JP5047410B2 - レンズ鏡筒 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、相対的に進退可能な複数の鏡枠を有するレンズ鏡筒に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の進退可能な鏡枠を有するレンズ鏡筒において、円筒状の鏡枠を進退駆動するものとして、光軸に対して斜行するカム溝とそのカム溝に摺動自在に嵌入するカムフォロワを組み合わせた機構が一般的に利用されている。上述のカム溝に嵌入するカムフォロワの摺接構造としては、従来からカム摺動面上をカムフォロワの摺動面の全面が単に摺接して駆動されるような構造が採られていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のカムとカムフォロワを適用するレンズ鏡筒等においては、近年の製品の小型化や軽量化の要求から鏡枠の大きさが小さくなり、また、鏡枠の厚さ自体もも薄くなる傾向にある。したがって、鏡枠自体が変形しやすくなっており、カムフォロワに力が掛かった場合に鏡枠が変形してカムとカムフォロワとの係合が外れてしまうおそれがあった。
【0004】
本発明は、上述の不具合を解決するためになされたものであり、カムフォロワを適用した枠進退機構を有するレンズ鏡筒において、カムフォロワの嵌合部分での外れが発生しにくく、しかも、枠の小型化が可能であって、スムーズな進退駆動が可能なレンズ鏡筒を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様によるレンズ鏡筒は、カム面である摺動面をカムフォロワの摺動面に対応して形成したカム溝を有する第一の枠と、 上記カムフォロアの軸部が固着される軸穴を有し、上記第一の枠と相対移動する第二の枠と、
上記第二の枠の軸穴に固着される軸部と、該軸部の軸方向である上記第一の枠側の延長部に設けられ、上記カム溝のカム面と摺動する面を有して軸方向に分離して並設された複数の摺動面と、外力が作用したとき上記カム溝のカム面に食い込むための上記軸方向に分離して並設された複数の摺動面の端部のそれぞれに形成された上記第二の枠側に逃げ角を有する逃げ面を持つ複数のエッジ部と、を有したカムフォロワと、を具備している。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、レンズ鏡筒の参考例を図に基づいて説明する。
図1,2は、参考例のレンズ鏡筒50の分解斜視図である。図3,4は、上記レンズ鏡筒1の各状態での縦断面図であって、図3は、沈胴状態を示し、図4は、上半部が撮影準備状態およびワイド状態を、下半部がテレ状態を示す。なお、図1,2の分解斜視図における各部材は、形状を明らかにするために必ずしも組み立て状態時の回転姿勢では示されていない。
【0009】
本レンズ鏡筒50は、図1に示す沈胴位置から撮影準備位置間、すなわち、沈胴駆動領域の進退駆動を行う沈胴駆動系50Aと、図2に示す各レンズ群枠の繰り出し駆動を行うレンズ群駆動系50Bと、レンズ群枠部50Cとからなる。
【0010】
上記沈胴駆動系50Aは、図1に示すように、主にカメラ本体に固定支持され、ヘリコイド駆動ギヤ7および駆動リング3を有する固定枠1と、沈胴位置と撮影準備位置間を進退し、上記撮影準備位置でワイド位置からテレ位置間を回動する回転枠2と、後述する移動枠5に回動自在に支持されるヘリコイドリング4と、上記回転枠2と共に沈胴位置と撮影可能位置間を直進移動する移動枠5とからなる。
【0011】
上記沈胴駆動系50Aの各構造部材について詳細に説明すると、上記固定枠1は、カメラ本体51(図3参照)に固着して支持されており、その外周部に貫通する移動枠突起挿通用直進溝1dが設けられ、内周部にヘイコイド雌ネジ1a、および、直進溝1bが設けられている。さらに、先端部に設けられている駆動リング支持部1cには、駆動リング3が回動駆動可能に装着され、当て板6により、上記駆動リング3のスラスト位置が規制される。また、外周部に軸方向に沿う長尺ギヤ形状のヘリコイドリング駆動ギヤ7が回転可能に支持され、その歯部は、固定枠内周部に露出している。
なお、上記直進溝1b、および、後述する各直進溝は、撮影光学系の光軸Oに平行に設けられる溝とする。
【0012】
上記駆動リング3には、外周部に図示しないズーム駆動系に噛合して駆動されるズームギヤ3aおよび図示しないファインダ駆動系に噛合して駆動されるファインダギヤ3bとが設けられ、内周部に切り欠き状の凹部3cが設けられている。
【0013】
上記回転枠2には、その内周部に谷状溝である直進溝2aと、内周前方(被写体側)端部に内周溝2bが設けられ、外周部に突起2cが設けられている。なお、上記直進溝2aは、その溝幅が光軸中心に向けて拡大する溝形状を有している。この直進溝2aには、後述するカム枠M11に固着されるテーパ状カムフォロワ17が摺動可能に嵌合する。
【0014】
上記ヘリコイドリング4には、その外周部にヘリコイド雄ネジ4aと駆動ギヤ4bとが設けられている。
【0015】
