻害されるといった問題があった。
また、加熱炉が合金元素の添加手段の下流側に設けられているので、合金元素として加熱炉を構成する耐火材を汚染する元素が含まれている場合には、添加手段を介して添加された合金元素により、加熱炉の耐火材が汚染されてしまうといった問題があった。加熱炉の耐火材が汚染された場合には、上述したバッチ式溶解炉と同様に、炉洗いを行う必要が生じ、炉洗い作業に労力と時間が掛かり、生産性が悪くなるといった問題があった。さらに、耐火物の汚染により、加熱炉の寿命が短くなるといった問題があった。
また、上記の銅合金溶湯の製造装置においては、合金濃度が高く多量の合金元素を添加する場合には、樋を流れる溶銅に対する合金元素の量が大きくなり、溶銅中に合金元素を添加できず溶解できなくなるといった問題があった。また、合金元素が多量に添加されることにより、溶銅の温度が急激に低下して溶銅が凝固してしまい、操業不能になるといった問題があった。したがって、合金濃度が高い銅合金、例えば、Feを2%以上含有する合金やNiを2%以上含有する合金などの連続鋳造には対応できないものであった。
さらに、この銅合金溶湯の製造装置に供給される溶銅が酸素を比較的多く含有する場合には、活性な合金元素、例えばMg、Zr、Ti、Si、Cr、Zn等が添加されると、これらの活性な元素が溶銅中の酸素と反応して酸化物を生成してしまう。この酸化物の生成により、合金元素の添加歩留が低下し、添加材の使用量が増加するので、その製造コストが高くなるといった問題があった。また、酸化物がタンディシュ内に混入した場合には、酸化物が鋳塊内に流れこみ、鋳塊不良が発生するといった問題があった。また、酸化物は比重が軽いために、加熱炉及びタンディシュ内の溶湯の表面に堆積し、操業を阻害するといった問題があった。
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、合金濃度の高い合金や難溶解性元素を含有する合金であっても、安定して溶解して鋳造することができる銅合金連続製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、無酸素銅供給手段により無酸素銅の溶銅が供給される加熱炉を有し、該加熱炉は、耐火材で構成され、銅合金の合金元素を含有する添加材を添加できる第1の添加手段が備えられるとともに、前記加熱炉の下流側に前記溶銅が通過する樋を介してタンディシュが配備され、前記溶銅が通過する前記樋と前記タンディシュと前記加熱炉とが、非酸化性雰囲気によってシールされており、前記樋と前記タンディシュとのいずれか一方には、第2の添加手段が備えられた銅合金の連続製造装置により銅合金を連続製造する方法であって、前記第1の添加手段には、溶銅に対して難溶解性の合金元素を含有する添加材が添加されるとともに、前記第2の添加手段には、耐火材と反応しやすい活性元素を含有する添加材が添加されることを特徴とする。
上記の銅合金溶湯の連続製造方法では、第2の添加手段の上流側に加熱炉が設けられており、加熱炉で溶銅の温度を十分に上昇させた後に高温の溶銅が樋又はタンディシュへ供給され、第2の添加手段を介して添加材を添加することにより、樋又はタンディシュ内を流れる高温の溶湯中に添加材が添加される。また、加熱炉に第1の添加手段が設けられていることにより、加熱炉内に貯留された溶銅中に、第1の添加手段を介して添加材が添加される。さらに、無酸素銅の溶銅に添加材が添加されるので、添加材が活性な元素、例えば、Mg、Zr、Ti、Si、Cr、Zn等の場合でも、溶銅中の酸素とこれらの元素との反応が防止される。
また、前記溶銅が通過する前記樋と前記タンディシュと前記加熱炉とが、非酸化性雰囲気によってシールされていることにより、無酸素銅供給手段によって供給される無酸素銅の溶銅の酸化が防止される。
