JP5049255B2 - 車両における制振装置 - Google Patents
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Description
そこで、本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、制振のための消費電力を抑えつつ、効果的に振動を制振する車両における制振装置を提供することにある。
上記構成によれば、振動子の振動を小さくできるので、振動子の消費電力を低減できる。
上記構成によれば、単一の振動子で振動の検出及び出力を行うことができるので、軽量化が図れる。
上記構成によれば、振動子からの入力及び振動子への出力を同一の振動制御部で制御できるので、制御を簡素化できる。
上記構成によれば、振動の検出と出力を並行して行えるので、カバー部材の振動を常時制振でき、より効果的に制振することができる。
上記構成によれば、最も振幅の大きい歯車の振動が制振されるので、カバー部材の振動を効果的に制振できる。
〔第一の実施の形態〕
図1は、本発明の第一の実施の形態に係る制振装置を適用したバッテリ駆動式の電気自動二輪車(Electric Vehicle)を示す側面図であり、図2は、その平面図である。なお、図2では、説明を容易にするために、図1に記載したシートレール8、フェンダカバー21、ステップフロア4を省略している。なお、図1及び図2において、上下、前後、左右の方向は、運転者から見た方向をいう。
また、リアフレーム7は、センターフレーム6の水平部6bの後端から車体後方斜め上側に向けて延びる第1傾斜部7aと、この第1傾斜部7aの後端で屈曲する屈曲部7bから、第1傾斜部7aよりも緩やかな傾斜で車体後方斜め上側に延びる第2傾斜部7cとで構成されている。また、第2傾斜部7cは、図2に示すように、車体幅方向に延びるクロスフレーム7dによって左右が連結されている。
さらに、シートレール8は、リアフレーム7の上側に取り付けられた略逆U字形状をなしており、リアフレーム7の屈曲部7bから車体前方斜め上側に延びる傾斜部8aと、この傾斜部8aの上端から後方へ水平に延びる水平部8bと、この水平部8bの後部からリアフレーム7の第2傾斜部7cに向けて後方斜め下側に延びる支持部8cとで構成されている。
これにより、導入口20aから取り込んだ外気によってバッテリ9を空気冷却し、冷却後の空気を排出口20bから排出することができるようになっている。
なお、図1及び図2において、符号41は車体前方を照らすヘッドライト、42はシートレール8の水平部8bに取り付けられた乗員シート、43はリアフレーム7の後端部に取り付けられたブレーキランプ、44はその下側に位置するリフレクタである。
スイングアーム13は、車体前後方向に延在する仕切壁25aを有する本体部25と、この本体部25の左側面を覆う左側カバー(カバー部材)26と、本体部25の右側面を覆う右側カバー27とを組み立てて構成されている。
また、機器取付空間23の左側面は、上述した左側カバー26をボルト等で着脱可能に取り付けることによって塞がれており、空気導入空間24の右側面は、上述した右側カバー27を同様にボルト等で着脱可能に取り付けることによって塞がれている。
これら動力発生モータ16、駆動ギヤ29、及び減速ギヤ30は、スイングアーム13内の部材の内、最も振幅の大きい振動を発生する。
また、ギヤカバー34には、ドラムブレーキユニット35を作動させるためのピン部材36が設けられている。このドラムブレーキユニット35は、図2に示す左側の操向ハンドル3に取り付けられたブレーキハンドル39を操作することによって動作する。詳細には、ブレーキハンドル39の操作によって、ブレーキワイヤ(不図示)を介してブレーキレバー38が回動し、ブレーキレバー38に取り付けられたピン部材36が操作されることによって後輪WRのブレーキが作動するようになる。
また、PDU18は、図示しない配線によってバッテリ9と接続されており、バッテリ9からPDU18へ電力が送られるようになっている。また、PDU18は、制御プログラム等が格納された図示しないECU(Electric Control Unit)とも配線によって接続され、ECUからPDU18へ制御信号が送られるようになっている。さらに、PDU18は、図示しない配線によって動力発生モータ16とも接続されており、PDU18から動力発生モータ16へ電力及び制御信号が送られるようになっている。なお、上述したECUは、車体側に取り付けられている。
