JP5049044B2 - 転がり軸受 - Google Patents

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    • F16C33/60Raceways; Race rings divided or split, e.g. comprising two juxtaposed rings

Description

この発明は、転がり軸受に関し、特に、温度変化が大きい環境で使用される転がり軸受に関するものである。
外輪、針状ころおよび保持器で構成されるニードル軸受は、軸受投影面積が小さいにもかかわらず、高荷重の負荷を受けることができ、かつ高剛性である。したがって、このような特性を活かして、自動車用部品、特に自動車エンジンのクランク軸を支持する軸受として有効に利用されている。自動車のエンジン用の軸受は、−30℃付近の冷間時から150℃付近の運転時まで、幅広い温度環境で使用される。
クランク軸支持用のニードル軸受をクランク軸へ組込む場合、カウンターウェイト等とニードル軸受とが干渉してしまうため、軸方向からの組込みは困難である。したがって、各構成部品を周方向に分割した軸受が適用される。このような軸受は、クランク軸の外径側から各構成部品を配置して組込むことができるため、組込み時におけるカウンターウェイト等との干渉を回避することができる。なお、このような軸受が、米国特許第1920148号(特許文献1)に開示されている。
ここで、外輪を2つに分割した形式の軸受について、組込み時や運転時において、各分割外輪部品を合わせた分割面がずれてしまう恐れがある。そこで、特開平6−81846号公報(特許文献2)に開示の技術では、2つの分割外輪の外径面に跨る環状溝を設け、これにサークリップを嵌合させて、分割面のずれを防止している。また、上記した環状溝およびサークリップを設ける構成に加え、熱膨張時に生じる外輪とハウジングとの径方向のすき間を補正するための結合兼熱膨張補正バンドを備える技術が、特開平6−109025号公報(特許文献3)に開示されている。
また、上記した軸受は、ころが負荷域を転動する際に、騒音や振動が発生する。特に、外輪等が分割されている場合、このような問題が顕著に表れる。このような問題に対し、特開平6−229415号公報(特許文献4)に開示の技術では、外輪とシリンダブロックとの間にオイルフィルム形成部を設け、これによりオイルフィルムを形成して騒音や振動を吸収することにしている。
ここで、クランク軸を支持する従来のクランク軸支持構造の構成について、説明する。図8は、従来におけるクランク軸支持構造の一部を示す断面図である。図9は、図8に示すクランク軸支持構造の一部を、図8中のIX−IX断面で切断した場合の断面図である。なお、図8は、クランク軸に垂直な面で切断した断面である。また、理解の容易の観点から、図8は、クランク軸支持構造の一部を分解した状態を示している。
図8および図9を参照して、クランク軸支持構造101は、クランク軸102と、クランク軸102を支持する転がり軸受103と、転がり軸受103を取付けるエンジンブロック104とを含む。転がり軸受103は、外輪106と、複数のころ107と、複数のころを保持する保持器108とを備える。外輪106は、2つの分割外輪部品109a、109bに分割可能である。保持器108についても、2つの分割保持器部品110a、110bに分割可能である。エンジンブロック104は、2つの分割エンジンブロック部品105a、105bに分割可能である。転がり軸受103を挟んで分割エンジンブロック部品105a、105bをボルト(図示せず)によって締結することにより、転がり軸受103をエンジンブロック104に取付ける。
クランク軸102ところ107との間には、径方向のすき間、すなわち、図9中の寸法Xで示されるラジアルすき間が設けられている。このラジアルすき間の寸法を適正に保つことにより、ころ107の円滑な転動等が可能になる。また、エンジンブロック104には、締め代Yが設けられており、これにより、転がり軸受103を締まり嵌めにして、外輪106のクリープを防止している。なお、本図面および以下の図面において、ラジアルすき間および締め代については、理解の容易の観点から、誇張して大きく図示している。
