JP5051134B2 - 指紋検出用重合体、その製造方法及び指紋検出用組成物、並びにこれらを用いた指紋検出方法 - Google Patents

指紋検出用重合体、その製造方法及び指紋検出用組成物、並びにこれらを用いた指紋検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、鑑識技術分野における指紋の検出に関するものである。
犯罪者の割り出し・検挙・訴追に必要な証拠物件となる潜在指紋の検出は犯罪捜査上重要な手段である。通常指紋の検出は、次のような方法で行われることが多い。指紋が付着している、または指紋が付着していると思われる検体の表面を、アルミニウム粉末を含ませた刷毛で軽くはき、指紋にアルミニウム粉末を付着させてゼラチン紙に写しとる。しかし、当該方法は検体が拳銃、刃物などの金属製凶器、合成皮革、テープ類の粘着面など特定の素材である場合には、鮮明な指紋を転写することができない。そこで、当該方法に代わって2−シアノアクリレートを気化させ、指紋上の水分により生成した白色重合体の存在によって検出する方法が、より鮮明な指紋痕跡を復元させる手段として使用されている。
2−シアノアクリレートを用いた指紋の検出は、2−シアノアクリレート(単量体)の蒸気を指紋に付着させる方法が一般的であるが、特許文献1にあるようなゲル状物を用いる方法、特許文献2にあるような粉末に2−シアノアクリレート(単量体)を滴下して揮散させる方法、特許文献3にあるような2−シアノアクリレート(単量体)を噴霧する方法、特許文献4にあるような繊布または不繊布に2−シアノアクリレート(単量体)を含浸させる方法等その詳細については様々な報告がある。
しかし、指紋に付着した2−シアノアクリレート重合体が白色であるため、買い物袋やアルミホイル等の白色に近い検体においては検出が困難であり、斜光線等で写真化する等写真撮影の高度な技術を要するという欠点がある。
上記問題に対して、特許文献5にあるような2−シアノアクリレート溶液に蛍光性色素を混ぜて噴霧する方法、特許文献6にあるような指紋に2−シアノアクリレート付着後、蛍光性色素の溶液に漬けて発色検出させる方法等により、2−シアノアクリレート重合体による指紋隆起線に蛍光性色素を付加し蛍光発色させることによって、高感度に検出することができる。
しかし、これら有機溶剤を含む湿式法において、プラスチック等の検体を用いた場合、有機溶剤により検体が変質するのが避けられない。また、有機溶剤の引火性や毒性も問題である。
上記問題に対して、特許文献7にあるような乾式法における2−シアノアクリレート(単量体)及び昇華性染料の蒸気を同時に用いる方法が報告されている。
しかしながら、特許文献5や特許文献7といった蛍光性色素を2−シアノアクリレートと併用する場合、2−シアノアクリレートが固化してしまうことから塩基性の蛍光性色素を用いることができず、安定に用いることができる蛍光性色素の種類が大きく限定されてしまうという欠点を有している。また、貯蔵安定性や、現場での取り扱いの面からも、2−シアノアクリレートと蛍光性色素を併用するのは好ましくない。
さらに、前記のような2−シアノアクリレートを用いた指紋検出方法では、いずれの場合でも指紋検出後、検体を元に戻す際に2−シアノアクリレート重合体がふき取りにくく、還元性が悪いという問題があった。
特開昭60−502088号公報 特開昭60−222033号公報 特開昭61−288836号公報 特開昭62−47343号公報 特開昭63−161939号公報 特開平02−268744号公報 特開平11−9575号公報
本発明の目的は、従来使用される2−シアノアクリレート(単量体)の代わりに、指紋を検出する現場での取り扱いが容易な特定の重合体及び組成物を提供するものである。また、検体の色や状態に関係なく高感度な指紋検出が可能であり、検体の還元性も良好な指紋検出方法を提供するものである。なお、本発明において還元性とは、検体から指紋隆起線を除去する際のふき取り易さをいう。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、2−シアノアクリレートと特定の蛍光性色素とを反応させて得られる重合体又は2−シアノアクリレート重合体と特定の蛍光性色素を含む組成物を用いた場合に、現場での取扱いが容易で高感度な指紋検出が可能であることを見出した。さらに、当該重合体又は組成物を指紋検出に使用した場合に、検体の還元性が良好になるという予期できない事実を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は下記の構成を有する。