なお、これらの動力発生モータ16、PDU18、及び冷却ファン22は、スイングアーム13の揺動に合わせて後輪WRと一緒に上下に揺動することになる。
図4及び図5に示すように、左側カバー26は、図3に示す動力発生モータ16、駆動ギヤ29、減速ギヤ30等を覆うべく、比較的表面積が大きく形成されている。左側カバー26は、熱伝導性の良いアルミニウム鋳物で一体成型してもよく、樹脂の成形品で一体成型してもよい。この左側カバー26は、表面積が大きく、かつ軽量に形成されているため、駆動ギヤ29や減速ギヤ30等の各部が発生する振動が伝達して、振動しややすい。
左側カバー26には、取り付け部26A周辺よりも肉薄の薄壁部61が形成されている。薄壁部61は、取り付け部26Aから離れた位置、例えば、左側カバー26の中央に位置している。薄壁部61の内側面には、制振装置10(図7)の振動部70を取り付けるための固定部62が左側カバー26に一体に形成されている。
固定部62は、左側カバー26の薄壁部61に立設された左右の側壁68と、左右の側壁68のそれぞれの先端の間に掛け渡された平面部69とを有して略ロ字状に形成され、左側カバー26に一体に設けられている。平面部69は薄壁部61の面に対して略平行な面に形成され、平面部69の略中央には、略円形状の貫通孔63が形成されている。
振動部70は、略有底円筒状に形成されたケース71を備えている。ケース71の上面72には、略円形状の貫通孔73が形成されている。このケース71内には、磁歪素子(振動子)74と、磁歪素子74の周りに配置されたコイル75と、コイル75の周りに配置されたバイアス磁石76と、が収納されている。
磁歪素子74は、略円柱状に形成されている。この磁歪素子74は、磁界を受けると磁界方向に伸長する性質(磁歪)と、圧力を受けると磁界を発生する性質(ビラリ効果)とを有する超磁歪材料が用いられている。超磁歪材料は、磁歪量が例えば1000ppm〜2000ppm(従来の強磁性材料では、数百ppm程度)の磁性材料である。
コイル75は、磁歪素子74に巻きつけられ、略円筒状に形成されている。コイル75の両端は、ケース71の外側に延びており、後述する振動制御部100に電気的に接続されている。コイル75は、振動制御部100から電流が入力されると、磁歪素子74の軸方向に磁界を発生させる。また、コイル75の周りに磁界が発生すると、コイル75自体に電流が流れる。
バイアス磁石76は、略円筒状に形成され、コイル75が巻き付けられた磁歪素子74に対して隙間を空けて配置されている。バイアス磁石76は、磁歪素子74の軸方向に所定の静的磁界(バイアス磁界)を発生させる。
制振装置10は、大別して、振動部70と、振動部70を振動させるとともに振動部70を用いて振動の検出を行う制御系とを備えている。この制御系は、振動制御部100と、フィルタ101と、A/D変換部102と、回転数検出手段103と、車速度検出手段104と、タイマ105と、D/A変換部106と、入力切替部107と、を有して構成されている。
振動部70の磁歪素子74は、振動検出手段として作動する場合には、左側カバー26(図5参照)の振動を検出し、この検出結果を電流として入力切替部107を介してフィルタ101に出力する。一方、磁歪素子74は、振動発生手段として作動する場合には、振動制御部100からコイル75に電流が入力され、左側カバー26に振動を出力するものである。
A/D変換部102は、フィルタ101から入力された電流の電圧値を示すデジタル信号を生成し、振動制御部100に出力する。
回転数検出手段103は、例えば駆動ギヤ29(図3参照)の回転数を検出し、検出した回転数を表す回転数信号を振動制御部100に出力する。この回転数検出手段103は、駆動ギヤ29とともに最も振幅の大きい振動を発生する動力発生モータ16、あるいは減速ギヤ30(図3参照)の回転数を検出するように構成されてもよい。
車速度検出手段104は、電気自動二輪車1の速度を検出し、検出した速度を表す車速度信号を振動制御部100に出力する。
タイマ105は、振動制御部100の制御の下、時間を計時し、所定時間毎に計時信号を振動制御部100に出力する。
入力電流演算部100Aは、A/D変換部102から入力された信号に基づいて、左側カバー26の振動の位相、周波数、振幅等を算出し、この算出結果を振動波生成部100Bに出力する。
振動波生成部100Bは、入力電流演算部100Aの算出結果に基づき、左側カバー26の振動を打ち消し、或いは減衰させる振動波の波形を求め、この波形に基づく信号を生成して出力電流制御部100Cに出力する。振動波生成部100Bの出力信号の波形は、例えば、左側カバー26の振動の位相と逆位相で、同周波数、かつ、同振幅となる波形である。