エンジンブロック104の素材については、一般的には、軽量化等の観点から、アルミニウム合金が使用されている。一方、クランク軸102や転がり軸受103の外輪106の素材については、剛性確保等の観点から、鋼が使用されている。
米国特許第1920148号 特開平6−81846号公報 特開平6−109025号公報 特開平6−229415号公報
上記した構成の転がり軸受103は、組込み性の容易化の観点から外輪が分割されているため、組込まれた各外輪部品の分離を防止する必要がある。特許文献2および特許文献3の技術では、2つの外輪部品に跨る環状溝を設ける必要があり、加工が困難である。そうすると、高コストとなり、生産性を悪化させることになる。なお、特許文献3に開示された熱膨張補正バンドについても、周方向へ熱膨張するため、外輪の分離を防止することができない。
さらに、上記した構成のクランク軸支持構造101は、高温環境や低温環境等、種々の環境で使用される。この場合、クランク軸支持構造101を構成する各構成部材の熱膨張係数が異なるため、ラジアルすき間の寸法Xおよび締め代Yが適切に保てなくなる恐れがある。
これについて、詳細に説明する。図10は、高温環境、具体的には、150℃付近におけるクランク軸支持構造101の一部を示す断面図であり、図9に対応する部分である。図11は、低温環境、具体的には、−30℃付近におけるクランク軸支持構造101の一部を示す断面図であり、図9に対応する部分である。なお、図9は、常温環境、具体的には、20℃付近におけるクランク軸支持構造101の一部を示す断面図である。
図8〜図11を参照して、エンジンブロック104の素材であるアルミニウム合金の熱膨張係数の方が、クランク軸102および外輪106の素材である鋼の熱膨張係数よりも大きい。したがって、高温環境において、適切な量の締め代Yを確保できるよう構成する必要がある。しかし、このように構成すると、常温環境および低温環境において締め代Y、Yが大きくなりすぎ、組込み性が悪化してしまう。また、低温環境におけるラジアルすき間の寸法Xも負になってしまう恐れがある。このような状況は、クランク軸支持構造101を含むエンジンの始動を困難にするのみならず、転がり軸受103の焼付きやかじり等を招き、転がり軸受103の破損に繋がる恐れがある。さらに、各環境下におけるラジアルすき間の寸法X、X、Xの変位量が大きいと、クランク軸102の安定した回転が得られず、クランク軸102の振れ回り等を発生させて、騒音や振動が発生することになる。
ここで、特許文献4によると、オイルシールにより形成されるオイルフィルムにより、転がり軸受103の騒音や振動を低減している。しかし、オイルシールは、長期間高温のエンジンオイルに曝されるため、シール性が損なわれる恐れがある。そうすると、騒音や振動を低減することができない。
この発明の目的は、生産性および組込み性が良好であり、騒音や振動を低減すると共に、破損の恐れを低減することができる転がり軸受を提供することである。
この発明に係る転がり軸受は、複数の分割外輪部品を周方向に配置して形成される外輪と、外輪の軌道面を転動する複数のころと、外輪の外径側に配置される樹脂バンドとを備える。ここで、樹脂バンドは、周方向に分割されており、樹脂バンドの周方向の両端部は、連結可能である。
このように構成することにより、分割外輪部品を回転軸の外径側から配置して外輪を形成し、周方向に分割された樹脂バンドを外径側から配置させて、転がり軸受を組込むことができる。そうすると、組込み性を良好にすることができる。この場合、樹脂バンドの周方向の両端部が連結可能であるため、樹脂バンドの周方向の両端部を連結して分割された外輪を確実に拘束し、外輪の分離を防止することができる。そうすると、外輪の特別の加工を施す必要がなくなる。さらに、樹脂バンドは単純な形状であるため、生産性を良好にすることができる。また、転がり軸受が高温環境および低温環境に配置されても、樹脂バンドによって径方向の寸法を調整して、ラジアルすき間や締め代を適正に保つことができる。そうすると、外輪のクリープや軸受の焼付き、かじり等を防止して、転がり軸受の破損を低減することができる。また、回転軸の振れ回りを防止して、騒音や振動を低減することができる。さらに、樹脂バンドによって騒音や振動を吸収することができるため、騒音や振動を低減することができる。したがって、このような転がり軸受けは、組込み性および生産性を良好にして、騒音や振動を低減すると共に、破損の恐れを低減することができる。
