JP2002003964A - 高い曲げ疲労特性を有する銅合金線、棒、帯等の長尺体及びその製造方法 - Google Patents

高い曲げ疲労特性を有する銅合金線、棒、帯等の長尺体及びその製造方法

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JP2002003964A
JP2002003964A JP2000192181A JP2000192181A JP2002003964A JP 2002003964 A JP2002003964 A JP 2002003964A JP 2000192181 A JP2000192181 A JP 2000192181A JP 2000192181 A JP2000192181 A JP 2000192181A JP 2002003964 A JP2002003964 A JP 2002003964A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱鋳型式連続鋳造法を用いて溶湯から直接
銅基合金線を製造する技術をさらに改良し、安価であり
かつ高い曲げ疲労特性を有する銅合金線、棒、帯等の長
尺体及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 一方向に整列した組織からなり、曲げ変
形に対しマルテンサイト可逆変態機構の形状記憶効果に
よる超弾性により形状回復機能を有する銅合金線、棒、
帯等の長尺体であって、一方向に整列した各結晶の長手
方向の結晶方位が、平均結晶方位から15度以内に分布
することを特徴とする高い曲げ疲労特性を有する銅合金
線、棒、帯等の長尺体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、柔軟性及び形状
回復性が要求される銅合金線、棒、帯等の長尺体、特に
アンテナ用銅合金線に関し、一方向に整列した組織から
なり、曲げ変形に対しマルテンサイト可逆変態機構の形
状記憶効果による超弾性により形状回復機能を有する高
い曲げ疲労特性を有する銅合金線、棒、帯等の長尺体及
び該長尺体を加熱鋳型により連続的に鋳造する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、柔軟性及び形状回復性が要求され
るアンテナ用材料として、一般にTi−Ni系形状記憶
合金が使用されている。このTi−Ni系形状記憶合金
は、通常、所定の成分に調製したTi−Ni系形状記憶
合金を溶解し、それをインゴットに鋳造した後、焼鈍、
熱間加工及び焼鈍と冷間加工の繰り返しにより所定寸法
の線状体に加工し、さらに形状記憶効果又は形状記憶効
果による超弾性を得るために、加熱により溶体化処理
し、これを急冷して製造されている。
【0003】しかし、上記Ti−Ni系形状記憶合金は
原料価格が高く、またこの合金は活性であるために、電
子ビーム溶解等の特殊な溶解法を使用しなければなら
ず、また冷間加工性が極めて悪いため、複雑な加工工程
や熱処理が必要となり、安定した品質の製品が得られ難
く、製造コストをさらに上げてしまうという大きな問題
がある。また、特殊な製造方法として、ブリッジマン法
やチャコラフスキー法等により単結晶を作製後熱処理
し、形状記憶合金線を製造する方法もある。しかし、こ
のブリッジマン法やチャコラフスキー法により形状記憶
効果を持つ銅基合金を製造することは可能であるが、製
造速度が極端に遅く、またコスト高となるので、全く実
用性に欠けているという問題がある。
【0004】形状記憶合金の中で銅系合金は、Ti−N
i系合金以外には工業的に実用可能な性質をもつものと
して有望であり、Ti−Ni系合金に比べ溶解鋳造が簡
単で素材が安価であるために実用化が強く求められてい
る。しかしながら、一般的な鋳造方法では、直接製品形
状の形状記憶合金線等を製造することは難しい。また製
造できたとしても、偏析、凝固組織、冷却速度、析出物
等の様々な因子により、そのままでは形状記憶効果や超
弾性を示すことが殆どない。したがって、従来行われて
いる素材としての鋳塊を加工する方法では、何段階もの
塑性加工工程と複雑な熱処理工程が必要なため、上記T
i−Ni系形状記憶合金と同様に、製造コストが高くな
るという問題があった。また、形状記憶効果を持たせる
ためのβ化処理時に、結晶方位の方向性を持たない多結
晶体となり、曲げ応力に対し粒界破壊を起こし易いため
に信頼性が低く、目標とする適切な形状記憶効果又は超
弾性を示さない等の問題があった。
【0005】このようなことから、本発明者らは加熱鋳
型式連続鋳造法を用いて上記のような複雑な加工工程を
省略し、溶湯から直接銅基形状記憶合金線を製造する試
みを行った。この方法は、溶湯から細線や薄板、複雑断
面形状の管等が製造できるばかりでなく、鋳造中の結晶
成長により一方向凝固組織や単結晶からなる線、棒、帯
等の長尺の材料を製造することができるものである。こ
の方法により、従来に比べ形状記憶銅合金線の製造が飛
躍的に容易になり、場合によっては超弾性を示す銅基合
金線も製造できるという優れた方法であることが確認で
きた。しかし、超弾性を示す材料を製造する場合には、
十分な組織制御や適正な冷却が必要であることは推測で
きたが、このための十分な解析や試験が行われていなか
ったために、安定した品質の超弾性を示す銅基合金線が
得られず、曲げ変形等に対しての疲労寿命が低く、アン