ここで、出力電流制御部100Cが入力切替部107に振動検出信号を出力する検出時間は、振動部70が左側カバー26の振動を検出する期間である。この検出時間の長さは、一定であっても良いし、例えば、回転数検出手段103から入力された回転数信号や車速度検出手段104から入力された車速度信号等に基づいて、出力信号の出力を開始する毎に、出力電流制御部100Cによって変更されるようにしてもよい。
また、出力電流制御部100Cは、出力信号の出力を開始する毎に、計時開始信号をタイマ105に出力し、タイマ105に、出力信号の出力が開始された時点からの経過時間を計時させる。
入力切替部107は、振動部70を、磁歪素子74を用いて振動を検出する振動検出手段として作動させる状態と、左側カバー26に振動を与える振動発生手段として作動させる状態とを切り替える。入力切替部107は、D/A変換部106から電流が入力されている間には、D/A変換部106からの電流をコイル75に出力して、磁歪素子74を振動発生手段として作動させる。一方、出力電流制御部100Cから振動検出信号が入力されている間、入力切替部107は、コイル75からの電流をフィルタ101に出力することにより、磁歪素子74を振動検出手段として作動させる。
特に、エンジン音や排気音のない電気自動二輪車1では、動力発生モータ16のモータ音や、駆動ギヤ29又は減速ギヤ30の噛み合い音が目立つので、制振装置10は、これら動力発生モータ16、駆動ギヤ29、及び減速ギヤ30の回転数に応じて変化する振動を制振することにより、左側カバー26の振動を効果的に制振できる。
振動制御部100は、まず、出力電流制御部100Cから振動検出信号を入力切替部107に出力し、磁歪素子74に左側カバー26の振動を検出させる(ステップS1)。このとき、振動制御部100には、磁歪素子74から入力切替部107、フィルタ101、及びA/D変換部102を介して、左側カバー26の振動の検出結果が入力される。
次いで、振動制御部100は、入力電流演算部100Aにより、磁歪素子74から入力された検出結果に基づいて左側カバー26の振動の位相、周波数、振幅等を算出し(ステップS2)、振動波生成部100Bによって、算出結果に基づいて、左側カバー26の振動の位相と逆位相で、同周波数、かつ、同振幅となる振動波を求め、この振動波に対応する信号を生成する(ステップS3)。
ステップS6において、動力発生モータ16が停止していないと判別した場合(ステップS6:No)、振動制御部100は、本処理をステップS1に戻す。ステップS6において、動力発生モータ16が停止したと判別した場合、振動制御部100は、本処理を終了する。振動制御部100は、電気自動二輪車1の動作中(走行中及び停車中を含む)、図8の処理を繰り返し実行する。
上述したように、振動制御部100は、振動部70を制御して、予め設定された検出時間だけ左側カバー26の振動を検出する動作を行わせる。この動作で磁歪素子74によって図9(a)に示す左側カバー26の振動A1が検出時間t1だけ検出されると、検出される波形は図9(b)に示す振動W1のようになる。左側カバー26の振動A1を検出する動作は、所定の条件を満たす毎に、例えば所定時間毎に、検出時間t2,t3だけ実行され、図9(b)に示す振動W1〜W3が検出される。
振動制御部100は、検出した振動W1〜W3の位相と逆位相で、同周波数、かつ、同振幅となる振動波を算出し、この振動波を磁歪素子74に出力する。これにより、磁歪素子74によって、図9(c)に示す振動C1が左側カバー26に出力される。この図9(c)に示す振動が、図9(a)に示す振動に加わることにより、左側カバー26の振動は打ち消され、図9(d)に振動D1で示すように抑制される。但し、振動部70が検出動作を行っている間は、振動部70から左側カバー26に振動が与えられないため、左側カバー26の振動は検出時間t1〜t3を除く期間において制振される。
次に、図10を参照して、第二の実施の形態を説明する。なお図10では、図6に示す左側カバー26及び振動部70と同一部分には同一の符号を付して説明を省略する。
振動部70のロッド77は、固定部62の貫通孔63に螺合され、クリップナット80で固定される。クリップナット80は、板材をU字状に2つに折り返して互いに対向するように形成された上板81と下板82とに、上板81と下板82とを同軸で貫通する貫通孔83を穿設し、上板81の貫通孔83の縁にダボ部84を形成して構成されている。貫通孔83の内周面にはねじが切られ、雌ねじが形成されている。クリップナット80は、平面部69を上板81と下板82とで挟み込んで固定部62に取り付けられ、ダボ部84が左側カバー26と平面部69との間に位置している。貫通孔83は貫通孔63に重なっている。振動部70は、ロッド77が貫通孔67d及び貫通孔63に螺合することで固定部62に直接固定されている。
