JP5052328B2 - 根かせ及び根かせと柱状体との固定部材 - Google Patents

根かせ及び根かせと柱状体との固定部材 Download PDF

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Description

この発明は、電柱等の柱状体を建柱する際に、この柱状体が沈下、傾倒、回転等するのを防止するために、地中においてこの柱状体を支持する根かせ、及びこの根かせと電柱等の柱状体とを固定するための固定部材の構造に関するものである。
従来の例えば電柱と当接した際に、その当接面と沿って且つ電柱の径方向に沿って当該電柱の径方向の両側に延びる2つの支持部を有する構造である、特許文献1に記載の根かせに対し、支持部を一方側のみとして、基部より支持部の先端までの長手方向に沿った寸法を相対的に短縮化することにより、これまで物理的、法的に困難とされてきた場所でも、電柱等に装着して埋設することを図った根かせについては、例えば特許文献2、特許文献3に示されるように公知である。
また、特許文献4に示されるように、電柱に固定される固定側アンカー部材に対し、2つの可動側アンカー部材を取り付け、この可動側アンカー部材が相互に近接し又は離隔することにより、電柱の径方向の外方に向けて突出した突出幅を調整する電柱の回り止め装置も既に公知となっている。
実開平5−16841号公報 実用新案登録第3058404号公報 特開2006−125021号公報 実開平6−63642号公報
これに対し、特許文献2及び3に示す構造の根かせにおいても、電柱と当接した際に、その当接面と沿って且つ電柱の径方向に沿って当該電柱よりも外側まで延出した単一の支持部を有する構造となっている。このため、2つのブロック塀で囲まれた敷地の角となる領域、2辺の擁壁に囲まれた角となる領域等の、所定の人工構造物・設備で囲まれた狭い場所に電柱を配置しようとしても、この電柱を支持するための根かせを埋設する際に、この支持部の延出方向端が塀の地中部や擁壁の内側面に当たるため、ブロック塀や擁壁からある程度の距離を確保する必要性が生ずる。従って、2つのブロック塀の角や2辺の擁壁の角に対しギリギリの位置で電柱等の柱状体を設置することができないことが考えられる。
また、特許文献4に示す構造の根かせでは、3つのアンカー部材の組み付けを必要とし、更に、第1のアンカー部材に対し第2及び第3のアンカー部材が近接し離隔する方向にスライドするような機構を有するので、根かせの構造が複雑化して、その製造コストが上昇するという不都合を有する。
そこで、本発明は、従来の根かせでは埋設することができなかった狭い場所でも埋設することができ、しかも、その製造コストの上昇も抑制することができる根かせを提供することを目的とする。
この発明に係る根かせは、立設した状態の柱状体の側面と当接可能な受け部を有する基部と、この基部のうち前記受け部を有する側に対して相対的に反対側となる側から延出した単一の支持部と、前記受け部に当接可能な前記柱状体の軸方向と前記支持部の延出方向とに対してそれぞれ略垂直方向に前記基部から延出すると共に前記支持部の延出方向と略同じ方向に延びる貫通孔が形成された2つの装着部とを有して構成され、一方の装着部の延出方向側端から他方の装着部の延出方向側端までの寸法は、前記柱状体の径方向寸法と同じか前記柱状体の径方向寸法よりも小さいことを特徴としている(請求項1)。ここで、柱状体としては、例えばコンクリート製電柱等の電柱が挙げられるが、道路標識柱、街灯用柱等であっても良い。これは、下記に示す柱状体においても同様である。
そして、根かせと柱状体との固定部材は、弧形状の帯状部と、この帯状部から延出した延出部と、この延出部の先端に形成されて前記受け部の装着部と当接可能な当接部とを有して構成され、前記当接部には前記受け部の装着部との当接時に前記装着部の貫通孔と連通可能な貫通孔が形成されており、前記装着部の貫通孔とこの当接部の貫通孔とに挿通部材を貫通して連結固定することで、前記受け部を前記柱状体に固定することが可能であると共に、前記延出部相互間の幅は、前記柱状体の直径の寸法よりも小さく、請求項1、2又は3に記載の根かせの受け部の側縁間の幅よりも大きいものとなっている(請求項4)。尚、この固定部材の延出部は例えば根かせに向って直線状に延出した形状となっていると共に、当接部は延出部の先端から根かせの受け部側とは反対方向に延出する構成となっている。
