JP5052795B2 - ポリ(ヒドロキシカルボン酸)球状微粒子の製造方法 - Google Patents

ポリ(ヒドロキシカルボン酸)球状微粒子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、表面がシリコーンオイルで被覆されたポリ(ヒドロキシカルボン酸)微粒子とその製造方法に関する。
化粧品基剤として一般的に用いられているナイロン12球状微粒子は懸濁アニオン重合法によって製造されている。しかしこの方法ではパラフィン系熱媒とアルカリ触媒を用いる必要があり、重合完了後に熱媒を除去し、さらに有機溶剤による抽出操作が必要である等、操作が煩雑でありコスト高の原因となっていた。さらには微粒子の滑り性向上のために再度シリコーンオイルを配合する必要があった(特許文献1、2)。一方、ポリメチルメタクリレート球状微粒子は比較的安価に製造されるが、原料が石油資源由来であるため、枯渇の恐れがあると同時に、地球温暖化の原因となる問題があった。
原料を石油資源に依存しない、再生可能な植物資源由来樹脂として、ポリ乳酸に代表されるポリ(ヒドロキシカルボン酸)が挙げられ、近年非常に注目されている。ポリ乳酸球状微粒子の製造方法に関しては、従来から液中乾燥法(溶媒蒸発法)によるポリ乳酸マイクロカプセルが知られているが(非特許文献1)、有機溶剤を多量に使用するため環境面・安全面で問題があった。また、ポリ乳酸樹脂をポリアクリル酸などと溶融混練して水中再沈する方法(特許文献3)があるが、アクリル臭気が問題であった。
また、1,4−ジオキサン/ヘプタン混合溶媒を熱媒とした分散重合(非特許文献2)が検討されているが、有機溶剤の使用が問題であった。さらには超臨界二酸化炭素を熱媒とした分散重合(非特許文献3)も検討されているが、特殊な反応容器が必要となり、汎用性や量産性の点で問題であった。
特公平7−17833号公報 特開2002−220474号公報 特開2005−200663号公報 辻秀人、筏義人、「ポリ乳酸−医療・製剤・環境のために−」、24−25頁、高分子刊行会、1997年 Macromolecules、1996年、第29巻、第13号、p.4556 Macromolecules、2003年、第36巻、第16号、p.5908
本発明は、上記の問題点を解決しようとするものであり、再生可能な植物資源由来で、生体適合性にも優れ、化粧品等に好適なポリ(ヒドロキシカルボン酸)球状微粒子であって、表面がシリコーンオイルで被覆された微粒子を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、シリコーンオイル熱媒中でラクチド等の分散重合を行うことで均質なポリ乳酸等の球状微粒子が得られ、しかも熱媒からの分離操作も極めて容易であり、滑り性向上のために別途シリコーンオイルを配合する必要もないことを見出した。すなわち本発明の要旨は次の通りである。
[1]動粘度が1〜20mm /s(25℃)のシリコーンオイル熱媒中、100℃以上ポリ(ヒロドキシカルボン酸)の融点以下の温度で分散重合するポリ(ヒドロキシカルボン酸)球状微粒子の製造方法であって、環状エステルモノマー量を、熱媒量とモノマー量の総量100質量%に対して10〜50質量%とし、一般式(3)で表されるトリブロック共重合体または一般式(4)で表されるジブロック共重合体の分散安定剤を使用して分散重合することを特徴とするポリ(ヒドロキシカルボン酸)球状微粒子の製造方法。
[2]ポリ(ヒドロキシカルボン酸)微粒子合成後、熱媒との分離操作を濾過のみで行うことを特徴とする[3]記載のポリ(ヒドロキシカルボン酸)球状微粒子の製造方法。
本発明のポリ(ヒドロキシカルボン酸)球状微粒子によれば、表面がシリコーンオイルで被覆されているために、化粧品等の用途に用いる際に滑り性向上の目的で別途シリコーンオイルを配合する必要がなく、経済的である。また、本発明のポリ乳酸やポリグリコール酸は、植物資源由来で生体適合性が良好である。さらに、それらの加水分解物である乳酸、グリコール酸は、乳酸においてはチロシナーゼ生成抑制による高い美白効果が知られ、また、グリコール酸は肌のピーリング効果を有していることから、化粧品用途に適している。