1)下記式(1)により表される蛍光性色素を重合開始剤として2−シアノアクリレートを重合させて得られる指紋検出用重合体。
Figure 0005051134
[式におけるR1及びR2は炭素数1〜3のアルキル基であり、R3はアルデヒド基又は末端にアルデヒド基を持つ炭素数1〜6のアルキル基若しくはアルケニル基である。]
2)上記蛍光性色素がp−ジメチルアミノベンズアルデヒド、p−ジエチルアミノベンズアルデヒド、p−ジプロピルアミノベンズアルデヒド、p−ジメチルアミノシンナムアルデヒド、p−ジエチルアミノシンナムアルデヒド、p−ジプロピルアミノシンナムアルデヒド、5−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−ペンタ−2,4−ジエナール、5−(4−ジエチルアミノ−フェニル)−ペンタ−2,4−ジエナール、5−(4−ジプロピルアミノ−フェニル)−ペンタ−2,4−ジエナールから選ばれたものである上記1)に記載の指紋検出用重合体。
3)上記蛍光性色素がp−ジメチルアミノベンズアルデヒド又はp−ジメチルアミノシンナムアルデヒドである上記2)に記載の指紋検出用重合体。
4)上記2−シアノアクリレートがメチル−2−シアノアクリレート、エチル−2−シアノアクリレート、プロピル−2−シアノアクリレート、イソプロピル−2−シアノアクリレートから選ばれたものである上記2)に記載の指紋検出用重合体。
5)上記式(1)により表される蛍光性色素の存在下に2−シアノアクリレートを重合させる指紋検出用重合体の製造方法。
6)蛍光性色素を含む溶液と2−シアノアクリレートを含む溶液とを混合する第1工程、溶液中で2−シアノアクリレートを重合させる第2工程、
及び2−シアノアクリレートの重合後に溶剤を留去する第3工程を含むことを特徴とする上記5)に記載の指紋検出用重合体の製造方法。
7)上記溶剤がアセトンである上記6)に記載の指紋検出用重合体の製造方法。
8)更に上記指紋検出用重合体を粉砕する第4工程を含む上記6)に記載の指紋検出用重合体の製造方法。
9)上記蛍光性色素がp−ジメチルアミノベンズアルデヒド、p−ジエチルアミノベンズアルデヒド、p−ジプロピルアミノベンズアルデヒド、p−ジメチルアミノシンナムアルデヒド、p−ジエチルアミノシンナムアルデヒド、p−ジプロピルアミノシンナムアルデヒド、5−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−ペンタ−2,4−ジエナール、5−(4−ジエチルアミノ−フェニル)−ペンタ−2,4−ジエナール、5−(4−ジプロピルアミノ−フェニル)−ペンタ−2,4−ジエナールから選ばれたものである上記6)に記載の指紋検出用重合体の製造方法。
10)上記蛍光性色素がp−ジメチルアミノベンズアルデヒド又はp−ジメチルアミノシンナムアルデヒドである上記9)に記載の指紋検出用重合体の製造方法。
11)上記2−シアノアクリレートがメチル−2−シアノアクリレート、エチル−2−シアノアクリレート、プロピル−2−シアノアクリレート、イソプロピル−2−シアノアクリレートから選ばれたものである上記6)に記載の指紋検出用重合体の製造方法。
12)上記式(1)以外の重合開始剤で重合させた2−シアノアクリレート重合体及び上記式(1)により表される蛍光性色素を含む指紋検出用組成物。
13)上記式(1)以外の重合開始剤が水、メタノール、アミンである上記12)に記載の指紋検出用組成物。
14)上記1)〜4)のいずれか1項に記載の指紋検出用重合体を加熱により気化させて指紋に付着させ、蛍光像により、指紋隆起線像を得ることを特徴とする指紋検出方法。
15)上記5)〜11)のいずれか1項に記載の指紋検出用重合体の製造方法により得られる指紋検出用重合体を加熱により気化させて指紋に付着させ、蛍光像により、指紋隆起線像を得ることを特徴とする指紋検出方法。
16)上記12)又は13)に記載の指紋検出用組成物を加熱により気化させて指紋に付着させ、蛍光像により、指紋隆起線像を得ることを特徴とする指紋検出方法。