このような根かせ並びに根かせと柱状体との固定部材の構成としたことにより、根かせも、固定部材も、柱状体の円周に接し且つ根かせの支持部の延出方向に沿った仮想線を、柱状体を挟む形で引いた場合でも、この仮想線に対し柱状体とは反対側には出る部位を有しないことから、根かせが固定部材を介して柱状体に固定された態様は、柱状体の略直径の幅以内に収められる。これに伴い、2つのブロック塀で囲まれた角地や、2辺の擁壁に囲まれた角地等の狭い場所でも、根かせを2つのブロック塀若しくは2辺の擁壁の角に近接して埋設させることができる。しかも、電柱等の柱状体と根かせの装着部の端部とをブロック塀や擁壁等の人工構造物・設備に略接した状態で、根かせを埋設した場合には、電柱等の柱状体に対して事故等で回転力が加わっても、この人工構造物・設備が回転の規制手段となって、電柱等の柱状体が不用意に回転するのを防止することができる。
そして、この発明に係る根かせは、請求項1に記載の根かせから成る根かせ本体と、補助具と、線状部材とで構成され、前記根かせ本体は、前記基部に対し前記柱状体の軸方向と略同方向に延びて当該基部を貫通する貫通孔が設けられると共に、前記補助具は、前記根かせ本体に装着した際に前記柱状体の軸方向に沿って延びる貫通孔が設けられて、この補助具の貫通孔と前記根かせ本体の基部の貫通孔とを一致させて前記線状部材をこれらの貫通孔の双方に挿通させることで、前記基部のうち前記柱状体の軸方向に沿った側と交差する面に、前記柱状体の軸方向に沿って突出する突起部を有する構成としている(請求項2)。
これにより、請求項1に記載の根かせを根かせ本体として用いながら、埋設時に電柱等の柱状体の軸方向に沿って延びる突起部を有したものとなるので、根かせについて製造コストの上昇を抑制しつつ、この補助具が取り付けられた根かせを装着した電柱等の柱状体について傾倒の防止を図ることができる。
また、この発明に係る根かせは、前記基部に対し当該基部のうち前記柱状体の軸方向と交差する面に突起部を有し、この突起部は前記柱状体の軸方向に沿って突出するように前記基部と一体的に形成されている(請求項3)。これにより、補助具等の取付け作業を不要として、工数の減少を図りつつ、突起部が一体形成された根かせを装着した電柱等の柱状体について傾倒の防止を図ることができる。
以上のように、この発明によれば、電柱等の柱状体と根かせの装着部の端部との双方を人工構造物・設備に略接する位置で確実に埋設することが可能であるので、電柱等の建柱位置が近傍の人工構造物・設備との間に電柱等の柱状体の径方向と同じ程度の寸法しか採れない場合でも、根かせを埋設することができ、これに伴って、2つのブロック塀で囲まれた角地や、2つの擁壁に接した角地等の狭い場所でも、根かせを埋設させることができる。
しかも、電柱等の柱状体と根かせの装着部の端部とをブロック塀や擁壁等の人工構造物・設備に略接した状態で、根かせを埋設した場合には、電柱等の柱状体に対して事故等で回転力が加わっても、この人工構造物・設備が回転の規制手段となって、電柱等の柱状体が不用意に回転するのを防止することも可能となる。
特に請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の根かせを根かせ本体として用いながら、埋設時に電柱等の柱状体の軸方向に沿って延びる突起部を有したものとなるので、根かせについて製造コストの上昇を抑制しつつ、この補助具が取り付けられた根かせを装着した電柱等の柱状体について傾倒の防止を図ることができる。
特に請求項3に記載の発明によれば、補助具等の取付け作業を不要として、工数の減少を図りつつ、突起部が一体形成された根かせを装着した電柱等の柱状体について傾倒の防止を図ることができる。
