JP5047570B2 - 界面活性剤および表面張力低下方法 - Google Patents
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Description
フッ素系界面活性剤として用いることができる共重合体としては、たとえば、以下の共重合体が知られている。
(1)含フッ素モノマーと、親媒基を有するモノマーとのランダム共重合体(特許文献1、2)。
(2)含フッ素モノマーに由来する単位を含む分子鎖からなるセグメントと、他の分子鎖からなるセグメントとを有するブロック共重合体(特許文献3、4)。
式(1)で表されるモノマーに由来する単位は、セグメント(a1)(100質量%)中90質量%以上であることが好ましい。
本発明の表面張力低下方法は、本発明の界面活性剤を液体に添加して液体の表面張力を低下させることを特徴とする方法である。
本発明の表面張力低下方法によれば、液体の溶媒組成に制限されずに液体の表面張力を下げることができ、その表面張力の低下能により、液体にレベリング性、浸透性、濡れ性等の機能を付与できる。
ブロック共重合体(A)は、モノマー(1)に由来する単位を含む分子鎖からなるセグメント(a1)と、他の分子鎖からなるセグメント(a2)とを有するブロック共重合体である。
セグメント(a1)は、モノマー(1)に由来する単位を含む分子鎖からなるセグメントである。
2価の連結基としては、−O−、−S−、−NH−、−SO2 −、−PO2 −、−CH=CH−、−CH=N−、−N=N−、−N(O)=N−、−OCO−、−COO−、−COS−、−CONH−、−COCH2 −、−CH2 CH2 −、−CH2 −、−CH2 NH−、−CH2 −、−CO−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−CO−、直鎖状または分岐状のアルキレン基、アルケニレン基、アルキレンオキシ基、2価の4〜7員環の置換基、2価の6員環の芳香族炭化水素基、2価の4〜6員環の脂環式炭化水素基、2価の5または6員環の複素環基、これらの縮合環、2価の連結基の組み合わせから構成される基等が挙げられる。
CH2=CH−COO−(CH2)2−(CF2)4−F、
CH2=CH−COO−(CH2)2−(CF2)6−F、
CH2=C(CH3)−COO−(CH2)2−(CF2)4−F、
CH2=C(CH3)−COO−(CH2)2−(CF2)6−F、
CH2=CH−COO−(CH2)3−(CF2)4−F、
CH2=CH−COO−(CH2)3−(CF2)6−F、
CH2=CH−COO−CH2CH(OH)CH2−(CF2)4−F、
CH2=CH−COO−CH2CH(OH)CH2−(CF2)6−F、
CH2=C(CH3)−COO−(CH2)3−(CF2)4−F、
CH2=C(CH3)−COO−(CH2)3−(CF2)6−F、
CH2=C(CH3)−COO−CH2CH(OH)CH2−(CF2)4−F、
CH2=C(CH3)−COO−CH2CH(OH)CH2−(CF2)6−F、
CH2=CH−C6H4−(CF2)4−F、
CH2=CH−C6H4−(CF2)6−F、
CH2=CH−COO−CH2CH2N(CH3)−SO2−(CF2)4−F、
CH2=CH−COO−CH2CH2N(CH3)−SO2−(CF2)6−F、
CH2=C(CH3)−COO−CH2CH2N(CH3)−SO2−(CF2)4−F、
CH2=C(CH3)−COO−CH2CH2N(CH3)−SO2−(CF2)6−F、
CH2=CH−COO−CH2CH2N(C2H5)−SO2−(CF2)4−F、
CH2=CH−COO−CH2CH2N(C2H5)−SO2−(CF2)6−F、
CH2=C(CH3)−COO−CH2CH2N(C2H5)−SO2−(CF2)4−F、
CH2=C(CH3)−COO−CH2CH2N(C2H5)−SO2−(CF2)6−F、
CH2=CH−COO−(CH2)2−N(CH2CH2CH3)−SO2−(CF2)4F、
CH2=CH−COO−(CH2)2−N(CH2CH2CH3)−SO2−(CF2)6F、
CH2=C(CH3)−COO−(CH2)2−N(CH2CH2CH3)−SO2−(CF2)4F、
CH2=C(CH3)−COO−(CH2)2−N(CH2CH2CH3)−SO2−(CF2)6F、
CH2=CH−CO−NH−CH2−C4F9 、
CH2=CH−CO−NH−CH2−C5F11、
CH2=CH−CO−NH−CH2−C6F13、
CH2=CH−CO−NH−CH2CH2O−CO−C4F9 、
CH2=CH−CO−NH−CH2CH2O−CO−C5F11、
CH2=CH−CO−NH−CH2CH2O−CO−C6F13。
モノマー(1)に由来する単位の含有量は、ブロック共重合体(A)を製造する際のモノマー、高分子重合開始剤等の、分子鎖を構成しうる原料の仕込み比から求める。
