JP2001280447A - カムフォロワおよびレンズ鏡筒 - Google Patents

カムフォロワおよびレンズ鏡筒

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JP2001280447A
JP2001280447A JP2000099331A JP2000099331A JP2001280447A JP 2001280447 A JP2001280447 A JP 2001280447A JP 2000099331 A JP2000099331 A JP 2000099331A JP 2000099331 A JP2000099331 A JP 2000099331A JP 2001280447 A JP2001280447 A JP 2001280447A
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cam
cam follower
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shaft
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Tamotsu Koiwai
保 小岩井
立男 ▲高▼梨
Tatsuo Takanashi
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】鏡枠進退機構を有するレンズ鏡筒において、枠
部材に固着されるカムフォロワの抜けが防止できるレン
ズ鏡筒を提供する。 【解決手段】本レンズ鏡筒においては、回動可能に支持
されるカム枠M11の内周部に2群枠22が嵌入されて
いる。カム枠M11にはカムフォロワ66が嵌合するカ
ム溝11gが設けられ、2群枠22の軸穴22fにはカ
ムフォロワ66の軸部66dが圧入固着される。上記2
群枠に圧入される上記カムフォロワの軸部66dには、
複数のエッジ部66s,66tが形成されており、カム
フォロワ66にカム溝11gを介して外力が作用した場
合、上記エッジ部66s,66tが軸穴22fに食い込
むように作用し、カムフォロワの軸穴からの抜けが防止
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カムに摺動嵌合す
る摺接面とを有するカムフォロワ、および、相対的に進
退可能な複数の鏡枠を有するレンズ鏡筒に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の進退可能な鏡枠を有するレンズ鏡
筒において、円筒状の鏡枠を進退駆動するものとして、
光軸に対して斜行するカム溝とそのカム溝に摺動自在に
嵌入するカムフォロワを組み合わせた機構が一般的に利
用されている。上述のカムフォロワの鏡枠に対する固着
構造として、従来ではカムフォロワのストレートな軸部
を鏡枠の固定用穴に圧入して固着する構造が採用されて
いた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
カムとカムフォロワを適用するレンズ鏡筒等において
は、近年の製品の小型化や軽量化の要求から鏡枠の大き
さが小さくなり、また、鏡枠の厚さも薄くなる傾向にあ
る。したがって、鏡枠に圧入されているカムフォロワの
軸部の寸法も極めて短くなっていることから、カムフォ
ロワに力が掛かった場合に上記圧入された軸部が外れた
り、ぐらついたりするといった危惧があった。なお、上
記軸部の固着に接着剤を用いることは生産工程上、ま
た、製品管理上不適当な点があり、適用が困難である。
【0004】本発明は、上述の不具合を解決するために
なされたものであり、枠の進退機構を有するレンズ鏡筒
において、鏡枠に固着されたカムフォロワの抜け等が発
生しにくく、しかも、枠の小型化が可能なカムフォロ
ワ、または、レンズ鏡筒を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
カムフォロワは、枠部材に嵌入される軸部と、カムに摺
動嵌合する摺動嵌合部とを有するカムフォロワにおい
て、上記軸部に複数のエッジ部を形成する。
【0006】本発明の請求項2記載のレンズ鏡筒は、カ
ム部を有する第一の枠と、上記第一の枠と相対移動する
第二の枠と、複数のエッヂ部を持つ軸部と上記カム部と
摺接する摺接面とを有し、上記軸部により上記第二の枠
に固着されるカムフォロワとを有しており、上記上記第
二の枠に固着されるカムフォロワは、上記第一の枠のカ
ム部に嵌合し、第一の枠と第二の枠とは相対的に移動す
る。
【0007】本発明の請求項3記載のレンズ鏡筒は、カ
ム部を有する第一の枠と、上記第一の枠と相対移動する
第二の枠と、複数のエッヂ部を持つ軸部と上記カム部と
摺接する摺接面とを有し、上記軸部により上記第二の枠
に固着されるカムフォロワと、上記第二の枠に設けら
れ、上記カムフォロワの上記軸部と嵌合する穴部とを有
し、上記カムフォロワが傾こうとしたときに上記エッジ
部が上記穴部内周に食い込むことによって、上記カムフ
ォロワの軸部の上記第二の枠からの抜け出しが防止され
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて説明する。図1,2は、本発明の一実施の形態
であるレンズ鏡筒50の分解斜視図である。図3,4
は、上記レンズ鏡筒1の各状態での縦断面図であって、
図3は、沈胴状態を示し、図4は、上半部が撮影準備状
態およびワイド状態を、下半部がテレ状態を示す。な
お、図1,2の分解斜視図における各部材は、形状を明
らかにするために必ずしも組み立て状態時の回転姿勢で
は示されていない。
【0009】本レンズ鏡筒50は、図1に示す沈胴位置
から撮影準備位置間、すなわち、沈胴駆動領域の進退駆
動を行う沈胴駆動系50Aと、図2に示す各レンズ群枠
の繰り出し駆動を行うレンズ群駆動系50Bと、レンズ
群枠部50Cとからなる。
【0010】上記沈胴駆動系50Aは、図1に示すよう
に、主にカメラ本体に固定支持され、ヘリコイド駆動ギ
ヤ7および駆動リング3を有する固定枠1と、沈胴位置
と撮影準備位置間を進退し、上記撮影準備位置でワイド