以下、この発明の実施形態の一例を、実施例1乃至実施例4として、図面に基づいて説明する。尚、この実施例1から実施例4に示される根かせ1が固定される柱状体10は、円柱状又は円錐台状を成すもので、例えばコンクリート製電柱等の電柱が挙げられるが、道路標識柱、街灯用柱等であっても良いものである。
図1に示される根かせ1は、例えばコンクリートで形成されたもので、図1(a)、図3、図4に示されるように、1の基部2と、1の支持部3と、2つの装着部4、5とで基本的に構成されており、これらの基部2、支持部3、装着部4、5は、この実施例では一体形成されている。
このうち、基部2は、その一方の面2aにおいて、図1(A)、図1(B)及び図4に示されるように、図3及び図4に示される柱状体10のうち地中に埋設される部位の側面と当接可能な円弧状の溝から成る受け部6が形成されている。
支持部3は、図1(A)及び図4に示されるように、基部2のうち受け部6が形成された面2aの側とは相対的に反対側となる側から延出したもので、この実施例1では柱状体10の径方向に沿って当該柱状体10から離れる方向に延出している。そして、この支持部3は、この実施例1では、柱状体10の軸方向から見た際の幅が延出方向に進むに従い暫時細くなる形状をなしており、基部2も、この支持部3の形状と合うように、支持部3側に向うに従い暫時細くなっている。
装着部4、5は、後述する固定部材12が固定されるための部位で、図1(A)及び図1(B)で示されるように、受け部6と当接した状態の柱状体10の軸方向に対して略垂直方向であると共に支持部3の延出方向に対し略鉛直方向となるように基部2から延出している一方で、装着部4の延出方向の端部から装着部5の延出方向の端部までの寸法は、柱状体10の直径の寸法と同じか、柱状体10の直径の寸法よりも小さくなっている。そして、装着部4、5には、支持部3の延出方向と略同じ方向、すなわち柱状体10と対峙する側から柱状体10とは反対側に延びる貫通孔7、7が形成されている。
根かせ1と柱状体10とを固定するための固定手段の一例として、図2に示される固定部材12が用いられている。この固定部材12は、帯状部13と、この帯状部13の端部から直線状に延出した延出部14と、この延出部14の延出方向先端から当該延出部14の延出方向に対し例えば直角方向等の所定の角度の方向に延出した当接部17とを有して構成されている。
このうち、帯状部13は、柱状体10の周囲にその内側面の全面を接して巻き付けるためのもので、柱状体10の軸方向から見て円弧形状をなしている。そして、この円弧の比率は、半円の円弧よりも大きくいもので、例えば4分の3強の円弧の比率となっている。また、延出部14の延出方向に沿った寸法は、根かせ1の受け部6を柱状体10の周面に当接させた際に柱状体10と装着部4、5との間の間隔より若干小さくなっている。そして、延出部14同士の間隔は、根かせ1と連結した際にその間に根かせ1の受け部6が配されるように、根かせ1の受け部6の側縁間の幅よりも大きい寸法となっている一方で、柱状体10の直径寸法よりも小さくなっている。
当接部17は、延出部14よりも外側に向けて延出している一方で、一方の当接部17の延出方向側端から他方の当接部17の延出方向端までの寸法は、柱状体10の直径寸法と同じか柱状体10の直径寸法よりも小さくなっている。そして、この当接部17には、延出部14の延出方向に沿って延びる貫通孔17aが形成されて、この貫通孔17aに、棒体状の挿通部材15が貫通可能となっている。この挿通部材15は、この実施例では、その軸方向の両端が螺子切りされて、それぞれナット16a、16bが外挿可能となっている。もっとも、この挿通部材15は、図示しないがナット16bの代わりに当該ナット16bと略同じ外径寸法の頭部を有するボルトとしても良い。
以上の構成に基づいて、根かせ1の柱状体1への固定の手順の一例について説明する。