好ましくは、樹脂バンドは、複数の分割樹脂バンド部品を周方向に配置して形成される。こうすることにより、複数の分割外輪部品を外径側から配置させて、樹脂バンドを形成することができる。また、各構成部材の形状もさらに単純になる。したがって、さらに組込み性および生産性を良好にすることができる。
さらに好ましくは、両端部には、離脱可能に係合する凹凸部が設けられている。こうすることにより、周方向において、連結された両端部を引き離す方向の力が加えられても、凸部および凹部が係合しているため、樹脂バンドの分離の恐れを低減することができる。したがって、さらに外輪の分離を防止して、転がり軸受の破損の恐れを低減することができる。
さらに好ましくは、常温状態において、両端部の間には、熱膨張を許容する周方向のすき間が設けられている。こうすることにより、高温環境において樹脂バンドが周方向に熱膨張しても、連結状態を適切に維持することができる。したがって、さらに外輪の分離の恐れをさらに低減することができる。
さらに好ましくは、外輪の外径面には、径方向内側に凹んだ溝部が設けられている。ここで、樹脂バンドは、溝部に嵌め込むように配置される。こうすることにより、樹脂バンドの軸方向の移動を規制することができる。また、溝部を利用して、径方向の寸法をより適切に調整することができる。したがって、さらに転がり軸受の破損の恐れを低減することができる。
この発明によれば、分割外輪部品を回転軸の外径側から配置して外輪を形成し、周方向に分割された樹脂バンドを外径側から配置させて、転がり軸受を組込むことができる。そうすると、組込み性を良好にすることができる。この場合、樹脂バンドの周方向の両端部が連結可能であるため、樹脂バンドの周方向の両端部を連結して分割された外輪を確実に拘束し、外輪の分離を防止することができる。そうすると、外輪の特別の加工を施す必要がなくなる。さらに、樹脂バンドは単純な形状であるため、生産性を良好にすることができる。また、転がり軸受が高温環境および低温環境に配置されても、樹脂バンドによって径方向の寸法を調整して、ラジアルすき間や締め代を適正に保つことができる。そうすると、外輪のクリープや軸受の焼付き、かじり等を防止して、転がり軸受の破損を低減することができる。また、回転軸の振れ回りを防止して、騒音や振動を低減することができる。さらに、樹脂バンドによって騒音や振動を吸収することができるため、騒音や振動を低減することができる。したがって、このような転がり軸受けは、組込み性および生産性を良好にして、騒音や振動を低減すると共に、破損の恐れを低減することができる。
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図2は、この発明の一実施形態に係る転がり軸受に備えられる樹脂バンドを示す図である。図1は、図2に示す樹脂バンドを、図2中の矢印Iで示す方向から見た拡大図である。図1および図2を参照して、樹脂バンド11aは、環状であって、2つの分割樹脂バンド部品12a、12bを連結して形成される。すなわち、樹脂バンド11aは、周方向の二箇所で分割されており、2つの分割樹脂バンド部品12a、12bを周方向に配置して形成される。こうすることにより、樹脂バンド11aの各構成部材となる分割樹脂バンド部品12a、12bの形状が単純になるため、樹脂バンド11aの生産性を良好にすることができる。