上記移動枠5には、その外周部にストロボ駆動用突起5aと、直進ガイド用突起5b,5cと、突起5dと、上記突起5cと突起5bおよび各突起5c間を結ぶリング状のリブ部と上記突起5dの間に形成される周方向ガイド5eと、先端に突起5fとが設けられ、内周部に3組の複列の直進溝5gが設けられている。さらに、内外周を貫通する3つの谷状溝であるカム溝5hが設けられている。なお、上記カム溝5hは、光軸Oに対して斜行する斜行溝部を有し、その溝幅が光軸中心に向けて縮小する溝形状を有しており、このカム溝5hには、後述するカム枠M11に支持されたテーパ状カムフォロワ18が摺動(転動)可能に嵌合する。
【0016】
上述の各部材で構成される沈胴駆動系50Aにおいて、上記移動枠5にはその周方向ガイド5eに上記ヘリコイドリング4が嵌入し、軸方向位置が規制された状態で回動自在に保持され、さらに、内周部には後述するレンズ群駆動系50Bおよび各レンズ群枠部50Cが回動,進退自在に組み込まれる。その移動枠5は、回転枠2の内周部に嵌入されるが、その嵌入状態で突起5fが内周溝2bと係合するので、回転枠2に対して軸方向位置が規制された状態で回動自在に支持されることになる。
【0017】
上記回転枠2および移動枠5は、それぞれ突起2c,5c,5bを直進溝1bおよび1dに嵌入させた状態で固定枠1に直進可能状態で挿入される。そのとき、ヘリコイドリング4のヘリコイド雄ネジ4aを固定枠1のヘリコイド雌ネジ1aに、また、駆動ギヤ4bをヘリコイドリング駆動ギヤ7にそれぞれ噛合させる。
【0018】
上記回転枠2および移動枠5の固定枠1への組み付け状態において、移動枠5と回転枠2がフィルム面側の沈胴位置にあるときに(図3参照)、ヘリコイドリング駆動ギヤ7を時計回り(被写体側から見て)B1 方向に回転させると、ヘリコイドリング4が反時計回りC1 方向に回動する。その回動によって移動枠5と回転枠2がD1 方向(被写体側方向)に一体的に撮影準備位置まで繰り出される(図4の上半部分参照)。
【0019】
上記撮影準備位置に到達した状態では、回転枠2は、その突起2cが固定枠1の直進溝1bから外れ、駆動リングの凹部3c側に嵌合する。この状態でズーム駆動系により駆動リング3をE0 方向に回動駆動させると、回転枠2が回動し、撮影準備位置から同方向に僅か回動してワイド位置へ到達し、さらに、同方向に回動するとテレ位置へズーム駆動される。
【0020】
なお、駆動リング3を上述とは逆方向のE1 方向に回転駆動することによって、回転枠2がズーム位置から撮影準備位置へ回動し、さらに、ヘリコイドリング駆動ギヤ7を上述とは逆方向のB0 方向に回転駆動することによって、回転枠2および移動枠5を沈胴位置に繰り込むことができる。
【0021】
次に、上記レンズ群駆動系50Bについて説明する。
レンズ群駆動系50Bは、図2に示すように、主に可動フレア絞り15を支持する枠部材であり、移動枠5内に嵌入して進退駆動され、回転枠2と共に回転する樹脂製の第一の枠であるカム枠M11と、カム枠M11と共に回転し、2群枠22を介して進退駆動されるカム枠F12と、キー押さえ14が固着され、レンズ群枠を直進ガイドするキーリング13と、カム枠M11に支持され、直進移動する絞り部材である可動フレア絞り15とからなる。
【0022】
レンズ群駆動系50Bを構成する上記各部材について詳細に説明する。
上記カム枠M11は、上記移動枠5の内周に回動かつ進退可能に嵌入する部材であり、外周部には、可動フレア絞りの先端凸部15cが摺動する摺動面としての外周面11aと、段差面としての段差側面11bと、段差周面11cと、所定幅の端部外周面11a′と、段差周面11cの周方向に隣接する周方向傾斜面11dとが設けられている。
【0023】
さらに、カム枠M11の外周部には、光軸中心に向けて径が増大するテーパ状の摺動面をもつ3つのカムフォロワ17がその軸部17aを圧入して固着保持されいる。また、上記カムフォロワ17の軸部17aに回転自在に支持され、光軸中心に向けて径が縮小するテーパ状の3つのカムフォロワ18も配設されている。
【0024】
なお、上記段差周面11cは、フィルム面側端部に上記外周面11aより一段低く形成される面であって、可動フレア絞り15の腕部の先端凸部15cが摺接する摺動面である。なお、上記段差周面11cの軸方向の幅は、先端凸部15cが周方向に摺動できるように先端凸部15cの軸方向の幅よりも僅かに大きいものとする。
【0025】
また、カム枠M11の内周部には、フィルム面側端部に設けられる内周溝11eと、3つの直進溝11fと、光軸Oに対し傾斜する斜行溝部を有する3つの2群カム溝11gとが設けられている。
【0026】
さらに、カム枠M11の外周部には、3つのカムフォロワ17がその軸部17aにより圧入固着される。また、上記カムフォロワ17の軸部17aには、光軸中心に向けて径が縮小する円錐面を持つ3つのカムフォロワ18が回転自在に嵌入する。
【0027】
図5は、上記カム枠M11に固着されるカムフォロワ17の正面図であり、図6は、カムフォロワ17の組み付け状態の断面図であって、上記カムフォロワ17がカム枠M11へ固着され、かつ、挿入された上記カムフォロワ18を移動枠5のカム溝5hに嵌入させ、さらに、カムフォロワの摺動部を回転枠2のカム溝2aに嵌入させた状態を示す。
【0028】