本発明の製造方法によれば、得られた球状微粒子の分離操作をろ過のみとし得るため、操作が簡便である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリ(ヒドロキシカルボン酸)球状微粒子を構成するポリ(ヒドロキシカルボン酸)としては、耐熱性や生体適合性や植物由来の観点から、ポリ(L−乳酸)、ポリ(D−乳酸)、ポリ(グリコール酸)およびこれらの共重合体もしくは混合物が挙げられ、ポリ(L−乳酸)が最も好ましい。その他の高分子成分が少量共重合または混合されていてもよいが、融点(Tm)が120℃以上であることが好ましい。Tmが120℃未満であると、乾燥工程等での微粒子間の融着が問題となることがある。なお、ポリ乳酸、ポリグリコール酸の単独重合体の融点は、それぞれ、約180℃、約230℃である。
本発明のポリ(ヒドロキシカルボン酸)樹脂の原料となる環状エステルモノマーの具体例としては、L−ラクチド、D−ラクチド、グリコリド等のヒドロキシカルボン酸の環状2量体エステルを挙げることができる。その他の環状エステルや環状エステル−エーテル等の成分を少量併用してもよい。
ポリ(ヒドロキシカルボン酸)樹脂の重量平均分子量は1万以上であることが好ましく、2万以上であることがより好ましい。重量平均分子量が1万未満であると微粒子が脆くなったり、加水分解しやすくなる等の問題がある。重量平均分子量の上限は特に無く、場合によっては架橋剤や鎖延長剤により高分子量化してもよい。
本発明の本発明のポリ(ヒドロキシカルボン酸)球状微粒子は、表面がシリコーンオイルで被覆されている。シリコーンオイルで被覆されていないものは、化粧品等の滑り性を必要とする用途に使用する際に、別途シリコーンオイルを添加する必要があるため、不経済である。
ポリ(ヒドロキシカルボン酸)球状微粒子の表面に被覆されるシリコーンオイルは、下記式(1)または(2)で表されるものが好適である。

(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、Rは水素または炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基、Rは炭素数1〜6のアルキル基、nは2以上の数)

(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基、Rは水素または炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基、nは3以上の数)
シリコーンオイルの具体例としては、ポリジメチルシロキサン、ジメチルシロキサン−メチルフェニルシロキサン共重合体、環状ジメチルシロキサン、およびエポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、ビニル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、末端反応性シリコーンオイルなどの変性シリコーンオイルが挙げられる。これらのうち、ポリジメチルシロキサン、ジメチルシロキサン−メチルフェニルシロキサン共重合体、環状ジメチルシロキサンが好適に用いられる。
本発明のポリ(ヒドロキシカルボン酸)球状微粒子は、その粒径を0.1〜100μmの範囲とする必要があり、好ましい範囲は10〜50μmである。0.1μm未満であると微粒子の流動性が低下し、50μmを超えるとザラツキ等の粒状感の原因となるため好ましくない。
本発明のポリ(ヒドロキシカルボン酸)球状微粒子は、例えば、シリコーンオイル熱媒中で環状エステルモノマーを分散重合することにより製造することができる。
重合温度は100℃以上、生成するポリ(ヒドロキシカルボン酸)のTm以下とする必要がある。100℃未満であると、重合反応自体も遅く、また収率が低く生産性が低い、といった問題があり好ましくない。Tmより高いとポリ(ヒドロキシカルボン酸)微粒子が生成しにくいため、好ましくない。好適な反応温度は100℃以上、(Tm−10)℃以下であり、さらに好ましくは120℃以上、(Tm−20)℃以下である。
分散重合の際の環状エステルモノマーの量は、熱媒量とモノマー量の総量100質量%に対して10〜50質量%とする必要があり、好ましくは15〜35質量%である。10質量%未満では収率が低下し、一方、40質量%を超えるとポリ(ヒドロキシカルボン酸
)が微粒子状ではなく、塊状となる傾向がある。