樹脂バンド11aの周方向の両端部、すなわち、樹脂バンド11aを形成する分割樹脂バンド部品12a、12bの端部同士は連結可能である。一方の分割樹脂バンド部品12aの周方向端部13aには、周方向に突出する凸部14aが設けられている。他方の分割樹脂バンド部品12bの周方向端部13bには、凸部14aと離脱可能に係合する凹部14bが設けられている。具体的には、凸部14aの先端から軸方向に突出する突出部が延びており、凹部14bには、この突出部を受け入れるようなくぼみが設けられている。周方向端部13aに設けられた凸部14aを周方向端部13bに設けられた凹部14bに径方向から係合させることにより、分割樹脂バンド部品12a、12bの周方向端部13a、13b同士が連結される。分割樹脂バンド部品12a、12bの他方の周方向端部同士も、同様に連結されている。このようにして、分割樹脂バンド部品12a、12bは、環状に連結される。こうすることにより、分割樹脂バンド部品12a、12bを引き離す方向に力が加えられても、分割樹脂バンド部品12a、12bの周方向端部13a、13bの分離の恐れを低減することができる。
さらに、両端部13a、13bの間には、熱膨張を許容する周方向のすき間15が設けられている。このようなすき間15を設けることにより、高温環境において各分割樹脂バンド部品12a、12bが周方向、具体的には、図1中の矢印で示す方向に分割樹脂バンド部品12a、12bが熱膨張しても、連結状態を適切に維持することができる。
次に、図1および図2に示す樹脂バンド11aを備える転がり軸受の構成について説明する。図3は、図1および図2に示す樹脂バンド11aを備え、この発明の一実施形態に係る転がり軸受21を示す断面図である。図3は、転がり軸受21によって支持されるクランク軸の回転軸線(図示せず)を含み、回転軸線に平行な平面で切断した場合の断面図である。なお、図3に示す状態は、常温状態、具体的には、20℃付近の状態を示す図である。
図1〜図3を参照して、転がり軸受21は、外輪22と、複数のころ23と、ころ23を保持する保持器24と、転がり軸受21の外径側に配置される樹脂バンド11a、11bとを備える。樹脂バンド11bは、2つの分割樹脂バンド部品12c、12dから形成されており、樹脂バンド11aと同様の構成であるため、その説明を省略する。
ころ23は、外輪22の内径側に位置する軌道面27上を転動する。保持器24は、複数のころ23を収容する複数のポケット(図示せず)を有する。ころ23を保持する保持器24は、2つの分割保持器部品26a、26bから形成される。各分割保持器部品26a、26bは、環状の保持器24を、転がり軸受21の回転軸線を含み、回転軸線と平行な平面で切断した形状である。すなわち、保持器24は、2つの分割保持器部品26a、26bに分割可能であり、分割保持器部品26a、26bを周方向に配置して形成される。各分割保持器部品26a、26bは、それぞれころ23を保持することができる。
外輪22は、2つの分割外輪部品25a、25bから形成される。各分割外輪部品25a、25bは、環状の外輪22を、転がり軸受21の回転軸線を含み、回転軸線と平行な平面で切断した形状である。すなわち、外輪22は、2つの分割外輪部品25a、25bに分割可能であり、分割外輪部品25a、25bを周方向に配置して形成される。
分割外輪部品25aには、外径面28aから径方向内側に凹んだ2つの溝部29a、29cが設けられている。溝部29a、29cは、軸方向の異なる位置に設けられている。同様に、分割外輪部品25bには、外径面28bから径方向内側に凹んだ2つの溝部29b、29dが設けられている。分割外輪部品25a、25bを組み合わせて外輪22を形成した際に、溝部29a、29bおよび溝部29c、29dはそれぞれ、環状に連なる形状となる。
樹脂バンド11aは、溝部29a、29bに嵌め込むように転がり軸受21の外径側に配置される。同様に、樹脂バンド11bは、溝部29c、29dに嵌め込むように転がり軸受21の外径側に配置される。こうすることにより、樹脂バンド11a、11bの軸方向の移動を規制することができる。そうすると、樹脂バンド11a、11bを適切に外輪22の外径面28a、28b側に配置させることができる。また、後述するように、溝部29a〜29dを利用して、転がり軸受21の径方向の寸法をより適切に調整することができる。
なお、溝部29a〜29dに嵌め込まれた樹脂バンド11a、11bは、常温状態において、外径面28a、28bよりも若干突出している。その寸法は、具体的には、外径面28a、28bから約0.010mmである。