また、前記第1の添加手段には、溶銅に対して難溶解性の合金元素を含有する添加材が添加されることにより、難溶解性の合金元素を含有する添加材が加熱炉内の溶銅に添加される
また、前記第2の添加手段には、前記加熱炉を構成する耐火材と反応しやすい活性元素を含有する添加材が添加されることにより、加熱炉内に加熱炉を構成する耐火材と反応しやすい活性元素を含有する添加材が混入することが防止される。
本発明によれば、加熱炉によって加熱された高温の溶銅が流れる樋又はタンディシュに添加材を添加できるので、溶銅と添加材とを確実に接触させることができ、添加材の添加歩留を向上させることができ、安定して銅合金の溶湯を製造することができる。
また、添加材が活性な元素の場合でも、溶銅中の酸素とこれらの元素との反応が防止されるので、その添加歩留が向上し、添加材の使用量が低減され、製造コストを低減することができる。また、これらの元素の酸化物の発生を防止できるので、酸化物の鋳塊への混入を防止できるとともに、加熱炉及びタンディシュ内の溶湯表面への酸化物の堆積を防止できる。したがって、酸化物を除去するために操業を停止することなく、長時間安定して操業することができ、その生産性を向上させることができる。
また、添加材が、溶銅に対して難溶解性元素、つまり、銅との2元状態において液相線の温度が低下しない元素、例えばFe、Ni、Crなどである場合でも、加熱炉に備えられた第1の添加手段に添加材を添加することにより、加熱炉において溶銅温度を上昇させて溶解を促進させるとともに、加熱炉からタンディシュへ移送される間にも添加材の溶解が促進され、添加材を確実に溶解することができる。したがって、未溶解の添加材が銅合金中に混入することを防止することができ、高品質の銅合金を得ることができる。
また、添加材が、加熱炉を構成する耐火材を汚染する元素、つまり、耐火材と反応しやすい活性元素、例えばMg、Cr、Zn等の元素である場合でも、加熱炉の下流側に設けられた第2の添加手段で添加することにより、加熱炉が添加材によって汚染されることがなく、加熱炉を溶銅の合金が変更されるたびに炉洗いする必要がない。したがって、炉洗いに掛かる労力と時間を節減でき、生産性を向上させることができるとともに、加熱炉の寿命を向上させることができる。
また、合金濃度の高い合金であって、その添加材の添加量が多量である場合でも、容量が大きく大量の溶銅を保持する加熱炉内に添加されるので、添加材を確実に溶銅内に添加することができるとともに、添加材の大量添加による溶銅の急激な温度低下を防止でき、溶銅が凝固してしまうといったトラブルを防止することができる。また、加熱炉がタンディシュの上流側に設けられているので、加熱炉からタンディシュへ移送される間に添加材の溶解が促進され、添加材を確実に溶解することができる。したがって、合金濃度の高い合金、例えば、Feを2%以上含有する合金やNiを2%以上含有する合金等であっても安定して銅合金を連続製造することができる。
また、添加材が、溶銅の比重(約7.9)よりも小さい比重を有するもの、例えば、Ti、Al等の元素である場合には、樋またはタンディシュに備えられた第2の添加手段で添加することにより、溶銅が流れているところに添加することができるので、比重差によって添加材が浮上分離することなく、添加材と溶銅とが十分に接触され、添加材を確実に溶解することができる。よって、添加材の添加歩留を向上させることができ、添加材の使用量が低減され、製造コストを低減することができるとともに、安定して銅合金の溶湯を製造することができる。
このように、本発明の銅合金の連続製造方法では、添加される添加材の溶銅との溶解性、比重、酸化性、添加量などを勘案して、第1の添加手段と第2の添加手段とを使い分けることにより、安定して銅合金を連続製造することができる。