まず、柱状体1の側面に固定部材12の帯状部13について、当該帯状部13の内側面が柱状体1の側面に当接するように装着する。次に、根かせ1について、装着部4、5の貫通孔7と固定部材12の当接部17の貫通孔17aとが一致するようにして、装着部4、5を固定部材12の当接部17に当接させる。更に、挿通部材15を装着部4又は5の貫通7と当接部17の貫通孔17aとに貫通させた後、ボルト16a、16bを挿通部材15に外挿し、回転させることで、装着部4又は5と当接部17、ひいては根かせ1と固定部材12とが締結され、これにより、根かせ1は、この固定部材12を介して柱状体1に固定されることにもなる。
そして、この根かせ1が固定部材12を介して柱状体1に固定された態様において、図4に示されるように、根かせ1も、固定部材12も、柱状体1の円周に接し且つ根かせ1の支持部3の延出方向に沿った仮想線を、柱状体1を挟む形で引いた場合でも、この仮想線に対し柱状体1とは反対側には出る部位を有しない。すなわち、根かせ1が固定部材12を介して柱状体1に固定された態様は、柱状体1の略直径の幅以内に収められる。
このため、この根かせ1を使用する柱状体1について、2つのブロック塀で囲まれた敷地の隅となる領域、2つの擁壁に挟まれた端側となる領域に対し、2つのブロック塀が交差する角の位置、2つの擁壁が交差する角の位置に相対的に近接させて建柱することが可能となる。また、並行に延びる2つのブロック塀で挟まれた狭間の領域でも、その幅が柱状体1に対し略同じか若干大きい寸法であれば建柱することが可能となる。これにより、電柱に対し、できるだけ人や乗物の通行、他の建物、樹木等の妨げとならない場所に配置するという要請に、従来の根かせよりも応えることができる。
その一方で、この図1に示す根かせ1の構造によれば、図5に示されるように、2つの根かせ1を、柱状体1の軸方向に沿ってずらしつつ、各根かせ1の支持部3同士が柱状体1を中心として対称方向に延びる配置となるように固定することで、従来の2つの支持部が対称方向に延出した単体の根かせと同様の用い方をすることができる。この用い方においても、2つの根かせ1について固定部材12を介して柱状体1に固定した態様で、柱状体1の円周に接し且つ根かせ1の支持部3の延出方向に沿った仮想線を、柱状体1を挟む形で引いた場合に、根かせ1も、固定部材12も、この仮想線に対し柱状体1とは反対側には出る部位を有しないものである。
よって、並行に延びる2つのブロック塀で挟まれた狭間の領域でも、その幅が柱状体1に対し略同じか若干大きい寸法であれば建柱することが可能となる。これにより、電柱等の柱状体に対し、できるだけ人や乗物の通行、他の建物、樹木等の妨げとならない場所に配置するという要請に、従来の根かせよりも応えることができる。
また、この図1に示す根かせ1の構造によれば、図6に示されるように、2つの根かせを、柱状体1の軸方向に沿ってずらしつつ、各根かせ1の支持部3が柱状体1の中心点を基点として直角方向に延びる配置となるように固定することで、2つの支持部がL字状に延出した単体の根かせと同様の用い方をすることができる。この用い方では、柱状体1の円周にそれぞれ接しつつ直角に交差する2つの仮想線を引いた場合に、一方の根かせ1及び固定部材12は、一方の仮想線に対し柱状体1とは反対側には出る部位を有さず、他方の根かせ1及び固定部材12も、他方の仮想線に対し柱状体1とは反対側には出る部位を有さないものである。
よって、2つのブロック塀が直交するかたちで囲まれた敷地の隅となる領域、2つの直交する擁壁に挟まれた端側となる領域において、2つの支持部3よりも柱状体10の方が2つのブロック塀が交差する角の位置、2つの擁壁が交差する角の位置側となるように、柱状体1を相対的に近接させて建柱することが可能となる。これにより、電柱に対し、できるだけ人や乗物の通行、他の建物、樹木等の妨げとならない場所に配置するという要請に、従来の根かせよりも応えることができる。
図7から図9において、この発明の実施例2が示されている。但し、先の実施例1と同様の構成については、実施例1と同じ符号を付してその説明を省略する。