上記カムフォロワ17は、軸部17a側に向けて(固着状態では光軸Oに向けて)、径が増大する円錐面状の摺動面17cと、軸部17aと、軸部下方端部に設けられるエッジ部17bとを有している。上記エッジ部17bは、軸部17aの径d1 と同一径で、角度90°のエッジ角θ2 を有し、軸部17a側に角度90°である溝角θ1 のVカット部が設けられている。
【0029】
カムフォロワ17の軸部17aがカム枠M11の軸穴11hに圧入、および/または、接着で固着された取り付け状態では、上記エッジ部17bは、軸穴11h内に位置している。そして、カムフォロワ17に外力が作用して該カムフォロワが傾こうとすると、エッジ部17bが上記軸穴11hに食い込む。したがって、回転枠2,移動枠5のカム溝を介して摺動面17cやカムフォロワ18が押圧され、軸部17aに光軸Oに沿う方向や直交する方向の力F1 ,F2 が作用しても(図6参照)、上記エッジ部17bの食い込みにより軸部17aの抜け出しが防止される。
【0030】
上記カム枠F12は、上記カム枠M11の内周に進退可能に嵌合する部材であって、外周部には3つの突起12aが設けられ、内周部には光軸Oに対し傾斜する斜行溝部を有する各3つの1群カム溝12b,2群カム溝12cと、1つの3群カム溝12dとが設けられている。
【0031】
上記可動フレア絞り15は、極薄板の部材であって、中央部に設けられるフレア絞り開口部となる開口15aと、装着前の自由状態で光軸Oに平行な方向から多少内側に向けて延出する弾性変形可能な部分であって、その先端部に周方向に突状の先端凸部15cを有する3つの腕部15bとが設けられている。組み付け状態において、上記先端凸部15cは、上記腕部15bが弾性変形してカム枠M11の外周部11a、または、段差周面11cに所定付勢力で当接するものとする。
【0032】
上記キーリング13は、各レンズ群枠を直進ガイドするための薄板状部材であって、ビス孔13aと、位置決め孔13bと、外周に設けられる3つの複列突起13dと、複列突起13dの間の溝13eと、2つの切り欠き13cと、光軸方向に延出する直進キー13fとが設けられている。
【0033】
上記キー押さえ14は、円環の一部がカットされた弾性変形可能な部材であり、外周に沿って設けられる鍔14aと、2つのビス用ネジ孔14bと、上記各ネジ孔の側方に設けられ、位置決め孔13bに嵌入可能な位置決めピン14cと、爪状係止部14eを持つ2つの押さえピン14dとが設けられている。
【0034】
上述の各部材で構成されるレンズ群駆動系50Bにおいて、まず、カム枠M11には、その内周の直進溝11fに突起12aを嵌合させた状態でカム枠F12が進退摺動自在に嵌入され、さらに、カム枠M11およびカム枠F12内周部には、後述する各レンズ群枠が進退自在に組み込まれる。
【0035】
レンズ群枠等が組み込まれたカム枠M11は、沈胴駆動系50Aの移動枠5の内周部に回動自在に嵌入され、カム枠Mのカムフォロワ18がカム溝5hに摺動自在に嵌入する。さらに、カムフォロワ18が嵌入する軸部17aを持つカムフォロワ17は、移動枠5を挿通して、回転枠2の直進溝2aに摺動自在に嵌入する。したがって、回転枠2の回動に伴いカム枠M11が共に回動しながら、移動枠5のカム溝5hによって光軸方向へ進退駆動する。
【0036】
キー押さえ14は、径方向に広げた状態で鍔14aをカム枠M11の内周溝11eに嵌入される。そのキー押さえ14にキーリング13が位置決めピン14cと位置決め孔13bで位置決めされた状態で取り付けられ、ビス16により固着状態とする。したがって、キーリング13は、カム枠M11に対してフィルム側端部に軸方向位置が規制された状態で回動自在に支持される。
【0037】
上記キーリング13は、その複列の突起13dが直進進退する移動枠5の複列の直進溝5gに摺動自在に嵌入されるので、回動することなく直進駆動される。さらに、キーリング13の直進キー13fが後述する2群レンズ枠22の直進ガイド孔22cに摺動自在に嵌入されるので、上記2群枠22、および、2群枠に支持される1群枠21,3群枠23が直進ガイドされる。
【0038】
可動フレア絞り15は、その腕部15bが上記キーリングの凹部13eをフィルム面側から挿通し、先端凸部15cが上記カム枠M11の外周面11a、または、段差周面11cに摺接可能な状態で取り付けられる。
【0039】
次に、上記レンズ群枠部50Cについて説明する。
レンズ群枠部50Cは、カム枠M11,カム枠F12に内蔵され、直進移動する各レンズ群保持枠で構成され、上記カム枠F12を介して進退駆動され、1群レンズ41を保持する1群枠21と、上記キーリング13を介して直進ガイドされ、上記カム枠M11によって進退駆動される樹脂製の第二の枠である2群枠22と、カム枠F12を介して進退駆動される可動フォロワ28と、可動フォロワ28を介して進退駆動され、3群レンズ43を保持する3群枠23と、2群枠22に保持されてフォーカシング駆動系(図示せず)により直進駆動され、2群レンズ42を保持するフォーカシング枠29(図3,4参照)とからなる。
【0040】
上記2群枠22には、外周部に各3つの金属製のカムフォロワ32,33が固着され、先端部に3つの突起22bが設けられている。内周部には、キーリングの直進キー13fが嵌入する直進ガイド孔22cと、光軸O方向に沿う軸孔22d,切り欠き22eと、光軸O方向に沿って固着支持されたガイド軸27と、シャッタ44が装着される開口22aが設けられている。