テナ用材料としては十分でないという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決するために、加熱鋳型式連続鋳造法により溶湯か
ら直接銅基合金線、棒、帯等の長尺体を製造する技術を
さらに改良し、安価でありかつ高い曲げ疲労特性を有す
る銅合金線、棒、帯等の長尺体、特にアンテナ用銅合金
線及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明において、組織制
御及び冷却制御により、曲げ変形等に対しての疲労寿命
が高く、安定した品質の超弾性を示す銅基合金の線、
棒、帯等の長尺体を得ることができるとの知見が得られ
た。すなわち、本発明は、 1 一方向に整列した組織からなり、曲げ変形に対しマ
ルテンサイト可逆変態機構の形状記憶効果による超弾性
により形状回復機能を有する銅合金線、棒、帯等の長尺
体であって、一方向に整列した各結晶の長手方向の結晶
方位が、平均結晶方位から15度以内に分布することを
特徴とする高い曲げ疲労特性を有する銅合金線、棒、帯
等の長尺体 2 結晶方位が[001]方向であることを特徴とする
上記1記載の高い曲げ疲労特性を有する銅合金線、棒、
帯等の長尺体 3 一方向に整列した組織からなり、曲げ変形に対しマ
ルテンサイト可逆変態機構の形状記憶効果による超弾性
により形状回復機能を有する銅合金線、棒、帯等の長尺
体であって、該長尺体の長さ10cm中に、25μm以
上の紡錘状又は粒状若しくは塊状結晶が5個以下である
ことを特徴とする高い曲げ疲労特性を有する銅合金線、
棒、帯等の長尺体 4 銅合金線、棒、帯等の長尺体の長さ10cm中に、
25μm以上の紡錘状又は粒状若しくは塊状結晶が5個
以下であることを特徴とする上記1又は2記載の高い曲
げ疲労特性を有する銅合金線、棒、帯等の長尺体 5 一方向に整列した組織からなり、曲げ変形に対しマ
ルテンサイト可逆変態機構の形状記憶効果による超弾性
により形状回復機能を有する銅合金線、棒、帯等の長尺
体であって、該長尺体の長さ方向に対して垂直な断面1
mm当たり5個以上の結晶粒があることを特徴とする
高い曲げ疲労特性を有する銅合金線、棒、帯等の長尺体 6 銅合金線、棒、帯等の長尺体の長さ方向に対して垂
直な断面1mm当たり5個以上の結晶粒があることを
特徴とする上記1〜4のそれぞれに記載の高い曲げ疲労
特性を有する銅合金線、棒、帯等の長尺体 7 2%以上の縦弾性率を有することを特徴とする上記
1〜7のそれぞれに記載の高い曲げ疲労特性を有する銅
合金線、棒、帯等の長尺体 8 半径10mmの曲げ型に沿う90度繰返し曲げ加工
において、1000回以上の繰返し曲げ加工における形
状回復率が90%以上であることを特徴とする上記1〜
8のそれぞれに記載の高い曲げ疲労特性を有する銅合金
線、棒、帯等の長尺体 9 アンテナ用銅合金線であることを特徴とする上記1
〜8のそれぞれに記載の高い曲げ疲労特性を有する銅合
金線、棒、帯等の長尺体 10 携帯電話用銅合金線であることを特徴とする上記
9に記載の高い曲げ疲労特性を有する銅合金線、棒、帯
等の長尺体を提供する。
【0008】本発明は、さらに 11 一端から溶湯を供給し他端から鋳片を連続的に得
るための鋳型の出口内壁を、該内壁に内臓された発熱体
により凝固温度以上に保ち、かつ合金の融点から250
°Cまで毎秒70°C以上の冷却速度で冷却して、銅合
金線、棒、帯等の長尺体を連続的に鋳造することを特徴
とする、一方向に整列した各結晶の長手方向の結晶方位
が、平均結晶方位から15度以内に分布する一方向に整
列した組織からなり、曲げ変形に対しマルテンサイト可
逆変態機構の形状記憶効果による超弾性により形状回復
機能を有する高い曲げ疲労特性を有する銅合金線、棒、
帯等の長尺体 12 結晶方位が[001]方向であることを特徴とす
る上記11に記載の高い曲げ疲労特性を有する銅合金
線、棒、帯等の長尺体の製造方法 13 一端から溶湯を供給し他端から鋳片を連続的に得
るための鋳型の出口内壁を、該内壁に内臓された発熱体
により凝固温度以上に保ち、かつ合金の融点から250
°Cまで毎秒70°C以上の冷却速度で冷却して、銅合
金線、棒、帯等の長尺体を連続的に鋳造することを特徴
とする、該長尺体の長さ10cm中に、25μm以上の
紡錘状又は粒状若しくは塊状結晶が5個以下である高い
曲げ疲労特性を有する銅合金線、棒、帯等の長尺体の製
造方法 14 銅合金線、棒、帯等の長尺体の長さ10cm中
に、25μm以上の紡錘状又は粒状若しくは塊状結晶が
5個以下であることを特徴とする上記11又は12に記
載の高い曲げ疲労特性を有する銅合金線、棒、帯等の長
尺体の製造方法 15 一端から溶湯を供給し他端から鋳片を連続的に得
るための鋳型の出口内壁を、該内壁に内臓された発熱体
により凝固温度以上に保ち、かつ合金の融点から250
°Cまで毎秒70°C以上の冷却速度で冷却して、銅合
金線、棒、帯等の長尺体を連続的に鋳造することを特徴
とする、該長尺体の長さ方向に対して垂直な断面1mm
当たり5個以上の結晶粒がある高い曲げ疲労特性を有
する銅合金線、棒、帯等の長尺体の製造方法 16 銅合金線、棒、帯等の長尺体の長さ方向に対して
垂直な断面1mm当たり5個以上の結晶粒があること
を特徴とする上記11〜14のそれぞれに記載の高い曲
げ疲労特性を有する銅合金線、棒、帯等の長尺体の製造
方法 17 鋳型出口端より50mm以内の鋳造線表面を液体
又は気体により直接冷却することを特徴とする上記11
〜16のそれぞれに記載の高い曲げ疲労特性を有する銅
合金線、棒、帯等の長尺体の製造方法 18 鋳造後の銅合金線、棒、帯等の長尺体に500°