位置からテレ位置間を回動する回転枠2と、後述する移
動枠5に回動自在に支持されるヘリコイドリング4と、
上記回転枠2と共に沈胴位置と撮影可能位置間を直進移
動する移動枠5とからなる。
【0011】上記沈胴駆動系50Aの各構造部材につい
て詳細に説明すると、上記固定枠1は、カメラ本体51
(図3参照)に固着して支持されており、その外周部に
貫通する移動枠突起挿通用直進溝1dが設けられ、内周
部にヘイコイド雌ネジ1a、および、直進溝1bが設け
られている。さらに、先端部に設けられている駆動リン
グ支持部1cには、駆動リング3が回動駆動可能に装着
され、当て板6により、上記駆動リング3のスラスト位
置が規制される。また、外周部に軸方向に沿う長尺ギヤ
形状のヘリコイドリング駆動ギヤ7が回転可能に支持さ
れ、その歯部は、固定枠内周部に露出している。なお、
上記直進溝1b、および、後述する各直進溝は、撮影光
学系の光軸Oに平行に設けられる溝とする。
【0012】上記駆動リング3には、外周部に図示しな
いズーム駆動系に噛合して駆動されるズームギヤ3aお
よび図示しないファインダ駆動系に噛合して駆動される
ファインダギヤ3bとが設けられ、内周部に切り欠き状
の凹部3cが設けられている。
【0013】上記回転枠2には、その内周部に谷状溝で
ある直進溝2aと、内周前方(被写体側)端部に内周溝
2bが設けられ、外周部に突起2cが設けられている。
なお、上記直進溝2aは、その溝幅が光軸中心に向けて
拡大する溝形状を有している。この直進溝2aには、後
述するカム枠M11に固着されるテーパ状カムフォロワ
17が摺動可能に嵌合する。
【0014】上記ヘリコイドリング4には、その外周部
にヘリコイド雄ネジ4aと駆動ギヤ4bとが設けられて
いる。
【0015】上記移動枠5には、その外周部にストロボ
駆動用突起5aと、直進ガイド用突起5b,5cと、突
起5dと、上記突起5cと突起5bおよび各突起5c間
を結ぶリング状のリブ部と上記突起5dの間に形成され
る周方向ガイド5eと、先端に突起5fとが設けられ、
内周部に3組の複列の直進溝5gが設けられている。さ
らに、内外周を貫通する3つの谷状溝であるカム溝5h
が設けられている。なお、上記カム溝5hは、光軸Oに
対して斜行する斜行溝部を有し、その溝幅が光軸中心に
向けて縮小する溝形状を有しており、このカム溝5hに
は、後述するカム枠M11に支持されたテーパ状カムフ
ォロワ18が摺動(転動)可能に嵌合する。
【0016】上述の各部材で構成される沈胴駆動系50
Aにおいて、上記移動枠5にはその周方向ガイド5eに
上記ヘリコイドリング4が嵌入し、軸方向位置が規制さ
れた状態で回動自在に保持され、さらに、内周部には後
述するレンズ群駆動系50Bおよび各レンズ群枠部50
Cが回動,進退自在に組み込まれる。その移動枠5は、
回転枠2の内周部に嵌入されるが、その嵌入状態で突起
5fが内周溝2bと係合するので、回転枠2に対して軸
方向位置が規制された状態で回動自在に支持されること
になる。
【0017】上記回転枠2および移動枠5は、それぞれ
突起2c,5c,5bを直進溝1bおよび1dに嵌入さ
せた状態で固定枠1に直進可能状態で挿入される。その
とき、ヘリコイドリング4のヘリコイド雄ネジ4aを固
定枠1のヘリコイド雌ネジ1aに、また、駆動ギヤ4b
をヘリコイドリング駆動ギヤ7にそれぞれ噛合させる。
【0018】上記回転枠2および移動枠5の固定枠1へ
の組み付け状態において、移動枠5と回転枠2がフィル
ム面側の沈胴位置にあるときに(図3参照)、ヘリコイ
ドリング駆動ギヤ7を時計回り(被写体側から見て)B
1 方向に回転させると、ヘリコイドリング4が反時計回
りC1 方向に回動する。その回動によって移動枠5と回
転枠2がD1 方向(被写体側方向)に一体的に撮影準備
位置まで繰り出される(図4の上半部分参照)。
【0019】上記撮影準備位置に到達した状態では、回
転枠2は、その突起2cが固定枠1の直進溝1bから外
れ、駆動リングの凹部3c側に嵌合する。この状態でズ
ーム駆動系により駆動リング3をE0 方向に回動駆動さ
せると、回転枠2が回動し、撮影準備位置から同方向に
僅か回動してワイド位置へ到達し、さらに、同方向に回
動するとテレ位置へズーム駆動される。
【0020】なお、駆動リング3を上述とは逆方向のE
1 方向に回転駆動することによって、回転枠2がズーム
位置から撮影準備位置へ回動し、さらに、ヘリコイドリ
ング駆動ギヤ7を上述とは逆方向のB0 方向に回転駆動
することによって、回転枠2および移動枠5を沈胴位置
に繰り込むことができる。
【0021】次に、上記レンズ群駆動系50Bについて
説明する。レンズ群駆動系50Bは、図2に示すよう
に、主に可動フレア絞り15を支持する枠部材であり、
移動枠5内に嵌入して進退駆動され、回転枠2と共に回
転する樹脂製の第一の枠であるカム枠M11と、カム枠
M11と共に回転し、2群枠22を介して進退駆動され
るカム枠F12と、キー押さえ14が固着され、レンズ
群枠を直進ガイドするキーリング13と、カム枠M11
に支持され、直進移動する絞り部材である可動フレア絞
り15とからなる。
【0022】レンズ群駆動系50Bを構成する上記各部
材について詳細に説明する。上記カム枠M11は、上記
移動枠5の内周に回動かつ進退可能に嵌入する部材であ
り、外周部には、可動フレア絞りの先端凸部15cが摺
動する摺動面としての外周面11aと、段差面としての
段差側面11bと、段差周面11cと、所定幅の端部外
周面11a′と、段差周面11cの周方向に隣接する周
方向傾斜面11dとが設けられている。
【0023】さらに、カム枠M11の外周部には、光軸
中心に向けて径が増大するテーパ状の摺動面をもつ3つ
のカムフォロワ17がその軸部17aを圧入して固着保
持されいる。また、上記カムフォロワ17の軸部17a
に回転自在に支持され、光軸中心に向けて径が縮小する
テーパ状の3つのカムフォロワ18も配設されている。
【0024】なお、上記段差周面11cは、フィルム面
側端部に上記外周面11aより一段低く形成される面で
あって、可動フレア絞り15の腕部の先端凸部15cが
摺接する摺動面である。なお、上記段差周面11cの軸