クリップナット80は、ナットとワッシャとが一体化されたものであり、このクリップナット80の使用によって、振動部70を固定部62に取り付ける作業を簡素化できるとともに、平面部69を上板81と下板82とで上下から挟み込むことで、振動部70を固定部62に堅固に固定し、振動によってロッド77と固定部62との螺合が緩むことを防止することができる。
次に、図11を参照して、第三の実施の形態を説明する。なお図11では、図6に示す左側カバー26及び振動部70と同一部分には同一の符号を付して説明を省略する。
左側カバー26の内側面にはボス90が形成され、ボス90にはボス穴91が形成されている。ボス穴91の内周面にはねじが切られ、雌ねじが形成されている。このボス穴91には、振動部70のロッド77が螺合し、これにより振動部70が直接左側カバー26に取り付けられている。この構成により、振動部70を左側カバー26に固定する際には、ロッド77をボス穴91に螺合すればよく、振動部70を簡単に取り付けできる。
次に、図12〜図14を参照して、第四の実施の形態を説明する。なお図12では、図5に示す左側カバー26と同一部分には同一の符号を付して説明を省略する。
薄壁部61の内側面には、左側カバー26の振動を制振する振動部70を取り付けるための一対の固定部62A,62Bが形成されている。固定部62A,62Bは、図6に示す固定部62と同様に構成されている。これら固定部62A,62Bは、相互に近接するように配置されている。固定部62A,62Bのそれぞれには、振動検出部70Aと、振動部70Bとが固定されている。振動検出部70A及び振動部70Bは、いずれも図6に示す振動部70と同様に構成されている。
なお、振動検出部70Aが有する部材の符号にはAを追加し、振動部70Bが有する部材の符号にはBを追加して、以下説明する。
これに対し、振動部70Bは、磁歪を用いた振動発生手段として使用されている。振動部70Bでは、コイル75Bに振動制御部100から電流が入力され、磁歪素子74Bの軸方向に磁界が発生する。この磁界により、磁歪素子74Bが伸長し、振動部70Bは、左側カバー26に振動を出力できる。
制振装置10Aにおいて、振動検出部70A及び振動部70Bは、それぞれ共通する制御系に接続されている。この制御系は、振動制御部100と、フィルタ101と、A/D変換部102と、D/A変換部106と、を有して構成されている。
振動検出部70Aの磁歪素子74Aは、左側カバー26(図5参照)の振動を検出し、この検出結果を電流として直接フィルタ101に出力する。一方、振動部70Bの磁歪素子74Bは、振動制御部100からコイル75Bに電流が入力され、左側カバー26に振動を出力するものである。
出力電流制御部100Cは、振動波生成部100Bから入力された出力信号を、D/A変換部106に常時出力するものである。
入力電流演算部100A、振動波生成部100B、フィルタ101、A/D変換部102、及びD/A変換部106は、図7に示す制振装置10と同様に構成されているため、説明を省略する。
したがって、本第四の実施の形態では、振動検出部70A及び振動部70Bにおける磁歪素子74Aからの入力及び磁歪素子74Bへの出力を同一の振動制御部100で制御できるので、制御を簡素化できる。また、振動制御部100は、磁歪素子74Aでの振動の検出と磁歪素子74Bでの出力を並行して行えるので、左側カバー26の振動を常時制振できる。さらに、振動検出部70A及び振動部70Bは、振動の検出と出力とを即時に行うことができるので、出力の追従性が向上するとともに、より複雑な波形を有する振動も制振できるので、制振の効果を向上できる。これに加え、振動検出部70Aと振動部70Bとは、相互に近接するように配置されているため、振動検出部70Aで検出した左側カバー26の振動と、振動部70Bが出力すべき振動との間で、位相や振幅等のずれを防ぐことができ、制振の効果を向上できる。
振動制御部100の制振制御により、振動検出部70Aによって、図14(a)に示す左側カバー26の振動A2が検出されると、振動検出部70Aが振動制御部100に出力する信号波形は、図14(b)に示す振動B2の波形となる。