本発明の第1の実施形態について図面を用いて説明する。図1に第1の実施形態である銅合金の製造装置の概略を示す。
銅合金の製造装置1は、最上流部に配置された無酸素銅供給手段2と、その下流に配置された加熱炉3と、加熱炉3の下流に配置されたタンディシュ4と、無酸素供給手段2から加熱炉3までをつなぐ溶湯供給路5と、加熱炉3とタンディシュ4とをつなぐ樋6と、加熱炉3に備えられた第1の添加手段7と、タンディシュ4に備えられた第2の添加手段8とで構成されている。
無酸素銅供給手段2は、銅原料を溶解するシャフト炉21と、シャフト炉21で溶解されて得られた溶銅を一時保持する保持炉22と、溶銅中の酸素及び水素を除去する脱ガス処理装置24と、これらをつなぐ溶湯供給路5a、5b、5cとで構成されている。
シャフト炉21は、円筒形の炉本体を有し、炉本体の下部には、円周方向に複数のバーナー(図示略)が上下方向に多段状に設けられている。このシャフト炉21では、炉内が還元性雰囲気になるようにガスバーナーの燃焼が行なわれる。ここで、炉内を還元性の雰囲気にするためには、例えば、ガスバーナーで燃焼される天然ガスと空気との混合ガスにおいて、その燃料比(天然ガスの比率)を高めることで得ることができる。より具体的には、CO濃度を通常の0.5%から5%とし、酸素濃度を通常の100ppmから10ppmとする。
シャフト炉21の炉本体の上部の装入口21aから銅原料、例えば電気銅などを装入し、ガスバーナーの燃焼により銅原料を溶解し、シャフト炉下部の出湯口21bから溶銅が出湯される。ここで、銅原料の装入状況やガスバーナーの燃焼状況により出湯口21bから出湯される溶銅の量は大きく変動してしまう。そこで、シャフト炉21の下流側には保持炉22が配置されている。
保持炉22は、シャフト炉21から出湯された溶銅を一時保持し、保持炉22の下流側への溶銅の供給量を一定に制御する機能を有する。この保持炉22には、加熱手段、例えばガスバーナーが備えられており、保持した溶銅が温度低下するのを防止することができる。この保持炉22の炉内は非酸化性雰囲気とされており、この保持炉22の炉内は、前記ガスバーナーの燃料比を高めることによって還元性雰囲気にすることができる。
脱ガス処理装置24は、その内部で溶銅が攪拌されるように攪拌手段、例えば不活性ガスによるバブリング等を行うことにより、溶銅から酸素ガス及び水素ガスが除去される。
溶湯供給路5a、5b、5cは、溶銅が酸化されるのを防止するために、その内部を非酸化性雰囲気としている。この非酸化性雰囲気は、例えば、窒素と一酸化炭素の混合ガスやアルゴン等の不活性ガスを溶湯供給路内に吹き込むことにより形成される。
加熱炉3は、その外形が略円筒状とされ、その内部に貯留槽31が設けられ、貯留部31に貯留された溶銅を高温、例えば1400℃まで加熱できる加熱手段として高周波誘導コイルが設けられている。加熱炉3内は、非酸化性雰囲気とされ、例えば、窒素と一酸化炭素の混合ガスやアルゴン等の不活性ガスで充満されている。ここで、排出口32と樋6とが非酸化性雰囲気によってシールされた状態で接続されており、非酸化性雰囲気を保持したままで加熱炉3から樋6へ溶銅の排出が行なわれる。
この加熱炉3の上部には、合金元素を含有する添加材を添加できる第1の添加手段7が設けられており、この第1の添加手段7の装入口7aから添加材を連続的にまたは間欠的に装入すると、加熱炉3内に開口された開口部7bより、加熱炉3内の貯留部31に貯留された溶銅中に添加材が添加される。ここで、貯留部31に貯留された溶銅は、高周波誘導コイルによって加熱される。
加熱炉3の下流側には、タンディシュ4が配置され、加熱炉3とタンディシュ4とは、樋6とで接続されている。