方向の幅は、先端凸部15cが周方向に摺動できるよう
に先端凸部15cの軸方向の幅よりも僅かに大きいもの
とする。
【0025】また、カム枠M11の内周部には、フィル
ム面側端部に設けられる内周溝11eと、3つの直進溝
11fと、光軸Oに対し傾斜する斜行溝部を有する3つ
の2群カム溝11gとが設けられている。
【0026】さらに、カム枠M11の外周部には、3つ
のカムフォロワ17がその軸部17aにより圧入固着さ
れる。また、上記カムフォロワ17の軸部17aには、
光軸中心に向けて径が縮小する円錐面を持つ3つのカム
フォロワ18が回転自在に嵌入する。
【0027】図5は、上記カム枠M11に固着されるカ
ムフォロワ17の正面図であり、図6は、カムフォロワ
17の組み付け状態の断面図であって、上記カムフォロ
ワ17がカム枠M11へ固着され、かつ、挿入された上
記カムフォロワ18を移動枠5のカム溝5hに嵌入さ
せ、さらに、カムフォロワの摺動部を回転枠2のカム溝
2aに嵌入させた状態を示す。
【0028】上記カムフォロワ17は、軸部17a側に
向けて(固着状態では光軸Oに向けて)、径が増大する
円錐面状の摺動面17cと、軸部17aと、軸部下方端
部に設けられるエッジ部17bとを有している。上記エ
ッジ部17bは、軸部17aの径d1 と同一径で、角度
90°のエッジ角θ2 を有し、軸部17a側に角度90
°である溝角θ1 のVカット部が設けられている。
【0029】カムフォロワ17の軸部17aがカム枠M
11の軸穴11hに圧入、および/または、接着で固着
された取り付け状態では、上記エッジ部17bは、軸穴
11h内に位置している。そして、カムフォロワ17に
外力が作用して該カムフォロワが傾こうとすると、エッ
ジ部17bが上記軸穴11hに食い込む。したがって、
回転枠2,移動枠5のカム溝を介して摺動面17cやカ
ムフォロワ18が押圧され、軸部17aに光軸Oに沿う
方向や直交する方向の力F1 ,F2 が作用しても(図6
参照)、上記エッジ部17bの食い込みにより軸部17
aの抜け出しが防止される。
【0030】上記カム枠F12は、上記カム枠M11の
内周に進退可能に嵌合する部材であって、外周部には3
つの突起12aが設けられ、内周部には光軸Oに対し傾
斜する斜行溝部を有する各3つの1群カム溝12b,2
群カム溝12cと、1つの3群カム溝12dとが設けら
れている。
【0031】上記可動フレア絞り15は、極薄板の部材
であって、中央部に設けられるフレア絞り開口部となる
開口15aと、装着前の自由状態で光軸Oに平行な方向
から多少内側に向けて延出する弾性変形可能な部分であ
って、その先端部に周方向に突状の先端凸部15cを有
する3つの腕部15bとが設けられている。組み付け状
態において、上記先端凸部15cは、上記腕部15bが
弾性変形してカム枠M11の外周部11a、または、段
差周面11cに所定付勢力で当接するものとする。
【0032】上記キーリング13は、各レンズ群枠を直
進ガイドするための薄板状部材であって、ビス孔13a
と、位置決め孔13bと、外周に設けられる3つの複列
突起13dと、複列突起13dの間の溝13eと、2つ
の切り欠き13cと、光軸方向に延出する直進キー13
fとが設けられている。
【0033】上記キー押さえ14は、円環の一部がカッ
トされた弾性変形可能な部材であり、外周に沿って設け
られる鍔14aと、2つのビス用ネジ孔14bと、上記
各ネジ孔の側方に設けられ、位置決め孔13bに嵌入可
能な位置決めピン14cと、爪状係止部14eを持つ2
つの押さえピン14dとが設けられている。
【0034】上述の各部材で構成されるレンズ群駆動系
50Bにおいて、まず、カム枠M11には、その内周の
直進溝11fに突起12aを嵌合させた状態でカム枠F
12が進退摺動自在に嵌入され、さらに、カム枠M11
およびカム枠F12内周部には、後述する各レンズ群枠
が進退自在に組み込まれる。
【0035】レンズ群枠等が組み込まれたカム枠M11
は、沈胴駆動系50Aの移動枠5の内周部に回動自在に
嵌入され、カム枠Mのカムフォロワ18がカム溝5hに
摺動自在に嵌入する。さらに、カムフォロワ18が嵌入
する軸部17aを持つカムフォロワ17は、移動枠5を
挿通して、回転枠2の直進溝2aに摺動自在に嵌入す
る。したがって、回転枠2の回動に伴いカム枠M11が
共に回動しながら、移動枠5のカム溝5hによって光軸
方向へ進退駆動する。
【0036】キー押さえ14は、径方向に広げた状態で
鍔14aをカム枠M11の内周溝11eに嵌入される。
そのキー押さえ14にキーリング13が位置決めピン1
4cと位置決め孔13bで位置決めされた状態で取り付
けられ、ビス16により固着状態とする。したがって、
キーリング13は、カム枠M11に対してフィルム側端
部に軸方向位置が規制された状態で回動自在に支持され
る。
【0037】上記キーリング13は、その複列の突起1
3dが直進進退する移動枠5の複列の直進溝5gに摺動
自在に嵌入されるので、回動することなく直進駆動され
る。さらに、キーリング13の直進キー13fが後述す
る2群レンズ枠22の直進ガイド孔22cに摺動自在に
嵌入されるので、上記2群枠22、および、2群枠に支
持される1群枠21,3群枠23が直進ガイドされる。
【0038】可動フレア絞り15は、その腕部15bが
上記キーリングの凹部13eをフィルム面側から挿通
し、先端凸部15cが上記カム枠M11の外周面11
a、または、段差周面11cに摺接可能な状態で取り付
けられる。
【0039】次に、上記レンズ群枠部50Cについて説
明する。レンズ群枠部50Cは、カム枠M11,カム枠
F12に内蔵され、直進移動する各レンズ群保持枠で構
成され、上記カム枠F12を介して進退駆動され、1群
レンズ41を保持する1群枠21と、上記キーリング1
3を介して直進ガイドされ、上記カム枠M11によって
進退駆動される樹脂製の第二の枠である2群枠22と、
カム枠F12を介して進退駆動される可動フォロワ28
と、可動フォロワ28を介して進退駆動され、3群レン
ズ43を保持する3群枠23と、2群枠22に保持され
てフォーカシング駆動系(図示せず)により直進駆動さ
れ、2群レンズ42を保持するフォーカシング枠29