C以下の熱処理を施すことを特徴とする上記11〜17
のそれぞれに記載の高い曲げ疲労特性を有する銅合金
線、棒、帯等の長尺体の製造方法 19 鋳造後の銅合金線、棒、帯等の長尺体に100°
C以下の歪取り焼鈍を施すことを特徴とする上記11〜
17のそれぞれに記載の高い曲げ疲労特性を有する銅合
金線、棒、帯等の長尺体アンテナ用銅合金線の製造方法 20 2%以上の縦弾性率を有することを特徴とする上
記11〜19のそれぞれに記載の高い曲げ疲労特性を有
する銅合金線、棒、帯等の長尺体の製造方法 21 半径10mmの曲げ型に沿う90度繰返し曲げ加
工において、1000回以上の繰返し曲げ加工における
形状回復率が90%以上であることを特徴とする上記1
0〜20のそれぞれに記載の高い曲げ疲労特性を有する
銅合金線、棒、帯等の長尺体の製造方法 22 アンテナ用銅合金線であることを特徴とする上記
11〜21のそれぞれに記載の高い曲げ疲労特性を有す
る銅合金線、棒、帯等の長尺体の製造方法 23 携帯電話用銅合金線であることを特徴とする上記
22に記載の高い曲げ疲労特性を有するアンテナ用銅合
金線の製造方法を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の銅合金線、棒、帯等の長
尺体、特にアンテナ用銅合金線の材料としては、20〜
28wt%Sn−Cu基合金、38〜42wt%Zn−
Cu基合金、13〜15wt%Al−3〜5wt%Ni
−Cu基合金、9〜12wt%Al−0.6〜1wt%
Be−Cu基合金等の形状記憶効果により超弾性を示す
銅基合金に全て適用できる。当然のことながら、これら
の成分以外に、結晶組織の微細化等の目的で1%程度
(以下)の微量元素を添加した超弾性を示す銅基合金等
の全てを含む。
【0010】アンテナ用銅合金線等の銅合金線、棒、帯
等の長尺体の製造は加熱鋳型連続鋳造装置を使用して行
う(以下、主としてアンテナ用銅合金線を例に説明する
が、他の銅合金線、棒、帯等の長尺体の製造に適用でき
ることは言うまでもない。)が、その装置は例えば次の
ような水平加熱鋳型式連続鋳造装置を使用する。この装
置の概要を示す一部断面説明図を図1に示す。この装置
は、上部に湯面高さ調製装置を持つ溶湯保持炉(るつ
ぼ)、そこから水平方向にセットされた溶湯3を鋳型に
供給する給湯管、加熱鋳型1、冷却装置(冷却ノズル)
6、鋳片(鋳造線)4、の揺れ防止用のガイド5及び鋳
造線引出し用ピンチロール8から構成されている。溶湯
保持炉、給湯管及び加熱鋳型1は、それぞれ独立したヒ
ータと温度制御装置を有し、連続鋳造中は所定温度±1
Kに保持できるようになっている。
【0011】また、試料の酸化を防止するために、保持
炉から鋳型出口端までは高純度アルゴンガスによる雰囲
気制御がなされている。鋳造に際しては、保持炉中の溶
解銅合金を湯面高さ調製装置により、るつぼ内の湯面高
さを上昇させ、溶湯を給湯管を通して鋳型内に送り込
み、予め鋳型出口端をふさぐようにセットしたステンレ
ス製ダミー線の先端部分に溶湯を接触させ、該ダミー線
の冷却を開始する。その後、静止させていたダミー線を
引き出し、連続鋳造を開始する。鋳造速度は10〜25
0mm/分の範囲にコントロールすることができる。通
常、凝固終了から373Kまでの平均冷却速度は、例え
ば鋳造速度が遅い48mm/分の鋳造線で71K/秒で
あり、鋳造速度が速い150mm/分では173K/秒
が得られる。この速度は、線径及び冷却容量を変化させ
ることにより調節可能である。鋳造線の鋳造速度と凝固
界面位置及び温度勾配を知るために、鋳型内部から冷却
装置までの温度測定を実施する。
【0012】本発明のアンテナ用銅合金線等は、上記の
ように一端から溶湯を供給し他端から鋳片を連続的に得
るための鋳型の出口内壁を、該内壁に内臓された発熱体
により凝固温度以上に保ち、かつ合金の融点から250
°Cまで毎秒70°C以上の冷却速度で冷却して、銅合
金線を連続的に鋳造する。この場合、鋳型出口端より5
0mm以内の鋳造線表面を液体又は気体により直接冷却
することが望ましい。これによって冷却のコントロール
がより正確にできる。そして、一方向に整列した各結晶
の長手方向の結晶方位が、平均結晶方位から15度以内
に分布する一方向に整列した組織を得る。この一方向凝
固整列組織は、溶質元素を過飽和に固溶した過飽和固溶
体のセルが鋳造方向と平行に連続して伸びた組織であ
る。以上により、曲げ変形に対しマルテンサイト可逆変
態機構の形状記憶効果による超弾性により形状回復機能
を有する高い曲げ疲労特性を有するアンテナ用銅合金線
等が得られる。
【0013】形状記憶銅合金、例えば14.1wt%A
l−4.2wt%Ni−Cu合金では、高温側にβ相領
域があり、徐冷すると565°C近傍で起こる共析変態
により、β相はα相とγ相の2相に分解する。そのた
め平衡状態において、常温で存在する相はα相とγ
の2相になる。しかし、急冷により共析変態が阻止され
ると、共析変態温度を通過後、β相はβ 相又はマルテ
ンサイト相に変態する。このβ相又はマルテンサイト
相が単相で存在する場合に、形状記憶効果を示す。この
鋳造線の形状記憶効果は、曲げ加工時の応力により誘起
したマルテンサイトが荷重除去時に逆変態したことによ
るもので、鋳造速度が速い本発明ではAf点(逆変態終
了温度)が低いために熱的に不安定な応力誘起マルテン
サイトが除荷のみで逆変態を終了し、形状が完全に回復
する超弾性を示すものと考えられる。必要に応じて、鋳