根かせ1は、図9に示されるように実施例1に示される根かせ1と略同じ形態のものを根かせ本体1aとするものである。すなわち、根かせ本体1aは、例えばコンクリートで形成されたもので、受け部6を有する1の基部2と、基部2に対し受け部6側とは反対側から延出した1の支持部3と、受け部6の両側縁近傍部位から延出した2つの装着部4、5とで基本的に構成されている。また、装着部4の延出方向端から装着部5の延出方向端までの寸法は、柱状体1の直径寸法と同じかこれよりも小さくなっている。そして、根かせ1は、図9に示されるように、後述する挿通部材21が挿通可能な貫通孔23が、受け部6を柱状体1に当接した際に柱状体1の軸方向に沿って延びるように形成されている。
その一方で、根かせ1は、図7及び図8に示されるように、根かせ本体1aに対し、柱状体1に受け部6を当接した際に柱状体1の軸方向と対峙する面に補助具19a、19bが、挿通部材21、ナット22を介して取り付けられることで、柱状体1の軸方向の両側に向けて突出した突起部を有した構成となっている。
柱状体10の軸方向の上方に配置される補助具19は、根かせ本体1aのうち基部側及び支持部3の基部側部位に当接する底面と、柱状体1の側面と隙間なく当接することが可能な湾状の当接面19aと、支持部3の基部側部位から基部2を経て柱状体1側に進むに従い暫時高くなるように傾斜した傾斜面と、基部2及び支持部3の基部側部位から立ち上がった2つの側面とで構成された略三角柱状のものである。そして、この補助具19は、略横倒しの三角柱状の切欠き溝19bが形成されており、この切欠き溝19bのうち図8に示されるように柱状体10の軸方向から見た際に表れる面から前記底面にかけて柱状体10の軸方向に沿って延びる貫通孔20が形成されている。
柱状体10の軸方向の下方に配置される補助具19は、根かせ本体1aのうち基部側及び支持部3の基部側部位に当接する底面と、柱状体1の側面と隙間なく当接することが可能な湾状の当接面19aと、支持部3の基部側部位から基部2を経て柱状体1側に進むに従い暫時高くなるように傾斜した傾斜面と、基部2及び支持部3の基部側部位から立ち上がった2つの側面とで構成された略三角柱状である点では上記した補助具19と同様である。その一方で、この補助具19は、切欠き19bを有さず、ボルト21の頭部21bと略同じ外形状の切欠き19cが傾斜面側から形成されて、通孔20と連通したものとなっている。
挿通部材21は、例えば、貫通孔20の内径寸法と略同じ外径寸法であると共に螺子切りされた円棒状部21aと、この円棒状部21の長手方向の端部において形成された、貫通孔20の内径寸法よりも大きな外径寸法の頭部21bとで構成されたボルトであり、円棒状部21aの長手方向寸法は、根かせ本体1aの貫通孔23及び2つの補助具19の貫通孔20、20の総和よりも大きなものとなっている。図7乃至図9において符号22で示されるものは、挿通部材21に外挿されるナットである。
これにより、図9に示されるように、例えば、補助具19、19を、各補助具19の貫通孔20と根かせ本体1aの貫通孔23とが連通するように、根かせ本体1aに取り付けた後、挿通部材21の円棒状部21aを、柱状体10の軸方向の下方側から、下方の補助具19の貫通孔20、根かせ本体1aの貫通孔23、上方の補助具19の貫通孔20へと貫通させて、上位の補助具19の切欠き溝19b内に露出させる。このとき、挿通部材21の頭部21bは下方の補助具19の切欠き19c内に納まって、挿通部材21自体の回転が規制される。しかるに、この補助具19の切欠き溝19b内に露出した挿通部材21の部分にナット22を外挿して、当該ナット22を回転させることにより、上方の補助具19、下方の補助具19と根かせ本体1bとが連結、固定されて根かせ1が組み付けられる。そして、この補助具19により、根かせ1は柱状体1への固定時に柱状体1の軸方向の両側に突出した突起部を有する構成となることから、柱状体1が外部からの力の作用等によって傾倒するのを防止することが可能である。