(図3,4参照)とからなる。
【0040】上記2群枠22には、外周部に各3つの金
属製のカムフォロワ32,33が固着され、先端部に3
つの突起22bが設けられている。内周部には、キーリ
ングの直進キー13fが嵌入する直進ガイド孔22c
と、光軸O方向に沿う軸孔22d,切り欠き22eと、
光軸O方向に沿って固着支持されたガイド軸27と、シ
ャッタ44が装着される開口22aが設けられている。
【0041】上記1群枠21は、開口部21aに1群レ
ンズ41を保持しており、外周部に3つのカムフォロワ
31と、内周部に直進溝21bが設けられている。
【0042】上記可動フォロワ28は、3群枠23の進
退位置を規制する部材であり、2群枠22のガイド軸2
7の摺動自在に嵌入する軸孔28aと、カムフォロワ2
8bと、3群枠23を係止するための係止爪28cとが
設けられている。
【0043】上記3群枠23は、2群枠22により直進
方向に摺動自在に支持される部材であって、固着支持さ
れるガイド軸24,25と、可動フォロワの係止爪28
cとの被係止部23bが設けられ、開口部に3群レンズ
43が保持されている。
【0044】フォーカシング枠29は、2群レンズ42
を保持し、上記2群枠22に進退可能に支持され、図示
しないフォーカシング駆動系によって進退駆動される
(図3,4参照)。
【0045】以上のような構成部材からなるレンズ群枠
部50Cにおいては、2群枠22には、被写体側外周の
突起22bを1群枠の直進溝21bに摺動自在に嵌入さ
せて1群枠21が装着される。また、軸孔22d,切り
欠き22eに3群枠のガイド軸24,25を摺動自在に
嵌入させて3群枠23が装着される。なお、ガイド軸2
4には圧縮バネ26が挿入されており、常時、3群枠2
3は、フィルム面方向への付勢力を受けている。
【0046】さらに、2群枠22には、そのガイド軸2
7に軸孔28aを摺動自在に嵌入させて可動フォロワ2
8が装着される。上記3群枠23がカメラ本体51の当
接力を受けない状態では、可動フォロワ28の係止爪2
8cが3群枠23の被係止部23bに係合することによ
って、3群枠23の位置決めがなされる。
【0047】上述のレンズ群枠部50Cは、前述したレ
ンズ群駆動系50Bのカム枠M11およびカム枠F12
に直進進退可能状態で組み込まれる。また、直進ガイド
されるキーリング13の直進キー13fが2群枠22の
直進ガイド孔22cに摺動自在に嵌入しているので、2
群枠22と共に、1,3群枠21,23および可動フォ
ロワ28も直進進退可能に支持される。
【0048】そして、1群枠のカムフォロワ31は、カ
ム枠Fの1群カム溝12bに嵌入し、2群枠のカムフォ
ロワ32および33は、カム枠Mの2群カム溝11gと
カム枠Fの2群カム溝12cにそれぞれ嵌入する。さら
に、可動フォロワのカムフォロワ28bは、カム枠Fの
3群カム溝12dに嵌入する。
【0049】したがって、カム枠M11に対する各枠部
材等の進退位置としては、2群枠22は、カム枠M11
の2群カム溝11gで位置決めされ、カム枠F12は、
2群枠22とカム枠F12の2群カム溝12cによって
位置決めされる。さらに、可動フォロワ28がカム枠F
の3群カム溝12dによって位置決めされ、3群枠23
は、上記可動フォロワ28の係止部28cを介して位置
決めされる。
【0050】ここで、上記2群枠22の外周部に固着さ
れるカムフォロワ32と、カムフォロワ32が摺動自在
に嵌入するカム枠M11のカム溝11gの形状とその摺
動動作について詳細に説明する。図7は、上記カムフォ
ロワ32の正面図であり、図8は、2群枠22に固着さ
れたカムフォロワ32とカム枠M11のカム溝11gと
の嵌合状態を示す縦断面図である。
【0051】カムフォロワ32は、図7に示すように軸
部側に向けて広がるテーパ角(円錐母線角)θ3 をもつ
円錐形状の摺動面32aと、上記摺動面の軸側の最大径
部、すなわち、カム溝から離脱する方向の端部に設けら
れるエッジ部32bと、Vカット溝32gの一部であっ
て、上記エッジ部32bを形成するための逃げ角θ4を
持つ逃げ面32cと、Vカット溝32gの下部のフラン
ジ部32hと、圧入装着の座部32dと、圧入のガイド
となる導入軸部32fをもつ軸部32eとを有してい
る。なお、上記軸部32eは、2群枠22の軸穴22f
に圧入、および/または、接着される軸部であって、上
記導入軸部32fは、軸部32eよりもわずかに小径と
する。
【0052】一方、カム枠M11のカム溝11gのカム
面である摺動傾斜面は、カムフォロワ32の摺動面32
aのテーパ角θ3 に対応した台形状面である。そして、
カムフォロワ32の摺動面32aが嵌入した状態では、
図8に示すようにカム溝11gの摺動傾斜面が摺動面3
2aの接触長さより長く、エッジ部32bがカム溝11
gの摺動傾斜面内に位置するような状態で嵌合してい
る。
【0053】カム枠M11の回動,進退駆動力は、カム
溝11gに嵌入したカムフォロワ32を介して、2群枠
22に伝達され、進退駆動される。その駆動動作中、カ
ム枠M11のカム溝11gの傾斜面とカムフォロワ32
の摺動面32aとの当接面には押圧による反力が発生す
る。
【0054】上記反力によりカム枠M11,2群枠22
は、互いに外,内方向に変形しようとする。前述したよ
うに従来の鏡枠のカム溝,カムフォロワの構造であれ
ば、上記の変形により上記鏡枠のカム溝,カムフォロワ
の嵌合が外れてしまう危険性がある。しかし、上述した
カム溝11gとカムフォロワ32との組み合わせの場
合、図8に示すように摺動面32aの下方端のエッジ部
32bがカム溝11gの摺動傾斜面上で当接しているこ
とから、樹脂製のカム溝11gの摺動傾斜面に食い込ん
で行くように作用する。その食い込み作用によってカム
溝11gとカムフォロワの摺動面32aが離れようとす
る状態が規制され、その嵌合部が外れにくくなる。
【0055】次に、以上のように構成されたレンズ鏡筒
50の沈胴,繰り出し動作について説明する。レンズ鏡
筒50が沈胴状態にあるときは、図3に示すように回転
枠2等すべての部材は、固定枠1内部に沈胴した状態に
保持されている。このとき、3群枠23と可動フレア絞