造後の銅合金線に歪取り焼鈍を施すことができる。しか
し、このような歪取り焼鈍熱処理は500°C以下とし
なければならない。高温の熱処理を行うとγ相が析出
し、超弾性を示さなくなるからである。好適な歪取り焼
鈍は100°C以下である。
【0014】上記一方向に整列した各結晶の長手方向の
結晶方位が、平均結晶方位から15度以内に分布する組
織であることは重要であり、半径10mmの曲げ型に沿
う90度繰返し曲げ加工において、形状回復率が90%
以上に達する。そしてこの場合、例えば、14.1wt
%Al−4.2wt%Ni−Cu合金において、100
0回以上の繰返し曲げ加工においても破断しない。これ
に対し、長手方向に対する各結晶の結晶方位の平均方向
から15度以内に分布しない結晶組織、例えば平均結晶
主方位[001]方向に対し、[012]や[113]
又は[111][011]に近い結晶方位の結晶が存在
する線材においては、半径10mmの曲げ型に沿う90
度繰返し曲げ加工において、100〜200回繰り返し
曲げで破断する。
【0015】さらに、本発明のアンテナ用銅合金線等
は、該銅合金線の長さ10cm中に、25μm以上の紡
錘状又は粒状若しくは塊状結晶が5個以下であるのが望
ましい。このような紡錘状又は粒状若しくは塊状結晶が
多く存在する(5個を超える数で存在する)と、粒界か
ら割れが発生する確率が高くなり好ましくない。そし
て、このような粒界から割れが発生するアンテナ用銅合
金線はわずか100回の90度繰返し曲げでも破断する
という傾向がある。これに対して、該銅合金線の長さ1
0cm中に、25μm以上の紡錘状又は粒状若しくは塊
状結晶が5個以下である場合には、粒内破断であり、1
000回以上の90度繰返し曲げ加工が可能であった。
なお、25μm未満の微細結晶の存在は、この破断にさ
ほど影響を与えないので、析出物存在の指標として、2
5μm以上の紡錘状又は粒状若しくは塊状結晶が5個以
下とする。
【0016】さらに、本発明のアンテナ用銅合金線等
は、銅合金線の長さ方向に対して垂直な断面1mm
たり5個以上の結晶粒があること、すなわち一方向に整
列した結晶組織における結晶の数が多い方が望ましい。
これは、一方向に整列した結晶組織が微細であれば、粒
界にかかる応力が低下する、換言すれば、応力が分散す
る結果、破断に至る曲げ回数が増加すると考えられる。
通常この個数は20個以上であることが良い。鋳造速度
が遅く適切な冷却速度が得られない場合、粗大結晶粒と
なり、単位当たりの結晶数は減少する。したがって、十
分な冷却速度が必要である。以上に示す本発明のアンテ
ナ用銅合金線は、特に携帯電話用銅合金線に有用であ
る。携帯電話では手軽なために、使用回数が大きく、そ
れに伴いアンテナの出し入れや、手による感触が良いた
めにそれをもてあそぶ場合が多く、弾性回復力が繰り返
し要求されるからである。そしてこの弾性率は、2%以
上の縦弾性率を有することが望ましい。
【0017】
【実施例】次に、実施例について説明する。なお、本実
施例は発明の一例を示すためのものであり、本発明はこ
れらの実施例に制限されるものではない。すなわち、本
発明の技術思想に含まれる他の態様及び変形を含むもの
である。
【0018】(実施例1)上記に説明して加熱鋳型連続
鋳造装置を使用し、溶解装置内に鋳造用試料である高純
度のCu、Ni、Alを使用し、Ni4.2wt%−A
l4.1wt%−Cu合金組成となる試料をセットした
後、炉体内を10Paまで減圧し、Arガスで置換し
た。その後シリコニット発熱体により、約3時間で炉内
の温度を上昇させて溶解し、30分間保持し溶湯を攪拌
した。また、給湯管及び加熱鋳型をそれぞれ昇温させ
た。本合金の場合、るつぼ内の溶湯温度を1150°
C、給湯管の温度を1140°C及び加熱鋳型の温度を
1080°Cとした。鋳型出口端から冷却装置までの位
置は10〜20mmとし、冷却水の温度を14°C、冷
却水量を0.6リットル/分とし、鋳造速度は30mm
/分から徐々に上げ150mm/分にまで達するように
した。さらに鋳造速度を上げることも可能であるが、ブ
レークアウト(鋳造物の殻が破れ、溶湯が噴出する現
象)が起き易くなるので、実験ではこの段階に留めた。
前記攪拌後、ダミー線の先端を鋳型出口端に挿入し、湯
面制御棒に溶湯を鋳型に供給し、鋳造を開始した。
【0019】鋳型出口近傍における鋳造線の温度変化を
連続的に測定した。得られた鋳造線の縦断面(鋳造方向
に垂直な断面)及び横断面(鋳造方向に平行な断面)の
光学顕微鏡による組織観察、X線による定性分析、DS
C(示差走査熱量測定)と電気抵抗測定による変態点の
測定とマルテンサイト変態の確認、SEMを利用したE
PC(エレクトロン・チャンネリング・パターン)によ
る結晶方位の測定、半径10mmの曲げ型に沿う90度
繰返し曲げ加工による疲労試験を行った。90度繰返し
曲げ加工(疲労)試験においては、一回曲げた後の試料
の形状回復率を測定し回復率の変化について調べた。こ
の形状回復率は、曲げ加工後真っ直ぐな状態に戻ったも
のを100%、90度に曲がったままの状態を0%とし
た。その間のものは、その角度で形状回復率の%表示と
した。
【0020】本実施例においては、鋳造温度から250
°Cまで、鋳造速度90mm/分で冷却速度が約70°
C/秒、鋳造速度110mm/分で冷却速度が約133
°C/秒、鋳造速度130mm/分で冷却速度が約16
0°C/秒に対応した。合金の融点から250°Cまで
の冷却速度を正確に求め、それぞれ平均冷却速度70.
