JP5053122B2 - 表示装置 - Google Patents
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Description
ゼネバ車160は、図示しない日送り専用の変換機によって輪列を介して駆動されている。
図7(a)に示すように、ゼネバ車160の正転の場合は、ゼネバ車160の肩部160eが伝達車162の歯162aを送らずに通過した後、送り歯160dが伝達車162の歯162aに当接した時点(図7(a)の正転開始)から送り始めとなり、第1肩部160cが伝達車162の歯162bを送り終えた時点(図7の正転終了)が送り終わりとなる。また、図7(b)に示すように、ゼネバ車160の逆転の場合は、ゼネバ車160の肩部160cが伝達車162の歯162cを送らずに通過した後、ゼネバ車160の送り歯160dが伝達車162の歯162cに当接した時点(図7(b)の逆転開始)から送り始めとなり、第2肩部160eが伝達車162の歯162dを送り終えた時点(図7(b)の逆転終了)が送り終わりとなる。その結果、図7(c)のように、ゼネバ車160の正転送り範囲と逆転送り範囲に差異A及び差異Bが生じ、これらの差異A,Bが、ゼネバ車160の正転送り範囲と逆転送り範囲における位相差である。
範囲)にさらに逆転で要する期間(図7(c)の逆転送り範囲)を加えて正転や逆転よりも長い期間(図7(c)の正転送り範囲及び差異B、又は、逆転送り範囲及び差異A)に渡って躍制を解除するようにしても、正転した時に生じる余分な解除期間(図7(c)、差異B)や逆転で生じる余分な解除期間(図7(c)、差異A)を専用の変換機で早送りすることで、できるだけ短くすることができる。
また、正転逆転のどちらか一方向の躍制タイミングに合わせた場合、次のような不具合が生じる。
図7(c)の正転送り範囲だけ躍制を解除するか弱めるように躍制カムを設定した場合、逆転させる時に、日送り始め時に前記余分な解除期間(図7(c)、差異A)が生じ、さらに日送り終わりには、躍制が機能したまま日送りされる期間(図7(c)、差異B)が生じる。躍制が機能したまま日送りされる期間は回転負荷トルクが大きくなる為、止まりが生じる可能性がある。また、図7(c)の逆転送り範囲だけ躍制を解除するか弱めるように躍制カムを設定した場合も、前記同様に正転させる時に余分な解除期間(図7(c)、差異B)及び躍制が機能したまま日送りされる期間(図7(c)、差異A)が生じる。
その為、従来技術のようにゼネバ車と躍制カムが同期している、又はゼネバ車と躍制カムが一体であるような構造の場合、前記余分な解除期間、又は躍制が機能したまま日送りされる期間を回避することができない為、正転又は逆転において不具合が生じてしまうという問題がある。
また、前記表示装置は電子時計であることを特徴とする。
図1は本発明の第1の実施の形態における表示装置の要部の平面図、図2は本発明の第1の実施の形態におけるゼネバ車と躍制カムを分離した状態の斜視図、図3は本発明の第1の実施の形態におけるゼネバ車と躍制カムを一体にした状態の平面図である。
図1〜3を用いて、本発明の第1の実施の形態における表示装置の構成を説明する。
躍制カム61には、円弧状の側面部61dと落ち込み部61cが形成されている。
躍制レバー63は、回転軸63cが設けられ、表示車の位置規制を行う規制部63aと、
躍制カム61と当接し合うバネ部63bとを有している。
躍制カム61と躍制レバー63により躍制機構を構成している。表示車64は、所定の情報として、日付を表示する。ゼネバ車60には、図3に示すように、送り歯60dと、その両側に、肩部60c、60eが形成されている。また、ゼネバ車60の送り歯60dの中心から左右の肩部60c、60eまでの距離が互いに等しくなるように形成されている。
図4を用いて、ゼネバ車60の正転時における、表示車64の送り動作について説明する。