振動制御部100は、検出した振動B2の位相と逆位相で、同周波数、かつ、同振幅となる振動波を算出し、この振動波を振動部70Bに出力する。振動部70Bは、図14(c)に示す振動C2を左側カバー26に出力し、この振動C2が、図14(a)に示す左側カバー26の振動A2に加えられることにより、左側カバー26の振動が打ち消されて抑制され、図14(d)に振動D2で示すように、常時制振される。
次に、図15及び図16を参照して、第五の実施の形態の制振装置を説明する。
図7及び図13に示す制振装置10,10Aは、バッテリ駆動式の電気自動二輪車に適用されていたが、本実施の形態では、パワーユニットで駆動される自動二輪車に適用される制振装置について説明する。
パワーユニット50は、図1に示す電気自動二輪車1の水平部6b付近に配置されるもので、図1に示すバッテリ9、動力発生モータ16等を必要としない。パワーユニット50は、エンジン51と、このエンジン51の右側に位置するベルト式無段変速機(以下、CVTという)52とで構成されている。
エンジン51は、車体後方(図15における下側)に位置するクランクケース53(クランク収容部)と、クランクケース53の前側に接続されたシリンダブロック54と、シリンダブロック54の前側に接続されたシリンダヘッド55と、エンジン51の前端を覆うシリンダカバー47とを備えている。
シリンダブロック54には、車体前後方向に向けてシリンダ54Aが形成されており、シリンダ54A内には、ピストン54Bが摺動可能に挿入されている。ピストン54Bにはコンロッド54Cの一端部が連結され、コンロッド54Cの他端部は、クランクシャフト53Cに連結されている。
クランクケース53の左方には、発電機56Aを収容する発電機ケース56が取り付けられ、クランクケース53の右方には、CVT52を収容する無段変速機収容部57が設けられている。
クランクシャフト53Cの右端部は、クランクケース53及びベルコンケース57Aを貫通してベルコン室57Cにまで延びている。クランクシャフト53Cの右端部には、CVT52の駆動プーリ57Dが嵌め込まれているため、駆動プーリ57Dはクランクシャフト53Cの回転に従って回転する。また、クランクシャフト53Cの左端部は、クランクケース53を貫通して発電機ケース56内に延びている。クランクシャフト53Cの左端部には、発電機56Aが取り付けられている。
CVT52は、駆動プーリ57Dと、従動プーリ57Fと、これら駆動プーリ57Dと従動プーリ57Fとに巻き掛けられたVベルト48とを備えて構成される。
従動プーリ57Fの右方部分には、送風用の複数の羽根57Hが形成され、この羽根57Hにより、図示しない冷却ダクトからベルコン室57Cに空気が導かれ、また、ベルコン室57C内の空気が図示しない空気孔から外部に搬送されて、ベルコン室57Cが冷却される。
遠心式クラッチ58の左側には、減速機59が設けられている。この減速機59は、クラッチ板58Cに設けられた入力歯車(歯車)59Aと、クランクケース53に回転自在に支持される中間歯車(歯車)59B、59Cと、クランクケース53に回転自在に支持される出力軸59Eに設けられる最終段歯車(歯車)59Dを有する。入力歯車59Aは中間歯車59Bに噛み合い、中間歯車59Bと同軸に設けられる中間歯車59Cは最終段歯車59Dと噛み合う。
なお、これら入力歯車59A、中間歯車59B、59C、及び最終段歯車59Dと、カムチェーン55Dとは、パワーユニット50内の部材の内、最も振幅の大きい振動を発生する。
出力軸59Eの左端部は、左クランクケース53Aを貫通してクランクケース53の外側に突出し、図示しない駆動チェーンが取り付けられている。出力軸59Eの回転出力は、駆動チェーンを介して後輪(不図示)に伝達され、後輪が回転する。
ベルコンカバー57Bの外周には、ベルコンカバー57Bを固定するための取り付け部65が形成されている。取り付け部65は、比較的肉厚に形成されている。ベルコンカバー57Bは、取り付け部65を挿通するボルト66によって、ベルコンケース57Aと着脱可能に取り付けられる。
ベルコンカバー57Bには、取り付け部65周辺よりも肉薄の薄壁部61Cが形成されている。薄壁部61Cは、取り付け部65から離れた位置、例えば、ベルコンカバー57Bの中央に位置している。
薄壁部61Cの内側面には、振動部70Cを取り付けるための固定部62Cが形成されている。固定部62Cは、図6に示す固定部62と同様に構成されている。固定部62Cには、振動部70Cが固定されている。振動部70Cは、図6に示す振動部70と同様に構成されている。なお、振動部70Cが有する部材の符号にはCを追加して、以下説明する。