通常、2−シアノアクリレート重合体の加熱による解重合開始温度は200℃付近であり、検体付近で高温を使用すると検体の損傷を引き起こす可能性がある。しかし、当該蛍光性色素を開始種として重合させた場合、開始末端基の影響で解重合開始温度が低下することが判明し、比較的低温(130〜160℃前後)でガスを発生させることが可能となった。また、予め重合させた2−シアノアクリレートに当該蛍光性色素を混合して加熱することによっても、解重合時に当該蛍光性色素を開始種とする重合も一部起こることから同様の解重合開始温度を下げる効果が見られた。
本発明に係る指紋検出用重合体及び指紋検出用組成物は、検体の色、状態に関係なく迅速に且つ高感度に指紋が検出可能となる。また、当該重合体及び組成物はアルミニウム等の金属製検体の場合には検体の還元性が良好であり、取扱い性にも優れる。
本発明に用いられる2−シアノアクリレートとしては、メチル−2−シアノアクリレート、エチル−2−シアノアクリレート、プロピル−2−シアノアクリレート、イソプロピル−2−シアノアクリレート、ブチル−2−シアノアクリレート、イソブチル−2−シアノアクリレート、アミル−2−シアノアクリレート、ヘキシル−2−シアノアクリレート、シクロヘキシル−2−シアノアクリレート、オクチル−2−シアノアクリレート、2−エチルヘキシル−2−シアノアクリレート、アリル−2−シアノアクリレート、ベンジル−2−シアノアクリレート、メトキシエチル−2−シアノアクリレート、エトキシエチル−2−シアノアクリレート、メトキシプロピル−2−シアノアクリレート、テトラヒドロフルフリル−2−シアノアクリレート等が挙げられ、これらの2−シアノアクリレートは1種類にとどまらず2種以上を混合使用することもできる。これらの中では、メチル−2−シアノアクリレート、エチル−2−シアノアクリレート、プロピル−2−シアノアクリレート、イソプロピル−2−シアノアクリレートが解重合した2−シアノアクリレート単量体の指紋付着性の観点から好ましい。
本発明に用いられる下記式(1)の蛍光性色素としては、p−ジメチルアミノベンズアルデヒド、p−ジエチルアミノベンズアルデヒド、p−ジプロピルアミノベンズアルデヒド、p−ジメチルアミノシンナムアルデヒド、p−ジエチルアミノシンナムアルデヒド、p−ジプロピルアミノシンナムアルデヒド、5−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−ペンタ−2,4−ジエナール、5−(4−ジエチルアミノ−フェニル)−ペンタ−2,4−ジエナール、5−(4−ジプロピルアミノ−フェニル)−ペンタ−2,4−ジエナール等が挙げられる。これらの蛍光性色素は1種類にとどまらず2種以上を混合使用することもできる。これらの中では、p−ジメチルアミノベンズアルデヒド、p−ジメチルアミノシンナムアルデヒドが解重合した2−シアノアクリレート単量体との同伴性の観点から好ましい。
Figure 0005051134
[式におけるR1及びR2は炭素数1〜3のアルキル基であり、R3はアルデヒド基又は末端にアルデヒド基を持つ炭素数1〜6のアルキル基若しくはアルケニル基である。]
用いられる蛍光性色素の量は、2−シアノアクリレートに対して任意の量添加・混合することができる。
本発明に係る指紋検出用重合体は次のようにして得られる。本発明の蛍光性色素のアセトン溶液に、2−シアノアクリレート(単量体)のアセトン溶液を加え、アセトン中で重合させた後にアセトンを留去する(以下、当該重合体を反応重合体という)。不均一性を除くために、反応重合体を破砕して粉末状にするとより好ましい。
また、本発明に係る式(1)以外の重合開始剤で重合させた2−シアノアクリレート重合体と特定の蛍光性色素とを含む組成物(以下、混合粉末という。)は、次のようにして得られる。2−シアノアクリレート(単量体)を予め水、メタノール、アミン等を開始種として重合させ、メタノール等により再沈殿により精製重合体を得、これに本発明の蛍光性色素を添加し混合する。
以下、実施例および比較例により、さらに詳しく本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1〜12、比較例1〜4
エチル−2−シアノアクリレート(アロンアルフア201、東亞合成株式会社製)および表1に示す蛍光性色素を用いた反応重合体又は混合粉末0.2gをガラス製容器中(280×280×300mm)で加熱して気化させ(150〜240℃×20分)、容器壁に貼ったアルミホイル上の潜在指紋に付着させ、蛍光指紋の検出および還元性評価を行った。また、熱重量分析(TGA)を行い、TGAチャートを用いた接線法により気化開始温度を求めた。
〔反応重合体作成方法〕