図4(a)のように、ゼネバ車60の正転時において、表示車64の送り始めとなるゼネバ車60の送り歯60dが伝達車62の歯62aに当接するまでは躍制カム61の円弧状の側面部61dに躍制レバー63のバネ部63bが接している。この状態では躍制レバー63による躍制が機能しており、躍制レバー63の規制部63aが表示車64を押圧し、表示車64の位置は安定している。ゼネバ車60の肩部60eは、伝達車62の歯62aを送らずに通過するだけである。
間は、躍制レバー63の規制部63aによる表示車64の押圧が解除されるか弱められ、すなわち、躍制が解除または弱められた状態となるので、表示送り中の躍制による回転負荷トルクは最小限に抑制されている。
図5を用いて、ゼネバ車60の逆転時における、表示車64の送り動作について説明する。
図4(e)の状態から、ゼネバ車60が逆転すると、躍制レバー63のバネ部63bによる躍制カム61の円弧状の側面部61dへの押圧力により、ゼネバ車60の回転に対して躍制カム61の回転を遅延させ、躍制カム61の突起61aがゼネバ車60の穴60aの右側の壁61a2に当接するまでゼネバ車60だけが回転し、図5(a)のように突起61aが穴60aの右の壁61a2に当接した後は、図5及び以下に示す通り回転し、表示車を送る。
そして、ゼネバ車60の送り歯60dが伝達車62の歯62bに当接すると同時に躍制を解除または弱める為に躍制レバー63のバネ部63bは、躍制カム61の落ち込み部61cへと移行される。これにより図5(c)のように送り歯60d及び肩部60eで伝達車62を2歯分(62b,62a)稼動させている間は躍制レバー63のバネ部63bが躍制カム61の落ち込み部61c内にある為、躍制が解除状態となるので、表示送り中の躍制による回転負荷トルクは最小限に抑制されている。このように、図4(e)の状態から、図5(b)の状態になるまでに、前述のゼネバ車60の正転送り範囲と逆転送り範囲における位相差に対応した所定の回転量だけ躍制カム61を遅延して回転させることにより、ゼネバ車60が伝達車62を2歯分送るタイミングに合わせて躍制レバー63の躍制
を解除するか弱めることができる。
また、この状態からゼネバ車60が正転すると躍制レバー63のバネ部63bによる躍制カム61への押圧力により、ゼネバ車60の回転に対して躍制カム61の回転を遅延させ、躍制カム61の突起61aがゼネバ車60の穴60aの左側の壁61a1に当接するまでゼネバ車60だけが回転し、躍制カム61の突起61aがゼネバ車60の穴60aの左壁61a1に当接した後は、図4と同様に回転し、表示車64を送る。
変換機により複数個の駆動伝達車を介して筒車57を駆動させる構成は、第1の実施の形態と同様の構成であり、図示及び説明を省略する。ゼネバ車60とカム車66は異なる回転軸上にあり、どちらも筒車57と噛み合っており、回転周期を一致させるために、同じ歯型形状を用いている。また、カム車66と躍制カム61は別体であり、どちらかに一方に突起、もう一方に突起を挿入する穴を設けている。この穴は、突起の移動範囲を規制して所定の回転量分だけゼネバ車60の正転送り範囲と逆転送り範囲における位相をずらす事のできる大きさである。
このように、前記突起及び前記穴を設ける事により、簡単な構成で、正転及び逆転においてゼネバ車60の正転送り範囲と逆転送り範囲における位相差を解消することができ、第一の実施形態同様、正転逆転のどちらにおいても躍制レバー63の躍制の解除タイミングが、ゼネバ車60による日送りタイミングに一致するように調節することができる。
また、第1の実施の形態および第2の実施の形態では、日付を表示させる電子時計の例で説明したが、表示車64で曜日や月齢の情報を表示するように構成しても良いし、電子時計以外の電子機器に適用しても良い。
51 コイル
52 ステーター
53 ローター
54〜56 駆動伝達車
57 筒車
58〜59 中間車
60 ゼネバ車
60a 穴
60b 中心軸
60c 第一の肩部
60d 送り歯
60e 第二の肩部
61 躍制カム
61a 突起
61b 中心穴
61c 落ち込み部