熱媒として用いられるシリコーンオイルは、上記式(1)または(2)で表されるものが好適に用いられ、その具体例としては、ポリジメチルシロキサン、ジメチルシロキサン−メチルフェニルシロキサン共重合体、環状ジメチルシロキサン、およびエポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、ビニル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、末端反応性シリコーンオイルなどの変性シリコーンオイルが挙げられる。これらのうち、ポリジメチルシロキサン、ジメチルシロキサン−メチルフェニルシロキサン共重合体、環状ジメチルシロキサンが好適に用いられる。
シリコーンオイル熱媒の動粘度は1〜20mm /s(cSt)(25℃)であることが必要である。この動粘度が1mm/s未満のシリコーンオイルでは、得られるポリ(ヒドロキシカルボン酸)球状微粒子の粒径が小さくなりすぎ、化粧品微粒子としては流動性等の観点から好ましくない。
シリコーンオイル熱媒の沸点は150℃以上が好ましく、180℃以上がより好ましく、200℃以上がさらに好ましい。沸点が150℃未満では重合温度を低くする必要があり、重合速度が非常に小さくなる問題がある。
本発明において使用される触媒としては、一般的な環状エステルの開環重合触媒あるいはエステル交換触媒が用いられる。具体的には、オクチル酸スズ、ジメチルマレイン酸スズ、乳酸スズ、ジラウリル酸スズ、ジステアリン酸スズ、粉末スズ等のスズ系触媒、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウム−サレン型錯体、等のアルミニウム系触媒、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、酸化アンチモン、酸化ゲルマニウム、酢酸亜鉛、等が用いられ、特にスズ系およびアルミニウム系触媒が好適に用いられる。触媒の添加量は環状エステルモノマー100質量部に対して0.01〜0.5質量部が好ましく、0.02〜0.2質量部がより好ましい。
重合装置としては、撹拌および温度制御が可能な装置であればいかなる装置でもよい。撹拌翼、原料投入口および生成物払出口を備えているものが好ましい。
本発明の分散重合における撹拌速度は、重合装置や撹拌翼の形状等によって異なり、明確な規定はできないが、10〜1,000rpmが好ましく、20〜500rpmがより好ましい。撹拌速度10rpm未満では凝集物が生成する場合があり、1,000rpmを超えると生成ポリ(ヒドロキシカルボン酸)球状微粒子の粒径が小さくなりすぎ、化粧品としての流動性が低下する場合があるため好ましくない。
本発明の製造方法においては、分散安定剤を用いることが必要である。分散安定剤を使用しないと生成する樹脂が塊状となってしまう場合がある。
分散安定剤としては、下記式(4)で表されるポリシロキサン−b−ポリ(ヒドロキシカルボン酸)系ジブロック共重合体、あるいは下記式(3)で表されるポリ(ヒドロキシカルボン酸)−b−ポリシロキサン−b−ポリ(ヒドロキシカルボン酸)系トリブロック
共重合体が好適に使用される。
(式中、Rは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素、Rは水素または炭素数1〜6の脂肪族炭化水素または芳香族炭化水素、Rは炭素数2〜6のアルキル基またはアルキレンエーテル基、Rは炭素数1〜5のアルキル基、R10は水素または炭素数1〜20のアルキル基またはアルキロイル基、nは10〜200の数、xは10〜400の数、n/xは1/4〜4/1の範囲)
(式中、R11は炭素数1〜6の脂肪族炭化水素、R12は水素または炭素数1〜6の脂肪族炭化水素または芳香族炭化水素、R13およびR14は炭素数2〜6のアルキル基またはアルキレンエーテル基、R15は炭素数1〜5のアルキル基、R16は水素または炭素数1〜20のアルキル基またはアルキロイル基、nは10〜200の数、xおよびyは10〜200の数、n/xおよびn/yは1/2〜8/1の範囲)
上記ジブロック共重合体あるいはトリブロック共重合体の合成方法としては、片末端あるいは両末端に水酸基を含有するポリシロキサンを開始種として、ヒドロキシカルボン酸の環状2量体エステルや各種ラクトン類を開環重合する方法や、片末端あるいは両末端に水酸基を含有するポリシロキサンとヒドロキシカルボン酸を重縮合する方法が挙げられる。