磁歪素子74Cは、ビラリ効果を用いた振動検出手段として、また、磁歪を用いた振動発生手段として使用されている。磁歪素子74Cが振動検出手段として使用される場合には、ベルコンカバー57Bの振動によって、磁歪素子74Cが固定部62Cを介して圧力を受け、磁界が発生する。この磁界により、コイル75Cに電流が流れるので、磁歪素子74Cは、ベルコンカバー57Bの振動を電流として検出できる。一方、磁歪素子74Cが振動発生手段として使用される場合には、コイル75に振動制御部100から電流が入力され、磁歪素子74の軸方向に磁界が発生する。この磁界により、磁歪素子74が伸長し、磁歪素子74は、左側カバー26に振動を出力できる。
このように、本第五の実施の形態に係る制振装置は、振動部70Cによって、カムチェーン55D、入力歯車59A、中間歯車59B、59C、又は最終段歯車59Dの回転数に応じて変化する振動を制振する構成としたことにより、最も振幅の大きいカムチェーン55D、入力歯車59A、中間歯車59B、59C、又は最終段歯車59Dの振動が制振されるので、ベルコンカバー57Bの振動を効果的に制振できる。
10、10A 制振装置
16 動力発生モータ
26 左側カバー(カバー部材)
26A 取り付け部
29 駆動ギヤ(歯車)
30 減速ギヤ(歯車)
55D カムチェーン(歯車)
57B ベルコンカバー(カバー部材)
59A 入力歯車(歯車)
59B,59C 中間歯車(歯車)
59D 最終段歯車(歯車)
61,61C 薄壁部
65 取り付け部
70,70B,70C 振動部
70A 振動検出部
74,74A,74B,74C 磁歪素子(振動子)
100 振動制御部
Claims (6)
- 車載構成部品(29,30,59A,59B,59C,59D)を覆うカバー部材(26,57B)を備えた車両における制振装置において、
前記カバー部材(26,57B)は、前記車載構成部品として前記車両のパワーユニット(16、50)の動力伝達部である減速機構の側方を覆い、
前記減速機構と、この減速機構に隣接する部品(18,53C)とが前記カバー部材(26,57B)の長手方向に並び、
前記カバー部材(26,57B)の取り付け部(26A,65)から離れた位置に且つカバー部材(26,57B)の長手方向の中央に、当該カバー部材(26,57B)の振動を低減する振動子(74,74A,74B,74C)を備えたことを特徴とする車両における制振装置。 - 前記カバー部材(26,57B)が前記取り付け部(26A,65)よりも肉薄の薄壁部(61,61C)を備え、
前記振動子(74,74A,74B,74C)が、前記カバー部材(26,57B)の薄壁部(61,61C)に固定されることを特徴とする請求項1に記載の車両における制振装置。 - 前記振動子(74,74A,74B,74C)を振動させる振動制御部(100)を備え、
前記振動制御部(100)が、前記振動子(74,74A,74B,74C)による前記カバー部材(26,57B)における振動の検出結果に基づいて、当該振動子(74,74A,74B,74C)を振動させることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両における制振装置。 - 前記振動制御部(100)が、所定のタイミングで振動子(74,74A,74B,74C)に振動検出信号を出力し、振動子(74,74A,74B,74C)から入力された検出結果に基づいて振動を算出し、算出結果に基づき振動子(74,74A,74B,74C)を振動させることを特徴とする請求項3に記載の車両における制振装置。
- 前記振動子(74A,74B)を振動させる振動制御部(100)を備え、
前記振動子(74A,74B)が複数あり、
前記振動制御部(100)が、一の振動子(74A)による前記カバー部材(26)における振動の検出結果に基づいて、他の振動子(74B)を振動させることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両における制振装置。 - 前記車載構成部品が歯車(29,30,59A,59B,59C,59D)であり、
前記振動制御部(100)が、前記歯車(29,30,59A,59B,59C,59D)の回転数に応じて変化する振動を制振することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の車両における制振装置。
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