8°C/秒、99.76°C/秒、128.7°C/秒
で、かつ結晶方位が[001]であり、一方向に整列し
た各結晶の長手方向の結晶方位が、平均結晶方位からそ
れぞれ2度以内、5度以内、7度以内に分布した試料N
o.1−1〜1−3、試料No.2−1〜2−3、試料
No.3−1〜3−3を作製した。これらの鋳造線材
は、いずれも表面が平滑であり、曲げ変形に対しマルテ
ンサイト可逆変態機構の形状記憶効果による超弾性によ
り形状回復機能を有する銅合金線であることが確認でき
た。なお、鋳造速度が増加するに伴いMs点(変態開始
温度)、Mf点(変態終了温度)及びAs点(逆変態開
始温度)、Af点(逆変態終了温度)が減少する傾向が
あった。以上について、90度繰返し曲げ加工(疲労)
試験を実施した。その結果を表1に示す。なお、各試料
については、それぞれ20個の平均をとった。
【0021】
【表1】
【0022】表1から明らかなように、試料No.1〜
3のいずれも形状回復率が100%であり、90度繰返
し曲げ加工(疲労)試験によれば、いずれも1000回
以上の繰り返し曲げに耐える材料であった。この繰返し
曲げ性の向上は、冷却速度を上げることにより著しく向
上することが分かった。そして、その最高回数は600
0回以上に達した。また、平均結晶方位からの結晶方位
の分布域(角度)が小さいほど、繰返し曲げ性が向上し
ていることが分かる。 平均結晶方位からの結晶方位の
分布域(角度)が大きくなるにしたがって繰返し曲げ性
は低下するが、この分布が最大15度以内であれば、超
弾性特性をもつアンテナ用銅合金線等として機能するこ
とが確認できた。以上から、超弾性特性をもつアンテナ
用銅合金線等においては、上記のような冷却速度のみな
らず、平均結晶方位からの結晶方位の分布域(角度)が
大きな影響を与える因子であることが分かる。なお、曲
げ加工の繰り返しが増大するにしたがって、形状回復率
がやや低下する傾向が見られた。またその組織にはマル
テンサイトが残留しているのが観察された。
【0023】(比較例1)上記実施例と同一の銅合金
で、鋳造温度から250°Cまでの冷却速度が70°C
/秒未満であり、かつ一方向に整列した各結晶の長手方
向の結晶方位が平均結晶方位からそれぞれ17度、20
度及び30度に分布した試料No.4、試料No.5及
び試料No.6を作製した。上記と同様に、これらにつ
いて90度繰返し曲げ加工(疲労)試験を実施した。そ
の結果を表2に示す。なお、各試料については、それぞ
れ20個の平均をとった。
【0024】
【表2】
【0025】表2から明らかなように、鋳造温度から2
50°Cまでの冷却速度が遅く、70°C/秒に達して
おらず、また、長手方向の結晶方位が平均結晶方位から
それぞれ15度を超える場合である。すなわち、平均結
晶主方位[001]方向に対し、[012]や[11
3]又は[111][011]に近い結晶方位の結晶が
多数存在する線材である。この場合においては、半径1
0mmの曲げ型に沿う90度繰返し曲げ加工において、
100〜200回繰り返し曲げで破断した。これらの試
料No.4、5、6については、組織が粗大化し、鋳造
線材表面には鋳型との摩擦により発生したと考えられる
表面傷が多数観察され、また形状回復率が70%以下と
低く、90度繰返し曲げ加工(疲労)試験では100回
以下で破断するという結果になった。これは、曲げ加工
時の応力により誘起したマルテンサイトが荷重除去時に
逆変態するという機能が十分でないことによるものと考
えられる。
【0026】(実施例2及び比較例2)実施例1と同一
組成の銅合金線の長さ10cm中に、25μm以上の紡
錘状又は粒状若しくは塊状結晶が5個以下である試料N
o.7(1個未満)、試料No.8(2個)及び比較例
として同結晶が10個存在する鋳造線(比較例試料N
o.9)を作製した。これらの紡錘状又は粒状若しくは
塊状結晶はβ相であることが、確認できた。上記実施
例1及び比較例1と同様に、90度繰返し曲げ加工(疲
労)試験を実施した。その結果を表3に示す。なお、各
試料については、それぞれ20個の平均をとった。表3
に示すように、銅合金線の長さ10cm中に、25μm
以上の紡錘状又は粒状若しくは塊状結晶が5個以下であ
る試料No.7及び試料No.8の形状回復率について
は、それぞれ100%と98%であり、また破断に至る
までの破断に至るまでの繰り返し曲げ数は、3500回
と2800回となった。しかも、この破断は粒内破断で
あり、破断が容易に発生しない組織であることであるこ
とが分かった。そして、これはアンテナ用銅合金線等と
して良好な性質を示した。粒内破断の顕微鏡写真を図2
に示す。これに対し、紡錘状又は粒状若しくは塊状結晶
が10個存在する鋳造線試料No.9では、破断に至る
までの破断に至るまでの繰り返し曲げ数は35回とな
り、極めて悪い結果となった。また、この破断は粒界か
ら容易に破断するということが分かった。粒界破断の顕
微鏡写真を図3に示す。
【0027】
【表3】
【0028】(実施例3及び比較例3)実施例1と同一
組成の銅合金線の長さ方向に対して垂直な断面1mm
当たり平均5個の結晶粒がある試料No.10と同平均
10個の結晶がある銅合金線及び比較例として垂直な断
面1mm当たり平均4個の銅合金線(試料No.1
2)を連続的に鋳造した。前記試料No.10と試料N
o.12の試料の断面の顕微鏡写真を図4及び図5に示
す。上記実施例1及び比較例1と同様に、90度繰返し
曲げ加工(疲労)試験を実施した。その結果を表4に示
す。なお、各試料については、それぞれ20個の平均を
とった。表4に示すように、実施例3の垂直な断面1m
当たり5個の結晶粒がある試料No.10と、同1
0個の結晶がある試料No.11の銅合金線では、それ
ぞれ形状回復率が98%及び100%であり、良好な結
果を示しているのに対して、同4個の試料No.12の
比較例3では形状回復率が70%であり、悪い結果を示
した。また、破断に至るまでの繰り返し曲げ数は、試料
No.10では1520回、試料No.10では280
0回を示した。これに対して、試料No.12では98