上記ジブロック共重合体あるいはトリブロック共重合体の合成段階では、片末端あるいは両末端に水酸基が存在するが、酢酸クロライドや安息香酸クロライド等の水酸基と反応する化合物を添加することにより、末端封鎖して用いることも可能である。
分散安定化効果の観点から、分散安定剤を構成するポリ(ヒドロキシカルボン酸)単量体成分は、球状微粒子を構成するポリ(ヒドロキシカルボン酸)の構成成分と同一成分であることが好ましい。また、分散安定剤を構成するポリシロキサン成分の主鎖骨格は、熱媒に用いるシリコーンオイルの主鎖骨格と同一骨格であることが好ましい。
本発明の製造方法においては、重合完了後に生成ポリ(ヒドロキシカルボン酸)球状微粒子をシリコーンオイル熱媒より濾別する。濾別方法としては、遠心分離、常圧および加圧濾過、吸引濾過等、通常の固液分離方法が採用できるが、とりわけ、遠心分離が好適に用いられる。なお、このように本発明では、濾過のみの操作で分離を行うことができる。
本発明のポリ(ヒドロキシカルボン酸)球状微粒子にはその特性を大きく損なわない限りにおいて、顔料、熱安定剤、酸化防止剤、耐候剤、可塑剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、充填材等を添加することも可能である。熱安定剤や酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール類、ホスファイト等のリン化合物、ヒンダードアミン類、イオウ化合物等を使用することができる。充填材としては、マイカ、タルク、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、層状珪酸塩、ワラストナイト、ハイドロタルサイト、ゼオライト等が挙げられる。
以下本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。実施例および比較例の評価に用いた測定法は次のとおりである。
(1)分子量測定:島津製作所製GPC装置LC−VPを用い、溶離液テトラヒドロフラン、温度40℃、流速1mL/分で測定を行い、ポリスチレン換算で評価した。
(2)粒子形状:走査型電子顕微鏡観察を行い、20個以上の粒子が存在する視野を選び、各粒子の短径/長径の比を算出した。つぎに、短径/長径比を20個についての平均値を求めた。この比が0.9〜1.0のものを◎、0.7以上0.9未満のものを○、0.7未満のものを×とした。また、粒子の形態をなさずに塊状となったものを××とした。0.7以上のもの(◎または○)を合格とした。
(3)平均粒子径:走査型電子顕微鏡観察を行い、20個以上の粒子が存在する視野を選び、画像上で20個の粒子の長径と短径を測定して平均したものを個別の粒子径とし、さらに20個の粒子の平均値を平均粒子径とした。
以下の合成例、実施例、比較例で使用した各シリコーンオイルの構造式を示す。
<KF−6003>
(式中、Raは炭素数2〜6のアルキレン基またはアルキレンエーテル基、n=約60)
<X22−170DX>

(式中、Rbは炭素数2〜6のアルキレン基またはアルキレンエーテル基、n=約60)
<KF−995>
(動粘度=4mm/s)
(式中、n=5)
<KF−56>
(動粘度=15mm/s)
(式中、n=m=5〜10)
<KF−96>
(動粘度=100mm/s)
(式中、n=約60)
合成例1
両末端水酸基変性シリコーンオイル(信越シリコーン製KF−6003)60gとL−ラクチド(武蔵野化学製、D体含有率0.1モル%)40gを、撹拌翼を備えた重合装置に仕込み、系内を窒素置換後、昇温を開始した。内温が180℃に達した時点でオクチル酸スズ0.02gを添加し、重合を開始した。1時間経過後に、系内を減圧して残留ラクチドを除去した。得られた共重合体の数平均分子量は8500であった。
合成例2
合成例1で得たポリ乳酸−ポリシロキサン−ポリ乳酸トリブロック共重合体10gを塩化メチレン100mLに溶解し、ここへアセチルクロライドを滴下して末端水酸基をアセチル化した。
合成例3
片末端水酸基変性シリコーンオイル(信越シリコーン製X22−170DX)60gとL−ラクチド(武蔵野化学製、D体含有率0.1モル%)40gを、撹拌翼を備えた重
合装置に仕込み、系内を窒素置換後、昇温を開始した。内温が180℃に達した時点でオクチル酸スズ0.02gを添加し、重合を開始した。1時間経過後に、系内を減圧して残留ラクチドを除去した。得られた共重合体の数平均分子量は8300であった。