次に、上記した転がり軸受21を含むクランク軸支持構造の構成について説明する。図4は、この発明の一実施形態に係る転がり軸受21を含むクランク軸支持構造の一部を示す断面図である。なお、図4は、クランク軸に垂直な面で切断した断面である。また、理解の容易の観点から、図4は、クランク軸支持構造の一部を分解した状態を示している。
図1〜図4を参照して、クランク軸支持構造31は、クランク軸32と、クランク軸32を支持する上記した構成の転がり軸受21と、転がり軸受21を取付けるエンジンブロック33とを含む。エンジンブロック33は、周方向に分割される2つの分割エンジンブロック部品34a、34bに分割可能である。転がり軸受21を挟んで分割エンジンブロック部品34a、34bをボルト(図示せず)によって締結することにより、転がり軸受21をエンジンブロック33に取付ける。
ここで、クランク軸32への転がり軸受21の組込み方法について説明する。まず、クランク軸32の外径側から、ころ23を保持した分割保持器部品26a、26bを配置させる。次に、分割保持器部品26a、26bの外径側から、分割外輪部品25a、25bを配置させる。その後、分割外輪部品25a、25bの外径側から分割樹脂バンド部品12a、12bを配置させる。最後に、分割樹脂バンド部品12a、12bの周方向端部13a、13b同士を連結する。このようにして、転がり軸受21をクランク軸32の外径側から組込む。なお、その後、転がり軸受21をエンジンブロック33に取付ける。
このように構成することにより、転がり軸受21の各構成部品をクランク軸32の外径側から組込むことができる。そうすると、クランク軸32の軸方向に位置するカウンターウェイト(図示せず)等との干渉を防止して組込むことができる。この場合、分割樹脂バンド部品12a、12b、12c、12dを外径側から配置させて、樹脂バンド11a、11bを形成することができるため、組込み性を良好にすることができる。すなわち、環状の部材を圧入する際に生ずるかじり等を防止することができる。また、樹脂バンド11a、11bの周方向端部13a、13b同士は連結可能であるため、周方向端部13a、13b同士を連結して分割された外輪22を確実に拘束し、外輪22の分離を防止することができる。さらに、エンジンブロック33と転がり軸受21の外輪22との間には、樹脂バンド11a、11bが配置されているため、樹脂バンド11a、11bによって、転がり軸受21の騒音や振動を吸収することができる。したがって、騒音や振動を低減することができる。また、樹脂バンド11a、11bによって、転がり軸受21の径方向の寸法を調整し、ラジアルすき間や締め代を適切に保つことができる。
これを、図5、図6および図7を参照して説明する。図5は、常温環境、具体的には、20℃付近におけるクランク軸支持構造31の一部を示す断面図であり、図3に対応する部分である。図6は、高温環境、具体的には、150℃付近におけるクランク軸支持構造31の一部を示す断面図であり、図5に対応する部分である。図7は、低温環境、具体的には、−30℃付近におけるクランク軸支持構造31の一部を示す断面図であり、図5に対応する部分である。なお、熱膨張係数は、鋼製のクランク軸32および外輪22、アルミニウム合金製のエンジンブロック33、樹脂製の樹脂バンド11a、11bの順に大きくなる。
図5〜図7を参照して、転がり軸受21の内径側には、クランク軸32が配置される。常温環境において、ラジアルすき間の寸法Aを適正にするよう、樹脂バンド11a、11bの厚み等を調整する。この場合、外輪22とエンジンブロック33との間には、締め代を設けず、エンジンブロック33と樹脂バンド11a、11bとの間に締め代を設ける。