【0041】
上記1群枠21は、開口部21aに1群レンズ41を保持しており、外周部に3つのカムフォロワ31と、内周部に直進溝21bが設けられている。
【0042】
上記可動フォロワ28は、3群枠23の進退位置を規制する部材であり、2群枠22のガイド軸27の摺動自在に嵌入する軸孔28aと、カムフォロワ28bと、3群枠23を係止するための係止爪28cとが設けられている。
【0043】
上記3群枠23は、2群枠22により直進方向に摺動自在に支持される部材であって、固着支持されるガイド軸24,25と、可動フォロワの係止爪28cとの被係止部23bが設けられ、開口部に3群レンズ43が保持されている。
【0044】
フォーカシング枠29は、2群レンズ42を保持し、上記2群枠22に進退可能に支持され、図示しないフォーカシング駆動系によって進退駆動される(図3,4参照)。
【0045】
以上のような構成部材からなるレンズ群枠部50Cにおいては、2群枠22には、被写体側外周の突起22bを1群枠の直進溝21bに摺動自在に嵌入させて1群枠21が装着される。また、軸孔22d,切り欠き22eに3群枠のガイド軸24,25を摺動自在に嵌入させて3群枠23が装着される。なお、ガイド軸24には圧縮バネ26が挿入されており、常時、3群枠23は、フィルム面方向への付勢力を受けている。
【0046】
さらに、2群枠22には、そのガイド軸27に軸孔28aを摺動自在に嵌入させて可動フォロワ28が装着される。上記3群枠23がカメラ本体51の当接力を受けない状態では、可動フォロワ28の係止爪28cが3群枠23の被係止部23bに係合することによって、3群枠23の位置決めがなされる。
【0047】
上述のレンズ群枠部50Cは、前述したレンズ群駆動系50Bのカム枠M11およびカム枠F12に直進進退可能状態で組み込まれる。また、直進ガイドされるキーリング13の直進キー13fが2群枠22の直進ガイド孔22cに摺動自在に嵌入しているので、2群枠22と共に、1,3群枠21,23および可動フォロワ28も直進進退可能に支持される。
【0048】
そして、1群枠のカムフォロワ31は、カム枠Fの1群カム溝12bに嵌入し、2群枠のカムフォロワ32および33は、カム枠Mの2群カム溝11gとカム枠Fの2群カム溝12cにそれぞれ嵌入する。さらに、可動フォロワのカムフォロワ28bは、カム枠Fの3群カム溝12dに嵌入する。
【0049】
したがって、カム枠M11に対する各枠部材等の進退位置としては、2群枠22は、カム枠M11の2群カム溝11gで位置決めされ、カム枠F12は、2群枠22とカム枠F12の2群カム溝12cによって位置決めされる。さらに、可動フォロワ28がカム枠Fの3群カム溝12dによって位置決めされ、3群枠23は、上記可動フォロワ28の係止部28cを介して位置決めされる。
【0050】
ここで、上記2群枠22の外周部に固着されるカムフォロワ32と、カムフォロワ32が摺動自在に嵌入するカム枠M11のカム溝11gの形状とその摺動動作について詳細に説明する。
図7は、上記カムフォロワ32の正面図であり、図8は、2群枠22に固着されたカムフォロワ32とカム枠M11のカム溝11gとの嵌合状態を示す縦断面図である。
【0051】
カムフォロワ32は、図7に示すように軸部側に向けて広がるテーパ角(円錐母線角)θ3 をもつ円錐形状の摺動面32aと、上記摺動面の軸側の最大径部、すなわち、カム溝から離脱する方向の端部に設けられるエッジ部32bと、Vカット溝32gの一部であって、上記エッジ部32bを形成するための逃げ角θ4 を持つ逃げ面32cと、Vカット溝32gの下部のフランジ部32hと、圧入装着の座部32dと、圧入のガイドとなる導入軸部32fをもつ軸部32eとを有している。
なお、上記軸部32eは、2群枠22の軸穴22fに圧入、および/または、接着される軸部であって、上記導入軸部32fは、軸部32eよりもわずかに小径とする。
【0052】
一方、カム枠M11のカム溝11gのカム面である摺動傾斜面は、カムフォロワ32の摺動面32aのテーパ角θ3 に対応した台形状面である。そして、カムフォロワ32の摺動面32aが嵌入した状態では、図8に示すようにカム溝11gの摺動傾斜面が摺動面32aの接触長さより長く、エッジ部32bがカム溝11gの摺動傾斜面内に位置するような状態で嵌合している。
【0053】
カム枠M11の回動,進退駆動力は、カム溝11gに嵌入したカムフォロワ32を介して、2群枠22に伝達され、進退駆動される。その駆動動作中、カム枠M11のカム溝11gの傾斜面とカムフォロワ32の摺動面32aとの当接面には押圧による反力が発生する。
【0054】
上記反力によりカム枠M11,2群枠22は、互いに外,内方向に変形しようとする。前述したように従来の鏡枠のカム溝,カムフォロワの構造であれば、上記の変形により上記鏡枠のカム溝,カムフォロワの嵌合が外れてしまう危険性がある。しかし、上述したカム溝11gとカムフォロワ32との組み合わせの場合、図8に示すように摺動面32aの下方端のエッジ部32bがカム溝11gの摺動傾斜面上で当接していることから、樹脂製のカム溝11gの摺動傾斜面に食い込んで行くように作用する。その食い込み作用によってカム溝11gとカムフォロワの摺動面32aが離れようとする状態が規制され、その嵌合部が外れにくくなる。