タンディシュ4は溶銅を1t程度保持するものであり、タンディシュ4の内部の溶銅は、一定以上の流速で流れている。このタンディシュ4の上部には第2の添加手段8が設けられており、この第2の添加手段8の装入口8aから添加材を連続的にまたは間欠的に装入すると、タンディシュ4内に開口された開口部8bより、タンディシュ4内を流れる溶銅中に添加材が添加される。
また、タンディシュ4の底面側には、溶湯排出口4aが設けられ、この溶湯排出口4aにノズル41が接続され、ノズル41の下方には黒鉛鋳型42が配置されている。
上記の銅合金の連続製造装置1では、シャフト炉21で銅原料が溶解され、保持炉22で加熱炉3への溶銅供給量が調節され、脱ガス処理装置24により溶銅中の酸素と水素が除去されて、加熱炉3へ無酸素銅の溶銅が供給される。加熱炉3の貯留部31に貯留された溶銅が加熱されるとともに、第1の添加手段7より合金元素を含有する添加材が溶銅中に添加され、添加材が溶解し、さらに、溶銅は樋6を通じてタンディシュ4に供給され、第2の添加手段8によりさらに添加材が溶銅中に添加されて、銅合金溶湯が連続的に製造される。タンディシュ4内の銅合金溶湯は、溶湯排出口4aに接続されたノズル41を介して黒鉛鋳型42内に供給され、黒鉛鋳型42で冷却されることにより、銅合金鋳塊が得られる。
上記の銅合金の連続製造装置1では、第2の添加手段8が設けられたタンディシュ4の上流側に加熱炉3が配置されているので、タンディシュ4に供給される溶銅の温度を高く、例えば1220℃以上とすることにより、第2の添加手段8から添加される添加材の溶解を促進させることができ、添加材を確実に溶解して、成分値が安定した銅合金溶湯を連続的に製造することができる。また、添加材の添加歩留が良いので、添加材の使用量を低減でき、銅合金の製造コストを低減することができる。
また、無酸素銅供給手段2により酸素量が10ppm以下の無酸素銅の溶銅が加熱炉3及びタンディシュ4に供給され、無酸素銅の溶銅に添加材を添加できるので、添加材が活性な元素であるMg、Zr、Ti、Si、Cr、Zn等であっても、溶銅中の酸素との反応を防止でき、その添加歩留を向上させることが出来るとともに、これらの元素の酸化物の発生を防止できる。したがって、酸化物が溶銅に混入することを防止でき、高品質の銅合金溶銅を供給できるとともに、酸化物の堆積による加熱炉3、タンディシュ4のトラブルを防止できる。さらに、添加材の添加歩留が良いので、添加材の使用量を低減でき、銅合金の製造コストを低減することができる。
また、加熱炉3に第1の添加手段7が設けられているので、溶銅に溶解しにくい難溶解性元素をこの第1の添加手段7で加熱炉3内に添加することにより、加熱炉3内の溶銅温度を、例えば1350℃といった極めて高温に上昇させ、難溶解性元素を確実に溶解することができる。よって、難溶解性元素の未溶解物が発生せず、高品質の銅合金を供給できる。また、添加歩留が向上するので、銅合金の製造コストを低減することができる。
また、溶銅が流れているタンディシュ4に第2の添加手段8が設けられているので、溶銅に対して比重の軽い元素を第2の添加手段8で添加することにより、比重の軽い元素が浮上分離することなく、これらの元素を確実に溶解することができる。よって、比重の軽い元素であっても、確実に溶解でき、成分値が安定した銅合金を製造することができるとともに、添加歩留が良いので銅合金の製造コストを低減することができる。
また、第2の添加手段8が加熱炉3の下流側に設けられているので、加熱炉3を構成する耐火材を汚染する元素をこの第2の添加手段8によって添加することにより、加熱炉3の耐火材が汚染されることを防止でき、加熱炉3の炉洗いが不要となり、生産性が向上するとともに、加熱炉3の寿命を向上することができる。