表1に示す蛍光性色素の5質量%アセトン溶液にエチル−2−シアノアクリレートの10質量%アセトン溶液を表中の割合で加え、25℃で24時間反応させた後、アセトンを除去し得られた反応重合体を試験に用いた。
〔混合粉末作成方法〕
エチル−2−シアノアクリレート10gに1質量%水含有メタノール3ml添加し、25℃で1日以上放置し重合させる。この重合物をアセトン300mlに溶解後、アセトン溶液をメタノール200mlで3回に分けて再沈殿を行い、吸引濾過後、減圧乾燥させることによりエチル−2−シアノアクリレート重合体粉末を得た。このエチル−2−シアノアクリレート重合体粉末及び表1に示す蛍光性色素を表中の割合で混合し試験に用いた。
〔蛍光指紋検出方法〕
ジメチルベンズアルデヒド系以外の蛍光性色素からの重合体、及び混合物を用いて検出した指紋については、紫外〜青色光(青色LED、475nm)を照射し、照射光をカットするフィルターを用いて蛍光指紋像を観察した。ジメチルベンズアルデヒド系の蛍光性染料からの重合物、及び混合物を用いて検出した指紋については、紫外光(UVランプ、365nm)を照射し、照射光をカットするフィルターを用いて蛍光指紋像を観察した。観察された蛍光指紋について、デジタルカメラまたはフィルムカメラを用いて写真撮影を行った。
蛍光指紋検出の程度を次のように評価した。
○:蛍光指紋隆線が連続してはっきり見える。
×:蛍光指紋隆線が見えない、又は見にくい。
〔還元性評価方法〕
アルミホイル上に付着した指紋隆起線を綿棒で5回擦り、指紋隆起線の除去状況を観察した。
還元性の程度を次のように評価した。
○:指紋隆起線が完全に、又は凡そ除去できる。
△:指紋隆起線が若干除去できる。
×:指紋隆起線が除去できない。
比較例5
上記記載の方法により調製したエチル−2−シアノアクリレート重合体粉末0.2gを蛍光性色素と混合せずにそのまま試験に用いて同様の評価を行った。
比較例6、7
表1に示す蛍光性染料0.2gをそのまま試験に用いて同様の評価を行った。
Figure 0005051134
表1から明らかなように、本発明に係る2−シアノアクリレートと特定の蛍光性色素とを反応させて得られた反応重合体を用いた場合(実施例1〜6)、または2−シアノアクリレート重合体と特定の蛍光性色素との混合粉末を用いた場合(実施例7〜12)においては明瞭に蛍光指紋検出ができた。また、検体の還元性も良好であった。さらに、それぞれの単品を用いた場合(比較例5〜7)と比較して気化開始温度が低下することから、検体への熱負荷を抑えることができる。これに対し、本発明に係る蛍光性色素ではない一般的な蛍光性色素を用いた場合(比較例1〜4)には、蛍光性色素の蒸気が解重合した2−シアノアクリレート単量体とうまく同伴しないことから、両者がきれいに指紋隆起線に乗らず比較例のように明瞭に蛍光検出ができなかった。また、2−シアノアクリレート重合体のみを用いた場合(比較例5)、還元性が得られなかった。

本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2006年10月6日出願の日本特許出願(特願2006−274958号)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明に係る指紋検出用重合体及び指紋検出用組成物、並びにこれらを用いた指紋検出方法により、これまで検出が困難であった買い物袋やアルミホイル等の白色に近い検体においても明瞭に蛍光検出することが可能となった。また、乾式であること、比較的低温で気化させられることから検体への損傷を極力抑えることも可能となった。さらに、アルミニウム等の金属製検体の場合には検体の還元性が良好であった。これによって、従来使用できなかった幅広い検体に対して潜在指紋の検出が確実に行えるようになる。
蛍光指紋検出結果を示す写真である。上半分は比較例5を示しており、下半分は実施例4を示している。 蛍光指紋検出結果を示す写真である。上半分は比較例5を示しており、下半分は実施例7を示している。 還元性試験結果を示す写真である。上半分は比較例5、下半分は実施例8であり、一部をふき取った状態を示している。

Claims (16)

  1. 下記式(1)により表される蛍光性色素を重合開始剤として2−シアノアクリレートを重合させて得られる指紋検出用重合体。
    Figure 0005051134
    [式におけるR1及びR2は炭素数1〜3のアルキル基であり、R3はアルデヒド基又は末端にアルデヒド基を持つ炭素数1〜6のアルキル基若しくはアルケニル基である。]