り15は、カメラ本体51のアパーチャ51a近傍に設
けられた突起51bで押圧され、収納位置にある。な
お、この状態では可動フレア絞り15の先端凸部15c
は、カム枠M11の外周面11a上を摺接しており、前
方に移動している。
【0056】レンズ鏡筒50を沈胴状態から撮影準備状
態に駆動するには、ヘリコイドリング駆動ギヤ7をB1
方向に回転させ、ヘリコイドリング4をC1 方向に回動
させる。その回動により回転枠2と移動枠5が直進溝1
bにガイドされながら一体的にD1 方向に移動し、沈胴
位置から撮影準備位置まで繰り出される(図4上半部分
参照)。この状態では、移動枠5は、直進溝1d,1b
に係合した状態のままであるが、回転枠2は、その突起
2cが直進溝1bから解放され、駆動リング3の凹部3
cに係合し、駆動リング3によって回動可能な状態とな
る。
【0057】上記撮影準備状態からさらにズーム駆動系
によって駆動リング3をE0 方向に僅かな角度だけ回動
させると、レンズ鏡筒50は図4の上半部分に示すワイ
ド状態となる。
【0058】また、沈胴状態から撮影準備状態およびワ
イド状態への駆動過程で1群枠21,2群枠22は、回
転枠2,移動枠5と共に繰り出される。3群枠23は、
圧縮バネ26の付勢力でカム枠M11および2群枠22
から相対的に後方へ離間し、可動フォロワ28の係止爪
28cが3群枠23の被係止部23bと係合する位置で
あるワイド対応位置に相対的に後退する。
【0059】また、上記駆動過程で可動フレア絞り15
は、カム枠M11に対して後退する3群枠23に押圧さ
れ、同様に相対的に後退する。そのとき、腕部15bの
先端凸部15cは、カム枠M11の端部外周面上に到達
し、さらに、カム枠M11が僅かワイド位置までE0 方
向に回動すると、連続傾斜面11dを摺動降下して段差
周面11c上に達する。この状態での可動フレア絞り1
5は、カム枠M11に対して所定の相対位置にあり、正
常なフレア絞りとして機能する。
【0060】レンズ鏡筒50のワイド状態からテレ状態
への駆動は、駆動リング3をE0 方向に回動駆動し、回
転枠2を同方向に回動させることによって行われる(図
4の下半部参照)。すなわち、回転枠2のE0 方向への
回動に伴って、カム枠M11が回動し、移動枠5のカム
溝5hに沿って繰り出される。また、カム枠F12も直
進溝11fによりカム枠M11と共に回動し、その繰り
出し位置は、カム溝12cの嵌入する2群枠22のカム
フォロワ33を介して位置決めされる。
【0061】そして、2群枠22は、キーリング13に
より直進ガイドされた状態でカムフォロワ32が嵌入す
るカム枠M11の2群カム溝11gによりテレ対応位置
に繰り出される。また、1群枠21は、カムフォロワ3
1が嵌入するカム枠F12の1群カム溝12bにより同
様にテレ対応位置に繰り出される。さらに、3群枠23
は、可動フォロワ28がカム枠F12の3群カム溝12
dにより位置決めされ、その可動フォロワ28の係止爪
28bにより同様にテレ対応位置に位置決めされる。
【0062】また、ワイド状態からテレ状態をカム枠M
11が回動,進退駆動する間、可動フレア絞り15は、
キーリング13の溝13eによって回動することなく保
持され、その先端凸部15cが段差側面11bとキーリ
ング13の溝13eの側面とで挟まれた状態で段差周面
11c上を摺接する。したがって、可動フレア絞り15
は、カム枠M11に対して所定の離間位置に確実に保持
され、正常なフレア絞りとして機能する。
【0063】次に、レンズ鏡筒50をワイド状態から撮
影準備状態さらに沈胴状態に駆動する場合は、駆動リン
グ3を、一旦、E1 方向に回動させて撮影準備状態とす
る。その状態で1群枠21,2群枠22は、移動枠5内
に繰り込まれている。3群枠23は、カム枠M11に対
して相対的にまだ後退した位置にある(図4の上半部分
参照)。また、可動フレア絞り15の腕部の先端凸部1
5cは、カム枠M11がE1 方向に回動するので、段差
周面11c上から連続傾斜面11dを摺動して端部外周
面11a′上に位置する。
【0064】その後、ヘリコイドリング駆動ギヤ7をB
0 方向に回転駆動して、ヘリコイドリング4をC0 方向
に回動させると、移動枠5と共に回転枠2がD0 方向に
後退し、回転枠2の突起2cの駆動リング3に対する係
合が解放される。さらに、ヘリコイドリング4の回転を
続行すると、回転枠2が移動枠5とともにD0 方向に移
動し、固定枠1内に収納される沈胴位置まで繰り込まれ
る(図3参照)。
【0065】上記の沈胴動作で3群枠23と可動フレア
絞り15は、カメラ本体51の突起51bに押圧されて
圧縮バネ26の付勢力に抗して相対的に前進する。そし
て、3群枠23は、2群枠22の内部に収納される(図
3参照)。一方、可動フレア絞り15もカム枠M11に
対して相対的に光軸方向に前進し、腕部の先端凸部15
cがカム枠M11の端部外周面から外周面11a上を前
方に摺動し、収納状態となる(図3参照)。
【0066】以上、説明した本実施の形態のレンズ鏡筒
50において、カム枠M11の軸穴11hに圧入される
カムフォロワ17には、図6に示すようにその軸部17
aにエッジ部17bが設けられており、カムフォロワが
傾こうとしたとき、あるいは、抜け出そうとしたときに
エッジ部17bが軸穴11hに食い込む。したがって、
例えば、カム枠M11の肉厚が薄く、その変形により上
記軸部17aに対して摺動面17aや他のカムフォロワ
18により光軸Oに沿う方向やそれに直交する方向の力
が作用したとしても、上記食い込み作用により軸部17
aの抜け出しが確実に防止される。特にカムフォロワ1
7が金属であり、カム枠M11が樹脂製であれば、上記
食い込みによる効果が顕著となる。
【0067】また、カム枠M11と2群枠22における
カム溝とカムフォロワの駆動機構では、図8に示すよう
にカムフォロワ32の円錐形状の摺動面32aの端部の
最大径部にエッジ部32bを設け、そのエッジ部32b
をカム溝11gの摺動面上に当接させている。
【0068】カム枠M11と2群枠22間の回動,進退
動作中にカム溝11gと摺動面32aの嵌合部にカムフ
ォロワ32を倒す方向の圧接力が作用した場合、例え