また、貯留部31を有する加熱炉3に第1の添加手段7が設けられているので、合金濃度の高い合金であってその添加材の添加量が多量であるには、この第1の添加手段7によって添加することにより、添加材を溶銅中に確実に添加でき、安定して溶解することができる。また加熱炉3によって貯留部31に貯留された溶銅の温度を上昇できるので、多量の添加材が溶銅中に添加されても、溶銅の急激な温度低下による凝固を防止することができる。
また、溶湯供給路5と加熱炉3と樋6とタンディシュ4とが非酸化性雰囲気でシールされているので、これらを通過する無酸素銅の溶銅中への酸素の混入を防止でき、溶銅中の酸素と添加材との反応を確実に防止でき、酸化物の発生に起因するトラブルや銅合金の品質劣化を防止できる。
さらに、無酸素銅供給手段2を、シャフト炉21と保持炉22と脱ガス処理装置24とで構成しており、エネルギー効率の良いシャフト炉21で銅原料を溶解できるので、銅原料の溶解にともなうエネルギー消費量を大きく低減することができる。また、溶解を中断する場合には、シャフト炉21のガスバーナーを停止できるので、無駄なエネルギー消費を抑えることができ、溶銅の製造コストを大幅に低減することができる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図2に第2の実施形態である銅合金の製造装置の概略を示す。
第2の実施形態においては、無酸素銅供給手段2が低周波誘導炉51で構成され、第2の添加手段8が樋6の上部に設けられたものであり、その他の部分は第1の実施形態と同じであるため説明を省略する。
上記の銅合金の製造装置においては、無酸素銅供給手段2が低周波誘導炉51で構成されているので、銅原料の溶解、溶湯供給量の調整、脱酸素処理および脱水素処理を低周波誘導炉51で行なうことができ、別途、保持炉22や脱ガス処理装置24を設けることなく、無酸素銅の溶銅を供給することができる。
また、第2の添加手段8が樋6に設けられているので、樋6に流れる溶銅の流速はタンディシュ4内の溶銅の流速に比べて大きくなっており、第2の添加手段8で添加された添加材が確実に溶銅中に添加され、添加材の溶解を確実に行なうことができる。
なお、上記の実施の形態においては、脱ガス処理装置24を別途独立して設けたもので説明したが、例えば溶湯供給炉5や樋6に堰を設けて溶湯を攪拌して脱ガス処理を行っても良い。この場合には、堰を脱酸素効果のあるカーボンで構成することにより、脱酸素効果を向上させることができる。
また、保持炉22をガス炉として説明したが、低周波誘導炉などの電気炉であっても良い。
また、得られた銅合金溶湯を冷却・凝固させる方法として黒鉛鋳型42を用いて説明したが、黒鉛鋳型42を使用するものに限定されるものではなく、例えばベルトキャスター方式の連続鋳造機の鋳型内に銅合金溶湯を注入して、連続鋳造・圧延を行なっても良い。
以下に、上記の第1の実施形態である銅合金の製造装置を用いてC194合金の溶湯を連続的に製造した結果を述べる。
ここで製造されるC194合金は、溶銅に対して難溶解性元素であるFeを2wt%以上含有する合金であり、その目標組成は、Feが2.5wt%、Znが0.15wt%、Pが0.075%とした。
添加材として、Fe、Znは金属Fe、金属Znを使用した。また、Pについては、Pを15wt%含有する銅母合金(15%P母合金)を使用した。よって、これらの添加材の添加量の比率は、Fe:Zn:15%P=500:3:10となり、金属Feを大量に添加する必要がある。
ここで金属Feは溶銅に対して難溶解性元素であり、その融点は1535℃、比重が7.87程度である。一方、金属Znは、融点が約419℃、比重が7.13程度である。また、Pについては、15%P母合金とされているので、溶銅への溶解は非常に容易である。