セグメント(a2)は、モノマー(1)に由来する単位を含まない分子鎖からなるセグメントである。
セグメント(a2)は、ブロック共重合体(A)の製造のしやすさの点で、後述の高分子重合開始剤に由来する分子鎖を含むことが好ましい。
−(CH2 CH2 O)m −または−(O−Si(CH3 )2 )m −は、セグメント(a2)の主鎖に含まれていてもよく、側鎖に含まれていてもよい。各種溶媒への溶解性の点で、主鎖に含まれていていることが好ましい。−(CH2 CH2 O)m −または−(O−Si(CH3 )2 )m −を側鎖に導入する場合、−(CH2 CH2 O)m −または−(O−Si(CH3 )2 )m −を含むアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルを共重合させる。
ブロック共重合体(A)の製造方法としては、たとえば、高分子重合開始剤を用いる方法、TEMPO法等の、含ニトロシル基化合物を用いる方法、イニファータを用いる方法、チオ酢酸等の含硫黄化合物をもとにポリマー連鎖移動剤を用いる方法等の公知の方法が挙げられ、重合の容易さの点で、高分子重合開始剤を用いる方法が好ましい。
モノマーの重合法としては、ラジカル重合法、アニオン重合法、カチオン重合法等が挙げられる。
溶媒の存在下で行った場合、ブロック共重合体(A)は溶液の状態で得られる。本発明のように界面活性剤を液体に添加する場合は、反応溶媒を適切に選ぶことで、溶媒留去を行わずに、ブロック共重合体(A)溶液をそのまま界面活性剤として用いることができる。
重合圧力は、簡便であるという点から、常圧、または、閉鎖系の場合、重合開始剤の分解によって生じるガス程度の圧力が好ましい。
重合時の雰囲気は、空気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気、ヘリウム雰囲気等が挙げられ、重合時のラジカルを消費しないために不活性ガスの雰囲気下が好ましい。
構造(2)を有する化合物としては、たとえば、和光純薬工業社製のVPEシリーズ(VPE−0201、VPE−0401、VPE−0601)等が挙げられる。
構造(3)を有する化合物としては、たとえば、和光純薬工業社製のVPSシリーズ(VPS−0501、VPS−1001)等が挙げられる。
高分子重合開始剤は、多官能開始剤を用いて合成できる。
本発明の界面活性剤は、ブロック共重合体(A)を含有する。ブロック共重合体(A)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ブロック共重合体(A)の含有量は、界面活性剤(100質量%)中0.001〜100質量%が好ましい。ブロック共重合体(A)の含有量がこの範囲内であると、表面張力の低下能に優れる、粘度が改善されて扱いやすくなる、等の効果を奏する。
有機溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、t−ブタノール等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、N−メチルピロリドン等の極性溶媒;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ピリジン、ピペラジン等の含窒素系溶媒;ヘキサン、オクタン、デカン、イソヘキサン等のパラフィン類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等が挙げられる。溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
すなわち、表面張力の低下を目的とする場合、通常では、炭素数の多いパーフルオロアルキル基を有する化合物を用いるが、本発明では、表面張力の低下能に劣ると思われる炭素数の少ないパーフルオロアルキル基を有する化合物を用いたところ、静的表面張力および動的表面張力の低下能に優れるという予想外の効果を奏することがわかった。
本発明の界面活性剤は、少量の添加でも充分な表面張力の低下能を発揮できることから、各種用途に用いることができる。たとえば、浸透剤、濡れ性改良剤、レベリング剤、塗料・顔料添加剤、乳化剤、消火薬剤、床ワックス、洗浄剤、起泡剤、消泡剤等が挙げられ、レベリング剤として好適である。
レベリング剤は、ブロック共重合体(A)を含有するものであり、必要に応じて、溶媒、他の成分を含有していてもよい。
溶媒としては、水、有機溶媒、フッ素系溶媒等が挙げられる。
溶質としては、各種樹脂等が挙げられる。
添加剤としては、本発明の界面活性剤を除く各種界面活性剤、カップリング剤、金属酸化物、酸化防止剤、帯電防止剤、防錆剤、防曇剤、紫外線防止剤、感光剤等が挙げられる。
本発明の表面張力低下方法は、本発明の界面活性剤を液体に添加して液体の表面張力を低下させる方法である。