【0055】
次に、以上のように構成されたレンズ鏡筒50の沈胴,繰り出し動作について説明する。
レンズ鏡筒50が沈胴状態にあるときは、図3に示すように回転枠2等すべての部材は、固定枠1内部に沈胴した状態に保持されている。このとき、3群枠23と可動フレア絞り15は、カメラ本体51のアパーチャ51a近傍に設けられた突起51bで押圧され、収納位置にある。なお、この状態では可動フレア絞り15の先端凸部15cは、カム枠M11の外周面11a上を摺接しており、前方に移動している。
【0056】
レンズ鏡筒50を沈胴状態から撮影準備状態に駆動するには、ヘリコイドリング駆動ギヤ7をB1 方向に回転させ、ヘリコイドリング4をC1 方向に回動させる。その回動により回転枠2と移動枠5が直進溝1bにガイドされながら一体的にD1 方向に移動し、沈胴位置から撮影準備位置まで繰り出される(図4上半部分参照)。この状態では、移動枠5は、直進溝1d,1bに係合した状態のままであるが、回転枠2は、その突起2cが直進溝1bから解放され、駆動リング3の凹部3cに係合し、駆動リング3によって回動可能な状態となる。
【0057】
上記撮影準備状態からさらにズーム駆動系によって駆動リング3をE0 方向に僅かな角度だけ回動させると、レンズ鏡筒50は図4の上半部分に示すワイド状態となる。
【0058】
また、沈胴状態から撮影準備状態およびワイド状態への駆動過程で1群枠21,2群枠22は、回転枠2,移動枠5と共に繰り出される。3群枠23は、圧縮バネ26の付勢力でカム枠M11および2群枠22から相対的に後方へ離間し、可動フォロワ28の係止爪28cが3群枠23の被係止部23bと係合する位置であるワイド対応位置に相対的に後退する。
【0059】
また、上記駆動過程で可動フレア絞り15は、カム枠M11に対して後退する3群枠23に押圧され、同様に相対的に後退する。そのとき、腕部15bの先端凸部15cは、カム枠M11の端部外周面上に到達し、さらに、カム枠M11が僅かワイド位置までE0 方向に回動すると、連続傾斜面11dを摺動降下して段差周面11c上に達する。この状態での可動フレア絞り15は、カム枠M11に対して所定の相対位置にあり、正常なフレア絞りとして機能する。
【0060】
レンズ鏡筒50のワイド状態からテレ状態への駆動は、駆動リング3をE0 方向に回動駆動し、回転枠2を同方向に回動させることによって行われる(図4の下半部参照)。すなわち、回転枠2のE0 方向への回動に伴って、カム枠M11が回動し、移動枠5のカム溝5hに沿って繰り出される。また、カム枠F12も直進溝11fによりカム枠M11と共に回動し、その繰り出し位置は、カム溝12cの嵌入する2群枠22のカムフォロワ33を介して位置決めされる。
【0061】
そして、2群枠22は、キーリング13により直進ガイドされた状態でカムフォロワ32が嵌入するカム枠M11の2群カム溝11gによりテレ対応位置に繰り出される。また、1群枠21は、カムフォロワ31が嵌入するカム枠F12の1群カム溝12bにより同様にテレ対応位置に繰り出される。さらに、3群枠23は、可動フォロワ28がカム枠F12の3群カム溝12dにより位置決めされ、その可動フォロワ28の係止爪28bにより同様にテレ対応位置に位置決めされる。
【0062】
また、ワイド状態からテレ状態をカム枠M11が回動,進退駆動する間、可動フレア絞り15は、キーリング13の溝13eによって回動することなく保持され、その先端凸部15cが段差側面11bとキーリング13の溝13eの側面とで挟まれた状態で段差周面11c上を摺接する。したがって、可動フレア絞り15は、カム枠M11に対して所定の離間位置に確実に保持され、正常なフレア絞りとして機能する。
【0063】
次に、レンズ鏡筒50をワイド状態から撮影準備状態さらに沈胴状態に駆動する場合は、駆動リング3を、一旦、E1 方向に回動させて撮影準備状態とする。その状態で1群枠21,2群枠22は、移動枠5内に繰り込まれている。3群枠23は、カム枠M11に対して相対的にまだ後退した位置にある(図4の上半部分参照)。また、可動フレア絞り15の腕部の先端凸部15cは、カム枠M11がE1 方向に回動するので、段差周面11c上から連続傾斜面11dを摺動して端部外周面11a′上に位置する。
【0064】
その後、ヘリコイドリング駆動ギヤ7をB0 方向に回転駆動して、ヘリコイドリング4をC0 方向に回動させると、移動枠5と共に回転枠2がD0 方向に後退し、回転枠2の突起2cの駆動リング3に対する係合が解放される。さらに、ヘリコイドリング4の回転を続行すると、回転枠2が移動枠5とともにD0 方向に移動し、固定枠1内に収納される沈胴位置まで繰り込まれる(図3参照)。
【0065】
上記の沈胴動作で3群枠23と可動フレア絞り15は、カメラ本体51の突起51bに押圧されて圧縮バネ26の付勢力に抗して相対的に前進する。そして、3群枠23は、2群枠22の内部に収納される(図3参照)。一方、可動フレア絞り15もカム枠M11に対して相対的に光軸方向に前進し、腕部の先端凸部15cがカム枠M11の端部外周面から外周面11a上を前方に摺動し、収納状態となる(図3参照)。