図10及び図11において、この発明の実施例3が示されている。但し、先の実施例1、2と同様の構成については、実施例1、2と同じ符号を付してその説明を省略し、特徴のある構成について主に説明する。
この根かせ1の基本的な構成は実施例1の根かせ1と同様であり、受け部6を有する1の基部2と、基部2に対し受け部6側とは反対側から延出した1の支持部3と、受け部6の両側縁近傍部位から延出した2つの装着部4、5とで基本的に構成され、これら装着部4の延出方向端から装着部5の延出方向端までの寸法は、柱状体1の直径寸法と同じかこれよりも小さくなっている。
その一方で、この実施例3における根かせ1は、柱状体1への固定時に柱状体1の軸方向の両側に突出した突起部25を有している。この突起部25は先の実施例2の補助具19とは異なり、基部2及び支持部3と一体形成されている。そして、この突起部25は、受け部6が柱状体1の側面に当接した際に同時に柱状体1の側面と隙間なく当接する湾状の当接面25aを有すると共に、この当接面25aから支持部3の延出方向の先端まで延びるもので、基部2及び支持部3の面に向けて暫時近接する方向に傾斜しながら、その延長方向に沿った両縁も当該延長方向の途中までは相互に近接し、その後は並行になる形態をなしている。従って、このような構成の突起部25を根かせ1が有することで、柱状体1が外部からの力の作用等によって傾倒するのを防止することが可能である。
図12及び図13において、この発明の実施例4が示されている。但し、先の実施例1から実施例3と同様の構成については、実施例1から実施例3と同じ符号を付してその説明を省略し、特徴のある構成について主に説明する。
この根かせ1は、その基本的な構成については、これまでの根かせ1と同様である。すなわち、この根かせ1も、受け部6を有する1の基部2と、基部2に対し受け部6側とは反対側から延出した1の支持部3と、受け部6の両側縁近傍部位から延出した2つの装着部4、5とで基本的に構成され、これら装着部4の延出方向端から装着部5の延出方向端までの寸法は、柱状体1の直径寸法と同じかこれよりも小さくなっている。
その一方で、この根かせ1は、図12及び図13に示されるように、基部2及び支持部3の基部側部位と一体形成された突起部26を有しており、この突起部26は、受け部6が柱状体1の側面に当接した際に同時に柱状体1の側面と隙間なく当接する湾状の当接面26aを有すると共に、この当接面25aから支持部3の基部近傍部位まで延びるもので、基部2及び支持部3の面に向けて暫時近接する方向に傾斜しながら、その延長方向に沿った両縁も終端まで相互に近接した形態となっている。従って、このような構成の突起部25を根かせ1が有することで、柱状体1が外部からの力の作用等によって傾倒するのを防止することが可能である。
図1は、この発明に係る根かせのうち実施例1の構成を示した説明図であり、図1(A)は、同上の根かせについて電柱等の柱状体の軸方向の上側から見た状態を示す平面図、図1(B)は、同上の根かせについて受け部を有する側から見た状態を示す正面図、図1(C)は同上の根かせについて電柱等の柱状体の径方向の一方側から見た状態を示す側面図である。 図2は、この発明に係る実施例1乃至4のいずれの根かせにも使用される根かせと柱状体との固定部材の構成を示した説明図であり、図2(A)は、同上の固定部材について電柱等の柱状体の軸方向の上側から見た状態を示す平面図、図2(B)は同上の固定部材について電柱等の柱状体の径方向の一方側から見た状態を示す側面図である。 図3は、図1に示される実施例1の根かせを、図2に示される固定部材を用いて電柱等の柱状体に固定した状態について示す斜視図である。 図4は、図1に示される実施例1の根かせを、図2に示される固定部材を用いて電柱等の柱状体に固定した構成について、柱状体の軸方向から見た状態を示す斜視図である。 図5は、図1に示される実施例1の根かせを、柱状体を中心として対称的に配置した構成について、柱状体の軸方向から見た状態を示す斜視図である。 