ば、上記枠部材の厚みが薄く、変形、または、変形しよ
うとしても、エッジ部32bがカム枠M11のカム溝1
1gの摺動面に食い込むように作用する。上述の食い込
み作用によって、カム溝11gとカムフォロワ32の嵌
合の外れが確実に防止され、良好な2群枠22の進退駆
動が得られる。特にカムフォロワ32が金属であり、カ
ム枠M11が樹脂製であれば、上記食い込みによる効果
が顕著となる。
【0069】次に、上記カムフォロワ17,32の各変
形例について説明する。まず、上記カムフォロワの第一
の変形例として、図9の斜視図に示すカムフォロワ62
が提案できる。このカムフォロワ62は、前記図7に示
したカムフォロワ32に対して同じ円錐形状の摺動面6
2aを持つが、上記円錐面の側面がカットされたカット
面62fとなっている。その他は上記カムフォロワ32
と同様にエッジ部62bと逃げ面62cと圧入、および
/または、接着用軸部62eが設けられており、前記カ
ムフォロワ32と同様の効果が得られ、しかも、カムフ
ォロワの占有スペ−スが小さくなる。
【0070】また、上記カムフォロワの第二の変形例と
して、図10のカム溝,枠部組み付け状態断面図に示す
カムフォロワ63を提案できる。このカムフォロワ63
は、前記図7に示したカムフォロワ32に対して同じ円
錐形状の摺動面63a,エッジ部63b,逃げ面63
c,V溝部63gを有しているが、2群枠22の軸穴2
2fに圧入、および/または、接着される軸としての軸
部63e上にV溝部63gが付され、エッジ部63h,
63iが形成されている点が異なる。
【0071】このカムフォロワ63を適用した場合、カ
ム溝を介して該カムフォロワに側方向の外力、または、
軸方向の抜力が作用したとき、エッジ部63bによるカ
ム溝11gへの食い込み作用によってカム枠M11のカ
ム溝11gに対して摺動面63aが外れにくくなると同
時に、上記エッジ部63hが軸穴22fに食い込み、軸
部63eが2群枠22から脱落しにくくなる。したがっ
て、鏡筒の良好な動作状態が得られ、また、鏡枠寸法を
不必要に大きくする必要がなく、レンズ鏡筒の小型化が
図れる。特にカムフォロワ63が金属であり、カム枠M
11と2群枠22が樹脂製であれば、上記食い込みによ
る効果が顕著となる。
【0072】また、上記カムフォロワの第三の変形例と
して、図11のカム溝,枠部組み付け状態断面図に示す
カムフォロワ64を提案できる。このカムフォロワ64
は、前記図7に示したカムフォロワ32に対して同じ円
錐形状の摺動面64a,エッジ部64bと軸部64e,
軸導入部64fが設けられているが、エッジ部64bを
形成するための逃げ面64cがVカット溝ではなく円錐
面のみで形成され、その下方にフランジ部を設けない点
が異なっている。なお、エッジ部64bは、カム溝11
gの摺接面内に位置ているものとする。
【0073】このカムフォロワ64を適用すれば、上記
カムフォロワ32による効果に加えて、逃げ面64cの
下部の傾斜突出部分を無くした形状を採用していること
から、カム枠M11のカム溝11gの深さを浅くするこ
とが可能であり、レンズ鏡筒のさらなる小型化が図れ
る。
【0074】また、上記カムフォロワの第四の変形例と
して、図12の正面図に示すカムフォロワ65を提案で
きる。このカムフォロワ65は、前記図5,6に示した
カムフォロワ17に対して同じ円錐形状の摺動面65c
を持つが、圧入軸部65aのエッジ部65bの形状が異
なるものである。すなわち、軸部65a上に所定幅の凹
状逃げ部65dを設け、その逃げ部65dの下側部に軸
部65aと同一径のエッジ部65bを設けたものであ
る。
【0075】このカムフォロワ65を2群枠22の軸穴
22fに圧入、および/または、接着して取り付けた状
態において、カム溝を介して該カムフォロワに軸直交方
向(側方向)、または、軸方向(抜き方向)の外力が作
用した場合、上記エッジ部65bが軸穴22fに食い込
むように作用し、外れにくく、上記一実施の形態におけ
るカムフォロワ17と同一の効果が得られる。
【0076】また、上記カムフォロワの第五の変形例と
して、図13の正面図に示すカムフォロワ66を提案で
きる。図14は、上記カムフォロワのエッジ部の部分拡
大図である。
【0077】上記カムフォロワ66は、前記図7に示し
たカムフォロワ32に対して同じ円錐形状の摺動面を持
つが、その円錐形状の摺動面の中央部をV溝66gと摺
動面下端部をV溝66hとで切り欠いた形状を有し、さ
らに、取り付け軸部も2つのV溝66i,66jで切り
欠いた形状を有している。
【0078】すなわち、カムフォロワ66の上記円錐形
状の摺動面は、テーパ角(円錐母線角)θ11をもつ円錐
形状の分離摺動面66a,66bからなる。その分離摺
動面間にV溝66gが設けられる。摺動面66aの下端
に逃げ角θ12の逃げ面を持つエッジ66nが形成され
る。摺動面66bの上端に逃げ角θ13の逃げ面を持つエ
ッジ66pが形成される。さらに、摺動面66bの下部
は、V溝66hの切り欠きを有しており、摺動面66b
の下端に逃げ角θ14の逃げ面を持つエッジ66qが形成
される。V溝66hの下部は、上記円錐形状の摺動面の
内部に収まる円筒部、すなわち、少なくとも摺動面66
bを超えない径の円筒面部(フランジ部)66cが設け
られている。
【0079】一方、カムフォロワ66には円筒面部66
cの下方に軸径d2 の軸部66dが設けられる。上記軸
部66dは、2つのV溝66i,66jでその中央部が
切り欠かれている。このV溝によってエッジ部66r,
66s,66tが形成される。軸部66dの先端には、
より小さい径の導入軸部66vが設けられている。
【0080】上記エッジ部66sは、図14の部分拡大
図に示すように軸径d2 の微小幅部b1 を有している。
なお、上記エッジ部66s、また、他のエッジ部66
n,66q等は、微小の曲率をもつ角部であってもよ
い。
【0081】図15のカムフォロワのカム溝,枠部組み
付け状態断面図は、上記カムフォロワ66の軸部66d
を2群枠22の軸穴22fに圧入、および/または、接
着して固着し、カム枠M11のカム溝11g内に摺動面
66a,66bを挿入した状態を示している。上記カム