0回と低い回数で破断した。以上から、銅合金線の長さ
方向に対して垂直な断面1mm当たりの結晶粒は、形
状回復率及び破断に至るまでの繰り返し曲げ数に影響を
与えることが分かる。実施例では表示していないが、一
方向に整列した各結晶の長手方向の結晶方位が、平均結
晶方位からそれぞれ15度以内に分布させ、同時に銅合
金線の長さ10cm中に、25μm以上の紡錘状又は粒
状若しくは塊状結晶が5個以下及び又は銅合金線の長さ
方向に対して垂直な断面1mm当たり平均5個以上の
結晶粒とする本発明の条件を複合させたものは、さらに
安定した良好な高い疲労特性が得られた。
【0029】
【表4】
【0030】(実施例4)上記に説明して加熱鋳型連続
鋳造装置を使用し、溶解装置内に鋳造用試料である9
9.99%Cu及び99.99Snを24.6wt%−
Cu合金をセットした後、炉体内を10Paまで減圧
し、Arガスで置換した。その後シリコニット発熱体に
より、約3時間で炉内の温度を上昇させ、30分間保持
し溶湯を攪拌した。また給湯管及び加熱鋳型をそれぞれ
昇温させた。本合金の場合、るつぼ内の溶湯温度を95
0°C、給湯管の温度を920°C及び加熱鋳型の温度
を850°Cとした。鋳型出口端から冷却装置までの位
置は10〜20mmとし、冷却水の温度を14°C、冷
却水量を0.6リットル/分とし、鋳造速度は20mm
/分から徐々に上げ80mm/分にまで達するようにし
た。さらに鋳造速度を上げることも可能であるが、ブレ
ークアウト(鋳造物の殻が破れ、溶湯が噴出する現象)
が起き易くなるので、実験ではこの段階に留めた。前記
攪拌後、ダミー線の先端を鋳型出口端に挿入し、湯面制
御棒に溶湯を鋳型に供給し、鋳造を開始した。
【0031】本実施例の合金については、鋳型出口近傍
における鋳造線の温度変化を連続的に測定した。得られ
た鋳造線の縦断面(鋳造方向に垂直な断面)及び横断面
(鋳造方向に平行な断面)の光学顕微鏡による組織観
察、X線による定性分析、DSC(示差走査熱量測定)
と電気抵抗測定による変態点の測定とマルテンサイト変
態の確認、SEMを利用したEPC(エレクトロン・チ
ャンネリング・パターン)による結晶方位の測定、半径
10mmの曲げ型に沿う90度繰返し曲げ加工による疲
労試験を行った。90度繰返し曲げ加工(疲労)試験に
おいては、一回曲げた後の試料の形状回復率を測定し回
復率の変化について調べた。この形状回復率は、曲げ加
工後真っ直ぐな状態に戻ったものを100%、90度に
曲がったままの状態を0%とした。その間のものは、そ
の角度で形状回復率の%表示とした。
【0032】本実施例においては、鋳造温度から250
°Cまで、鋳造速度60mm/分で冷却速度が約70°
C/秒、鋳造速度70°C/秒で冷却速度が約100°
C/秒、鋳造速度80mm/分で冷却速度が約130°
C/秒に対応した。合金の融点から250°Cまでの冷
却速度を正確に求め、それぞれ平均冷却速度73.2°
C/秒、84.3°C/秒、111.9°C/秒で、か
つ結晶方位が[001]であり、一方向に整列した各結
晶の長手方向の結晶方位が、平均結晶方位からそれぞれ
3度以内、4度以内、6度以内に分布した試料No.2
1−1〜21−3、試料No.22−1〜22−3、試
料No.23−1〜23−3を作製した。これらの鋳造
線材は、いずれも表面が平滑であり、曲げ変形に対しマ
ルテンサイト可逆変態機構の形状記憶効果による超弾性
により形状回復機能を有する銅合金線であることが確認
できた。なお、鋳造速度が増加するに伴いMs点(変態
開始温度)、Mf点(変態終了温度)及びAs点(逆変
態開始温度)、Af点(逆変態終了温度)が減少する傾
向があった。以上について、90度繰返し曲げ加工(疲
労)試験を実施した。その結果を表1に示す。なお、各
試料については、それぞれ20個の平均をとった。
【0033】
【表5】
【0034】表5から明らかなように、試料No.21
〜23のいずれも形状回復率が98%であり、90度繰
返し曲げ加工(疲労)試験によれば、いずれも1000
回以上の繰り返し曲げに耐える材料であった。この繰返
し曲げ性の向上は、冷却速度を上げることにより著しく
向上することが分かった。そして、その最高回数は50
00回以上に達した。また、平均結晶方位からの結晶方
位の分布域(角度)が小さいほど、繰返し曲げ性が向上
していることが分かる。 平均結晶方位からの結晶方位
の分布域(角度)が大きくなるにしたがって繰返し曲げ
性は低下するが、この分布が最大15度以内であれば、
超弾性特性をもつアンテナ用銅合金線等として機能する
ことが確認できた。以上から、超弾性特性をもつアンテ
ナ用銅合金線等においては、上記のような冷却速度のみ
ならず、平均結晶方位からの結晶方位の分布域(角度)
が大きな影響を与える因子であることが、本実施例から
も確認できた。なお、曲げ加工の繰り返しが増大するに
したがって、形状回復率がやや低下する傾向が見られ
た。またその組織にはマルテンサイトが残留しているの
が観察された。
【0035】(比較例4)上記実施例4と同一の銅合金
で、鋳造温度から250°Cまでの冷却速度が70°C
/秒未満であり、かつ一方向に整列した各結晶の長手方
向の結晶方位が平均結晶方位からそれぞれ17度、20
度及び30度に分布した試料No.24、試料No.2
5及び試料No.26を作製した。これらについて90
度繰返し曲げ加工(疲労)試験を実施した。その結果を
表6に示す。なお、各試料については、それぞれ20個
の平均をとった。
【0036】
【表6】
【0037】表6から明らかなように、鋳造温度から2
50°Cまでの冷却速度が遅く、70°C/秒に達して
おらず、また、長手方向の結晶方位が平均結晶方位から
それぞれ15度を超える場合である。すなわち、平均結
晶主方位[001]方向に対し、[012]や[11
3]又は[111][011]に近い結晶方位の結晶が
多数存在する線材である。この場合においては、半径1
0mmの曲げ型に沿う90度繰返し曲げ加工において、
80〜250回程度の繰り返し曲げで破断した。これら
の試料No.24、25、26については、組織が粗大