図6は、図1に示される実施例1の根かせを、柱状体を中心として直角に交差するように配置した構成について、柱状体の軸方向から見た状態を示す斜視図である。 図7は、この発明に係る実施例2の根かせを、図2に示される固定部材を用いて電柱等の柱状体に固定した状態について示す斜視図である。 図8は、同上の実施例2の根かせを、図2に示される固定部材を用いて電柱等の柱状体に固定した構成について、柱状体の軸方向から見た状態を示す斜視図である。 図9は、同上の実施例2の根かせを構成する補助具を、同上の実施例2の根かせを構成する根かせ本体に取り付ける工程について示す工程図である。 図10は、この発明に係る実施例3の根かせを、図2に示される固定部材を用いて電柱等の柱状体に固定した状態について示す斜視図である。 図11は、同上の実施例3の根かせを、図2に示される固定部材を用いて電柱等の柱状体に固定した構成について、柱状体の軸方向から見た状態を示す斜視図である。 図12は、この発明に係る実施例4の根かせを、図2に示される固定部材を用いて電柱等の柱状体に固定した状態について示す斜視図である。 図13は、同上の実施例4の根かせを、図2に示される固定部材を用いて電柱等の柱状体に固定した構成について、柱状体の軸方向から見た状態を示す斜視図である。
符号の説明
1 根かせ
1a 根かせ本体
2 基部
2a 受け部が形成された面
3 支持部
4 装着部
5 装着部
6 受け部
7 貫通孔
10 柱状体
12 固定部材
13 帯状部
14 延出部
15 挿通部材
16a ナット
16b ナット
17 当接部
17a 貫通孔
19 補助具
19a 当接面
20 貫通孔
21 挿通部材
22 ナット
23 貫通孔
25 突起部
25a 当接面
26 突起部
26a 当接面

Claims (4)

  1. 立設した状態の柱状体の側面と当接可能な受け部を有する基部と、この基部のうち前記受け部を有する側に対して相対的に反対側となる側から延出した単一の支持部と、前記受け部に当接可能な前記柱状体の軸方向と前記支持部の延出方向とに対してそれぞれ略垂直方向に前記基部から延出すると共に前記支持部の延出方向と略同じ方向に延びる貫通孔が形成された2つの装着部とを有して構成され、
    一方の装着部の延出方向側端から他方の装着部の延出方向側端までの寸法は、前記柱状体の径方向寸法と同じか前記柱状体の径方向寸法よりも小さいことを特徴とする根かせ。
  2. 請求項1に記載の根かせから成る根かせ本体と、補助具と、線状部材とで構成され、前記根かせ本体は、前記基部に対し前記柱状体の軸方向と略同方向に延びて当該基部を貫通する貫通孔が設けられると共に、前記補助具は、前記根かせ本体に装着した際に前記柱状体の軸方向に沿って延びる貫通孔が設けられて、この補助具の貫通孔と前記根かせ本体の基部の貫通孔とを一致させて前記線状部材をこれらの貫通孔の双方に挿通させることで、前記基部のうち前記柱状体の軸方向に沿った側と交差する面に、前記柱状体の軸方向に沿って突出する突起部を有する構成としたことを特徴とする根かせ。
  3. 前記基部に対し当該基部のうち前記柱状体の軸方向と交差する面に突起部を有し、この突起部は前記柱状体の軸方向に沿って突出するように前記基部と一体的に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の根かせ。
  4. 弧形状の帯状部と、この帯状部から延出した延出部と、この延出部の先端に形成されて前記受け部の装着部と当接可能な当接部とを有して構成され、前記当接部には前記受け部の装着部との当接時に前記装着部の貫通孔と連通可能な貫通孔が形成されており、前記装着部の貫通孔とこの当接部の貫通孔とに挿通部材を貫通して連結固定することで、前記受け部を前記柱状体に固定することが可能であると共に、前記延出部相互間の幅は、前記柱状体の直径の寸法よりも小さく、請求項1、2又は3に記載の根かせの受け部の側縁間の幅よりも大きいことを特徴とする根かせと柱状体との固定部材。
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