そこで、難溶解性元素であり、比重が溶銅と同程度である金属Feは第1の添加手段7により加熱炉3内の溶銅に連続的に添加し、比重が軽く融点の低い金属Zn及び易溶解性の15%P母合金は第2の添加手段8によりタンディシュ4内の溶銅に連続的に添加した。加熱炉3内の溶銅は1350℃まで加熱し、金属Feの溶解を促進した。
このように金属Fe、金属Zn、15%P母合金を添加して、連続的にC194溶湯を
製造し、鋳型42内に供給して鋳塊を製出した。
この操業実験の結果、略目標値と一致する銅合金を得ることができた。また、得られた鋳塊の断面検査を行ったが、鋳塊内部から未溶解の金属FeやZnの酸化物などは確認されなかった。したがって、本発明によれば、C194の溶銅を安定して連続製造することができることが確認された。
次に、上記の第1の実施形態である銅合金の製造装置を用いてコルソン合金の溶湯を連続的に製造した結果を述べる。
製造するコルソン合金の目標組成は、Niが2.4wt%、Siが0.6wt%、Crが0.3%とした。ここで、Niは溶銅に対して難溶解性元素であり、その融点は1455℃、比重が8.9である。Siは酸化しやすい活性元素であり、その融点は1410℃、比重は2.33である。Crは酸化しやすい活性元素であるとともに、耐火材を汚染する元素であり、その融点は1857℃で、比重が7.19である。
添加材として、金属Ni、金属Si、金属Crを使用した。これらの添加材の添加量の比率は、Ni:Si:Cr=8:2:1とされ、難溶解性元素である金属Niが最も多く添加されることになる。
そこで、難溶解性元素であり、比重が溶銅より大きい金属Niは第1の添加手段7により加熱炉3内の溶銅に連続的に添加し、比重が溶銅に比べて非常に小さい金属Si及び耐火材を汚染する元素である金属Crは第2の添加手段8によりタンディシュ4内の溶銅に連続的に添加した。ここで、加熱炉3内の溶銅は1350℃まで加熱し、金属Niの溶解を促進した。
このようにして金属Ni、金属Si、金属Crを添加して、連続的にコルソン合金の溶湯を製造し、鋳型42内に供給して鋳塊を製出した。
この操業実験の結果、略目標値と一致する銅合金を得ることができた。また、得られた鋳塊の断面検査を行ったが、鋳塊内部から未溶解の金属Niや金属Cr、Siの酸化物、Crの酸化物などは確認されなかった。したがって、本発明によれば、コルソン合金の溶銅を安定して連続製造することができることが確認された。
本発明の第1の実施形態である銅合金の連続製造装置の説明図である。 本発明の第2の実施形態である銅合金の連続製造装置の説明図である。
符号の説明
2 無酸素銅供給手段
3 加熱炉
4 タンディシュ
6 樋
7 第1の添加手段
8 第2の添加手段
21 シャフト炉
22 保持炉
24 脱ガス処理装置(脱ガス処理手段)

Claims (1)

  1. 無酸素銅供給手段により無酸素銅の溶銅が供給される加熱炉を有し、該加熱炉は、耐火材で構成され、銅合金の合金元素を含有する添加材を添加できる第1の添加手段が備えられるとともに、
    前記加熱炉の下流側に前記溶銅が通過する樋を介してタンディシュが配備され、前記溶銅が通過する前記樋と前記タンディシュと前記加熱炉とが、非酸化性雰囲気によってシールされており、前記樋と前記タンディシュとのいずれか一方には、第2の添加手段が備えられた銅合金の連続製造装置により銅合金を連続製造する方法であって、
    前記第1の添加手段には、溶銅に対して難溶解性の合金元素を含有する添加材が添加されるとともに、
    前記第2の添加手段には、耐火材と反応しやすい活性元素を含有する添加材が添加されることを特徴とする銅合金の連続製造方法。
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