合成例1〜3で得られた各ブロック共重合体の推定構造式を示す。
(合成例1)
(式中、Raは炭素数2〜6のアルキレン基またはアルキレンエーテル基、n=約60、x、y=平均約20)
(合成例2)
(式中、Raは炭素数2〜6のアルキレン基またはアルキレンエーテル基、n=約60、x、y=平均約20)
(合成例3)
(式中、Rbは炭素数2〜6のアルキレン基またはアルキレンエーテル基、n=約60、x=平均約40)
実施例1
シリコーンオイル(信越シリコーン製KF−995、動粘度4mm/s)80gとL−ラクチド(武蔵野化学製、D体含有率0.1モル%)20gと合成例1で得た分散安定剤1gを撹拌翼と還流管を備えた3つ口フラスコに仕込み、系内を窒素置換した後、昇温を開始した。内温が150℃に達し内容物が溶解した時点でオクチル酸スズ0.02gを添加し、重合を開始した。2時間経過して重合反応がほぼ平衡に達した時点で、反応液をそのまま濾過した。その他の評価結果を表1に示す。
実施例2〜4、参考例1、比較例1〜3
表1に示す条件で実施例1と同様に重合を行った。評価結果を表1に併せて示す。
表1に示したように、実施例1〜5ではいずれも球状のポリ乳酸微粒子が得られた。なお、これらの微粒子について、表面をn−ヘキサンで洗浄し、洗液の1H−NMR測定をおこなったところ、シリコーンオイル由来のピークが観測された。したがって、微粒子表面はシリコーンオイルで被覆されていることが確認された。なお、洗浄前後で微粒子の形状に変化は見られなかった。
一方、比較例1では、シリコーンオイルの動粘度が低い系であるにも関わらず分散安定剤が存在しないため、球状微粒子が生成しなかった。比較例2では環状エステルモノマー
の量が高かったため、得られた樹脂が塊状となり、球状の微粒子が得られなかった。比較例3では環状エステルモノマーの量が低かったため収率が著しく低下した。
実施例2で得られたポリ乳酸微粒子の走査型電子顕微鏡写真である。 比較例1で得られたポリ乳酸微粒子の走査型電子顕微鏡写真である。

Claims (4)

  1. 動粘度が1〜20mm /s(25℃)のシリコーンオイル熱媒中、100℃以上ポリ(ヒロドキシカルボン酸)の融点以下の温度で分散重合するポリ(ヒドロキシカルボン酸)球状微粒子の製造方法であって、環状エステルモノマー量を、熱媒量とモノマー量の総量100質量%に対して10〜50質量%とし、一般式(3)で表されるトリブロック共重合体または一般式(4)で表されるジブロック共重合体の分散安定剤を使用して分散重合することを特徴とするポリ(ヒドロキシカルボン酸)球状微粒子の製造方法。
    (式中、Rは炭素数1〜6の脂肪族炭化水素、Rは水素または炭素数1〜6の脂肪族炭化水素または芳香族炭化水素、Rは炭素数2〜6のアルキル基またはアルキレンエーテル基、Rは炭素数1〜5のアルキル基、R10は水素または炭素数1〜20のアルキル基またはアルキロイル基、nは10〜200の数、xは10〜400の数、n/xは1/4〜4/1の範囲)
    (式中、R11は炭素数1〜6の脂肪族炭化水素、R12は水素または炭素数1〜6の脂肪族炭化水素または芳香族炭化水素、R13およびR14は炭素数2〜6のアルキル基またはアルキレンエーテル基、R15は炭素数1〜5のアルキル基、R16は水素または炭素数1〜20のアルキル基またはアルキロイル基、nは10〜200の数、xおよびyは10〜200の数、n/xおよびn/yは1/2〜8/1の範囲)
  2. 環状エステルモノマーがL−ラクチド、D−ラクチド、グリコリド、またはこれらの混合物であることを特徴とする請求項記載のポリ(ヒドロキシカルボン酸)球状微粒子の製造方法。
  3. 熱媒が一般式(1)または(2)で表されるシリコーンオイルであることを特徴とする、請求項1または2記載のポリ(ヒドロキシカルボン酸)球状微粒子の製造方法。
  4. ポリ(ヒドロキシカルボン酸)微粒子合成後、熱媒との分離操作を濾過のみで行うことを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のポリ(ヒドロキシカルボン酸)球状微粒子の製造方法。
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