【0066】
以上、説明した参考例のレンズ鏡筒50において、カム枠M11の軸穴11hに圧入されるカムフォロワ17には、図6に示すようにその軸部17aにエッジ部17bが設けられており、カムフォロワが傾こうとしたとき、あるいは、抜け出そうとしたときにエッジ部17bが軸穴11hに食い込む。したがって、例えば、カム枠M11の肉厚が薄く、その変形により上記軸部17aに対して摺動面17aや他のカムフォロワ18により光軸Oに沿う方向やそれに直交する方向の力が作用したとしても、上記食い込み作用により軸部17aの抜け出しが確実に防止される。特にカムフォロワ17が金属であり、カム枠M11が樹脂製であれば、上記食い込みによる効果が顕著となる。
【0067】
また、カム枠M11と2群枠22におけるカム溝とカムフォロワの駆動機構では、図8に示すようにカムフォロワ32の円錐形状の摺動面32aの端部の最大径部にエッジ部32bを設け、そのエッジ部32bをカム溝11gの摺動面上に当接させている。
【0068】
カム枠M11と2群枠22間の回動,進退動作中にカム溝11gと摺動面32aの嵌合部にカムフォロワ32を倒す方向の圧接力が作用した場合、例えば、上記枠部材の厚みが薄く、変形、または、変形しようとしても、エッジ部32bがカム枠M11のカム溝11gの摺動面に食い込むように作用する。上述の食い込み作用によって、カム溝11gとカムフォロワ32の嵌合の外れが確実に防止され、良好な2群枠22の進退駆動が得られる。特にカムフォロワ32が金属であり、カム枠M11が樹脂製であれば、上記食い込みによる効果が顕著となる。
【0069】
次に、上記カムフォロワ17,32の各例について説明する。
まず、上記カムフォロワの第一の例として、図9の斜視図に示すカムフォロワ62が提案できる。このカムフォロワ62は、前記図7に示したカムフォロワ32に対して同じ円錐形状の摺動面62aを持つが、上記円錐面の側面がカットされたカット面62fとなっている。その他は上記カムフォロワ32と同様にエッジ部62bと逃げ面62cと圧入、および/または、接着用軸部62eが設けられており、前記カムフォロワ32と同様の効果が得られ、しかも、カムフォロワの占有スペ−スが小さくなる。
【0070】
また、上記カムフォロワの第二の例として、図10のカム溝,枠部組み付け状態断面図に示すカムフォロワ63を提案できる。このカムフォロワ63は、前記図7に示したカムフォロワ32に対して同じ円錐形状の摺動面63a,エッジ部63b,逃げ面63c,V溝部63gを有しているが、2群枠22の軸穴22fに圧入、および/または、接着される軸としての軸部63e上にV溝部63gが付され、エッジ部63h,63iが形成されている点が異なる。
【0071】
このカムフォロワ63を適用した場合、カム溝を介して該カムフォロワに側方向の外力、または、軸方向の抜力が作用したとき、エッジ部63bによるカム溝11gへの食い込み作用によってカム枠M11のカム溝11gに対して摺動面63aが外れにくくなると同時に、上記エッジ部63hが軸穴22fに食い込み、軸部63eが2群枠22から脱落しにくくなる。したがって、鏡筒の良好な動作状態が得られ、また、鏡枠寸法を不必要に大きくする必要がなく、レンズ鏡筒の小型化が図れる。特にカムフォロワ63が金属であり、カム枠M11と2群枠22が樹脂製であれば、上記食い込みによる効果が顕著となる。
【0072】
また、上記カムフォロワの第三の例として、図11のカム溝,枠部組み付け状態断面図に示すカムフォロワ64を提案できる。このカムフォロワ64は、前記図7に示したカムフォロワ32に対して同じ円錐形状の摺動面64a,エッジ部64bと軸部64e,軸導入部64fが設けられているが、エッジ部64bを形成するための逃げ面64cがVカット溝ではなく円錐面のみで形成され、その下方にフランジ部を設けない点が異なっている。なお、エッジ部64bは、カム溝11gの摺接面内に位置しているものとする。
【0073】
このカムフォロワ64を適用すれば、上記カムフォロワ32による効果に加えて、逃げ面64cの下部の傾斜突出部分を無くした形状を採用していることから、カム枠M11のカム溝11gの深さを浅くすることが可能であり、レンズ鏡筒のさらなる小型化が図れる。
【0074】
また、上記カムフォロワの第四の変形例として、図12の正面図に示すカムフォロワ65を提案できる。このカムフォロワ65は、前記図5,6に示したカムフォロワ17に対して同じ円錐形状の摺動面65cを持つが、圧入軸部65aのエッジ部65bの形状が異なるものである。すなわち、軸部65a上に所定幅の凹状逃げ部65dを設け、その逃げ部65dの下側部に軸部65aと同一径のエッジ部65bを設けたものである。
【0075】
このカムフォロワ65を2群枠22の軸穴22fに圧入、および/または、接着して取り付けた状態において、カム溝を介して該カムフォロワに軸直交方向(側方向)、または、軸方向(抜き方向)の外力が作用した場合、上記エッジ部65bが軸穴22fに食い込むように作用し、外れにくく、上記一実施の形態におけるカムフォロワ17と同一の効果が得られる。
【0076】
次に、本発明の第1の実施形態を図13から図15を参照して説明する。