化し、鋳造線材表面には鋳型との摩擦により発生したと
考えられる表面傷が多数観察され、また形状回復率が7
0%以下と低く、90度繰返し曲げ加工(疲労)試験で
は150回以下で破断するという結果になった。これ
は、曲げ加工時の応力により誘起したマルテンサイトが
荷重除去時に逆変態するという機能が十分でないことに
よるものと考えられる。
【0038】(実施例5及び比較例5)実施例4と同一
組成の銅合金線の長さ10cm中に、25μm以上の紡
錘状又は粒状若しくは塊状結晶が5個以下である試料N
o.27(1個未満)、試料No.28(2個)及び比
較例として同結晶が10個存在する鋳造線(比較例試料
No.29)を作製した。これらの紡錘状又は粒状若し
くは塊状結晶はβ相であることが、確認できた。これ
らについて、90度繰返し曲げ加工(疲労)試験を実施
した。その結果を表7に示す。なお、各試料について
は、それぞれ20個の平均をとった。表7に示すよう
に、銅合金線の長さ10cm中に、25μm以上の紡錘
状又は粒状若しくは塊状結晶が5個以下である試料N
o.27及び試料No.28の形状回復率については、
それぞれ100%と98%であり、また破断に至るまで
の破断に至るまでの繰り返し曲げ数は、4500回と2
200回となった。しかも、この破断は粒内破断であ
り、破断が容易に発生しない組織であることであること
が分かった。そして、これはアンテナ用銅合金線等とし
て良好な性質を示した。これに対し、紡錘状又は粒状若
しくは塊状結晶が10個存在する鋳造線試料No.29
では、破断に至るまでの破断に至るまでの繰り返し曲げ
数は80回となり、極めて悪い結果となった。また、こ
の破断は粒界から容易に破断するということが分かっ
た。
【0039】
【表7】
【0040】(実施例6及び比較例6)実施例4と同一
組成の銅合金線の長さ方向に対して垂直な断面1mm
当たり平均5個の結晶粒がある試料No.30と同平均
10個の結晶がある銅合金線の試料No.31及び比較
例として垂直な断面1mm当たり平均4個の銅合金線
(試料No.32)を連続的に鋳造した。これらについ
て、90度繰返し曲げ加工(疲労)試験を実施した。そ
の結果を表8に示す。なお、各試料については、それぞ
れ20個の平均をとった。表8に示すように、実施例6
の垂直な断面1mm当たり5個の結晶粒がある試料N
o.30と、同10個の結晶がある試料No.31の銅
合金線では、それぞれ形状回復率が96%及び100%
であり、良好な結果を示しているのに対して、同4個の
試料No.32の比較例6では形状回復率が63%であ
り、悪い結果を示した。また、破断に至るまでの繰り返
し曲げ数は、試料No.30では2400回、試料N
o.31では3300回を示した。これに対して、試料
No.32では800回と低い回数で破断した。以上か
ら、銅合金線の長さ方向に対して垂直な断面1mm
たりの結晶粒は、形状回復率及び破断に至るまでの繰り
返し曲げ数に影響を与えることが分かる。
【0041】
【表8】
【0042】
【発明の効果】本発明は、加熱鋳型式連続鋳造法を用い
て溶湯から直接銅合金線、棒、帯等の長尺体を製造する
技術により、熱間加工、冷間加工、溶体化処理、焼き入
れ等の複雑な加工や熱処理工程を全て省略することがで
き、安定した超弾性を備え、かつ高い曲げ疲労特性を有
するアンテナ用銅合金線等に好適な優れた特徴を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】水平加熱鋳型式連続鋳造装置の概要を示す一部
断面説明図である。
【図2】粒内破断の顕微鏡写真を示す。
【図3】粒界破断の顕微鏡写真を示す。
【図4】試料No.10の断面の顕微鏡写真である。
【図5】試料No.12の断面の顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1 加熱鋳型 2 発熱体 3 溶湯 4 鋳片(鋳造線) 5 ガイド 6 冷却ノズル 7 冷却水 8 ピンチロール
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 9/02 C22C 9/02 9/04 9/04 9/06 9/06 C22F 1/08 C22F 1/08 E // C22F 1/00 606 C22F 1/00 606 623 623 624 624 625 625 630 630G 630L 682 682 691 691B C22K 1:00 C22K 1:00

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方向に整列した組織からなり、曲げ変
    形に対しマルテンサイト可逆変態機構の形状記憶効果に
    よる超弾性により形状回復機能を有する銅合金線、棒、
    帯等の長尺体であって、一方向に整列した各結晶の長手
    方向の結晶方位が、平均結晶方位から15度以内に分布
    することを特徴とする高い曲げ疲労特性を有する銅合金
    線、棒、帯等の長尺体。
  2. 【請求項2】 結晶方位が[001]方向であることを
    特徴とする請求項1記載の高い曲げ疲労特性を有する銅
    合金線、棒、帯等の長尺体。
  3. 【請求項3】 一方向に整列した組織からなり、曲げ変
    形に対しマルテンサイト可逆変態機構の形状記憶効果に
    よる超弾性により形状回復機能を有する銅合金線、棒、
    帯等の長尺体であって、該長尺体の長さ10cm中に、
    25μm以上の紡錘状又は粒状若しくは塊状結晶が5個
    以下であることを特徴とする高い曲げ疲労特性を有する
    アンテナ用銅合金線。
  4. 【請求項4】 長尺体の長さ10cm中に、25μm以
    上の紡錘状又は粒状若しくは塊状結晶が5個以下である
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の高い曲げ疲労特
    性を有する銅合金線、棒、帯等の長尺体。
  5. 【請求項5】 一方向に整列した組織からなり、曲げ変