高温環境においては、クランク軸32、外輪22、エンジンブロック33および樹脂バンド11a、11bがそれぞれ径方向外側に熱膨張する。ここで、エンジンブロック33の熱膨張係数の方が外輪22の熱膨張係数よりも大きいため、外輪22とエンジンブロック33とのすき間が大きくなる。しかし、エンジンブロック33の熱膨張係数よりも樹脂バンド11a、11bの熱膨張係数の方が大きいため、樹脂バンド11a、11bの熱膨張により外輪22とエンジンブロック33とのすき間を埋めることができる。すなわち、樹脂バンド11a、11bとエンジンブロック33との間に締め代を有することになる。一方、ころ23とクランク軸32との間のラジアルすき間の寸法Aについても、外輪22とクランク軸32の材質は同じであるため、適正にすることができる。この場合、樹脂バンド11a、11bのうち、対面する周方向両端部13a、13bの間には、熱膨張を許容する周方向のすき間15が設けられているため、高温環境において樹脂バンド11a、11bが周方向に熱膨張しても、連結状態を適切に維持することができる。
低温環境においては、クランク軸32、外輪22、エンジンブロック33および樹脂バンド11a、11bがそれぞれ径方向内側に熱収縮する。ここで、エンジンブロック33の熱膨張係数の方が外輪22の熱膨張係数よりも大きいため、外輪22とエンジンブロック33とのすき間が小さくなる。しかし、エンジンブロック33の熱膨張係数よりも樹脂バンド11a、11bの熱膨張係数の方が大きいため、樹脂バンド11a、11bの熱収縮および溝部29a〜29dの利用により、樹脂バンド11a、11bとエンジンブロック33とが当接せず、外輪22とエンジンブロック33とが当接して、すき間をなくすことができる。すなわち、外輪22とエンジンブロック33との間に締め代Bを有することになる。一方、ころ23とクランク軸32との間のラジアルすき間の寸法Aについても、適正にすることができる。
表1に、上記した構成の転がり軸受21を含むクランク軸支持構造31において、各環境下における径方向の寸法等を測定した結果を示す。また、表2に、図8等に示す従来の転がり軸受を含むクランク軸支持構造において、各環境下における径方向の寸法等を測定した結果を示す。
Figure 0005049044
Figure 0005049044
表1および表2を参照して、ラジアルすき間については、従来におけるクランク軸支持構造においては、0.002mm〜0.050mmの間で変位している。これに対し、上記した構成のクランク軸支持構造31においては、0.002mm〜0.015mmとなり、変位量が小さくなっている。したがって、ラジアルすき間の変位量を少なくして適正に保ってクランク軸32の安定した回転を確保することができ、騒音や振動を低減することができる。
また、締め代については、従来におけるクランク軸支持構造においては、150℃での締め代を確保すると、−30℃での締め代は0.045mmまで大きくなる。これに対し、上記した構成のクランク軸支持構造31においては、外輪22とエンジンブロック33との間に配置される樹脂バンド11a、11bにより、−30℃における締め代を考慮し、確保するのみでよい。このように、各環境下におけるラジアルすき間および締め代を適切にすることができる。
以上より、このような転がり軸受21は、組込み性および生産性を良好にして、騒音や振動を低減すると共に、破損の恐れを低減することができる。
また、このようなクランク軸支持構造31は、組込み性および生産性が良好であり、騒音や振動を低減すると共に、破損の恐れを低減した転がり軸受21を含むため、生産性を良好にし、騒音や振動を低減すると共に長寿命化を図ることができる。
なお、上記の実施の形態においては、樹脂バンド11aは、2つの分割樹脂バンド部品12a、12bから構成されることにしたが、これに限らず、周方向の一箇所において分割されており、周方向の両端部が連結可能な一体型の樹脂バンド11aであってもよい。このような樹脂バンド11aによっても、周方向の一部において分割された部分を利用し、樹脂バンド11aを弾性変形させて外径側から組込むことができる。また、3つ以上の分割樹脂バンド部品から形成されていてもよい。
また、上記の実施の形態においては、2つの樹脂バンド11a、11bを転がり軸受21に設けることにしたが、これに限らず、1つの樹脂バンドのみを設ける構成にしてもよいし、3つ以上の樹脂バンドを設けることにしてもよい。