図13の正面図に示すカムフォロワ66を提案できる。図14は、上記カムフォロワのエッジ部の部分拡大図である。
【0077】
上記カムフォロワ66は、前記図7に示したカムフォロワ32に対して同じ円錐形状の摺動面を持つが、その円錐形状の摺動面の中央部をV溝66gと摺動面下端部をV溝66hとで切り欠いた形状を有し、さらに、取り付け軸部も2つのV溝66i,66jで切り欠いた形状を有している。
【0078】
すなわち、カムフォロワ66の上記円錐形状の摺動面は、テーパ角(円錐母線角)θ11をもつ円錐形状の分離摺動面66a,66bからなる。その分離摺動面間にV溝66gが設けられる。摺動面66aの下端に逃げ角θ12の逃げ面を持つエッジ66nが形成される。摺動面66bの上端に逃げ角θ13の逃げ面を持つエッジ66pが形成される。さらに、摺動面66bの下部は、V溝66hの切り欠きを有しており、摺動面66bの下端に逃げ角θ14の逃げ面を持つエッジ66qが形成される。V溝66hの下部は、上記円錐形状の摺動面の内部に収まる円筒部、すなわち、少なくとも摺動面66bを超えない径の円筒面部(フランジ部)66cが設けられている。
【0079】
一方、カムフォロワ66には円筒面部66cの下方に軸径d2 の軸部66dが設けられる。上記軸部66dは、2つのV溝66i,66jでその中央部が切り欠かれている。このV溝によってエッジ部66r,66s,66tが形成される。軸部66dの先端には、より小さい径の導入軸部66vが設けられている。
【0080】
上記エッジ部66sは、図14の部分拡大図に示すように軸径d2 の微小幅部b1 を有している。なお、上記エッジ部66s、また、他のエッジ部66n,66q等は、微小の曲率をもつ角部であってもよい。
【0081】
図15のカムフォロワのカム溝,枠部組み付け状態断面図は、上記カムフォロワ66の軸部66dを2群枠22の軸穴22fに圧入、および/または、接着して固着し、カム枠M11のカム溝11g内に摺動面66a,66bを挿入した状態を示している。上記カム溝11gは、同様に台形断面のカム面溝である。なお、上記組み付け状態でエッジ部66r,66s,66tは、少なくとも軸穴22f内に位置し、エッジ部66n,66qは、少なくともカム溝11gの摺動面内に位置している。
【0082】
上記カムフォロワ66のカム溝,枠部組み付け状態において、該カムフォロワとカム溝間に軸直交方向(側方向)、または、軸方向(抜き方向)に外力が作用したとしても上記軸部66dは、2つのエッジ部66s,66tが2群枠22の軸穴22fに食い込むように採用することから強い保持力が作用してカムフォロワの軸部66dの外れがより確実に防止できる。同時にカムフォロワ66の摺動面66a,66bとカム枠M11のカム溝11gとは上記2つのエッジ部66n,66qがカム溝11gの摺動面に対して食い込むので強い保持力が作用していることから、カム枠M11,2群枠22の変形等による摺動面66a,66bとカム溝11gとの外れがより確実に防止される。特にカムフォロワ66が金属であり、カム枠M11および2群枠22が樹脂製であれば、上記食い込みによる効果が顕著となる。
【0083】
また、上記カムフォロワの参考例として、図16のカム溝,枠部組み付け状態断面図に示すカムフォロワ72を提案できる。このカムフォロワ72は、前記図7に示したカムフォロワ32に対して摺動面が円筒形状である点が異なるものである。すなわち、円筒形状の摺動面72aと軸部72eとを有しており、摺動面72aの中央部は、V溝72cで切り欠かれ、エッジ部72b,72dが形成されている。
【0084】
上記カムフォロワ72は、例えば、前記2群枠22に相当する枠部材74に対してその軸部72eを軸穴74aに圧入、および/または、接着して固着させる。そして、摺動面72aを、例えば、前記カム枠M11に相当するカム枠73の平行カム溝73aに摺動自在に嵌入して取り付ける。なお、この取り付け状態でエッジ部72b,72dは、平行カム溝73aの摺動面内に位置している。
【0085】
上記カムフォロワ72の取り付け状態において、該カムフォロワにカム溝を介して外力が作用したとき、エッジ部63bの平行カム溝73aへの食い込み作用により平行カム溝73aに対して摺動面72aが軸方向にずれにくく、嵌合部はずれが防止される。特にカムフォロワ72が金属であり、カム枠73が樹脂製であれば、上記食い込みによる効果が顕著となる。
【0086】
本発明の第2の実施形態を図17から図19を参照して説明する。
図17の正面図に示すカムフォロワ75を提案できる。図18(A),(B)は、上記カムフォロワのエッジ部の部分拡大図である。
【0087】
上記カムフォロワ75は、前記図16に示したカムフォロワ72に対して同じ円筒形状の摺動面を持つが、その円筒形状の摺動面上方部に2つのV溝75e,75fを設け、さらに、取り付け軸部も2つのV溝75g,75hで切り欠かれた形状を有している。
【0088】
すなわち、カムフォロワ75の上記摺動面75aは、外径d3 の円筒形状の摺動面である。2つのV溝75e,75fと上方傾斜面75rとで形成されるエッジ部75i,75jも同心の外径d3 を有し、図18(A)の部分拡大図に示すようにそれぞれ摺動面75aと同一軸径d3 の微小幅部b2 を有している。なお、上記エッジ部75i,75jは、微小の曲率をもつ角部であってもよい。