    形に対しマルテンサイト可逆変態機構の形状記憶効果に
    よる超弾性により形状回復機能を有する銅合金線、棒、
    帯等の長尺体であって、該長尺体の長さ方向に対して垂
    直な断面1mm当たり5個以上の結晶粒があることを
    特徴とする高い曲げ疲労特性を有する銅合金線、棒、帯
    等の長尺体。
  6. 【請求項6】 長尺体の長さ方向に対して垂直な断面1
    mm当たり5個以上の結晶粒があることを特徴とする
    請求項1〜4のそれぞれに記載の高い曲げ疲労特性を有
    する銅合金線、棒、帯等の長尺体。
  7. 【請求項7】 2%以上の縦弾性率を有することを特徴
    とする請求項1〜6のそれぞれに記載の高い曲げ疲労特
    性を有する銅合金線、棒、帯等の長尺体。
  8. 【請求項8】 半径10mmの曲げ型に沿う90度繰返
    し曲げ加工において、1000回以上の繰返し曲げ加工
    における形状回復率が90%以上であることを特徴とす
    る請求項1〜7のそれぞれに記載の高い曲げ疲労特性を
    有する銅合金線、棒、帯等の長尺体。
  9. 【請求項9】 アンテナ用銅合金線であることを特徴と
    する請求項1〜8のそれぞれに記載の高い曲げ疲労特性
    を有する銅合金線、棒、帯等の長尺体。
  10. 【請求項10】 携帯電話用銅合金線であることを特徴
    とする請求項9に記載の高い曲げ疲労特性を有する銅合
    金線、棒、帯等の長尺体。
  11. 【請求項11】 一端から溶湯を供給し他端から鋳片を
    連続的に得るための鋳型の出口内壁を、該内壁に内臓さ
    れた発熱体により凝固温度以上に保ち、かつ合金の融点
    から250°Cまで毎秒70°C以上の冷却速度で冷却
    して、銅合金線、棒、帯等の長尺体を連続的に鋳造する
    ことを特徴とする、一方向に整列した各結晶の長手方向
    の結晶方位が、平均結晶方位から15度以内に分布する
    一方向に整列した組織からなり、曲げ変形に対しマルテ
    ンサイト可逆変態機構の形状記憶効果による超弾性によ
    り形状回復機能を有する高い曲げ疲労特性を有する銅合
    金線、棒、帯等の長尺体の製造方法。
  12. 【請求項12】 結晶方位が[001]方向であること
    を特徴とする請求項11に記載の高い曲げ疲労特性を有
    する銅合金線、棒、帯等の長尺体の製造方法。
  13. 【請求項13】 一端から溶湯を供給し他端から鋳片を
    連続的に得るための鋳型の出口内壁を、該内壁に内臓さ
    れた発熱体により凝固温度以上に保ち、かつ合金の融点
    から250°Cまで毎秒70°C以上の冷却速度で冷却
    して、銅合金線、棒、帯等の長尺体を連続的に鋳造する
    ことを特徴とする、該長尺体の長さ10cm中に、25
    μm以上の紡錘状又は粒状若しくは塊状結晶が5個以下
    である高い曲げ疲労特性を有する銅合金線、棒、帯等の
    長尺体の製造方法。
  14. 【請求項14】 銅合金線、棒、帯等の長尺体の長さ1
    0cm中に、25μm以上の紡錘状又は粒状若しくは塊
    状結晶が5個以下であることを特徴とする請求項11又
    は12に記載の高い曲げ疲労特性を有する銅合金線、
    棒、帯等の長尺体の製造方法。
  15. 【請求項15】 一端から溶湯を供給し他端から鋳片を
    連続的に得るための鋳型の出口内壁を、該内壁に内臓さ
    れた発熱体により凝固温度以上に保ち、かつ合金の融点
    から250°Cまで毎秒70°C以上の冷却速度で冷却
    して、銅合金線、棒、帯等の長尺体を連続的に鋳造する
    ことを特徴とする、該長尺体の長さ方向に対して垂直な
    断面1mm当たり5個以上の結晶粒がある高い曲げ疲
    労特性を有する銅合金線、棒、帯等の長尺体の製造方
    法。
  16. 【請求項16】 銅合金線、棒、帯等の長尺体の長さ方
    向に対して垂直な断面1mm当たり5個以上の結晶粒
    があることを特徴とする請求項11〜14のそれぞれに
    記載の高い曲げ疲労特性を有する銅合金線、棒、帯等の
    長尺体の製造方法。
  17. 【請求項17】 鋳型出口端より50mm以内の鋳造線
    表面を液体又は気体により直接冷却することを特徴とす
    る請求項11〜16のそれぞれに記載の高い曲げ疲労特
    性を有する銅合金線、棒、帯等の長尺体の製造方法。
  18. 【請求項18】 鋳造後の銅合金線に500°C以下の
    熱処理を施すことを特徴とする請求項11〜17のそれ
    ぞれに記載の高い曲げ疲労特性を有する銅合金線、棒、
    帯等の長尺体の製造方法。
  19. 【請求項19】 鋳造後の銅合金線に100°C以下の
    歪取り焼鈍を施すことを特徴とする請求項11〜18の
    それぞれに記載の高い曲げ疲労特性を有する銅合金線、
    棒、帯等の長尺体の製造方法。
  20. 【請求項20】 2%以上の縦弾性率を有することを特
    徴とする請求項11〜19のそれぞれに記載の高い曲げ
    疲労特性を有する銅合金線、棒、帯等の長尺体の製造方
    法。
  21. 【請求項21】 半径10mmの曲げ型に沿う90度繰
    返し曲げ加工において、1000回以上の繰返し曲げ加
    工における形状回復率が90%以上であることを特徴と
    する請求項11〜20のそれぞれに記載の高い曲げ疲労
    特性を有する銅合金線、棒、帯等の長尺体の製造方法。
  22. 【請求項22】 アンテナ用銅合金線であることを特徴
    とする請求項11〜21のそれぞれに記載の高い曲げ疲
    労特性を有する銅合金線、棒、帯等の長尺体の製造方
    法。
  23. 【請求項23】 携帯電話用銅合金線であることを特徴
    とする請求項22に記載の高い曲げ疲労特性を有する銅
    合金線、棒、帯等の長尺体の製造方法。
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