溝11gは、同様に台形断面のカム面溝である。なお、
上記組み付け状態でエッジ部66r,66s,66t
は、少なくとも軸穴22f内に位置し、エッジ部66
n,66qは、少なくともカム溝11gの摺動面内に位
置している。
【0082】上記カムフォロワ66のカム溝,枠部組み
付け状態において、該カムフォロワとカム溝間に軸直交
方向(側方向)、または、軸方向(抜き方向)に外力が
作用したとしても上記軸部66dは、2つのエッジ部6
6s,66tが2群枠22の軸穴22fに食い込むよう
に採用することから強い保持力が作用してカムフォロワ
の軸部66dの外れがより確実に防止できる。同時にカ
ムフォロワ66の摺動面66a,66bとカム枠M11
のカム溝11gとは上記2つのエッジ部66n,66q
がカム溝11gの摺動面に対して食い込むので強い保持
力が作用していることから、カム枠M11,2群枠22
の変形等による摺動面66a,66bとカム溝11gと
の外れがより確実に防止される。特にカムフォロワ66
が金属であり、カム枠M11および2群枠22が樹脂製
であれば、上記食い込みによる効果が顕著となる。
【0083】また、上記カムフォロワの第六の変形例と
して、図16のカム溝,枠部組み付け状態断面図に示す
カムフォロワ72を提案できる。このカムフォロワ72
は、前記図7に示したカムフォロワ32に対して摺動面
が円筒形状である点が異なるものである。すなわち、円
筒形状の摺動面72aと軸部72eとを有しており、摺
動面72aの中央部は、V溝72cで切り欠かれ、エッ
ジ部72b,72dが形成されている。
【0084】上記カムフォロワ72は、例えば、前記2
群枠22に相当する枠部材74に対してその軸部72e
を軸穴74aに圧入、および/または、接着して固着さ
せる。そして、摺動面72aを、例えば、前記カム枠M
11に相当するカム枠73の平行カム溝73aに摺動自
在に嵌入して取り付ける。なお、この取り付け状態でエ
ッジ部72b,72dは、平行カム溝73aの摺動面内
に位置している。
【0085】上記カムフォロワ72の取り付け状態にお
いて、該カムフォロワにカム溝を介して外力が作用した
とき、エッジ部63bの平行カム溝73aへの食い込み
作用により平行カム溝73aに対して摺動面72aが軸
方向にずれにくく、嵌合部はずれが防止される。特にカ
ムフォロワ72が金属であり、カム枠73が樹脂製であ
れば、上記食い込みによる効果が顕著となる。
【0086】また、上記カムフォロワの第7の変形例と
して、図17の正面図に示すカムフォロワ75を提案で
きる。図18(A),(B)は、上記カムフォロワのエ
ッジ部の部分拡大図である。
【0087】上記カムフォロワ75は、前記図16に示
したカムフォロワ72に対して同じ円筒形状の摺動面を
持つが、その円筒形状の摺動面上方部に2つのV溝75
e,75fを設け、さらに、取り付け軸部も2つのV溝
75g,75hで切り欠かれた形状を有している。
【0088】すなわち、カムフォロワ75の上記摺動面
75aは、外径d3 の円筒形状の摺動面である。2つの
V溝75e,75fと上方傾斜面75rとで形成される
エッジ部75i,75jも同心の外径d3 を有し、図1
8(A)の部分拡大図に示すようにそれぞれ摺動面75
aと同一軸径d3 の微小幅部b2 を有している。なお、
上記エッジ部75i,75jは、微小の曲率をもつ角部
であってもよい。
【0089】一方、カムフォロワ75には円筒摺動面7
5aの下方には軸径d4 の軸部75bが設けられる。上
記軸部75bは、2つのV溝75g,75hでその中央
部が切り欠かれている。このV溝によってエッジ部75
m,75n,75pが形成される。軸部75bの先端に
は、より小さい径の導入軸部75rが設けられている。
【0090】上記エッジ部75nは、図18(B)の部
分拡大図に示すように軸部75bと同一軸径d4 の微小
幅部b3 を有している。なお、上記エッジ部75rは、
微小の曲率をもつ角であってもよい。
【0091】図19のカムフォロワのカム溝,枠部組み
付け状態断面図に示すように、枠部材74に対して上記
カムフォロワ75の軸部75bを軸穴74aに圧入、お
よび/または、接着して固着する。そして、摺動面75
aをカム枠73の平行カム溝73aに摺動自在に嵌入さ
せて取り付ける。なお、この取り付け状態でエッジ部7
5i,75jは、少なくとも平行カム溝73aのカム面
である摺動面内に位置し、エッジ部75n,75pは、
少なくとも軸穴74a内に位置している。
【0092】上記カムフォロワ75の取り付け状態にお
いて、該カムフォロワとカム溝間に側方向、または、抜
き方向の外力が作用してもエッジ部75i,75jの平
行カム溝73aへの食い込み作用によりカム枠73の平
行カム溝73aに対する摺動面75aの軸方向のずれに
よる嵌合部外れが防止される。同時にエッジ部75n,
75pの軸穴74aに対する食い込み現象によりカムフ
ォロワの軸部75bが枠部材の軸穴74aから抜け出し
が防止される。特にカムフォロワ75が金属であり、カ
ム枠73および枠部材74が樹脂製であれば、上記食い
込みによる効果が顕著となる。
【0093】上述の実施形態および変形例に基づいて、 (1) カム部を有する枠部材と、上記カム部のカムに
摺動嵌合して上記枠部材に対して相対移動されるカムフ
ォロワを固設した部材とを有するレンズ鏡筒において、
上記カムフォロワを上記枠部材に固設するため、該部材
に嵌入されるように該カムフォロワに設けられた軸部を
有し、該軸部の周面に複数のエッジ部を形成したことを
特徴とするレンズ鏡筒を提案できる。
【0094】(2) カム部を有する第一の枠部材と、
上記第一の枠部材に対して相対移動する第二の枠部材
と、上記第二の枠部材への取付用の軸部と上記カム部に
摺接する摺接面とを有し、かつ、該軸部の周面に複数の
エッジ部が形成されていて、上記第二の枠部材に該軸部
を圧入して取付けられるカムフォロワと、を備えること
を特徴とするレンズ鏡筒を提案できる。
【0095】(3) カム部を有する第一の枠部材と、
上記第一の枠部材に対して相対移動する第二の枠部材
と、上記第二の枠部材への取付用の軸部と上記カム部に
摺接する摺接面とを有し、かつ、該軸部の周面に複数の