【0089】
一方、カムフォロワ75には円筒摺動面75aの下方には軸径d4 の軸部75bが設けられる。上記軸部75bは、2つのV溝75g,75hでその中央部が切り欠かれている。このV溝によってエッジ部75m,75n,75pが形成される。軸部75bの先端には、より小さい径の導入軸部75rが設けられている。
【0090】
上記エッジ部75nは、図18(B)の部分拡大図に示すように軸部75bと同一軸径d4 の微小幅部b3 を有している。なお、上記エッジ部75rは、微小の曲率をもつ角であってもよい。
【0091】
図19のカムフォロワのカム溝,枠部組み付け状態断面図に示すように、枠部材74に対して上記カムフォロワ75の軸部75bを軸穴74aに圧入、および/または、接着して固着する。そして、摺動面75aをカム枠73の平行カム溝73aに摺動自在に嵌入させて取り付ける。なお、この取り付け状態でエッジ部75i,75jは、少なくとも平行カム溝73aのカム面である摺動面内に位置し、エッジ部75n,75pは、少なくとも軸穴74a内に位置している。
【0092】
上記カムフォロワ75の取り付け状態において、該カムフォロワとカム溝間に側方向、または、抜き方向の外力が作用してもエッジ部75i,75jの平行カム溝73aへの食い込み作用によりカム枠73の平行カム溝73aに対する摺動面75aの軸方向のずれによる嵌合部外れが防止される。同時にエッジ部75n,75pの軸穴74aに対する食い込み現象によりカムフォロワの軸部75bが枠部材の軸穴74aから抜け出しが防止される。特にカムフォロワ75が金属であり、カム枠73および枠部材74が樹脂製であれば、上記食い込みによる効果が顕著となる。
【0094】
【発明の効果】
上述のように本発明のレンズ鏡筒によると、枠のカム溝に嵌合するカムフォロワの摺動面端にカム溝の摺動面上に当接する複数のエッジ部を設けていることから、回動、あるいは、進退動作中、上記エッジ部がカム溝の摺動面に食い込む力が大きく、上記枠の枠厚みが薄く、回動,進退動作で変形、または、変形しようとした場合であっても、上記食い込み作用によりカムフォロワとカム溝との嵌合の外れが確実に防止でき、良好な枠の駆動が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例のレンズ鏡筒を構成する沈胴駆動系の分解斜視図。
【図2】 参考例のレンズ鏡筒を構成するレンズ群駆動系およびレンズ群枠部の分解斜視図。
【図3】 参考例のレンズ鏡筒の縦断面図であり、沈胴状態を示す。
【図4】 参考例のレンズ鏡筒の縦断面図であり、上半部が撮影準備状態およびワイド状態を示し、下半部がテレ状態を示す。
【図5】 上記参考例のレンズ鏡筒のカム枠Mに固着されるカムフォロワの正面図。
【図6】 上記参考例のレンズ鏡筒において、図5のカムフォロワをカム枠Mに固着し、回転枠等に組み込んだ状態の縦断面図。
【図7】 上記参考例のレンズ鏡筒における2群枠に固着されるカムフォロワの正面図。
【図8】 上記参考例のレンズ鏡筒において、図7のカムフォロワのカム枠Mのカム溝との嵌合状態での断面図。
【図9】 上記参考例のレンズ鏡筒におけるカムフォロワに対する第一の例のカムフォロワの斜視図。
【図10】 上記参考例のレンズ鏡筒におけるカムフォロワに対する第二の例のカムフォロワの嵌合状態での断面図。
【図11】 上記参考例のレンズ鏡筒におけるカムフォロワに対する第三の例のカムフォロワの嵌合状態での断面図。
【図12】 上記参考例のレンズ鏡筒におけるカムフォロワに対する第四の例のカムフォロワの正面図。
【図13】 本発明の第1の実施形態のレンズ鏡筒におけるカムフォロワを示す正面図。
【図14】 図13のカムフォロワのエッジ部の部分拡大図。
【図15】 上記1実施形態のレンズ鏡筒におけるカムフォロワの嵌合状態を示す断面図。
【図16】 カムフォロワの参考例を示す嵌合状態での断面図。
【図17】 本発明の第2の実施形態のレンズ鏡筒におけるカムフォロワを示す正面図。
【図18】 図17のカムフォロワのエッジ部の部分拡大図であって、図18(A)は、摺動面のエッジ部部分拡大図であり、図18(B)は、軸部のエッジ部部分拡大図である。
【図19】 上記第2の実施形態のレンズ鏡筒におけるカムフォロワの嵌合状態を示す断面図。
Claims (1)
- カム面である摺動面をカムフォロワの摺動面に対応して形成したカム溝を有する第一の枠と、
上記カムフォロアの軸部が固着される軸穴を有し、上記第一の枠と相対移動する第二の枠と、
上記第二の枠の軸穴に固着される軸部と、該軸部の軸方向である上記第一の枠側の延長部に設けられ、上記カム溝のカム面と摺動する面を有して軸方向に分離して並設された複数の摺動面と、外力が作用したとき上記カム溝のカム面に食い込むための上記軸方向に分離して並設された複数の摺動面の端部のそれぞれに形成された上記第二の枠側に逃げ角を有する逃げ面を持つ複数のエッジ部と、を有したカムフォロワと、
を具備したことを特徴とするレンズ鏡筒。
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