なお、上記の実施の形態においては、外輪22の外径面28a、28bに設けた溝部29a〜29dに樹脂バンド11a、11bを嵌め込むようにして設けることにしたが、これに限らず、外径面28a、28bにそのまま樹脂バンド11a、11bを嵌めるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態においては、分割樹脂バンド部品12a、12bのうち、周方向両端部13a、13bに設けられた凸部14aと凹部14bを径方向から嵌め込むようにして連結することにしたが、これに限らず、弾性変形を利用して軸方向から嵌め込むように構成してもよいし、周方向に押し込むようにして嵌め込む構成としてもよい。さらに、止め具や接着等の連結手段を利用して連結することにしてもよい。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明に係る転がり軸受は、自動車用部品として有効に利用される。
この発明の一実施形態に係る転がり軸受に備えられる樹脂バンドを外径側から見た拡大図である。 この発明の一実施形態に係る転がり軸受に備えられる樹脂バンドを示す図である。 この発明の一実施形態に係る転がり軸受の断面図である。 この発明の一実施形態に係る転がり軸受を含むクランク軸支持構造の一部を示す断面図である。 常温環境において、図4に示すクランク軸支持構造の一部を示す断面図である。 高温環境において、図4に示すクランク軸支持構造の一部を示す断面図である。 低温環境において、図4に示すクランク軸支持構造の一部を示す断面図である。 従来におけるクランク軸支持構造の一部を示す図である。 常温環境において、図8に示すクランク軸支持構造の一部を示す図である。 高温環境において、図8に示すクランク軸支持構造の一部を示す断面図である。 低温環境において、図8に示すクランク軸支持構造の一部を示す断面図である。
符号の説明
11a,11b 樹脂バンド、12a,12b,12c,12d 分割樹脂バンド部品、13a,13b 端部、14a 凸部、14b 凹部、15 すき間、21 転がり軸受、22 外輪、23 ころ、24 保持器、25a,25b 分割外輪部品、26a,26b 分割保持器部品、27 軌道面、28a,28b 外径面、29a,29b,29c,29d 溝部、31 クランク軸支持構造、32 クランク軸、33 エンジンブロック、34a,34b 分割エンジンブロック部品。

Claims (6)

  1. 複数の分割外輪部品を周方向に配置して形成される外輪と、
    前記外輪の軌道面を転動する複数のころと、
    前記外輪の外径側に配置される樹脂バンドとを備える転がり軸受であって、
    前記樹脂バンドは、周方向に分割されており、
    前記樹脂バンドの周方向の両端部には、前記外輪の外径面上で前記樹脂バンドの離脱を可能とし、前記樹脂バンドの周方向の端部同士を連結可能とするよう周方向に係合する凹凸部が設けられている、転がり軸受。
  2. 前記樹脂バンドは、複数の分割樹脂バンド部品を周方向に配置して形成される、請求項1に記載の転がり軸受。
  3. 常温状態において、前記両端部の間には、熱膨張を許容する周方向のすき間が設けられている、請求項1または2に記載の転がり軸受。
  4. 前記外輪の外径面には、径方向内側に凹んだ溝部が設けられており、
    前記樹脂バンドは、前記溝部に嵌め込むように配置される、請求項1〜3のいずれかに記載の転がり軸受。
  5. 前記樹脂バンドは、低温時に前記外輪と前記外輪の外径側に配置される部材との間に締め代を有し、高温時に前記樹脂バンドと前記外輪の外径側に配置される部材との間に締め代を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の転がり軸受。
  6. 前記樹脂バンドの一方端部には、周方向に突出する凸部と、前記凸部の先端から軸方向に突出する突出部が設けられており、
    前記樹脂バンドの他方端部には、前記凸部に係合し、前記突出部を受け入れるくぼみが設けられた凹部が設けられている、請求項1〜5のいずれかに記載の転がり軸受。
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