62 伝達車
63,67 躍制レバー
64 表示車
66 カム車
Claims (7)
- 送り歯と、該送り歯の両側に形成した第1及び第2肩部とを有するゼネバ車と、前記送り歯と前記第1及び第2肩部とによって送られる複数の歯を有する伝達車と、該伝達車の回転が直接または間接的に伝達されて回転することにより、所定の情報を表示する表示車と、該表示車を躍制するとともに、前記送り歯と前記第1及び第2肩部が前記伝達車を送るときに前記躍制を解除するか又は弱める躍制機構とを有し、前記ゼネバ車の第1方向の回転のときには、前記第2肩部は前記伝達車の歯を送らずに通過し、前記送り歯と前記第1肩部により前記伝達車の歯を2歯分送り、前記ゼネバ車の前記第1方向とは逆の第2方向の回転のときには、前記第1肩部は前記伝達車の歯を送らずに通過して、前記送り歯と前記第2肩部により前記伝達車の歯を2歯分送るように構成した表示装置であって、
前記躍制機構は、前記ゼネバ車の前記第1方向の回転により前記送り歯と前記第1肩部で前記伝達車の歯を2歯分送った後に、前記ゼネバ車が前記第2方向に回転したときに、該ゼネバ車の所定の回転量だけ遅延させたタイミングで前記躍制を解除するか又は弱める躍制タイミング調節機構を有することを特徴とする表示装置。 - 前記ゼネバ車の所定の回転量は、前記第1肩部が前記伝達車の歯を通過してから前記送り歯が前記伝達車の歯を送り始めるまでに前記ゼネバ車が回転する回転量であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
- 前記躍制機構は、前記ゼネバ車の前記第2方向の回転により前記送り歯と前記第2肩部で前記伝達車の歯を2歯分送った後に、前記ゼネバ車が前記第1方向に回転したときにも、該ゼネバ車を前記所定の回転量だけ遅延させたタイミングで前記躍制を解除するか又は弱めることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の表示装置。
- 前記躍制機構は、前記表示車を押圧して躍制する躍制レバーと、回転位置に応じて該躍制レバーによる前記表示車の押圧を解除するか又は弱めるように前記躍制レバーを動かす躍制カムとを有し、前記躍制タイミング調節機構は、前記ゼネバ車の回転方向が、前記第1方向から前記第2方向、又は前記第2方向から前記第1方向に変わったときに、前記躍制カムを遅延させて回転させることにより、該ゼネバ車の前記所定の回転量だけ遅延させたタイミングで前記躍制を解除するか又は弱めることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
- 前記躍制カムは前記ゼネバ車と同軸上に設けられ、前記躍制カム又は前記ゼネバ車の一方に凸部を設け、前記躍制カム又は前記ゼネバ車の他方に、前記凸部が挿入されるとともに、該凸部の移動範囲を規制する穴部を設け、前記凸部と前記穴部とにより、前記ゼネバ車に対して前記躍制カムを遅延させて回転させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示装置。
- 前記表示装置は、前記ゼネバ車の回転軸とは異なる回転軸上で回転するとともに、前記ゼネバ車と同一周期で回転するカム車を有し、前記躍制カムは、前記カム車と同軸上に設けられ、前記躍制カム又は前記カム車の一方に凸部を設け、前記躍制カム又は前記カム車の他方に、前記凸部が挿入されるとともに、該凸部の移動範囲を規制する穴部を設け、前記凸部と前記穴部とにより、前記ゼネバ車に対して前記躍制カムを遅延させて回転させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示装置。
- 前記表示装置は電子時計であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の表示装置。
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