  2. 上記蛍光性色素がp−ジメチルアミノベンズアルデヒド、p−ジエチルアミノベンズアルデヒド、p−ジプロピルアミノベンズアルデヒド、p−ジメチルアミノシンナムアルデヒド、p−ジエチルアミノシンナムアルデヒド、p−ジプロピルアミノシンナムアルデヒド、5−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−ペンタ−2,4−ジエナール、5−(4−ジエチルアミノ−フェニル)−ペンタ−2,4−ジエナール、5−(4−ジプロピルアミノ−フェニル)−ペンタ−2,4−ジエナールから選ばれたものである請求項1に記載の指紋検出用重合体。
  3. 上記蛍光性色素がp−ジメチルアミノベンズアルデヒド又はp−ジメチルアミノシンナムアルデヒドである請求項2に記載の指紋検出用重合体。
  4. 上記2−シアノアクリレートがメチル−2−シアノアクリレート、エチル−2−シアノアクリレート、プロピル−2−シアノアクリレート、イソプロピル−2−シアノアクリレートから選ばれたものである請求項2に記載の指紋検出用重合体。
  5. 下記式(1)により表される蛍光性色素の存在下に2−シアノアクリレートを重合させる指紋検出用重合体の製造方法。
    Figure 0005051134
    [式におけるR1及びR2は炭素数1〜3のアルキル基であり、R3はアルデヒド基又は末端にアルデヒド基を持つ炭素数1〜6のアルキル基若しくはアルケニル基である。]
  6. 蛍光性色素を含む溶液と2−シアノアクリレートを含む溶液とを混合する第1工程、
    溶液中で2−シアノアクリレートを重合させる第2工程、
    及び2−シアノアクリレートの重合後に溶剤を留去する第3工程を含むことを特徴とする請求項5に記載の指紋検出用重合体の製造方法。
  7. 上記溶剤がアセトンである請求項6に記載の指紋検出用重合体の製造方法。
  8. 更に上記指紋検出用重合体を粉砕する第4工程を含む請求項6に記載の指紋検出用重合体の製造方法。
  9. 上記蛍光性色素がp−ジメチルアミノベンズアルデヒド、p−ジエチルアミノベンズアルデヒド、p−ジプロピルアミノベンズアルデヒド、p−ジメチルアミノシンナムアルデヒド、p−ジエチルアミノシンナムアルデヒド、p−ジプロピルアミノシンナムアルデヒド、5−(4−ジメチルアミノ−フェニル)−ペンタ−2,4−ジエナール、5−(4−ジエチルアミノ−フェニル)−ペンタ−2,4−ジエナール、5−(4−ジプロピルアミノ−フェニル)−ペンタ−2,4−ジエナールから選ばれたものである請求項6に記載の指紋検出用重合体の製造方法。
  10. 上記蛍光性色素がp−ジメチルアミノベンズアルデヒド又はp−ジメチルアミノシンナムアルデヒドである請求項9に記載の指紋検出用重合体の製造方法。
  11. 上記2−シアノアクリレートがメチル−2−シアノアクリレート、エチル−2−シアノアクリレート、プロピル−2−シアノアクリレート、イソプロピル−2−シアノアクリレートから選ばれたものである請求項6に記載の指紋検出用重合体の製造方法。
  12. 下記式(1)以外の重合開始剤で重合させた2−シアノアクリレート重合体及び下記式(1)により表される蛍光性色素を含む指紋検出用組成物。
    Figure 0005051134
    [式におけるR1及びR2は炭素数1〜3のアルキル基であり、R3はアルデヒド基又は末端にアルデヒド基を持つ炭素数1〜6のアルキル基若しくはアルケニル基である。]
  13. 上記式(1)以外の重合開始剤が水、メタノール、アミンである請求項12に記載の指紋検出用組成物。
  14. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の指紋検出用重合体を加熱により気化させて指紋に付着させ、蛍光像により、指紋隆起線像を得ることを特徴とする指紋検出方法。
  15. 請求項5〜11のいずれか1項に記載の指紋検出用重合体の製造方法により得られる指紋検出用重合体を加熱により気化させて指紋に付着させ、蛍光像により、指紋隆起線像を得ることを特徴とする指紋検出方法。
  16. 請求項12又は13に記載の指紋検出用組成物を加熱により気化させて指紋に付着させ、蛍光像により、指紋隆起線像を得ることを特徴とする指紋検出方法。
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