エッジ部が形成されていて、該軸部により上記第二の枠
部材に固設されるカムフォロワと、上記第二の枠部材に
設けられ、上記カムフォロワの上記軸部と嵌合する穴部
と、を有し、上記カムフォロワを傾かせる力が作用した
ときに上記エッジ部が上記穴部内周に食い込むことによ
って、上記カムフォロワが上記第二の枠部材から離脱す
るのが防止されることを特徴とするレンズ鏡筒を提案で
きる。
【0096】上記レンズ鏡筒によると、軸部に複数のエ
ッジ部を形成をしたカムフォロワを適用し、上記カムフ
ォロワは上記軸部により上記第二の枠に圧入固着され
る。したがって、第二の枠の肉厚が薄くて軸部の有効長
さが短い状態で、カム部によって上記軸部に抜け出す力
が作用したとしても上記複数のエッヂ部の圧入による食
い込みにより軸部の抜け出しが確実に防止される。
【0097】
【発明の効果】上述のように本発明のカムフォロワによ
ると、枠部材に嵌入される軸部と、摺動嵌合部を有して
おり、上記軸部に複数のエッジ部を形成して、上記軸部
を枠部材の嵌入部に嵌入した場合、上記複数のエッヂ部
が枠部材嵌入部に食い込み、軸部の枠部材からの抜け出
しを確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるレンズ鏡筒を構成
する沈胴駆動系の分解斜視図。
【図2】上記一実施の形態であるレンズ鏡筒を構成する
レンズ群駆動系およびレンズ群枠部の分解斜視図。
【図3】上記一実施の形態のレンズ鏡筒の縦断面図であ
り、沈胴状態を示す。
【図4】上記一実施の形態のレンズ鏡筒の縦断面図であ
り、上半部が撮影準備状態およびワイド状態を示し、下
半部がテレ状態を示す。
【図5】上記一実施の形態のレンズ鏡筒のカム枠Mに固
着されるカムフォロワの正面図。
【図6】上記一実施の形態のレンズ鏡筒において、図5
のカムフォロワをカム枠Mに固着し、回転枠等に組み込
んだ状態の縦断面図。
【図7】上記一実施の形態のレンズ鏡筒における2群枠
に固着されるカムフォロワの正面図。
【図8】上記一実施の形態のレンズ鏡筒において、図7
のカムフォロワのカム枠Mのカム溝との嵌合状態での断
面図。
【図9】上記一実施の形態のレンズ鏡筒におけるカムフ
ォロワに対する第一の変形例のカムフォロワの斜視図。
【図10】上記一実施の形態のレンズ鏡筒におけるカム
フォロワに対する第二の変形例のカムフォロワの嵌合状
態での断面図。
【図11】上記一実施の形態のレンズ鏡筒におけるカム
フォロワに対する第三の変形例のカムフォロワの嵌合状
態での断面図。
【図12】上記一実施の形態のレンズ鏡筒におけるカム
フォロワに対する第四の変形例のカムフォロワの正面
図。
【図13】上記一実施の形態のレンズ鏡筒におけるカム
フォロワに対する第五の変形例のカムフォロワの正面
図。
【図14】図13のカムフォロワのエッジ部の部分拡大
図。
【図15】上記一実施の形態のレンズ鏡筒におけるカム
フォロワに対する第五の変形例のカムフォロワの嵌合状
態での断面図。
【図16】上記一実施の形態のレンズ鏡筒におけるカム
フォロワに対する第六の変形例のカムフォロワの嵌合状
態での断面図。
【図17】上記一実施の形態のレンズ鏡筒におけるカム
フォロワに対する第七の変形例のカムフォロワの正面
図。
【図18】図17のカムフォロワのエッジ部の部分拡大
図であって、図18(A)は、摺動面のエッジ部部分拡
大図であり、図18(B)は、軸部のエッジ部部分拡大
図である。
【図19】上記一実施の形態のレンズ鏡筒におけるカム
フォロワに対する第七の変形例のカムフォロワの嵌合状
態での断面図。
【符号の説明】
11 ……カム枠M(第一の枠) 11g……カム溝(カム部) 22 ……2群枠(第二の枠) 66,75……カムフォロワ 66a,66b,75a……摺動面(摺接面) 66d,75b……カムフォロワの軸部 66s,66t,75n,75p……複数のエッジ部 73 ……カム枠(第一の枠) 73a……カム溝(カム部) 74 ……枠部材(第二の枠)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 枠部材に嵌入される軸部と、カムに摺動
    嵌合する摺動嵌合部とを有するカムフォロワにおいて、 上記軸部に複数のエッジ部を形成したことを特徴とした
    カムフォロワ。
  2. 【請求項2】 カム部を有する第一の枠と、 上記第一の枠と相対移動する第二の枠と、 複数のエッヂ部を持つ軸部と上記カム部と摺接する摺接
    面とを有し、上記軸部により上記第二の枠に固着される
    カムフォロワと、を有することを特徴とするレンズ鏡
    筒。
  3. 【請求項3】 カム部を有する第一の枠と、 上記第一の枠と相対移動する第二の枠と、 複数のエッヂ部を持つ軸部と上記カム部と摺接する摺接
    面とを有し、上記軸部により上記第二の枠に固着される
    カムフォロワと、 上記第二の枠に設けられ、上記カムフォロワの上記軸部
    と嵌合する穴部と、を有し、上記カムフォロワに抜け出
    し、または、傾むこうとしたときに上記エッジ部が上記
    穴部内周に食い込むことによって、上記カムフォロワの
    軸部が上記第二の枠から抜けることを防止するようにし
    たことを特徴とするレンズ鏡筒。
JP2000099331A 2000-03-31 2000-03-31 カムフォロワおよびレンズ鏡筒 Withdrawn JP2001280447A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007033796A (ja) * 2005-07-26 2007-02-08 Canon Inc レンズ鏡筒
JP2014032356A (ja) * 2012-08-06 2014-02-20 Nikon Corp レンズ鏡筒および光学機器
US8665535B2 (en) 2009-07-27 2014-03-04 Panasonic Corporation Lens barrel and imaging device

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