有機溶媒としては、上述の界面活性剤の溶媒と同様のものが挙げられる。
なお、界面活性剤の溶媒と、表面張力低下方法において界面活性剤を添加される液体とは、溶解性に問題がない限り、同一であってもよく、異なっていてもよい。
溶質としては、各種樹脂が挙げられる。樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、含フッ素樹脂等が挙げられる。溶質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
添加剤としては、炭化水素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、本発明の界面活性剤を除くフッ素系界面活性剤、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、金属酸化物、酸化防止剤、帯電防止剤、防錆剤、防曇剤、紫外線防止剤、感光剤等が挙げられる。
100mlガラス瓶に、2−(パーフルオロヘキシル)−エチルアクリレート(ダイキン化成品販売社製)2.04g、VPE−0201(和光純薬工業社製)8.12g 酢酸エチル30.0gを仕込み、密閉させた後70℃で16時間加熱振動させた。その後、ガラス瓶を冷却し、重合を停止させブロック共重合体の酢酸エチル溶液を得た。得られたブロック共重合体の分子量をゲルパーミッションクロマトグラフィ(昭和電工社製、GPC−101、以下GPCと記す。)により測定したところ、Mn=13,230、Mw=32,221であった。
VPE−0201をVPS−0501(和光純薬工業社製)に変更した以外は、実施例1と同様にしてブロック共重合体の酢酸エチル溶液を得た。得られたブロック共重合体の分子量をGPCにより測定したところ、Mn=28,760、Mw=58,458であった。
100mlガラス瓶に、2−(パーフルオロヘキシル)−エチルメタクリレート(ダイキン化成品販売社製)3.30g、CH2 =C(CH3 )−COO−(C2 H4 O)n H(ただしnは平均2である。)(日本油脂社製、PE−90)13.29g、オクタンチオール(和光純薬工業社製)0.20g、イソプロパノール33.04g、化合物(4)(和光純薬工業社製、V−601)0.24gを仕込み、密閉させた後70℃で16時間加熱振動させた。その後、ガラス瓶を冷却し、重合を停止させ、ランダム共重合体のイソプロパノール溶液を得た。得られたランダム共重合体の分子量をGPCにより測定したところ、Mn=12,608、Mw=42,361であった。
PE−90を、CH2 =C(CH3 )−COO−(C2 H4 O)10(C3 H6 O)20(C2 H4 O)10Hに変更した以外は、比較例1と同様にしてランダム共重合体のイソプロパノール溶液を得た。
100mlガラス瓶に、2−(パーフルオロオクチル)−エチルメタクリレート(ダイキン化成品販売社製)2.00g、VPE−0401(和光純薬工業社製)8.00g、酢酸エチル30.01gを仕込み、密閉させた後70℃で16時間振動させた。その後、ガラス瓶を冷却し、重合を停止させ、ランダム共重合体の酢酸エチル溶液を得た。得られたランダム共重合体の分子量をGPCにより測定したところ、Mn=16,137、Mw=37,537であった。
実施例1、2および比較例1〜3の各共重合体の、各溶媒に対する溶解性を評価した。各共重合体の濃度は1質量%とした。25℃において観察を行い、透明な溶液となったものを「○」、透明な溶液とならずに沈殿したものを「×」と評価した。結果を表1に示す。
Claims (6)
- 下式(1)で表されるモノマーに由来する単位を含む分子鎖からなるセグメント(a1)と、他の分子鎖からなるセグメント(a2)とを有するブロック共重合体(A)を含有し、
セグメント(a2)が、高分子アゾ開始剤に由来する−(CH 2 CH 2 O) m −(ただし、mは5〜300の整数である。)または−(O−Si(CH 3 ) 2 ) m −(ただし、mは5〜300の整数である。)を主鎖に含む、界面活性剤。
- 式(1)で表されるモノマーに由来する単位が、ブロック共重合体(A)(100質量%)中10〜45質量%である、請求項1または2に記載の界面活性剤。
- 式(1)で表されるモノマーに由来する単位が、セグメント(a1)(100質量%)中90質量%以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の界面活性剤。
- レベリング剤である、請求項1〜4のいずれかに記載の界面活性剤。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の界面活性剤を液体に添加して液体の表面張力を低下させる表面張力低下方法。
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